JP2001145594A - 電気掃除機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の構成の電気掃除機は、集塵能力が十分
に発揮できないという課題を有している。 【解決手段】 吸込具１の底部に設けている吸込口２の
前方と後方に、吸込具１の移動に応じて遮蔽板６ａまた
は６ｂを昇降させる移動手段を設けて、吸込具１を移動
すると進行方向前方の遮蔽板が上方にスライド移動し、
これと同時に進行方向後方側の遮蔽板が下方へスライド
移動して、常に進行方向前方の塵埃を集塵できる集塵効
率の高い電気掃除機としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、一般家庭等で使用
される電気掃除機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図４は、従来の電気掃除機の構成を示す
説明図である。１２は、電動送風機１４と集塵室１３を
収容している掃除機本体である。掃除機本体１には、取
手１１ａを有するホース１１と吸込具取付管１０を介し
て吸込具１を接続している。なお、５は絨毯面、畳面ま
たは床面等の清掃面を示しており、吸込具１の底面に設
けている車輪３ａ、３ｂは前記清掃面５の表面に接して
いる。

【０００３】図５は前記吸込具１の構成と、吸込具１の
動作を説明する断面図である。図５（ａ）は使用者の操
作によって吸込具１が前進している状態を、図５（ｂ）
は同じく後退している状態を表している。吸込具１は、
底面に設けている吸込口２と、前記車輪３ａ、３ｂと、
前記吸込口２と連通する接続管４を有している。接続管
４は、前記吸込具取付管１０に嵌合しているものであ
る。なお、吸込具１には、絨毯掃除用の回転ブラシを有
して、回転ブラシの回転によって絨毯の毛足に入り込ん
だゴミを掻き出すようにしているものもある。

【０００４】使用者が取手１１ａを使用して吸込具１を
前進または後退させると、清掃面５上のあるいは清掃面
５内の塵埃は吸込具１に設けている吸込口２から吸引さ
れて、集塵室１３内に収容される。このとき、図５
（ａ）に示しているように遮蔽板６が吸込口２の後方の
空気通路を遮断しているため、電動送風機１４の吸塵力
は吸込口２の前方に対して作用するものである。従って
効率の高い集塵ができるようになっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前記従来の構成の電気
掃除機は、集塵能力が十分に発揮できないという課題を
有している。すなわち、図５（ｂ）に示しているよう
に、吸込具１の進行方向が遮蔽板６側であった場合に
は、吸い込み空気が遮蔽板６によって遮蔽される構造と
なっており、従って電動送風機１４が本来有している吸
塵力を十分に発揮することはできないものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、吸込具の底部
に設けている吸込口の前方と後方に、吸込具の移動に応
じて遮蔽板を昇降させる移動手段を設けて、吸込具を移
動すると進行方向前方の遮蔽板が上方にスライド移動
し、これと同時に進行方向後方側の遮蔽板が下方へスラ
イド移動するようにして、常に進行方向前方の塵埃を集
塵できるようにして、集塵効率の高い電気掃除機として
いるものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】請求項１に記載した発明は、吸込
具の底部に設けている吸込口の前方と後方に、吸込具の
移動に応じて遮蔽板を昇降させる移動手段を設けて、吸
込具を移動すると進行方向前方の遮蔽板が上方にスライ
ド移動し、これと同時に進行方向後方側の遮蔽板が下方
へスライド移動するようにして、常に進行方向前方の塵
埃を集塵できるようにして、集塵効率の高い電気掃除機
としているものである。

【０００８】請求項２に記載した発明は、吸込具は、遮
蔽板のスライド方向に沿わせたガイド板を有するように
して、遮蔽板が変形せず円滑に昇降でき、さらに清掃面
に接したときには支持材として機能するため、清掃面に
対する遮蔽力が増して、吸塵力の高い電気掃除機として
いるものである。

【０００９】請求項３に記載した発明は、遮蔽板は表面
処理等によって表面が滑らかとなっているため、スライ
ド移動が容易に行え、かつ清掃面に接しているときも清
掃面との間の摩擦抵抗を低くすることができ、操作が容
易で吸塵力の高い電気掃除機としている。

