JP2001141074A - メカニカルシール - Google Patents

メカニカルシール

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JP2001141074A
JP2001141074A JP32605499A JP32605499A JP2001141074A JP 2001141074 A JP2001141074 A JP 2001141074A JP 32605499 A JP32605499 A JP 32605499A JP 32605499 A JP32605499 A JP 32605499A JP 2001141074 A JP2001141074 A JP 2001141074A
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sealing ring
rings
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分割構造とされた密封環の密封端面を、これ
を保持するリテーナの加工精度や熱歪等の影響を受ける
ことなく、適正な表面形態に維持させておくことがで
き、常に良好なシール機能を発揮させることができるメ
カニカルシールを提供する。 【解決手段】 シールケース1及び回転軸2に設けた
環状のリテーナ3,5に、径方向に分割された密封環
4,6が内嵌保持されている。リテーナ3,5と密封環
4,6との対向周面部間に配設した第一Oリング10,
13及び第二Oリング11,14により、密封環4,6
を環状に緊縛し且つリテーナ3,5に対する回転を阻止
する。第一Oリング10,13は、密封環4,6に設け
た係止部4h,6hとリテーナ3,5に設けた係止部3
d,5bとの間に挟圧されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相対回転摺接する
二つ密封環の少なくとも一方が径方向に分割されている
メカニカルシールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からも、図7に示す如く、回転軸1
02に設けた第一密封環104とシールケース101に
設けた第二密封環106との対向端面たる密封端面10
4a,106aの相対回転摺接作用によりシール機能を
発揮させるように構成されたメカニカルシールであっ
て、少なくとも一方の密封環、例えば第一密封環104
を径方向に二分割して環状のリテーナ103に嵌合保持
させておくように構成されたメカニカルシール(以下
「従来シール」という)が提案されている。
【0003】かかる従来シールにあっては、図7に示す
如く、リテーナ103を回転軸102に軸線方向に移動
可能に且つ相対回転不能に嵌挿保持すると共にスプリン
グ部材108により第二密封環106へと附勢させるこ
とにより、リテーナ103に嵌合保持させた第一密封環
104を第二密封環106へと押圧接触させるようにな
っており、第一密封環104を、つぎのような手段によ
り、適正な円環状形態に保持すると共にリテーナ103
に対する軸線方向の相対変位及び相対回転を阻止した状
態で、リテーナ103の先端に形成した凹部103aに
嵌合保持させてある。
【0004】すなわち、第一密封環104は、その外周
部と凹部103aの内周部との間に適度の圧縮状態で充
填されたOリング110による緊縛力により、当該密封
環104の分割面が衝合した適正な円環状形態に保持さ
れている。また、両密封環102,104がスプリング
部材108の附勢力(及び密封環に作用する流体による
背圧)により相互に押圧されることから、その反作用と
して第一密封環104には軸線方向荷重が作用するが、
かかる軸線方向荷重による第一密封環104のリテーナ
103に対する軸線方向の相対変位は、第一密封環10
4の背面部104bを凹部103aの底面部103bに
衝合させることにより、阻止されている。すなわち、第
一密封環104に作用する軸線方向荷重を、凹部103
aの底面部103bで受けるようにしている。さらに、
第一密封環104は半円弧状をなす二つ密封環部分に分
割されているが、一方の密封環部分に形成した凹部10
4cに凹部103aの底面部103bに突設したドライ
ブピン111を係合させることにより、第一密封環10
4のリテーナ103に対する相対回転が阻止されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような第
一密封環104の保持構造を採用する従来シールにあっ
ては、密封環104の分割面間が開いたり、軸線方向に
齟齬したりする虞れがあり、良好なシール機能を期待で
きないといった問題があった。
【0006】すなわち、密封端面104a,106aの
相対回転摺接作用が良好に行われるためには、密封環1
04のリテーナ103に対する相対回転が阻止されるこ
と必要であるが、上記した如く、両者103,104の
相対回転を一方の密封環部分とドライブピン111との
係合作用により阻止するようにしていると、当該一方の
密封環部分はドライブピン111によりこれと同一方向
