JP2001142407A - ディスプレイ支持装置 - Google Patents

ディスプレイ支持装置

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JP2001142407A
JP2001142407A JP32726899A JP32726899A JP2001142407A JP 2001142407 A JP2001142407 A JP 2001142407A JP 32726899 A JP32726899 A JP 32726899A JP 32726899 A JP32726899 A JP 32726899A JP 2001142407 A JP2001142407 A JP 2001142407A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アームの端部に取付けられて移動自在に支持
されるディスプレイの上下角度を調整する際に、ディス
プレイの自重による負荷が軽減されて上下角度の設定が
容易になるばかりか、ディスプレイの自重に対し適正な
付勢力を付与することができるディスプレイ支持装置を
提供する。 【解決手段】 左右の支持片58a、58bと両取付片
59a、59b同士が枢軸60aにより別々に軸着さ
れ、両枢軸60a間にねじりコイルバネ62が介装され
るので、ディスプレイ1の上下回動角度を調整する際
に、ディスプレイ1の自重による負荷が軽減されて回動
操作性が容易になるばかりか、左右の枢軸の軸着度合い
に影響されることなく、適正なねじりコイルバネ62の
付勢力が付与されるため、ディスプレイ1の上下角度を
容易に設定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に机上等でディ
スプレイを移動自在に支持するディスプレイ支持装置に
係わり、特にアームの端部に取付けられるディスプレイ
を所定の方向に向ける回動操作性を改良したディスプレ
イ支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、主にパソコンやテレビ等のディス
プレイとして、薄型の液晶ディスプレイやプラズマディ
スプレイ等が急速に普及しつつある。このような液晶デ
ィスプレイはこれまでの主流だったCRT等に比べて薄
型であるため、例えばオフィスや家庭における机上で使
用しようとする場合においても広いスペースを占有する
ことがなく便利であった。
【0003】このような液晶ディスプレイを支持する技
術として例えば特開平5−210430号公報に開示さ
れており、この技術はアームを上方に付勢する圧縮バネ
を内装し、この圧縮バネの付勢力によって先端に取り付
けられた所定重量のディスプレイを容易に上方に回動可
能とし、かつディスプレイの急速な落下を防止するよう
にしたものである。
【0004】このようなディスプレイ支持装置では、デ
ィスプレイの急速な落下を防止することはできるもの
の、特に液晶画面のような場合には使用者側からの視角
によっては見え難くなるため、使用者によってディスプ
レイの回動角度の調整を行う必要がある。
【0005】そこで、ディスプレイの回動角度の調整を
行う際には手を延ばしてディスプレイの回動軸に螺着し
ているナットが緩められる。ところがディスプレイ自体
は所定の重量を有していることから、ナットを緩めた際
に自重の作用で回動軸を中心として急激に下向きの回転
力(負荷)が作用する危険性を有するため、予めディス
プレイを一方の手で支え他方の手でナットを緩める両手
を伸ばした姿勢で作業が行われている。このため、従来
のディスプレイ支持装置では、ディスプレイの回動角度
を調整する際の操作性が悪く、使用者側にとっては使い
難い問題を有していた。
【0006】このような、問題点を解決したものとして
特開平9−285341号公報が知られている。
【0007】すなわち、これはアーム他端のディスプレ
イ取付け部に位置決め機構を有するもので、この位置決
め機構は、アームの他端側に、左右に一対の支持片を有
する二股状のC型アームが設けられてあり、このC型ア
ームの両支持片にはディスプレイ取付け用のブラケット
が先端にネジを設けたピンを介して上下に回動可能に枢
支されている。
【0008】両支持片とブラケットとの間にはゴム板が
ピンを介して挟持され、該ピンの先端に雌ネジが形成さ
れた摘みを螺合し、この摘みを強く締め付けることによ
