JP2001141878A - 熱中性子遮蔽構造体の腐食防止法 - Google Patents

熱中性子遮蔽構造体の腐食防止法

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俊郎 足立
Wakahiro Harada
和加大 原田
Mitsuaki Nishikawa
光昭 西川
Hiroshi Morikawa
広 森川
Toshiro Nagoshi
敏郎 名越
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Abstract

(57)【要約】 【目的】原子炉の遮蔽材や使用済み核燃料の輸送・貯蔵
用容器において、とくに溶接施工を行なう構造体に関
し、その隙間腐食ならびに応力腐食割れを防止する方法
を提供する。 【構成】含Bステンレス鋼を溶接施工により組み立てる
構造体を、下記の環境条件で使用すること。 [環境条件] Cl- イオン:10ppm以下 温度:80℃以下

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉の遮蔽材や
使用済み核燃料の輸送、貯蔵用容器、とくに溶接施工を
行う構造体の腐食防止法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】中性子吸収断面積が大きく、耐食性に優
れる材料としてBを添加したオーステナイト系ステンレ
ス鋼が着目され、SUS304に替えて使用済核燃料の
貯蔵および輸送容器として使用されるようになった。ス
テンレス鋼に添加するB量が多ければ多いほど中性子吸
収能が高まるので、使用済み核燃料の貯蔵や輸送におい
て、使用部材の薄肉化による貯蔵設備、輸送用容器の省
スペース化が図れる。また、既存の原子力発電所などの
限られた貯蔵スペースに対しては貯蔵量のアップが可能
となる。一方、Bを多量に添加すると鋼中で粗大な硼化
物を作り、鋼の熱間加工性が著しく低下するため、製造
性の面からB添加量には限界があった。しかし、上述の
理由から、B添加量アップの要求は高くなる一方であ
る。これに応えるべく、B添加鋼の熱間加工性に関する
研究が鋭意行われてきた。たとえば特開平9―2693
98号公報のように、製造技術の向上として、スラブの
側面にδフェライト量、B含有量等を規定した肉盛り溶
接金属層を形成することで熱間圧延性を改善した素材が
提案されるなど、B添加の上限量の引上げが可能となっ
た。
【0003】鋼に添加できるB量の増加に対応して、使
用済み核燃料の貯蔵、輸送容器の構造ならびに施工方法
も変化するようになった。すなわち、従来はB添加鋼の
成形性が低いこともあって、比較的肉厚の角管に使用済
み核燃料を挿入する方式で、この角管を重ねて固定する
構造が主であった。しかし、B添加量がアップした鋼材
を用いる場合には、角管を重ねて肉厚を稼ぐ必要がなく
なったため、設計の自由度が高く、また施工コストの低
い溶接による施工が採られるようになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】溶接施工では隙間構造
を伴うことが多くB添加鋼の耐食性が問題となる。すな
わち溶接時の加熱・冷却で溶接部近傍には鋼の耐力レベ
ルの残留応力が生じるとともに、溶接酸化スケールが生
成している部位ではステンレス鋼の耐食性が低下してお
り腐食が生じ易くなっている。これらの条件が重なる溶
接接合部では隙間腐食やこれを起点とした応力腐食割れ
の発生が問題となる。
【0005】耐食性上の問題に対して、隙間構造を回避
した溶接接合を行なうことが望まれるが、実際には不可
能に近い。応力腐食割れを回避する手段として、施工後
に応力除去焼鈍を施すことが知られているが、大型の構
造物へ適用するには大掛かりな設備が必要となり、コス
トの著しい上昇を招くことのほか、熱処理条件を厳密に
管理する必要がある。また、酸化スケールの除去方法と
して、研磨、酸による洗浄、市販のスケール除去剤の利
