JP2001148496A - 太陽電池モジュールおよびその製造方法 - Google Patents
太陽電池モジュールおよびその製造方法Info
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Abstract
テープや裏面電極の腐食を防止して優れた長期信頼性に
示し、かつ安価で製造が容易な太陽電池モジュールを提
供する。 【解決手段】 透明絶縁基板(1)と、透明絶縁基板
(1)上に順次積層された透明電極層(2)、半導体光
電変換層(3)および裏面電極層(4)からなる太陽電
池セルと、太陽電池セルの裏面を封止する封止材とを備
えた太陽電池モジュールにおいて、封止材は、太陽電池
セルの裏面の中央部を覆うEVAなどで形成される主封
止材(7)と、太陽電池セルの裏面の周縁部を覆うポリ
イソブチレン系樹脂などで形成される水蒸気バリヤー材
料(8)とからなり、水蒸気バリヤー材料(8)の水蒸
気透過率が膜厚100μmで1g/m2・day以下で
ある。
Description
に関し、特に長期信頼性を改善した太陽電池モジュール
およびその製造方法に関する。
や大気中のCO2の増加のような環境問題などから、ク
リーンな新エネルギーの開発が望まれており、特に太陽
光発電が期待されている。すでに、単結晶シリコンや多
結晶シリコン等を用いた結晶系太陽電池は、屋外の電力
用太陽電池として実用化されている。これに対して、非
晶質シリコン等を用いた薄膜系太陽電池は、原材料が少
なくて済むために低コスト太陽電池として注目されてお
り、現在盛んに開発が進められている。
上に順次積層された、SnO2、ZnO、ITO等の透
明導電性酸化物からなる透明電極層、アモルファスシリ
コン等からなる半導体光電変換層、およびAl、Ag、
Cr等の金属からなる裏面電極層で構成される太陽電池
セルを有する。上記の各層は複数の単位セルに対応する
ように分割されており、互いに隣り合う単位セルは直列
に接続されて集積化されている。
チレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の熱硬化性樹
脂からなる封止材シート、およびフッ化ビニル樹脂(た
とえばデュポン社製テドラー)またはフッ化ビニル樹脂
/Al/フッ化ビニル樹脂などからなる背面カバーフィ
ルムを積層し、真空ラミネート法等で封止されている。
として用いられているEVAは、屈折率がガラスに近
く、かつ安価であるという利点がある。しかし、EVA
は耐水性、耐湿性、耐アルカリ性などの性能が不十分で
ある。このため、特に太陽電池モジュールの側面でEV
Aが露出した部分から水分が侵入しやすく、導体テープ
や裏面電極層が腐食する原因となり、長期信頼性に劣っ
ていた。
ュールの周囲にブチルゴムなどを塗布することが行われ
ていることもある。しかし、この場合、ブチルゴムの接
着性の悪さから長期信頼性は得られていない。
て、ポリイソブチレン(PIB)系樹脂を主成分とする
水蒸気バリヤー材料を単独で、またはEVA層とPIB
系樹脂を主成分とする水蒸気バリヤー材料とを積層して
用いることが提案されている(例えば特開平6−615
18号公報、特開平7−142748号公報など)。
PIB系樹脂を塗布して硬化させる場合、PIB系樹脂
を広い面積に均一に塗布することが困難であり、しかも
比較的価格の高いPIB系樹脂の使用量が増えるため太
陽電池モジュールの価格が上昇する。また、EVA層上
にPIB系樹脂を形成すると、太陽電池モジュールの裏
面の平坦性が悪くなるという問題もある。
材側面を通しての水分の侵入による導体テープや裏面電
極の腐食を防止して優れた長期信頼性に示し、かつ安価
で製造が容易な太陽電池モジュールを提供することにあ
る。
ールは、透明絶縁基板と、透明絶縁基板上に順次積層さ
れた透明電極層、半導体光電変換層および裏面電極層か
らなる太陽電池セルと、太陽電池セルの裏面を封止する
封止材とを備えた太陽電池モジュールにおいて、封止材
は、太陽電池セルの裏面の中央部を覆う主封止材と、太
陽電池セルの裏面の周縁部を覆う水蒸気バリヤー材料と
からなり、前記水蒸気バリヤー材料の水蒸気透過率が膜
厚100μmで1g/m2・day以下であることを特
徴とする。
耐水性および耐湿性の観点から、透明絶縁基板の側面に
も形成されていることが好ましい。また、水蒸気バリヤ
ー材料は、透明絶縁基板裏面の外周から5mm以内の範
囲を覆うように形成されていることが好ましい。
m2・day以下であるという条件を満たす水蒸気バリ
ヤー材料の材料としては、ポリイソブチレン系樹脂、ウ
レタン系イソブチレン樹脂、シリコーン系イソブチレン
樹脂、ウレタン系接着剤、アクリレート系接着剤、エポ
キシ系接着剤などが用いられる。
央部を覆う主封止材としては、例えばエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(EVA)を主成分とするものなどが用い
