JP2001145499A - ナフチルアラニンの製造法 - Google Patents

ナフチルアラニンの製造法

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JP2001145499A
JP2001145499A JP32933499A JP32933499A JP2001145499A JP 2001145499 A JP2001145499 A JP 2001145499A JP 32933499 A JP32933499 A JP 32933499A JP 32933499 A JP32933499 A JP 32933499A JP 2001145499 A JP2001145499 A JP 2001145499A
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Satoshi Hanzawa
敏 半澤
Hitoshi Kakiya
均 柿谷
Masatake Oe
正剛 大江
Kenji Tokuhisa
賢治 徳久
Kazuhisa Kono
和久 河野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】酵素を触媒として用いることにより、大量の3
−(2−ナフチル)−L−アラニンを、安価かつ容易に
製造する方法を提供する。 【解決課題】3−(2−ナフチル)−2−オキソプロピ
オン酸又はそのエノール体、或いはそれらの塩に対し、
アミノ酸アミノ基転移酵素を天然型アミノ酸の存在下で
作用させることを特徴とする、3−(2−ナフチル)−
L−アラニンの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品や農薬等の
部分構造として有用な3−(2−ナフチル)−L−2−
アミノ酸を簡便かつ効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】3−(2−ナフチル)−L−アラニン
(以下「ナフチルアラニン」と略記することがある)の
ような光学活性非天然型アミノ酸は、近年、医薬品や農
薬の合成中間体として需要が増しており、種々の合成方
法が検討されている。これらの合成法の中でも、高い光
学特異性と位置特異性を有する酵素を触媒とする方法
は、純度の高い製品を容易に製造可能であるという特徴
を有している。
【0003】酵素を用いた製造方法として、例えば、ヒ
ダントイナーゼによる5−置換ヒダントイン誘導体の光
学特異的加水分解によってD−ヒドロキシフェニルグリ
シンを製造する方法(国際公開(WO)96/0029
6号)、ヒダントイナーゼによる5−(3−メトキシベ
ンジル)−ヒダントインの光学特異的加水分解によって
O−メチル−L−チロシンを製造する方法(特開平5−
236978号)、アミノ酸脱水素酵素による3−置換
−2−オキソプロピオン酸又はそのエノール体の光学特
異的な還元的アミノ化によってL−アミノ酸を製造する
方法(Hummel,W.& Kula.,M.R.,
Eur.J.Biochem.184,1−13,1
989年)、そして、アミノ酸アミノ基転移酵素(以下
「AT」と略記することがある)による3−置換−2−
オキソプロピオン酸又はそのエノール体への天然型アミ
ノ酸からの光学特異的なアミノ基転移によってL−チエ
ニルアラニンやホスホノスリシンを製造する方法(欧州
公開(EP)581250号及び477902号)が知
られている。
【0004】ナフチルアラニンもまた光学活性非天然型
アミノ酸の一種であり、上記同様の考え方から酵素を用
いた製造方法が検討されており、例えば前記特開平5−
236978号には、ヒダントイナーゼによる5−(1
−ナフチルメチル)−ヒダントインの光学特異的加水分
解によってナフチルアラニンを製造する方法が開示され
ている。そしてまた、アミノ酸脱水素酵素を用いた3−
(2−ナフチル)−ピルビン酸の還元的アミノ化による
ナフチルアラニンの製造方法も報告されている(Asa
noら,J.Org.Chem.,5567−557
1,1990年)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、ナフチ
ルアラニンの製造にあたっては、5−(1−ナフチルメ
チル)−ヒダントインを原料とする方法と、ピルビン酸
誘導体を原料とする方法が知られている。しかし、5−
(1−ナフチルメチル)−ヒダントインはピルビン酸誘
導体のアルカリ金属塩等と比較して反応液である水に対
する溶解性が低いことや、ピルビン酸誘導体を原料とす
る反応は不斉合成反応であり、原理的には100%の収
率が得られるのに対し、5−(1−ナフチルメチル)−
ヒダントインを原料とする反応は本質的に光学分割反応
で、ヒダントイン誘導体はラセミ化しやすいために反応
中に原料が逐次ラセミ化し不要な鏡像体から目的の鏡像
体原料が供給されて高い反応収率が得られ得るものの、
前記ラセミ化が律速となってしまうことから、ナフチル
アラニンの生産性を向上するためにはピルビン酸誘導体
を原料とする方法がより効果的と考えられる。
【0006】ところが、前記した脱水素酵素を用いたナ
フチルアラニンの製造方法では、主原料である3−(2
−ナフチル)−2−オキソプロピオン酸に加え、副原料
として高価なNADHが必要であるため、ナフチルアラ
ニンの製造コストが高いという課題を有している。ま
た、ナフチルアラニンは極めて疎水性が高い芳香族アミ
ノ酸であるが、その製造原料である3−(2−ナフチ
ル)−2−オキソプロピオン酸又はそのエノール体、或