用等があるが、いずれの方法も大型の構造物への適用は
困難であり確実性にかける。
【0006】本発明は、原子炉の遮蔽材や使用済み核燃
料の輸送・貯蔵用容器において、とくに溶接施工を行な
う構造体に関し、その隙間腐食ならびに応力腐食割れを
防止する方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】B添加オーステナイト系
ステンレス鋼ではBのほぼ全量がボライド[(Cr,F
e)2B]として析出するため、耐食性に寄与しうるC
r量は鋼に添加した量からボライドとして固定される量
を除いたものとなる。また、溶接によってCrは酸化ス
ケールとしてロスされるため、耐食性に寄与しうるCr
量はさらに少なくなる。発明者らは、希薄NaCl水溶
液中におけるB添加オーステナイト系ステンレス鋼の耐
食性を鋭意検討した結果、Cr量を一定量以上にすると
ともに適当量のCu、Mo添加することで、原子炉の遮
蔽材や使用済み核燃料の輸送・貯蔵用容器環境で必要な
耐応力腐食割れ性や耐隙間腐食性が得られることを見出
した。
【0008】オーステナイト系ステンレス鋼が被る腐食
形態の中で、応力腐食割れは腐食の進展が早く、機器や
構造体に重大な損傷を与えるため、その防止はとくに注
力すべき課題である。本構造体の使用環境では、孔食や
隙間腐食を起点として応力腐食割れが生じる。本発明者
らは詳細な検討を重ねた結果、応力腐食割れは孔食や隙
間腐食が成長し、その侵食深さが一定量以上になると生
じることを見出し、侵食深さが一定値以下になるよう
に、鋼成分の調整とともに使用環境、条件を限定するこ
とで応力腐食割れの発生を回避出来ることを新たに知見
したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、Bを含有するステンレ
ス鋼を用いた溶接施工により組み立てられる熱中性子遮
蔽用構造体の使用において、環境条件を下記の水質とす
ることを特徴とする。 また、より好ましくは、構造体に使用する素材を質量%
で、C:0.01〜0.04%,Si:1.0%以下,M
n:2.0%以下,P:0.045%以下,S:0.01
%以下,Cr:19.0〜23.0%,Ni:8.0〜1
5.0%,B:0.5〜2.0%,N:0.04%以下と、
さらにCu:0.5〜3.0%,Mo:0.3〜2.0%の
1種もしくは2種を含有し、残部が実質的に鉄および不
可避的不純物からなる含Bステンレス鋼とする。
【0010】[作用]以下、熱中性子遮蔽構造体の素材
における各成分の作用と含有量の限定理由について説明
する。 C:Cは、溶接時の加熱・冷却により結晶粒界にCr炭
化物として析出し、粒界腐食感受性を高めることから耐
食性上は低い方が望ましい。しかし、オーステナイト生
成元素であるため不必要に低めるとオーステナイト組織
を維持するためにNi等の高価な元素の添加量が増し、
鋼の製造コストが上昇する。したがって、溶接部の耐粒
界腐食性を得るために許容される量として上限を0.0
4%とし、下限は製造コストの観点から0.01%とす
る。
【0011】Si:Siは脱酸剤として有効な元素であ
り、また鋼の耐酸化性を高める作用も有しているが、1
%を超えるとオーステナイト組織を不安定にし、熱間加
工性を阻害するようになることから、上限を1.0%とす
る。
【0012】Mn:Mnは比較的安価なオーステナイト
生成元素であり、中性子吸収断面積も比較的大きい。し
かし、あまり多くなると鋼中に不純物として存在するS
と結合し、化学的に不安定な硫化物であるMnSを形成
し耐食性を低下させる。また、固溶するMnも耐食性を
阻害する。これらを勘案してMnの添加量は2.0%以
下とする。
【0013】P:Pは孔食や隙間腐食の成長を抑制する
作用を有するが、耐応力腐食割れ性に対しては有害であ
る。また、熱間加工性や溶接性においても少ない方が望
ましい。とくに、B添加ステンレス鋼では熱間加工性を
できるだけ良好に維持することが重要であるので、0.