【００１０】請求項４に記載した発明は、吸込具は、遮
蔽板とガイド板との間をシールするシール部を有するよ
うにして、遮蔽板とガイド板との隙間にゴミが入り込ん
で遮蔽板のスライド移動を鈍らせることがなく、操作が
容易で吸塵力の高い電気掃除機としている。

【００１１】請求項５に記載した発明は、二つの遮蔽板
を連結部によって連結するようにして、進行方向の前方
側の遮蔽板と進行方向の後方側の遮蔽板とが確実に連動
してスライド移動でき、操作が容易で吸塵力の高い電気
掃除機としている。

【００１２】請求項６に記載した発明は、移動手段は、
吸込具の底面に設けた車輪と、前記車輪の回転を抑制す
るクラッチ部と、前記クラッチ部を介して前記車輪の回
転を遮蔽板へと伝達する伝達部とによって構成して、吸
込具の移動力を利用して遮蔽板をスライド移動でき、専
用の外部移動力を必要としない操作が容易で吸塵力の高
い電気掃除機としている。

【００１３】請求項７に記載した発明は、二つの遮蔽板
を昇降させるクランク部を有する構成として、小さな空
間で車輪と連動して動作でき、吸込具を小型に構成でき
る電気掃除機としている。

【００１４】請求項８に記載した発明は、ガイド板は吸
込口の前側の遮蔽板を突出させ、吸込口の後ろ側の遮蔽
板を内部に収容するように付勢するバネを有するように
して、遮蔽板の動作が確実で、操作が容易で吸塵力の高
い電気掃除機としている。

【００１５】

【実施例】（実施例１）本発明の第１の実施例である電
気掃除機について説明する。本実施例の電気掃除機の全
体の構成は、従来例で説明した図４のものと共通であ
る。図１は、本実施例で使用している吸込具の構成を示
す断面図である。図１（ａ）は、使用者の操作によって
吸込具１が左方向に進行している状態を、図１（ｂ）
は、使用者の操作によって吸込具１が右方向に進行して
いる状態を示している。なお、図１（ａ）、図１（ｂ）
では、接続管４は欠載した円管を示しているもので特に
断面を表示していないものである。

【００１６】吸込具１は、底面には吸込口２と、移動用
の車輪３ａ、３ｂとを有している。また吸込具１の後方
には、吸込口２と連通する接続管４を有している。前記
車輪３ａ、３ｂは、清掃面５と接している。吸込口２の
前方と後方とには、ゴム等の可撓性の良い材料で構成し
た長板状の遮蔽板６ａ、６ｂを設けている。本実施例で
は、遮蔽板６ａ、６ｂとしてシリコンゴムとして摩擦抵
抗の小さいものを使用している。遮蔽板６ａ、６ｂは、
本実施例ではシリコンゴムを使用しているが、表面が滑
らかな材料を使用した、または表面が滑らかになるよう
に加工した材料を使用しても支障はないものである。ま
た、遮蔽板６ａ、６ｂは、吸込口２の前後部に吸込具１
を移動すると進行方向前方側が上方にスライド移動し、
これと同時に進行方向後方側が下方へスライド移動する
移動手段に固定されている。

【００１７】前記移動手段は、本実施例では車輪３ｂ
と、車輪３ｂに連動して回転するクラッチローラ２５
と、クラッチローラー２５の回転を受けて回転する伝達
ローラー２６と、伝達ローラー２６に端面が固定され伝
達ローラー２６の回転運動を直線運動に変換するスライ
ドアーム２８と、スライドアーム２８の他端部に接触し
てスライドアーム２８の直線運動を回転運動に変換する
伝達ローラー２７と、伝達ローラー２７を回動自在に支
持しているレバー２４と、レバー２４の一端に接続して
いる可動アーム２２ａと、レバー２４の他端に接続して
いる可動アーム２２ｂとによって構成している。前記ス
ライドアーム２８には、可動アーム２２ｂが接触、摺動
する摺動面２８ａを設けている。摺動面２８ａは、本実
施例ではフッ素樹脂をコーティングして形成している
が、可動アーム２２ｂの摺動が軽くできるものであれば
特に支障はないものである。また、前記伝達ローラー２
７の回転軸はレバー２４自身が回動する中心軸２７ａに
一致させている。