に強制回転されるものの、他方の密封環部分については
相手密封環(第二密封環)106との接触による摩擦力
により当該方向への回転が阻止されることになる。した
がって、両密封環部分は相対的に逆方向に回転されるこ
とになり、一方の密封環部分におけるドライブピン回転
方向と反対側の端面である分離面とこれに対向する他方
の密封環部分の分離面との間が開くことになる。かかる
分離面間の開きは、それが微小であっても、シール機能
を大幅に低下させることになる。このような分割面の開
き現象は、両密封環部分にドライブピン111を係合さ
せるようにした場合においても、各密封環部分に設けら
れる凹部104cとドライプピン111とが回転方向に
遊びを有した状態で係合されることから、同様に生じ
る。
【0007】ところで、密封環104のリテーナ103
に対する相対回転阻止を、ドライブピン111によら
ず、密封環104を緊縛しているOリング110による
摩擦係合力により行うようにしておけば、上記した分割
面の開き現象を回避することができる。すなわち、密封
環104の外周部と凹部103aの内周部とをその間に
充填したOリング110により摩擦係合させておくこと
により、密封環104のリテーナ103に対する相対回
転を阻止させるのである。しかし、従来シールにおける
如く、密封環104を緊縛するOリング110が一本で
ある場合には、当該相対回転を阻止するに十分な摩擦係
合力を得ることは困難であり、密封端面104a,10
6aの良好な相対回転摺接作用は期待できない。
【0008】また、従来シールにあっては、密封環10
4に作用する軸線方向荷重を凹部103aの底面部10
3bで受けるようにしているため、密封端面104aが
その分割部分において軸線方向に齟齬し易い。
【0009】すなわち、密封端面104aは、その機能
上、極めて高精度の平滑面に仕上げられているが、凹部
103aの底面部103bについては、機能上及び切削
加工上、仕上げ精度は極めて低くなっている。一般に、
仕上げ精度は、密封端面104aについては0.6μm
以下であるのに対し、底面部103bについては2〜3
μm程度である。したがって、密封環104が凹部10
3aの底面部103bに押し付けられることにより、底
面部103bの表面精度が密封端面104aの表面精度
に影響して、密封端面104aの分割部分においてズレ
が生じる。かかるズレは、それが極く僅かなものであっ
ても、相手密封端面106aとの相対回転摺接作用に悪
影響を及ぼし、シール機能が大幅に低下することにな
る。
【0010】しかも、一般に、リテーナ103と密封環
104とは、両者103,104に要求される機能が異
なることから、異なる材料で構成されている。したがっ
て、密封端面104a,106a間の摩擦熱や流体熱に
より両者103,104には異なる熱歪が生じることな
る。そして、これらの熱歪が、密封環104の背面部1
04bと凹部103aの底面部103bとの押圧接触部
で相互に干渉して、上記した精度差が増幅される等によ
り、密封端面104aの分割部分におけるズレの増大や
表面精度の低下を招いて、シール機能が更に低下する虞
れがある。このような問題は、両者103,104の構
成材料における熱膨張率の差が大きくなるに従って、よ
り顕著となる。
【0011】本発明は、従来シールにおける上記した問
題をすべて解決して、常に良好なシール機能を発揮しう
るメカニカルシールを提供することを目的とするもので
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、シールケース
又は回転軸に設けた環状のリテーナに、径方向に分割さ
れた密封環を内嵌保持させてあるメカニカルシールにお
いて、上記の目的を達成すべく、特に、リテーナと密封
環との対向周面部間に軸線方向に所定間隔を隔てて配設
した第一及び第二Oリングにより、密封環を環状に緊縛
すると共に密封環のリテーナに対する回転を阻止し、密
封環に、第一Oリングを密封環に対するその密封端面方
向への軸線方向移動を阻止すべく係止する第一係止部を
設けると共に、リテーナに、第一Oリングをリテーナに
対する上記と逆方向への軸線方向移動を阻止すべく係止
する第二係止部を設けておくことを提案するものであ
る。なお、本発明において、軸線とは回転軸及び密封環
の軸線並びにOリングの曲率中心を通過する軸線をい
う。
【0013】かかるメカニカルシールにあっては、第一
Oリングと第二係止部との間にスペーサを配置して、第
一Oリングの第二係止部による上記軸線方向移動の係止
作用がスペーサを介して間接的に行われるように構成し
ておくことができ、また第一Oリングと第二係止部との
間に第二Oリングを配置すると共に、両Oリング間にス
ペーサを配置して、第一Oリングの第二係止部による上
記軸線方向移動の係止作用が第二Oリング及びスペーサ
を介して間接的に行われるように構成しておくこともで
きる。また、密封環における、リテーナから軸線方向に
突出する密封端面側部分の外周部に、密封環抜出用の環
状凹部を設けておくことが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を、図1〜図
6に示す各実施の形態により具体的に説明する。なお、
