JP2001142406A - 電磁波シールド性光透過窓材及び表示装置 - Google Patents

電磁波シールド性光透過窓材及び表示装置

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JP2001142406A
JP2001142406A JP32293399A JP32293399A JP2001142406A JP 2001142406 A JP2001142406 A JP 2001142406A JP 32293399 A JP32293399 A JP 32293399A JP 32293399 A JP32293399 A JP 32293399A JP 2001142406 A JP2001142406 A JP 2001142406A
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Japan
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electromagnetic wave
wave shielding
film
light transmitting
transmitting window
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JP32293399A
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English (en)
Inventor
Shinji Saito
伸二 斉藤
Tetsuo Kitano
徹夫 喜多野
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量で薄く、割れにくく、万一割れても飛散
しにくい、PDP用電磁波シールドフィルター等として
好適な、良好な電磁波シールド性能と近赤外線カット性
能を有し、かつ光透過性で鮮明な画像を得ることができ
る電磁波シールド性光透過窓材を提供する。 【解決手段】 1枚の透明基板2と、反射防止フィルム
8と、導電性メッシュ3と、近赤外線カットフィルム5
を接着用中間膜4A,4B及び粘着剤4Cで一体化した
電磁波シールド性光透過窓材1。近赤外線カットフィル
ム5は、2層以上の近赤外線カット層を有する。透明基
板2の端面と表裏の縁部にかけて導電性粘着テープ7が
付着され、該テープ7に対し導電性粘着剤6を介して導
電性メッシュ3の縁部が直接的に付着されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電磁波シールド性光
透過窓材に係り、特に、良好な電磁波シールド性と近赤
外線カット性とを備え、かつ光透過性で、PDP(プラ
ズマディスプレーパネル)の前面フィルタ等として有用
な電磁波シールド性光透過窓材に関する。また、本発明
は、この電磁波シールド性光透過窓材を備えたPDP等
の表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、OA機器や通信機器等の普及にと
もない、これらの機器から発生する電磁波が問題視され
るようになっている。即ち、電磁波の人体への影響が懸
念され、また、電磁波による精密機器の誤作動等が問題
となっている。
【0003】そこで、従来、OA機器のPDPの前面フ
ィルタとして、電磁波シールド性を有し、かつ光透過性
の窓材が開発され、実用に供されている。このような窓
材はまた、携帯電話等の電磁波から精密機器を保護する
ために、病院や研究室等の精密機器設置場所の窓材とし
ても利用されている。
【0004】従来の電磁波シールド性光透過窓材は、主
に、金網のような導電性メッシュ材を、アクリル板等の
透明基板の間に介在させて一体化した構成とされてい
る。
【0005】本出願人は、このような従来の電磁波シー
ルド性光透過窓材の特性や施工性を改善するものとし
て、2枚の透明基板の間に導電性メッシュを介在させ
て、透明接着樹脂で接合一体化してなる電磁波シールド
性光透過窓材を提案した(特開平11−74683号公
報)。
【0006】この電磁波シールド性光透過窓材であれ
ば、良好な電磁波シールド性を有し、かつ光透過性で鮮
明な画像を得ることができ、また、導電性メッシュが介
在することにより破損時の透明基板の飛散も防止され
る。
【0007】また、上記従来の電磁波シールド性光透過
窓材では電磁波シールド性を良好なものとするために、
電磁波シールド材、例えば導電性メッシュをPDP本体
に接地(アース)する必要がある。そのためには、2枚
の透明基板間から電磁波シールド材を外部にはみ出さ
せ、上記光透過窓材積層体の裏側に回り込ませて接地す
るか、2枚の透明基板間に該電磁波シールド材に接触す
るように導電性粘着テープを挟み込む必要がある。通常
透明基板は2〜3mmのガラスが用いられ、大画面用の
フィルタではこれらのガラスは重量があり、積層工程に
おける上記作業が大変であるばかりか、確実に積層作業
をすることが難しい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】2枚の透明基板を用い
た電磁波シールド性光透過窓材は、厚み及び重量がそれ
ぞれだけ大きいので、薄型化及び軽量化が望まれてい
る。
【0009】また、このような電磁波シールド性光透過
窓材にあっては、リモコンの誤作動等を防止する目的で
近赤外線カット性能が重要な要求特性とされている。特
に、最近では、PDPの輝度の向上に伴って、近赤外線
の発生量も多くなっていることから、より一層高度な近
赤外線カット性能が必要とされている。
【0010】なお、電磁波シールド性光透過窓材の透明
