JP2001138865A - インパクトシールド装置及び方法 - Google Patents

インパクトシールド装置及び方法

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JP2001138865A
JP2001138865A JP32461399A JP32461399A JP2001138865A JP 2001138865 A JP2001138865 A JP 2001138865A JP 32461399 A JP32461399 A JP 32461399A JP 32461399 A JP32461399 A JP 32461399A JP 2001138865 A JP2001138865 A JP 2001138865A
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impact
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waist
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Hideki Shimizu
秀輝 清水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はインパクトシールド装置及び方法に
関し、車両衝突時の幼児等を少ない衝撃で安全に拘束す
ることを課題とする。 【解決手段】 車両等の3点式シートベルト41により
背板パネル20の前面を1次的に拘束されるインパクト
シールド装置10が、背板パネルの背面側から前方に展
開する複数の補助ベルト1a〜1c等により被保護体
(幼児等)を2次的に拘束するインパクトシールド方法
であって、前記補助ベルトの内の1又は2以上が長手方
向の過重により解離して該ベルトの実効長を延長するヒ
ューズ機構部を備え、車両衝突時の被保護体の運動に応
じて過重を受けたヒューズ機構部を順次解離させること
により、被保護体が補助ベルトから受ける衝撃を段階的
に緩和する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインパクトシールド
装置及び方法に関し、更に詳しくは車両等の3点式シー
トベルトと併用して使用者(幼児,年少者等)の身体を
車両衝突時の衝撃から安全にシールド(許容の空間及び
衝撃強度以内で拘束)するインパクトシールド装置及び
その方法に関する。
【0002】今日、着用義務付けの対象となっている自
動車用シートベルトは交通事故時の被害を軽減するのに
極めて有効である。しかし、既存のシートベルトは一定
以上の体格を有する大人が使用する場合は良いが、一
方、幼児等は体格も小さく、かつ着座中でも様々に姿勢
を変えるため、いざという時にシートベルトがロックし
なかったり、又は体がシートベルトから離脱してしまう
等、シートベルトが役に立たない場合も少なくない。こ
の点、従来より所謂チャイルドシートなるものが幼児等
の被害を軽減するのに有効とされており、警察庁でも普
及に勤めると共に、この種のシートベルト補助具(チャ
イルドシート等)の装備義務付けが法制化されている。
【0003】本発明は、換言すれば運輸省の年少者自動
車補助乗車装置型式指定基準の2.4で定義される「幼
児用シート」における2.4.1及び2.8の「インパ
クトシールド」に関する。ここで、2.4の「幼児用シ
ート」とは、主として幼児を座席のベルトによって直接
拘束しないものであって、2.4.1〜2.4.4のい
ずれかによって後ろ向き又は前向きに拘束又は定着する
ようにする装置をいう。また2.4.1及び2.8の
「インパクトシールド」とは、正面衝突の際に年少者の
前方移動を制限するために、年少者の正面に取り付ける
装置をいう。また2.21において年少者の体重範囲に
応じて区分される年少者用補助乗車装置(本発明に係る
一例の製品)の対象区分はW2(9kg以上・18kg
以下)に該当する。また車両(自動車)の構造を考慮
し、座席側の基準(Z)点から測った頭部重心の移動許
容値≦600mm、膝部間接の移動許容値≦700m
m、頭部合成加速度の許容値≦785m/s2 、胸部合
成加速度の許容値≦588m/s 2 等の各基準値が明ら
かにされている。
【0004】
【従来の技術】図25,図26は従来技術を説明する図
(1),(2)で、図25は従来のチャイルドシート
(インパクトシールド装置)の一例を示している。自動
車の前部座席にチャイルドシート91を載せ、該チャイ
ルドシート91を所要(特定又は備え付け等)のシート
ベルト41で座席側に拘束(固定)する。このチャイル
ドシート91は、幼児等の股間に立設したポール部材9
3と、チャイルドシート91の背もたれから幼児等の両
肩部を回って前部に展開する2本の補助ベルト95とを
備えており、使用時には幼児等をチャイルドシート91
に座らせ、かつ補助ベルト95をポール部材先端部のバ
ックル等に連結することで、幼児等を自動車の進行方向
に対して前向きに安全に拘束できるとされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のチ
ャイルドシート91は、サイズがかさばるばかりか、座
席への固定/取り外しが容易ではない。従って、マイカ
ー等に常設する場合は良いが、他人の車やタクシー等に
乗る様な場合は容易には使用できない。また、タクシー
等の営業車にチャイルドシート91の常設を義務付ける
ことにも運用上の問題がある。
【0006】また図25は幼児等が着座した通常の状態
(点線)と、衝突により前方に飛ばされた状態(実線)
とを重ねて表している。従来のチャイルドシート91に
よると、幼児の腰部重心Bは着座した当初からD=B0
(大)の位置にあるため、インパクトシールド作用に利
用できる残空間が狭い。
【0007】また従来のチャイルドシート91による
と、シートベルト41及び補助ベルト95の各取り付け
には遊びがあるために、前方に飛ばされた幼児等はその
当初より殆ど何の抵抗も受けずに加速され、その後のD
=B1の重心位置でいきなり補助ベルト95に当接し、
該補助ベルト95により急激に減速される。また各ベル
トの取り付けに遊びが無い場合は、当初から補助ベルト
95により強く拘束され、急激に減速される。そして、
これらの時に幼児等には非常に大きな衝撃(反動)が加
わってしまう。
【0008】図26は車両衝突時の時間と速度・加速度
との関係を示している。t0のタイミングで衝突した自
動車には負の大きな加速度Aが加わるため、その速度V
を急激に減少させ、t5のタイミングで停止している。
一方、車内の幼児等には慣性により相対的に大きな正の
加速度aが加わるため、各ベルトの取り付けに遊びがあ
る場合は、軽い幼児は当初より何の抵抗も受けずにその
相対速度vを急激に上昇させてしまう。従って、補助ベ
ルト95に当接する時の初速度vが大となり、これによ
り幼児等は補助ベルト95から非常に大きな反動を受け
ていた。また各ベルトの取り付けに遊びが無い場合は、
当初から補助ベルト95により非常に大きな反動を受け
ていた。
【0009】本発明は上記従来技術の問題点に鑑みなさ
れたもので、その目的とする所は、車両衝突時の幼児等
を少ない衝撃で安全に拘束するインパクトシールド装置
及び方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題は例えば図1
の構成により解決される。即ち、本発明(1)のインパ
クトシールド装置(以下、シートベルト補助具とも呼
ぶ)は、車両等の3点式シートベルトと併用して使用者
の身体を衝突時の衝撃からシールドするインパクトシー
ルド装置において、本体背部の両肩部付近より腰部付近
に展開し、かつ曲げ方向に弾性を有する背板パネル20
と、背板パネルの背面から両肩部及び股間を回って前面
の腹部付近に展開する3点式の補助ベルト1a〜1c
と、前記補助ベルトの両肩ベルト1a,1bと股ベルト