以下の説明において、左右とは図2を除く各図における
左右を意味するものとする。また、軸線の意義は上述し
た通りであり、左右方向と軸線方向とは同義語である。
【0015】図1及び図2は第一の実施の形態を示した
もので、この実施の形態における本発明に係るメカニカ
ルシール(以下「第一メカニカルシール」という)は、円
形の内周部を有するシールケース1とこれを左右方向に
同心状に洞貫する回転軸2との間に組み込まれた分割形
のものであり、回転軸2に保持された第一リテーナ3
と、第一リテーナ3に保持された第一密封環4と、シー
ルケース1の内周部に保持された第二リテーナ5と、第
二リテーナ5に第一密封環4と同心対向状に保持された
第二密封環6とを具備して、スプリング部材8により第
一リテーナ3を介して第一密封環4を第二密封環6へと
押圧接触させることによって、両密封環4,6の対向端
面である密封端面4a,6aの相対回転摺接部分におい
て、その外周側領域である機内領域Hとその内周側領域
である機外領域(大気領域)Lとをシールするように構
成されている。
【0016】シールケース1は、図1に示す如く、回転
機器のハウジングに取り付けられたケース本体1aと、
その先端部(左端部)に取り付けられた端部壁1bとか
らなる。
【0017】第一リテーナ3は、図1に示す如く、内周
部を基端方向(右端方向)に順次縮径する階段状に形成
した円環状体である。すなわち、第一リテーナ3の内径
は、先端部(左端部)3aにおいて中間部3bより大き
く、基端部(左端部)3cにおいて中間部3bより小さ
く設定されており、基端部3cの内径は、第一リテーナ
3を回転軸2の外径よりやや大きく設定されている。ま
た、先端部3aの内周部と中間部3bの内周部との連繋
部分は、端面(左端面)を軸線に直交する環状平面とな
す第二係止部3dとされている。而して、第一リテーナ
3は、回転軸2と中間部3bとの対向周面間にOリング
9を介装させることにより、回転軸2に、これと同心を
なし且つOリング9により二次シールされた状態で、軸
線方向つまり左右方向に移動可能に嵌合保持されてい
る。
【0018】而して、第一リテーナ3は、その回転を回
転軸2との間に設けた回転阻止手段により阻止されてい
る。すなわち、回転阻止手段は、図1に示す如く、第一
リテーナ3の基端部に対向して回転軸2に嵌合固定され
た環状体7aと、環状体7aを貫通して第一リテーナ3
の基端部に固着されたドライブピン7bとからなり、リ
テーナ3及びドライブピン7bの頭部7cが環状体7a
に衝合する範囲内において、第一リテーナ3の軸線方向
移動を許容しつつ、その回転軸2に対する相対回転を阻
止する。
【0019】また、第一リテーナ3と環状体7aとの間
には、回転軸2の周囲に適当間隔を隔てて配置した複数
個のスプリング部材(圧縮コイルスプリング)8が介装
されていて、第一リテーナ3を第二密封環方向(左方
向)に附勢して、第一密封環4を第二密封環6に押圧接
触させるようになっている。
【0020】第一密封環4は、図1及び図2に示す如
く、先端部(左端部)4b及び基端部(右端部)4cの
外径を先端側中間部4dの外径及基端側中間部4eの外
径(両中間部4d,4eは外径同一)より小さくした円
環状体であり、径方向に二分割されている。すなわち、
第一密封環4は、一対の半円形状の密封環部分4f,4
fに二分割されている。また、先端部4bの端面は、軸
線に直交する平滑な環状平面をなす密封端面4aに形成
されており、先端側中間部4dの外周部には、密封環抜
出用の環状凹部4gが形成されている。また、基端側中
間部4eの外周部と基端部4cの外周部との連繋部分
は、端面(左端面)を軸線に直交する環状平面となす第
一係止部4hとされている。
【0021】ところで、この例では、第一密封環4の内
周部又は外周部にその軸線方向における全幅に亘って微
細な切欠溝を形成した上、この切欠溝に径方向の剪断力
を作用させて、切欠溝を起点として径方向への亀裂を進
行させることにより、当該密封環4を二分割するように
している(以下、この分割加工を「自然割」という)。し
たがって、密封環部分4f,4fの衝合面である分割面
4i,4iは微細且つ不規則な凹凸面となることから、
分割面4i,4iの適正な衝合を容易に行うことがで
き、且つ分割面4i,4iが離間せず衝合状態を維持する
限り、分割面4i,4iの凹凸係合により密封環部分4
f,4fの軸線方向への相対変位(ズレ)が阻止され
て、密封環4を適正な円環状体に保持させておくことが
できる。
【0022】而して、第一密封環4は、図1に示す如
く、回転軸2に同心状に遊嵌され且つ先端部4b及び先
端側中間部4dを第一リテーナ3の先端面(左端面)か
ら突出させた状態で、第一リテーナ3の先端部3aの内
周部に内嵌保持されている。そして、第一リテーナ3の
先端部3aの内周部とこれに対向する第一密封環4の基
端側中間部4e及び基端部4cの外周部との間には、第
一及び第二Oリング10,11が適度に圧縮された状態
で充填されている。第一リテーナ3の先端部3aと第一
密封環4の基端部4cとの対向周面部間に配設された第
一Oリング10は、左右方向において、第一密封環4に