りゴム板が両支持片とブラケットとの間で圧縮されてそ
の摩擦力が増大し、ディスプレイの回動角度を所望の角
度位置に保持できるようになっている。
【0009】更に、摘みとC型アームの両支持片との間
にはそれぞれ、ねじりコイルバネが介装されており、ピ
ンを介して取付けられたディスプレイの下部を持ち上げ
る方向に付勢してディスプレイ自重とのバランスをとる
ことにより、ディスプレイの回動角度を調整する際に該
ディスプレイの自重の影響を軽減して回動時における操
作が容易に行われるようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
のディスプレイ支持装置によれば、ディスプレイの回動
角度を調整するために、摘みを回動操作することにより
左右のゴム板が締め付けられることとなるが、この際に
左右のねじれコイルばねも同時に軸方向に圧縮されるた
め、ねじれコイルばねの機能が十分に発揮できなくなる
問題を有するばかりか、ねじれコイルばねが左右別個に
設けられていることから、左右の摘みを均等に調整する
ことが困難なため、強い方のねじれコイルばねの付勢力
が一方のブラケットのみに作用して、適正なバネの付勢
力が得られない問題点を有していた。
【0011】本発明は、このような問題点に着目してな
されたもので、アームの端部に取付けられて移動自在に
支持されるディスプレイの上下角度を調整する際に、デ
ィスプレイの自重による負荷が軽減されてディスプレイ
の上下角度の設定が容易になるばかりか、ディスプレイ
の自重に対し適正な付勢力を付与することができるディ
スプレイ支持装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のディスプレイ支持装置は、一端に固定基
部、他端にディスプレイが設けられたアームによりディ
スプレイを任意方向に移動自在に支持するディスプレイ
支持装置であって、前記アームの他端側に、左右一対の
支持片を有する支持体を設け、該支持体の両支持片の各
々に対応して配置される取付片を軸着してディスプレイ
取付部材を上下に回動可能に設け、対向する支持片と前
記取付片同士を、頭部を有する一対の枢軸を内側から外
方に挿通して左右別々に同一軸線上で軸着し、前記両頭
部間にねじりコイルバネのコイル部を装着し、前記支持
体に対して前記ディスプレイ取付部材を、前記枢軸を中
心として上方に回動付勢するようにしたことを特徴とし
ている。この特徴によれば、アームの他端側に設けられ
る支持体左右の支持片とディスプレイ取付部材の両取付
片同士が枢軸により別々に軸着されて、両枢軸間にねじ
りコイルバネが介装されるので、ディスプレイの上下回
動角度を調整する際に、ディスプレイの自重による負荷
が軽減されて回動操作性が容易になるばかりか、従来の
ように左右の枢軸の軸着度合いに影響されることなく、
ディスプレイ取付部材がねじりコイルバネに設定された
適正な付勢力が、ディスプレイの自重による負荷が軽減
される方向に付勢されるためディスプレイの上下角度を
容易に設定することができる。
【0013】本発明のディスプレイ支持装置は、前記両
支持片と取付片同士が、上下回動に対し摩擦抵抗を有す
る摩擦部材を介して直接に、または中間部材により前記
枢軸に軸着されていれば好ましい。このようにすれば、
両支持片と取付片同士の上下回動位置が、枢軸を軸着す
ることにより生ずる摩擦部材の摩擦力により、上方に付
勢されるディスプレイ取付部材を所望の角度位置に容易
に位置決めすることができる。
【0014】本発明のディスプレイ支持装置は、前記枢
軸の一端にはネジが形成され、摩擦部材を挿通したネジ
部に締付部材を螺合し、該締付部材の締め加減により前
記支持片と取付片間の摩擦力を調整可能にして成れば好
ましい。このようにすれば、ディスプレイの自重とねじ
りコイルバネの付勢力とのバランスが微妙に崩れてディ
スプレイが上方又は下方への回動力が生じても、締付部
材の締め加減により適正な角度位置に設定することがで
きる。
【0015】本発明のディスプレイ支持装置は、前記締
付部材が、該締付部材並びに該締付部材に対応する近傍
の側壁には、対応する位置にそれぞれ目盛りが刻設され
ていれば好ましい。このようにすれば、ディスプレイを
適正な締め加減により常に所望の角度位置に締め付ける
ことができる。
【0016】本発明のディスプレイ支持装置は、前記摩
擦部材が、回動方向に摺動する接触面が前記枢軸の軸線
