JP2001144447A - 窒化アルミニウム多層基板 - Google Patents

窒化アルミニウム多層基板

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 窒化アルミニウム基板に高接合強度で高融点
金属層を形成することを可能にし、信頼性に優れた窒化
アルミニウム多層基板を提供する。 【解決手段】 窒化アルミニウム基板4と、この窒化ア
ルミニウム基板4に接して設けられた高融点金属層5と
を具備する、同時焼成による窒化アルミニウム多層基板
である。高融点金属層5には、窒化アルミニウム基板の
構成材粒子6が分散析出しており、かつ窒化アルミニウ
ム基板4の界面近傍部には、高融点金属の微粒子7が分
散析出している。同時焼成時に相互拡散させた成分を冷
却過程で再結合させる。この再結合により、析出粒子
(6、7)が窒化アルミニウム基板4および高融点金属
層5それぞれに生成すると共に、再結合AlNが界面空
隙部3を埋める。これにより、連続した接合界面9が得
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、同時焼成による窒化ア
ルミニウム多層基板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パワーIC、高周波トランジスタ
等の大電流を必要とする半導体素子の発展に伴い、半導
体素子からの放熱量は増大する傾向にある。これによっ
て、使用する実装基板やパッケージには、熱伝導率が高
く、放熱性に優れるという特性が要求されている。この
ような基板に対する要求特性に対して、窒化アルミニウ
ム焼結体基板が注目されている。窒化アルミニウム基板
は、熱伝導率が酸化アルミニウム基板の約5倍以上と高
く放熱性に優れ、加えてSiチップに近似した低熱膨張
率を有する等の優れた特性を有している。
【0003】ところで、窒化アルミニウム基板を半導体
素子用の実装基板やパッケージ等として使用する場合に
は、回路の形成や電子部品の搭載部の形成等を目的とし
て、窒化アルミニウム基板の表面や内部に導電性を有す
る金属化層(メタライズ層)を形成することが不可欠と
されている。
【0004】上述したようなメタライズ層をセラミック
ス基板に形成する方法としては、例えばW、Mo、W−
Mo等の高融点金属を用いる方法が知られている。この
高融点金属法は、高融点金属粉末に樹脂接合剤や分散媒
を添加してペーストを作製し、この高融点金属ペースト
を基板上に印刷法等によって塗布した後、所定の温度で
焼成してメタライズ層を形成する方法である。ただし、
上述した窒化アルミニウムは、酸化アルミニウム等の酸
化物系セラミックスに比べて、金属との濡れ性や反応性
に劣るため、一般的な高融点金属法ではメタライズ層の
接合強度が極端に低いものとなってしまう。そこで、窒
化アルミニウム基板と高融点金属層の焼成を同時に行
う、いわゆる同時焼成法によりメタライズ層(高融点金
属層)を形成することが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、窒化
アルミニウムは金属との濡れ性や反応性に劣るため、同
時焼成法によって高融点金属層を窒化アルミニウム基板
に形成することが行われている。しかしながら、上記し
た同時焼成法を適用しても、必ずしも満足いくほどの接
合強度が得られているわけではない。すなわち、窒化ア
ルミニウム基板による半導体パッケージ等を作製する場
合、同時焼成法によって多層化した内部配線を形成して
いるが、個々の窒化アルミニウム層と高融点金属層(内
部配線層)との接合強度が不十分であるため、導通不良
を招いたり、パッケージの気密性が低下したり、さらに
はハガレ等の構造不良を招く等といった問題が生じてい
る。本発明は、このような課題に対処するためになされ
たもので、窒化アルミニウム基板に高接合強度で高融点
金属層を形成することを可能にし、信頼性に優れた窒化
アルミニウム多層基板を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段と作用】本発明の窒化アル
ミニウム多層基板は、複数の窒化アルミニウム基板と、
前記窒化アルミニウム基板に接して設けられる内部配線
または表面配線としての高融点金属層とを具備する窒化