1cとを腹部付近で着脱自在に連結する連結部材5,7
と、肩ベルト1b(1a)の肩部付近内側に設けられ、
車両等の上から展開するシートベルトを該シートベルト
から受ける衝撃によって開放可能に把持する肩ループ1
5b(15a)とを備えるものである。
【0011】本発明(1)によれば、例えば図19に示
す如く、車両等の上から展開するシートベルト41aを
肩ループ15bで把持する(に通す)構成により、車両
等の下から展開するシートベルト41bは元より、車両
等の上から展開するシートベルト41aを背板パネル2
0の前面に常に安定に交差させることが可能となり、よ
って、例えば図20に示す如く、衝突時における背板パ
ネル20の弾性反発作用が常に確実に発揮される。
【0012】また、例えば図5に示す如く肩ループ15
bが上側シートベルト41aを把持した状態で、衝突等
により幼児等の体が急激に下側に沈み込む(又は前方に
飛ばされる)と、これに伴い肩ループ15bの上半部が
上側シートベルト41aにより右上に強く引かれる結
果、その下半部の布製テープ(マジックテープ等)14
bが自動的に剥がれ、例えば図6に示す如く、肩ループ
15bが開放(15b´)される。これにより、幼児の
沈み込み運動等を無理なく可能とすると共に、最終的に
は座席から離脱時のシートベルト41の取り外し操作が
容易となる。肩ループ15aについても同様である。
【0013】また本発明(2)のインパクトシールド装
置は、例えば図16に示す如く、車両等の3点式シート
ベルトと併用して使用者の身体を衝突時の衝撃からシー
ルドするインパクトシールド装置において、本体背部の
両肩部付近より腰部付近に展開し、かつ曲げ方向に弾性
を有する背板パネル20と、背板パネルの背面から両肩
部及び股間を回って前面の腹部付近に展開する3点式の
補助ベルト1a〜1cと、前記補助ベルトの両肩ベルト
1a,1bと股ベルト1cとの間を腹部付近で着脱自在
に連結する雄雌一対の連結部材(例えば5,7の組合
せ)であって、凸板7aを有する雄型連結部材7及び前
記凸板7aを挿入される雌型連結部材5と、本体背部の
腰側付近より左右に回って腹部に展開する腰ベルト34
a,34bであって、その両側端部に前記凸板7aに嵌
め込む孔82a,82bを有する連結用金具80A,8
0Bを備えるもの、とを備えるものである。
【0014】本発明(2)によれば、例えば図18に示
す如く、本シ−トベルト補助具を装着する時は、雌形連
結部材5の下側で連結金具80A,80Bを重ね合わ
せ、これらの孔82a,82bに雄型連結部材7のラッ
チ用凸板7aを通し、雌形連結部材5に一気に押し込
む。又は予め凸板7aに連結金具80A,80Bを嵌め
込んだ状態でこれらを雌形連結部材5に一気に押し込
む。また本シ−トベルト補助具を外す時は、連結部材5
のPRESSボタンを押すと、連結部材5のバネ力又は
連結部材7の自重で連結部材7が外れ、全ベルト1c,
34a,34bが一挙に開放される。従って、極めて簡
単(単純)かつ頑丈な構造により、幼児等を確実かつ安
全に拘束/開放できる。また幼児等は、車外でも、又は
本シートベルト補助具10が既(固定的)に車両用シー
トベルト41により座席側に拘束されている状態でも、
本シートベルト補助具を容易に装着/脱着できる。
【0015】好ましくは本発明(3)においては、上記
本発明(1)又は(2)において、股ベルト1cは、そ
の長手方向の過重により解離して該股ベルトの実効長を
延長する股ヒューズ1Aを備える。
【0016】本発明(3)によれば、過重により股ヒュ
ーズ1Aが解離(ブレイク)する構成により、幼児等が
股ベルト1cから受ける衝撃を一時的に緩和できる。ま
た股ベルト1cが延長される構成により、残りのインパ
クトシールド空間において、幼児等の股間を確実に拘束
できる。
【0017】また好ましくは本発明(4)においては、
上記本発明(1)〜(3)において、本体背部の腰側付
近より左右に回って腹部に展開する腰ベルト34であっ
て、その長手方向の過重により解離して該腰ベルトの実
効長を延長する腰ヒューズ34A,34Bを有するも
の、を備える。
【0018】本発明(4)によれば、過重により腰ヒュ
ーズ34A,34Bが一斉に解離(ブレイク)する構成
により、幼児等が腰ベルト34から受ける衝撃を一時的
に緩和できる。また腰ベルト34が延長される構成によ
り、残りのインパクトシールド空間において、幼児等の
胴部を確実に拘束できる。
【0019】また好ましくは本発明(5)においては、
上記本発明(1)において、例えば図5に示す如く、肩
ループ15bは、肩ベルト1bに沿って展開するベルト
素片12bの一端を肩ベルトとは逆方向に1回転半させ
て半二重の環となし、その一重側の上半部を肩ベルト1
bの内側に固定(縫製等)し、かつ二重側の下半部を布
製テープ14bで相互に着脱自在に接着したものであ
る。
【0020】本発明(5)によれば、肩ループ15bの
下半部(二重側)を布製テープ14bで相互に着脱自在
に接着する構成により、その上半部(一重側)がシート
ベルト41aにより上側に強く引かれると、布製テープ
14bが剥がれ、肩ループ15bが自動的に開放され
る。従って、使用者は容易にシートベルトを外せる。肩
ループ15aについても同様である。
【0021】また好ましくは本発明(6)においては、
上記本発明(5)において、例えば図1,図5に示す如
く、肩ループ15bの開放側端部が手動操作により外部
に引き出し可能に構成されている。
【0022】本発明(6)によれば、使用者が肩ループ
15bの端部(引出用ループ51b)を外部に引き出す
と、布製テープ14bが捩じれて剥がれ、肩ループ15
bが開放される。従って、使用者はいかなる場合でも容
易に肩ループ15bを開放できる。肩ループ15aにつ
いても同様である。
【0023】また好ましくは本発明(7)においては、
上記本発明(1)又は(2)において、例えば図13〜
図15に示す如く、背板パネル20、両肩ベルト1a,
1b、股ベルト1c及び又は連結部材5,7の各内側に
クッション性の弾性発砲樹脂等を芯材とする衝撃緩和パ
ッド42を備える。従って、背板パネル20や各ベルト
1a〜1cから受ける衝撃や摩擦を有効に緩和できる。
【0024】また本発明(8)のインパクトシールド方
法は、車両等の3点式シートベルトにより背板パネルの
前面を1次的に拘束されるインパクトシールド装置が、
前記背板パネルの背面側から前方に展開する複数の補助
ベルトにより被保護体(幼児等)を2次的に拘束するイ
ンパクトシールド方法であって、前記補助ベルトの内の
1又は2以上が、長手方向の過重により解離して該ベル
トの実効長を延長するヒューズ機構部を備え、車両衝突
時の被保護体の運動に応じて過重を受けたヒューズ機構
部を順次解離させることにより、被保護体が補助ベルト
から受ける衝撃を段階的に緩和するものである。
【0025】本発明(8)によれば、車両等の衝突によ
り前方に飛ばされる被保護体(幼児等)を、従来の様に
補助ベルトにより急激に止めるのではなく、被保護体が
補助ベルトから受ける衝撃を適宜に緩和しつつ被保護体
を徐々に減速させて後、止める方法により、最終的に小
さな衝撃で被保護体を安全に拘束(インパクトシール
ド)できる。
【0026】また本発明(9)のインパクトシールド方
法は、車両等の3点式シートベルトにより1次的に拘束
される請求項1に記載のインパクトシールド装置が被保
護体(幼児等)を2次的に拘束するインパクトシールド
方法であって、例えば図19に示す如く、3点式シート
ベルト41の上側ベルト41aを肩ループ15bに通す
ことで該3点式シートベルト41が背板パネル20をそ
の前面で安定に交差する様に拘束すると共に、例えば図
20,図21(A)に示す如く、車両衝突時の各ベルト
(シートベルト41,両肩ベルト1a,1b及び股ベル
ト1c)に加わる衝撃を背板パネル20の弾性反発作用
により緩和するものである。
【0027】好ましくは本発明(10)においては、上
記本発明(9)において、例えば図21(B)に示す如