方向にテーパー状に形成されて成れば好ましい。このよ
うにすれば、相互の接触面がテーパー状に形成されてい
るので、締付部材の弱い締め付け力でも大きな摩擦力を
得ることができ、ディスプレイを所望の角度位置に確実
に位置決めすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明のディスプレイ支持装
置が取り付けられるアームの側面図、図2は本発明のデ
ィスプレイ支持装置が取り付けられたアームの動作説明
図、図3はアームの内部構造を示す一部破断断面図、図
4は図3のB−B断面図、図5は図1のA−A断面図、
図6は本発明の第1実施形態としてのディスプレイ支持
装置の一部を構成するディスプレイホルダの分解組立斜
視図であり、図7はディスプレイホルダの平面図であ
る。
【0018】先ず図1には、液晶のディスプレイ1が、
机の天板2上に取り付けられたディスプレイ支持装置と
してのアーム装置3により支持されている状態が示され
ている。
【0019】最初にアーム装置3につき説明すると、図
1〜図4に示されるように、アーム装置3は、ディスプ
レイ1側のアーム12他端に垂直に保持される第1垂直
軸7と、この反対側の天板2側に設けられる第2垂直軸
8とに、前後両端がそれぞれ水平軸9a〜9dにより上
下方向に回動自在に軸着された第1リンク10と第2リ
ンク11とで平行リンクを構成するアーム12とで構成
され、第2垂直軸8の下部を軸心周りに回動自在に支持
するとともに、下部に天板2に対して着脱自在とするブ
ラケット14を有する固定基部15とから構成されてい
る。なお、アーム装置3の天板2への取付けはブラケッ
ト14以外の種々の方法により取付可能である。
【0020】そして、アーム12の他端側には、該アー
ム12の他端に設けられた第1垂直軸7に一端が左右方
向に水平回動可能に軸着された支持体13と、該支持体
13に回動可能に軸着されたディスプレイ取付部材4と
からなるディスプレイホルダHが保持されている。
【0021】第1リンク10は、長手方向に対して垂直
な断面が下向き略コ字形をなす板部材により構成されて
おり(図5参照)、この第1リンク10の左右側板10
aの前後には、水平軸9a、9bの挿通孔が形成されて
いる。第2リンク11は、前後位置にそれぞれ水平軸9
c、9dの挿通孔が形成された2枚の側板11aからな
り、側板11aはそれぞれ第1リンク10の側板10a
の内側に位置するように設けられている。
【0022】これら2枚の側板11aの内面には、図5
に示されるように、左右の垂直板33aと、水平板33
bと、垂直板33aの下端縁と水平板33bの左右端縁
とを連設する傾斜板33cとから構成される区画板33
の垂直板33aの外面が固着されており、左右の側板1
1aが区画板33により連結されている。この区画板3
3は、後述するコイルバネの外周面に沿うようにアーム
12の長手方向に設けられており、この区画板33と、
下向きに開口する第1リンク10と、側板11aとによ
り、アーム12内に空間部Sが形成されている。
【0023】空間部S内には、図1、図2、図5に示さ
れるように、一端が水平軸9cに係止され、他端が付勢
力調整機構34(図2参照)を介して水平軸9bに係止
されている略円筒形をなすコイルバネ35が収納されて
いる。コイルバネ35は引っ張りバネであり、アーム1
2の下方への回動に伴い伸長する。
【0024】第2リンク11の左右側板11aの下端
は、図5に示されるようにそれぞれ区画板33の垂直板
33aと傾斜板33cとの連設部よりも下方に垂下され
ており、それぞれの側板11aの下部には、係合孔36
が長手方向の複数箇所に形成されている。37は、長手
方向に対して垂直な断面が上向き略コ字形をなす合成樹
脂製のカバー部材であり、側板の上部外側に形成された
係止部38を係合孔36に対して係脱させることによ
り、第2リンク11の下方に着脱自在に取付け出来るよ
うになっている。
【0025】このカバー部材37が第2リンク11の下
方に取り付けられることにより、図5に示されるように
区画板33の下方における左右側に、すなわち傾斜板3
3cの外側に第2リンク11の長手方向に延びる電源コ
ードやケーブル類の配線収納空間39が形成される。
【0026】この配線収納空間39は、カバー部材37
の底面が区画板33に近接するように取り付けられて
も、コイルバネ35の周面に沿うように設けられる傾斜
板33cにより確実に確保される。よって、カバー部材