いはそれらの塩類もまた極めて疎水性が高いために、高
濃度の原料を酵素と反応させることができず、結果とし
て生産性を向上することが極めて困難であるという課題
がある。そして更には、知られている脱水素酵素では前
記製造原料に対する活性が低く、実用的ではないという
課題もある。
【0007】そこで本発明の第1の目的は、ナフチルア
ラニンの製造において、主原料である3−(2−ナフチ
ル)−2−オキソプロピオン酸に加え、副原料として安
価かつ容易に大量製造可能なグルタミン酸、アラニン、
リジン、アスパラギン酸等の天然型アミノ酸を使用する
方法を提供することにある。
【0008】また本発明の第2の目的は、脱水素酵素を
用いる方法に比較して生産性が大きく向上したナフチル
アラニンの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本願
請求項1の発明は、一般式(2)で表される3−(2−
ナフチル)−L−アラニンの製造法であって、一般式
(1)で示される3−(2−ナフチル)−2−オキソプ
ロピオン酸又はそのエノール体、或いはそれらの塩に対
し、アミノ酸アミノ基転移酵素を天然型アミノ酸の存在
下で作用させることを特徴とする。
【0010】本願請求項2の発明は、請求項1の3−
(2−ナフチル)−L−アラニンの製造法に係り、前記
アミノ酸アミノ基転移酵素との反応を50℃以上の高温
で行うことを特徴とする。本願請求項3の発明は、請求
項1の3−(2−ナフチル)−L−アラニンの製造法に
係り、前記アミノ酸アミノ基転移酵素との反応にあた
り、3−(2−ナフチル)−L−アラニンを沈殿物とし
て生成せしめることにより逆反応を抑制する事を特徴と
する。本願請求項4の発明は、請求項1乃至3の3−
(2−ナフチル)−L−アラニンの製造法に係り、前記
アミノ酸アミノ基転移酵素が好熱性微生物由来の耐熱性
アミノ酸アミノ基転移酵素であることを特徴とする。本
願請求項5の発明は、請求項4の3−(2−ナフチル)
−L−アラニンの製造法に係り、前記好熱性微生物由来
の耐熱性アミノ酸アミノ基転移酵素がサーモコッカス
属、パイロコッカス属又はエアロパイラム属の何れかに
属する古細菌に由来する耐熱性アミノ酸アミノ基転移酵
素であることを特徴とする。そして本願請求項6の発明
は、請求項5の3−(2−ナフチル)−L−アラニンの
製造法に係り、前記古細菌がサーモコッカス・リトラリ
ス、サーモコッカス・セラ、サーモコッカス・プロファ
ンダス、パイロコッカス・ホリコシイ、パイロコッカス
・フリオサス又はエアロパイラム・ペルニクスの何れか
の古細菌であることを特徴とする。以下、本発明を詳細
に説明する。
【0011】主原料として用いる3−(2−ナフチル)
−2−オキソプロピオン酸は、例えば、アリールメタン
やアリールハロメタンを原料として金属触媒存在下で一
酸化炭素により二重カルボニル化する方法(特開昭62
−116541号)、アリールメタンやアリールハロメ
タンを原料とし蓚酸又はそのアルキルエステルを付加す
る方法或いはピルビン酸を付加する方法、更に例えば、
アリールアルデヒドを原料としてヒダントイン又はN−
保護グリシンを縮合した後に加水分解する方法(欧州公
開(EP)581250号)等の、従来知られた種々の
製造方法によって製造することができるが、これら以外
の方法で製造しても良い。本発明では、以上の様な方法
で製造した3−(2−ナフチル)−2−オキソプロピオ
ン酸をアルカリ金属類又はアミン類と反応させて塩類に
変換したうえでATとの反応に供することが好ましい。
前記アルカリ金属としてはナトリウム、カリウム、リチ
ウム等の通常のアルカリ金属が例示でき、また前記アミ
ン類としてはアンモニウム、2−アミノエタノール、ト
リエチルアミン等の通常のアミン類が例示できる。
【0012】天然型アミノ酸を、副原料として3−(2
−ナフチル)−2−オキソプロピオン酸ともにATとの
反応に供する。副原料は使用するATと反応可能な天然
型アミノ酸であれば特に限定されないが、安価かつ水に
対する溶解性の良好なものが特に好ましい。グルタミン
酸やその一ナトリウム塩は、食品添加物として大量に生
産されているために価格の点で前記条件を満たすのみな
らず、溶解性が高いという点で好ましく、中でもグルタ
ミン酸一ナトリウム塩は緩衝液としての作用をも有する
点で特に好ましい。即ち、グルタミン酸一ナトリウムを
副原料として使用すると、他に緩衝剤を用いたり、アル
カリや酸を添加して調整することなく、反応液のpH
を、ATが安定的に活性を発現し得る7〜8付近に保つ
ことが可能である。
【0013】アラニンもまた、本発明の副原料として使
用可能な天然型アミノ酸の一つとして例示することがで
きる。グルタミン酸やアラニン以外には、これらと比較
して疎水性が高く水に対する溶解性は低いものの、フェ
ニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ロイシン、
イソロイシンも使用することが可能である。また更に、
アスパラギン酸やリジンは溶解性が高く、かつ、安価で
あることから好ましい副原料であるが、サーモコッカス
・プロファンダスや同・リトラリス由来のATとは反応
しないことから、これらを使用しようとする場合には、
適宜ATを選択して使用することが好ましい。(Kob
ayashi,T., The5thAnnivers
ary Novo Nordisk Enzyme S
ymposium 要旨集21−26,1997年、A
ndreottiら、Eur.J. Biochem.
