JP2001140152A - ガーゼ付き脱脂綿およびその製造方法 - Google Patents

ガーゼ付き脱脂綿およびその製造方法

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JP2001140152A
JP2001140152A JP31769199A JP31769199A JP2001140152A JP 2001140152 A JP2001140152 A JP 2001140152A JP 31769199 A JP31769199 A JP 31769199A JP 31769199 A JP31769199 A JP 31769199A JP 2001140152 A JP2001140152 A JP 2001140152A
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absorbent cotton
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cotton
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Masataka Iwamoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱脂綿の厚さなどに関わらず製造が容易であ
り、脱脂綿やガーゼそれぞれの性質を損なっていないガ
ーゼ付き脱脂綿およびその製造方法を提供することを課
題とする。 【解決手段】 ガーゼおよび脱脂綿の繊維に、これらと
絡み合う接合用繊維の懸濁液を供給して乾燥し、ガーゼ
と脱脂綿とを接合したガーゼ付き脱脂綿とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガーゼ付き脱脂綿
およびその製造方法に関し、詳しくは、ガーゼおよび脱
脂綿それぞれの良さを生かしたガーゼ付き脱脂綿および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】脱脂綿は、医療用、化粧用などに広く使
用されている。しかし、脱脂綿自体は毛羽立ち、ほつ
れ、延びやすいなどの性質がある。また、取り扱いの際
に、脱脂綿を構成する繊維が相互にからみついたり、ま
た脱脂綿をあてた患部などにからみついたりして剥がし
にくい場合がある点も問題となる。そのために、使用箇
所によっては単体で使用せず、脱脂綿をガーゼや不織布
でくるんだり、くるんだ後に重ね合わせた部分を圧着し
たりして使用している。
【0003】医療用として日本薬局方基準に従って製造
するガーゼ付き脱脂綿(一般に「綿包ガーゼ」といわれ
ているものも含まれる)では、被覆材の素材として天然
繊維が指定されているために、コットン100%のガー
ゼで脱脂綿を被覆する。しかし、単に脱脂綿をガーゼで
くるんだ程度の製品では取り扱いの過程でガーゼが剥離
しやすく、取り扱い上不便である。
【0004】そこで、被覆したガーゼを固定するため、
単にガーゼで脱脂綿をくるんだだけではなく、例えば脱
脂綿をくるんだガーゼの両端部を若干重ね合わせ、重ね
合わせた部分に溶融繊維糸を挿入してヒートシールする
ことも行われている。しかし、ヒートシールされている
のは重ね合わされたガーゼの両端どうしだけであり、切
断した両端部ではガーゼと脱脂綿とが十分に接合されて
いるわけではなく、ガーゼと脱脂綿とがずれやすいこと
に変わりはない。また、ヒートシールした部分では溶融
糸が固化し、肌触りがあまりよくないのが普通である。
すなわち、このような綿包ガーゼも、綿包ガーゼのさま
ざまな用途を考慮すると、脱脂綿本体にガーゼが十分に
固定されたものとはいいがたい。また、脱脂綿をガーゼ
で包む作業に多くの労力を要するほか、ヒートシールを
行うには設備費、ランニングコストが高くなりがちであ
る。
【0005】ガーゼと脱脂綿とを単に合わせただけでは
なく、ガーゼや脱脂綿の通常の取り扱いでは容易にはガ
ーゼと脱脂綿とが分離しないように一体化するための方
法としては、例えば、いわゆるニードルパンチングや水
流によってガーゼの繊維と脱脂綿の繊維とを交絡させる
方法も考えられる。しかし、ニードルパンチングによる
場合(「ニードルパンチング法」という)、脱脂綿の目
付重量がおよそ250〜300g/m2以上となるとニ
ードル(針)のとおりが悪くなる。一方、目付重量が1
00〜120g/m2以下になると、ニードルの上下運