基板として、アクリル樹脂板を用いる場合には、基板材
料のアクリル樹脂中に銅系材料を配合させておくこと
で、近赤外線カット性能を付与することができるが、ア
クリル樹脂は耐熱性の面で問題があり、熱に弱く、熱変
形の恐れがあることから、電磁波シールド性光透過窓材
の透明基板として好ましくない。このため透明基板とし
て耐熱性に優れたガラス基板を用い、良好な近赤外線カ
ット性を有する電磁波シールド性光透過窓材を実現する
ことが望まれる。また、アクリル樹脂板を用いた場合に
あっても、より一層の近赤外線カット性の向上が望まれ
る。
【0011】本発明は上記従来の問題点を解決し、軽量
で薄く、耐久性も良好であり、PDP用電磁波シールド
フィルター等として好適な、良好な電磁波シールド性能
と近赤外線カット性能とを有し、かつ光透過性で鮮明な
画像を得ることができる電磁波シールド性光透過窓材
と、これを用いた表示装置を提供するものである。
【0012】また、本発明は、フィルタ構成部品の積層
作業が容易で良好な電磁波シールド性能を有し、耐衝撃
性を有する(割れにくい)電磁波シールド性光透過窓材
と、これを用いた表示装置を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1)の電
磁波シールド性光透過窓材は、1枚の透明基板と、電磁
波シールド材と、最表層の反射防止フィルムと、近赤外
線カットフィルムとが積層一体化されてなる積層体を備
え、該透明基板の端面及び表裏の縁部にまたがって導電
性粘着テープが付着され、該導電性粘着テープと該電磁
波シールド材の縁部とが導電性粘着剤によって付着され
ているものである。
【0014】本発明(請求項2)の電磁波シールド性光
透過窓材は1枚の透明基板と、電磁波シールド材と、最
表層の反射防止フィルムと、近赤外線カットフィルムと
が積層一体化されてなる積層体を備え、該積層体の端面
及び表裏の縁部にまたがって導電性粘着テープが付着さ
れており、最表層の反射防止フィルムと該透明基板との
間に電磁波シールド材が配置され、該電磁波シールド材
の縁部と透明基板とが粘着剤で付着されており、該反射
防止フィルムの縁部の少なくとも一部は該電磁波シール
ド材の縁部よりも後退しており、この反射防止フィルム
によって覆われていない電磁波シールド材の縁部に前記
導電性粘着テープが付着しているものである。
【0015】本発明の電磁波シールド性光透過窓材で
は、透明基板を1枚だけ用いており、薄く軽量である。
また、最表層に反射防止フィルムが配置され、最裏層に
近赤外線カットフィルムが配置される場合には、透明基
板の表裏両側にこれらのフィルムが配置されることにな
り、透明基板の耐久性がよく、また、万一割れても飛散
が防止される。
【0016】本発明の電磁波シールド性光透過窓材によ
ると、前述の電磁波シールド材のPDPへの接地構成を
形成する工程が容易になると共に、この工程を作業ミス
等なしに確実に実施できる。
【0017】即ち、請求項1の電磁波シールド性光透過
窓材にあっては、透明基板の端面に付着した導電性粘着
テープが該透明基板の縁部に回り込んでおり、この回り
込んだ部分が導電性粘着剤によって電磁波シールド材に
付着されているので、電磁波シールド材と導電性粘着テ
ープとの導通が確実である。この導電性粘着テープと電
磁波シールド材とを付着している導電性粘着剤は、積層
体の形成過程において電磁波シールド材を仮留めしてお
く機能を有する。
【0018】請求項2の電磁波シールド性光透過窓材
は、電磁波シールド材の縁部の少なくとも一部が反射防
止フィルムで覆われておらず、この部分に対し導電性粘
着テープが直接的に付着する構成となるため、導電性粘
着テープと電磁波シールド材との導通が確実である。ま
た、この電磁波シールド材の縁部を透明基板に付着させ
ている粘着剤は、積層体の形成過程において該電磁波シ
ールド材を仮留めしておく機能を有する。
【0019】本発明において、電磁波シールド材として
は、金属繊維及び/又は金属被覆有機繊維よりなるメッ
シュを好適に用いることができ、このような導電性メッ
シュを用いたものであれば、破損時の飛散防止効果が得
られ、安全性が高い。
【0020】本発明の電磁波シールド性光透過窓材は、
具体的には、透明基板、各フィルム及び電磁波シールド
材を透明接着剤で接合一体化するのが好ましい。この透
明接着剤として透明弾性接着剤を用いることにより、衝
撃等で窓材が破損した場合の破片の飛散をより確実に防
止することができる。
【0021】この透明接着剤に紫外線吸収剤を含有させ
ることにより、電磁波シールド性光透過窓材が一段と優
れた紫外線カット性も有するものとなる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の電
磁波シールド性光透過窓材の実施の形態を詳細に説明す
る。
【0023】図1、2は本発明の実施の形態に係る電磁
波シールド性光透過窓材1、1Aを示す模式的な断面図
であり、図3(a)〜(d)は近赤外線カット層を示す
模式的な断面図である。
【0024】図1、2の電磁波シールド性光透過窓材
1、1Aは、いずれも、最表層の反射防止フィルム8、
導電性メッシュ3、透明基板2及び最裏層の近赤外線カ
ットフィルム5を、接着剤となる接着用中間膜4A,4
B及び粘着剤(粘着膜)4Cを用いて積層させて一体化
した積層体を有する。なお、この積層体の端面に導電性
粘着テープ7が付着されている。
【0025】図1の電磁波シールド性光透過窓材1にあ
っては、導電性粘着テープ7は、電磁波シールド性光透
過窓材1の全周にわたって透明基板2の端面と該透明基
板2の表裏の縁部とにまたがって付着されている。透明
基板2の表側にあっては、このテープ7に導電性粘着剤