【００１８】可動アーム２２ａと可動アーム２２ｂに
は、前記遮蔽板６ａ、遮蔽板６ｂを接続している。ま
た、遮蔽板６ａ、遮蔽板６ｂの昇降運動をガイドするガ
イド板２１ａ、ガイド板２１ｂをそれぞれ遮蔽板６ａ、
遮蔽板６ｂの周囲に設けている。ガイド板２１ａ、ガイ
ド板２１ｂとして本実施例ではプラスチック樹脂を使用
しているが、特に材質的な制限はないものである。また
ガイド板２１ａ、ガイド板２１ｂは、本実施例ではコの
字形を９０°回転させた形状として、この天面に可動ア
ーム２２ａ、２２ｂが昇降する穴を開けた形状としてい
る。また、この天面にシール部２３ａ、２３ｂを設け
て、可動アーム２２ａ、可動アーム２２ｂとのクリアラ
ンスを小さくして、塵埃が内部に進入しないようにして
いる。

【００１９】以下、本実施例の動作について説明する。
使用者が図示していないスイッチを入れると、図示して
いない電動送風機が動作を開始して、吸込口２の圧力が
低下して吸引が行われる。使用者が吸込具１を前進させ
ると、清掃面面５に接触している車輪３ａ、３ｂが使用
者が操作する方向に回転する。吸込口２の後方に設けて
いる車輪３ｂの回転は、クラッチローラー２５に伝達さ
れる。つまり、クラッチローラー２５は使用者の操作方
向に回転する。このクラッチローラー２５の回転は、ク
ラッチローラー２５に接触している伝達ローラー２６に
伝達される。このため伝達ローラー２６は、クラッチロ
ーラー２５の回転方向と反対方向に回転する。

【００２０】すなわち、図１（ａ）に示しているよう
に、使用者が吸込具１を左方向に進行させると、伝達ロ
ーラー２６は右方向に回転するものである。このため、
伝達ローラー２６に接触しているスライドアーム２８は
右方向に移動して、伝達ローラー２７は、レバー２４を
右方向に回動させる。このため、レバー２４は前方が上
昇し後方は下降する。このため、レバー２４の両端に回
動自由に連結されている可動アーム２２ａは上昇し、可
動アーム２２ｂは下降する。従って可動アーム２２ａに
接続している遮蔽板６ａは上昇して吸込具１内に収容さ
れる。また可動アーム２２ｂに接続している遮蔽板６ｂ
は下降して、清掃面５と接触して吸込口２の後方からの
空気の流通を遮断する。また、遮蔽板６ｂはこの結果清
掃面５の塵埃が後方に逃げないようにブロックする機能
も果たしている。このため、前記電動送風機が発生する
吸込力は吸込口２の前方に対してだけ作用する。換言す
れば、進行方向の前方のゴミを効率よく集塵するもので
ある。

【００２１】また図１（ｂ）に示しているように、使用
者が吸込具１を右方向に進行させると、伝達ローラー２
６は左方向に回転するものである。このため、伝達ロー
ラー２６に接触しているスライドアーム２８は左方向に
移動して、伝達ローラー２７は、レバー２４を左方向に
回動させる。このため、レバー２４は前方が下降し後方
は上昇する。このため、可動アーム２２ｂは上昇して可
動アーム２２ｂに接続している遮蔽板６ｂは吸込具１内
に収容される。また、可動アーム２２ａは下降して、可
動アーム２２ａに接続している遮蔽板６ａは下降して、
清掃面５と接触して吸込口２の後方からの空気の流通を
遮断する。また、遮蔽板６ａはこの結果清掃面５の塵埃
が前方に逃げないようにブロックする機能も果たしてい
る。このため、前記電動送風機が発生する吸込力は吸込
口２の後方に対してだけ作用する。換言すれば、進行方
向の前方のゴミを効率よく集塵するものである。