アルミニウム多層基板において、前記窒化アルミニウム
基板の接合界面から10μm以内には前記高融点金属の
微粒子が析出していることを特徴としている。
【0007】本発明における窒化アルミニウム基板とし
ては、焼結助剤を用いた通常の液相焼結法によるものが
用いられる。上記焼結助剤としては、CaO系やY
系等が用いられる。なお、CaO系の焼結助剤は、C
aCOとして用いることも可能である。これら焼結助
剤は、窒化アルミニウム粉末に対して0.5〜10重量
%程度の範囲で添加される。
【0008】また、高融点金属層の形成材料としては、
W、Mo、W−Mo等が用いられる。このような高融点
金属からなる導電層は、表面配線として窒化アルミニウ
ム基板の表面に形成してもよいし、また内部配線として
窒化アルミニウム基板の内部に形成してもよい。なお、
本発明における高融点金属層は、上記したような高融点
金属単体によって形成しなければならないものではな
く、他の添加物を含むことも可能である。
【0009】本発明の窒化アルミニウム多層基板は、上
述した窒化アルミニウム基板と高融点金属層とを同時焼
成することにより一体化したものである。そして、上記
同時焼成時の条件を適切に制御することによって、高融
点金属層内に窒化アルミニウム基板の構成材による粒
子、すなわち窒化アルミニウムと焼結助剤成分とを主体
とする化合物粒子を分散析出させており、また窒化アル
ミニウム基板の接合界面から10μm以内には高融点金
属の微粒子を分散析出させている。高融点金属層内にお
ける窒化アルミニウム基板の構成材粒子の析出量は、体
積比で1〜10%程度とすることが好ましい。また、窒
化アルミニウム基板の接合界面から10μm以内に析出
させる高融点金属微粒子の析出量は、体積比で0.2〜
2%程度とすることが好ましい。一般には後者の粒子の
方が小さい。
【0010】高融点金属層中には、接合界面に向けてエ
ピタキシャル成長した窒化アルミニウム粒子が存在して
いることが好ましい。このようなエピタキシャル成長し
た窒化アルミニウム粒子が存在することによって、高い
接合強度を得ることが可能となる。また、高融点金属層
と窒化アルミニウム基板との接合界面には、空隙が存在
しないことが好ましい。接合界面の空隙を無くすことに
より、より高い接合強度を得ることが可能になる。
【0011】本発明の窒化アルミニウム基板は、上記し
た構成とすることで、例えば160MPa以上の4点曲
げ強度を得ることができる。
【0012】このような本発明の窒化アルミニウム多層
基板は、例えばPGA用多層基板として用いることが好
ましい。
【0013】次に、本発明の窒化アルミニウム多層基板
の製造方法について、図1を参照して詳述する。まず、
焼結助剤例えばCaOを含むAlNグリーンシートと、
高融点金属ペースト例えばWペーストとを用意する。A
lNグリーンシートは通常のドクターブレード法などに
より作製すればよい。また、高融点金属ペーストは、高
融点金属粉末に樹脂結合剤および必要に応じて分散媒や
可塑材を添加し、均一に分散させて所望の粘度のペース
トとして作製する。
【0014】上記したようなAlNグリーンシートおよ
び高融点金属ペーストを用いて、図1(a)に示すよう
に、AlNグリーンシート1上に高融点金属ペースト2
を例えばスクリーン印刷法によって所要の形状に塗布す
る。また、AlN多層配線基板を作製する場合には、複
数のAlNグリーンシート1に高融点金属ペースト2を
それぞれ塗布した後、それらを所定の枚数積層する。こ
の際、高融点金属ペースト2を塗布した段階では、微視
的に見ると、AlNグリーンシート1と高融点金属ペー
スト2の塗布層との間に空隙3が存在し、必ずしも連続
的な界面が形成されているわけではない。
【0015】次に、上記高融点金属ペースト2を塗布し
たAlNグリーンシート1を所定の温度で焼成し、図1
(b)に示すように、AlN基板4と高融点金属層5と
を同時焼成によって形成する。ここで、本発明の窒化ア
ルミニウム多層基板を得るためには、AlN基板4の構
成材料、すなわちAl、N、焼結助剤成分(図中ではC
a)が高融点金属層5内に拡散すると共に、高融点金属
(図中ではW)がAlN基板4内に拡散し固溶するよう
に、焼成条件を設定することが重要である。具体的な焼
成条件としては、焼成温度を1750〜1900℃程度