37を下方に大きく張し、アーム12全体に上下の厚み
を形成することなく、複数本の電源コードやケーブル類
をコンパクトに収納することが出来る。
【0027】第2垂直軸8は、図3に示されるように、
上下が開口する筒状部材8aと、この筒状部材8a内の
略中心部に、取付板40介して取り付けられる筒状部材
41とから構成されており、筒状部材8aの上部には、
第1リンク10及び第2リンク11を支持する水平軸9
b、9ディスプレイの挿通孔が形成された支持板8bが
固着されている。この筒状部材41の直径は筒状部材8
aの直径よりも小径であり、筒状部材41の外周面と筒
状部材8aの内面との間に、電源ケーブルやケーブル類
挿通用の周状の配線収納空間46が形成されている。こ
の筒状部材41内に、ブラケット14の上板14a上に
立設された支持棒42を挿通し、支持棒42の上端面と
筒状部材41の蓋板下面とが摺接された状態で、筒状部
材41が支持棒42の軸心周りに回動自在に支持され
る。
【0028】ブラケット14の上板14a上には、図4
に示されるように、上面に支持棒42を中心とする同心
円弧状に形成された溝部44が形成された支持部材43
が固設されている。この溝部44内には、筒状部材41
の支持棒42への挿通時において、筒状部材41の外周
面所定箇所に固着された棒材45の下端が挿通されるよ
うになっている。本実施例における溝部44は半円弧形
状に形成されており、棒材45により第2垂直軸8の回
転角度が約180度に規制されている。
【0029】支持部材43後部の円弧の一部は直線状に
切り欠かれており、筒状部材8aの下部に、筒状部材8
a内の配線収納空間46内を挿通する電源コードやケー
ブル類を外部に延出するための開口が確保されている。
また、この配線収納空間46の上部も開口され、第2リ
ンク11のカバー部材37により形成される配線収納空
間39に連通している。
【0030】第2リンク11を構成する左右の側板11
aの前方における上部所定箇所には、図1及び図5に示
されるように、それぞれ内向きに屈曲される先端に係止
溝48を有する側面視L字形の係止片47が形成されて
いる。また、上板10bの下面10cには、係止溝48
に両端縁が係止される垂直片51と、上面が上板10b
の下面10cに摺接する摺接板52とから側面視L字形
に形成される摺接部材53が、上板10bの前方所定箇
所に形成される挿通孔50、及び摺接板52に形成され
る長溝54内を挿通する調整ボルト49と、この他端に
螺入されるナット55との締め付けにより保持されてい
る。なお、56はナット55の保護材である。
【0031】図4、図5に示されるように、アーム12
が上下動すると、第2リンク11に設けられた係止片4
7は第1リンク10に対して前後方向に相対移動する。
この移動に伴い、摺接部材53の摺接板52が、長溝5
4を介して調整ボルト49に案内されながら下面10c
に摺接した状態で長手方向に摺動するようになってい
る。
【0032】次に、本発明の第1実施形態としてのディ
スプレイ支持装置の一部を構成するディスプレイホルダ
Hについて図6、図7を参照して説明する。
【0033】このディスプレイホルダHは、前述した図
1、図2に示されるアーム12の他端側に取り付けられ
たディスプレイ1をアーム12により任意方向に移動自
在に保持するものであって、アーム12の他端に左右一
対の支持片58a、58bを有する支持体13と、該支
持体13の両支持片58a、58bの各々に対応して両
側に配置された取付片59a、59bに、後述する枢軸
60aを介して上下に回動可能に軸着されたディスプレ
イ取付部材4とで構成され、支持体13後方の下面には
前記アーム12の他端に垂直に保持される第1垂直軸7
が一体的に設けられている。
【0034】更に詳しくは、支持体13の相対向する両
支持片58a、58bとディスプレイ取付部材4の取付
片59a、59b同士は、これらの内側より一対の頭部
60bを有する枢軸60aを外方に向けて挿通すること
により同一軸線上で左右別々に軸着されている。
【0035】そして、枢軸60a頭部60bの圧着部に
はフランジが形成されると共に、該圧着面には角形の嵌
合突起60cが形成されており、両支持片58a、58
bは、枢軸60aの嵌合突起60cを嵌合すべく同一軸
線上に貫通形成される一対の角穴13a、13aと、該
角穴13a、13aの中心から所定距離離間した位置に
係止ピンPが突設され、これら両支持片58a、58b
