JP2001138658A - 平版印刷用濃縮湿し水組成物 - Google Patents

平版印刷用濃縮湿し水組成物

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JP2001138658A
JP2001138658A JP31960499A JP31960499A JP2001138658A JP 2001138658 A JP2001138658 A JP 2001138658A JP 31960499 A JP31960499 A JP 31960499A JP 31960499 A JP31960499 A JP 31960499A JP 2001138658 A JP2001138658 A JP 2001138658A
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fountain solution
ether
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concentrated
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Kuniharu Watanabe
邦治 渡辺
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲノニトロアルコール系防腐剤を含有し
且つ染料の脱色を起こさない平版印刷用濃縮湿し水組成
物を提供する。 【解決手段】 ハロゲノニトロアルコール系防腐剤の少
なくとも1種、及び下記一般式(I)又は(II)で示さ
れる少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とす
る平版印刷用濃縮湿し水組成物。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷用濃縮湿
し水組成物に関し、より具体的には平版印刷版のオフセ
ット印刷法に有用な湿し水組成物を提供する平版印刷用
濃縮湿し水組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷は水と油が本質的に混じり合わ
ない性質を巧みに利用した印刷方式であり、印刷版面は
水を受容し油性インキを反撥する領域と、水を反撥し油
性インキを受容する領域から成り、前者が非画像領域で
あり、後者が画像領域である。湿し水によって、非画像
領域を湿潤させて画像領域と非画像領域との界面化学的
な差を拡大して、非画像領域のインキ反撥性と画像領域
のインキ受容性とを増大させることがなされる。従来か
ら一般的に知られている湿し水としては、重クロム酸の
アルカリ金属塩又はアンモニウム塩、リン酸又はその
塩、例えばアンモニウム塩、アラビアガム、カルボキシ
メチルセルロース(CMC)等のコロイド物質等を添加
した水溶液がある。しかしながら、これらの湿し水は、
版の非画像部に均一に濡れ難い欠点があり、このため印
刷物が時々汚れ、また、湿し水の供給量を調節するのに
相当の熟練を要する。
【0003】この欠点を改良するために、イソプロピル
アルコールを約20〜25%加えた水溶液を湿し水とし
て用いるダールグレン方式なども提案されている。この
方式によると、非画像部への濡れが良くなり、湿し水の
量が少なくてすみ、印刷インキと水との供給量のバラン
スの調整が容易であり、印刷インキ中への湿し水の乳化
量が少なくなり、また、ブランケットへの印刷インキの
転移性が良くなるなど、作業性の面及び得られた印刷物
の精度の面において数々の利点がある。しかしながら、
このイソプロピルアルコールは蒸発し易いために、湿し
水のイソプロピルアルコール濃度を一定に保つための特
殊な装置が必要であり、価格の点において高価なものと
なる。また、イソプロピルアルコールは特有の不快臭が
あることと共に、毒性の面でも問題があって作業環境上
好ましくない。また、このイソプロピルアルコールを添
加した湿し水を、通常の水棒を用いるオフセット印刷に
適用しても、ローラー上及び版面上でイソプロピルアル
コールが蒸発するため、その効果を発揮することができ
ない。更に、近年産業公害に対する社会的関心が非常に
高まり、廃水中のクロムイオンの排出規制が厳しくな
り、またイソプロピルアルコールのような有機溶剤の使
用が安全衛生面から規制される傾向にある。このため、
イソプロピールアルコールに代わる種々の溶剤の使用が
提案されている。
【0004】濃縮湿し水組成物が実際に使用される現場
では、先ず濃縮湿し水組成物(湿し水原液とも称する)
は不透明のタンクに貯蔵されており、そのタンクから、
水による希釈で調製される湿し水組成物を貯蔵するタン
クへ、供給される。濃縮湿し水組成物は上記のように不
透明タンクに貯蔵されているため、タンクにおけるその
残存量をわかりやすくするため、通常染料を含ませてい
る。また、濃縮湿し水組成物はその腐敗を防ぐために、
通常防腐剤が添加されている。防腐剤として、近年ハロ
ゲノニトロアルコール系の防腐剤の使用が、その効力が
優れている点で期待される。しかしながら、ハロゲノニ
トロアルコール系の防腐剤には、染料に対して脱色作用
があるため、濃縮湿し水組成物に含有させた染料の効果
を減じてしまうという問題点があった。このような状況
下、染料の脱色という問題を解消しながらハロゲノニト
ロアルコール系防腐剤を使用する工夫が求められてい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ハロ
ゲノニトロアルコール系防腐剤を含有し且つ染料の脱色
を起こさない平版印刷用濃縮湿し水組成物を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,上記課題
を達成するため平版印刷用濃縮湿し水組成物について研
究を重ねた結果、ハロゲノニトロアルコール系防腐剤を
含有する濃縮湿し水組成物において特定の染料を含有さ
せることにより、該染料が脱色することなく発色を良好
に維持して且つハロゲノニトロアルコール系防腐剤の効
果を発揮できることを見出し、本発明を完成させるに至
った。従って、本発明は、ハロゲノニロトアルコール系
防腐剤の少なくとも1種、及び下記一般式(I)又は
(II)で示される少なくとも1種の化合物を含有するこ
とを特徴とする平版印刷用濃縮湿し水組成物に関する。
【0007】
【化2】
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の濃縮湿し水組成物に使用
する染料は、上記一般式(I)で示されるナフトール
エローS(黄色染料)及び上記一般式(II)で示される
タートラジン(黄色染料)からなる群から選ばれる少なく
とも1種である。本発明の濃縮湿し水組成物におけるこ
