JP2001145848A - 自己潤滑性に優れた塗装金属板およびその製造方法 - Google Patents
自己潤滑性に優れた塗装金属板およびその製造方法Info
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Abstract
よびその製造方法を提供する。 【解決手段】 塗装金属板は、最表層の塗膜表面に融点
が常温より高く、塗膜の有機樹脂溶融温度よりも低い固
形潤滑剤が分散状態に付着している。固形潤滑剤の付着
面積は合計で最表層塗膜表面の1〜8%にするのが好ま
しい。また、この塗装金属板の製造は最表層に有機樹脂
を主成分とする塗料を塗装して、塗料の有機樹脂溶融温
度より高く加熱することにより最表層塗膜を形成する
際、有機樹脂塗料に融点が常温より高く、塗料の有機樹
脂溶融温度よりも低い固形潤滑剤粒子を添加する方法で
行う。固形潤滑剤粒子は塗料固形分に対して0.5〜5
質量%添加し、平均粒径を1〜15μmにするのが好ま
しい。
Description
改善した塗装金属板およびその製造方法に関する。
を製造できることから、従来、部材を後塗装していた家
電機器、建材、家具等の分野では、塗装鋼板を用いて部
材を製造することが広く行われている。この塗装鋼板
は、常温で加工する部材形状があまり複雑でなく、ま
た、プレス等の加工があまり厳しくない場合、鋼板や塗
膜樹脂を加工性に優れたものにすれば、プレス油を使用
しなくても十分加工に耐えるものであったが、近年、加
工部材の拡大に伴い、部材の形状や加工が厳しくなる
と、鋼板や塗膜樹脂を加工性に優れたものにしただけで
は、プレス油を使用しないと、塗膜にかじりが生じてし
まう。
滑性を向上させるることが行われている。例えば、平均
粒径1〜100μmのアクリロニトリル重合体の球状粒
子を塗料100重量部に対して1〜50重量部含有させ
て、塗装後、アクリロニトリル樹脂の球状粒子を塗膜表
面から突出させる方法である(特開昭55−10629
号公報)。しかし、この方法は塗料の焼き付け乾燥の
際、塗膜樹脂が溶融しても、高融点のアクリロニトリル
重合体は溶融しないため、溶融塗膜中に沈降して、塗膜
表面から突出せず、また、加工が厳しい場合には突出粒
子が脱落するという欠点があった。
の潤滑性を改善した塗装金属板およびその製造方法を提
供するものである。
最表層が有機樹脂を主成分とする塗膜である塗装金属板
において、最表層の塗膜表面に融点が常温より高く、塗
膜の有機樹脂溶融温度よりも低い固形潤滑剤が分散状態
に付着していることを特徴としている。ここで、固形潤
滑剤の付着面積は合計で最表層塗膜表面の1〜8%にす
るのが好ましい。また、この塗装金属板の製造は、最表
層に有機樹脂を主成分とする塗料を塗装して、塗料の有
機樹脂溶融温度より高く加熱することにより最表層塗膜
を形成する塗装金属板の製造方法において、有機樹脂塗
料に融点が常温より高く、塗料の有機樹脂溶融温度より
も低い固形潤滑剤粒子を添加することを特徴とし、固形
潤滑剤粒子の添加は塗料固形分に対して0.5〜5質量
%にし、また、平均粒径は1〜15μmにするのが好ま
しい。
は、通常、常温で行われ、加工温度は高くしても塗膜の
有機樹脂溶融温度以下であるので、最表層の塗膜表面に
融点が常温より高く、塗膜の有機樹脂溶融温度よりも低
い固形潤滑剤が付着していれば、塗膜の潤滑性は向上す
る。しかも、固形潤滑剤が表面に分散した状態で付着し
ていると、連続皮膜の状態で全面に付着している場合よ
り塗膜表面に汚れが付着しにくい。固形潤滑剤は付着合
計面積が最表層塗膜表面の1%未満であると潤滑効果が
不十分で、8%超であると、塗膜表面に汚れが付着し易
い。
た塗装金属板は、融点が常温より高く、塗料の有機樹脂
溶融温度よりも低い固形潤滑剤粒子を添加した有機樹脂
塗料を最表層に塗装して、塗料の有機樹脂溶融温度より
高く加熱すれば、固形潤滑剤は溶融し、塗膜内部のもの
はピンホ−ルより塗膜表面にブリ−ドする。また、塗膜
より露出していたものは周囲に流れ、面積が拡大する。
この固形潤滑剤のブリ−ドや面積の拡大は固形潤滑剤を
粒子の状態で添加してあるので、その粒子の存在する部
位にのみ起こり、その状態で冷却される。このため、固
形潤滑剤は冷却後塗膜表面に点状に分散した状態で付着
することになる。
塗料固形分に対して0.5〜5質量%添加すると、固形
潤滑剤の分散状態を付着合計面積で最表層塗膜表面の1
〜8%にすることができる。また、固形潤滑剤粒子は平
均粒径が1μmより小さいと、焼き付け乾燥時にブリ−
ドが早く起こり、塗膜が形成される以前に固形潤滑剤同
士が溶融結合し、塗膜表面に点状分散しなくなり、15
μmより大きいと、ブリ−ド後の分散状態が粗くなり、
塗装金属板を加工する際、塗膜に損傷が生じ易くなる。
このため、平均粒径は1〜15μmにするのが好まし
い。
温度よりも低い固形潤滑剤としては、みつロウ、モンタ
ンロウ等の天然ワックス、パラフィンワックス、石油系
の微晶ワックス(融点60〜90℃、平均分子量580
〜700)、低重合度ポリエチレンワックス(融点90
〜130℃、平均分子量5000以下)が挙げられる。
これらの固形潤滑剤は市販されているが、その中でも微
晶ワックス(イソパラフィンを主成分とし、微量のn−
パラフィンも含む。分子量450〜800。微結晶ワッ
クスとか、マイクロクリスタルワックスとして市販され
ている)は有機樹脂塗膜との粘着結合力が良好で、塗膜
表面への点状分散は細かく、均一になる。
合の製造は、普通鋼板、ステンレス鋼板、各種めっき鋼
板、アルミニウム板、銅板等の金属板に塗装前処理を施
した後、下塗り塗料を塗装して、焼き付け乾燥し、その
後、固形潤滑剤を添加した上塗り塗料を塗装して、塗料
の有機樹脂融点以上の温度で焼き付け乾燥すればよい。
上塗り塗料の有機樹脂としては、従来より使用されてい
るポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウ
