JP2001138986A - 省エネルギ−船舶 - Google Patents

省エネルギ−船舶

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JP2001138986A JP32760999A JP32760999A JP2001138986A JP 2001138986 A JP2001138986 A JP 2001138986A JP 32760999 A JP32760999 A JP 32760999A JP 32760999 A JP32760999 A JP 32760999A JP 2001138986 A JP2001138986 A JP 2001138986A
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    • B63H5/16Arrangements on vessels of propulsion elements directly acting on water of propellers characterised by being mounted in recesses; with stationary water-guiding elements; Means to prevent fouling of the propeller, e.g. guards, cages or screens
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビルジ渦の回転エネルギ−とプロペラ後流の
回転エネルギ−の双方が、有効に利用できる船舶を得
る。 【解決手段】 プロペラ3位置付近でビルジ渦中心2a
がプロペラ3中心軸よりも下方である船型であり、前記
プロペラ3前方の左右舷に、翼端部が前記ビルジ渦のほ
ぼ中心2aに位置するとともに下向きのキャンバ−を有
するフィン4を各々1枚を有し、舵6の両面から横方向
に延出した舵付きフィン7を有する省エネルギ−船舶。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ビルジ渦による
船体抵抗を低減し、またビルジ渦およびプロペラ後流の
回転エネルギ−を回収して推力として利用する省エネル
ギ−船舶に関する。
【0002】
【従来の技術】船舶の付加物により推進効率を向上させ
る手段として、船舶の航走にともなってビルジ部に発生
するビルジ渦の回転エネルギ−を船舶の推力として利用
する方法と、プロペラ後流の回転エネルギ−を船舶の推
力として利用する方法等がある。
【0003】このうち、ビルジ渦の回転エネルギ−を船
舶の推力として利用する方法としては、特開平9−13
6693号公報や特開平11−59588号公報に開示
されたビルジ渦エネルギ−回収装置によるものがある。
【0004】船舶においては、図6(船底面から見た斜
視図)に示すように、船尾両舷のビルジ部21a後端付
近では、船底21bから上方に回り込む上向流22と、
船側から内側に流れ込もうとする下降流23とが交差し
て、この部分を発生源とするビルジ渦24が発生する。
【0005】特に、肥大船等では、前記ビルジ渦24は
プロペラ25前方の船体表面上に大規模な3次元剥離を
生じさせて、船舶の抵抗増加の大きな原因となってい
る。
【0006】前記ビルジ渦24は、図6に示すような船
尾から見て左舷と右舷で反対方向に回転する流れを誘導
し、発達しながらプロペラ25位置まで流れて、船舶の
後方へ流れ去る。
【0007】前記ビルジ渦24は、ビルジ渦中心26よ
りも船体側では、斜め下方を向いた下降流となり、ビル
ジ渦中心26よりも外側では、斜め上方を向いた上昇流
となっている。ビルジ渦中心26周りの流れは、回転流
となっており、この回転速度を誘起するエネルギ−は、
船舶が抵抗に逆らって流体中を進むことによって流体に
与えられたものであり、船舶の抵抗増加の原因となって
いる。
【0008】特開平9−136693号公報に開示され
た船舶用ビルジ渦エネルギ−回収装置は、図7(a)の
側面図および図7(b)の平面図に示すように、プロペ
ラ31の前方の左右舷の船体32表面上に、翼端部33
aはビルジ渦34のほぼ中心34aに位置し、かつ下向
きのキャンバ−33bを有するフィン33を各々1枚ず
