JP2001138558A - 熱転写印刷装置、受像体 - Google Patents

熱転写印刷装置、受像体

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JP2001138558A
JP2001138558A JP2000191288A JP2000191288A JP2001138558A JP 2001138558 A JP2001138558 A JP 2001138558A JP 2000191288 A JP2000191288 A JP 2000191288A JP 2000191288 A JP2000191288 A JP 2000191288A JP 2001138558 A JP2001138558 A JP 2001138558A
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film
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JP2000191288A
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Toshiro Kono
俊郎 河野
Tadashi Aizawa
忠 相澤
Ryo Saito
涼 斉藤
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偽造困難なカード等の熱転写印刷装置を提供
する。 【解決手段】 インクフィルム21に塗布されたインク
をサーマルヘッド26によって中間転写フィルム1に転
写して画像を形成し、画像が転写された中間転写フィル
ム1をヒートローラー34によってカード(受像体)1
5に再転写する熱転写印刷装置において、前記中間転写
フィルム1のカード(受像体)15への転写エリア内に
少なくとも1個のCGH4を設け、CGH4をヒートロ
ーラー34によって画像とともにカード(受像体)に転
写する熱転写印刷装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリペイドカー
ド、クレジットカード、キャッシュカード、ICカード
等のカード類や、金券、証券、証明書、免許証、パスポ
ート等の書類のように、偽造防止を特に必要とする媒体
である受像体、この受像体に印刷を行う熱転写印刷装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】現行のプリペイドカード、クレジットカ
ード、キャッシュカード等は記録手段として磁気ストラ
イプといわれる磁気記録部分を有し、残高や必要に応じ
て本人を確認するための識別(以下「ID」と記す)番
号などが記録され、プリペイドカードではカードの使用
に伴い残高などの記録が変更される。かかる記録媒体と
してのカードは携帯に便利であり、面倒な現金の授受を
伴わない、いわゆるキャッシュレス社会に貢献するもの
である。しかし、このような情報記録方式が磁気記録で
あるカードは、容易に記録内容を判読することが可能で
あり、よって偽造も容易であり、大量に偽造されるとい
うことも多く、社会問題化している。
【0003】一方、偽造を防止する手段の一つとして、
たとえばIDカードのように、カード上に持ち主の顔画
像を印刷しているものがある。この方法として熱転写方
式による画像の印刷が広く利用されている。媒体発行に
おいて、顔画像のように貼付または印刷する画像が1枚
1枚異なるものは、印刷機で大量発行した後に顔写真を
貼付するよりも、背景画像を固定して顔画像だけを変更
し、背景画像と共に顔画像をプリンターにより印刷する
方が効率的である。なかでも昇華型の熱転写プリンター
は階調性にすぐれ、写真と同等レベルの画質が再現され
ることから、このようなカード発行システムに導入され
るケースが多い。
【0004】また近年では、熱転写方式の中でも一旦中
間媒体に画像を転写し、再び発行する媒体(受像体)へ転
写を行う再転写方式が普及している。これは、従来のサ
ーマルヘッドを使用して直接発行する媒体に印刷を行う
熱転写印刷方式と比較して、 ・印刷できる媒体(受像体)の適応材質が幅広い。 ・ICを搭載しているカードのように、表面が平滑でな
い媒体(受像体)への印刷が可能。 ・媒体(受像体)への全面印刷が可能。 等のメリットがあるため用途が広く、ICカード類のプ
ラスチックス製のみならず、パスポート等、紙質に制限
があるものなどに適している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した手段