く、被保護体の沈み込み運動に応じて肩ループ15bを
開放し、被保護体の沈み込み運動を許容する。これによ
り、幼児等の背骨や股間が受ける衝撃を一時的に緩和で
きる。
【0028】また好ましくは本発明(11)において
は、上記本発明(9)又は(10)において、例えば図
22(A)に示す如く、股ベルト1cは請求項3に記載
の股ヒューズ1Aを備え、該股ベルト1cに加わる過重
により股ヒューズ1Aを開放することで、被保護体が股
ベルト1cから受ける衝撃を緩和する。
【0029】なお、上記股ヒューズ1Aが開放される
と、幼児等の体(腰)は一瞬前方に加速され、同時に股
ベルト1cは幼児等の沈み込みを軽減しながら、かつ肩
ベルト1a,1bはその頭部と胸部を後方に引き戻し、
これにより幼児等は幾分後傾姿勢となる。
【0030】また好ましくは本発明(12)において
は、上記本発明(9)〜(11)において、例えば図2
2(B)に示す如く、請求項4に記載の腰ベルト34を
備え、該腰ベルト34に加わる過重により腰ヒューズ3
4A,34Bを開放することで、被保護体が腰ベルト3
4から受ける衝撃を緩和する。
【0031】なお、上記腰ヒューズ34A,34Bが開
放されると、更に腰が一瞬前方に加速され、同時に肩ベ
ルト1a,1bは幼児等の頭部と胸部を後方に引き戻
す。こうして、各段のヒューズ開放と共に、幼児等の姿
勢は衝撃に対してより安全な後傾姿勢に保たれる。
【0032】また好ましくは本発明(13)において
は、上記本発明(9)〜(12)において、例えば図2
3に示す如く、上記各段の衝撃緩和作用を伴って適宜の
大きさに減速(加速)された後の被保護体をインパクト
シールド装置10の全体構造(背板パネル,補助ベルト
等)により所要の空間及び衝撃強度内で安全に拘束する
ものである。
【0033】本発明(13)によれば、有限のインパク
トシールド空間を有効に利用し、被保護体が受ける衝撃
を適宜に緩和しつつ、被保護体を徐々に減速させて後、
インパクトシールド装置10の全体構造により完全に拘
束する方法により、従来よりも十分に小さい衝撃(反
動)で被保護体を安全に拘束(インパクトシールド)で
きる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に従って本発明に
好適なる複数の実施の形態を詳細に説明する。なお、全
図を通して同一符号は同一又は相当部分を示すものとす
る。
【0035】図1は実施の形態によるシートベルト補助
具(インパクトシールド装置に相当)の正面斜視図であ
る。このシートベルト補助具の骨格的構造をなすベルト
1は、本体背部の腰側付近より右(図に向かって左)肩
部1aを回って前面の腹部付近で反転され、かつ左肩部
1bを回って背部の腰側付近で自己と結合(縫製,鋲止
め等)され、更に本体下部の股間1cを回って前面の腹
部付近に展開しており、この様なベルト1の腹部におけ
る上記反転部と股間を回って前面の腹部付近に展開する
端部付近とに着脱自在な雄雌一対の連結部材7,5を備
える。
【0036】一例の連結部材5,7はワンタッチ挿入/
ワンプッシュ自動離脱型となっており、雌型連結部材5
に雄型連結部材7を押し込むと連結(ロック)し、また
雌型連結部材5のボタンを押すと内部のロックが外れ、
かつ内部バネの作用により雄型連結部材7が勢い良く外
部に押し出される。
【0037】更に、本体背部の腰側付近から左右に展開
して使用者の腰から腹/胸部の周囲(胴部)を拘束する
ための腰ベルト34a,34bを備え、該腰ベルト34
の実効長は調節可能になっている。また腰ベルト34の
前側部は、連結部材5の裏側付近でベルト1に縫製等さ
れた把持ベルト52により把持され、両肩ベルト1a,
1bと共に使用者の上半身を安定に拘束する。
【0038】また、肩ベルト1a,1bの内側には、車
両等の上側から展開するシートベルト41aを把持し
て、このシートベルト補助具10を座席側に安定に拘束
させるための肩ループ(ベルト通し孔)15a,15b
を備える。好ましくは、肩ループ15aは車両の右(図
に向かって左)上から展開するシートベルト41aの一
部を安定に把持し、また肩ループ15bは車両の左(図
に向かって右)上から展開するシートベルト41aの一
部を安定に把持する様に用いられる。更に、肩ループ1
5a,15bの各端部にはループ状の肩ループ解離ベル
ト51a,51bが設けられており、非常時には肩ルー
プ解離ベルト51a/51bを手で外側に引くことで肩
ループ15a/15bが開放され、シートベルト41a
(41b)をシートベルト補助具から容易に取り外せ
る。即ち、シートベルト41を外す操作は通常の大人の
場合と同様である。
【0039】更に、本体10の背部には曲げに対して強
い弾性を有する板状部材(背板パネル)20が埋設され
ており、この背板パネル20はベルト1a〜1cと共に
このシートベルト補助具の骨格的構造をなしている。こ
の背板パネル20は、その通常時には使用者(幼児等)
を安全かつ自由な前向きの姿勢で着座させ、また車両等
の衝突時には、使用者の体を横転させない等、安全な着
座姿勢を維持させると共に、各ベルト41,1が互いに
交差する背板パネル20が弓なりに曲がることで、使用
者がベルト1a〜1cから受ける衝撃を1次的に緩和す
る。
【0040】更に、股ベルト1cの根元付近には股ヒュ
ーズ1Aが、また腰ベルト34の根元付近には左右対称
な位置に腰ヒューズ34A,34Bが夫々設けられ、こ
れらは車両の衝突等により使用者の体(腰部)が前方に
投げ出される時に、各ヒューズ(縫製糸等)がブレイク
することで、使用者が各ベルトから受ける衝撃(過重)
を緩和(吸収)する。
【0041】図2は実施の形態によるシートベルト補助
具の側面図である。上記の如く腰ベルト34の前側部は
把持ベルト52により把持されている。把持ベルト52
は短尺のベルト素辺を折り返し、その両端部を肩ベルト
1a又は1b側に縫製等して構成される。又は折り返し
た一方の端部を肩ベルト1aに、かつ他方を肩ベルト1
bに夫々縫製等しても良い。
【0042】挿入図(a)に背板パネル20の断面図を
示す。背板パネル(弾性構造物)20は、中間の比較的
剛性でかつ曲げに対して強弾性(強い曲げ応力)を有す
る板状部材24が、その前後の比較的柔軟(容易には割
れない、かつ難燃性)な板状部材22a,22bにより
サンドイッチされ、これらが3つのリベット26により
圧接・固定された構造を備える。背板パネル20は、そ
の周囲を堅固で難燃性のカバー28により覆われ、かつ
その背面側を両肩ベルト1a,1bによって堅固に支持
されている。従って、肩ベルト1a,1bに強い衝撃
(張力)が加わっても、該ベルト1a,1bが背板パネ
ル20から外れる様なことはない。
【0043】図3はシートベルト補助具の背面図であ
る。股ベルト1cの根元付近には股ヒューズ1Aが、ま
た腰ベルト34a,34bの根元付近には腰ヒューズ3
4A,34Bが夫々設けられている。また一例の背板パ
ネル20は略逆台形をなしており、その左右の両辺が夫
々肩ベルト1b,1aにより紙面の裏方向に支持される
構造となっている。
【0044】図4はシートベルト補助具本体部の製法を
説明する図で、以下の説明は例えば3歳児(体重15K
g程度)への適用例を想定している。図4(A)におい
て、シートベルト補助具10の骨格的構造をなす長尺の
ベルト1を用意する。図に一例の寸法(単位mm)を付
記する。ベルト1は自動車用シートベルト41と同等又
はこれに準じた素材で良い。以下、ベルト1の両端部を
A,B点、その中間部をC,D,D´点等と呼ぶことが
ある。各点を境にして股ベルト1c、両肩ベルト1a,
1b、及び肩ループ15bを形成するための肩ループベ
ルト12bに各相当する部分が存在する。この肩ループ
ベルト12bに加え、別途に肩ループ15aを形成する
ための肩ループベルト12aが用意される。
【0045】図4(B)において、ベルト1をC点で折
り返して両肩ベルト1a,1b、股ベルト1c、及び肩
ループベルト12bの各部分を構成する。図4(C)に