【００２２】以上のように本実施例によれば、電動送風
機を収容した掃除機本体と、掃除機本体に接続した吸込
具１とを有し、前記吸込具１は底面には吸込口２を、前
記吸込口２の前後部に吸込具を移動すると進行方向前方
側が上方にスライド移動し、これと同時に進行方向後方
側が下方へスライド移動する遮蔽板６ａ、６ｂと、前記
遮蔽板６ａ、６ｂを移動する移動手段とを備えた構成と
して、常に進行方向前方の塵埃を集塵できるようにし
て、集塵効率の高い電気掃除機を実現するものである。

【００２３】このとき本実施例によれば、吸込具１は、
遮蔽板６ａ、６ｂのスライド方向に沿わせたガイド板２
１ａ、２１ｂを有する構成としているものである。この
ため、遮蔽板６ａ、６ｂが変形せず円滑に昇降でき、さ
らに清掃面５に接したときには支持材として機能するた
め、清掃面５に対する遮蔽力が増して、吸塵力の高い電
気掃除機を実現するものである。

【００２４】また本実施例によれば、遮蔽板６ａ、６ｂ
として、シリコンゴムのような表面が滑らかな材料、ま
たは金属材料あるいはプラスチック樹脂材料の表面をフ
ッ素樹脂加工して、表面が滑らかになるようにしている
ものである。このため遮蔽板６ａ、６ｂは、ガイド板２
１ａ、ガイド板２１ｂ内のスライド移動が容易に行え、
かつ清掃面に接しているときも清掃面との間の摩擦抵抗
を低くすることができ、操作が容易で吸塵力の高い電気
掃除機としている。

【００２５】なお本実施例では、遮蔽板２１ａ、２１ｂ
を移動する移動手段としてクラッチローラー２５、伝達
ローラー２６、２７を使用しているが、これらの代わり
にギアを使用しても支障はないものである。また、前記
移動手段として使用しているスライドアーム２８の代わ
りにベルトを使用しても支障はないものである。

【００２６】また本実施例では、進行方向の前方側の遮
蔽板２１ａまたは２１ｂと進行方向の後方側の遮蔽板２
１ｂまたは２１ａの二つの遮蔽板を連結部を構成するレ
バー２４によってによって連結した構成としている。こ
のため、進行方向の前方側の遮蔽板２１ａまたは２１ｂ
と進行方向の後方側の遮蔽板２１ｂまたは２１ａとが確
実に連動してスライド移動でき、操作が容易で吸塵力の
高い電気掃除機を実現するものである。

【００２７】また本実施例では、移動手段は、吸込具１
の底面に設けた車輪３ｂと、車輪３ｂの回転を抑制する
クラッチ部を構成するクラッチローラー２５と、クラッ
チローラー２５を介して車輪３ｂの回転を遮蔽板６ａ、
６ｂへと伝達する伝達部を構成するスライドアーム２８
とによって構成して、吸込具１の移動力を利用して遮蔽
板６ａまたは６ｂをスライド移動でき、専用の外部移動
力を必要としない操作が容易で吸塵力の高い電気掃除機
を実現するものである。

【００２８】（実施例２）続いて本発明の第２の実施例
について説明する。図２は本実施例の構成を示す断面図
で、図２（ａ）は使用者が吸込具１を左方向に移動させ
ている場合を、図２（ｂ）は吸込具１を右方向に移動さ
せている場合を示している。本実施例では、実施例１で
説明している移動手段として、クラッチローラー２５の
回転を受けて左右に移動するスライドバー３１を使用し
ている。スライドバー３１は、平板の金属材料によって
構成しているが、強度の確保が可能ならばプラスチック
材料でも構わない。スライドバー３１の足部は、支持材
３４によってクラッチローラー２５に固定されている。
またスライドバー３１の側面には、斜め後方下がりに穴
の空いたレール溝３２を設けている。前記レール溝３２
には、可動アーム２２ｂから側方に突き出た棒状の突起
３３を挿入しており、強度を増すために金属材料であっ
ても構わない。前記突起３３には可動アーム２２ａ、可
動アーム２２ｂを接続している。前記レール溝３２と棒
状の突起３３と、可動アーム２２ａ、可動アーム２２ｂ
とは、進行方向の前方に設けた遮蔽板６ａと進行方向の
後方に設けた遮蔽板６ｂとを昇降させるクランク部を構
成している。