動に伴い脱脂綿も上下に動いてしまい、円滑に作業を進
めにくい。また、ニードルパンチングを加えた脱脂綿
は、その繊維が切れ、強度が著しく低下し、また表面が
乱れてしまい、外観が劣る、肌触りがよくないなど点で
良好な製品とはなりにくい。さらに、ニードルの上下運
動により部分的ではあるけれども脱脂綿に圧力が加えら
れるため、脱脂綿が固まって、柔軟性、弾力性が低下し
たり、吸水性のよくない製品になりやすい。
【0006】水流を用いる方法(「水流法」という)で
も、脱脂綿が厚くなると水流が脱脂綿を通過できなくな
り、実施が困難となる。また、水流を用いて製造された
脱脂綿も、脱脂綿が固まって、柔軟性や吸水性が低下し
た製品となりやすいほか、水流法(ウォータージェット
法)は、40気圧以上の水を噴射するために装置が著し
く大型かつ高価であるほか、大量の水を必要とするなど
の欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決し、脱脂綿の厚さなどにかかわらず製造が容易で
あり、脱脂綿やガーゼそれぞれの性質を損なっていない
ガーゼ付き脱脂綿およびその製造方法を提供することを
課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねたところ、微細な繊維を
懸濁させた液を用いることにより、脱脂綿およびガーゼ
の双方の性質を損なわず、脱脂綿本体にガーゼを十分に
接合させた、柔軟性、弾力性、吸収性などに優れたガー
ゼ付き脱脂綿を得られることを見いだし、本発明を完成
させた。
【0009】すなわち、本発明は、脱脂綿にガーゼを被
覆した一体物であって、ガーゼおよび脱脂綿は、ガーゼ
および脱脂綿を構成する繊維とそれぞれ機械的に絡み合
う接合用繊維により接合されていることを特徴とするガ
ーゼ付き脱脂綿である。
【0010】また、本発明は、接合用繊維が、繊維長
0.02〜0.5mmである、前記ガーゼ付き脱脂綿で
ある。
【0011】また、本発明は、接合用繊維が、セルロー
スを主成分とする繊維である、前記ガーゼ付き脱脂綿で
ある。
【0012】また、本発明は、セルロースを主成分とす
る接合用繊維が、脱脂綿繊維および/または木材パルプ
繊維である、前記ガーゼ付き脱脂綿である。
【0013】また、本発明は、脱脂綿がウエブ状であ
り、該脱脂綿の表面または裏面の少なくとも一方の面に
ガーゼが接合された、前記ガーゼ付き脱脂綿である。
【0014】また、本発明は、脱脂綿にガーゼを被覆し
て接合させたガーゼ付き脱脂綿の製造方法であって、ガ
ーゼと脱脂綿とが接合する面の少なくとも一方の面に、
ガーゼおよび脱脂綿を構成する繊維と絡み合う接合用繊
維の懸濁液を供給した後、当該懸濁液が供給された面で
脱脂綿にガーゼを被覆させ、乾燥することを特徴とす
る、ガーゼ付き脱脂綿の製造方法である。
【0015】また、本発明は、脱脂綿にガーゼを被覆し
て接合させたガーゼ付き脱脂綿の製造方法であって、脱
脂綿とガーゼとをそれぞれ送給し、ガーゼを脱脂綿に被
覆させるために脱脂綿とガーゼとを接触させ始める接触
開始部に、ガーゼおよび脱脂綿を構成する繊維と絡み合
う接合用繊維の懸濁液を供給しつつ、ガーゼを脱脂綿に
被覆させ、乾燥させることを特徴とする、ガーゼ付き脱
脂綿の製造方法である。
【0016】また、本発明は、脱脂綿にガーゼを被覆さ
せ、ガーゼ側からガーゼおよび脱脂綿を構成する繊維と
絡み合う接合用繊維の懸濁液を供給した後、乾燥するこ
とを特徴とする、ガーゼ付き脱脂綿の製造方法である。
【0017】また、本発明は、接合用繊維の懸濁液が、
繊維長0.02〜0.5mmの接合用繊維を2〜3.5
%(W/V)含む懸濁水溶液である、前記ガーゼ付き脱
脂綿の製造方法である。
【0018】本明細書においては、特に断らない限り、
単に「脱脂綿」というときには通常にならい、脱脂綿繊
維の集合体のことをいい、特に繊維のことを指すときは
「脱脂綿を構成する繊維」、「脱脂綿の繊維」、「脱脂
綿繊維」などという。
【0019】
【発明の実施の形態】<本発明のガーゼ付き脱脂綿>本
発明のガーゼ付き脱脂綿は、脱脂綿にガーゼを被覆し
た、脱脂綿とガーゼとの一体物である。ガーゼと脱脂綿
とは、ガーゼおよび脱脂綿の繊維とそれぞれ機械的に絡
み合う接合用繊維により接合されてなる。
【0020】接合用繊維は、ガーゼと脱脂綿とを接合す
るために用いられる微細な繊維であり、ガーゼを構成す
る繊維と、脱脂綿を構成する繊維とに機械的に絡み合う