による顔画像の印刷は、画像部分のすり替えにより簡単
に偽造が可能であるため、偽造防止の効果としての期待
は薄い。これら問題の解決策として、顔画像もしくは背
景を含めた全面にコーティングを施したり、ホログラム
を貼付または混在させるといった手段で、すり替えの痕
跡が残るようにしたものや、すり替え自体を困難にする
方法が提案されている。これら印刷やコーティングの手
法は、外観に関わる偽造防止策であり、媒体(受像体)
が固有情報を持つ場合、これらに対する偽造防止の効果
は無い。
【0006】固有情報の偽造防止を目的とした光学的記
録媒体として、本願出願人の先の出願(特開平10−1
71334号公報)が提案されている。この発明は、画
像をコンピュータジェネレイテッドホログラム(以下
「CGH」と記す)として表し、そのデータを用いて電
子ビーム露光装置を駆動し、電子ビームにより記録媒体
にホログラムの干渉縞を精密に描画し、この記録媒体を
エッチング処理して光記録媒体の原盤を作製し、この原
盤を用いて複製により光記録媒体を製造するようにした
ものである。
【0007】この方法によれば、偽造が非常に困難な媒
体を作製することが可能であるが、製造方法の事情によ
り大量生産には適しているものの、各々に異なるホログ
ラムを必要とする媒体の作製には適していない。従って
このような場合には、大量生産後、改めてホログラムを
異なる状態に変化させる記録装置を使用したり、また顔
画像等の印刷が必要な場合には、改めて前述のように印
刷装置を使用するといった方法で媒体の発行を行わなけ
ればならない。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明では各々に異なる画像を印刷して媒体(受像
体)の発行を即時的に行うことのできる熱転写型印刷装
置の印刷工程において、画像を媒体(受像体)に転写・
形成させると同時にCGHを転写・形成し、さらには転
写・形成された複数個のCGHを形成時と異なる状態に
変化させ、発行する媒体(受像体)が固有情報を持つよ
うにCGH記録状態変更手段を設けて、外観に関わる改
竄、固有情報に関わる偽造が困難な媒体(受像体)を手
軽に発行できるようにするものである。
【0009】すなわち、上述した課題を解決するため
に、本発明は、下記(1)〜(6)の構成になる熱転写
印刷装置、受像体を提供する。 (1) インクフィルム21に塗布されたインクを第1
の加熱部(サーマルヘッド)26によって中間転写フィ
ルム1に転写して画像を形成し、前記画像が転写された
前記中間転写フィルム1を第2の加熱部(ヒートロー
ラ)34によって受像体(カード、媒体、光記録媒体、
光ディスク、ICカード、クレジットカード、キャッシ
ュカード、IDカード、パスポート、運転免許証、被転
写体)15、15A、40、56、18d、19f、2
1cに再転写する熱転写印刷装置において、前記中間転
写フィルム1の前記受像体15、15A,40、56、
18d、19f、21cへの転写エリア(図1(a)
画像転写領域)3内に少なくとも1個のコンピュータジ
ェネレイテッドホログラム(以下、CGHという。)
(CGH領域)4A,4B,4C,4D、11b、13
b、14b、15b、16b、17b、18bを設け、
前記CGH4A,4B,4C,4D、11b、13b、
14b、15b、16b、17b、18bを前記第2の
加熱部34によって前記画像とともに前記受像体15、
15A,40、56、18d、19f、21cに転写す
ることを特徴とする熱転写印刷装置(図2 CGH付き
カードの発行装置)。 (2) 前記第2の加熱部(ヒートローラ)34によっ
て前記画像とともに受像体(カード、媒体、光記録媒
体、光ディスク、ICカード、クレジットカード、キャ
ッシュカード、IDカード、パスポート、運転免許証、
被転写体)15、15A,40、56、18d、19
f、21cに転写された少なくとも1個のCGH(CG
H群、CGH領域)43、4A,4B,4C,4D、1
1b、13b、14b、15b、16b、17b、18
bを再生するCGH再生手段(図5 CGH再生装置)
46を設けたことを特徴とする請求項1記載の熱転写印
刷装置。 (3) 前記第2の加熱部(ヒートローラ)34によっ
て前記画像とともに受像体(カード、媒体、光記録媒
体、光ディスク、ICカード、クレジットカード、キャ
ッシュカード、IDカード、パスポート、運転免許証、
被転写体)15、15A,40、56、18d、19
f、21cに転写された少なくとも1個のCGH(図4