【００２９】以上の構成で、使用者が吸込具１を移動さ
せると、遮蔽板６ａまたは６ｂは吸込具１の移動に応じ
て昇降するものである。すなわち、使用者の操作によっ
て、吸込具１の底部に設けている車輪３ａと車輪３ｂは
使用者の操作方向に回転するものである。この車輪３ｂ
の回転は、クラッチローラー２５に伝達されている。図
２（ａ）に示しているように、使用者が吸込具１を左方
向に前進させているときは、クラッチローラー２５の回
転によってスライドバー３１は左方向に移動する。この
スライドバー３１の移動によって突起３３がレール溝３
２を下方に移動する。このため、突起３３に接続してい
ると可動アーム２２ｂは下降し、可動アーム２２ｂに接
続している遮蔽板６ｂも降下して、実施例１で説明して
いるように進行方向に対して後方の空気通路を遮断す
る。同時に、前記可動アーム２２ｂの動きはレバー２４
によって、レバー２４の他端に接続している可動アーム
２２ａに伝達される。すなわち、可動アーム２２ａは上
昇する。従って可動アーム２２ａに接続している遮蔽板
６ａは上昇してガイド板２１ａ内に収容される。この結
果、吸込口２の進行方向に対して後方の空気通路は遮蔽
板６ｂによって遮蔽され、吸込口２の進行方向の空気通
路は開放されるものである。

【００３０】従って、この状態では、電動送風機の吸塵
力は進行方向の前方に対して作用するものであり、効率
的な集塵ができるものである。

【００３１】また、図２（ｂ）に示しているように、使
用者が吸込具１を右方向に前進させているときは、クラ
ッチローラー２５の回転によってスライドバー３１は右
方向に移動する。このスライドバー３１の移動によって
突起３３がレール溝３２を上方に移動する。このため、
突起３３に接続していると可動アーム２２ｂは上昇し、
可動アーム２２ｂに接続している遮蔽板６ｂも上昇し
て、ガイド板２１ａ内に収容される。同時に、前記可動
アーム２２ａの動きはレバー２４によって、レバー２４
の他端に接続している可動アーム２２ａに伝達される。
すなわち、可動アーム２２ａは下降する。従って可動ア
ーム２２ａに接続している遮蔽板６ａは下降して清掃面
５に接触する。この結果、吸込口２の進行方向に対して
後方の空気通路は遮蔽板６ａによって遮蔽され、吸込口
２の進行方向の空気通路は開放されるものである。

【００３２】従って、この状態では、電動送風機の吸塵
力は進行方向の前方に対して作用するものであり、効率
的な集塵ができるものである。

【００３３】以上のように本実施例によれば、移動手段
は、吸込口２の前方に設けた遮蔽板６ａと吸込口２の後
方に設けた遮蔽板６ｂの二つの遮蔽板を昇降させるクラ
ンク部を有する構成としているものであり、このため、
小さな空間で車輪３ｂと連動して動作でき、吸込具１を
小型に構成できる電気掃除機を実現するものである。

【００３４】（実施例３）続いて本発明の第３の実施例
について説明する。図３は本実施例の構成を示す断面図
で、図３（ａ）は使用者が吸込具１を左方向に移動させ
ている場合を、図３（ｂ）は吸込具１を右方向に移動さ
せている場合を示している。本実施例では、ガイド板に
遮蔽板を突出させるまたは内部に収容するように付勢す
るバネを設けているものである。すなわち、吸込口２の
前方のガイド板２１ａには張力の弱い圧縮コイルバネ４
１を挿入して遮蔽板６ａを付勢し、吸込口２の後方のガ
イド板２１ｂには張力の弱い引張コイルバネ４２を設け
て遮蔽板６ｂを付勢している。

