JP2001148276A - 端子圧着装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業性の向上を図ると共に、圧着端子におけ
る圧着位置が安定して得られ、信頼性の向上が図れる端
子圧着装置を提供する。 【解決手段】 端子圧着装置１１は圧着端子４の圧着部
４ａを圧着する上金型と下金型１３を備える。端子圧着
装置１１は、圧着端子４の圧着部４ａを外側方突出状と
して圧着端子４の他の部分が載置状に嵌合される嵌合凹
部１９ａを有する端子嵌合保持台１９と、端子嵌合保持
台１９の嵌合凹部１９ａに嵌合された圧着端子４の圧着
部４ａを、上金型と下金型１３間のアンビル部１３ａ上
に位置する圧着位置と、該圧着位置の水平方向一側方に
位置する退避位置とに、位置変更自在とすべく、端子嵌
合保持台１９を水平方向に移動操作自在に支持するスラ
イド支持機構２２とをさらに備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用バッテリ
ーケーブル等の電線の端部に圧着端子を圧着するための
端子圧着装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、自動車用バッテリーケーブルの端
部に圧着される圧着端子にあっては、それぞれ単体状態
とされたいわゆるバラ端子であるため、自動端子圧着装
置に採用し難く、主に手作業に頼っていた。

【０００３】即ち、図４および図５に示される如く、端
子圧着装置１は上金型２と下金型３とが上下に対向配置
され、上金型２の昇降駆動操作により、上金型２に形成
されたクリンパ部２ａと下金型３に形成されたアンビル
部３ａとの相互間で、圧着端子４の圧着部４ａをプレス
して、バッテリーケーブル５端部の芯線部５ａに圧着端
子４を圧着する構造とされていた。

【０００４】また、下金型３の背面側には、下金型３の
アンビル部３ａ上に圧着部４ａが載置された状態で圧着
端子４を保持する端子保持治具６が適宜備えられてい
る。

【０００５】そして、その圧着作業に際しては、上金型
２の上昇位置で、手作業により圧着部４ａをアンビル部
３ａの所定位置に位置するように載置して圧着端子４を
端子保持治具６で保持させ、この状態でバッテリーケー
ブル５端部の芯線部５ａを圧着部４ａに位置させ、その
後、上金型２を下降操作して圧着部４ａをプレスするよ
うにしていた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構造の端子圧着装置によれば、上金型２と下金型３と
の相互間の狭い空間を利用して、下金型３に圧着端子４
をセットしなければならず、作業が行い難いという問題
があった。

【０００７】また、下金型３に対する圧着端子４のセッ
トが手作業に頼っており、アンビル部３ａ上の圧着部４
ａ位置が圧着部４ａの軸心方向（図５における矢印Ｐ、
Ｑ方向）にバラツキが生じ易く、従って、圧着後におい
て、図６に示される圧着部４ａにおける軸心方向両側の
ベルマウス７の幅（０．５〜１．０ｍｍ程度）が不均等
になる等、圧着部４ａの圧着位置にバラツキが生じるお
それが大であった。

【０００８】そこで、本発明の課題は、作業性の向上を
図ると共に、圧着端子における圧着位置が安定して得ら
れ、信頼性の向上が図れる端子圧着装置を提供すること
を目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの技術的手段は、上金型の昇降駆動により、上金型に
形成されたクリンパ部と下金型に形成されたアンビル部
との相互間で、圧着端子の圧着部をプレスして、電線の
端部に圧着端子を圧着するための端子圧着装置におい
て、前記圧着端子の前記圧着部を外側方突出状として圧
着端子の他の部分が載置状に嵌合される嵌合凹部を有す
る端子嵌合保持台と、前記端子嵌合保持台の嵌合凹部に
嵌合された圧着端子の圧着部を、前記上金型と下金型間
の前記アンビル部上に位置する圧着位置と、該圧着位置
の水平方向一側方に位置する退避位置とに、位置変更自
在とすべく、端子嵌合保持台を水平方向に移動操作自在
に支持するスライド支持機構と、を備えてなる点にあ
る。

【００１０】また、前記端子嵌合保持台が前記スライド
支持機構に着脱交換自在に装着されてなる構造としても
よい。

【００１１】さらに、前記端子嵌合保持台の嵌合凹部に
嵌合された圧着端子の圧着部の軸心方向に対して、端子
嵌合保持台を移動調整自在な位置調整機構が前記スライ
ド支持機構に備えられてなる構造としてもよい。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明すると、図１ないし図３に示される如く、
端子圧着装置１１は、従来同様、上金型１２と下金型１
３とが上下に対向配置され、下金型１３は台部１４に着
脱交換自在に取付固定され、上金型１２は上下方向に昇
降駆動操作されるプレスラム１５に着脱交換自在に取付
固定されている。