れらの染料の含有量は、濃縮湿し水組成物中、0.000
1〜0.1質量%が適当であり、好ましくは0.001〜0.
01質量%である。その含有量が0.0001質量%より
も少ないと、濃縮湿し水組成物の着色が不十分であり、
一方0.1質量%よりも多いと10〜200倍に希釈して
使用する使用液が強く着色するため、印刷用紙を染色し
てしまう懸念がある。
【0009】本発明の濃縮湿し水組成物に使用するハロ
ゲノニトロアルコール系防腐剤としては、特開昭64−
61402号公報に記載された化合物がある。例えば、
2−クロロ−2−ニトロエタノール、1−クロロ−1−
ニトロプロパノール−(2)、3−クロロ−3−ニトロブ
タノール−(2)、2−クロロ−2−ニトロブタンジオー
ル−(1,3)、1−クロロ−1−ニトロブタノール−(2)、
2−クロロ−2−ニトロブタノール、2−クロロ−2−
ニトロぺンタノール−(3)、2,2−ジクロロ−2−ニ
トロエタノール、2−クロロ−2−ブロモ−2−ニトロ
エタノール、3−クロロ−3−ニトロペンタンジオール
−(2,4)、4−クロロ−4−ニトロヘキサノール−
(3)、2−ブロモ−2−ニトロエタノール、2−ブロモ
−2−ニトロプロパノール−(3)、2−ブロモ−2−
ニトロブタンジオール−(1,3)、3−ブロモ−3−
ニトロペンタンジオール−(2,4)、2,2−ジブロ
モ−2−ニトロ−エタノール、1,1−ジブロモ−1−
ニトロ−プロパノール−(2)、4−ブロモ−4−ニト
ロヘキサノール−(3)、2−フルオロ−2−ニトロブ
タンジオール−(1,3)、3−ヨード−3−ニトロブ
タノール−(2)、2−フルオロ−2−クロロ−2−ニ
トロエタノール、2−ヨード−2−ブロモ−2−ニトロ
エタノール、2−クロロ−2−ニトロプロパンジオール
−(1,3)、2−ブロモ−2−ニトロプロパンジオー
ル−(1,3)、これらの混合物などである。
【0010】中でもブロモニトロアルコールが好まし
く、特に2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール又は
ブロノポールが好ましく使用される。本発明の濃縮湿し
水組成物におけるハロゲノニトロアルコール系防腐剤の
含有量は、濃縮湿し水組成物中、0.1〜10質量%が適
当であり、好ましくは0.2〜5質量%である。その含有
量が0.1質量%よりも少ないと、十分な防腐効果が得ら
れないため、希釈した使用液に腐敗を生じる。一方10
質量%よりも多いと、版面に汚れが発生するようになり
良質な印刷物が得られなくなるばかりでなく、大量に排
水した際に浄化装置の活性汚泥の効果が減少し十分な浄
水効果を失わせる懸念がある。
【0011】本発明の濃縮湿し水組成物のその他の成分
は、特に限定されるものではなく、濃縮湿し水組成物に
通常含ませるものを使用することができる。例えば次の
ようなものである。 (a)濡れ性向上のための剤 (b)水溶性高分子化合物 (c)pH調整剤 (d)その他(キレート剤、防錆剤、消泡剤、酸
エステル類など)
【0012】(a)濡れ性向上のための剤として、先ず界
面活性剤が挙げられる。界面活性剤のうち、例えばアニ
オン型界面活性剤としては、脂肪酸塩類、アビエチン酸
塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンス
ルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸塩類、直鎖アル
キルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼン
スルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、
アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホ
ン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルフェニルエ
ーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリ
ウム塩類、N−アルキルスルホ琥珀酸モノアミド二ナト
リウム塩類、石油スルホン酸塩類、硫酸化ひまし油、硫
酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩
類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリ
ド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンス
チリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐
酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン
酸共重合物の部分けん化物類、オレフィン−無水マレイ
ン酸共重合物の部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸
塩ホルマリン縮合物類等が挙げられる。これらの中でも
ジアルキルスルホ琥珀酸塩類、アルキル硫酸エステル塩
類及びアルキルナフタレンスルホン酸塩類が特に好まし
く用いられる。
【0013】非イオン型界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリス
チリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪酸
部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペ
ンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレン
グリコールモノ脂肪酸エステル類、蔗糖脂肪酸部分エス
テル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エス
テル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エ
ステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、
ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチ
レン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪
酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,
N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキ
シエチレンアルキルアミン類、トリエタノールアミン脂