220,543−549,1994年)。
【0014】ATは、アミノ酸のアミノ基転移活性を有
する酵素であれば特に制限なく使用することができる。
ATは、種々の微生物由来のものが利用可能であるが、
本発明では精製酵素を使用する必要はなく、かかる酵素
を有している微生物自体を使用することもできる。即
ち、ATを有する微生物を培養し、該培養液から遠心分
離等の常法で回収した微生物菌体をそのまま触媒として
利用することも出来るし、回収した微生物菌体を浸透圧
ショックや超音波処理、フレンチプレス処理、マントン
・ゴーリン・ホモジナイザー処理等の通常の方法で破砕
して得た菌体抽出液を触媒とする事も出来る。また該菌
体抽出液を硫安塩析法、溶媒分画法、イオン交換や疎水
相互作用を利用したカラムクロマトグラフィー法等の通
常の精製方法に供して精製した酵素を利用しても良い。
また更には、ATをコードする遺伝子を取得し、これを
大腸菌、枯草菌又は酵母等の大量培養に適した微生物に
導入して組換え体微生物を製造し、該微生物を培養して
大量発現させたATを用いても良い。なお前記組換え体
を用いる場合には、微生物菌体をそのまま利用すること
も出来るし、前記方法で菌体を破砕した菌体抽出液や、
更には該抽出液より通常の方法で精製したATを利用し
ても良い。
【0015】主原料、副原料及びATを混合することに
より、ナフチルアラニンを製造することができる。反応
は水溶液中で生じさせれば良いが、反応液温度は主原料
及び副原料が十分に溶解するように常温以上に保持する
ことが必要である。また反応のpHは特に制限されない
が、pHを6以上とすれば主原料及び副原料の溶解度を
高くすることが可能となる。またATはこのpH範囲で
安定的に活性を発現し得るが、より好ましくはpH範囲
を7〜8に維持することが特に好ましいことから、反応
液のpHはpH6以上、好ましくはpH7〜8とする。
【0016】ATと主原料、副原料を接触させる順序は
制限されず、例えば溶媒である水にこれら全てを同時に
添加しても良いし、またこれらの内の一又は二を順次添
加しても良い。原料と副原料の量比も特に制限ず、反応
に利用されず廃棄される原料等の量を極力減少できる範
囲で任意に選定等すれば良いが、ATによるアミノ基の
転移反応は逆反応であるため、後述する本発明の好まし
い態様を実施するのでなければ、原料に対して大過剰の
副原料を使用することが例示できる。生成されるナフチ
ルアラニンは水に難溶性であるため、自然と反応液中で
析出沈殿を生じるからろ過や遠心分離等に代表される通
常の固液分離方法で回収することが出来る。沈殿の回収
は反応が十分に進行し、一定量の沈殿が生成された段階
で行っても良いし、反応中に随時行っても良い。また更
には主原料及び/又は副原料を反応液に添加しながら沈
殿を連続的に回収することも可能である。沈殿の回収に
先立っては、加熱及び/又は減圧によって溶媒を留去す
る方法や限外ろ過膜による方法により、反応液を濃縮し
て強制的に沈殿生成を促進しても良い。
【0017】上記によりナフチルアラニンを製造するこ
とができるが、ATによるアミノ基の転移反応は可逆反
応であるため、ナフチルアラニンの生産性を向上するた
めには副原料のアミノ酸を原料に対して大過剰に添加し
て逆反応を抑制する必要がある。しかしながら、過剰の
アミノ酸を使用することはコスト的な課題を生じるばか
りでなく、最終的に未反応のアミノ酸を産業廃棄物とし
て廃棄せざるを得ないという課題を生じる。かかる課題
を解決するため、本発明では、ATとの反応による副生
成物である2−オキソグルタル酸にグルタミン酸オキザ
ロ酢酸トランスアミナーゼとアスパラギン酸を作用させ
てグルタミン酸に再生し、この再生反応で生じる副生成
物のオキザロ酢酸を非酵素的脱炭酸反応で非可逆的にピ
ルビン酸に変換することを例示できる。また更には、乳
酸脱水素酵素とNADHによって副生成物を2−ヒドロ
キシ酸に変換したり(国際特許(WO)91/0587
0号)、4つの酵素の連携により副原料のアスパラギン
酸から生じたるオキザロ酢酸をリンゴ酸、フマル酸を経
てアスパラギン酸にリサイクルする方法(米国特許(U
S)4880738号)を採用することが例示できる。
【0018】上記のようにしてATによるアミノ基の転