おいて、ベルト1のC点は雌型連結部材5のベルト取付
用開口部に通して折り返される。肩ループベルト12b
は肩ベルト1bの方向に折り返され、その端部は後述の
肩ループ15bを構成する様に加工される。またベルト
1の結合部(D,D´点)には肩ループベルト12aの
一端を縫製等し、その他端は肩ループ15aを構成する
様に加工される。股ベルト1cの根元根付近には股ヒュ
ーズ1Aを設ける。更に、股ベルト1cの先端部を雄型
連結部材7の取付用開口部に通(巻回)し、かつ股ベル
ト1cの実効長が調節可能となる様に処理する。
【0046】図5,図6は肩ループを説明する図
(1),(2)で、図5は肩ループ15bが閉じた状態
を示している。図に一例の寸法(単位mm)を付記す
る。ベルト1はD´点で折り返されて肩ループベルト1
2bとなる。肩ループベルト12bは肩ベルト1bに沿
ってまずは縫製されずに肩部1bの前側(胸部)付近に
まで展開され、ここで肩ベルト1bの側に折り返され、
かつ該肩ベルト1bに沿って本体背部の上側(背板パネ
ル20の上端側)にまで展開される。更に、肩ループベ
ルト12bはここで環の内側に折り返され、その先端部
は前記肩ループベルト12bの胸部付近における折り返
し部分にまで展開され、こうしてシートベルト41aを
把持するための肩ループ(環状部)15bが形成され
る。
【0047】更に、この環状部15bの上側半分は肩ベ
ルト1bに縫製等され、一方、その下側半分(肩ループ
ベルト12bの先端部)は自由にされている。そして、
この下側半分の外側面と、肩ループベルト12bの内の
前記外側面と相対する面とには一対のマジックテープ
(商標名)14bが図示の範囲で縫製等されている。な
お、マジックテープ14bはフック状とパイル状の2枚
のテープを噛み合わせることで着脱自在に構成された布
製テープである。更に、こうして3重(一回半)に巻回
された肩ループベルト12bの内の最も下層のベルトの
外側面には後述の衝撃緩和パッド42を着脱自在に取り
付けるためのマジックテープ32bの一方が図示の範囲
で縫製等されている。こうして、本シートベルト補助具
10の不使用時には、マジックテープ14bを接着する
ことで肩ループ15b及び肩ループベルト12bは肩ベ
ルト1bと略同じ形状に保たれ、邪魔にはならない。
【0048】図6は肩ループ15bを開いた状態を示し
ている。本シートベルト補助具の使用時には、まず肩ル
ープベルト12bの中間部を手で握って下向きに引き、
マジックテープ14bを剥がす。すると、肩ループ15
bが開放され、肩ベルト1bとの間に大きな開口空間1
5b´が形成される。この空間15b´に車両の左(図
の手前)上下から展開する一対のシートベルト41a,
41bを先端のバックルと共に通し、この内の上側シー
トベルト41aを肩ループ15bの背側(好ましくは、
肩部センターラインCLの後ろ側50mm程度の範囲
内)に位置させた状態で肩ループ15bを閉じ、マジッ
クテープ14bを接着する。
【0049】図5に戻り、上記操作により上側シートベ
ルト41aは肩ループ15bにより安定に把持される。
一方、下側シートベルト41bは背板パネル20と肩ル
ープベルト12bとの間の自然な位置(但し、D´点を
越えない範囲内)にセットされる。かくして、上記簡単
な操作によりシートベルト41をシートベルト補助具1
0の背板パネル20に確実にセットできる。
【0050】また係る拘束態勢において、車両等の衝突
時には、幼児等が前方(斜め下方)に飛ばされる反動に
より、上側シートベルト41aの把持部には矢印a方向
の強い力が働き、通常はこの衝撃によってマジックテー
プ14bが自動的に剥がれる。即ち、肩ループ15bが
開放される。肩ループ15bが開放されると、図6の状
態となるため、後は使用者は通常に従ってシートベルト
41を外すだけで良く、座席から容易に離脱できる。な
お、以上のことは肩ループ15aについても同様であ
る。
【0051】図7は股ベルトを説明する図で、図7
(A)は股ヒューズ1Aの製法を示している。ベルト1
のD点付近において、股ベルト1cをその中心線CL2
が本体背部の中心線CL1と略平行となる方向に折り返
すと、該折り返し部分には図示の如く相対する面の重な
り領域(図の網点で示す領域)Pが形成される。この重
なり領域Pの部分に例えばポリエステル系の糸(太さ1
〜6番等)を使用して前記中心線CL2とは垂直となる
方向に複数段の縫製を行う。縫製後の股ベルト1cは最
上部の縫製線を境にして矢印a(紙面の手前)側に展開
され、こうして股ヒューズ1Aが形成される。各縫製線
は中心線CL2(CL1)と鉛直な方向に設けることに
より各段のブレイク抵抗が最大となる。また各段のブレ
イク抵抗により使用者が股ベルト1cから受けている強
い衝撃を瞬時段階的に緩和できる。
【0052】なお、縫製用ミシンの都合等により中心線
CL2と平行な方向にも縫製が行われ得る。また実際に
縫製するのは図の縦方向に例えば60mmの範囲を越え
ない。こうすれば股ヒューズ1Aが剥がれても股ベルト
1cが延びる分は60mm以内となり、使用者の体を安
全な範囲内で拘束できる。また図の最下部の縫製線は、
好ましくは股ベルト1cの折り返し端部から例えば10
mm以上離れている。これ以下であると、その部分の縫
製線が完全にはブレイクしない場合があり、ヒューズと
しての機能を十分には発揮できないからである。
【0053】また、股ヒューズ1Aは、上記縫製以外に
も、適当な張力(過重)で解離する他の様々な方法(リ
ベット止め,ホッチキス止め,接着止め、これらの組合
せ等)により形成可能である。また股ベルト1cの延長
が許される範囲内で股ヒューズ1Aが2重に設けられて
いても良い。またこの様なヒューズベルト部は必要なら
両肩ベルト1a,1b上に設けても良い。
【0054】図7(B)は股ベルト1cの端部の処理方
法を示している。股ベルト1cはアンカー部材30を通
って後、雌型連結部材7の取り付けバーの周りで折り返
され、かつ再度アンカー部材30に巻回されて後、自己
の折り返し部分に縫製等されている。従って、このアン
カー部材30の位置をずらすことで股ベルト1cの実効
長を調節可能である。なお、上記腰ベルト34を把持ベ
ルト52で把持する代わりに、図の点線で示す如く、腰
ベルト34を股ベルト1cの環で把持する様にしても良
い。
【0055】図8は腰ベルトを説明する図で、図8
(A)はそのベルト素材34の平面図を示している。図
に一例の寸法(単位mm)を付記する。ここで34A,
34Bは腰ヒューズ34A,34Bが構成される部分で
ある。図8(B)は腰ベルト34の背面斜視図を示して
いる。ベルト素材34は全体として環状に処理され、そ
の背側の中央部付近には左右対称な位置に腰ヒューズ3
4A,34Bが設けられる。各腰ヒューズ34A,34
Bの折り重ね部(縫製部)の長さは例えば25mmとす
る。従って、腰ヒューズ34A,34Bが共に解離した
時のトータルの延長長は50mm以内であり、よって使
用者の体を安全な範囲内に拘束できる。
【0056】腰ベルト34のうち、左右に展開する部分
を腰ベルト34b,34aとも呼ぶ。腰ベルト34bの
端部はバックル38の一方の取り付け部に巻回されてそ
の折り返し部に縫製等される。また腰ベルト34aの端
部は一旦アンカー部材36を通って後、バックル38の
他方の取り付け部で折り返され、かつ再度アンカー部材
36に巻回されて後、自己の折り返し部分に縫製等され
る。これにより腰ベルト34の実効長を調節可能であ
る。図8(C)は腰ベルト34のバックル38からアン
カー部材36に至る部分の正面図を示している。
【0057】図9は背板パネルを説明する図で、図9
(A)はその正面図、図8(B)はその一部側断面図で
ある。図に一例の寸法(単位mm)を付記する。中間の
板状部材24はABS樹脂等のプラスチック材、その前
後の板状部材22a,22bはポリプロピレン樹脂等の
プラスチック材からなり、これら3枚の板状部材を重ね
合わせて3点をアルミのリベット止めにする。鋼板と同