肪酸エステル類、トリアルキルアミンオキシド類などが
挙げられる。その他、弗素系界面活性剤、シリコン系界
面活性剤も使用することができる。その中でもポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエ
チレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー類等が
好ましく用いられる。更に、シリコン誘導体又はフッ素
誘導体等の界面活性剤も挙げられる。これらの界面活性
剤の含有量は発泡の点を考慮すると、濃縮湿し水組成物
中、10質量%以下、好ましくは0.05〜5質量%が適
当である。また、2種以上併用することもできる。
【0014】(a)濡れ性向上のための剤としてまた、そ
の他の助剤あるいは湿潤溶剤を使用することができる。
例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリ
コールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリ
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリ
コールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコール
モノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ
イソブチルエーテル、エチレングリコールモノプロピル
エーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、エ
チレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコ
ールモノターシャリブチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノタ
ーシャリブチルブチルエーテル、トリエチレングリコー
ルモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノタ
ーシャリブチルエーテル、3-メトキシ-3-メチルブタノ
ール、3-メトキシブタノール、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピ
レングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリ
コール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、グリ
セリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、トリメチロー
ルプロパン、
【0015】プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリ
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレン
グリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノ
エチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノエチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ト
リプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピ
レングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレ
ングリコールモノイソプロピルエーテル、トリプロピレ
ングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレング
リコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール
モノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブ
チルエーテル、プロピレングリコールモノイソブチルエ
ーテル、ジプロピレングリコールモノイソブチルエーテ
ル、トリプロピレングリコールモノイソブチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノターシャリブチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノターシャリブチルエー
テル、トリプロピレングリコールモノターシャリブチル
エーテル等である。その他、ポリプロピレングリコール
の分子量200〜700のメチルエーテル、プロピルエ
ーテル、ブチルエーテル等が挙げられる。
【0016】中でも好ましく使用される化合物は、プロ
ピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレング
リコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノターシャリブチルエーテル、ジプロピレングリコール
モノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブ
チルエーテル、ジプロピレングリコールモノターシャリ
ブチルエーテル等である。これらの溶剤の濃縮湿し水組
成物における含有量は、濃縮湿し水組成物中、1.0〜8
0質量%程度が適当であり、好ましくは5.0〜70質量
%である。
【0017】本発明の濃縮湿し水組成物に使用する(b)
水溶性高分子化合物としては、例えばアラビアガム、澱
粉誘導体(例えば、デキストリン、酵素分解デキストリ
ン、ヒドロキシプロピル化酵素分解デキストリン、カル
ボキシメチル化澱粉、リン酸澱粉、オクテニルコハク化
澱粉)、アルギン酸塩、繊維素誘導体(例えば、カルボ
キシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、
メチルセルロース)等の天然物及びその変性体、ポリエ
チレングリコール及びその共重合体、ポリビニルアルコ
ール及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアク
リルアミド及びその共重合体、ポリアクリル酸及びその
共重合体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重
合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、ポリスチ
レンスルホン酸及びその共重合体の合成物が挙げられ
る。水溶性高分子化合物の含有量は、濃縮湿し水組成物
中、20質量%以下が適しており、より好ましくは、0.