第1のCGH,第2のCGH)43A,43Bを、転
写された状態と異なる状態に選択的に変化させるCGH
記録状態変更手段(図7 CGH記録状態変更手段の装
置本体)66を設けたことを特徴とする請求項1又は請
求項2記載の熱転写印刷装置。 (4) インクフィルム21に塗布されたインクを第1
の加熱部(サーマルヘッド)26によって中間転写フィ
ルム1に転写して画像を形成する画像形成ステップと、
前記画像が転写された前記中間転写フィルム1を第2の
加熱部(ヒートローラ)34によって受像体(カード、
媒体、光記録媒体、光ディスク、ICカード、クレジッ
トカード、キャッシュカード、IDカード、パスポー
ト、運転免許証、被転写体)15、15A,40、5
6、18d、19f、21cに再転写する再転写ステッ
プとを有する熱転写印刷方法により製造された受像体1
5、40、56、18d、19f、21cにおいて、前
記中間転写フィルム1の前記受像体15、15A,4
0、56、18d、19f、21cへの転写エリア(図
1(a) 画像転写領域)3内に少なくとも1個のコン
ピュータジェネレイテッドホログラム(以下、CGHと
いう。)(CGH領域)4A,4B,4C,4D、11
b、13b、14b、15b、16b、17b、18b
を設け、前記再転写ステップにおいて前記CGH 4
A,4B,4C,4D、11b、13b、14b、15
b、16b、17b、18bを前記第2の加熱部34に
よって前記画像とともに前記受像体15、15A,4
0、56、18d、19f、21cに転写してなること
を特徴とする受像体15、40、56、18d、19
f、21c。 (5) 請求項4記載の受像体(カード、媒体、光記録
媒体、光ディスク、ICカード、クレジットカード、キ
ャッシュカード、IDカード、パスポート、運転免許
証、被転写体)15、15A,40、56、18d、1
9f、21cであって、前記CGH(CGH領域)4
A,4B,4C,4D、11b、13b、14b、15
b、16b、17b、18bは、前記受像体15、15
A,40、56、18d、19f、21cの真贋目視判
別用の文字(文字列、図13及び図14の「AB
C」)、パターン(図15 リサイクルマーク、図16
犬のマーク)を呈することを特徴とする受像体15、
15A,40、56、18d、19f、21c。 (6) 請求項4又は請求項5記載の受像体15、15
A,40、56、18d、19f、21cであって、前
記受像体15、15A,40、56、18d、19f、
21c上に転写された前記CGH4A,4B,4C,4
D、11b、13b、14b、15b、16b、17
b、18bと前記画像とは同一形状を有することを特徴
とする受像体15、15A,40、56、18d、19
f、21c。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1は本発明にかかる熱転
写印刷装置に使用するCGH付き中間転写フィルムの一
実施例で、同図(a)は、転写面(接着面)から見た平
面図、同図(b)は直線AAで切断した時の断面拡大図
である。また、同図(c)はCGH形成領域外に画像が
形成されて昇華性インクが拡散した状態を示す断面拡大
図である。
【0011】CGH付き中間転写フィルム1に施された
黒マーク2A、2Bは、CGH付き中間転写フィルム1
の頭出し動作時に所定位置に停止させるためのものであ
る。この黒マーク2A−2B間が1画面に相当し、長手
方向に順次繰り返されている。3は画像転写領域の仮空
境界線で、印刷を行う媒体(受像体)の面積よりひとま
わり広い画像がこの領域に転写される。転写される画像
は発行する媒体(例えばカード)(受像体)に中間転写
フィルム1が再び転写された時に正規画像となるように
ミラー反転の処理が予め施される。CGH群4は複数個
のCGH4A、4B、4C、4Dから成る。CGH群4
は回折格子で、単色光が入光するとその光をある決めら
れた方向に回折し、画像を結像する。この位置に撮像素
子を設ければ画像として再生され、これを画像認識すれ
ば情報として利用できる。5は金属反射膜を示す。これ
はCGH画像を単色光により再生させるために必要な反
射膜であり、CGH群4の面積よりひとまわり広い範囲
に施される。CGH再生の支障とならないように原則的
には、この金属反射膜5の領域には画像の転写は行わな
い。
【0012】CGH付き中間転写フィルム1のCGH部
分の断面は、図1の(b)に示すように接着層6、金属
反射膜層7、CGH形成層8、受像層9、保護層10、
剥離層11、基材12の順に積層されている。画像を形