性能を持つ2mmのABS樹脂板24を芯材として、A
BS樹脂の破断防止を兼ねる2mmの弾力性と耐摩擦性
に富んだPP樹脂板22a,22bを表裏に重ね合わ
せ、アルミのリベットで止めた3枚のプラスチック板
は、板バネとしての強い曲げ弾性と、柔軟性とを兼ね備
える。
【0058】図10はヒューズベルト部の縫製方法を説
明する図で、図10(A)は股ヒューズの一例の縫製パ
ターンを示している。股ベルト1cの折り返し部分の全
長を60mmとすると、この折り返し部の下端から長さ
L(例えば10mm)の範囲を除いた残りの部分に4つ
の縫製線が等間隔で設けられる。縫製糸としては強靱な
ポリエステル系等を使用し、例えば太めの1〜6番等を
使用している。一例の縫製パターンは自動縫製ミシンに
より一筆書きで縫製できるものである。なお、縫製線の
段数や間隔は他にも様々に選択でき、縫製線の間隔は等
間隔とは限らない。
【0059】図10(B)は腰ヒューズ34A,34B
の一例の縫製パターンを示している。腰ベルト34の各
折り返し部分の全長を夫々25mmとすると、この折り
返し部分の下端から長さL(例えば10mm)の範囲を
除いた残りの部分に4つの縫製線が等間隔で設けられて
いる。縫製糸としては例えばポリエステル系の太さ1〜
6番等を使用する。なお、縫製線の段数,間隔,ミシン
目のピッチ等は他にも様々に選択でき、縫製線の間隔は
等間隔とは限らない。
【0060】図11はその他の部分の縫製方法を説明す
る図で、図11(A)はベルトのバックル,アンカー等
への取り付け部分の縫製パターンを示している。例えば
腰ベルト34の折り重ね部分の端部では、この部分が剥
がれない様に、略ベルト幅一杯に縫製を行う。一方、バ
ックル38等に近い側では、この例では内部のベルト取
り付け金具が小さいこと等により、この部分に巻回すベ
ルト幅が狭められることを考慮し、本来のベルト34の
幅よりも幾分狭い幅で、この部分を多段にかつ堅固に縫
製している。また縫製糸としては例えばポリエステル系
の太さ6番等を使用する。
【0061】図11(B)はベルト1のD,D´点にお
ける一例の縫製パターンを示しており、この部分には複
数枚のベルトが重なっている。即ち、図の背後では肩ベ
ルト1bが股ベルト1cの側に展開している。またその
上には肩ベルト1aの一部が重なっており、かつ該肩ベ
ルト1aはD点で折り返されて肩ループベルト12bと
なり、図の右上方向に展開している。更にまた肩ベルト
1aと同じ方向にもう一つの肩ループベルト12a(不
図示)を重ねる。更にこれらの交差部分に腰ベルト34
を重ねる。好ましくは、腰ベルト34を他のベルトで挟
まれる様な中間部に重ねる。図は腰ベルト34を肩ベル
ト1aから肩ループベルト12bへの折り返し部分に挟
み込んだ状態を示している。他にも肩ベルト1bと肩ベ
ルト1aとの間に挟み込んでも良い。また、この部分の
縫製は縦横に交差させて行うことで強い縫製強度が得ら
れ、かつこうすることでベルト生地の縦裂け防止にも効
果がある。因みに、図の例では縦横共にジグザグに縫製
している。また縫製糸としては例えばポリエステル系の
太さ1〜6番等を使用する。なお、上記以外の一般的な
縫製部分については例えばポリエステル系の太さ8番等
の縫製糸を使用できる。
【0062】以上、シートベルト補助具10についての
詳細構成を述べたが、以下に安全保安上の重要事項に関
する説明を補足しておく。上記背板パネル20に関し
て、ABS樹脂(2mm)板24を芯材としてその表裏
にPP樹脂(2mm)板22a,22bを重ね合わせる
際の3点リベッター止めは、安全保安上の重要事項であ
る。また図5に示す肩ループ15bの長さは約120m
mとし、その内の100mm(衝突衝撃解離寸法として
重要事項)には例えば強粘着性のマジックテープ14b
を使用する。マジックテープ14bの縫製糸は例えば太
さ30番等を使用する。更に、肩ループ上半部を肩ベル
ト1bに縫製する際の長手方向両端部における二重縫い
(図1,図5参照)は重要である。
【0063】また本発明によるヒューズ機構部(股ヒュ
ーズ1A,腰ヒューズ34A,34B)は、安全のため
の重要な要素であり、そのコンピュータ縫製には例えば
太さ1番の指定撚り糸を使用し、指定パターンの縫製誤
差は±5mmを限界とする。またヒューズベルトの折り
誤差は±5mmを限界とし、コンピュータ縫製時の縫製
糸の端末処理は5針の返し縫いを設定する。更に、コン
ピュータミシンの上糸と下糸の調整によって縫製強度が
変化する為、必ず事前調整を行う。更に、ベルト全体の
強度は安全保安箇所(ヒューズ機構部等)の各部分の精
度によって保たれる為、縫製開始と縫製終了の誤差も±
5mmを限界として設定する。その他、背板パネル20
の袋縫製には太さ8番等の縫製糸を使用し、コンピュー
タ縫製の太さ1番の縫製糸には指定の撚り糸を使用す
る。また安全保安部分(ヒューズ機構部等)の縫製は指
定パターンとする。
【0064】図12は実施の形態による衝撃緩和パッド
を説明する図で、図12(A)はその正面図,図12
(B)は側面図である。図に一例の寸法(単位mm)を
付記する。衝撃緩和パッド42は使用者とシートベルト
補助具10との間に介在して使用者が補助ベルトから受
ける衝撃や摩擦を緩和するもので、複数のパッド部品の
結合からなっている。71は連結部材5,7の前面をカ
バーするカバーパッド、72は連結部材5,7の内側
(使用者の胸/腹部)を保護する腹パッド、71A,7
1Bはカバーパッド71を腹パッド72に固定するため
の耳部で、双方にはマジックテープが縫製されている。
更に、73a,73bは肩ベルト1a,1bに沿って展
開し、使用者の背,両肩及び胸部を保護する肩パッド、
74は腰ベルト34a,34b及び股ベルト1cに沿っ
て3方に展開し、使用者の腰,胴部及び股間を保護する
胴パッドである。
【0065】各パッド部品の内部はゴムやスポンジ等の
弾力性部材からなっており、その周囲は不燃性の布等に
より覆われ、かつその周囲辺をパイピング処理されてい
る。更に各パッド部品の間を短尺の布素片等によりフレ
キシブルな態様で結合し、全体として一つの衝撃緩和パ
ッド42となしている。更に、肩パッド73a,73b
の裏面にはマジックテープ(雄側)32a,32bが縫
製等され、これらを図1のマジックテープ(雌側)32
a,32bに夫々接着することで、衝撃緩和パッド42
をシートベルト補助具10に装着する。
【0066】更に、胴パッド74の外側には胴パッドカ
バー75が設けられ、これにより3方に展開する腰ベル
ト34a,34b及び股ベルト1cを胴パッド74に安
定に位置させる。即ち、この胴パッドカバー75には切
込部75a,75b,75cが設けられ、ここから腰ヒ
ューズ34A,34B及び股ヒューズ1Aを外部に引き
出せる。更に胴パッド74の裏面及び胴パッドカバー7
5の表面には両者を接着するための各一対のマジックテ
ープ76a〜76cが設けられる。マジックテープ76
a〜76cは腰ベルト34a,34b及び股ベルト1c
より大きい長さを有しており、これらの中央部に各ベル
トを挟み込んで接着できる態様となっている。なお、胴
パッド74と胴パッドカバー75とは、上記マジックテ
ープで接着する方法に代え、予め一体化して縫製等する
様に構成しても良い。
【0067】図13は衝撃緩和パッドを装着した状態の
正面斜視図、図14はその側面図、図15はその背面図
である。図13において、衝撃緩和パッド42は使用者
の身体各部と肩ベルト1a,1b、股ベルト1c及び腰
ベルト34a,34bとの間にセットされ、使用者をベ
ルトから受ける衝撃、摩擦から保護する。
【0068】ところで、非常時の座席から脱出する際に
使用者等が操作するのは、大人と同様に既存のシートベ
ルト(バックル等)41である。即ち、幼児等は基本的
には本シートベルト補助具を着用したまま、シートベル
ト41から開放され、外部に脱出する。この時、本来の
操作対象であるシートベルト41のバックル以外に、本
シートベルト補助具の連結部材(バックル)5,7が見
