JP2001146704A - 踏切道 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】トラック等の重量物が通過しても、踏切板が浮
き上がりなく、しっかりと固定することができる踏切道
を提供すること。 【解決手段】レールＲ方向に沿って敷かれた複数枚の踏
切板１に、レールＲと平行に貫通する貫通孔６を形成
し、この貫通孔６に、両端にネジ山を形成した固定棒７
を挿通する。両側に位置する踏切板１の外側の側面に当
てる上方側面固定パネルに、固定棒の挿通孔１８を設
け、この側面固定パネルの挿通孔から突出させた固定棒
の先端に固定ナットを締め付けて、固定棒と上方側面固
定パネルとを一体に固定する。この上方側面固定パネル
と、枕木の内側の側面に当てる下方側面固定パネルとを
ボルト１５とナット１６からなる締結金具で一体に固定
するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、一対のレール間
の内外に、踏切板を敷いて、線路を横切る道路の通行を
確保する踏切道に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、踏切道として、レール間の内側と
外側にそれぞれ、２本あるいは３本の枕木を跨ぐよう
に、レールの長さ方向に沿って複数枚の踏切板を敷き、
このレール間の内外に敷かれた複数枚の踏切板の両側
を、移動防止金具で枕木に固定するようにしたものがあ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記移動防
止金具は、枕木にボルトで固定される固定板と、この固
定板から起立し、踏切板の側面に当てられる当て板とか
らなる。

【０００４】ところが、上記のように、複数枚の踏切板
を、両側面から当て板を当てて固定した場合、枕木に対
して固定されるのは、両側に位置する踏切板だけであ
り、複数枚の踏切板のうち、内側の踏切板は枕木に対し
て固定されていない。

【０００５】したがって、踏切板の上を大型のトラック
など重量物が通過した際などに、踏切板が浮き上がると
いう問題があった。

【０００６】そこで、この発明は、 複数枚の踏切板を、
浮き上がりなく、しっかりと固定することができる踏切
道の構造を提供しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するために、複数本の枕木を跨ぐように、一対の
レール間の内側と外側に、レール方向に沿ってそれぞれ
敷いた複数枚の踏切板を、枕木に対して、 次のように固
定するものである。

【０００８】即ち、レール間の内外に、レール方向に沿
って敷かれた複数枚の踏切板に、レールと平行に貫通す
る貫通孔を形成し、この貫通孔に、少なくとも両端にネ
ジ山を形成した固定棒を挿通し、上記両側に位置する踏
切板の外側の側面に当てる上方側面固定金具を設け、こ
の上方側面固定金具に、踏切板の上面の側縁部に当たる
上面固定部と、枕木の上面と平行に外側に延びる水平固
定部とを形成し、上記枕木の内側の側面に当てる下方側
面固定金具を設け、この下方側面固定金具の下端に、枕
木の下面に引っ掛かる引っ掛け部と、枕木と踏切板の間
を通って、外側端部が上記上方固定金具の水平固定部の
下面に重なる下方固定部とを形成し、上記上方側面固定
金具に、上記固定棒の挿通孔を設け、この上方側面固定
金具の挿通孔から突出させた固定棒の先端に固定ナット
を締め付けて、固定棒と上方側面固定金具とを一体に固
定し、上記上方側面固定金具の水平固定部と、この水平
固定部に重なる下方側面金具の外側端部とをボルト、ナ
ット等の締結金具で一体に固定するようにしたのであ
る。

【０００９】かかる構成により、レールの長さ方向に沿
って敷かれた複数枚の踏切板に、固定棒が貫通し、固定
棒が枕木に対して固定される。

【００１０】したがって、レール間の内外に、レールの
長さ方向に沿って敷かれた複数枚の踏切板が、枕木に対
して、浮き上がりなく固定される。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を添
付図面に基づいて説明する。