成するインクは受像層9に拡散するが、前述のようにC
GH群4を各々再生するための単色光は、保護層10側
から入光し、金属反射膜層7で反射して再び保護層10
へ回折するので、再生光の光路上にインクが存在しない
よう、CGH群4の近傍は予め画像の非転写領域とす
る。再転写時は、CGH付き中間転写フィルム1の接着
層6と媒体の受像面が密着するように重ね、基材12側
より加熱し、CGH付き中間転写フィルム1の剥離層1
1より上の層が媒体(受像体)へ再転写される。CGH
付き中間転写フィルム1の保護層10が再転写後の媒体
(受像体)の表面保護膜となり、画像の劣化や退色、C
GH形成層8と金属反射膜層7の傷つき防止の役目を担
う。
【0013】なお、CGH形成層8は2μm程度であり
反射膜層7は0.1μm程度であるのでCGH付き中間
転写フィルム1のCGH形成部分の突出量は僅かであ
り、画像の印刷や媒体(例えばカード)(受像体)への
再転写には殆ど影響がない。
【0014】図2は本発明の一実施の形態に係るCGH
付きカード(受像体)の発行装置である。印刷・発行前
のカード(受像体)15はカードストッカー16に蓄え
られており、CGH付きカード(受像体)の発行装置本
体14が印刷開始の信号を受けると、供給ローラー17
及び搬送ローラー18が図示しない駆動手段により回転
を開始し、カードストッカー16の最上段に積載された
カード(受像体)15Aが搬送ローラー18と補助ロー
ラー19の間に侠持されながら矢印Dの方向へ搬送され
る。カード検出手段20が搬送されるカード(受像体)
15Aの先端15Bを検出すると、カード搬送は一旦停
止される。
【0015】インクフィルム21はインク塗布面をプラ
テンローラー22側に向け、ガイドシャフト23によっ
てその搬送経路が案内され、供給リール24と巻き取り
リール25との間に張架されている。インクフィルム2
1のインク塗布面と反対面に第1の加熱部であるサーマ
ルヘッド26が配置されており、サーマルヘッド26と
プラテンローラー22との間でインクフィルム21とC
GH付き中間転写フィルム1とが密着される。インクフ
ィルムの供給リール24には図示しない摩擦クラッチに
よりバックテンションが与えられており、巻き取りリー
ル25は図示しない駆動源により制御駆動される。
【0016】一方、CGH付き中間転写フィルム1は、
転写面をサーマルヘッド26側に向け、ガイドシャフト
28によってその搬送経路が案内され、供給リール29
と巻き取りリール30との間に張架されている。供給リ
ール29及び巻き取りリール30は図示しない駆動源に
より制御駆動される。カード(受像体)15Aの搬送が
一時停止された後、インクフィルム21が巻かれた巻取
りリール25が矢印Eの方向へ回転を開始する。インク
フィルム21は図3の(a)に示すように、帯状のベー
スフィルムに溶融性あるいは昇華性のイエロー(Y),
マゼンタ(M),シアン(C)の3色もしくは図3の
(b)に示すように、イエロー(Y),マゼンタ
(M),シアン(C),ブラック(K)の4色のインク
を周期的に塗布したものであり、先頭色(Y)に対応し
た黒マーク13A、2色目以降の色(M、C、K)に対
応した黒マーク13Bが施されている。
【0017】黒マーク検出手段31がインクフィルム2
1の先頭色の黒マーク13Aを検出すると、巻き取りリ
ール25の回転が停止する。上記動作と平行して、CG
H付き中間転写フィルム1が巻かれた巻き取りリール3
0が矢印Fの方向へ回転を開始する。CGH付き中間転
写フィルム1の黒マーク検出手段32が、図1(a)に
示す黒マーク2Aを検出すると、巻き取りリール30の
回転が停止する。
【0018】次に、サーマルヘッド26を図示しない駆
動手段により、プラテンローラー22に押圧し、プラテ
ンローラー22を矢印Gの方向へ回転させ、インクフィ
ルム21及びCGH付き中間転写フィルム1を矢印Hの
方向に搬送する。同時にインクリボン21が巻かれた巻
取りリール25は矢印Eの方向へ回転するので、インク
リボン21はたるみなく巻き取られる。同時にCGH付
き中間転写フィルム1が巻かれた巻取りリール30は矢
印Fの方向へ回転するので、CGH付き中間転写フィル
ム1はたるみなく巻き取られる。
【0019】プラテンローラー22は、図示しない駆動
系に設けられているエンコーダのパルスをカウントする
か、もしくは駆動源としてステッピングモーターを使用
してステップ数をカウントすることにより、CGH付き
中間転写フィルム1を一画面分搬送する。ガイドシャフ
ト28は、CGH付き中間転写フィルム1のプラテンロ
ーラー22に対する巻付け角が120°以上になるよう