ことのできる繊維であればよい。機械的に絡み合うとい
うのは、繊維のよじれ、毛羽立ちなどにより繊維が相互
に引っかかりあったり、相互にまきついたり、交絡する
などの状態である。図2は、繊維の機械的な絡み合いを
模式的に示した図である。接合用繊維がガーゼおよび脱
脂綿を構成する繊維と絡み合うことにより、通常の使用
状況ではガーゼと脱脂綿とが剥がれたり、ずれたりしに
くい接合状態のガーゼと脱脂綿との一体物とすることが
できる。通常の使用状況とは、例えば医療や化粧など、
一般にガーゼや脱脂綿が用いられる使用状況のことであ
る。
【0021】接合用繊維は、例えば、繊維素材を含む水
を高圧で何回となく噴出し衝突させたり、微細断カッタ
ーやボールミルなどを用いて細かく繊維を裁断する等し
たものを用いることができる。このうち、高圧水の噴出
で作製する接合用繊維は、縦方向の裁断も加わり、繊維
が柔軟かつ細かいために本発明に用いるのに好適であ
る。1つ1つの接合用繊維は異なる形状、長さであって
もよいが、繊維長は好ましくは、0.02〜0.5mm
であり、特に好ましくは0.1〜0.2mmである。ま
た、接合用繊維の太さ(直径)は、好ましくは0.01
〜0.1μmであり、特に好ましくは0.07〜0.1
μmである。このような範囲の繊維は、脱脂綿やガーゼ
の繊維と絡み合いやすく、また液中に懸濁化しやすく、
懸濁液による接合用繊維の供給を均一に行いやすい。
【0022】接合用繊維の材料は、ガーゼおよび脱脂綿
の繊維に絡み合わせることができるものであればよい。
また、一般的に考えられるガーゼ付き脱脂綿の用途が医
療用、化粧用などであることなども考慮すれば、柔軟
性、吸水性に優れ、また衛生的であるなどの性質も備え
たものが好ましい。接合用繊維として好ましくは、例え
ばセルロースを主成分とする繊維等が挙げられ、より具
体的には、綿繊維(脱脂綿繊維を含む)、木材パルプ繊
維などが好適なものとして挙げられる。
【0023】本発明において用いられるガーゼおよび脱
脂綿は、通常使用されているものを用いることができ、
ガーゼ付き脱脂綿の予定される用途などに応じ、適宜選
択することできる。
【0024】ガーゼ付き脱脂綿の形状、ガーゼの被覆箇
所などは、用途などに応じて適宜定めることができる。
例えば、ウエブ状(または平板状)の脱脂綿の表面また
は裏面の少なくとも一方の面にウエブ状のガーゼを接合
した形態などが挙げられ、このような形態のガーゼ付き
脱脂綿は幅広い用途に用いることができる(図1:片面
にガーゼを被覆したガーゼ付き脱脂綿、図3:両面にガ
ーゼを被覆したガーゼ付き脱脂綿、図4:脱脂綿全体を
ガーゼで包み込んだガーゼ付き脱脂綿)。さらに、ガー
ゼ付き脱脂綿の大きさ、厚さなども用途などを考慮し、
様々な形態をとることができる。
【0025】本発明のガーゼ付き脱脂綿は、一般的にガ
ーゼまたは脱脂綿が用いられる場面で用いることがで
き、例えば医療用、化粧用などに好適である。
【0026】<本発明のガーゼ付き脱脂綿の製造方法等
>次に、上記本発明のガーゼ付き脱脂綿の製造方法を説
明する。本発明のガーゼ付き脱脂綿は、上記「<本発明
のガーゼ付き脱脂綿>」の項で説明した接合用繊維を、
ガーゼを構成する繊維および脱脂綿を構成する繊維と相
互に絡み合わせて、ガーゼと脱脂綿とを接合することに
より製造することができる。本発明の製造法では、接合
用繊維をガーゼと脱脂綿との接合面または接合部分周辺
に供給するために、接合用繊維の懸濁液を用い、この懸
濁液を供給した後、懸濁液を供給した部分を乾燥させ
る。接合用繊維の懸濁液とは、接合用繊維を懸濁させた
液のことである(本明細書では、特に断る場合を除き、
単に「懸濁液」という場合でも接合用繊維の懸濁液のこ
とを意味する)。図5は、実施の形態の一例の概略を示
したものである。
【0027】接合用繊維の懸濁液は、上記で説明した接
合用繊維を用意し、これを液に加え、一般的な手法によ
り攪拌して、懸濁液とすることができる。液は、水など
が好ましい。懸濁液中の接合用繊維の含有量は、接合用
繊維の材料、大きさ、懸濁液を供給する装置などにもよ
るが、好ましくは2〜3.5%(W/V)であり、特に
好ましくは、2.1〜2.5%(W/V)である。この
範囲であれば、懸濁液中の接合用繊維が塊状になりにく
く、接合用維を均一に供給しやすい懸濁液とすることが
できる。
【0028】より具体的には、接合用繊維の大きさ、材
料および懸濁液中の含有量を考慮すると、懸濁液として
好ましくは、接合用繊維1本の繊維長:0.02〜0.