と高温に設定する。また、焼成時間は0.5〜10時間
程度とすることが好ましい。このように高温焼成するこ
とによって、相互拡散が促進される。
【0016】この焼成工程の後に常温まで冷却するが、
この冷却工程においては図1(c)に示すように、相互
拡散したAl、Nおよび焼結助剤成分の固溶限が減少す
るため、再結合してAlN粒子6となり、また高融点金
属の微粒子7が十分に分散析出するように条件を設定す
る。焼成工程でAlN基板4と高融点金属5との間で各
構成元素を相互拡散させると共に、この相互拡散させた
成分が冷却工程で十分に析出するような条件を設定する
ことにより、さらに界面空隙部3内でAlNがCaを固
溶して再析出する。この再析出によって、図1(d)に
示すように、界面空隙部3がCaを含むAlN8により
埋められ、連続した界面9が形成される。なお、AlN
8は高融点金属層5と一定の結晶方位関係をもつエピタ
キシャル成長をする。
【0017】上記したAlN8のエピタキシヤル成長に
より形成された連続界面9は、高接合強度を有するた
め、高融点金属層5の信頼性(機械的強度、導通性、気
密性等)を大幅に高めることが可能となる。また、高融
点金属層5内に拡散した窒化アルミニウム基板の構成成
分は、高融点金属の焼結を促進するため、高融点金属層
5の焼結密度が高まり、より一層導通性の向上を因るこ
とができる。
【0018】
【実施例】 次に、本発明の実施例について説明する。
【0019】実施例1 まず、平均粒径1.0μmのAlN粉末に、焼結助剤と
して平均粒径0.5μmのCaCO粉末を、CaO換
算で1重量%添加、混合し、基板原料粉末を調整した。
次いで、この基板原料粉末に適量のPVC(ポリビニル
ブチラール)をバインダとして加え、十分に混練した
後、ドクターブレード法により厚さ0.4mmのAlN
グリーンシートを8枚作製した。一方、平均粒径1.0
μmのW粉末に、適量の樹脂バインダおよび分散媒を混
合して、Wペーストを作製した。
【0020】次に、上記した各AlNグリーンシートに
Wペーストをそれぞれスクリーン印刷し、乾燥させた後
に積層一体化した。なお、Wペ一ストの塗布厚は約20
μm(乾燥後)とした。次いで、この積層体を脱脂炉内
に配置し、窒素雰囲気中で700℃×3時間の条件にて
脱脂処理を行った後、焼成炉で1800℃まで昇温し
た。この温度で6時間保持し、AlNグリーンシートと
Wの塗布層とを窒素雰囲気中で同時焼成した後、150
0℃まで100℃/hrの条件で冷却し、その後室温ま
で炉冷した。以上の工程により、AlN基板内に内部配
線層としてW層が設けられた、PGA用のAlN多層配
線基板(AlNメタライズ基板)を作製した。
【0021】このようにして得たAlN多層配線基板の
AlN基板とW層との接合界面を、SEMにより観察す
ると共に、EPMA分析により面分析した。図2に、上
記AlN多層配線基板の接合界面のSEM写真を示す。
また図3として、図2のSEM写真を模式化した図を示
す。
【0022】図3から明らかなように、AlN層11間
に存在するW層12内には、CaOとAlとの複
合酸化物を含むAlN粒子13が析出しており、またA
lN層11内の界面近傍部にはWの微粒子14が析出し
ていた。また、EPMAによる面分折から、上記AlN
粒子13の構成元素はAl、N、CaおよびOであり、
また微粒子14の構成元素はWであることを確認した。
そして、AlN層11とW層12との接合界面15は、
空隙等が存在しない連続した界面であることを確認し
た。なお、W層12におけるAlN粒子13の析出量は
体積比で5%で、AlN層11内のW微粒子14の析出
量は体積比で1%であった。また、W微粒子14は接合
界面15から5〜6μmの範囲に析出していた。
【0023】また、AlN層11内における接合界面1
5との近傍部分の結晶構造を調べるため、断面の断面の
高分解能TEM観察を行った。その結果、接合界面15
に向けてAlNのエピタキシャル成長が生じていること
を確認した。
【0024】次に、上記AlN多層配線基板におけるA
lN層とW層との接合強度を評価するために、AlN基
板の表面にW層を上記実施例と同一条件の同時焼成によ
って形成した。そして、このW層の接合強度を、両側の
AlNに活性金属法でバルクAlNを接合して曲げ試験