設けられた第一係止部4hと第一リテーナ3に設けられ
た第二係止部3dとの対向端面間に挟圧されている。す
なわち、第一Oリング10は、第一密封環4に対する密
封端面方向(左方向)への相対移動を第一係止部4hに
より阻止されると共に、第一リテーナ3に対する上記と
逆方向(右方向)への相対移動を第二係止部3dにより
阻止されている。第一リテーナ3の先端部3aと第一密
封環4の基端側中間部4eとの対向周面部間に配設され
た第二Oリング11は、第一リテーナ3の先端部3aの
内周部に形成した環状溝3eに係合保持されている。な
お、第一リテーナ3の先端部3aの内周部(環状溝3e
が形成されていない部分の内周部)と第一密封環4の基
端部4cの外周部との径方向間隔(第一Oリング10の
締代)及び第一リテーナ3の先端部3aの内周部(環状
溝3eの底面部)と第一密封環4の基端側中間部4eの
外周部との径方向間隔(第二Oリング11の締代)は、
両Oリング10,11により、第一密封環4をその分離
面4i,4iが適正に衝合する円環状体に保持するに充
分な緊縛力と第一密封環4の第一リテーナ3に対する相
対回転を阻止するに充分な摩擦係合力とが確保されるこ
とを条件として、適宜に設定される。
【0023】第二リテーナ5は、図1に示す如く、筒状
の本体部5aとその基端部(左端部)に内方へと突出す
る環状の第二係止部5bとからなる円環状体であり、第
一リテーナ3の先端部に対向し且つ回転軸2と同心をな
す状態で、シールケース1の端部壁1bの内周部にOリ
ング12を介して内嵌固定されている。なお、第二係止
部5bの端面(右端面)は、軸線に直交する環状平面に
形成されている。
【0024】第二密封環6は、図1に示す如く、基端部
(左端部)6bの外径を中間部6c及び先端部(右端
部)6dの外径より小さくした円環状体であり、第一密
封環4と同様にして、径方向に二分割されている。すな
わち、第二密封環6は、上記した自然割により、一対の
半円形状の密封環部分6f,6fに二分割されており、
密封環部分6f,6fの衝合面である分割面6i,6i
は微細且つ不規則な凹凸面となっている。また、先端部
6dの端面は、軸線に直交する平滑な環状平面をなす密
封端面6aに形成されており、先端部6dの外周部に
は、密封環抜出用の環状凹部6gが形成されている。ま
た、基端部6bの外周部と中間部6cの外周面との連繋
部分は、端面(左端面)を軸線に直交する環状平面とな
す第一係止部6hとされている。
【0025】而して、第二密封環6は、図1に示す如
く、回転軸2に同心状に遊嵌され且つ先端部6dを第二
リテーナ5の先端面(右端面)から突出させた状態で、
第二リテーナ5の本体部5aの内周部に内嵌保持されて
いる。そして、第二リテーナ5の本体部5aの内周部と
これに対向する第二密封環6の基端部6b及び中間部6
cの外周部との間には、第一及び第二Oリング13,1
4が適度に圧縮された状態で充填されている。第二リテ
ーナ5の本体部5aと第二密封環6の基端部6bとの対
向周面部間に配設された第一Oリング13は、左右方向
において、第二密封環6に設けられた第一係止部6hと
第二リテーナ5に設けられた第二係止部5bとの対向端
面間に挟圧されている。すなわち、第一Oリング13
は、第二密封環6に対する密封端面方向(右方向)への
相対移動を第一係止部6hにより阻止されると共に、第
二リテーナ5に対する上記と逆方向(左方向)への相対
移動を第二係止部5bにより阻止されている。第二リテ
ーナ5の本体部5aと第二密封環6の中間部6cとの対
向周面部間に配設された第二Oリング14は、第二リテ
ーナ5の本体部5aの内周部に形成した環状溝5cに係
合保持されている。なお、第二リテーナ5の本体部5a
の内周部(環状溝5cが形成されていない部分の内周
部)と第二密封環6の基端部6bの外周部との径方向間
隔(第一Oリング13の締代)及び第二リテーナ5の本
体部5aの内周部(環状溝5cの底面部)と第二密封環
6の中間部6cの外周部との径方向間隔(第二Oリング
14の締代)は、上記したOリング10,11と同様
に、両Oリング13,14により第二密封環6をその分
離面6i,6iが適正に衝合する円環状体に保持するに
充分な緊縛力と第二密封環6の第二リテーナ5に対する
相対回転を阻止するに充分な摩擦係合力とが確保される
ことを条件として、適宜に設定される。
【0026】以上のように構成された第一メカニカルシ
ールにあっては、密封環4,6を軸線方向に所定間隔を
隔てた二本のOリング10,11又は13,14で緊縛
するようにしたことから、密封環4,6とリテーナ3,
5との間にOリング10,11又は13,14による十
分な摩擦係合力が生じて、従来シールにおける如きドラ
イブピン111を使用せずとも、密封環4,6のリテー
ナ3,5に対する相対回転が確実に阻止される。しか
も、一本のOリングにより緊縛した場合に比して、両密
封環部分4f,4f又は6f,6fが強力に衝合一体化
されることになる。 したがって、密封端面4a,6a
の分割部分が開くようなことがなく、密封端面4a,6
aの相対回転も適正に行われる。
【0027】また、密封環4,6には、スプリング部材
8による附勢力(及び機内領域Hの流体圧による押圧