【００１３】そして、上金型１２の昇降駆動操作によ
り、上金型１２に形成されたクリンパ部１２ａと下金型
１３に形成されたアンビル部１３ａとの相互間で、圧着
端子４の圧着部４ａをプレスして、電線の一例としての
バッテリーケーブル５端部の芯線部５ａに圧着端子４を
圧着する構造とされている。

【００１４】また、プレスラム１５を上下方向に案内す
るラムガイド１６は、台部１４に立設された支持壁板１
７の一側面側に片持ち状に備えられ、ラムガイド１６他
側方（図１および図３に示される本実施形態では右側）
の上金型１２と下金型１３間は開放状に構成されてい
る。

【００１５】そして、その開放状とされた上下金型１
２、１３間の一側方には、圧着端子４が載置状に嵌合さ
れる嵌合凹部１９ａを有する端子嵌合保持台１９が配置
されている。

【００１６】前記嵌合凹部１９ａは、バッテリーの端子
に接続される圧着端子４の円弧状の接続部４ｂ、締付け
フランジ部４ｃ、締付けフランジ部４ｃに装着されたボ
ルトとナットからなる締結具２０が、それぞれ上方より
載置状に嵌合された状態で、圧着部４ａは外側方（図１
および図２に示される本実施形態では手前側）突出状と
なるように構成されている。

【００１７】また、端子嵌合保持台１９の背面側には、
端子嵌合保持台１９を水平方向に移動操作自在に支持す
るスライド支持機構２２が備えられている。

【００１８】スライド支持機構２２は、架台２３上に設
置された図１における左右方向に沿って適宜長さを有す
るレール体２４と、該レール体２４の長さ方向に沿って
スライド自在にレール体２４上に装着された移動台２５
と、移動台２５に突設配置されたスライド操作部２５ａ
にロッド２６ａの突出端部が連結された操作シリンダ２
６とを備え、そのロッド２６ａの出退操作により、移動
台２５がレール体２４に沿ってスライド操作されるよう
に構成されている。

【００１９】また、移動台２５上には、移動台２５のス
ライド方向と直交する前後方向にスライド溝２７が形成
され、スライド溝２７に沿ってスライド自在に位置調整
台２８が嵌合状に載置されている。

【００２０】スライド溝２７の後部側に位置して、移動
台２５の端縁部よりボルト支持壁部２５ｂが立設されて
おり、ボルト支持壁部２５ｂに形成された雌ネジ孔２５
ｃに位置調整ボルト２９が前後方向の軸心を有して螺進
螺退操作自在に螺挿されている。

【００２１】また、位置調整ボルト２９の螺挿端部はよ
り小径の円柱状に形成され、位置調整台２８の後端部に
立設された連結壁部２８ａの嵌通孔２８ｂに相対回転自
在に嵌通され、止め輪３０等により抜け止め保持されて
いる。

【００２２】さらに、位置調整台２８には、前後方向に
適宜長さを有する細長状の調整孔２８ｃが左右に離隔し
て一対備えられ、各調整孔２８ｃを挿通状として固定ネ
ジ３１が移動台２５にそれぞれ締結弛緩自在に螺合され
ている。

【００２３】そして、位置調整台２８の前後方向位置調
整に際しては、位置調整ボルト２９に螺合されているロ
ックナット３２を弛緩すると共に両固定ネジ３１を弛緩
した状態で、位置調整ボルト２９を螺進もしくは螺退操
作することにより、位置調整台２８が前後方向に位置調
整自在とされている。また、位置調整後は、両固定ネジ
３１を再度締結すると共にロックナット３２を締結すれ
ばよい。

【００２４】また、位置調整台２８の前端部には、支持
壁部２８ｄが立設され、該支持壁部２８ｄの前面側には
リニアボールスライド機構等からなる昇降調整機構３４
を介して上下方向に昇降調整自在に昇降体３５が支持さ
れている。そして、昇降体３５の下端部に前方突出状に
備えられた取付台部３５ａに、端子嵌合保持台１９の後
端部に備えられた取付部１９ｂが、固定ネジ３６を介し
て着脱交換自在に取付固定されている。