移反応を実質的に不可逆化することは、ナフチルアラニ
ンの生産性を向上するためには効果的であるが、複数の
酵素を利用し、しかも廃棄物は出ないものの過剰の副原
料が必要であるためにコストが高く、しかも複数の酵素
反応を同調させる必要もある。
【0019】この点について本発明者が見い出した最も
好ましい態様は、生成されたナフチルアラニンを強制的
に沈殿として析出させ、ATとの反応系外に排除するこ
とで可逆的に原料に復帰するのを防止し、これによって
副材料から主原料へのアミノ基転移反応の平衡を著しく
偏らせることで複数の酵素を使用したり、副原料のアミ
ノ酸を過剰に使用することなく、ナフチルアラニンの生
産性を大幅に向上するという効果を達成するナフチルア
ラニンの製造方法である。
【0020】この好ましいナフチルアラニンの製造方法
は、主原料及び副原料を十分に溶解し得るとともに、A
Tが安定的に活性を発現し得るpH範囲であって、生成
したナフチルアラニンが難溶性であるpH範囲に反応液
のpHを調節することを特徴とする。
【0021】前記したように主原料及び副原料を十分に
溶解し得るpH範囲はpH6以上であり、ATが安定的
にその酵素活性を発現し得る好ましいpH範囲はpH7
〜9であるが、本発明者らの知見によればナフチルアラ
ニンが難溶性を示すpH範囲はpH2〜10であること
から、反応液のpHを好ましくはpH7〜9とすること
により、前記好ましいナフチルアラニンの製造を実施し
得る。
【0022】前述したように、主原料である3−(2−
ナフチル)−2−オキソプロピオン酸又はそのエノール
体、或いはそれらの塩類は極めて疎水性が高いため、高
濃度の原料を酵素と反応させることができず、結果とし
て生産性を向上することが極めて困難であった。また副
原料にしても、より高濃度で酵素と反応させることが好
ましいことはいうまでもない。この点について本発明者
が見い出した最も好ましい態様は、反応液を高温に維持
して主原料及び副原料の溶解性を向上させることによ
り、一度の操作で大量のナフチルアラニンを製造し得
る、生産性の向上したナフチルアラニンの製造方法であ
る。しかも、主原料の溶解性は温度に高く依存し、常温
での溶解性は低いが高温では高い溶解性を示すのに対し
て、生成されるナフチルアラニンの溶解性は温度依存性
が低く、高温にしても溶解性は変化しないことが新たに
見出されたのである。このため、主原料、副原料及びA
Tの反応を高温で行なうと、主原料及び副原料を高濃度
に溶解した状態で酵素と反応させることが可能となるば
かりでなく、主原料及び副原料と生成されるナフチルア
ラニンの溶解性の差を広げることができるため、常温で
反応を行なう場合に比較してアミノ基転移反応の平衡を
偏らせることが可能になるのである。特に、高温で反応
させつつ前記したように反応液のpHを調節すれば、高
濃度の主原料及び副原料を反応させ、生成したナフチル
アラニンをいっそう強制的に沈殿させることが可能とな
り、一回の操作につきより大量のナフチルアラニンを、
より高純度に効率良く製造するという効果を達成するこ
とができる。
【0023】上記のように、ATによるアミノ基転移反
応を高温で生じさせるためには、通常のATではなく、
耐熱性のATを使用する。主原料や副原料は本来熱に安
定であるため、特に制限されない。従来知られたAT
は、大腸菌等の常温菌由来のものであり、高温では失活
する可能性が高い。そこで上記本発明の好ましい態様に
は、80〜100℃という高温で生育する超好熱性古細
菌由来の耐熱性ATを使用することが好ましい。
【0024】従来はフェニルアラニン、チロシン、トリ
プトファン等の天然型アミノ酸に対するアミノ基転移活
性しか知られていなかったサーモコッカス(Therm
ococcus)属の古細菌であるサーモコッカス・プ
ロファンダス(Thermococcus profu
ndus) JCM9378株(Kobayashi,
T., The 5th Anniversary N
ovo Nordisk Enzyme Sympos
ium 要旨集21−26、1997年)やサーモコッ
カス・リトラリス DSM5473株(Andreot
tiら、Eur.J.Biochem.220、543
−549、1994年)、或いはパイロコッカス(Py