つ取り付けたものである。
【0009】また、特開平11−59588号公報に開
示されたビルジ渦エネルギ−回収装置は、特開平9−1
36693号公報に開示されたものに加えて、図8に示
すように、フィン33の翼端部33aに、ビルジ渦34
による回転流れを打ち消す方向にキャンバ−の付いた補
助フィン35を取り付けたものである。
【0010】このように、船尾のプロペラ31の前方の
左右両舷の船体32表面上に1対のフィン33を配置す
ることによって、フィン33に発生する揚力36の進行
方向成分を推力37として回収し、船の抵抗を減少させ
るものである。
【0011】また、ビルジ渦による回転流れを打ち消す
方向にキャンバ−の付いた補助フィン35を取り付ける
ことによって、フィンの面積を増加させて、フィン全体
の翼面荷重を軽減することができ、主フィン33背面
(下面)の翼面流れの剥離を防止し、より有効にビルジ
渦の回転エネルギ−を回収するものである。
【0012】また、プロペラ後流の回転エネルギ−を船
舶の推力として利用する方法としては、特開平4−20
1693号公報に開示された船舶用舵によるものがあ
る。
【0013】この船舶用舵は、図9(a)の平面図およ
び図9(b)の側面図に示すように、船尾41後方に設
けられた縦軸42の回りに回転自在な舵43に、前方の
プロペラ44の中心高さ位置において横方向に延出する
フィン45aおよび45bが設けられているとともに、
舵43の前縁には、プロペラ44の中心高さ位置におい
てプロペラボスキャップ46に近接するように、前方に
突出したバルブ状の突部47が設けられているものであ
る。
【0014】そして、フィン45aおよび45bには、
回転するプロペラ後流を受けてそれぞれのフィンにほぼ
等しい揚力が発生するように、互いに上下反対になった
キャンバ−が設けられている。
【0015】この舵43においては、プロペラ後流の流
場は、プロペラ44の直ぐ後流位置に設けられた突部4
7により、半径方向に押し広げられ、有効伴流が増加
し、フィン45aおよび45bに発生する揚力も増大す
る。その結果、船舶の推力として利用できる揚力の船舶
進行方向成分も増大するというものである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、船舶の
推進効率を向上させるために、ビルジ渦の回転エネルギ
−とプロペラ後流の回転エネルギ−を、同時に船舶の推
力として利用しようとしても、推進効率の向上効果は、
それぞれのエネルギ−を単独で利用したときの効果を足
し合わせた効果よりも低いという問題点がある。
【0017】本発明は、船型に応じて変化するビルジ渦
の発生状況を考慮することにより、ビルジ渦の回転エネ
ルギ−とプロペラ後流の回転エネルギ−を、同時に船舶
の推力として利用するときに、船舶の推進効率の向上効
果が、それぞれのエネルギ−を単独で利用したときの効
果を足し合わせた効果よりも同等またはそれ以上となる
省エネルギ−船舶を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る省エネルギ
−船舶は、プロペラ位置付近でビルジ渦中心がプロペラ
中心軸よりも下方である船型であり、前記プロペラ前方
の左右舷に、翼端部が前記ビルジ渦のほぼ中心に位置す
るとともに下向きのキャンバ−を有するフィンを各々1
枚を有し、舵の両面から横方向に延出した舵付きフィン
を有するものである。
【0019】また、前記舵の前縁で、前記舵付きフィン
の取り付け位置に、前方に突出した突部を有するもので
ある。
【0020】また、前記プロペラ前方の左右舷にあるフ
ィンの翼端部に、ビルジ渦による回転流れを打ち消す方
向にキャンバ−を有する補助フィンを有するものであ
る。
【0021】本発明に係る省エネルギ−船舶において
は、プロペラ位置付近でビルジ渦中心がプロペラの中心
軸よりも下方である船型であるため、プロペラ前方の左
右舷の船体表面上に設けたフィンにより、ビルジ渦の回
転流のエネルギ−が推力に転換されたビルジ渦は、この
フィンの作用によりその中心がやや上方へと移動し、舵
位置で舵付きフィン位置と一致するようになる。
【0022】このため、舵付きフィンでビルジ渦のエネ
ルギ−とプロペラ後流の回転エネルギ−とが回収され、
推力に変換される。