【００３５】以下本実施例の動作について説明する。図
３（ａ）に示しているように、使用者が吸込具１を左方
向に前進させているときは、下方に荷重が掛かって車輪
３ｂが確実に回転する。このため、伝達ローラー２６が
この回転によって移動して、スライドアーム２８が移動
して、この移動によって伝達ローラー２７が移動してレ
バー２４が遮蔽板６ｂを下降させ、遮蔽板６ａを上昇さ
せる。このとき本実施例では、ガイド板２１ａには張力
の弱い圧縮コイルバネ４１を挿入して遮蔽板６ａを付勢
し、吸込口２の後方のガイド板２１ｂには張力の弱い引
張コイルバネ４２を設けて遮蔽板６ｂを付勢している
が、吸込具１の下方に荷重が掛かっていて、さらにバネ
の張力が弱いため、込口２の前方の遮蔽板６ａはガイド
板２１ａ内に収容され、吸込口２の後方の遮蔽板６ｂは
ガイド板２１ｂから突出して清掃面５に接触するもので
ある。

【００３６】また、図３（ｂ）に示しているように、使
用者が吸込具１を右方向に前進させているときは、下方
に荷重が掛かりにくく車輪３ｂが確実に回転するとは限
らない状態で、伝達ローラー２６がこの回転によって移
動して、スライドアーム２８が移動して、この移動によ
って伝達ローラー２７が移動してレバー２４が遮蔽板６
ｂを下降させ、遮蔽板６ａを上昇させる。このとき本実
施例では、ガイド板２１ａには張力の弱い圧縮コイルバ
ネ４１を挿入して遮蔽板６ａを付勢し、吸込口２の後方
のガイド板２１ｂには張力の弱い引張コイルバネ４２を
設けて遮蔽板６ｂを付勢しているものである。このた
め、バネの張力で吸込口２の前方の遮蔽板６ａは確実に
ガイド板２１ａ内に収容され、吸込口２の後方の遮蔽板
６ｂは確実にガイド板２１ｂから突出して清掃面５に接
触するものである。

【００３７】なお圧縮コイルバネ４１と引張コイルバネ
４２は、どちらか一方だけでも構わない。

【００３８】

【発明の効果】請求項１に記載した発明は、電動送風機
を収容した掃除機本体と、掃除機本体に接続した吸込具
とを有し、前記吸込具は底面には吸込口を、前記吸込口
の前後部に吸込具を移動すると進行方向前方側が上方に
スライド移動し、これと同時に進行方向後方側が下方へ
スライド移動する構成として、常に進行方向前方の塵埃
を集塵できるようにして、集塵効率の高い電気掃除機を
実現するものである。

【００３９】請求項２に記載した発明は、吸込具は、遮
蔽板のスライド方向に沿わせたガイド板を有する構成と
して、遮蔽板が変形せず円滑に昇降でき、さらに清掃面
に接したときには支持材として機能するため、清掃面に
対する遮蔽力が増して、吸塵力の高い電気掃除機を実現
するものである。

【００４０】請求項３に記載した発明は、遮蔽板は、表
面が滑らかな材料を使用した、または表面が滑らかにな
るように加工した構成として、スライド移動が容易に行
え、かつ清掃面に接しているときも清掃面との間の摩擦
抵抗を低くすることができ、操作が容易で吸塵力の高い
電気掃除機を実現するものである。

【００４１】請求項４に記載した発明は、吸込具は、遮
蔽板とガイド板との間をシールするシール部を有する構
成として、遮蔽板とガイド板との隙間にゴミが入り込ん
で遮蔽板のスライド移動を鈍らせることがなく、操作が
容易で吸塵力の高い電気掃除機を実現するものである。

【００４２】請求項５に記載した発明は、二つの遮蔽板
は連結部によって連結した構成として、進行方向の前方
側の遮蔽板と進行方向の後方側の遮蔽板とが確実に連動
してスライド移動でき、操作が容易で吸塵力の高い電気
掃除機を実現するものである。

【００４３】請求項６に記載した発明は、移動手段は、
吸込具の底面に設けた車輪と、前記車輪の回転を抑制す
るクラッチ部と、前記クラッチ部を介して前記車輪の回
転を遮蔽板へと伝達する伝達部とによって構成して、吸
込具の移動力を利用して遮蔽板をスライド移動でき、専
用の外部移動力を必要としない操作が容易で吸塵力の高
い電気掃除機を実現するものである。