rococcus)属の古細菌であるパイロコッカス・
フリオサス(Pyrococcus furiosu
s) DSM3638株(Andreottiら、Bi
ochim.Biophys.Acta1247,90
−96、1995年)等のATが、非天然型のアミノ酸
である3−(2−ナフチル)−アラニンからピルビン酸
や2−オキソグルタル酸等の天然型2−オキソ酸へのア
ミノ基転移や、その逆反応であるアラニンやグルタミン
酸から3−アリール−2−オキソプロピオン酸へのアミ
ノ基転移をも触媒することが、本発明者により初めて知
見された。これら各菌は、それぞれATCC、DSM、
JCM等から入手可能な菌である。また更には、同じサ
ーモコッカス属やパイロコッカス属に属する古細菌であ
るサーモコッカス・セラ(T.celer) JCM8
558株(DSM2476株)、パイロコッカス・ホリ
コシイ(P.horikoshii) JCM9974
株、エアロパイラム・ペルニクス(Aeropyrum
pernix)JCM9820株等のエアロパイラム
(Aeropyrum)属の超好熱性古細菌の培養菌体
中にも、同様の反応を触媒するATが存在することが今
回本発明者らにより初めて知見された。これら各菌もま
た、それぞれATCC、DSM等から入手可能な菌であ
る。
【0025】前記本発明の好ましい態様においては、こ
れら超好熱性古細菌由来のATを使用して、主原料、副
原料及びATを50〜100℃の高温下で反応させるこ
とが例示できる。水の常圧での沸点である100℃を越
えた温度での反応は、加圧密閉した状態で行えば良い
が、反応温度が100℃を越えると主原料、副原料そし
てAT安定性が悪化することが予想されるので、50〜
100℃、好ましくは70℃付近で反応させる。なお、
ATとしては、前記したように微生物菌体を使用した
り、微生物の菌体抽出液を使用しても良い。上記菌のA
Tは極めて耐熱性が高く、最大活性を90〜100℃付
近で発現し、70〜80℃の高温で数時間加熱しても失
活しない。この好ましい態様においては、溶媒である水
に主原料を添加して加熱し、続いて副原料及びATを添
加して反応を開始することが好ましいが、これらを例え
ば一度に投入して加熱することもできる。
【0026】本発明の製造方法により沈殿として生成さ
れるナフチルアラニンは、ろ過や遠心分離等に代表され
る通常の固液分離方法で回収することが出来る。沈殿の
回収は反応が十分に進行し、一定量の沈殿が生成された
段階で行っても良いし、反応中に随時行っても良い。ま
た更には主原料及び/又は副原料を反応液に添加しなが
ら沈殿を連続的に回収することも可能である。沈殿の回
収に先立っては、加熱及び/又は減圧によって溶媒を留
去する方法や限外ろ過膜による方法により、反応液を濃
縮して沈殿生成を促進しても良い。
【0027】以上のようにして沈殿として回収される3
−(2−ナフチル)−2−アラニンは、そのまま医薬品
や農薬等の合成原料として利用することができる程度の
純度を有しているが、再結晶化や、シリカゲル又は活性
炭を利用するカラムクロマトグラフィー等、通常の精製
方法より更に高純度化して利用することが好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る目的で実施例を記載するが、これらは本発明の一実施
の形態を表したものであり、本発明を限定するものでは
ない。
【0029】実施例1 主原料の溶解性 3−(2−ナフチル)−2−オキソプロピオン酸ナトリ
ウム(471mg)を純水10mlにけん濁し、室温で
30分以上攪拌した後、上清部分の3−(2−ナフチ
ル)−2−オキソプロピオン酸を逆相HPLCで定量し
た。その後、30℃の恒温水槽中で30分間保温し、上
清部分を回収して溶解した3−(2−ナフチル)−2−
オキソプロピオン酸を逆相HPLCで定量した。更に恒
温水槽の温度を10℃づつ上昇させ、各温度で30分放
置した後の上清部分に溶け込んだ3−(2−ナフチル)
−2−オキソプロピオン酸を逆相HPLCで定量する操
作を恒温水槽が80℃となるまで繰り返した。
【0030】図1に各温度での上清中の3−(2−ナフ
チル)−2−オキソプロピオン酸の濃度を示すが、3−
(2−ナフチル)−2−オキソプロピオン酸ナトリウム
は常温付近では70mM程度しか溶解しないものの、温