6が付着されており、この導電性粘着剤6を介して導電
性メッシュ3の縁部が導電性粘着テープ7に直接的に付
着されている。
【0026】導電性メッシュ3と透明基板2とを接着す
るための接着用中間膜4Bは透明基板2の縁部から離隔
しており、この中間膜4Bが配置されていない領域に該
テープ7が付着している。
【0027】近赤外線カットフィルム5は、積層体の最
裏層に配置され、予め該フィルム5に付着された粘着剤
4Cを介して透明基板2の裏面に付着されている。この
フィルム5の縁部は、電磁波シールド性光透過窓材1の
全周にわたって透明基板2の縁部から離隔しており、こ
のフィルム5で覆われていない部分にテープ7が付着さ
れている。ただし、フィルム5の縁部とテープ7とが重
なってもよい。
【0028】この電磁波シールド性光透過窓材1にあっ
ては、導電性粘着剤6を介して導電性メッシュ3と導電
性粘着テープ7とが直接的に導通しており、両者の導通
が確実である。
【0029】図2の電磁波シールド性光透過窓材1Aに
あっては、反射防止フィルム8と透明基板2との間に導
電性メッシュ3が配置され、これらが接着用中間膜4
A、4Bによって接着されているのは図1の電磁波シー
ルド性光透過窓材1と同じであるが、この導電性メッシ
ュ3の縁部と透明基板2の縁部とは粘着剤9によって付
着されている。この粘着剤9は予め透明基板2の縁部に
付着しておくことが好ましい。この粘着剤9を付着させ
た透明基板2の表側の縁部よりも内側領域に接着用中間
膜4Bが配置されている。なお、この粘着剤9は導電性
粘着剤であってもよく、非導電性粘着剤であってもよ
い。
【0030】反射防止フィルム8及び接着用中間膜4A
は、いずれもそれらの縁部が導電性メッシュ3の縁部よ
りも後退している。この導電性メッシュ3の縁部に対し
導電性粘着テープ7’が付着している。この導電性粘着
テープ7’は、さらに延在し、反射防止フィルム8の縁
部にも付着している。
【0031】透明基板2の裏側にあっては、接着用中間
膜5が透明基板2の裏面の全面に粘着剤4Cによって付
着され、このフィルム5の縁部に導電性粘着テープ7’
が付着している。該テープ7’は電磁波シールド性光透
過窓材1Aの全周にわたって積層体の端面を覆ってい
る。
【0032】この電磁波シールド性光透過窓材1Aにあ
っては、導電性メッシュ3の縁部の表側に対し導電性粘
着テープ7’が直接に付着しており、両者の導通がきわ
めて確実なものとなる。
【0033】本発明において、透明基板2の構成材料と
しては、ガラス、ポリエステル、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
メチルメタアクリレート(PMMA)、アクリル板、ポ
リカーボネート(PC)、ポリスチレン、トリアセテー
トフィルム、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋
エチレン−メタアクリル酸共重合体、ポリウレタン、セ
ロファン等、好ましくは、ガラス、PET、PC、PM
MAが挙げられる。
【0034】透明基板2の厚さは得られる窓材の用途に
よる要求特性(例えば、強度、軽量性)等によって適宜
決定されるが、通常の場合、0.1〜10mmの範囲好
ましくは1〜4mmとされる。
【0035】なお、透明基板2の周縁部にアクリル樹脂
等をベースとする黒枠塗装が設けられてもよい。
【0036】透明基板2には、金属薄膜又は透明導電性
膜等の熱線反射コート等を施して機能性を高めるように
してもよい。
【0037】反射防止膜8としては、PET,PC,P
MMA等のベースフィルム(厚さは例えば25〜250
μm程度)上に下記(1)の単層膜や、高屈折率透明膜
と低屈折率透明膜との積層膜、例えば、下記(2)〜
(5)のような積層構造の積層膜を形成したものが挙げ
られる。 (1) 透明基板よりも屈折率の低い透明膜を一層積層
したもの (2) 高屈折率透明膜と低屈折率透明膜を1層ずつ合
計2層に積層したもの (3) 高屈折率透明膜と低屈折率透明膜を2層ずつ交
互に合計4層積層したもの (4) 中屈折率透明膜/高屈折率透明膜/低屈折率透
明膜の順で1層ずつ、合計3層に積層したもの (5) 高屈折率透明膜/低屈折率透明膜の順で各層を
交互に3層ずつ、合計6層に積層したもの 高屈折率透明膜としては、ITO(スズインジウム酸化
物)又はZnO、AlをドープしたZnO、TiO
SnO、ZrO等の屈折率1.6以上の薄膜、好まし
くは透明導電性の薄膜を形成することができる。高屈折
率透明膜は、これらの微粒子をアクリルやポリエステル
のバインダーに分散させた薄膜でもよい。また、低屈折
率透明膜としてはSiO、MgF、Al等の
屈折率が1.6以下の低屈折率材料よりなる薄膜を形成
することができる。低屈折率透明膜としては、シリコン
系、フッ素系の有機材料からなる薄膜も好適である。こ
れらの膜厚は光の干渉で可視光領域での反射率を下げる
ため、膜構成、膜種、中心波長により異なってくるが4
層構造の場合、透明基板側の第1層(高屈折率透明膜)
が5〜50nm、第2層(低屈折率透明膜)が5〜50
nm、第3層(高屈折率透明膜)が50〜100nm、
第4層(低屈折率透明膜)が50〜150nm程度の膜
厚で形成される。
【0038】また、このような反射防止膜8の上に更に
汚染防止膜を形成して、表面の耐汚染性を高めるように
してもよい。この場合、汚染防止膜としては、フッ素系
薄膜、シリコン系薄膜等よりなる膜厚1〜100nm程
度の薄膜が好ましい。
【0039】本発明の電磁波シールド性光透過窓材で
は、近赤外線カットフィルムは、ベースフィルムと、2
層以上の近赤外線カット層との組み合わせによって構成