045%以下とした。
【0014】S:Sはステンレス鋼の熱間加工性を阻害
する元素である。とくに多量にBを添加するステンレス
鋼では熱間加工性を良好に維持することが重要な課題で
あることから低いほうが望ましい。また、耐食性に対し
てもMnと結合し、化学的に不安定な硫化物を形成し孔
食の起点となる。したがって許容される量として上限を
0.01%とする。
【0015】Cr:Crは不動態皮膜を構成する元素で
ステンレス鋼の耐食性を担う重要な元素である。しか
し、B添加鋼においてはCrはBと結合してボライドを
生成し、さらに溶接時には酸化スケールとしてロスされ
るので、耐食性に寄与しうるCr量が低下する。したが
って、添加量が低いと原子炉の遮蔽材や使用済み核燃料
の輸送・貯蔵容器環境で用いる溶接構造体としての耐食
性が得られない。本発明者らはこれらのロスを考慮し、
上記環境で耐隙間腐食性ならびに耐応力腐食割れ性を得
るに必要なCr量を定めたが、その含有量が19.0%
未満では十分な耐食性が得られない。一方、23.0%
を超えて含有させると本件発明が対象とする用途からみ
て過剰の耐食性を与えることになり、オーステナイト組
織を確保するためのNi添加量が増加し、コストの上昇
を招くのみである。さらに、熱間加工性に対しても不利
となることから、Cr量は19.0〜23.0%とした。
【0016】Ni:Niはオーステナイト生成元素とし
て重要な元素であり、オーステナイト組織を得るために
一定量以上の添加が必要である。また耐食性の観点から
は孔食や隙間腐食の成長を抑制する作用を有している。
Ni量が8.0%未満では本件成分鋼では所定のオース
テナイト組織が得られず、一方、15.0%を超えて添
加してもコストの上昇を招くのみで添加による効果が飽
和することから、Ni量は8.0〜15.0%とした。
【0017】B:Bは中性子吸収能を確保するための重
要な元素である。本件発明の構造体では、中性子吸収能
を高めた素材を用いることを前提にしていることから、
0.5%を下限とする。2.0%を超えて添加すると現在
の技術をもってしても熱間加工性が著しく劣り、さらに
溶接性も低下することから、B量は0.5〜2.0%とし
た。
【0018】N:NはCと同様に強力なオーステナイト
生成元素であり、また耐食性の向上作用も有する。しか
し、N量が多くなると鋼材の表面性状を劣化させる。ま
た、鋼を硬質にしB添加鋼の構造体としての成形を困難
にすることから、上限を0.04%とした。
【0019】Cu:Cuはステンレス鋼の耐食性を高め
る作用を有し、とくに本件発明の構造体を使用する中性
の希薄塩化物水溶液環境で問題となる応力腐食割れに対
して有効な改善効果を示す。水溶液中の塩化物イオン濃
度が10ppm以下、温度が80℃までの使用では、
0.5〜3.0%の添加を行なう。好ましくは1.0%〜
2.0%を添加する。3.0%を超えて添加しても耐応力
腐食割れ性の改善効果は飽和し、むしろ熱間加工性を低
下させる。
【0020】Mo:Moはステンレス鋼の耐食性の向
上、とくに孔食や隙間腐食に対して有効な元素である。
水溶液中の塩化物イオン濃度が10ppm以下で、温度
が80℃以下の使用において、0.3〜2.0%の添加を
行なう。耐食性向上に対しては添加量が多いほどその効
果は大きくなるが、2.0%を超えて添加しても上記使
用環境条件で必要とする耐食性に対して過剰となり、む
しろ鋼が硬質化したり熱間加工性を低下させる弊害が強
くなる。
【0021】
【実施例】[実施例1]以下に本発明の作用、効果を具
体的に示す。表1は耐隙間腐食性および耐応力腐食割れ
性を調べるために試験に供した鋼の化学成分を示す。鋼
No.1〜3および7は比較例である。鋼No.1〜3
は、MoあるいはCuを添加していないか、もしくは本
件発明で規定する量に及ばない鋼である。鋼No.7は
SUS304である。鋼No.4〜6は発明例の鋼であ
る。
【0022】
【表1】
【0023】板厚5mmの鋼から、それぞれ50mm×
50mmと30mm×30mmの大小2枚の板を切りだ
し、重ねてスポット溶接にて隙間を形成した試験片につ
いて、80℃の10ppmCl-水溶液における隙間腐
食発生電位を48hの定電位試験で測定した。定電位法
による隙間腐食電位は成長性を加味した耐隙間腐食性の
評価ができる利点がある。隙間腐食電位は、腐食電流
(1μA以下)と隙間腐食の浸食深さ(0.1mm以
下)で判断した。
【0024】図1は、Mo、Cuを単独あるいは複合し
て添加した鋼について、10ppmCl−、80℃の水
溶液で測定した隙間腐食電位を示す。比較として、M
o、Cuを添加していない鋼ならびにCr添加量の少な
い鋼の隙間腐食電位を合わせて示す。
【0025】MoやCuを添加していない鋼No.1お
よび2の隙間腐食電位は、自然電位とほぼ同等か若干低
く、10ppmCl-の条件では成長性の隙間腐食の発
生が懸念される。これに対して、Mo、Cuを単独ある
いは複合して添加した鋼No.3〜6において、Cr量
が19.0%以上の鋼の隙間腐食電位は自然電位を上回
るようになり、発明例の鋼No.4〜6は、10ppm
Cl-の環境においても成長性の隙間腐食が生じないこ
とがわかる。
【0026】[実施例2]次に、浸漬試験による耐隙間
腐食性と耐応力腐食割れ性の評価を行なった結果を述べ
る。表1に示す鋼について上述のスポット溶接試験片を
作成し、脱イオン水にNaClを添加して調整した5p
pmCl-の水溶液にて80℃、30dの試験を行なっ
た。スポット溶接試験片の溶接部近傍には鋼の耐力レベ
ルの残留応力と溶接時に生じた酸化スケールが存在して
おり、隙間腐食が生じやすく、これを起点に応力腐食割
れが発生する。
【0027】表2に試験結果を示す。比較例の鋼No.