5mm、1本の接合用繊維の太さ:0.01〜0.1μ
m、接合用繊維の材料:木材パルプ繊維、懸濁液中の接
合用繊維の含有量:2〜3.5%(W/V)、の懸濁液
が例示され、特に好ましくは、接合用繊維1本の繊維
長:0.1〜0.2mm、1本の接合用繊維の太さ:
0.07〜0.1μm、接合用繊維の材料:木材パルプ
繊維、懸濁液中の接合用繊維の含有量:2.1〜2.5
%(W/V)、の懸濁液が例示される。
【0029】本発明の製造方法では、懸濁液をガーゼま
たは脱脂綿に供給するが、供給する方法としては、例え
ば、吹き付けなどの方法が挙げられ、懸濁液を均一に供
給するという点では、吹き付けることが好ましい。吹き
付ける場合、例えば孔径の大きい噴霧器用ノズルを使用
することもできるが、詰まりによるトラブルを防ぐため
に回転円板状に滴下し、霧化させて噴霧する方法やチュ
ーブから排出させる高濃度懸濁液を高圧のエアーで噴出
させる方法がより好適な方法として挙げられる。
【0030】懸濁液の供給量は、ガーゼと脱脂綿とを接
合するに足る接合繊維の量を供給できれる量であればよ
い。所望するガーゼと脱脂綿との接合の強さなどにより
調整することができるが、一般に、微細断繊維(接合用
繊維)の供給量を増すにしたがって、ガーゼの表面のご
わごわした感触が増大する傾向があるので、肌触りを特
に重視する場合、2.1〜2.5%(W/V)の懸濁液を
好ましくは100〜170cc/m2、特に好ましくは
120〜130cc/m2供給する。
【0031】懸濁液の供給は、後に懸濁液を供給した部
分を乾燥させたときに、接合用繊維がガーゼおよび脱脂
綿の繊維と絡み合うことができるようにすればよく、よ
り具体的な実施の形態として、脱脂綿にガーゼを被覆す
る前に懸濁液を供給する第1の方法と、脱脂綿にガーゼ
を被覆した後にガーゼ側から懸濁液を供給する第2の方
法とが挙げられる。また、第1の方法のより具体的な態
様として、それぞれ別々に送給される脱脂綿とガーゼと
を重ね合わせるために脱脂綿とガーゼとを接触させる接
触開始部に、ガーゼおよび脱脂綿の繊維と絡み合う接合
用繊維の懸濁液を供給しつつ、ガーゼを脱脂綿に被覆さ
せる方法が挙げられ、図5に示される方法がこの方法に
該当する。
【0032】第1の方法は、ガーゼと脱脂綿とが接合す
る面の少なくとも一方の面に、ガーゼおよび脱脂綿の繊
維と絡み合う接合用繊維の懸濁液を供給した後、懸濁液
が供給された面で脱脂綿にガーゼを被覆させ、懸濁液が
供給された部分を乾燥する。第1の方法では、ガーゼお
よび脱脂綿の両方に懸濁液を供給しても、いずれか一方
に供給してもよいが、好ましくは少なくともガーゼには
懸濁液を供給する。通常、ガーゼのほうが繊維の毛羽立
ちなどは少ないため、ガーゼの繊維に接合用繊維を供給
しておくことで、脱脂綿の繊維との絡みつきをより生じ
やすくすることができる。また、ガーゼと脱脂綿の双方
に懸濁液を供給するほうが、ガーゼと脱脂綿との接合を
より強くすることができる。より具体的には、それぞれ
別個に送給されてくるガーゼと脱脂綿とを接触させ重ね
合せ始める接触開始部に懸濁液を供給しつつ、ガーゼと
脱脂綿とを重ね合わせていくと、ガーゼと脱脂綿との接
合を強くしやすい。
【0033】また、第2の方法では、脱脂綿にガーゼを
被覆させ、ガーゼ側からガーゼおよび脱脂綿の繊維と絡
み合う接合用繊維の懸濁液を供給した後、懸濁液を供給
した部分を乾燥する。ガーゼ側から供給される懸濁液
は、ガーゼだけではなくガーゼの隙間を通して脱脂綿に
も供給され、ガーゼと脱脂綿とを接合させる部分に接合
用繊維が絡み付いて、ガーゼと脱脂綿とを接合させるこ
とができる。