【0023】したがって、推進効率の向上効果は、ビル
ジ渦の回転エネルギ−とプロペラ後流の回転エネルギ−
をそれぞれ単独で利用したときの効果を足し合わせた効
果と同等か、それよりも大きくなる。
【0024】また、舵の前縁で、前記舵付きフィンの取
り付け位置に、前方に突出した突部を有するものにおい
ては、プロペラ後流の流場がプロペラ半径方向に押し広
げられ、有効伴流が増加し、舵付きフィンに発生する揚
力も増大し、推進効率がさらに向上する。
【0025】また、プロペラ前方の左右舷にあるフィン
の翼端部に、ビルジ渦による回転流れを打ち消す方向に
キャンバ−を有する補助フィンを有するものにおいて
は、フィンの面積を増加させて、フィン全体の翼面荷重
を軽減させることにより、主フィン背面(下面)の翼面
流れの剥離を防止し、より有効にビルジ渦の運動エネル
ギ−を推力として回収して、船体の抵抗を低減させると
ともに、船舶の推進効率を向上させ、省エネルギ−効果
を増大させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態 】本発明の実施の形態を、図面を
参照して説明する。
【0027】図1は本発明の省エネルギ−船舶の一例を
説明する側面図である。この省エネルギ−船舶は、船体
1のビルジ部に発生するビルジ渦中心2aが、プロペラ
3付近でプロペラ3の中心軸よりもやや下方になるよう
な船型をしている。
【0028】ビルジ渦2は、船尾両舷のビルジ部後端付
近で、船底から上方に回り込む上向流と、船側から内側
に流れ込もうとする下降流とが交差して3次元剥離が生
じ、この部分で発生する。ビルジ渦2は、船尾方向に向
かって成長し、プロペラ3前方付近で発達のピ−クに達
する。
【0029】ビルジ渦中心2aの位置は、縮尺模型の水
槽試験により実船の船尾流場を推定する方法、あるいは
船体周りの粘性流場解析用の計算流体力学(CFD)コ
−ドを用いて船尾流場を解析し推定する方法により求め
られる。
【0030】縮尺模型の水槽試験による計測により、模
型のビルジ渦の中心位置を求め、模型−実船間のレイノ
ズル数の差に基づく尺度影響を考慮して、実船の船尾流
場を推定して、ビルジ渦2の中心位置を求めることがで
きる。
【0031】CFDコ−ドとして、運輸省船舶技術研究
所で開発されたNICE−Codeを用いて、乱流モデ
ルにはBaldwin−Lomaxモデルに修正を施し
て、船尾流場を推定し、ビルジ渦2の中心位置を求める
ことができる。
【0032】船型によって船尾流場は変化し、ビルジ渦
2の位置や強さは変化する。
【0033】本発明の省エネルギ−船舶の船型は、幅広
浅喫水船型であって、粘性抵抗の形状影響計数が比較的
大きく、下記(1)式で定義される船尾肥大度γが大き
い船型である。
【0034】そして、船尾肥大度γが大きいので、ビル
ジ渦中心2aの位置が、プロペラ3位置付近でプロペラ
3の中心軸よりもやや下方になる。 γ=(B/L)/{1.3・(1−Cb)−0.031・lcb}……(1) ただし、B:船の型幅 L:船長 Cb:船の方形係数 lcb:船体中央(Midship)から浮心位置まで
の水平距離を船長Lに対する比(%)で表した数値
【0035】図2に本発明の省エネルギ−船舶のプロペ
ラ3位置でのビルジ渦2の渦度分布の例を示す。
【0036】渦度分布は、水槽試験あるいはCFD計算
により、プロペラ3位置における垂直断面内の回転流れ
の速度ベクトル分布を求め、次の(2)式により求めた
船舶の長さ方向(x方向)に軸を持つ渦強さを表す渦度
(ωx)の分布を表すものである。 ωx=∂w/∂y−∂v/∂z……(2) ただし、x:船長方向の座標 y:船幅方向の座標(水平方向) z:船の深さ方向の座標(垂直方向) v:y方向の流速 w:z方向の流速 ωx:x方向に軸を持つ渦度
【0037】図2はプロペラ後方より見たビルジ渦2の
渦度分布であり、中心がプロペラの中心軸であり、実線
が左廻り、破線が右廻りの渦の強さを示す。図2から、
この例ではプロペラ3の中心軸位置よりやや下方に、ビ
ルジ渦2の最も強い部分、すなわちビルジ渦2の中心
a、bが存在していることが分かる。
【0038】そして、プロペラ3の前方の左右舷の船体
1表面上に、翼端部はビルジ渦2のほぼ中心に位置し、
かつ下向きのキャンバ−を有するフィン4を各々1枚ず
つ取り付けている。