されていることが好ましい。
【0040】かかる電磁波シールド性光透過窓材は、電
磁波シールド材と近赤外線カット層とを有するため、良
好な電磁波シールド性能と近赤外線カット性能を得るこ
とができる。しかも、この近赤外線カット層として2層
以上の近赤外線カット層、好ましくは2種以上の近赤外
線カット材料の層で構成した場合には、近赤外の幅広い
波長域において著しく良好な近赤外線吸収性能を得るこ
とができる。
【0041】本発明において、この近赤外線カット層
は、次のような構成とすることができる。 ベースフィルムに第1の近赤外線カット材料のコー
ティング層を設けた第1の近赤外線カットフィルムと、
ベースフィルムに該第1の近赤外線カット材料とは異な
る第2の近赤外線カット材料のコーティング層を設けた
第2の近赤外線カットフィルムとの組み合せ ベースフィルムの一方の面に第1の近赤外線カット
材料のコーティング層を設けると共に、他方の面に該第
1の近赤外線カット材料とは異なる第2の近赤外線カッ
ト材料のコーティング層を設けた近赤外線カットフィル
ム ベースフィルムに第1の近赤外線カット材料のコー
ティング層と該第1の近赤外線カット材料とは異なる第
2の近赤外線カット材料のコーティング層とを積層して
設けた近赤外線カットフィルム 近赤外線カットフィルム5としては、ベースフィルム上
に、銅系、フタロシアン系、酸化亜鉛、銀、ITO(酸
化インジウム錫)等の透明導電性材料、ニッケル錯体
系、ジイモニウム系等の近赤外線カット材料のコーティ
ング層を設けたものを用いることができる。このベース
フィルムとしては、好ましくは、PET、PC、PMM
A等よりなるフィルムを用いることができる。このフィ
ルムは、得られる電磁波シールド性光透過窓材の厚さを
過度に厚くすることなく、取り扱い性、耐久性を確保す
る上で10μm〜1mm程度とするのが好ましい。ま
た、このベースフィルム上に形成される近赤外線カット
コーティング層の厚さは、通常の場合、0.5〜50μ
m程度である。
【0042】本発明においては、上記近赤外線カット材
料のうちの好ましくは2種以上の材料を用いた近赤外線
カット層を設けても良く、2種以上のコーティング層を
混合したり、積層したり、ベースフィルムの両面に分け
てコーティングしたり、2種以上の近赤外線カットフィ
ルムを積層しても良い。
【0043】近赤外線カットフィルム5としては、例え
ば図3(a)〜(d)で示すものを用いることができ
る。なお、次の図3(a)〜(d)のうちでも、フィル
ムが1枚であり、且つコーティング層が外面に露出しな
いところから図3(c)又は(d)のものが好適であ
る。
【0044】図3(a)の近赤外線カット層フィルム
は、ベースフィルム10に近赤外線カット材料11のコ
ーティング層を形成した近赤外線カットフィルム5A
と、ベースフィルム10に近赤外線カット材料11とは
異なる近赤外線カット材料12のコーティング層を形成
したフィルム5Bとを併用したものである。
【0045】図3(b)の近赤外線カット層フィルム5
Cは、ベースフィルム10の一方の面に近赤外線カット
材料11のコーティング層を形成し、他方の面に近赤外
線カット材料11とは異なる近赤外線カット材料12の
コーティング層を形成したものである。
【0046】図3(c)に示す近赤外線カット層フィル
ム5Dは、ベースフィルム10の一方の面に近赤外線カ
ット材料11のコーティング層と近赤外線カット12の
コーティング層とを積層形成したものである。
【0047】なお、近赤外線カット材料は、3種以上用
いてもよく、また、図3(a)〜(c)に示す近赤外線
カットフィルムを複数個組み合わせて用いてもよい。
【0048】図3(d)に示す近赤外線カット層フィル
ム5Eはベースフィルム10の一方の面に近赤外線カッ
ト材料13のコーティング層を形成したものであり、好
ましくは2種以上の近赤外線カット材料を混合してコー
ティング層を形成する。
【0049】特に、本発明では、近赤外線カット材料と
して、次のような近赤外線カットタイプの異なる2種以
上の近赤外線カット材料を組み合わせて用いるのが、透
明性を損なうことなく、良好な近赤外線カット性能(例
えば850〜1250nmなど近赤外の幅広い波長域に
おいて、近赤外線を十分に吸収する性能)を得る上で好
ましい。 (a) 厚さ100〜5000ÅのITOのコーティン
グ層 (b) 厚さ100〜10000ÅのITOと銀の交互
積層体によるコーティング層 (c) 厚さ0.5〜50ミクロンのニッケル錯体系と
イモニウム系の混合材料を適当な透明バインダーを用い
て膜としたコーティング層 (d) 厚さ10〜10000ミクロンの2価の銅イオ
ンを含む銅化合物を適当な透明バインダーを用いて膜と
したコーティング層 (e) 厚さ0.5〜50ミクロンの有機色素系コーテ
ィング層 が好適であるが、何らこれらに限定されるものではな
い。
【0050】本発明においては、例えば近赤外線カット
フィルムと共に、更に透明導電性フィルムを積層しても
よい。この透明導電性フィルムとしては、導電性粒子を
分散させた樹脂フィルム、又はベースフィルムに透明導
電性層を形成したものを用いることができる。
【0051】透明基板2と反射防止フィルム8との間に
介在させる導電性メッシュ3としては、金属繊維及び/
又は金属被覆有機繊維よりなるものを用いるが、本発明
では、光透過性の向上、モアレ現象の防止を図る上で、
例えば、線径1μm〜1mm、開口率40〜95%のも
のが好ましい。この導電性メッシュにおいて、線径が1
mmを超えると開口率が下がるか、電磁波シールド性が
下がり、両立させることができない。1μm未満ではメ
ッシュとしての強度が下がり、取り扱いが非常に難しく