【0034】懸濁液は、ガーゼが被覆される面の全面に
供給しても一部に供給してもよいが、接合を強くするた
めには、ガーゼが被覆される面の全面に供給することが
好ましい。また、懸濁液の調整などにもよるが、微細断
繊維の少ない供給量で接合の程度がより強いものを製造
するには、第1の方法、特にガーゼと脱脂綿とを重ね合
わせ始める接触開始部に懸濁液を供給する方法のほうが
容易である。
【0035】ガーゼおよび脱脂綿の供給は、例えばロー
ル状のガーゼ、脱脂綿からそれぞれ引き出すなどの一般
的な方法で行うことができる。また、ガーゼを脱脂綿に
被覆させる手段も、例えば、脱脂綿の上にガーゼを静置
させていったり、ローラーとローラーまたはローラーと
ベルトなどの峡間にガーゼおよび脱脂綿を挿通させたり
するなど、フィルム状のものなどを被覆する通常の手段
を用いて行うことができる。
【0036】懸濁液が供給された部分は、脱脂綿にガー
ゼが被覆した状態で乾燥させる。これにより、懸濁液中
の接合用繊維が、ガーゼおよび脱脂綿の繊維と絡み合っ
た状態となり、ガーゼと脱脂綿とを接合することができ
る。乾燥は、自然乾燥させても、乾燥器や送風機などを
用いて強制的に乾燥させてもよいが、大量生産にあたっ
て一般的に採られるコンベヤ方式の乾燥装置を利用し、
平面上を移動させながら迅速に乾燥させた方がガーゼの
剥離が少なく、より良好な製品を得ることができる。こ
のため送風温度を65〜75℃、送風速度を20〜30
m/分程度とすることが好ましい。
【0037】接合したガーゼと脱脂綿とは、通常の方法
に従って所望のサイズに切断するなどしてガーゼ付き脱
脂綿として製品化することができる。
【0038】本発明の製造法により、通常の使用状況で
はガーゼと脱脂綿とが剥がれたりずれたりしにくい接合
状態のガーゼ付き脱脂綿を得ることができる。また、本
発明の製造方法によれば、接合用繊維を介してガーゼと
脱脂綿とを接合させるので、ニードルパンチング法や水
流法のように、針や水流の通りが悪くなるという理由
で、脱脂綿が厚くなるにしたがい実施が困難になるとい
うことはなく、脱脂綿の厚さが厚くなっても容易に製造
できる。本発明の製造方法は、脱脂綿の厚さによって条
件設定を変えなくても製造することができる汎用性の高
い方法である。
【0039】本発明は、ニードルパンチング法や水流法
よりも設備費用、ランニングコストを低く抑えることが
でき、ガーゼと脱脂綿とが接合したガーゼ付き脱脂綿を
安価に製造することができる。
【0040】上記はガーゼ付き脱脂綿の製造方法につい
て説明したが、上記のように懸濁液を用いた方法は、単
にガーゼと脱脂綿とを接合する方法としても実施できる
ものである。
【0041】
【実施例】以下、実施例を例示し、より具体的に本発明
について詳説する。
【0042】(実施例1)ガーゼの供給源として0.9
m幅のロールガーゼ(メッシュサイズ:36)を用い、
また脱脂綿の供給源として0.75m幅、厚さ3.5m
mのロール脱脂綿とを用意した。
【0043】接合用繊維は、木材パルプを原料とした懸
濁液を噴射して調製した市販の微細断繊維(ダイセル化
学工業社製、商品名:セリッシュ)を使用した。この接
合用繊維200gに水1Lを混ぜて、微細断カッターで
再度裁断し攪拌した後、さらに水9L加え、電動攪拌機
で攪拌して懸濁液とした。
【0044】ロール状の脱脂綿から脱脂綿を引き出し、
移動するコンベヤー上に供給し、この脱脂面上に重ねる
ようにしてガーゼを乗せ、それぞれに送給されるガーゼ
と脱脂綿とが重ね合わされ始める接触開始部に、上記の
ようにして調製した接合用繊維の懸濁液を、噴射ノズル