レタン樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、フェノ−ル樹
脂、ポリ塩化ビニ−ル樹脂などを使用すればよい。
0.6mm)である溶融亜鉛めっき鋼板をロ−ルコ−ト
方式の連続塗装ラインに通板して、塗布型クロメ−ト処
理を施し、クロム付着量40mg/m2のクロメ−ト皮
膜を形成した後、ロ−ルコ−タ−でポリエステル樹脂下
塗り塗料を乾燥塗膜厚で7μmになるように塗装して、
215℃で30秒間焼き付け乾燥した。その後、ロ−ル
コ−タ−で固形潤滑剤を含有する高分子ポリエステル塗
料を乾燥塗膜厚で15μmになるように塗装して、23
0℃で40秒間焼き付け硬化させた。そして、塗装鋼板
温度が常温になった後、塗膜表面積に対する固形潤滑剤
の分散合計面積の算出、プレス成形性試験、摩擦係数の
測定を実施した。表1に塗装鋼板に添加した固形潤滑剤
と試験結果を示す。
径;φ40mm、パンチ肩半径;5mm、ダイス肩半
径;5mm、しわ押さえ力;10kN)の限界絞り比
(加工可能な最大ブランク径/パンチ径)試験による絞
り加工性を調査し、限界絞り比が2.3以上のものを記
号○で、限界絞り比は2.3以上であるが、ブリ−ド過
多によりプレス成形途上で潤滑剤の剥離が生じたものを
記号△で、限界絞り比が2.3未満のものを記号×で表
した。 (2)摩擦係数の測定 寸法300mm×30mmの試験片を塗膜面が対向する
ように重ね合わせて、押付力(P)=0.5MPa、摺
動距離100mm、引き抜き速度1000m/分でμ=
F/2Pより算出した。ここでFは引き抜き力である。
フィンワックス、Cはアクリロニトリル樹脂の球状粒子
である。
最表層が有機樹脂を主成分とする塗膜である塗装金属板
において、最表層の塗膜表面に融点が常温より高く、塗
膜の有機樹脂溶融温度よりも低い固形潤滑剤が分散状態
に付着させると、塗膜に添加物を加えた場合より潤滑性
が向上している。また、この塗装金属板は、最表層に有
機樹脂を主成分とする塗料を塗装して、塗料の有機樹脂
溶融温度より高く加熱することにより最表層塗膜を形成
する塗装金属板の製造方法において、有機樹脂塗料に融
点が常温より高く、塗料の有機樹脂溶融温度よりも低い
固形潤滑剤粒子を添加することにより製造すると、固形
潤滑剤を塗膜表面に点状に分散させることができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 最表層が有機樹脂を主成分とする塗膜
である塗装金属板において、最表層の塗膜表面に融点が
常温より高く、塗膜の有機樹脂溶融温度よりも低い固形
潤滑剤が分散状態に付着していることを特徴とする自己
潤滑性に優れた塗装金属板。 - 【請求項2】 固形潤滑剤の付着面積合計が最表層塗
膜表面の1〜8%であることを特徴とする請求項1に記
載の自己潤滑性に優れた塗装金属板。 - 【請求項3】 最表層に有機樹脂を主成分とする塗料
を塗装して、塗料の有機樹脂溶融温度より高く加熱する
ことにより最表層塗膜を形成する塗装金属板の製造方法
において、有機樹脂塗料に融点が常温より高く、塗料の
有機樹脂溶融温度よりも低い固形潤滑剤粒子を添加する
ことを特徴とする自己潤滑性に優れた塗装金属板の製造
方法。 - 【請求項4】 固形潤滑剤粒子を塗料固形分に対して
0.5〜5質量%添加することを特徴とする請求項3に
記載の自己潤滑性に優れた塗装金属板の製造方法。 - 【請求項5】 固形潤滑剤粒子の平均粒径が1〜15
μmであることを特徴とする請求項3に記載の自己潤滑
性に優れた塗装金属板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33084499A JP2001145848A (ja) | 1999-11-22 | 1999-11-22 | 自己潤滑性に優れた塗装金属板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33084499A JP2001145848A (ja) | 1999-11-22 | 1999-11-22 | 自己潤滑性に優れた塗装金属板およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001145848A true JP2001145848A (ja) | 2001-05-29 |
Family
ID=18237177
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33084499A Pending JP2001145848A (ja) | 1999-11-22 | 1999-11-22 | 自己潤滑性に優れた塗装金属板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001145848A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019520245A (ja) * | 2017-03-30 | 2019-07-18 | ノベリス・インコーポレイテッドNovelis Inc. | ポリマーフィルムの表面粗化 |
-
1999
- 1999-11-22 JP JP33084499A patent/JP2001145848A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019520245A (ja) * | 2017-03-30 | 2019-07-18 | ノベリス・インコーポレイテッドNovelis Inc. | ポリマーフィルムの表面粗化 |
US10836150B2 (en) | 2017-03-30 | 2020-11-17 | Novelis Inc. | Surface roughening of polymer films |
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