なる。また、開口率は95%を超えるとメッシュとして
形状を維持することが難しく、40%未満では光透過性
が低く、ディスプレイからの光線量が低減されてしま
う。より好ましい線径は10〜500μm、開口率は5
0〜90%である。
【0052】導電性メッシュの開口率とは、当該導電性
メッシュの投影面積における開口部分が占める面積割合
を言う。
【0053】導電性メッシュ3を構成する金属繊維及び
金属被覆有機繊維の金属としては、銅、ステンレス、ア
ルミニウム、ニッケル、チタン、タングステン、錫、
鉛、鉄、銀、クロム、炭素或いはこれらの合金、好まし
くは銅、ニッケル、ステンレス、アルミニウムが用いら
れる。
【0054】金属被覆有機繊維の有機材料としては、ポ
リエステル、ナイロン、塩化ビニリデン、アラミド、ビ
ニロン、セルロース等が用いられる。
【0055】本発明においては、特に、上記開口率及び
線径を維持する上で、メッシュ形状の維持特性に優れた
金属被覆有機繊維よりなる導電性メッシュを用いるのが
好ましい。
【0056】電磁波シールド材料としては、上記の導電
性メッシュの代わりに、エッチングメッシュ又は導電印
刷メッシュを用いることもできる。
【0057】エッチングメッシュとしては、金属膜をフ
ォトリソグラフィーの手法で格子状やパンチングメタル
状などの任意の形状にエッチング加工したものを用いる
ことができる。この金属膜としては、PET、PC、P
MMAなどの透明基板上に、銅、アルミ、ステンレス、
クロムなどの金属膜を、蒸着やスパッタリングにより形
成したもの、又はこれらの金属箔を接着剤によって透明
基板に貼り合わせたものを用いることができる。この接
着剤としては、エポキシ系、ウレタン系、EVA系など
が好ましい。
【0058】これらの金属膜は予め、片面又は両面に黒
色の印刷を施しておくことが好ましい。フォトリソグラ
フィーの手法を用いることで、導電部分の形状や線径な
どを自由に設計することができるため、前記導電メッシ
ュに比較して開口率を高くすることができる。
【0059】導電印刷メッシュとしては、銀、銅、アル
ミ、ニッケル等の金属粒子又はカーボン等の非金属導電
粒子を、エポキシ系、ウレタン系、EVA系、メラニン
系、セルロース系、アクリル系等のバインダーに混合し
たものを、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン
印刷などにより、PET、PC、PMMA等の透明基板
上に格子状等のパターンで印刷したものを用いることが
できる。
【0060】更に、電磁波シールド材料としては透明導
電膜をコートした透明導電フィルムを用いることもでき
る。
【0061】フィルム中に分散させる導電性粒子として
は、導電性を有するものであればよく特に制限はない
が、例えば、次のようなものが挙げられる。 (i) カーボン粒子ないし粉末 (ii) ニッケル、インジウム、クロム、金、バナジウ
ム、すず、カドミウム、銀、プラチナ、アルミ、銅、チ
タン、コバルト、鉛等の金属又は合金或いはこれらの導
電性酸化物の粒子ないし粉末 (iii) ポリスチレン、ポリエチレン等のプラスチック
粒子の表面に上記(i),(ii)の導電性材料のコーティング
層を形成したもの (iv) ITOと銀の交互積層体 これらの導電性粒子の粒径は、過度に大きいと光透過性
や透明導電性フィルムの厚さに影響を及ぼすことから、
0.5mm以下であることが好ましい。好ましい導電性
粒子の粒径は0.01〜0.5mmである。
【0062】また、透明導電性フィルム中の導電性粒子
の混合割合は、過度に多いと光透過性が損なわれ、過度
に少ないと電磁波シールド性が不足するため、透明導電
性フィルムの樹脂に対する重量割合で0.1〜50重量
%、特に0.1〜20重量%、とりわけ0.5〜20重
量%程度とするのが好ましい。
【0063】導電性粒子の色、光沢は、目的に応じ適宜
選択されるが、表示パネルのフィルタとしての用途か
ら、黒、茶等の暗色で無光沢のものが好ましい。この場
合は、導電性粒子がフィルタの光線透過率を適度に調整
することで、画面が見やすくなるという効果もある。
【0064】ベースフィルムに透明導電性層を形成した
ものとしては、蒸着、スパッタリング、イオンプレーテ
ィング、CVD等により、スズインジウム酸化物、亜鉛
アルミ酸化物等の透明導電層を形成したものが挙げられ
る。この場合、透明導電層の厚さが0.01μm未満で
は、電磁波シールドのための導電性層の厚さが薄過ぎ、
十分な電磁波シールド性を得ることができず、5μmを
超えると光透過性が損なわれる恐れがある。
【0065】なお、透明導電性フィルムのマトリックス
樹脂又はベースフィルムの樹脂としては、ポリエステ
ル、PET、ポリブチレンテレフタレート、PMMA、
アクリル板、PC、ポリスチレン、トリアセテートフィ
ルム、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレ
ン−メタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファン
等、好ましくは、PET、PC、PMMAが挙げられ
る。
【0066】このような透明導電性フィルムの厚さは、
通常の場合、1μm〜5mm程度とされる。
【0067】図2の電磁波シールド性光透過窓材1Aに
あっては、導電性メッシュ3としては、縁部が透明基板
2の縁部からはみ出て、透明基板2の縁部に沿って折り
返すことができるように、透明基板2よりも面積の大き
いものを用いてもよい。
【0068】反射防止フィルム8、導電性メッシュ3及
び透明基板2を接着する接着用中間膜4A,4Bを構成
する接着樹脂としては、透明で弾性のあるもの、例え
ば、通常、合せガラス用接着剤として用いられているも