に相対する取付片59a、59bには前記角穴13a、
13aに対応して枢軸60aが挿通過能な貫通孔4a
と、該貫通孔4aを中心とする所定半径の円弧孔4bが
係止ピンPに対応して形成されている。
【0036】次に、このように構成された支持体13及
びディスプレイ取付部材4の組立て手順につき説明す
る。
【0037】即ち、図6に示されるように、支持体13
の両支持片58a、58bの外側に相対させて角穴13
aと貫通孔4aの軸心がそれぞれ一致するようにディス
プレイ取付部材4の取付片59a、59bを配置して、
両支持片58a、58b外側の係止ピンPを取付片59
a、59bの円弧孔4bに挿通係止させ、同時に両支持
片58a、58bと取付片59a、59bの間にはそれ
ぞれ円板状の摩擦部材63を介装する。
【0038】そこで、支持体13両支持片58a、58
bの内側から角穴13a、13aに一対の枢軸60aの
ねじ部を挿通して、嵌合突起60cを角穴13a、13
aにそれぞれ嵌合すると同時に摩擦部材63を挿通した
のち、ディスプレイ取付部材4取付片59a、59bの
貫通孔4aを挿通する。
【0039】続いて、両支持片58a、58b、取付片
59a、59bを挿通した各枢軸60aのねじ部に中間
部材としての弾性変形可能な皿座金等を有する座金群M
を介して袋ナットNをそれぞれ軸着する。
【0040】このように、各枢軸60aのねじ部に袋ナ
ットNをそれぞれ螺合するに際し、枢軸60aの嵌合突
起60cが予め角穴13a、13aにそれぞれ嵌合され
ているので、袋ナットNのみを回しても枢軸60aが共
回りすることなく、容易に袋ナットNの締め緩めを片手
でも行うことができる。
【0041】次に、支持体13の両支持片58a、58
b内側の同軸上に配置される両枢軸60aの頭部60b
間に両頭部60b間を軸方向外方に押圧付勢するように
ねじりコイルバネ62両端のコイル部を装着する。
【0042】同時に、コイルバネ62一端の係止片62
aをディスプレイ取付部材4の内側側面に当接すると共
に、他端の係止片62bを支持体13の下面に当接させ
ることにより、ディスプレイ取付部材4が枢軸60aを
中心として常時上方に回動付勢されることになる。
【0043】ディスプレイ取付部材4の一端である外側
正面の中央にはディスプレイ1を取付けるためのアダプ
ター5が枢軸等の取付け具Cを介して回動可能に取付け
られる。
【0044】このようにして組み立てられた支持体13
は、該支持体13後方の下面に垂直に設けられた第1垂
直軸7がアーム12の他端に垂直状態で保持され、この
状態はアーム12の上下揺動移動に関わらず第1、第2
リンク10、11からなる平行リンク機構により常時垂
直状態が維持される。
【0045】そして、支持体13の両支持片58a、5
8bに枢軸60aを介して軸着されるディスプレイ取付
部材4の取付片59a、59b同士は、枢軸60aを中
心として上下に揺動し、従ってディスプレイ1は、枢軸
60aの周りに回転自在に保持されているため、図1中
に実線で示される垂直位置と2点鎖線で示される上方傾
動位置の範囲で上下方向に回動できるようになってい
る。
【0046】次にこのように構成された本発明の第1実
施形態としてのディスプレイ支持装置の一部を構成する
ディスプレイホルダH及び、このディスプレイホルダH
を移動するアーム装置3の作用を、以下図面に基づいて
説明する。
【0047】ディスプレイホルダHに保持されたディス
プレイ1の上下方向の移動は、図1に示されるようにア
ーム12の上下回動により行われる。この時、第1垂直
軸7は、第1、第2リンク10、11からなる平行リン
ク機構により、ディスプレイ1は、上下移動によって傾
動されることなく垂直状態が保持された状態で上下方向
に移動される。
【0048】よって、使用者はディスプレイ1の手前か
らディスプレイ1の画面部(図示略)を見ながら上下角
度位置を容易に調整することが出来る。なお、ディスプ
レイ1の上下方向の向きの微妙な調整は、一対の枢軸6
0aを中心としてディスプレイ1を上下に回動させるこ
とにより行うことが出来る。
【0049】詳しくは、図1及び図7に示されるよう
に、液晶のディスプレイ1はねじりコイルバネ62によ
り枢軸60aを中心として上方に付勢することにより、
ディスプレイ1の自重による上方への回動負荷を軽減さ
せており、ねじりコイルバネ62の付勢力とディスプレ
イ1の自重とのバランスをとっている。