【００４４】請求項７に記載した発明は、移動手段は、
二つの遮蔽板を昇降させるクランク部を有する構成とし
て、小さな空間で車輪と連動して動作でき、吸込具を小
型に構成できる電気掃除機を実現するものである。

【００４５】請求項８に記載した発明は、ガイド板は、
吸込口の前側の遮蔽板を突出させ、吸込口の後ろ側の遮
蔽板を内部に収容するように付勢するバネを設けた構成
として、遮蔽板の動作が確実で、操作が容易で吸塵力の
高い電気掃除機を実現するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例による電気掃除機の吸込
具の側面断面図 （ａ） 吸込具の進行方向が左向きである場合の側面断
面図 （ｂ） 吸込具の進行方向が右向きである場合の側面断
面図

【図２】本発明の第２の実施例である電気掃除機の吸込
具の側面断面図 （ａ） 吸込具の進行方向が左向きである場合の側面断
面図 （ｂ） 吸込具の進行方向が右向きである場合の側面断
面図

【図３】本発明の第３の実施例である電気掃除機の吸込
具の側面断面図 （ａ） 吸込具の進行方向が左向きである場合の側面断
面図 （ｂ） 吸込具の進行方向が右向きである場合の側面断
面図

【図４】従来の電気掃除機の構成を示す説明図

【図５】同従来の電気掃除機の吸込具の側面断面図 （ａ） 吸込具の進行方向が左向きである場合の側面断
面図 （ｂ） 吸込具の進行方向が右向きである場合の側面断
面図

【符号の説明】

１ 吸込具 ２ 吸込口 ３ａ，３ｂ 車輪 ４ 接続管 ６ａ，６ｂ 遮蔽板 ２１ａ，２１ｂ ガイド板 ２２ａ、２２ｂ 可動アーム ２３ａ，２３ｂ シール部 ２４ レバー ２５ クラッチローラー ２６，２７ 伝達ローラー ２７ａ 中心軸 ２８ スライドアーム ２８ａ 摺動面 ３１ スライドバー ３２ レール溝 ３３ 突起 ３４ 支持材 ４１ 圧縮コイルバネ ４２ 引張コイルバネ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津永 久夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Ｆターム(参考） 3B061 AA31 AA57

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電動送風機を収容した掃除機本体と、掃
   除機本体に接続した吸込具とを有し、前記吸込具は底面
   には吸込口を、前記吸込口の前後部に吸込具を移動する
   と進行方向前方側が上方にスライド移動し、これと同時
   に進行方向後方側が下方へスライド移動する遮蔽板と、
   前記遮蔽板を移動する移動手段とを備えた電気掃除機。
2. 【請求項２】 吸込具は、遮蔽板のスライド方向に沿わ
   せたガイド板を有する請求項１に記載した電気掃除機。
3. 【請求項３】 遮蔽板は、表面が滑らかな材料を使用し
   た、または表面が滑らかになるように加工した請求項１
   または２記載した電気掃除機。
4. 【請求項４】 吸込具は、遮蔽板とガイド板との間をシ
   ールするシール部を有する請求項２または３に記載した
   電気掃除機。
5. 【請求項５】 二つの遮蔽板は連結部によって連結した
   請求項１から４のいずれか１項に記載した電気掃除機。
6. 【請求項６】 移動手段は、吸込具の底面に設けた車輪
   と、前記車輪の回転を抑制するクラッチ部と、前記クラ
   ッチ部を介して前記車輪の回転を遮蔽板へと伝達する伝
   達部とによって構成した請求項１から５のいずれか１項
   に記載した電気掃除機。
7. 【請求項７】 移動手段は、二つの遮蔽板を昇降させる
   クランク部を有する請求項１から６のいずれか１項に記
   載した電気掃除機。
8. 【請求項８】 ガイド板は、吸込口の前側の遮蔽板を突
   出させ、吸込口の後ろ側の遮蔽板を内部に収容するよう
   に付勢するバネを設けた請求項２から７のいずれか１項
   に記載した電気掃除機。