のが好ましい。特に、透明基板2よりも前面側に配置さ
れる接着用中間膜4A,4Bとして、飛散防止能の高い
弾性膜を用いると効果的である。
【0069】このような弾性を有した膜の樹脂として
は、具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチ
レン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−(メタ)
アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エ
チル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共
重合体、金属イオン架橋エチレン−(メタ)アクリル酸
共重合体、部分鹸化エチレン−酢酸ビニル共重合体、カ
ルボキシルエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
(メタ)アクリル−無水マレイン酸共重合体、エチレン
−酢酸ビニル−(メタ)アクリレート共重合体等のエチ
レン系共重合体が挙げられる(なお、「(メタ)アクリ
ル」は「アクリル又はメタクリル」を示す。)。その
他、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、エポキシ樹
脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、ポ
リエステル樹脂、ウレタン樹脂等も用いることができる
が、性能面で最もバランスがとれ、使い易いのはエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体(EVA)である。また、耐衝
撃性、耐貫通性、接着性、透明性等の点から自動車用合
せガラスで用いられているPVB樹脂も好適である。
【0070】接着用中間膜4A,4Bの厚さは、例えば
10〜1000μm程度が好ましい。また、近赤外線カ
ットフィルム5は粘着剤を用いて透明基板2に積層する
のが好ましい。近赤外線カットフィルム5は熱に弱く加
熱架橋温度(130〜150℃)に耐えられないためで
ある。尚、低温架橋型EVA(架橋温度70〜130℃
程度)であればこの近赤外線カットフィルム5の透明基
板2への接着に使用することができる。
【0071】なお、接着用中間膜4A,4B,粘着剤4
Cは、その他、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、老化防止
剤、塗料加工助剤を少量含んでいてもよく、また、フィ
ルター自体の色合いを調整するために染料、顔料などの
着色剤、カーボンブラック、疎水性シリカ、炭酸カルシ
ウム等の充填剤を適量配合してもよい。
【0072】また、接着性改良の手段として、シート化
された接着用中間膜面へのコロナ放電処理、低温プラズ
マ処理、電子線照射、紫外光照射などの手段も有効であ
る。
【0073】この接着用中間膜は、接着樹脂と上述の添
加剤とを混合し、押出機、ロール等で混練した後カレン
ダー、ロール、Tダイ押出、インフレーション等の成膜
法により所定の形状にシート成形することにより製造さ
れる。成膜に際してはブロッキング防止、透明基板との
圧着時の脱気を容易にするためエンボスが付与される。
【0074】このようなEVA樹脂以外にも、前記の通
りPVB樹脂も好適に用いることができる。このPVB
樹脂は、ポリビニルアセタール単位が70〜95重量
%、ポリ酢酸ビニル単位が1〜15重量%で、平均重合
度が200〜3000、好ましくは300〜2500で
あるものが好ましく、PVB樹脂は可塑剤を含む樹脂組
成物として使用される。
【0075】その他の透明接着剤として、粘着剤(感圧
接着剤)も好適に使用され、アクリル系、SBS、SE
BS等の熱可塑性エラストマー系などが好適に用いられ
る。これらの粘着剤には、タッキファイヤー、紫外線吸
収剤、着色顔料、着色染料、老化防止剤、接着付与剤等
を適宜添加することができる。粘着剤は予め、反射防止
フィルムや近赤外線カットフィルムの接着面に5〜10
0ミクロンの厚みでコーティング又は貼り合わせてお
き、それを透明基板や他のフィルムに貼り合わせること
ができる(EVAが熱に弱いため)。
【0076】導電性粘着テープ7、7’としては、図示
の如く、金属箔7Aの一方の面に、導電性粒子を分散さ
せた粘着層7Bを設けたものであって、この粘着層7B
には、アクリル系、ゴム系、シリコン系粘着剤や、エポ
キシ系、フェノール系樹脂に硬化剤を配合したものを用
いることができる。
【0077】粘着層7Bに分散させる導電性粒子として
は、電気的に良好な導体であればよく、種々のものを使
用することができる。例えば、銅、銀、ニッケル等の金
属粉体、このような金属で被覆された樹脂又はセラミッ
ク粉体等を使用することができる。また、その形状につ
いても特に制限はなく、りん片状、樹枝状、粒状、ペレ
ット状等の任意の形状をとることができる。
【0078】この導電性粒子の配合量は、粘着層7Bを
構成するポリマーに対し0.1〜15容量%であること
が好ましく、また、その平均粒径は0.1〜100μm
であることが好ましい。このように、配合量及び粒径を
規定することにより、導電性粒子の凝縮を防止して、良
好な導電性を得ることができるようになる。
【0079】導電性粘着テープ7、7’の基材となる金
属箔7Aとしては、銅、銀、ニッケル、アルミニウム、
ステンレス等の箔を用いることができ、その厚さは通常
の場合、1〜100μm程度とされる。
【0080】粘着層7Bは、この金属箔7Aに、前記粘
着剤と導電性粒子とを所定の割合で均一に混合したもの