を用いて吹き付けた。懸濁液の噴射ノズルへの供給はホ
ースポンプで行い、その作動速度で、懸濁液の供給量を
調節した。
【0045】ガーゼを被覆させた帯状のガーゼ付き脱脂
綿は、さらに3段式蒸気熱乾燥機内を通過させて乾燥さ
せた。乾燥機内は、初期温度を60〜70℃とした。脱
脂綿にガーゼを被覆した帯状体は、コンベヤーで移動す
る過程で乾燥機内を24分かけて通過させて乾燥させ
た。乾燥がほぼ完了するまでは、ガーゼの剥離を防ぐた
めに、帯状体を折り曲げたり、巻き取ったりしないよう
にした。乾燥機から送り出された帯状のガーゼ付き脱脂
綿をロール状に巻いてガーゼ付き脱脂綿のロールを得
た。
【0046】このロールから30cm×15m、脱脂綿
の厚さ0.35cmのガーゼ付き脱脂綿を切り出し、製
品とした。
【0047】実施例1のガーゼ付き脱脂綿を手で触っ
て、肌触り、弾力性が良好であることが確認された。ま
た、このガーゼ付き脱脂綿で手の甲をこすってみたが、
ガーゼと脱脂綿とはずれなかった。さらに、このガーゼ
付き脱脂綿を水滴の付着したゴムマット上に用いたとこ
ろ、吸水性がよいガーゼ付き脱脂綿であることが確認さ
れた。また、吸水後の脱脂綿を手で扱ったところでは、
ガーゼと脱脂綿とはずれたり剥がれたりしなかった。ま
た、実施例1のガーゼ付き脱脂綿は、脱脂綿にガーゼが
被覆されているために脱脂綿の伸長が抑制され、吸水後
の形状安定性は、脱脂綿単体より優れていた。
【0048】(実施例2)接合用繊維の懸濁液を、脱脂
綿にガーゼを被覆した後にガーゼ側から吹き付け、この
点以外は実施例1と同様にしてガーゼ付き脱脂綿を製造
した。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、通常の使用状況では剥
がれたり、ずれたりしにくいガーゼ付き脱脂綿を製造す
ることができる。ニードルパンチング法のように製造過
程で脱脂綿の繊維を切断してしまうことがないため、脱
脂綿本来の柔軟性、弾力性があり、また毛羽立ちが少な
く、肌触りなどが良好なガーゼ付き脱脂綿を得ることが
できる。本発明のガーゼ付き脱脂綿は、製造過程でニー
ドルパンチングのような不要な圧迫をかけることがない
ので、柔軟性、弾力性、吸水性などの良好なガーゼ付き
脱脂綿とすることができる。また、本発明のガーゼ付き
脱脂綿は製造容易であり、また、接合の程度は接合用繊
維や接合用繊維の懸濁液を調整することにより行うこと
ができるなど、設計の調整も容易である。
【0050】本発明によれば、ガーゼや脱脂綿の本来の
性質を損なわずに、容易にガーゼと脱脂綿とを接合する
ことができる。本発明は、ニードルパンチング法や水流
法よりも設備費用、ランニングコストを低く抑えること
ができ、安価にガーゼと脱脂綿とが接合したガーゼ付き
脱脂綿を製造することができる。また、脱脂綿の厚みに
かかわらず製造容易である。本発明の製造方法は、脱脂
綿の厚さによって条件設定を変えなくても製造すること
ができる汎用性の高い方法である。
【0051】また、本発明のガーゼ付き脱脂綿は、いわ
ゆる合成接着剤を用いる必要はなく、日本薬局方に準拠
した製品とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】片面にガーゼが接合された、ウエブ状のガーゼ
付き脱脂綿の斜視図(イ)および正面図(ロ)を模式的
に示した図である。
【図2】図1における「A」の部分を拡大した模式図で
ある。なお、ガーゼを構成する糸のうち横糸は省略して
記載した。
【図3】両面にガーゼが接合された、ウエブ状のガーゼ
付き脱脂綿の正面図を模式的に示した図である。
【図4】ガーゼを脱脂綿に巻いた、ウエブ状のガーゼ付