【００２５】ここに、端子嵌合保持台１９は、昇降調整
機構３４により上下方向に昇降調整自在とされ、位置調
整ボルト２９の螺進螺退操作により前後方向に位置調整
自在に構成されている。そして、上記ボルト支持壁部２
５ｂ、連結壁部２８ａ、位置調整ボルト２９、昇降体３
５等により、端子嵌合保持台１９を圧着部４ａの軸心方
向に沿った前後方向に移動調整自在な位置調整機構が構
成されている。

【００２６】また、端子嵌合保持台１９の嵌合凹部１９
ａに嵌合された圧着端子４の圧着部４ａは、操作シリン
ダ２６におけるロッド２６ａの進出状態で、図１や図３
に示される如く、両金型１２、１３間の水平方向一側方
に位置する退避位置とされ、ロッド２６ａの後退状態
で、図３仮想線で示される如く、両金型１２、１３間の
アンビル部１３ａ上に位置する圧着位置とされるよう
に、操作シリンダ２６の作動によるロッド２６ａの出退
操作により位置変更自在に構成されている。

【００２７】さらに、端子嵌合保持台１９の嵌合凹部１
９ａは、圧着端子４の各種形状に応じて、それぞれ対応
した形状のものが予め複数種準備されており、取付台部
３５ａに対する端子嵌合保持台１９の交換により、各種
の圧着端子４に対応できるように構成されている。

【００２８】本実施形態は以上のように構成されてお
り、バッテリーケーブル５の端部に圧着端子４を圧着す
る圧着作業に際しては、図１および図３に示される如
く、予め、位置調整ボルト２９や昇降調整機構３４によ
って位置調整された端子嵌合保持台１９の退避位置で、
作業者は圧着端子４を嵌合凹部１９ａに嵌合させて端子
嵌合保持台１９に保持させる。

【００２９】この嵌合凹部１９ａに対する嵌合によって
圧着端子４は所定姿勢で端子嵌合保持台１９に保持され
る。また、この嵌合凹部１９ａに対する圧着端子４の嵌
合は、適宜備えられた端子有無検出センサにより検出さ
れる。

【００３０】この状態で、適宜備えられた操作スイッチ
をオン操作すれば、このオン信号と前記検出信号により
操作シリンダ２６が後退作動され、移動台２５がレール
体２４に沿ってスライド操作される。この移動台２５の
スライド移動により端子嵌合保持台１９が移動操作さ
れ、端子嵌合保持台１９に保持された圧着端子４の圧着
部４ａは、図３仮想線で示される如く、両金型１２、１
３間の圧着位置に移動操作される。

【００３１】この移動操作後、バッテリーケーブル５の
端部を圧着部４ａ位置にセットし、その後、適宜備えら
れたフットスイッチ等の圧着スイッチをオン操作すれ
ば、プレスラム１５が下降操作されて、圧着部４ａがバ
ッテリーケーブル５の端部に圧着される。

【００３２】そして、この圧着動作後に端子嵌合保持台
１９の嵌合凹部１９ａから圧着端子４を取り出せば、前
記端子有無検出センサは圧着端子４を検出せず、この非
検出信号により、操作シリンダ２６が進出作動され、端
子嵌合保持台１９は初期位置に復帰される。

【００３３】以下同様の作業の繰り返しにより、順次、
圧着端子４の圧着作業が行われる。

【００３４】以上のように、作業者は、両金型１２、１
３間の一側方の退避位置に位置する端子嵌合保持台１９
の嵌合凹部１９ａに、圧着端子４の接続部４ｂ、締付け
フランジ部４ｃ等を嵌合させれば、圧着端子４が所定位
置に、所定姿勢で自動的に位置決め保持されるため、両
金型１２、１３間に移動される圧着部４ａの供給位置お
よび供給姿勢が安定し、従って、圧着部４ａに対する圧
着位置が安定し、圧着後におけるベルマウス７の幅にバ
ラツキが生じず、ベルマウス７の位置が安定して得ら
れ、信頼性の向上が図れる。

【００３５】また、両金型１２、１３間の一側方の退避
位置に位置する端子嵌合保持台１９の嵌合凹部１９ａ
に、上方から圧着端子４を載置状に嵌合させる方式であ
り、作業スペースが容易に確保でき、従来のように、両
金型１２、１３相互間の狭い空間を利用して、下金型１
３のアンビル部１３ａ位置に圧着端子４の圧着部４ａを
セットする必要がなく、作業性に優れると共に安全性の
向上も図れる利点がある。