【0050】この場合、アーム12の他端側に設けられ
る支持体13左右の支持片58a、58bとディスプレ
イ取付部材4の両取付片59a、59b同士が枢軸60
aにより別々に軸着されて、両枢軸60a間にねじりコ
イルバネ62が介装されるので、従来のように左右の枢
軸が締付け力の度合いに影響されずにディスプレイ取付
部材4を、ねじりコイルバネに62に設定された適正な
付勢力をディスプレイ自重による負荷が軽減される方向
に付勢することができる。
【0051】従って、枢軸60aに螺着している袋ナッ
トNを締付けると、両支持片58a、58bと取付片5
9a、59bの間に介装されている円板状の摩擦部材6
3が圧縮されてディスプレイ1を所望の角度位置に容易
に位置決めすることができる。
【0052】また、ディスプレイ1の角度を変更する場
合には、袋ナットNを緩めることにより、軽い作用力で
ディスプレイ1を回動させることができる。このよう
に、ディスプレイ1の自重とねじりコイルバネ62の付
勢力とのバランスが微妙に崩れてディスプレイ1が上方
又は下方への回動力が生じても、袋ナットNの締め加減
によりディスプレイ1を適正な角度位置に位置決めする
ことができる。
【0053】一方、アーム12内に設けられたコイルバ
ネ35は、アーム12の上方向への回動時において収縮
されてアーム12を上方に付勢するため、アーム装置3
の先端にディスプレイ1等の重量物を支持する場合にあ
っても、小さい力でディスプレイ1を上方に容易に移動
出来るとともに、コイルバネ35がアーム12の下方向
への回動時において伸長することで、ディスプレイ1の
急激な落下等が防止されるようになっている。
【0054】ここでディスプレイ1を左右方向に移動さ
せる場合には、第1、第2垂直軸7、8のいずれかを中
心にアーム12またはディスプレイ1を回動させればよ
い。
【0055】また、アーム装置3の先端に支持されたデ
ィスプレイ1から延出され、本体側に接続すべく電源コ
ードやケーブル類は、図1に示されるように、カバー部
材37と区画板33との間に形成される配線収納空間3
9内から第2垂直軸8の配線収納空間46の上部から下
部へ挿通させた後、下方に延出させることが出来るた
め、外部に露呈してアーム装置3の移動の邪魔になった
り、外部に露呈して外観が損なわれること等がない。
【0056】次に、本発明の第2実施形態につき説明す
る。図8は本発明の第2実施形態としてのディスプレイ
支持装置の一部を構成するディスプレイホルダの側面図
であり、図9はディスプレイホルダの平面図である。な
お、前述した実施形態の構成部分と同一構成部分につい
ては、同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0057】本実施形態では、前述した実施形態におい
て使用されている袋ナットNの構造を改良したところが
相違している。
【0058】すなわち、本実施形態におけるディスプレ
イ支持装置を構成するディスプレイホルダH1は、アー
ム12の他端に左右一対の支持片58a、58bを有す
る支持体13と、該支持体13の両支持片58a、58
bの各々に対応して両側に配置された取付片59a、5
9bに、後述する枢軸60aを介して上下に回動可能に
軸着されたディスプレイ取付部材4とで構成されてい
る。
【0059】支持体13の両支持片58a、58bの外
側には、これら両支持片58a、58bに相対させて角
穴13aと貫通孔4aの軸心がそれぞれ一致するように
ディスプレイ取付部材4の取付片59a、59bが配置
されている。
【0060】両支持片58a、58b外側の係止ピンP
は、取付片59a、59bの円弧孔4bに挿通係止され
ると共に、両支持片58a、58bと取付片59a、5
9bの間にはそれぞれ円板状の摩擦部材63が介装され
ている。
【0061】両取付片59a、59bの外側に突出した
枢軸60aのネジ部には、これを挿通係止した座金郡M
1を介して外周がローレット加工された比較的大径の円
板状の袋ナットN1が螺着されている。
【0062】この袋状ナットN1の外側面には、半径方
向に向けた矢印64aが刻設され、両取付片59a、5
9bの外側側壁には矢印64aに対向させて、ディスプ
レイ取付部材4が所定位置に回動不能に位置決めされた
位置を0として、袋状ナットN1を締め付ける方向を
+、袋状ナットN1を緩める方向を−とする目盛り64
bが所定間隔をもって刻設されている。
【0063】このように本実施形態においては、袋状ナ