【００１２】踏切板１は、レールＲ間に敷かれる内軌板
と、レールＲ間の外側に敷かれる外軌板の２種類があ
る。図１に示すように、内軌板は２本の枕木Ｔに跨る大
きさに形成され、外軌板は３本の枕木Ｔに跨る大きさに
形成されている。

【００１３】踏切板１は、例えば、古タイヤを粒度３〜
１mm程度に粉砕したゴムチップを接着剤で固めることに
より、多孔質で透水性を有する板状に形成したものを使
用することができる。この場合、接着剤としては、例え
ば、武田薬品製タケネートＦ１３９を配合１０〜３０％
で用いるとよい。また、踏切板１の内部には、補強材を
適宜埋め込んで補強することが望ましい。この補強材と
しては、複数のリブを有する硬質塩化ビニール製の中空
板や、鋼管等を使用することができる。

【００１４】上記踏切板１の一側には、レールＲの首部
に係合する係合凸部２が形成されており、レールＲ間の
内側に敷かれる踏切板１の両側上部には、車両の車輪の
フランジが通過するのを許容する切欠溝３が形成されて
いる。また、踏切板１の両側下部には、レールＲの枕木
Ｔへの締結装置５が収まる凹部４が形成されている。

【００１５】上記踏切板１は、複数本の枕木Ｔを跨ぐよ
うに、一対のレールＲ間の内側と外側に敷かれ、枕木Ｔ
に対して、 次のように固定される。

【００１６】レールＲ間の内外に、レール方向に沿って
敷かれた複数枚の踏切板１には、図２に示すように、そ
れぞれレールＲと平行に貫通する貫通孔６を形成し、こ
の貫通孔６に、両端にネジ山を形成した固定棒７を挿通
する。

【００１７】一方、両側に位置する枕木Ｔの内側の側面
に、踏切板１を敷く前に、下方側面固定金具８を設置す
る。この下方側面固定金具８の下端に、枕木Ｔの下面に
引っ掛かる引っ掛け部９を形成し、上端に、枕木Ｔの上
面と踏切板１の下面を通って、外側端部が踏切板１の外
方に突出する下方固定部１０を形成している。

【００１８】さらに、上記両側に位置する踏切板１の外
側の側面に、上方側面固定金具１１を設置する。この上
方側面固定金具１１には、踏切板１の上面の側縁部に当
たる上面固定部１２と、枕木Ｔの上面と平行に外側に延
びる水平固定部１３とが形成されている。

【００１９】上記上方側面固定金具１１の水平固定部１
３と、下方側面固定金具８の下方固定部１０とは、ボル
ト１５と、ナット１６からなる締結金具によって固定さ
れるようになっている。即ち、上方側面固定金具１１の
水平固定部１３と、下方側面固定金具８の下方固定部１
３に、ボルト挿通孔１４を形成し、このボルト挿通孔１
４にボルト１５を差込み、このボルト１５の先端にナッ
ト１６を締め付けることにより、上記上方側面固定金具
１１の水平固定部１３と、下方側面固定金具８の下方固
定部１０とを固定できるようにしている。ボルトの頭部
と、上方側面固定金具１１の水平固定部１３の上面との
間には、ワッシャー金具１７を嵌めている。

【００２０】また、上記上方側面固定金具１１には、上
記固定棒７の挿通孔１８を形成している。この側面固定
金具１１の挿通孔１８から踏切板１の貫通孔６に挿通し
た固定棒７の先端を突出させ、この突出させた固定棒７
の先端に固定ナット１９を締め付けることにより、固定
棒７と上方側面固定金具１１とを固定できるようにして
いる。

【００２１】この発明に係る踏切道を施工するには、ま
ず、レールＲの外側の枕木Ｔに踏切板１を載置し、その
踏切板１の係合凸部３をレールＲの外側の首部に係合さ
せる。また、一対のレールＲ間の内側に踏切板1 を押し
込み、その係合凸部３を弾性変形させつつレールＲの内
側の首部に係合させる。