られる。
は、透明絶縁基板上に透明電極層、半導体光電変換層お
よび裏面電極層を順次積層した構造を有する太陽電池セ
ルを形成する工程と、前記太陽電池セルの裏面を、その
中央部を主封止材で、その周縁部を水蒸気透過率が膜厚
100μmで1g/m2・day以下である水蒸気バリ
ヤー材料でそれぞれ覆う工程と、前記主封止材および水
蒸気バリヤー材料を硬化させて前記太陽電池セルの裏面
を封止する工程とを具備したことを特徴とする。
モジュールでは、太陽電池セルの裏面の中央部が主封止
材で覆われ、太陽電池セルの裏面の周縁部が水蒸気バリ
ヤー材料で覆われている。このような太陽電池モジュー
ルは、ガラス基板上に太陽電池セルを形成した後、太陽
電池セルの裏面中央部に主封止材のシートを載せ、太陽
電池セルの裏面周縁部に水蒸気バリヤー材料材料を塗布
し、さらに保護シートを載せ、真空ラミネーターを用い
て主封止材および水蒸気バリヤー材料を加熱硬化させる
ことにより製造される。
料を太陽電池セルの裏面周縁部にのみ塗布するので、塗
布作業が容易であり、しかも比較的価格の高い材料の使
用量が少なくてすむため、太陽電池モジュールの価格上
昇を抑えることができる。また、主封止材および水蒸気
バリヤー材料をほぼ同じ厚さに形成することができるの
で、太陽電池モジュールの裏面の平坦性が良好になる。
ては、水蒸気透過率が膜厚100μmで1g/m2・d
ay以下の材料が用いられる。この条件を満たす水蒸気
バリヤー材料の材料としては、ポリイソブチレン系樹
脂、ウレタン系イソブチレン樹脂、シリコーン系イソブ
チレン樹脂、ウレタン系接着剤、アクリレート系接着
剤、エポキシ系接着剤などが挙げられるが、絶縁性およ
び強度の点からゴム弾性を有するポリイソブチレン系樹
脂が特に好適である。
に制限はなく種々の硬化方法を選択でき、たとえばポリ
イソブチレン系樹脂であれば、たとえば特開平6−49
365号公報に開示されているような末端に炭素−炭素
二重結合を有するイソブチレン系ポリマーと2つ以上の
ヒドロシリル基を有する硬化剤と触媒を含有する組成物
からなる材料を重合硬化する方法、もしくは末端に水酸
基を有するイソブチレン系ポリマーとイソシアネート化
合物と硬化触媒を含有する組成物を重合する方法が挙げ
られる。なお、組成物の粘度を調整するために可塑剤を
添加するなど、他の添加剤を添加してもよい。これらの
成分を含有する組成物を硬化することにより、ゴム弾性
を有する硬化物からなる水蒸気バリヤー材料を形成する
ことができる。このような水蒸気バリヤー材料を用いれ
ば、主封止材および水蒸気バリヤー材料を平坦化するの
に有利である。
する。
周縁部を示す断面図である。面積92cm×46cm、
厚さ4mmのソーダーライムガラスからなるガラス基板
1上に、SnO2からなる透明電極層2が形成されてい
る。この透明電極層2は、複数の単位セルに対応してス
クライブライン2aの位置でスクライブされて約10m
mのストリング幅に分割されている。透明電極層2上に
は、pin接合を有するアモルファスシリコン系の半導
体光電変換層3が形成されている。半導体光電変換層3
は、透明電極層2のスクライブライン2aから約100
μmずらしたスクライブライン3aの位置でスクライブ
される。このスクライブライン3aは透明電極層3と裏
面電極層との接続用開口部となる。半導体光電変換層3
上には、ZnOとAgを積層することにより形成された
裏面電極層4が形成されている。裏面電極層4およびそ
の表面側の半導体光電変換層3は、半導体光電変換層3
のスクライブライン3aから約100μmずらしたスク
ライブライン4aの位置でスクライブされて分割されて
いる。以上のようにして複数の単位セル(ストリング幅
は約10mm)が直列に接続されて形成され、集積化薄
膜太陽電池セルが作製されている。
電池セルを外部と電気的に分離するために、ガラス基板
1の外周から5mmの位置で透明電極層、半導体光電変
換層および裏面電極層をレーザーにより除去して絶縁分
離領域としている。また、両端にあるストリングより外
側の半導体光電変換層および裏面電極層を約3.5mm
の幅で除去して配線領域としている。この配線領域に半
田5を付け、その上に半田メッキ銅箔からなるバスバー
電極6を形成している。このバスバー電極6は太陽電池
セルのストリングと平行に配置されている。バスバー電
極6には導体テープ(図示せず)が接続される。
池セルの裏面中央部に主封止材7としてEVAシートを
重ね、太陽電池セルの裏面周縁部を覆うように水蒸気バ
リヤー材料8としてポリイソブチレン系樹脂を塗布す
る。このとき、水蒸気バリヤー材料8を塗布する範囲
は、ガラス基板1の外周から5mm以内の範囲とし、水
蒸気バリヤー材料8がバスバー電極6や裏面電極4に接
触しないようにしている。さらに、主封止材7および水
蒸気バリヤー材料8からなる封止材の上にフッ化ビニル
樹脂/Al/フッ化ビニル樹脂からなる背面カバーフィ
ルム9を重ね、真空ラミネータにより封止する。真空ラ