ットN1が比較的大径に形成されて、外周にはローレッ
ト加工が施されているので、回動操作時に工具類を使用
せずに容易に回動することができ、さらに締付部材とし
ての袋ナットN1の矢印64aを目盛り64bに対応さ
せて回動操作することで、ディスプレイ1を常に所望の
位置に適正な締め加減により微妙な角度位置でも容易に
位置決め保持することができる。
【0064】次に、本発明の第3実施形態につき説明す
る。図10は本発明の第3実施形態としてのディスプレ
イ支持装置の一部を構成する枢軸の軸着部の拡大断面図
である。なお、前述した実施形態の構成部分と同一構成
部分については、同一符号を付し、重複する説明を省略
する。
【0065】本実施形態では、前述した実施形態におい
て使用されている円板状の摩擦部材の構造を改良したと
ころが相違している。
【0066】ディスプレイ取付部材4の両取付片59
a、59bに枢軸60aが挿通する部分の外側にはボス
59cが一体的に溶接接合されており、このボス59c
に形成された貫通テーパー穴59dには外周がテーパー
状に形成され、且つ外周端部にフランジ65aが形成さ
れた摩擦部材65が挿嵌される。
【0067】次に貫通テーパー穴59dに装着された摩
擦部材65の貫通孔65bに枢軸60aを挿通したの
ち、前記枢軸60aに挿通した座金郡M1を介してその
ネジ部に袋ナットN1を螺合し、この袋ナットN1を締
め付けることにより摩擦部材65のテーパー面外周と貫
通テーパー穴59d内周面との間で生ずる摩擦力により
ディスプレイ取付部材4の回動角度が所望の位置に位置
決めされるようになっている。
【0068】このように本実施形態では、相互の接触面
がテーパー状に形成されているので、袋ナットN1の弱
い締め付け力でも摩擦部材65が軸方向に押圧された際
に半径方向には拡大された大きな摩擦力を得ることがで
き、確実且つ正確な位置決めをすることができる。
【0069】以上、本発明の実施例を図面により説明し
てきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更
や追加があっても本発明に含まれる。
【0070】例えば、前述した実施形態におけるディス
プレイ1は、図1中に実線で示される垂直位置と2点鎖
線で示される傾動位置との間で枢軸60aの周りに上下
方向に回動できるようになっているが、垂直位置を基準
として下方に傾動するように構成されても良く、この場
合はディスプレイ1を、枢軸を中心として下方への回動
角度位置を締付部材により位置決めするようにしても良
い。
【0071】
【発明の効果】本発明は以下の効果を奏する。
【0072】(a)請求項1項の発明によれば、アーム
の他端側に設けられる支持体左右の支持片とディスプレ
イ取付部材の両取付片同士が枢軸により別々に軸着され
て、両枢軸間にねじりコイルバネが介装されるので、デ
ィスプレイの上下回動角度を調整する際に、ディスプレ
イの自重による負荷が軽減されて回動操作性が容易にな
るばかりか、従来のように左右の枢軸の軸着度合いに影
響されることなく、ディスプレイ取付部材がねじりコイ
ルバネに設定された適正な付勢力が、ディスプレイの自
重による負荷が軽減される方向に付勢されるためディス
プレイの上下角度を容易に設定することができる。
【0073】(b)請求項2項の発明によれば、両支持
片と取付片同士の上下回動位置が、枢軸を軸着すること
により生ずる摩擦部材の摩擦力により、上方に付勢され
るディスプレイ取付部材を所望の角度位置に容易に位置
決めすることができる。
【0074】(c)請求項3項の発明によれば、ディス
プレイの自重とねじりコイルバネの付勢力とのバランス
が微妙に崩れてディスプレイが上方又は下方への回動力
が生じても、締付部材の締め加減により適正な角度位置
に位置決めすることができる。
【0075】(d)請求項4項の発明によれば、ディス
プレイを適正な締め加減により常に所望の角度位置に締
め付けることができる。
【0076】(e)請求項5項の発明によれば、相互の
接触面がテーパー状に形成されているので、締付部材の
弱い締め付け力でも大きな摩擦力を得ることができ、デ
ィスプレイを所望の角度位置に確実に位置決めすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のディスプレイ支持装置が取り付けられ
るアームの側面図である。
【図2】本発明のディスプレイ支持装置が取り付けられ