力)によって軸線方向荷重が作用するが、かかる軸線方
向荷重は、第一Oリング10,13を介してリテーナ
3,5で受け止められる。すなわち、軸線方向荷重は密
封環側の第一係止部4h,6hから第一Oリング10,
13に伝えられ、リテーナ側の第二係止部3d,5bで
受け止められる。したがって、軸線方向荷重を受け止め
るリテーナ側部分(第二係止部3d,5b)と密封端面
4a,6aとの表面加工精度差や密封環4,6とリテー
ナ3,5との材質による熱膨張係数差が如何に大きくと
も、これらによる密封端面4a,6aへの影響は第一O
リング10,13による弾性変形によって吸収され、密
封端面4a,6aが分割部分において軸線方向に齟齬
(ズレ)するようなことがなく、密封端面4a,6aの
表面精度が適正に保持される。なお、対向する分割面4
i,4i又は6i,6iが上述した如く不規則な凹凸面
をなして軸線方向に相対変位しない状態に凹凸係合する
ように工夫しておくことによって、二本のOリング1
0,11又は13,14により緊縛力が増大されること
とも相俟って、軸線方向のズレが更に効果的に防止され
ることになる。
【0028】このように、密封端面4a,6aの分割部
分が開いたり、軸線方向に齟齬したりすることがないか
ら、密封端面4a,6aの相対回転摺接作用が適正に行
われ、良好なシール機能が発揮される。
【0029】また、第一メカニカルシールにあっては、
密封環4,6のシールケース1又は回転軸2からの取り
外しを容易に行うことができ、密封環4,6の交換,修
理等の保守,点検作業を効率よく且つ容易に行うことが
できる。
【0030】すなわち、ケース本体1aから端部壁1b
を外して、第二リテーナ5及びこれに嵌合保持されてい
る第二密封環6を左方向に移動させた上、第二密封環6
を第二リテーナ5から右方向に抜き出すことにより、第
二密封環6の取り外し及び分解を行うことができる。し
かる後、第一密封環4を第一リテーナ3から左方向に抜
き出すことにより、第一密封環4の取り外し及び分解を
行うことができる。
【0031】このとき、密封環4,6及びリテーナ3,
5とOリング10,11,13,14との間に機内領域
Hの流体に含まれている凝固成分等が侵入堆積すること
によって、密封環4,6やOリング10…のリテーナ
3,5からの抜き出し,取り出しが困難となる場合があ
るが、かかる場合には、密封環4,6の外周部に形成し
た環状凹部4g,6gに引っ掛けた適宜の抜き出し工具
により、当該抜き出し,取り出し作業を容易に行うこと
ができる。
【0032】また、図3及び図4は第二の実施の形態を
示したもので、この実施の形態における本発明に係るメ
カニカルシール(以下「第二メカニカルシール」という)
は、第一メカニカルシールと同様に、円形の内周部を有
するシールケース21とこれを左右方向に同心状に洞貫
する回転軸22との間に組み込まれた分割形のものであ
り、回転軸22に固定された第一リテーナ23と、第一
リテーナ23に保持された第一密封環24と、シールケ
ース21の内周部に保持された第二リテーナ25と、第
一リテーナ25に第一密封環24と同心対向状に保持さ
れた第二密封環26とを具備して、スプリング部材28
により第二リテーナ25を介して第二密封環26を第一
密封環24へと押圧接触させることによって、両密封環
24,26の対向端面である密封端面24a,26aの
相対回転摺接部分において、その外周側領域である機内
領域Hとその内周側領域である機外領域(大気領域)L
とをシールするように構成されている。
【0033】シールケース21は、図3に示す如く、回
転機器のハウジングに取り付けられたケース本体21a
と、その先端部(左端部)に取り付けられたリテーナ保
持壁21bと、その先端部に取り付けられた端部壁21
cとからなる。
【0034】第一リテーナ23は、図3に示す如く、ケ
ース本体21a内に配置されており、回転軸22にOリ
ング29による二次シール状態で嵌合固定された円環状
の本体部23aと、その先端部(左端部)に突設された
円筒状の保持部23bとからなる。保持部23bの外径
は本体部23aと同一であるが、その内径は本体部23
aより大きく設定されている。
【0035】第一密封環24は、図3及び図4に示す如
く、基端部(右端部)24bの外径を先端部24cより
小さくした円環状体であり、先端部24cの端面を軸線
に直交する平滑な環状平面である密封端面24aに形成
してある。第一密封環24は、第一メカニカルシールに
おける第一密封環4と同様に、前記した自然割により径
方向に二分割されている。すなわち、第一密封環24の
分割面は、微細且つ不規則な凹凸面とされている。
【0036】而して、第一密封環24は、図3及び図4
に示す如く、その基端部24bと第一リテーナ23の保
持部23bとの対向周面部間に左右方向に並列する第一
及び第二Oリング30,31を充填させることによっ
て、第一リテーナ23に嵌合保持されている。第二Oリ
ング31は、第一リテーナ23の保持部23bの内周中
間部に突設した第二係止部23cと本体部23aとの間
に配置されていて、両部23a,23cによる係止作用
により左右方向への飛び出しを阻止されている。一方、