2〜10質量%である。
【0018】本発明の濃縮湿し水組成物に用いられる
(c)pH調整剤としては、水溶性の有機酸及び/又は無
機酸又はそれらの塩が使用でき、これらの化合物は湿し
水のpH調整あるいはpH緩衝、平版印刷版支持体の適
度なエッチング又は防腐食に効果がある。好ましい有機
酸としては、例えばクエン酸、アスコルビン酸、リンゴ
酸、酒石酸、乳酸、酢酸、グルコン酸、酢酸、ヒドロキ
シ酢酸、蓚酸、マロン酸、レブリン酸、スルファニル
酸、p−トルエンスルホン酸、フィチン酸、有機ホスホ
ン酸等が挙げられる。無機酸としては例えばリン酸、硝
酸、硫酸、ポリリン酸が挙げられる。更にこれら有機酸
及び/又は無機酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属
塩あるいはアンモニウム塩、有機アミン塩も好適に用い
られ、これらの有機酸、無機酸及び/又はこれらの塩は
単独で使用しても、あるいは2種以上の混合物として使
用してもよい。これらpH調整剤の本発明の濃縮湿し水
組成物への添加量は0.5〜10質量%の範囲が好まし
く、水で希釈した湿し水組成物のpH値が3〜7の範囲
の酸性領域で用いることが好ましいが、アルカリ金属水
酸化物、リン酸、アルカリ金属塩、炭酸アルカリ金属
塩、ケイ酸塩などを含有したpH7〜11のアルカリ性
領域で用いることもできる。
【0019】本発明の濃縮湿し水組成物に使用する(d)
キレート剤は、濃縮湿し水組成物の希釈に使用する水
道水や井戸水に含まれているカルシウムイオン等が、印
刷に悪影響を与え印刷物を汚れ易くするのを防止する役
目をする。好ましいキレート剤としては例えば、エチレ
ンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウ
ム塩;ジエチレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム
塩、ナトリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢
酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、ヒドロキシエ
チルエチレンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、その
ナトリウム塩;ニトリロトリ酢酸、そのナトリウム塩;
1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカ
リウム塩、そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホ
スホン酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などの
ような有機ホスホン酸類あるいはホスホノアルカントリ
カルボン酸類を挙げることができる。上記のキレート剤
のナトリウム塩あるいはカリウム塩の代わりに、有機ア
ミンの塩も有効である。これらのキレート化剤は濃縮湿
し水組成物中に安定に存在し、印刷性を阻害しないもの
が選ばれる。濃縮湿し水組成物中に添加するキレート化
剤の量としては、0.1〜10質量%が適当で、好ましく
は0.25〜5質量%である。
【0020】本発明の濃縮湿し水組成物に使用できる
(d)防錆剤としては、例えばベンゾトリアゾール、5
−メチルベンゾトリアゾール、チオサリチル酸、ベンゾ
イミダゾール及びその誘導体等が挙げられる。本発明の
濃縮湿し水組成物に使用できる(d)消泡剤としてはシ
リコン消泡剤が好ましく、その中で乳化分散型及び可溶
化型等いずれも使用することができる。
【0021】本発明の濃縮湿し水組成物には、作業環
境、特に臭気の問題をより改善するために(d)酸エス
テル類を添加してもよい。例えば次の式で示されるもの
がある。 R1−COOR2 (III) (式中、R1は水素原子、炭素原子数1〜15のアルキル
基、アルケニル基又はアラルキル基、あるいはフェニル
基であり、R2は炭素原子数3〜10のアルキル基、ア
ラルキル基又はフェニル基である。) 具体的に例えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ
酪酸、2−エチル酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、2−メチ
ル吉草酸、ヘキサン酸(カプロン酸)、4−メチルペン
タン酸(イソヘキサン酸)、2−ヘキセン酸、4−ペン
テン酸、ヘプタン酸、2−メチルヘプタン酸、オクタン
酸(カプリル酸)、ノナン酸、デカン酸(カプリン
酸)、2−デセン酸、ラウリン酸又はミリスチン酸のエ
ステルである。その他に、フェニル酢酸ベンジル、アセ
ト酢酸エチルやアセト酢酸2−ヘキシルといったアセト
酢酸エステルなどがある。中でも好ましいものとして、
酢酸n−ペンチル、酢酸イソペンチル、酪酸n−ブチ
ル、酪酸n−ペンチル及び酪酸イソペンチルが挙げら
れ、特に酪酸n−ブチル、酪酸n−ペンチル及び酪酸イ
ソペンチルが好適である。上記化合物は1種単独で、あ
るいは2種以上用いることができる。そのような化合物
の濃縮湿し水組成物における含有量は、濃縮湿し水組成
物の全質量に基づいて0.1〜10質量%が一般的で、よ
り好ましくは0.1〜5質量%である。バニリン、エチル
バニリン等とを併用してもよい。
【0022】本発明の濃縮湿し水組成物には、上記一般
式(I)又は(II)で示される染料の他に、発色を維持
できる着色剤を用いることができる。例えば、使用する
着色剤としては、食品用色素等が好ましく使用できる。
例えば、黄色色素としてはCINo. 19140、159
85、赤色色素としてはCINo. 16185、4543
0、16255、45380、45100、紫色色素と
してはCINo. 42640、青色色素としてはCINo.