に配置されているので、CGH付き中間転写フィルム1
はプラテンローラー22との摩擦力によってスリップす
ることなく搬送される。従ってプラテンローラー22の
回転動作でCGH付き中間転写フィルム1の正確な搬送
を行うことができる。
【0020】プラテンローラー22の回転動作によりC
GH付き中間転写フィルム1の搬送が開始されると、サ
ーマルヘッド26にプラテンローラー22の回転と同期
して所定の電流を流し、この時発生するサーマルヘッド
26の熱によりインクフィルム21のインクを溶融ある
いは昇華させて、図1(a)に示す画像転写領域の仮空
境界線3内に先頭色(Y)の画像を転写する。
【0021】先頭色(Y)の転写が完了すると、プラテ
ンローラー22、巻き取りリール25、巻き取りリール
30の回転を一旦停止し、サーマルヘッド26をプラテ
ンローラー22より離間する。インクリボン21が巻か
れた巻取りリール25は再び矢印Eの方向へ回転し、黒
マーク検出手段31がインクフィルム21の2色目の黒
マーク13B(図3参照)を検出すると、巻き取りリー
ル25の回転を停止する。また、プラテンローラー22
を転写時と同一量だけ逆転させ、CGH付き中間転写フ
ィルム1を正確に転写前の位置まで巻き戻す。同時にC
GH付き中間転写フィルム1が巻かれた供給リール29
が矢印Iの方向へ回転し、CGH付き中間転写フィルム
1はたるみなく巻き取られる。
【0022】以後同様の動作の繰り返しにより、CGH
付き中間転写フィルム1を3往復あるいは4往復して3
色もしくは4色のインクを精度よく重ね合わせて転写す
ることにより、CGH付き中間転写フィルム1上にフル
カラーの絵・文字等の画像がミラー反転した状態で形成
される。
【0023】CGH付き中間転写フィルム1への画像転
写が終了すると、巻き取りリール30が矢印Fの方向に
回転し、CGH付き中間転写フィルム1上に転写された
画像が再転写ローラー33とヒートローラー34との間
へと搬送される。黒マーク検出手段35が図1の(a)
に示す黒マーク2Bを検出するとCGH付き中間転写フ
ィルム1の搬送を停止する。この時、CGH付き中間転
写フィルム1に転写された画像の先頭が再転写開始位置
36と一致するように考慮されている。
【0024】次に、これまで停止していたカード(受像
体)15Aは、再び矢印Aの方向へ搬送され、再転写ロ
ーラー33とヒートローラー34の間へと導かれる。カ
ード検出手段20がカード(受像体)15Aの後端15
Cを検出すると、カード搬送は停止される。この時、カ
ード(受像体)15Aの先端15Bが再転写開始位置3
6と一致するように考慮されており、従ってCGH付き
中間転写フィルム1上の画像の先頭とカード(受像体)1
5Aの先端15Bが相対して一致している状態となる。
【0025】CGH付き中間転写フィルム1上の画像の
先頭とカード(受像体)15Aの先端15Bとの位置合
わせが完了し、両者が停止したら、図示しない押圧機構
によりヒートローラー34を再転写ローラー33に押圧
する。再転写開始位置36でのヒートローラー34の押
圧が完了すると、図示しない駆動手段により再転写ロー
ラー33を一定速度で矢印Jの方向へ回転させ、CGH
付き中間転写フィルム1とカード(受像体)15Aとを
密着させて搬送する。同時に巻き取りリール30は矢印
Fの方向へ回転するのでCGH付き中間転写フィルム1
はたるみなく巻き取られる。この時、ヒートローラー3
4の熱によってCGH付き中間転写フィルム1の図1の
(b)に示す剥離層11から上の層が、カード(受像
体)15Aの表面に再転写される。CGH付き中間転写
フィルム1及びカード(受像体)15Aがヒートローラ
ー34を通過すると、CGH付き中間転写フィルム1は
ガイドシャフト37の方向へと急峻に引き下げられ、搬
送方向が急激に変えられる。これによって、CGH付き
中間転写フィルム1のうち、図1の(b)に示す剥離層
11から下の層はカード(受像体)15Aと確実に分離
される。分離されたカード(受像体)15Aはカード排
出検知手段38を通過した後、カード排出ストッカー3
9へと導かれ、カード(受像体)発行動作は終了する。
【0026】図4は、図2に示すCGH付きカード(受
像体)の発行装置14を使用して発行したICカード
(受像体)40の平面図である。斜線部41は背景画
像、斜線部42は顔画像である。CGH群43は図1の
(a)で示したCGH付き中間転写フィルム1のCGH
群4が転写されたものとし、転写前の各CGH4A、4
B、4C、4Dはそれぞれ転写後の43A、43B、4