【0039】また、船尾1a後方に設けられた縦軸5の
回りに回転自在な舵6には、前方のプロペラ3の中心高
さ位置において横方向に延出する舵付きフィン7が設け
られているとともに、舵6の前縁には、プロペラ3の中
心高さ位置においてプロペラボスキャップ8に近接する
ように、前方に突出したバルブ状の突部9が設けられて
いる。
【0040】この省エネルギ−船舶は、上述のように構
成されているので、ビルジ渦2の回転エネルギ−が、プ
ロペラ3の前方の左右舷の船体1表面上に設けたフィン
4により、フィン4に発生する揚力の進行方向成分を推
力として回収し、船の抵抗を減少させ、船舶の省エネル
ギ−化が図れる。
【0041】また、プロペラ3前方のフィン4には、摩
擦抵抗および圧力抵抗が働くため、翼後部の流れに運動
量欠損を生じさせ、その結果、プロペラ3への流入速度
がフィン4が存在しない場合に比べて遅くなり、次の
(3)式に示すように、船の推進効率のうちの伴流係数
wが大きくなり、推進効率ηが向上する。 η=ηr・ηh・ηo・ηt =ηr・(1−t)/(1−w)・ηo・ηt……(3) ただし、η:推進効率 ηr:プロペラ効率比 ηh:船殻効率 ηo:プロペラ単独効率 ηt:伝達効率 t:推力減少係数(0<t<1) w:伴流係数(0<w<1)
【0042】フィン4の前後方向取り付け位置は、特に
規定しないが、ビルジ渦2が最も発達するプロペラ3前
方の船体後端部に近い場所が望ましく、フィン4後方の
流れが遅くなる効果によって、推進効率が上昇するの
で、プロペラ3からあまり前方に離れた位置は望ましく
ない。
【0043】フィン4の断面形状は翼断面形状とし、ビ
ルジ渦2中心より船体1側の下降流を利用して、揚力の
前向き成分の力を得るために、下向きにキャンバ−を持
つ翼断面とする。
【0044】フィン4は、下向きにキャンバ−を持つこ
とで、前記下降流に対し良好な揚抗比を持ち、かつ所定
の揚力が得られるように、適切な迎角を設定して船体1
に取り付けられている。
【0045】フィン4により得られた揚力の前向き成分
は、推力として船体1に作用するので、船体抵抗が減少
する。
【0046】図3は、図1の平断面図(舵6は省略)で
あるが、ビルジ渦中心位置2aに、フィン翼端部4aが
位置するように、フィン4を取り付けることにより、フ
ィン4の上面4b、すなわち正圧面側からフィン4の下
面4c、すなわち負圧面側へ回り込む流れが生じ、フィ
ン翼端部4aから下流へ流れ出すビルジ渦2とは逆方向
に回転する翼端渦10が形成される。この翼端渦10の
強さがちょうどビルジ渦2と反対向きで同じ強さを持つ
ように、フィン4取り付け位置の流場に適合させて、フ
ィン4の形状を決定すれば、ビルジ渦2と翼端渦10は
打ち消し合って、フィン4よりも後方では、縦渦(船体
1の長さ方向に軸を持つビルジ渦)が存在しないように
することが可能となる。
【0047】すなわち、ビルジ渦2の回転エネルギ−を
ほぼ完全に吸収し、この回転エネルギ−をフィン4に働
く前向きの力に変換して、船舶の推進力の一部として利
用することができる。
【0048】また、フィン4の翼端部4aに翼端板や翼
端小翼(ウィングレット)を設けることにより、翼端渦
10をビルジ渦2と同程度の広い領域に拡散させ、さら
に揚抗比を上昇させることができる。
【0049】図4および図5は、フィン4の翼端部4a
に翼端板や翼端小翼を設けた場合を示す図である。図4
および図5において、(a)は斜視図、(b)は(a)
を右方向から見た(船尾方向から船首方向を見た)正面
図である。
【0050】図4に示すフィン4は、フィン4の翼端部
4aに翼端板11を設けたものである。
【0051】図5に示すフィン4は、フィン4の翼端部
4aに翼端小翼(ウィングレット)12を設けたもので
ある。
【0052】また、フィン4の平面形状は、船体1の載
貨状態の変化に対して、フィン4への流入迎角が変化す
ることに対応するために、図4および図5の(a)図に
示すように、フィン4の前縁がフィン4翼根部からフィ
ン4の翼端部4aに向けて後方に傾斜する、いわゆる後
退翼形状とする必要がある。これは、矩形翼に比べて後
退翼のほうが、より広い範囲の流入迎角の変化に対し
て、失速しにくい特性を持つことによるものである。
【0053】また、強度上の理由から、船体1へのフィ