片を作製し、4点曲げ試験により測定したところ、16
0MPaという良好な結果が得られた。また、上記Al
N多層配線基板の導電性(W層)および気密性を4端子
法およびHeリーク試験により評価したところ、9〜1
0μΩcmおよび1×10−5cc atm/secと
いう良好な結果が得られた。
【0025】また、本発明との比較として、助剤として
のCaCOをCaO換算で0.5重量%添加し、同時
焼成時の条件を1700℃×3時間とすると共に、その
後の冷却を500℃/hrの条件で行う以外は、上記実
施例と同様にして、AlN多層配線基板を作製した。こ
のAlN多層配線基板の界面構造についても、上記実施
例と同様に、SEMおよびEPMA解析で調べたとこ
ろ、AlN粒子およびW微粒子は各々ほとんど析出して
おらず、また接合界面には僅かな空隙が存在し、連続し
た界面は形成されていなかった。
【0026】また、上記比較例によるAlN多層配線基
板のW層の接合強度および導電性、さらに多層基板の気
密性を、実施例1と同様にして評価したところ、W層の
接合強度は80MPa、W層の導電性は13〜15μΩ
cm、気密性は5×10−5cc atm/secと、
いずれも実施例に比べて劣るものであった。
【0027】実施例2 平均粒径1.0μmのAlN粉末に、焼結助剤として平
均粒径1.0μmのY 粉末を2重量%添加、混合
し、基板原料粉末を調整した。次いで、この基板原料粉
末に適量のPVCをバインダとして加え、十分に混練し
た後、ドクターブレード法により厚さ0.4mmのAl
Nグリーンシートを8枚作製した。一方、平均粒径1.
0μmのW粉末に、適量の樹脂バインタおよび分散媒を
混合して、Wペーストを作製した。
【0028】次に、上記した各AlNグリーンシートに
Wペーストをそれぞれスクリーン印刷し、乾燥させた後
に積層一体化した。なお、Wペーストの塗布厚は約20
μm(乾燥後)とした。次いで、この積層体を脱脂炉内
に配置し、窒素雰囲気中で700℃×3時間の条件にて
脱脂処理を行った後、焼成炉で1800℃まで昇温し
た。この温度で6時間保持し、AlNグリーンシートと
Wの塗布層とを窒素雰囲気中で同時焼成した後、150
0℃まで100℃/hrの条件で冷却し、その後室温ま
で炉冷した。以上の工程により、AlN基板内に内部配
線層としてW層が設けられた、PGA用のAlN多層配
線基板(AlNメタライズ基板)を作製した。
【0029】このようにして得たAlN多層配線基板の
AlN基板とW層との接合界面を、SEMにより観察す
ると共に、EPMA解析により面分析した。その結果、
SEMの2次電子像は実施例1と類似のものが得られ
AlN層間に存在するW層内には、YとAl
との複合酸化物を含むAlN粒子が析出しており、ま
たAlN層内の界面近傍部にはWの微粒子が析出してい
た。また、EPMAによる面分析から、上記AlN粒子
の構成元素はAl、N、YおよびOであり、また微粒子
の構成元素はWであることを確認した。そして、AlN
層とW層との接合界面は、空隙等が存在しない連続した
界面であることを確認した。なお、W層におけるAlN
粒子の析出量は体積比で6%で、AlN層内のW微粒子
の析出量は体積比で1%であった。また、W微粒子は接
合界面5〜6μmの範囲に析出していた。
【0030】また、AlN層内における接合界面との近
傍部分の結晶構造を調べるため、断面の高分解能TEM
観察を行った。その結果、接合界面に向けてAlNのエ
ピタキシャル成長が生じていることを確認した。
【0031】次に、上記AlN多層配線基板におけるA
lN層とW層との接合強度を評価するために、AlN基
板の表面にW層を上記実施例2と同一条件の同時焼成に
よって形成した。そして、このW層の接合強度を実施例
1と同様の手法により測定したところ、200MPaと
いう良好な結果が得られた。また、上記AlN多層配線
基板の導電性(W層)および気密性を実施例1と同様の
手法により評価したところ、9〜11μΩcmおよび1
×10−5cc atm/sec以下という良好な結果
が得られた。
【0032】また、本発明との比較(比較例2)とし
て、Yの添加量を2重量%に減らし、また同時焼
成時の条件を1700℃×3時間とすると共に、その後
の冷却を500℃/hrの条件で行う以外は、上記実施
例2と同様にして、AlN多層配線基板を作製した。こ