えていると、操作対象を間違え易い。そこで、カバーパ
ッド71は連結部材5,7が外部から見えない様にする
機能も有する。
【0069】図14において、衝撃緩和パッド42の全
体はマジックテープ32b(32a)で肩ベルト1b
(1a)の内側に接着される。また股部ではマジックテ
ープ36cで股ベルト1cを挟み込み、かつ腰部ではマ
ジックテープ76a,76bで腰ベルト34a,34b
を挟み込んでいる。この状態で、腹パッド72は連結部
材5,7の内側に介在し、使用者の胸/腹を連結部材
5,7の衝撃から保護する。また、表面のカバーパッド
71が連結部材5,7を覆い、その下端側は耳部71B
(71A)により腹パッド72の側に接着される。
【0070】図15において、腰ベルト34a,34b
はマジックテープ76a,76bにより安定に把持され
ており、この状態で、胴パッドカバー75の各切込部7
5a〜75cからは腰ヒューズ34A,34B及び股ヒ
ューズ1Aが外部に露出している。従って、使用者はヒ
ューズ34A,34B,1Aが使用済(解離している)
か否かを外部から容易に確認できる。なお、上記シート
ベルト補助具本体部10と衝撃緩和パッド42とがセパ
レート型の場合を述べたが、これらを始めから一体型に
構成しても良い。
【0071】図16は他の実施の形態によるシートベル
ト補助具を説明する図で、該シートベルト補助具の前面
腹部に3点式の連結部材(バックル)を備える場合を示
している。図16(A)はその正面斜視図である。この
腰ベルト34a,34bは図示の如く本体前面腹部にお
いて着脱自在となる様に2分されている。従って、幼児
等は、車外でも、又は本シートベルト補助具10が既
(固定的)に車両用シートベルト41により座席側に拘
束されている状態でも、本シートベルト補助具10を容
易に装着/脱着できる。
【0072】この連結部材5,7は上記図1で述べた1
点式のものと同様で良い。好ましくは市販の既に信頼性
の実証された連結部材5,7を使用する。本実施の形態
では腰ベルト34a,34bの先端部に単純かつ堅牢な
構造の連結部材(金具)80A,80Bを備え、これら
の孔に雄型連結部材7のラッチ用凸板7aを通すこと
で、連結部材7,80A,80Bの全体を雌型連結部材
5に一挙にラッチロック/アンロック可能とする。な
お、3個の連結部材7,80A,80Bを雌型連結部材
5に着脱自在に連結できると言う意味でこれらの全体を
3点式バックルとも称す。
【0073】腰ベルト34の処理方法を言うと、腰ベル
ト34aの端部は一旦アンカー部材36aを通って後、
連結部材80Aのベルト取付部で折り返され、かつ再度
アンカー部材36aに巻回されて後、自己の折り返し部
分に縫製等される。同様にして、腰ベルト34bの端部
は一旦アンカー部材36bを通って後、連結部材80B
のベルト取付部で折り返され、かつ再度アンカー部材3
6bに巻回されて後、自己の折り返し部分に縫製等され
る。これにより腰ベルト34a,34bの各実効長を、
好ましくは夫々が同一長となるように調節可能である。
またこの腰ベルト34a,34bの各根元にはベルトヒ
ューズ34A,34Bが設けられている。その他の構成
については上記図1で述べたものと同様で良い。なお、
このシートベルト補助具10には上記図12で述べた衝
撃緩和パッド42を装着可能である。
【0074】図16(B)に連結部材80A,80Bの
斜視図を示す。81a,81bは連結時に互いの面を重
ね合わせる連結部、82a,82bは雄型連結部材7の
ラッチ用凸板7aを通すための孔、83a,83bは腰
ベルト34a,34bを巻回すためのベルト取付部(ア
ンカー部)である。
【0075】図17,図18は3点式連結部材(バック
ル)の説明図(1),(2)で、図17(A),(B)
は連結部材80B,80Aの一例の寸法(単位mm)を
示している。またこの図17(A),(B)において、
夫々の図(a)は平面図、図(b)は下側から見た側面
図である。連結部材80の素材としては例えば厚さ1.
2〜1.5mm(この例では1.5mm)の金属板(焼
き入れ鋼板等)を使用し、最終製品の表面はクロムメッ
キ仕上げとなっている。連結部材80B,80Aの形状
は、基本的には図示の如く左右対称であるが、連結部8
1aの高さ(23mm)が連結部81bの高さ(21,
5mm)よりも幾分高くなっている。これは、図17
(B)−(a)の連結部材80Aを図17(A)−
(a)の連結部材80Bの後ろ側に重ね合わせて使用す
ることを考慮したものである。好ましくは、連結部81
a,81bの高さは、連結部材5,7の高さと同程度か
それ以下に設けられ、よって幼児等に衝撃を与えること
は無い。
【0076】なお、図17に腰ベルト34の巻回し方を
示す。図17(A)において、腰ベルト34bの端部を
ベルト取付部83bの裏側から孔,,の順で通し
て折り返し、再度孔を通して外部に引き出す。この巻
回し構造により腰ベルト34bの実効長(設定長)は確
実に維持され、衝撃時の幼児等を確実に拘束する。図1
7(B)の腰ベルト34aについても同様である。
【0077】図18は3点式バックルの使用態様を示
し、図18(A)は3点式バックルの平面図、図18
(B)は下側から見た連結部材80A,80Bの側面図
である。本シ−トベルト補助具を装着する時は、雌形連
結部材5の下側で連結部材80A,80Bを重ね合わ
せ、これらの孔82a,82bに雄型連結部材7のラッ
チ用凸板7aを通し、雌形連結部材5に一気に押し込
む。又は予めラッチ用凸板7aに連結部材80A,80
Bを嵌め込んだ状態でこれらを雌形連結部材5に一気に
押し込む。これにより3点式バックルがロックされる。
また本シ−トベルト補助具を外す時は、連結部材5のP
RESSボタンを押すと、連結部材5のバネ力又は連結
部材7の自重で連結部材7が外れ、全ベルト1c,34
a,34bが一挙に開放される。かくして、本実施の形
態によれば、極めて簡単(単純)かつ頑丈な構造によ
り、幼児等を確実かつ安全に拘束/開放できる。
【0078】図19,図20はシートベルト補助具の使
用態様を説明する図(1),(2)で、図19は通常時
の使用態様を示している。図19(A)において、使用
者(幼児等)はシートベルト補助具を着用し、自動車の
前部左側座席に座っている。この時、3点式の上側シー
トベルト41aは本体背部の肩ループ15bの内側を通
り、また下側シートベルト41bは背板パネル20と肩
ループベルト12bの間を通って座席(図)の手前側に
展開し、その先端の連結部材(バックル)43が車両の
床から展開する連結部材(バックル)45にラッチして
いる。なお、この時、好ましくはシートベルト41a,
41bを共に背板パネル20と肩ループベルト12aと
の間にも通す。
【0079】図19(B)に主要なベルトの位置関係を
示す。シートベルト41a,41bは背板パネル20を
挟んで背面に展開する肩ベルト1a,1bと一定の姿勢
で絡んでおり、これにより、まずは既存のシートベルト
41a,41bが背板パネル20を一次的に拘束し、か
つその背面に展開するベルト1a〜1cが使用者の体を
両肩部及び股間の3点で二次的に拘束する関係となる。
【0080】この時、自動車の上側シートベルト41a
は肩ループ15bに把持されることで背板パネル20の
上半分を斜めに横切っており、かつ下側シートベルト4
1bは肩ループベルト12bの内側に位置されることで
背板パネル20の下半分を横方向に横切っている。一
方、骨格ベルト1a〜1cは背板パネル20の背面側を
前向きに支持すると共に、各ベルト1a〜1cは使用者
のボディーを安全な前向きの姿勢で拘束している。係る
拘束下では、幼児等はある程度自由に姿勢を変えられる
と共に、姿勢を変えてもこの安全な拘束姿勢は安定に維
持される。
【0081】図20は車両衝突時のシートベルト補助具
の一作動状態を示している。図20(A)において、車
両等が衝突すると、幼児等は自己の慣性により前方に投
げ出され、幼児等を拘束する両肩ベルト1a,1b及び
股ベルト1cには図20(B)に示す様な強い前向きの