ン4の取り付け部に近い翼根部では翼弦長を長くし、フ
ィン4の翼端部4aでは短くする必要がある。
【0054】船尾1aのプロペラ3前方の左右舷の船体
1表面上に一対のフィン4を配置した省エネルギ−船舶
において、フィン4の翼端部4aに、ビルジ渦2による
回転流れを打ち消す方向にキャンバ−の付いた補助フィ
ンを取り付けることによって、フィンの面積を増加させ
て、フィン全体の翼面荷重を軽減することにより、フィ
ン4背面(下面)の翼面流れの剥離を防止し、より有効
にビルジ渦2の運動エネルギ−を推力として回収し、船
体1の抵抗を低減するとともに、船舶の推進効率を向上
させ、船舶の省エネルギ−効果を増大させることができ
る。
【0055】また、前記補助フィンの枚数、面積は、船
型に応じて変化するビルジ渦2の強さに応じて、設定さ
れる。
【0056】ビルジ渦の中心に対してフィン4のキャン
バ−は下に凸となっているが、補助フィンはビルジ渦の
中心に対して渦の回転方向に見てフィン4と同じ側に凸
のキャンバ−を持つ。このような補助フィンを設けるこ
とにより、フィン4だけでは回収しきれなかったビルジ
渦2の運動エネルギ−を補助フィンによっても回収でき
る。
【0057】フィン4に当たったビルジ渦2の流れは、
フィン4よりも後方の位置でやや上昇する。これは、フ
ィン4に下向きのキャンバ−が付いていることにより、
フィン4への流入流れがキャンバ−に沿うように上向き
に曲げられるため、フィン4からの流出流れは、フィン
4に流入する前に比べて上向きに変化することと、フィ
ン4の翼端から流出する翼端渦の鏡像渦の上向きの誘導
速度により、渦中心が上向きに流されるためである。
【0058】そして、プロペラ3位置付近で、その中心
がプロペラ3の中心軸とほぼ一致するようになる。
【0059】このため、ビルジ渦2の回転エネルギ−
が、舵6に設けた舵付きフィン7で回収され、さらに推
力に変換される。
【0060】また、プロペラ後流の回転エネルギ−も、
ビルジ渦2の回転エネルギ−とともに、舵6に設けた舵
付きフィン7で推力に変換される。
【0061】したがって、本発明の省エネルギ−船舶の
推進効率の向上効果は、ビルジ渦2の回転エネルギ−と
プロペラ後流の回転エネルギ−のそれぞれを単独で利用
したときの効果を足し合わせた効果と同等か、それより
も大きくなる。
【0062】
【実施例】本発明の省エネルギ−船舶の省エネルギ−効
果を水槽試験によって確認した。ビルジ渦の回転エネル
ギ−を回収するフィン(以下、ビルジ渦回転エネルギ−
回収フィンという)と、プロペラ後流の回転エネルギ−
を回収する舵付きフィンとを設けた模型船を用いて水槽
試験を行い、これらのフィンを設けない場合に対する推
進馬力の低減率を求め、省エネルギ−効果を検証した。
【0063】本発明の実施例として、ビルジ渦中心のプ
ロペラ位置付近での位置が、プロペラ中心軸より下方で
ある船型を用い、比較例1および比較例2として、ビル
ジ渦中心のプロペラ位置付近での位置が、プロペラ中心
軸よりやや上方である船型を用いた。
【0064】それぞれの船型の主要目を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】実施例と比較例の船型の満載状態の設計船
速における制動馬力(BHP)を、計測結果と下記
(4)〜(9)式より求めた。
【0067】 BHP=EHP・ηr・ηo・ηh・ηt……(4) ただし、EHP:有効馬力 ηr:プロペラ効率比 ηh:船殻効率(有効馬力と推力馬力との比) ηo:プロペラ単独効率 ηt:伝達効率(主機出力軸からプロペラへの馬力の伝
達効率)
【0068】EHP=Vs・RT/75……(5) ただし、Vs:船速(m/s) RT:船の全抵抗(kg)
【0069】ηr=ηb/ηo……(6) ただし、ηo:同じ推力を出す時の均一流中のプロペラ
効率 ηb:船後状態におけるプロペラ効率
【0070】ηh=(1−t)/(1−wS)……(7) ただし、t:推力減少係数 wS:実船の伴流係数
【0071】1−t=RT/T……(8) ただし、RT:船の全抵抗 T:プロペラの推力
【0072】1−wS=Va/Vs……(9) ただし、Va:プロペラ前進速度(m/s) Vs:船速(m/s)
【0073】ビルジ渦回転エネルギ−回収フィンと舵付