のAlN多層配線基板の界面構造についても、上記実施
例と同様に、SEMおよびEPMA解析で調べたとこ
ろ、AlN粒子およびW微粒子は各々ほとんど析出して
おらす、また接合界面には僅かな空隙が存在し、連続し
た界面は形成されていなかった。
【0033】また、上記比較例2によるAlN多層配線
基板のW層の接合強度および導電性、さらに多層基板の
気密性を、実施例1と同様にして評価したところ、W層
の接合強度は100MPa、W層の導電性は13〜15
μΩcm、気密性は5×10 −5cc atm/sec
と、いずれも実施例2に比べて劣るものであった。
【0034】上記した各実施例および比較例によるAl
N多層配線基板の表面結果から分かるように、W層内に
AlN粒子が分散析出し、かつAlN基板の界面近傍部
内にW微粒子が分散析出するよう、焼成条件およびその
後の冷却条件を設定することによって、W層の接合強度
を大幅に高めることができ、よって信頼性に優れたAl
N多層配線基板(AlNメタライズ基板)を得ることが
可能となる。
【0035】なお、上記実施例では高融点金属層として
のW層をAlN多層基板内に形成した例について説明し
たが、W層をAlN基板の表面に形成したものについて
も、上記実施例と同様な効果が得られた。また、上記実
施例のAlN多層基板においては、各W層間を接続する
ビアホール(W充填)でも同様な界面構造が認められ
た。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、窒
化アルミニウム基板と高融点金属層との接合強度を大幅
に向上させることが可能となるため、機械的強度、導通
性、気密性等に優れた窒化アルミニウム多層基板を提供
することができ、よって半導体パッケージや半導体実装
基板の信頼性向上に大きく寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の窒化アルミニウム多層基板の製造工程
の一例を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の一実施例で作製した窒化アルミニウム
多層基板の接合界面を拡大して示すSEM写真である。
【図3】図2に示すSEM写真を模式化して示す図であ
る。
【符号の説明】
1……AlNグリーンシート 2……高融点金属ペーストの塗布層 3……界面空隙部 4……AlN基板 5……高融点金属層 6……AlN基板の構成材による析出粒子 7……高融点金属の析出微粒子 8……エピタキシャル成長によるAlN
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 1/09 H05K 1/09 Z 3/38 3/38 B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の窒化アルミニウム基板と、前記窒
    化アルミニウム基板に接して設けられる内部配線または
    表面配線としての高融点金属層とを具備する窒化アルミ
    ニウム多層基板において、 前記窒化アルミニウム基板の接合界面から10μm以内
    には前記高融点金属の微粒子が析出していることを特徴
    とする窒化アルミニウム多層基板。
  2. 【請求項2】 PGA用多層基板であることを特徴とす
    る請求項1記載の窒化アルミニウム多層基板。
  3. 【請求項3】 前記高融点金属層中には、接合界面に向
    けてエピタキシャル成長した窒化アルミニウム粒子が存
    在することを特徴とする請求項1または請求項2記載の
    窒化アルミニウム多層基板。
  4. 【請求項4】 前記高融点金属層と前記窒化アルミニウ
    ム基板との接合界面には、空隙が存在しないことを特徴
    とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の窒化アルミ
    ニウム多層基板。
  5. 【請求項5】 同時焼成後の窒化アルミニウム多層基板
    の4点曲げ強度が160MPa以上であることを特徴と
    する請求項1乃至4のいずれか1項記載の窒化アルミニ
    ウム多層基板。
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