をロールコーター、ダイコーター、ナイフコーター、マ
イカバーコーター、フローコーター、スプレーコーター
等により塗工することにより容易に形成することができ
る。
【0081】この粘着層7Bの厚さは通常の場合5〜1
00μm程度とされる。
【0082】図1に示す電磁波シールド性光透過窓材1
を製造するには、反射防止膜8と、導電性メッシュ3
と、透明基板2と、近赤外線カットフィルム5と、接着
用中間膜4A,4B,粘着剤4C及び導電性粘着テープ
7を準備し、まず導電性粘着テープ7を透明基板2の端
面から表裏両面の縁部にかけて付着させる。次に、この
透明基板2の表側においてテープ7に粘着剤6を付着さ
せる。次いで、反射防止フィルム8、接着用中間膜4
A、導電性メッシュ3、接着用中間膜4B、透明基板2
及び近赤外線カットフィルム5を積層する。この際、粘
着剤6は導電性メッシュ3を仮留めする機能を発揮す
る。なお、近赤外線カットフィルム5は予め透明基板2
に付着させておいてもよく、反射防止フィルム8及び導
電性メッシュ3と一緒に積層されてもよい。
【0083】しかる後、加熱又は光照射して架橋し、積
層体を一体化させる。この場合、接着用中間膜4A、4
B、粘着剤6、テープ7の粘着層7Bの架橋をすべてま
とめて行うことができるので、窓材1の製造工程が簡易
なものとなる。また、導電性粘着剤6と接着用中間膜4
Aとが同時に架橋されるから、導電性メッシュ3とテー
プ7とが導電性粘着剤6を介して確実に導通される。即
ち、接着用中間膜4Aが導電性メッシュ3に先に含浸し
て導電性粘着剤6と導電性メッシュ3との導通を阻害す
ることが無い。
【0084】図2の電磁波シールド性光透過窓材1Aを
製造するには、透明基板2の表側の縁部に粘着剤9を付
着させると共に、透明基板2の裏側に近赤外線カットフ
ィルム5を付着させる。両者の付着は、いずれを先にし
てもよく、同時であってもよい。
【0085】次に、透明基板2の表側に反射防止フィル
ム8、接着用中間膜4A、導電性メッシュ3及び接着用
中間膜4Bを積層する。なお、近赤外線カットフィルム
5は、この反射防止フィルム8等と一緒に積層されても
よく、この積層後に透明基板2の裏側に付着されてもよ
い。
【0086】次いで、加熱又は光照射し、架橋させて積
層体を一体化させる。その後、導電性粘着テープ7を貼
着し、粘着層7Bを硬化処理する。
【0087】なお、反射防止フィルム8、導電性メッシ
ュ3及び接着用中間膜4A、4Bを透明基板2と積層し
た後、導電性粘着テープ7を付着させ、それから加熱又
は光照射して架橋してもよい。
【0088】図1、2のいずれにおいても、接着用中間
膜4A,4Bの一部又は全部の代わりに、粘着剤を用い
ても良い。
【0089】導電性粘着テープ7に架橋型導電性粘着テ
ープを用いる場合、その貼り付けに際しては、その粘着
層7Bの粘着性を利用して積層体に貼り付ける。(この
仮り留めは、必要に応じて、貼り直しが可能である。)
この粘着層7は、必要に応じて圧力をかけながら加熱又
は紫外線照射することにより強固な付着層を形成する。
この紫外線照射時には併せて加熱を行ってもよい。な
お、この加熱又は光照射を局部的に行うことで、架橋型
導電性粘着テープの一部分のみを接着させるようにする
こともできる。
【0090】加熱接着は、一般的なヒートシーラーで容
易に行うことができ、また、加圧加熱方法としては、架
橋型導電性粘着テープを貼り付けた積層体を真空袋中に
入れ脱気後加熱する方法でもよく、接着はきわめて容易
に行える。
【0091】この接着条件としては、熱架橋の場合は、
用いる架橋剤(有機過酸化物)の種類に依存するが、通
常70〜150℃、好ましくは70〜130℃で、通常
10秒〜120分、好ましくは20秒〜60分である。
【0092】また、光架橋の場合、光源としては紫外〜
可視領域に発光する多くのものが採用でき、例えば超高
圧、高圧、低圧水銀灯、ケミカルランプ、キセノンラン
プ、ハロゲンランプ、マーキュリーハロゲンランプ、カ
ーボンアーク灯、白熱灯、レーザー光等が挙げられる。
照射時間は、ランプの種類、光源の強さによって一概に
は決められないが、通常数十秒〜数十分程度である。架
橋促進のために、予め40〜120℃に加熱した後、こ
れに紫外線を照射してもよい。
【0093】また、接着時の加圧力についても適宜選定
され、通常5〜50kg/cm、特に10〜30kg
/cmの加圧力とすることが好ましい。
【0094】このようにして製造された電磁波シールド
性光透過窓材1、1Aは、筐体に単にはめ込むのみで極
めて簡便かつ容易に筐体に組み込むことができる。ま
た、導電性粘着テープ7を介して導電性メッシュ3と筐
体との良好な導通をその周縁部において均一にとること
ができる。このため、良好な電磁波シールド効果が得ら
れる。また、近赤外線カットフィルム5により、良好な
近赤外線カット性能が得られる。さらに、透明基板2が
1枚のみ用いられているから、薄く軽量である。また、
この透明基板の両側をフィルム8,5で被装しているか
ら、透明基板の割れが防止されると共に、万一割れたと
きの透明基板の飛散が防止される。
【0095】なお、図1、2に示す電磁波シールド性光
透過窓材は本発明の電磁波シールド性光透過窓材の一例
であって、本発明は図示のものに限定されるものではな
い。例えば、近赤外線カットフィルムと共に透明導電性
フィルムを設けたものであってもよい。また、透明基板
2の板面に直接透明導電性膜が形成されていてもよい。
【0096】このような本発明の電磁波シールド性光透
過窓材は、PDPの前面フィルタとして、或いは、病院
や研究室等の精密機器設置場所の窓材等としてきわめて
好適である。
【0097】
【実施例】<実施例1,2>透明基板として、厚さ2.