きフィンの両方を設けた場合のBHPと、それぞれのフ
ィンを単独に設けた場合のBHPを、ビルジ渦回転エネ
ルギ−回収フィンおよび舵付きフィンの両方とも設けな
い場合のBHPと比較して、BHPの低減率を求めた。
実施例と比較例の船型におけるBHPの低減率を表2に
示す。
【0074】
【表2】
【0075】実施例のビルジ渦中心のプロペラ位置付近
での位置が、プロペラ中心軸より下方である船型におい
ては、ビルジ渦回転エネルギ−回収フィンと舵付きフィ
ンの両方を設けたことにより、それぞれのフィンを単独
で設けた場合の制動馬力の低減率を足し合わせた7.9
%よりも高い、8.2%の低減効果が得られる。
【0076】一方、比較例1および比較例2のビルジ渦
中心のプロペラ位置付近での位置が、プロペラ中心軸よ
りやや上方である船型では、両方のフィンを設けた場合
の制動馬力の低減率は、それぞれのフィンを単独で設け
た場合の制動馬力の低減率を足し合わせた効果よりも低
くなっている。
【0077】
【発明の効果】本発明により、船型をプロペラ位置付近
でビルジ渦中心がプロペラ中心軸よりも下方である船型
としているので、船体に取り付けたフィンにより、ビル
ジ渦の回転エネルギ−を揚力として回収し、その進行方
向成分を推力として利用できるとともに、舵に取り付け
た舵付きフィンにより、ビルジ渦の回転エネルギ−およ
びプロペラ後流の回転エネルギ−を回収し、その進行方
向成分を推力として利用することができる。
【0078】したがって、ビルジ渦の回転エネルギ−の
みを回収する場合の推進効率の上昇効果、およびプロペ
ラ後流の回転エネルギ−のみを回収する場合の推進効率
の上昇効果を足し合わせた効果と同等以上に、船舶の推
進効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の省エネルギ−船舶の一例を示す側面図
である。
【図2】本発明の省エネルギ−船舶のプロペラ位置での
ビルジ渦の渦度分布を示す図である。
【図3】舵を省略した図1の平断面図である
【図4】本発明の省エネルギ−船舶の船体に設けたフィ
ンに翼端板を設けた場合の図であり、(a)は斜視図、
(b)は(a)を右方向から見た正面図である。
【図5】本発明の省エネルギ−船舶の船体に設けたフィ
ンに翼端小翼を設けた場合の図であり、(a)は斜視
図、(b)は(a)を右方向から見た正面図である。
【図6】船舶を船底面から見た斜視図である。
【図7】従来のビルジ渦エネルギ−回収装置の説明図で
あり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図8】従来の補助フィンを有するビルジ渦エネルギ−
回収装置の側面図である。
【図9】従来のプロペラ後流の回転エネルギ−回収用船
舶用舵の説明図であり、(a)は平面図、(b)は側面
図である。
【符号の説明】
1 船体 2 ビルジ渦 3 プロペラ 4 フィン 5 縦軸 6 舵 7 舵付きフィン 8 プロペラボスキャップ 9 バルブ状の突部 10 翼端渦 11 翼端板 12 翼端小翼

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロペラ位置付近でビルジ渦中心がプロ
    ペラ中心軸よりも下方である船型であり、前記プロペラ
    前方の左右舷に、翼端部が前記ビルジ渦のほぼ中心に位
    置するとともに下向きのキャンバ−を有するフィンを各
    々1枚を有し、舵の両面から横方向に延出した舵付きフ
    ィンを有することを特徴とする省エネルギ−船舶。
  2. 【請求項2】 前記舵の前縁で、前記舵付きフィンの取
    り付け位置に、前方に突出した突部を有することを特徴
    とする請求項1に記載の省エネルギ−船舶。
  3. 【請求項3】 前記プロペラ前方の左右舷にあるフィン
    の翼端部に、ビルジ渦による回転流れを打ち消す方向に
    キャンバ−を有する補助フィンを有することを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載の省エネルギ−船舶。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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