3C、43Dに相当するものとする。また金属反射膜4
4は図1の(a)に示すCGH付き中間転写フィルム1
の金属反射膜5に相当するものとする。CGH群43よ
りひとまわり広い領域の金属反射膜44の部分には、画
像が印刷されないように背景画像41は予め白抜きにし
てある。IC45の表面は他の部分と材質が異なるの
で、図1に示すCGH付き中間転写フィルム1の接着層
6が機能せず、この表面にはなにも転写されない。
【0027】このように、図2に示すCGH付きカード
(受像体)の発行装置14を用いれば、画像と共にCG
Hを付加したカード(受像体)の発行を行うことができ
る。また図2のカード搬送を往復できるようにし、カー
ド搬送経路中にカード反転機構を設ければ、カード(受
像体)の裏表に同様の処理を施して発行することができ
る。また磁気情報の書き込み手段を設ければ、磁気スト
ライプに情報を書き込んだ状態で、磁気カード(受像
体)の発行を行うことも可能である。さらにICの書き
込み手段を設ければ、ICに情報を書き込んだ状態でI
Cカード(受像体)の発行を行うことも可能である。
【0028】図5に図2のCGH付きカード(受像体)
の発行装置14により発行されたICカード(受像体)
40のCGH群43(図4参照)を再生するCGH再生
手段の例を示す。CGH再生装置46にIC45(表
面)が上向きになるようにICカード(受像体)40が
挿入されると、図示しないカード認識手段によりICカ
ード(受像体)40の挿入を検知し、フィードローラー
47が回転を開始する。挿入によりフィードローラー4
7と補助ローラー48との間に侠持されたICカード
(受像体)40は、カードレール49に案内されながら
ICコネクタ50の方向へ一定速度で送られる。ICカ
ード(受像体)40には表面にCGH群43があるの
で、光学ブロック51に保持されたレーザー52から照
射されるレーザー光が、ICカード(受像体)40の搬
送と共に金属反射膜膜44の領域内に存在するCGH群
43に順次照射され、光学ブロック51に保持される撮
像素子54にその反射回折画像が順次投影される。
【0029】さらに、ICカード(受像体)40は搬送
され、搭載されたIC45が、ICコネクタ50と相対
する位置に来るとフィードローラー47の回転が停止す
る。この時点で、ICカード(受像体)40に搭載され
たIC45とICコネクタ50とは接触状態となり、I
C45に記録されている情報の読み取り・書き込みが行
われる。上述のCGH再生装置46を使用し、ICカー
ド(受像体)40上のCGH群43の再生画像を画像認
識し、認識結果に異常がなければ、前記カード(受像
体)が偽造されていないと判断して、IC情報の読み込
み・書き込みを行うようにすれば、IC情報のセキュリ
ティをさらに高くすることができる。
【0030】CGH再生手段のさらに他の実施例を示
す。CGH再生装置は、例えばパスポートのように特に
偽造防止を必要とする媒体(受像体)であって、これに
図2に示すCGH付きカード(受像体)の発行装置の原
理を用いて、顔画像、直筆サイン、その他性別や有効期
限等の文字画像、真偽判定用のCGHを転写・印刷して
発行した媒体(受像体)のCGHを再生する専用再生機
を想定する。
【0031】また、例えばパスポートのような媒体(受
像体)には、所定頁に一定のフォーマットに基く背景画
像や文字等の固定画像、発行の度にその内容が変わる顔
画像や、直筆サイン、有効期限等の変動画像が存在する
が、ここでは、固定画像の一例として背景画像、変動画
像の一例として顔画像、固定情報として真偽判定用CG
Hが設けられている媒体(受像体)を想定して説明す
る。
【0032】図6(a)はCGH再生装置本体55と媒
体(受像体)56の斜視図であり、これらを直線KKで
切断した断面図を同図(b)に示す。CGH再生装置本
体55は、案内溝57、レーザー58、ミラー59、ス
クリーン60から構成される。また、媒体(受像体)5
6は冊子状で、その所定頁には背景画像61、顔画像6
2、真偽判定用CGH63が転写されている。また、真
偽判定用CGH63の面積よりひとまわり広い領域に金
属反射膜64があり、この領域には画像が転写されない
ようにあらかじめ背景画像61は白抜きが施されてい
る。
【0033】媒体(受像体)56の所定頁をCGH再生
装置本体55の案内溝57に沿って矢印Lの方向へ手差
し挿入する。挿入が完了すると、図示しない媒体挿入検
出手段が媒体の挿入を検出し、レーザー58からレーザ
ー光65が発射される。発射されたレーザー光65は一
旦ミラー59に反射して、ある一定の角度で媒体(受像