たアームの動作説明図である。
【図3】アームの内部構造を示す一部破断断面図であ
る。
【図4】図3のB−B断面図である。
【図5】図1のA−A断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態としてのディスプレイ支
持装置の一部を構成するディスプレイホルダの分解組立
斜視図である。
【図7】ディスプレイホルダの平面図である。
【図8】本発明の第2実施形態としてのディスプレイ支
持装置の一部を構成するディスプレイホルダの側面図で
ある。
【図9】ディスプレイホルダの平面図である。
【図10】本発明の第3実施形態としてのディスプレイ
支持装置の一部を構成する枢軸の軸着部の拡大断面図で
ある。
【符号の説明】
1 ディスプレイ 2 天板 3 アーム装置 4 ディスプレイ取付部材 4a 貫通孔 4b 円弧孔 5 アダプター 7 第1垂直軸 8 第2垂直軸 8a 筒状部材 8b 支持板 9a〜9d 水平軸 10 第1リンク 10a 側板 10b 上板 10c 下面 11 第2リンク 11a 側板 12 アーム 13 支持体 13a 角穴 14 ブラケット 14a 上板 15 固定基部 33 区画板 33a 垂直板 33b 水平板 33c 傾斜板 34 付勢力調整機構 35 コイルバネ 36 係合孔 37 カバー部材 38 係止部 39 配線収納空間 40 取付板 41 筒状部材 42 支持棒 43 支持部材 44 溝部 45 棒材 46 配線収納空間 47 係止片 48 係止溝 49 調整ボルト 50 挿通孔 51 垂直片 52 摺接板 53 摺接部材 54 長溝 55 ナット 58a、58b支持片 59a、59b取付片 59c ボス 59d テーパー穴 60a 枢軸 60b 頭部 60c 嵌合突起 62 ねじりコイルバネ 62a、62b係止片 63 摩擦部材 64a 矢印 64b 目盛り 65 摩擦部材 65a フランジ 65b 貫通孔 C 取付具 H、H1 ディスプレイホルダ M、M1 座金群 N、N1 袋ナット P 係止ピン S 空間部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田口 勝美 東京都昭島市松原町3丁目2番12号 株式 会社タチエス内 Fターム(参考) 5G435 AA00 DD03 EE13 EE16 EE17 EE19 EE50 GG41

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端に固定基部、他端にディスプレイが
    設けられたアームによりディスプレイを任意方向に移動
    自在に支持するディスプレイ支持装置であって、 前記アームの他端側に、左右一対の支持片を有する支持
    体を設け、該支持体の両支持片の各々に対応して配置さ
    れる取付片を軸着してディスプレイ取付部材を上下に回
    動可能に設け、 対向する支持片と前記取付片同士を、頭部を有する一対
    の枢軸を内側から外方に挿通して左右別々に同一軸線上
    で軸着し、前記両頭部間にねじりコイルバネのコイル部
    を装着し、前記支持体に対して前記ディスプレイ取付部
    材を、前記枢軸を中心として上方に回動付勢するように
    したことを特徴とするディスプレイ支持装置。
  2. 【請求項2】 前記両支持片と取付片同士が、上下回動
    に対し摩擦抵抗を有する摩擦部材を介して直接に、また
    は中間部材により前記枢軸に軸着されている請求項1に
    記載のディスプレイ支持装置。
  3. 【請求項3】 前記枢軸の一端にはネジが形成され、摩
    擦部材を挿通したネジ部に締付部材を螺合し、該締付部
    材の締め加減により前記支持片と取付片間の摩擦力を調
    整可能にして成る請求項1または2に記載のディスプレ
    イ支持装置。
  4. 【請求項4】 前記締付部材は、該締付部材並びに該締
    付部材に対応する近傍の側壁には、対応する位置にそれ
    ぞれ目盛りが刻設されている請求項3に記載のディスプ
    レイ支持装置。
  5. 【請求項5】 前記摩擦部材は、回動方向に摺動する接
    触面が前記枢軸の軸線方向にテーパー状に形成されて成
    る請求項2または3に記載のディスプレイ支持装置。
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