ミネーターによる加熱硬化の条件は、150℃で約30
分である。この条件下で主封止材および水蒸気バリヤー
材料がそれぞれ架橋硬化する。この際、ポリイソブチレ
ン系樹脂が流動する結果、ガラス基板1の側面も水蒸気
バリヤー材料8で覆われる。主封止材7および水蒸気バ
リヤー材料8の厚さは約0.6mm、背面カバーフィル
ム9の厚さは110μmである。
ついて、100mW/cm2のAM1.5ソーラーシミ
ュレーターを用いて、電流電圧特性を測定した結果、出
力は32Wであった。この太陽電池モジュールを、12
0℃、2気圧のPCT(プレッシャークッカーテスト)
で1時間処理した後、外観検査したが、裏面電極の腐食
等は見られなかった。
用いて太陽電池セルの裏面全面を覆った以外は上記実施
例と同様にして太陽電池モジュールを作製した。このよ
うにして得た太陽電池モジュールについて、100mW
/cm2のAM1.5ソーラーシミュレーターを用い
て、電流電圧特性を測定した結果、出力は32Wであ
り、上記実施例と同等の出力を示した。この太陽電池モ
ジュールを、同じく120℃、2気圧、1時間のPCT
処理を行ったところ、周縁部からの水分の侵入が原因で
あると思われる、裏面電極の腐食が認められた。
陽電池セルの裏面の中央部を覆う主封止材と太陽電池セ
ルの裏面の周縁部を覆う水蒸気バリヤー材料とからなる
封止材を用いることにより、封止材側面を通しての水分
の侵入による導体テープや裏面電極の腐食を防止して優
れた長期信頼性に示し、かつ安価で製造が容易な太陽電
池モジュールを提供できる。
す断面図。
蒸気バリヤー材料を配置した状態を示す斜視図。
Claims (6)
- 【請求項1】 透明絶縁基板と、前記透明絶縁基板上に
順次積層された透明電極層、半導体光電変換層および裏
面電極層からなる太陽電池セルと、前記太陽電池セルの
裏面を封止する封止材とを備えた太陽電池モジュールに
おいて、 前記封止材は、前記太陽電池セルの裏面の中央部を覆う
主封止材と、前記太陽電池セルの裏面の周縁部を覆う水
蒸気バリヤー材料とからなり、前記水蒸気バリヤー材料
の水蒸気透過率が膜厚100μmで1g/m2・day
以下であることを特徴とする太陽電池モジュール。 - 【請求項2】 前記水蒸気バリヤー材料は、前記透明絶
縁基板の側面にも形成されていることを特徴とする請求
項1記載の太陽電池モジュール。 - 【請求項3】 前記水蒸気バリヤー材料は、前記透明絶
縁基板裏面の外周から5mm以内の範囲を覆うように形
成されていることを特徴とする請求項1または2記載の
太陽電池モジュール。 - 【請求項4】 前記水蒸気バリヤー材料が、ポリイソブ
チレン系樹脂、ウレタン系イソブチレン樹脂、シリコー
ン系イソブチレン樹脂、ウレタン系接着剤、アクリレー
ト系接着剤、およびエポキシ系接着剤からなる群より選
択される少なくとも1種を含む材料であることを特徴と
する請求項1ないし3いずれか記載の太陽電池モジュー
ル。 - 【請求項5】 前記主封止材は、エチレン−酢酸ビニル
共重合体を主成分とすることを特徴とする請求項1ない
し4いずれか記載の太陽電池モジュール。 - 【請求項6】 透明絶縁基板上に透明電極層、半導体光
電変換層および裏面電極層を順次積層した構造を有する
太陽電池セルを形成する工程と、前記太陽電池セルの裏
面を、その中央部を主封止材で、その周縁部を水蒸気透
過率が膜厚100μmで1g/m2・day以下である
水蒸気バリヤー材料でそれぞれ覆う工程と、前記主封止
材および水蒸気バリヤー材料を硬化させて前記太陽電池
セルの裏面を封止する工程とを具備したことを特徴とす
る太陽電池モジュールの製造方法。
Priority Applications (6)
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JP33013899A JP2001148496A (ja) | 1999-11-19 | 1999-11-19 | 太陽電池モジュールおよびその製造方法 |
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DE60034840T DE60034840T3 (de) | 1999-03-23 | 2000-03-17 | Photovoltaisches Modul |
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AU22339/00A AU2233900A (en) | 1999-03-23 | 2000-03-17 | Photovoltaic module |
US09/531,545 US6288326B1 (en) | 1999-03-23 | 2000-03-20 | Photovoltaic module |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20091020 |