体)56上の真偽判定用CGH63に照射される。照射
されたレーザー光65は真偽判定用CGH63と金属反
射膜64の働きにより、ある一定の方向へ反射・回折し
てスクリーン60上に画像「A」を結像する。このスク
リーン60上の「A」を目視で確認し、この媒体(受像
体)56は偽造されていないと判断する。
【0034】図7は図2のCGH付きカード(受像体)
の発行装置14により発行されたICカード(受像体)
40のCGH群43(図4参照)を転写された状態と異
なる状態に変化させるCGH記録状態変更手段の実施例
を示す。以下の説明では、CGH記録状態変更手段の装
置本体66にCGH群43のうち、第1のCGH43A
と第2のCGH43Bに対して変更するよう指令した場
合を仮定して説明する。
【0035】CGH記録状態変更手段の装置本体66
に、IC45(表面)が上向きになるようにICカード
(受像体)40が矢印Mの方向へ挿入されると、図示し
ないカード認識手段によりICカード(受像体)40の
挿入を検知し、フィードローラー67が回転を開始す
る。挿入によりフィードローラー67と補助ローラー6
8との間に侠持されたICカード(受像体)40は、カ
ードレール69に案内されながら一定速度で送られる。
フィードローラー67は、図示しない駆動系に設けられ
ているエンコーダのパルスをカウントするか、もしくは
駆動源としてステッピングモーターを使用してステップ
数をカウントすることにより、ICカード(受像体)4
0を精度よく所定の位置で停止させることができる。I
Cカード(受像体)40に転写されているCGH群43
に相対する位置に、若干の隙間をおいてインパクトヘッ
ド70が配置されている。インパクトヘッド70には硬
質なインパクトピン71が内装されており、その先端は
鋭利に加工が施されている。
【0036】ICカード(受像体)40に転写された第
1のCGH43Aがインパクトピン71に相対する位置
でICカード(受像体)40の搬送を一旦停止させ、イ
ンパクトヘッド70に所定の電流を流すと、インパクト
ピン71がインパクトヘッド70本体から一定のストロ
ークで突出する。ICカード(受像体)40はステージ
72により支持されているので、ICカード(受像体)
40上の第1のCGH43Aは、インパクトピン71の
打撃力により局所的にその形状が変化し、金属反射膜4
4と共に破壊される。インパクトピン71の突出による
ICカード(受像体)40上の打痕は、第1のCGH4
3Aの面積より広く、かつ隣接する第2のCGH43B
を破壊しないように、インパクトピン71の外径とスト
ロークは考慮されている。
【0037】ICカード(受像体)40に転写された第
1のCGH43Aの破壊が完了すると、再びICカード
(受像体)40の矢印M方向への搬送を開始し、ICカ
ード(受像体)40に転写されているCGH群43のピ
ッチ間隔と同一距離だけ搬送し、第1のCGH43Aと
同様に第2のCGH43Bの破壊を行う。破壊されたC
GH43A及びCGH43Bは、図8の断面拡大図に示
すように、金属反射膜層に達するまで物理的に破壊され
ているので、単色光を照射してもCGH画像を再生する
ことはできず、また一度破壊されたCGH43A、43
Bを元の状態に戻すことは到底不可能である。
【0038】上記CGH記録状態変更手段の装置本体6
6の原理をもってすれば、例えば図2に示すCGH付き
カード(受像体)の発行装置14の再転写開始位置36
とカード排出検知手段38との間に上述のCGH記録状
態変更手段を配置するか、もしくはカード搬送を往復で
きるようにして、カード搬送経路中に上述のCGH記録
状態変更手段を配置すれば、発行する媒体(受像体)に
転写されたCGHを選択的に変更することができ、よっ
て発行媒体(受像体)に新たな情報を付加することがで
きる。さらに、例えば図2に示すカード発行装置14の
カード搬送経路中に、図5に示すCGH再生装置46の
原理によるCGH再生手段を設ければ、媒体の発行過程
において記録したCGHの記録結果を再生し、付加した
情報の確認を行うことができる。
【0039】第2の加熱部によって画像とともに受像体
に転写される前に、中間転写フィルム1のCGHを媒体
(受像体)に転写されないよう選択的に処理を行うCG
H記録状態変更手段の一実施例を以下に示す。図9は、
CGH付き中間転写フィルム1のCGH記録状態変更手
段の平面図である。以下の説明では、使用するCGH付
き中間転写フィルム1を図1と同様であるものとし、C
GH記録状態変更手段の装置本体74にCGH群4のう
ち、第1のCGH4Aと第2のCGH4Bに対して変更