力Fa〜Fcが働く。この時、背板パネル20はシート
ベルト41のロック作用(又は予めアンカー金具等の使
用によりシートベルト41を延び切った状態でロックし
ておく方法)により瞬時に座席側に拘束され、その結
果、背板パネル20は図示の如く大きく湾曲し、まず曲
げ弾性により幼児等が補助ベルト1a〜1cから受ける
衝撃を1次的に緩和(吸収)する。その後は、幼児等の
運動に応じて股ヒューズ1A及び腰ヒューズ34A,3
4Bが順次開放され、こうして各段の衝撃緩和作用によ
り幼児等が補助ベルト1a〜1cから受ける衝撃を緩和
しつつ、幼児等を段階的に減速させ、最終的に従来より
も小さい衝撃で幼児等を安全に拘束(インパクトシ−ル
ド)する。以下、その過程を詳細に説明する。
【0082】図21〜図24は実施の形態によるインパ
クトシ−ルドの作用説明図(1)〜(4)で、車両衝突
時の一典型的なインパクトシ−ルド作用を時系列に示し
ている。図21(A)は背板パネル20の反発作用を示
している。車両衝突時には、幼児等の頭部と胸部が慣性
により加速を始め、これによりシートベルト41が背板
パネル20に当たり、シートベルト41がロックする。
シートベルト41がロックすると、補助ベルト1a〜1
cより背板パネル20に衝撃が加わるが、背板パネル2
0の曲げ弾性により一瞬の衝撃を緩和すると共に、背板
パネル20でバネ支持された補助ベルト1a〜1cの拘
束により幼児等には1度目の減速が発生する。
【0083】図21(B)は肩ループ15bの開放作用
を示しており、例えば50km/hの衝突時、幼児等の
腰の重心Bには下方に急激に沈み込もうとする力が働く
が、これに応じて肩ループ15bが開放され、幼児等の
沈み込み運動を許容する。またこれにより幼児等の背骨
にかかる一瞬の衝撃が緩和され、かつ股ベルト1cにか
かる衝撃(過重)も軽減される。その後、幼児等には補
助ベルト1による2度目の減速が発生する。
【0084】図22(A)は股ヒューズ1Aの開放作用
を示しており、上記肩ループ15bが開放され、幼児等
の沈み込みが加速されると、股ベルト1cに過重がかか
り、股ヒューズ1Aが開放される。股ヒューズ1Aが開
放されると、腰部が一瞬前方に加速され、同時に補助ベ
ルト1は幼児等の沈み込みを軽減しながらその頭部と胸
部とを後方に引き戻す。その後、幼児等には補助ベルト
1,34による3度目の減速が発生する。
【0085】図22(B)は腰ヒューズ34A,34B
の開放作用を示しており、上記股ヒューズ1Aが開放さ
れると、幼児等の体(腰)は一瞬前方に加速され、これ
により腰ベルトに過重がかかり、腰ヒューズ34A,3
4Bが一斉に開放される。腰ヒューズ34A,34Bが
開放されると、更に腰が一瞬前方に加速され、同時に補
助ベルト1a,1bは幼児等の頭部と胸部とを後方に引
き戻す。こうして、各段のヒューズ開放と共に、幼児等
の姿勢は衝撃に対してより安全な後傾姿勢に導かれる。
【0086】図23は全体構造ベルトの反発作用を示し
ており、上記腰ヒューズ34A,34Bが開放される
と、更に腰が一瞬前方に加速されるが、その後はシート
ベルト補助具で包みこまれた幼児等の身体が全体構造ベ
ルト(シートベルト41,補助ベルト1,34)等の伸
縮力により完全に拘束される。この時、幼児等には最終
的な減速(反動)が加わるが、その時の初速度は、上記
複数段階の減速と衝撃緩和作用とにより十分に小さくな
っており、よってこの最終段階では幼児等を十分に小さ
な反動で完全に拘束できる。以上、典型的には上記5段
階(〜)の衝撃緩和作用により幼児等を衝撃から安
全に保護する。
【0087】図23にインパクトシールドの許容値と、
本実施の形態によるシートベルト補助具をダミーを使用
して試験した時の計測値を付記する。ここで、 頭部重心Hの移動量≦471mm(許容値≦600m
m) 膝部間接の移動量≦578mm(許容値≦700mm) 頭部合成加速度≦620m/s2 (許容値≦785m/
2 ) 胸部合成加速度≦472m/s2 (許容値≦588m/
2 ) である。
【0088】図24(A)は全体構造ベルトによる幼児
等の引き戻し作用を示しており、上記前方に飛ばされた
幼児等は、停止後、全体構造ベルトから受ける柔軟な反
動により元の位置に引き戻される。なお、図23に頭部
重心Hの軌跡h及び腰部重心Bの軌跡bを夫々示す。本
実施の形態によれば、両肩ベルト1a,1bと股ベルト
1cとが一本のベルト素材1で繋がっており、かつ腰ベ
ルト34は腰部の重心Bを囲み込む様に設けられている
為、幼児等の体を引き戻す力は均一に働き、よって幼児
等の体は正しく座席側に引き戻され、元の位置(好まし
くは元の着座姿勢)に戻される傾向にある。
【0089】図24(B)は車両衝突時の時間と速度・
加速度との関係を示している。上記図26の場合と同様
にt0のタイミングで衝突した自動車は、負の大きな加
速度Aを受け、t7のタイミングで停止している。一
方、車内の幼児等には慣性により相対的に大きな正の加
速度aが加わるが、本発明によれば衝突の当初より複数
段階の減速と減速緩和(衝撃緩和)とが適宜に行われる
結果、全体構造ベルトによる最終拘束時の初速度は十分
に軽減されており、よって幼児等を従来よりも十分に小
さい反動で拘束(インパクトシールド)できる。
【0090】なお、上記肩ループ15bは衝撃の段階で
自動解離されるが、自動解離されなかった場合は、肩ル
ープ解離用のベルト(ループ)51bを手で外側に引く
ことで容易に解離できる。肩ループ15aについても同
様である。
【0091】また安全保安装置としてのシートベルト4
1の着脱は、既に一般化された操作であり、上記肩ルー
プ15の解離動作と連動させることで、シートベルト4
1の容易な着脱操作を可能としている。またシートベル
ト補助具の日常の着脱も、従来の年少者用補助乗車装置
と比べて車外装着を可能としている為、車内の狭い空間
で操作することも無く、また外部で安全性(装着状態,
ベルトヒューズの使用/未使用等)の確認も容易に出来
る。この様に本実施の形態によるシートベルト補助具
は、装着性の容易さに多くの利便性を有しており、日常
での装着性の容易さは、同時に非常時の脱出の安全性を
も確保するものである。
【0092】また、上記各実施の形態では年少者(3歳
児)用のシートベルト補助具の具体例を述べたが、必要
ならサイズ等を変える事により幼児又は他の通常の健常
者や障害者等にも適用できることは言うまでも無い。
【0093】また、上記各実施の形態では具体的数値例
を伴って説明をしたが、本発明がこれらの数値例に限定
されないことは明らかである。
【0094】また、上記各実施の形態では肩ベルト1
a,1bに雌型連結部材5、かつ股ベルト1cに雄型連
結部材7を設けたがこれらは逆に設けても良い。
【0095】また、上記各実施の形態では最悪ケースに
おける一典型的な衝撃緩和シーケンスの例を述べたが、
これに限らない。実際上は車両等の衝突態様(速度,方
向等)及び衝突時の幼児等の初期姿勢等により他の様々
な衝撃緩和シーケンスが起こり得るが、上記いずれにし
ても1又は2以上の衝撃緩和作用が適宜に作動すること
により、幼児等を安全にインパクトシールドできる。
【0096】また、上記本発明に好適なる複数の実施の
形態を述べたが、本発明思想を逸脱しない範囲内で各部
の形状、構造,素材及びこれらの組合せの様々な変更が
行えることは言うまでも無い。
【0097】
【発明の効果】以上述べた如く本発明のインパクトシー
ルド装置(シートベルト補助具)は、コンパクトかつ低
コストで持ち運びが容易であると共に、既存の3点式シ
ートベルトと併用して複数段階の衝撃緩和作用により幼
児等を事故から安全に保護でき、よって交通安全に寄与
する所が極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態によるシートベルト補助具の正面斜
視図である。
【図2】実施の形態によるシートベルト補助具の側面図
である。
【図3】実施の形態によるシートベルト補助具の背面図