1および2は隙間腐食による浸食が深く、応力腐食割れ
が生じている。比較例の鋼No.3はMoを添加してお
り、鋼No.1および2に比べて隙間腐食の浸食深さは
浅くなっているが、応力腐食割れが生じている。一方、
本発明例の鋼No.4〜6はCr量が19%以上で、し
かもCu、Moを添加しているため、隙間腐食による浸
食は浅く応力腐食割れが生じていない。
【0028】
【表2】
【0029】このように隙間腐食による侵食深さと応力
腐食割れ挙動には関連が認められ、隙間腐食の最大侵食
深さが40μm以上になる鋼では応力腐食割れが発生し
ている。このことは、隙間腐食が成長し、侵食深さが4
0μmに達すると応力腐食の発生する条件が形成される
ことを示唆している。なお、SUS304は応力腐食割
れが生じている。
【0030】[実施例3]表1に示す鋼のうち鋼No.
1、鋼No.4および鋼No.6を用いて構造体を作成し
た。構造体は板厚5mm、外形180mm□×400m
mLの溶接チャネルと板厚15mm、400mm×40
0mmの底板からなり、A-A′断面に示すように、底
板にチャネルを挿入してTIG溶接を施して両者を接合
している。溶接芯線には308Lを用いた。また、チャ
ネルを挿入する側の底板には角ほぞを設けて隙間を構成
した。
【0031】構造体の耐食性を調べるため、80℃の1
0ppmCl-水溶液に構造体を浸漬し、2000hの
試験を行なった。試験中は、常時、試験液中で空気吹き
込みを行い、酸化剤としての溶存酸素の補給を行なっ
た。試験後、底板から角チャネルを切離し、隙間腐食に
よる侵食深さと応力腐食割れの有無を調べた。鋼No.
1で作成した構造体では、溶接隙間部に最大侵食深さ8
0μmの隙間腐食が生じ、長さ1.4mmの応力腐食割
れが認められた。一方、鋼No.4および6では、それ
ぞれ30μm、10μmの軽微な隙間腐食が生じていた
が、いずれにも応力腐食割れは認められなかった。
【0032】
【発明の効果】以上のように、本発明は溶接施工を前提
とした構造体の課題である溶接部耐食性の向上に関し、
ボライドの形成によるCrのロスを考慮し、さらにM
o、Cuの添加による溶接部耐食性の改善を図った素材
を提案するとともに、使用環境条件を限定することでコ
ストの低減を図ったものである。本発明による構造体で
は、耐食性上とくに問題となる応力腐食割れの心配がな
いため、構造体の設計における制約がなく、しかも、溶
接施工後、応力除去焼鈍や溶接酸化スケール除去などの
後処理の必要もない。以上のように、本発明によれば原
子炉の遮蔽材や使用済み核燃料の輸送・貯蔵用容器とし
てB添加ステンレス鋼の特性を十分活用でき、長期の耐
久性が得られるなど、その工業的利用価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 10ppmCl-,80℃の条件で測定した
B添加鋼のスポット溶接部の隙間腐食電位をCr量で整
理した図
【図2】 核燃料保管容器を模擬した構造体を示した図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森川 広 山口県新南陽市野村南町4976番地 日新製 鋼株式会社ステンレス事業本部内 (72)発明者 名越 敏郎 山口県新南陽市野村南町4976番地 日新製 鋼株式会社ステンレス事業本部内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Bを含有するステンレス鋼を用いた溶接
    施工により組み立てられる熱中性子遮蔽用構造体の使用
    において、環境条件を下記の水質とすることを特徴とす
    る熱中性子遮蔽構造体の腐食防止法。
  2. 【請求項2】 構造体に用いる含Bステンレス鋼が、質
    量%で、C:0.01〜0.04%,Si:1.0%以
    下,Mn:2.0%以下,P:0.045%以下,S:
    0.01%以下,Cr:19.0〜23.0%,Ni:8.
    0〜15.0%,B:0.5〜2.0%,N:0.04%以
    下と、さらにCu:0.5〜3.0%,Mo:0.3%〜
    2.0%の1種もしくは2種を含有し、残部が実質的に
    鉄および不可避的不純物からなる事を特徴とする請求項
    1に記載の腐食防止法。
JP32149699A 1999-11-11 1999-11-11 熱中性子遮蔽構造体の腐食防止法 Withdrawn JP2001141878A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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