第一Oリング30は、第二係止部23cとこれに対向す
る第一密封環24の先端部24cの端面で構成される第
一係止部24dとの間に配置されていて、第一係止部2
4dによる係止作用により、第一密封環24に対するそ
の密封端面方向(左方向)への相対移動が阻止されてい
る。また、第一Oリング30の第一リテーナ23に対す
る上記と逆方向(右方向)への相対移動は、第一メカニ
カルシールにおける第一Oリング10,13のように第
二係止部3d,5bによる直接的な係止作用によって阻
止される場合と異なって、第一Oリング30と第二係止
部23cとの間に配置したスペーサ33を介した間接的
な第二係止部23cによる係止作用によって阻止されて
いる。すなわち、スペーサ33は、第一リテーナ23の
保持部23bの内周部に嵌合された円環状板であり、第
一係止部24dから離間する方向への移動を第二係止部
23cにより係止されている。したがって、第一Oリン
グ30の第一リテーナ23に対する上記方向への相対移
動の阻止は、直接的には、第二係止部23cに係止され
たスペーサ33により行われることになる。なお、両係
止部23c,24dの対向端面は、軸線に直交する環状
平面である。
【0037】第二リテーナ25は、図3に示す如く、リ
テーナ保持壁21bの内周部にOリング34による二次
シール状態で軸線方向移動可能に嵌合保持された円筒状
の本体部25aと、本体部25aの先端部(右端部)か
ら外方に突出する円環状の鍔部25bと、鍔部25bの
外周端部に第一密封環方向へと突設された円筒状の保持
部25cとからなる。
【0038】而して、第二リテーナ25は、その回転を
シールケース21との間に設けた回転阻止手段により阻
止されている。すなわち、回転阻止手段は、図3に示す
如く、第二リテーナ25の本体部25aに嵌合固定され
た固定環27aと、端部壁21cに取り付けられた環状
板27bと、環状板27bを貫通して固定環27aに固
着されたドライブピン27cとからなり、第二リテーナ
25の軸線方向移動を許容しつつ、そのシールケース2
1に対する相対回転を阻止する。
【0039】また、固定環27aと環状板27bとの間
には、回転軸22の周囲に適当間隔を隔てて配置した複
数個のスプリング部材(圧縮コイルスプリング)28が
介装されていて、第二リテーナ25を第一密封環方向
(左方向)に附勢して、第二密封環26を第一密封環2
4に押圧接触させるようになっている。第二密封環26
は、図3及び図4に示す如く、基端部(左端部)26b
の外径を先端部26cより小さくした円環状体であり、
先端部26cの端面を軸線に直交する平滑な環状平面で
ある密封端面26aに形成してある。第二密封環26
は、第一密封環24と同様に、前記した自然割により径
方向に二分割されている。すなわち、第二密封環26の
分割面は、微細且つ不規則な凹凸面とされている。
【0040】而して、第二密封環26は、図3及び図4
に示す如く、その基端部26bと第二リーナ25の保持
部25cとの対向周面部間に左右方向に並列する第一及
び第二Oリング35,36を充填させることによって、
第二リテーナ25に嵌合保持されている。第二Oリング
36は、第二リテーナ25の保持部25cの内周中間部
に突設した第二係止部25dと鍔部25bとの間に配置
されていて、両部25b,25dによる係止作用により
左右方向への飛び出しを阻止されている。一方、第一O
リング35は、第二係止部25dとこれに対向する第二
密封環26の先部26cの端面で構成される第一係止部
26dとの間に配置されていて、第一係止部26dによ
る係止作用により、第二密封環26に対するその密封端
面方向(右方向)への相対移動が阻止されている。ま
た、第一Oリング35の第二リテーナ25に対する上記
と逆方向(左方向)への相対移動は、上記した第一Oリ
ング30と同様に、第一Oリング35と第二係止部25
dとの間に配置したスペーサ37を介した間接的な第二
係止部25dによる係止作用によって阻止されている。
スペーサ37は、上記したスペーサ33と同様に、第二
リテーナ25の保持部25cの内周部に嵌合された円環
状板であり、第一係止部26dから離間する方向への移
動を第二係止部25dにより係止されている。また、両
係止部25d,26dの対向端面は、軸線に直交する環
状平面である。
【0041】なお、リテーナ23,25の保持部23
b,25cの内周部と密封環24,26の基端部24
b,26bの外周部との径方向間隔つまり第一Oリング
30,35及び第二Oリング31,36の締代は、第一
及び第二Oリング30,31又は35,36により密封
環24,26をその分離面が適正に衝合する円環状体に
保持するに充分な緊縛力と密封環24,26のリテーナ
23,25に対する相対回転を阻止するに充分な摩擦係
合力とが確保されることを条件として、適宜に設定され
る。
【0042】以上のように構成された第二メカニカルシ
ールにあっては、第一メカニカルシールと同様に、冒頭
で述べた従来シールのような問題を生じることなく、良
好なシール機能が発揮される。
【0043】すなわち、密封環24,26を軸線方向に
並列する二本のOリング30,31又は35,36で緊