度に高く依存して溶解度が増し、60℃以上では200
mM以上の高濃度に溶解することが確認された。
【0031】実施例2 ナフチルアラニンの溶解性 市販のナフチルアラニン(L体、Sigma社製)につ
いて、実施例1と同様にして水溶性の温度依存性を調べ
た。
【0032】図1に結果を示すが、常温での溶解度は3
mMであり、60℃に加熱しても9mMしか溶解しない
ことから、ナフチルアラニンの水に対する溶解性は3−
(2−ナフチル)−2−オキソプロピオン酸ナトリウム
と異なり、温度依存性が低いことがわかる。
【0033】実施例1及び実施例2より、主原料の一種
である3−(2−ナフチル)−2−オキソプロピオン酸
ナトリウムと最終生成物である3−(2−ナフチル)−
アラニンの水に対する溶解度及びその温度依存性を比較
すると、主原料の水に対する溶解度はナフチルアラニン
の溶解度に比較して高く、かつ、温度依存性が高いこと
が分かる。
【0034】実施例3 市販の培地(商品名;マリンブロス2216、Difc
o社製)を1リットル容のメジュームビンに37.4g
取り、純水1リットルを加えて溶解し、更に少量のリサ
ズリンを酸化還元指示薬として加えて120℃で20分
間加圧滅菌した。滅菌後、薬サジ一杯分の元素硫黄粉末
を加え、窒素雰囲気下で密栓して97℃に加熱した。こ
の溶液に2%の2−メルカプトエタノールをリサズリン
の赤色が消失するまで滴下し、さらにパイロコッカス・
フリオサス(Pyrococcus furiosu
s)DSM3638株を植菌して97℃で一晩培養を行
った。
【0035】培養終了後、室温まで培養液を冷却し、残
存する元素硫黄及び硫黄酸化物の沈殿を培養液を傾斜さ
せて分離、除去し、8000回転、20分の遠心分離に
より微生物菌体を回収した。回収した菌体湿重量、0.
105gである。
【0036】この菌体を0.5mlの0.1Mトリス塩
酸緩衝液(pH7.5)にけん濁し、超音波破砕機によ
り破砕し、12000回転、20分の遠心分離によって
不溶性画分を除去して酵素液を得た。得られた酵素液の
AT活性は、10mMの3−(2−ナフチル)−2−オ
キソプロピオン酸及び10mMのグルタミン酸を基質と
して、70℃、pH7.1という条件下で反応を行った
場合、1分間に1μmolの3−(2−ナフチル)−ア
ラニンを生成する活性を1Uとして表すと、7.4U/
mlであった。
【0037】主原料である3−(2−ナフチル)−2−
オキソプロピオン酸は以下の様に合成した。まず市販試
薬の2−ナフトアルデヒド6.27g(40.2mmo
l)とヒダントイン4.00g(40.0mmol)
を、25%アンモニア水3mlを含むメタノール10m
lにけん濁し、密閉して120℃で6時間加熱を行い、
5−(2−ナフチル)−メチル−デヒドロヒダントイン
8.85g(37.2mmol)を収率93.0%で得
た。この化合物を3当量の苛性ソーダ存在下、水に溶解
し、90℃で5時間加水分解した後、濃塩酸を加えて酸
性とした。次にエーテル抽出を行った後、減圧濃縮し、
ヘキサン/酢酸エチルの混合溶媒より再結晶させ、結晶
を得た。
【0038】得られた3−(2−ナフチル)−2−オキ
ソプロピオン酸についてNMR分析(商品名;VXR5
00S、Varian社製)した結果は以下の通りであ
る。
【0039】1H−NMR(DMSO−d6) δpp
m 6.56(S、1H)、7.46〜7.51(m、
2H) 7.85〜7.94(m、4H) 8.28(S、1H) 9.56(broad、1H) 前記結晶0.428g(2mmol)を0.2N 苛性ソ
ーダ水溶液10mlにけん濁した後、70℃で加熱し、
さらに2N苛性ソーダ水溶液を数滴加えて完全に溶解
し、主原料溶液とした。
【0040】主原料溶液0.5mlを遠心分離チューブ
(エッペンドルフ社製)に入れ、副原料のグルタミン酸
1ナトリウム1水和物0.040g加えて完全に溶解し
て70℃に加温した。この溶液のpHは8.0であっ
た。
【0041】上記溶液に前記酵素液0.48mlを混合
して反応を開始し、密栓して70℃で18時間保温し
た。反応終了後、反応液中の主原料の残存率は27%で
あり、ナフチルアラニンへの変換率は73%と推定され
た。減圧遠心濃縮機(トミー製)によって反応液を0.