【００２２】そして、図２に示すように、下方側面固定
金具８を踏切両端の枕木Ｔの内側面に、下方側面固定金
具８の下端の引っ掛け部９を、枕木Ｔの下面に引っ掛
け、上端の下方固定部１０を、枕木Ｔの上面と踏切板１
の下面を通し、外側端部が踏切板１の外方に突出するよ
うに設置する。

【００２３】次いで、両端の踏切板１の外側面に上方側
面固定金具１１を当てて、上記上方側面固定金具１１の
水平固定部１３と、下方側面固定金具８の下方固定部１
０とを重ね、両ボルト挿通孔１４を合わせ、ボルト挿通
孔１４にボルト１５を差込む。このボルト１５の先端に
ナット１６を締め付けることにより、上記上方側面固定
金具１１の水平固定部１３と、下方側面固定金具８の下
方固定部１０とを締結する。

【００２４】この後、上記上方側面固定金具１１の挿通
孔１８から固定棒７を、踏切板１の貫通孔６内に挿通
し、固定棒７の両端を、上方側面固定金具１１の挿通孔
１８から突出させ、この突出させた固定棒７の先端に固
定ナット１９を締め付け、固定棒７と上方側面固定金具
１１とを締結固定する。

【００２５】これにより、レールＲの長さ方向に沿って
敷かれた複数枚の踏切板１のうち、両側に位置する踏切
板１だけではなく、内側の踏切板１も、固定棒７が貫通
して枕木に対して、浮き上がりなく固定される。

【００２６】

【発明の効果】以上のように、この発明に係る踏切道
は、レールＲの長さ方向に沿って敷かれた複数枚の全て
の踏切板１が、枕木Ｔに対して固定されるので、トラッ
ク等の重量物が通過しても、踏切板１が浮き上がらず、
安全である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る踏切道の全体平面図

【図２】上記踏切道の要部を示す部分断面図

【図３】上記踏切道の要部を示す部分平面図

【図４】上記踏切道を示す側面図

【符号の説明】

Ｒ レール Ｔ 枕木 １ 踏切板 ２ 係合凸部 ３ 切欠溝 ４ 凹部 ５ 締結装置 ６ 貫通孔 ７ 固定棒 ８ 下方側面固定金具 ９ 引っ掛け部 １０ 下方固定部 １１ 上方側面固定金具 １２ 上面固定部 １３ 水平固定部 １４ ボルト挿通孔 １５ ボルト １６ ナット １７ ワッシャー金具 １８ 挿通孔 １９ 固定ナット

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２本のレール間の内側と外側にそれぞ
   れ、複数本の枕木を跨ぐように、レールの長さ方向に沿
   って複数枚の踏切板を敷き、このレール間の内外に敷か
   れた複数枚の踏切板に、レールと平行に貫通する貫通孔
   を形成し、この貫通孔に、少なくとも両端にネジ山を形
   成した固定棒を挿通し、上記両側に位置する踏切板の外
   側の側面に当てる上方側面固定金具を設け、 この上方側
   面固定金具に、踏切板の上面の側縁部に当たる上面固定
   部と、枕木の上面と平行に外側に延びる水平固定部を形
   成し、上記枕木の内側の側面に当てる下方側面固定金具
   を設け、この下方側面固定金具に、枕木の下面に引っ掛
   かる引っ掛け部と、枕木と踏切板の間を通って、外側端
   部が上記上方固定パネルの水平固定部の下面に重なる下
   方固定部とを形成し、上記上方側面固定金具に、上記固
   定棒の挿通孔を設け、この側面固定金具の挿通孔から突
   出させた固定棒の先端に固定ナットを締め付けて、固定
   棒と上記上方側面固定金具とを一体に固定し、上記上方
   側面固定金具の水平固定部と、この水平固定部に重なる
   下方側面パネルの外側端部とを締結金具で一体に固定し
   たことを特徴とする踏切道。
2. 【請求項２】 上記踏切板が、ゴムチップを接着剤で固
   めた、多孔質で透水性を有する板状体からなる請求項１
   記載の踏切道。