縛するようにしたことから、密封環24,26とリテー
ナ23,25との間にOリング30,31又は35,3
6による十分な摩擦係合力が生じて、従来シールにおけ
る如きドライブピン111を使用せずとも、密封環2
4,26のリテーナ23,25に対する相対回転が確実
に阻止される。しかも、一本のOリングにより緊縛した
場合に比して、密封環24,26の分割部分が強力に衝
合一体化されることになる。したがって、密封端面24
a,26aの分割部分が開くようなことがなく、密封端
面24a,26aの相対回転も適正に行われる。
【0044】また、密封環24,26には、スプリング
部材28による附勢力(及び機内領域Hの流体圧による
押圧力)によって軸線方向荷重が作用するが、かかる軸
線方向荷重は、第一Oリング30,35を介してリテー
ナ23,25で受け止められる。すなわち、軸線方向荷
重は密封環側の第一係止部24d,26dから第一Oリ
ング30,35に伝えられ、スペーサ33,37を介し
てリテーナ側の第二係止部23c,25dで受け止めら
れる。したがって、軸線方向荷重を受け止める部分(ス
ペーサ33,37ないし第二係止部23c,25d)と
密封端面24a,26aとの表面加工精度差や密封環2
4,26とリテーナ23,25との材質による熱膨張係
数差が如何に大きくとも、これらによる密封端面24
a,26aへの影響は第一Oリング30,35による弾
性変形によって吸収され、密封端面24a,26aが分
割部分において軸線方向に齟齬(ズレ)するようなこと
がなく、密封端面24a,26aの表面精度が適正に保
持される。なお、密封環24,25の分割面を、これら
が上述した如く不規則な凹凸面をなして軸線方向に相対
変位しない状態に凹凸係合するように工夫しておくこと
によって、二本のOリング30,31又は35,36に
より緊縛力が増大されることとも相俟って、軸線方向の
ズレが更に効果的に防止されることになる。
【0045】このように、密封端面24a,26aの分
割部分が開いたり、軸線方向に齟齬したりすることがな
いから、密封端面24a,26aの相対回転摺接作用が
適正に行われ、良好なシール機能が発揮される。
【0046】また、第二メカニカルシールにあっては、
密封環24,26のシールケース21又は回転軸22か
らの取り外しを容易に行うことができ、密封環24,2
6の交換,修理等の保守,点検作業を効率よく且つ容易
に行うことができる。
【0047】すなわち、ケース本体21aからリテーナ
保持壁21b及び端部壁21cを外して、第二リテーナ
25及びこれに嵌合保持されている第二密封環26を左
方向に移動させた上、第二密封環26を第二リテーナ2
5から右方向に抜き出すことにより、第二密封環26の
取り外し及び分解を行うことができる。しかる後、第一
密封環24を第一リテーナ23から左方向に抜き出すこ
とにより、第一密封環24の取り外し及び分解を行うこ
とができる。
【0048】このとき、第二メカニカルシールでは、平
行対向面間である密封環24,26とリテーナ23,2
5との対向周面部間(密封環基端部24b,26bの外
周部とリテーナ保持部23b,25cの内周部との間)
に並列状に配置された二本のOリング30,31又は3
5,36がスペーサ33,37(及び第二係止部23
c,25d)により相互接触しないように工夫されてい
るから、Oリング30,31又は35,36による摩擦
係合力によって密封環24,26のリテーナ23,25
からの抜き出しが困難となるような虞れがなく、当該抜
き出し作業を容易に行うことができる。
【0049】例えば、図8に示す如く、平行対向面をな
す第一密封環24の基端部24bの外周部と第一リテー
ナ23の保持部23bの内周部との間に第一及び第二O
リングOリング30,31が並列配置されている場合、
密封環抜き出しに伴ってリテーナ保持部23bと密封環
基端部24bとが矢印方向に相対移動すると、各Oリン
グ30,31の断面部分においては、リテーナ保持部2
3bへの摩擦係合点A,aと密封環基端部24bへの摩
擦係合点B,bとが両部23b,24bの相対移動に追
従変位するため、図8に矢印で示す同一方向(矢印方
向)への回転が生じる。しかし、両Oリング30,31
が、図8に示す如く、相互に接触していると、その接触
点Cにおける両Oリング30,31の回転方向が異なる
ため、各Oリング30,31の回転が接触点Cにおいて
相互干渉して妨げられることになる。したがって、両部
23b,24b間におけるOリング30,31を介して
の動摩擦力が大きくなり、両部23b,24bの相対移
動つまり密封環24の抜き出しが極めて困難となる。
【0050】しかし、第一及び第二Oリング30,31
又は35,36の相互接触をスペーサ33,37(及び
第二係止部23c,25d)により回避しておくと、上
記した各Oリングの断面部分における同一方向への回転
が円滑に行われる。すなわち、リテーナ保持部23b,
25cと密封環基端部24b,26bとの軸線方向への
相対移動が、その相対移動方向に第一Oリング30,3
5及び第二Oリング31,36が夫々転動しつつ、行わ
れることになる。したがって、リテーナ保持部23b,
25cと密封環基端部24b,26bとの間におけるO