5mlまで濃縮し、さらに遠心分離によって生成物の沈
殿を回収した。回収した沈殿を0.5mlの0.2N塩
酸に溶解し、70℃で30分保温してナフチルアラニン
を抽出した後、遠心分離により不溶物を除去し、2N苛
性ソーダ水溶液で中和後4℃で静置して再結晶化を行っ
た。遠心分離により回収したナフチルアラニンの乾燥重
量は3.3mgであった。
【0042】回収したナフチルアラニンを少量の希塩酸
に溶解し、逆相HPLC(カラム;東ソー(株)製OD
S−80T(商品名)、溶離液;0.14M酢酸ナトリ
ウム−0.5%トリエチルアミン(pH6.35)、溶
出モード;アセトニトリルの直線濃度勾配、検出;25
4nmでの吸光度検出)を行ったところ、保持時間1
7.6分に大きなピークが観察された。これは市販のナ
フチルアラニン(Sigma社製)の保持時間と一致
し、前記反応によりナフチルアラニンが生成したことが
確認できた。また生成物の光学純度をHPLC(カラ
ム;東ソー(株)製Enantio L1(商品名)、
溶離液;1mM CuSO4、カラム温度;50℃、検
出;254nmでの吸光度検出)で分析したところ、9
0.0%eeのL体であった。
【0043】実施例4 菌株としてサーモコッカス・リトラリス(Thermo
coccus litoralis)JCM8560株
を用い、その培養にあたって培養温度を86℃とした以
外は実施例3と同様の操作により酵素液を調製し、ナフ
チルアラニンの製造を行った。酵素液の活性は5.1U
/mlであり、最終的に乾燥重量約1mgのナフチルア
ラニンが得られ、その光学純度78.3%eeのL体で
あった。
【0044】実施例5 菌株としてサーモコッカス・セラ(Thermococ
cus celer)JCM 8558株を用い、実施例
5と同様の操作により酵素液を調製し、ナフチルアラニ
ンの製造を行った。酵素液の活性は4.4U/mlであ
り、最終的に乾燥重量約1mgのナフチルアラニンが得
られ、その光学純度85.0%eeのL体であった。
【0045】実施例6 パイロコッカス・ホリコシイ(Pyrococcus
horikoshii)JCM9974株を実施例3と
同様の操作で培養し、酵素液を得た。得られた酵素液を
0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH7.5)1リットルに
対して透析し、生じた沈殿物を除去して精製酵素液3m
lを得た。この精製酵素液のAT活性は2.1U/ml
であった。
【0046】この精製酵素液を用いて実施例3と同様に
酵素反応を行なった結果、25%の変換率でナフチルア
ラニンを製造することができた。
【0047】実施例7 サーモコッカス・プロファンダス (Thermoco
ccus profundus)JCM9378株を用
い、その培養にあたって培養温度を80℃とした以外は
実施例3と同様の操作により酵素液1mlを調製し、ナ
フチルアラニンの製造を行った。酵素液の活性は6.3
U/mlであった。
【0048】実施例3で調製した主原料溶液を凍結乾燥
して得られたそのナトリウム塩0.12gと上記酵素溶
液を用い、実施例3と同様の操作によりナフチルアラニ
ンの製造を行った。その結果、再結晶化により0.04
5gのナフチルアラニンが得られた。収率は42%であ
り、その光学純度は100%eeのL体であった。製造
されたナフチルアラニンについてNMR分析(商品名;
VXR500S、Varian社製)した結果は以下の
通りである。
【0049】1H−NMR(D2O−NaOD) δp
pm 2.86(1H、dd、J=7.4、13.3Hz) 3.02(1H、dd、J=5.5、13.5Hz) 3.45(1H、dd、J=5.5、7.4Hz) 7.30(1H、dd、J=1.7、8.5Hz) 7.37〜7.44(2H、m) 7.62(1H,S) 7.75〜7.80(3H、m) 実施例8 市販の培地(商品名;マリンブロス2216、Difc
o社製)を1リットル容のメジュームビンに37.4g
取り、純水1リットルを加えて溶解し、120℃で10
分間加圧滅菌した。滅菌後の培地700mlに対し、除
菌フィルターを通した10%チオ硫酸ナトリウム水溶液
10ml(終濃度0.1%)を加え、これにエアロパイ
ラム・ペルニクス(Aeropyrum Perni
x)JCM9820株を接種し、好気性環境下、90℃
で約1日間培養した。
【0050】培養後、遠心分離により集めた菌体0.1
5gを0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH7.5)1ml