42090、73015、緑色色素としてはCINo. 4
2095、等が挙げられる。
【0023】本発明の濃縮湿し水組成物には、ハロゲノ
ニトロアルコール系防腐剤以外の防腐剤をさらに使用し
てもよい。その具体例として、ベンゾイソチアゾリン−
3−オン、4−イソチアゾリン−3−オン誘導体、フェ
ノール又はその誘導体、ホルマリン、イミダゾール誘導
体、デヒドロ酢酸ナトリウム、ベンズトリアゾール誘導
体、アミジン又はグアニジンの誘導体、四級アンモニウ
ム塩類、ピリジン、キノリン又はグアニジンの誘導体、
ダイアジン又はトリアゾールの誘導体、オキサゾール又
はオキサジンの誘導体等が挙げられる。これらを使用す
る場合、好ましい添加量は細菌、カビ、酵母等に対し
て、安定に効力を発揮する量であって、細菌、カビ、酵
母の種類によっても異なるが、濃縮湿し水組成物の全質
量に基づき、0.1〜10質量%の範囲が好ましく、また
種々のカビ、細菌、酵母に対して効力のあるような2種
以上の防腐剤を併用することが好ましい。
【0024】本発明の濃縮湿し水組成物の成分として残
余は、水である。使用する水としては、水道水、井戸
水、蒸留水、純水のいずれでもよいが、濃縮湿し水組成
物の調製には純水を使用するのが、最も好ましい。濃縮
湿し水組成物における水の量は、上記に挙げてきた成分
を溶解するのに充分な量であればよく、一般的に30〜
70質量%である。本発明の濃縮湿し水組成物は、使用
する時に通常、水道水、井戸水等で10〜200倍程度
に希釈し、使用時の湿し水組成物とする。
【0025】
【発明の効果】本発明の平版印刷用濃縮湿し水組成物
は、ハロゲノニトロアルコール系防腐剤による優れた防
腐効果を発揮するとともに、添加した染料の安定した発
色を維持できる。よって、不透明なタンクに保存中も、
残存量の確認を容易にすることができ、使い易いもので
ある。
【0026】
【実施例】次に本発明を実施例、比較例により更に具体
的に説明する。
【実施例1〜5及び比較例1及び2】表1の組成に従っ
て、各種濃縮湿し水組成物を調製した。単位は質量%で
ある。水道水を加えて最終的に100とした。上記のよ
うに調液した濃縮湿し水組成物について、6ヶ月経時に
よる着色の変化を観察した。着色についての評価基準は
次のとおりである。 ○:色相変化なし。 ○△:やや退色認められる。 △:かなり退色認められる。 ×:ほぼ無色
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】 湿し水濃縮液の色相変化

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲノニトロアルコール系防腐剤の少
    なくとも1種、及び下記一般式(I)又は(II)で示さ
    れる少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とす
    る平版印刷用濃縮湿し水組成物。 【化1】
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007254904A (ja) * 2006-03-22 2007-10-04 Komatsu Seiren Co Ltd リサイクル用ポリエステル系繊維製品、リサイクル用ポリエステル系繊維製品の脱色方法およびポリエステル系繊維製品のリサイクル方法

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JP2007254904A (ja) * 2006-03-22 2007-10-04 Komatsu Seiren Co Ltd リサイクル用ポリエステル系繊維製品、リサイクル用ポリエステル系繊維製品の脱色方法およびポリエステル系繊維製品のリサイクル方法

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