き脱脂綿の斜視図を模式的に示した図である。
【図5】本発明のガーゼ付き脱脂綿の製造方法の一つの
形態の概念を示す図である。
【符号の説明】
1・・ガーゼ付き脱脂綿 2・・ガーゼ 21・・ガーゼの糸 3・・脱脂綿 4・・接合用繊維 5・・ロール脱脂綿 6・・ロールガーゼ 7・・ロール状に巻いたガーゼ付き脱脂綿 8・・乾燥機 9・・接合手段(ガイドローラー) 10・・接触開始部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D04H 1/54 D04H 1/54 J 1/72 1/72 Z

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脱脂綿にガーゼを被覆した一体物であっ
    て、ガーゼおよび脱脂綿は、ガーゼおよび脱脂綿を構成
    する繊維とそれぞれ機械的に絡み合う接合用繊維により
    接合されていることを特徴とするガーゼ付き脱脂綿。
  2. 【請求項2】 接合用繊維が、繊維長0.02〜0.5
    mmである請求項1に記載のガーゼ付き脱脂綿。
  3. 【請求項3】 接合用繊維が、セルロースを主成分とす
    る繊維である請求項1または2に記載のガーゼ付き脱脂
    綿。
  4. 【請求項4】 セルロースを主成分とする接合用繊維
    が、脱脂綿繊維および/または木材パルプ繊維である請
    求項3に記載のガーゼ付き脱脂綿。
  5. 【請求項5】 脱脂綿がウエブ状であり、該脱脂綿の表
    面または裏面の少なくとも一方の面にガーゼが接合され
    た請求項1から4のいずれかに記載のガーゼ付き脱脂
    綿。
  6. 【請求項6】 脱脂綿にガーゼを被覆して接合させたガ
    ーゼ付き脱脂綿の製造方法であって、ガーゼと脱脂綿と
    が接合する面の少なくとも一方の面に、ガーゼおよび脱
    脂綿を構成する繊維と絡み合う接合用繊維の懸濁液を供
    給した後、当該懸濁液が供給された面で脱脂綿にガーゼ
    を被覆させ、乾燥することを特徴とする、ガーゼ付き脱
    脂綿の製造方法。
  7. 【請求項7】 脱脂綿にガーゼを被覆して接合させたガ
    ーゼ付き脱脂綿の製造方法であって、脱脂綿とガーゼと
    をそれぞれ送給し、ガーゼを脱脂綿に被覆させるために
    脱脂綿とガーゼとを接触させ始める接触開始部に、ガー
    ゼおよび脱脂綿を構成する繊維と絡み合う接合用繊維の
    懸濁液を供給しつつ、ガーゼを脱脂綿に被覆させ、乾燥
    させることを特徴とする、ガーゼ付き脱脂綿の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 脱脂綿にガーゼを被覆させ、ガーゼ側か
    らガーゼおよび脱脂綿を構成する繊維と絡み合う接合用
    繊維の懸濁液を供給した後、乾燥することを特徴とす
    る、ガーゼ付き脱脂綿の製造方法。
  9. 【請求項9】 接合用繊維の懸濁液が、繊維長0.02
    〜0.5mmの接合用繊維を2〜3.5%(W/V)含
    む懸濁水溶液である請求項6から8のいずれかに記載の
    ガーゼ付き脱脂綿の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101403492B1 (ko) 2012-07-04 2014-06-05 남기정 탈지면을 이용한 수의 제조방법 및 그에 의해 제조된 수의

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