5mm(実施例1)及び3mm(実施例2)のガラスを
用いて以下の構成の電磁波シールド性光透過窓材を作製
した。
【0098】近赤外線カットフィルムとして、100ミ
クロン厚のPETをベースフィルムとし、ジイモニウム
系の近赤外線カット材料をアクリル樹脂をバインダーと
して5ミクロン厚にコーティングし、さらにこのフィル
ムに25ミクロン厚にブチルアクリレート系粘着剤をコ
ーティングしたものを用いた。
【0099】導電性メッシュとしては、線径30ミクロ
ンの繊維を、1インチ当り135本の密度で縦横に編ん
だメッシュを、無電解めっき法でニッケル及び銅めっき
したものを用いた。
【0100】反射防止フィルムとしては、188ミクロ
ンのPET上に、紫外線硬化型アクリル樹脂を6ミクロ
ン厚にコーティング・硬化したものの上に、マグネトロ
ンスパッタリング法で、酸化インジウム錫と二酸化シリ
コンの交互積層体を計4層したものを用いた。
【0101】接着性中間膜として、厚さ0.25mmの
EVA系中間膜を2枚使用した。導電メッシュを反射防
止フィルムとガラスにてはさみ込み、層間にはEVA系
中間膜を積層した。
【0102】これを真空熱プレス器にて、140℃で2
0分間加熱圧着し積層体とした。次に、ガラスの外側に
近赤外線カットフィルムを粘着剤にて積層した。
【0103】なお、実施例1にあっては導電性粘着テー
プ7を予めガラスの全周にわたって付着させておき、図
1の構成とした。また、実施例2にあっては近赤外線カ
ットフィルムを積層後、導電性粘着テープを積層体の全
周にわたって付着させて図2の構成とした。
【0104】この構造体を、30cm角の大きさで各1
0枚作製し、型枠に固定し、耐衝撃破壊試験を行った。
試験方法は、3.38kgで直径60mmの鋼球を30
cm高さから落下させ、鋼球に取り付けたロードセルに
よって瞬間最大衝撃荷重を測定する方法によった。この
とき、実施例1の場合、最大衝撃荷重2.2kN(キロ
ニュートン)で、実施例2の場合は2.4kNであっ
た。いずれの場合も、実用上問題ない耐衝撃性を備えて
いることがわかった。
【0105】また、破壊後の表面を観察したところ、表
面の反射防止フィルム及び接着性中間膜には、亀裂等は
全く見られず、ガラスの破片やささくれが表面に露出す
ることはなかった。従って、万一、使用中に破壊して
も、安全性の高いものであることが確認された。 <実施例3>実施例1の構成で大きさが950mm×5
90mmの構造体を作製した(実施例3)。この構造体
の重量は約4.2kgであり、非常に取り扱いの容易な
軽量窓材であることが確認された。次に、この構造体を
市販のプラズマディスプレーの前面に通常の前面板の代
わりに設置し、ディスプレーをつけた。その結果、明る
く、コントラストの良い画像が確認できた。
【0106】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、薄
く軽量であり、また割れにくく、万一割れても飛散しに
くく、PDP用電磁波シールドフィルター等として好適
な、良好な電磁波シールド性能と近赤外線カット性能と
を有し、かつ光透過性で鮮明な画像を得ることができる
電磁波シールド性光透過窓材と、これを用いたPDP等
の表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る電磁波シールド性光透
過窓材を示す模式的な断面図である。
【図2】第2の実施の形態に係る電磁波シールド性光透
過窓材を示す模式的な断面図である。
【図3】近赤外線カット層の構成を示す模式的な断面図
である。
【符号の説明】
1、1A 電磁波シールド性光透過窓材 2 透明基板 3 導電性メッシュ 4A,4B 接着用中間膜 4C 粘着剤 5A,5B,5C,5D 近赤外線カットフィルム 6 粘着剤 7、7’ 導電性粘着テープ 7A 金属箔 7B 粘着層 8 反射防止膜 9 粘着剤

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1枚の透明基板と、電磁波シールド材
    と、最表層の反射防止フィルムと、近赤外線カットフィ
    ルムとが積層一体化されてなる積層体を備え、 該透明基板の端面及び表裏の縁部にまたがって導電性粘
    着テープが付着され、該導電性粘着テープと該電磁波シ
    ールド材の縁部とが導電性粘着剤によって付着されてい
    る電磁波シールド性光透過窓材。
  2. 【請求項2】 1枚の透明基板と、電磁波シールド材
    と、最表層の反射防止フィルムと、近赤外線カットフィ
    ルムとが積層一体化されてなる積層体を備え、 該積層体の端面及び表裏の縁部にまたがって導電性粘着
    テープが付着されており、 最表層の反射防止フィルムと該透明基板との間に電磁波
    シールド材が配置され、該電磁波シールド材の縁部と透
    明基板とが粘着剤で付着されており、 該反射防止フィルムの縁部の少なくとも一部は該電磁波
    シールド材の縁部よりも後退しており、この反射防止フ
    ィルムによって覆われていない電磁波シールド材の縁部
    に前記導電性粘着テープが付着している電磁波シールド
    性光透過窓材。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、該近赤外線カ
    ットフィルムが最裏層に配置されていることを特徴とす
    る電磁波シールド性光透過窓材。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
    て、該電磁波シールド材が金属繊維及び/又は金属被覆
    有機繊維のメッシュよりなることを特徴とする電磁波シ
    ールド性光透過窓材。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項におい
    て、透明接着剤によって積層一体化されていることを特
    徴とする電磁波シールド性光透過窓材。
  6. 【請求項6】 請求項5において、少なくとも透明基板
    よりも前面側の該透明接着剤が透明弾性接着剤であるこ
    とを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6において、前記透明接着
    剤が紫外線吸収剤を含有することを特徴とする電磁波シ
    ールド性光透過窓材。
  8. 【請求項8】 表示面の前面に請求項1ないし7のいず
    れか1項の電磁波シールド性光透過窓材を備えた表示装
    置。
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