にけん濁し、実施例1と同様にして約1mlの酵素液を
得た。この酵素液の1mlは10mMの3−(2−ナフ
チル)−2−オキソプロピオン酸及び10mMのグルタ
ミン酸を原料として、1分間に約0.9μmolのナフ
チルアラニンを生成するAT活性を有していた。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、医薬品や農薬の合成中
間体として需要が増しているナフチルアラニンを、3−
(2−ナフチル)−2−オキソプロピオン酸又はそのエ
ノール体、或いはそれらの塩類を主原料として大量、安
価かつ容易に製造することが可能となる。反応液のpH
を調節することを含む本発明の好ましい態様では、生成
されるナフチルアラニンを沈殿として反応系から除去す
ることにより、ATによるアミノ基転移反応の平衡を偏
らせ、結果として過剰の副原料を用いることなく、ナフ
チルアラニンを安価かつ大量、容易に製造する方法を提
供できる。また本発明の他の好ましい態様では、50℃
以上の高温で反応させることにより、本来水溶媒に難溶
性である主原料の溶解性を向上させることを可能にし、
もって一度に大量の主原料を反応に供することを可能に
できる。また前記pHの調節を行いつつ、更には高温で
反応させるという本発明の最も好ましい態様では、上記
各好ましい態様によって達成される効果をより一層増強
することができる。
【0052】このように本発明によれば、無駄な副原料
を使用することなしにナフチルアラニンを安価かつ大
量、容易に効率よく製造する方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、主原料である3−(2−ナフチル)−
2−オキソプロピオン酸ナトリウムと生成物である3−
(2−ナフチル)−L−アラニンの、純水に対する溶解
度と温度の関係を示した図である。図中、白丸は3−
(2−ナフチル)−2−オキソプロピオン酸ナトリウム
の濃度を、黒丸は3−(2−ナフチル)−L−アラニン
の濃度を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 和久 神奈川県横浜市青葉区たちばな台二丁目7 −3 B−408 Fターム(参考) 4B050 CC10 DD02 LL05 4B064 AE03 CA02 CA21 DA16

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)で示される3−(2−ナ
    フチル)−2−オキソプロピオン酸又はそのエノール
    体、或いはそれらの塩に対し、アミノ酸アミノ基転移酵
    素を天然型アミノ酸の存在下で作用させることを特徴と
    する、一般式(2)で表される3−(2−ナフチル)−
    L−アラニンの製造法。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】前記アミノ酸アミノ基転移酵素との反応を
    50℃以上の高温で行うことを特徴とする、請求項1に
    記載の3−(2−ナフチル)−L−アラニンの製造法。
  3. 【請求項3】前記アミノ酸アミノ基転移酵素との反応に
    あたり、3−(2−ナフチル)−L−アラニンを沈殿物
    として生成せしめることにより逆反応を抑制する事を特
    徴とする、請求項1に記載の3−(2−ナフチル)−L
    −アラニンの製造法。
  4. 【請求項4】前記アミノ酸アミノ基転移酵素は、好熱性
    微生物由来の耐熱性アミノ酸アミノ基転移酵素であるこ
    とを特徴とする、請求項1〜3いずれかに記載の3−
    (2−ナフチル)−L−アラニンの製造法。
  5. 【請求項5】前記好熱性微生物由来の耐熱性アミノ酸ア
    ミノ基転移酵素は、サーモコッカス属、パイロコッカス
    属又はエアロパイラム属の何れかに属する古細菌に由来
    する耐熱性アミノ酸アミノ基転移酵素であることを特徴
    とする、請求項4に記載の3−(2−ナフチル)−L−
    アラニンの製造法。
  6. 【請求項6】前記古細菌は、サーモコッカス・リトラリ
    ス、サーモコッカス・セラ、サーモコッカス・プロファ
    ンダス、パイロコッカス・ホリコシイ、パイロコッカス
    ・フリオサス又はエアロパイラム・ペルニクスの何れか
    の古細菌であることを特徴とする、請求項5に記載の3
    −(2−ナフチル)−L−アラニンの製造法。
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