リング30,31又は35,36を介しての動摩擦力が
小さくなり、密封環24,26のリテーナ23,25か
らの抜き出しを極めて容易に行うことができる。
【0051】なお、本発明は上記した各実施の形態に限
定されるものではなく、本発明の基本原理を逸脱しない
範囲において、適宜に改良,変更することができる。例
えば、第二メカニカルシールにおいて、図6に示す如
く、前記した第二係止部23c,25dを廃して、第二
Oリング31,36を受け止めるリテーナ23,25の
基端部23a又は鍔部25bの端面部を第二係止部23
e,25eとなし、第一Oリング30,35の第二係止
部23e,25eによる係止作用が第二Oリング31,
36及びスペーサ33,37を介して間接的に行われる
ように構成しておいてもよい。すなわち、密封環24,
26に作用する軸線方向荷重が、第一及び第二Oリング
30,31又は35,36及びスペーサ33,37を介
して、第二係止部23e,25eに受け止められるよう
にしておいてもよい。また、第二メカニカルシールにお
いて、図7に示す如く、スペーサ33,37を廃してお
くこともできる。
【0052】また、上記した各実施の形態にあっては、
相対回転摺接する両密封環を分割構造としたが、当該メ
カニカルシールの各構成部材の寸法や使用条件等によっ
ては何れか一方の密封環のみを分離構造としておいても
よい。また、必要に応じて、各Oリングとして、周方向
の一箇所を切離したものを使用してもよい。さらに、密
封環やOリング以外のメカニカルシール構成部材につい
ても、必要に応じて、径方向に分割した構造となしてお
いてもよい。
【0053】
【発明の効果】以上の説明から容易に理解されるよう
に、本発明のメカニカルシールは、分割構造とされた密
封環の密封端面をこれを保持するリテーナの加工精度や
熱歪等の影響を受けることなく適正な表面形態に維持さ
せておくことができ、常に良好なシール機能を発揮させ
ることができるものである。しかも、密封環の抜き出
し,分解等の保守,点検作業を効率良く容易に行うこと
ができ、極めて実用的な価値の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一メカニカルシールを示す縦断側面図であ
る。
【図2】図1のII−II線に沿う縦断正面図である。
【図3】第二メカニカルシールを示す縦断側面図であ
る。
【図4】図3の要部の拡大図である。
【図5】第二メカニカルシール変形例を示す図4相当の
縦断側面図である。
【図6】第二メカニカルシールの他の変形例を示す図4
相当の縦断側面図である。
【図7】従来シールを示す縦断側面図である。
【図8】密封環抜き出し作用の説明図である。
【符号の説明】
1,21…シールケース、2,22…回転軸、3,23
…第一リテーナ、3d,5b,23c,23e,25
d,25e…第2係止部、4,24…第一密封環、4
a,6a,24a,26a…密封端面、4h,6h,2
4d,26d…第一係止部、4g,6g…環状凹部、
5,25…第二リテーナ、6,26…第二密封環、8,
28…スプリング部材、10,13,30,35…第一
Oリング、11,14,31,36…第二Oリング、3
3,37…スペーサ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シールケース又は回転軸に設けた環状の
    リテーナに、径方向に分割された密封環を内嵌保持させ
    てあるメカニカルシールにおいて、リテーナと密封環と
    の対向周面部間に軸線方向に所定間隔を隔てて配設した
    第一及び第二Oリングにより、密封環を環状に緊縛する
    と共に密封環のリテーナに対する回転を阻止し、密封環
    に、第一Oリングを密封環に対するその密封端面方向へ
    の軸線方向移動を阻止すべく係止する第一係止部を設け
    ると共に、リテーナに、第一Oリングをリテーナに対す
    る上記と逆方向への軸線方向移動を阻止すべく係止する
    第二係止部を設けてあることを特徴とするメカニカルシ
    ール。
  2. 【請求項2】 第一Oリングと第二係止部との間にスペ
    ーサを配置して、第一Oリングの第二係止部による上記
    軸線方向移動の係止作用がスペーサを介して間接的に行
    われるように構成したことを特徴とする、請求項1に記
    載するメカニカルシール。
  3. 【請求項3】 第一Oリングと第二係止部との間に第二
    Oリングを配置すると共に、両Oリング間にスペーサを
    配置して、第一Oリングの第二係止部による上記軸線方
    向移動の係止作用が第二Oリング及びスペーサを介して
    間接的に行われるように構成したことを特徴とする、請
    求項1に記載するメカニカルシール。
  4. 【請求項4】 密封環における、リテーナから軸線方向
    に突出する密封端面側部分の外周部に、密封環抜出用の
    環状凹部が設けられていることを特徴とする、請求項
    1、請求項2又は請求項3に記載するメカニカルシー
    ル。
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