である。
【図4】シートベルト補助具本体部の製法を説明する図
である。
【図5】肩ループを説明する図(1)である。
【図6】肩ループを説明する図(2)である。
【図7】股ベルトを説明する図である。
【図8】腰ベルトを説明する図である。
【図9】背板パネルを説明する図である。
【図10】ヒューズベルト部の縫製方法を説明する図で
ある。
【図11】その他の部分の縫製方法を説明する図であ
る。
【図12】実施の形態による衝撃緩和パッドを説明する
図である。
【図13】衝撃緩和パッドを装着した状態の正面斜視図
である。
【図14】衝撃緩和パッドを装着した状態の側面図であ
る。
【図15】衝撃緩和パッドを装着した状態の背面図であ
る。
【図16】他の実施の形態によるシートベルト補助具を
説明する図である。
【図17】3点式連結部材の説明図(1)である。
【図18】3点式連結部材の説明図(2)である。
【図19】シートベルト補助具の使用態様を説明する図
(1)である。
【図20】シートベルト補助具の使用態様を説明する図
(2)である。
【図21】実施の形態によるインパクトシ−ルドの作用
説明図(1)である。
【図22】実施の形態によるインパクトシ−ルドの作用
説明図(2)である。
【図23】実施の形態によるインパクトシ−ルドの作用
説明図(3)である。
【図24】実施の形態によるインパクトシ−ルドの作用
説明図(4)である。
【図25】従来技術を説明する図(1)である。
【図26】従来技術を説明する図(2)である。
【符号の説明】
1 ベルト 1A 股ヒューズ 1a,1b 肩ベルト 1c 股ベルト 5 雌型連結部材 7 雄型連結部材 10 本体 12 肩ループベルト 14 マジックテープ(商標名) 15 肩ループ(ベルト通し孔) 20 背板パネル(弾性構造物) 22,24 板状部材 26 リベット 28 カバー 30 アンカー部材 34 腰ベルト 34A,34B 腰ヒューズ 36 アンカー部材 38 バックル 41 シートベルト 42 衝撃緩和パッド(本体) 43 連結部材(バックル) 45 連結部材(バックル) 51 肩ループ解離ベルト 54 把持ベルト 71 カバーパッド 72 腹パッド 73 肩パッド 74 胴パッド 75 胴パッドカバー 80 連結部材(金具)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両等の3点式シートベルトと併用して
    使用者の身体を衝突時の衝撃からシールドするインパク
    トシールド装置において、 本体背部の両肩部付近より腰部付近に展開し、かつ曲げ
    方向に弾性を有する背板パネルと、 背板パネルの背面から両肩部及び股間を回って前面の腹
    部付近に展開する3点式の補助ベルトと、 前記補助ベルトの両肩ベルトと股ベルトとを腹部付近で
    着脱自在に連結する連結部材と、 肩ベルトの肩部付近内側に設けられ、車両等の上から展
    開するシートベルトを該シートベルトから受ける衝撃に
    よって開放可能に把持する肩ループとを備えることを特
    徴とするインパクトシールド装置。
  2. 【請求項2】 車両等の3点式シートベルトと併用して
    使用者の身体を衝突時の衝撃からシールドするインパク
    トシールド装置において、 本体背部の両肩部付近より腰部付近に展開し、かつ曲げ
    方向に弾性を有する背板パネルと、 背板パネルの背面から両肩部及び股間を回って前面の腹
    部付近に展開する3点式の補助ベルトと、 前記補助ベルトの両肩ベルトと股ベルトとの間を腹部付
    近で着脱自在に連結する雄雌一対の連結部材であって、
    凸板を有する雄型連結部材及び前記凸板を挿入される雌
    型連結部材と、 本体背部の腰側付近より左右に回って腹部に展開する腰
    ベルトであって、その両側端部に前記凸板に嵌め込む孔
    を有する連結用金具を備えるもの、とを備えることを特
    徴とするインパクトシールド装置。
  3. 【請求項3】 股ベルトは、その長手方向の過重により
    解離して該股ベルトの実効長を延長する股ヒューズを備
    えることを特徴とする請求項1又は2に記載のインパク
    トシールド装置。
  4. 【請求項4】 本体背部の腰側付近より左右に回って腹
    部に展開する腰ベルトであって、その長手方向の過重に
    より解離して該腰ベルトの実効長を延長する腰ヒューズ
    を有するもの、を備えることを特徴とする請求項1乃至
    3の何れか1つに記載のインパクトシールド装置。
  5. 【請求項5】 肩ループは、肩ベルトに沿って展開する
    ベルト素片の一端を肩ベルトとは逆方向に1回転半させ
    て半二重の環となし、その一重側の上半部を肩ベルトの
    内側に固定し、かつ二重側の下半部を布製テープで相互
    に着脱自在に接着したことを特徴とする請求項1に記載
    のインパクトシールド装置。
  6. 【請求項6】 肩ループの開放側端部が手動操作により
    外部に引き出し可能に構成されていることを特徴とする
    請求項5に記載のインパクトシールド装置。
  7. 【請求項7】 背板パネル、両肩ベルト、股ベルト及び
    又は連結部材の各内側にクッション性の弾性発砲樹脂等
    を芯材とする衝撃緩和パッドを備えることを特徴とする
    請求項1又は2に記載のインパクトシールド装置。
  8. 【請求項8】 車両等の3点式シートベルトにより背板
    パネルの前面を1次的に拘束されるインパクトシールド
    装置が、前記背板パネルの背面側から前方に展開する複
    数の補助ベルトにより被保護体を2次的に拘束するイン
    パクトシールド方法であって、前記補助ベルトの内の1
    又は2以上が、長手方向の過重により解離して該ベルト
    の実効長を延長するヒューズ機構部を備え、車両衝突時
    の被保護体の運動に応じて過重を受けたヒューズ機構部
    を順次解離させることにより、被保護体が補助ベルトか
    ら受ける衝撃を段階的に緩和することを特徴とするイン
    パクトシールド方法。
  9. 【請求項9】 車両等の3点式シートベルトにより1次
    的に拘束される請求項1に記載のインパクトシールド装
    置が被保護体を2次的に拘束するインパクトシールド方
    法であって、3点式シートベルトの上側ベルトを肩ルー
    プに通すことで該3点式シートベルトが背板パネルをそ
    の前面で安定に交差する様に拘束すると共に、車両衝突
    時の各ベルトに加わる衝撃を背板パネルの弾性反発作用
    により緩和することを特徴とするインパクトシールド方
    法。
  10. 【請求項10】 被保護体の沈み込み運動に応じて肩ル
    ープを開放し、被保護体の沈み込み運動を許容すること
    を特徴とする請求項9に記載のインパクトシールド方
    法。
  11. 【請求項11】 股ベルトは請求項3に記載の股ヒュー
    ズを備え、該股ベルトに加わる過重により股ヒューズを
    開放することで、被保護体が股ベルトから受ける衝撃を
    緩和することを特徴とする請求項9又は10に記載のイ
    ンパクトシールド方法。
  12. 【請求項12】 請求項4に記載の腰ベルトを備え、該
    腰ベルトに加わる過重により腰ヒューズを開放すること
    で、被保護体が腰ベルトから受ける衝撃を緩和すること
    を特徴とする請求項9乃至11の何れか1つに記載のイ
    ンパクトシールド方法。
  13. 【請求項13】 上記各段の衝撃緩和作用を伴って適宜
    の大きさに減速された後の被保護体をインパクトシール
    ド装置の全体構造により所要の空間及び衝撃強度内で拘
    束することを特徴とする請求項9乃至12の何れか1つ
    に記載のインパクトシールド方法。
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