【００３６】さらに、端子嵌合保持台１９を交換するこ
とにより、各種形状、構造の圧着端子４も同様に圧着で
き、汎用性に優れる利点がある。この際、位置調整ボル
ト２９による前後位置調整や、昇降調整機構３４による
高さ調整により、端子嵌合保持台１９の嵌合凹部１９ａ
に嵌合された圧着端子４の圧着部４ａを所定位置に容易
に調整できる利点もある。

【００３７】なお、圧着される圧着端子４の種類に応じ
て、上金型１２や下金型１３も適宜交換すればよい。

【００３８】また、上記実施形態において、バッテリー
ケーブル５の端部に圧着端子４を圧着する場合を例示し
ているが、その他の電線の端部にいわゆるバラ状態の圧
着端子４を圧着する場合にも同様に適用でき、バッテリ
ーケーブル５に何ら限定されない。

【００３９】

【発明の効果】以上のように、本発明の端子圧着装置に
よれば、圧着端子の圧着部を外側方突出状として圧着端
子の他の部分が載置状に嵌合される嵌合凹部を有する端
子嵌合保持台と、端子嵌合保持台の嵌合凹部に嵌合され
た圧着端子の圧着部を、上金型と下金型間のアンビル部
上に位置する圧着位置と、該圧着位置の水平方向一側方
に位置する退避位置とに、位置変更自在とすべく、端子
嵌合保持台を水平方向に移動操作自在に支持するスライ
ド支持機構とを備えてなるものであり、両金型間の一側
方の退避位置に位置する端子嵌合保持台の嵌合凹部に、
上方から圧着端子を載置状に嵌合させる方式であり、作
業スペースが容易に確保できると共に、圧着端子の供給
位置、供給姿勢が安定し、作業性に優れ、圧着端子にお
ける圧着位置が安定し、圧着後におけるベルマウスの幅
にバラツキが生じず、信頼性の向上が図れるという利点
がある。

【００４０】また、端子嵌合保持台がスライド支持機構
に着脱交換自在に装着されてなる構造とすれば、各種の
圧着端子に対応でき、汎用性に優れる利点がある。

【００４１】さらに、端子嵌合保持台の嵌合凹部に嵌合
された圧着端子の圧着部の軸心方向に対して、端子嵌合
保持台を移動調整自在な位置調整機構がスライド支持機
構に備えられてなる構造とすれば、両金型間に供給され
る圧着部の軸心方向の位置調整も容易に行えるという利
点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態を示す全体概略平面図であ
る。

【図２】同概略右側面図である。

【図３】図１の概略正面図である。

【図４】従来例を示す要部正面図である。

【図５】同左側面図である。

【図６】電線端部の説明図である。

【符号の説明】

４ 圧着端子 ４ａ 圧着部 ４ｂ 接続部 ４ｃ 締付けフランジ部 ５ バッテリーケーブル ７ ベルマウス １１ 端子圧着装置 １２ 上金型 １２ａ クリンパ部 １３ 下金型 １３ａ アンビル部 １９ 端子嵌合保持台 １９ａ 嵌合凹部 ２２ スライド支持機構 ２８ 位置調整台 ２９ 位置調整ボルト ３４ 昇降調整機構 １ 昇降体

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上金型の昇降駆動により、上金型に形成
   されたクリンパ部と下金型に形成されたアンビル部との
   相互間で、圧着端子の圧着部をプレスして、電線の端部
   に圧着端子を圧着するための端子圧着装置において、 前記圧着端子の前記圧着部を外側方突出状として圧着端
   子の他の部分が載置状に嵌合される嵌合凹部を有する端
   子嵌合保持台と、 前記端子嵌合保持台の嵌合凹部に嵌合された圧着端子の
   圧着部を、前記上金型と下金型間の前記アンビル部上に
   位置する圧着位置と、該圧着位置の水平方向一側方に位
   置する退避位置とに、位置変更自在とすべく、端子嵌合
   保持台を水平方向に移動操作自在に支持するスライド支
   持機構と、を備えてなることを特徴とする端子圧着装
   置。
2. 【請求項２】 前記端子嵌合保持台が前記スライド支持
   機構に着脱交換自在に装着されてなることを特徴とする
   請求項１記載の端子圧着装置。
3. 【請求項３】 前記端子嵌合保持台の嵌合凹部に嵌合さ
   れた圧着端子の圧着部の軸心方向に対して、端子嵌合保
   持台を移動調整自在な位置調整機構が前記スライド支持
   機構に備えられてなることを特徴とする請求項１または
   ２記載の端子圧着装置。