するよう指令した場合を仮定して説明する。
【0040】CGH付き中間転写フィルム1は、ゴム等
の摩擦部材が巻かれたフィルム搬送ローラー76とガイ
ドシャフト77によってその搬送経路が案内され、図示
しない供給リールと巻き取りリールとの間に張架されて
いる。巻き取りリールは図示しない駆動源により制御駆
動される。フィルム搬送ローラー76は、図示しない駆
動系に設けられているエンコーダのパルスをカウントす
るか、もしくは駆動源としてステッピングモーターを使
用してステップ数をカウントすることにより、CGH付
き中間転写フィルム1を一定量搬送することができる。
また、ガイドシャフト77は、CGH付き中間転写フィ
ルム1のフィルム搬送ローラー76に対する巻付け角が
120°以上になるように配置されているので、CGH
付き中間転写フィルム1はフィルム搬送ローラー76と
の摩擦力によってスリップすることなく搬送される。従
ってフィルム搬送ローラー76の回転動作でCGH付き
中間転写フィルム1の正確な搬送を行うことができる。
【0041】CGH記録状態変更手段の装置本体74が
記録開始の信号を受けると、フィルム搬送ローラー76
が矢印Pの方向へ回転を開始する。同時に図示しない巻
き取りリールが、CGH付き中間転写フィルム1を巻き
取る方向へ回転するので、CGH付き中間転写フィルム
1はたるむことなく巻き取られる。CGH付き中間転写
フィルム1の黒マーク検出手段78が、図1(b)に示
す黒マーク2Aを検出すると、フィルム搬送ローラー7
6の回転が一旦停止する。このときCGH付き中間転写
フィルム1上の第1のCGH4Aに相対する位置に、若
干の隙間をおいてインパクトヘッド79が配置されてい
る。インパクトヘッド79には硬質なインパクトピン8
0が内装されており、その先端は鋭利に加工が施されて
いる。
【0042】フィルム搬送ローラー76の回転が一旦停
止すると、インパクトヘッド79に所定の電流を流し、
インパクトピン80がインパクトヘッド79本体から一
定のストロークで突出する。CGH付き中間転写フィル
ム1を介してインパクトヘッド79と相対する位置にス
テージ81が配置されており、ステージ81にはインパ
クトヘッド79から突出するインパクトピン80が嵌合
する嵌合穴82が設けられているため、CGH付き中間
転写フィルム1上の第1のCGH4Aは、インパクトピ
ン80とステージ81の嵌合穴82との嵌合によりCG
H付き中間転写フィルム1は局所的に破断される。イン
パクトピン80と嵌合穴82との嵌合によるCGH付き
中間転写フィルム1の破断痕は、第1のCGH4Aの面
積より広く、かつ隣接する第2のCGH4Bを破断しな
いように、インパクトピン71の外径と嵌合穴82の外
径は考慮されている。
【0043】第1のCGH4Aの破断が完了すると、再
びCGH付き中間転写フィルム1に設けられているCG
H群4のピッチ間隔と同一距離だけ矢印P方向に搬送
し、第1のCGH4Aと同様に第2のCGH4Bの破断
を行う。上述のCGH記録状態変更手段の原理に基き、
CGH記録状態変更手段を図2に示すCGH付きカード
発行装置の供給リール29と再転写開始位置36との間
でCGH付き中間転写フィルム27の搬送径路上に設け
れば、CGHの変更を施した状態で媒体(受像体)への
CGH転写を行うことができる。この方法によるCGH
変更を行えば、図7に示したCGH記録状態変更手段の
装置による方法と比較して、カード(受像体)表面に打
痕を残すことがく、発行する媒体(受像体)の美観を損
なうことがない。また、発行する媒体(受像体)が紙の
ように打痕によるCGH記録が困難な媒体(受像体)に
対して有効である。
【0044】なお、図10は本発明の熱転写印刷装置に
使用するCGH付き中間転写フィルムの他の一例を示す
断面図である。この形態の中間転写フィルムは、CGH
形成層8が受像層9の下の面すなわち保護層10側に設
けられているため、接着層6(印刷面)の平滑性が得ら
れるという特長がある。また、印刷時にCGH形成層8
への熱の影響が少ないという特長もある。さらに、CG
H再生時の反射光の光量も多くとれる。
【0045】さて、次に本発明の受像体について説明す
る。以下に説明を行なう本発明の受像体の実施例は、先
に説明したIDカードやクレジットカードのような固有
の情報を表示可能な受像体(媒体)、それらの受像体
(媒体)に固定することも可能な情報表示機能を有する
光記録媒体に関する。
【0046】近年、高級ブランド品、クレジットカー
ド、キャッシュカード、IDカード、パスポートなどに
は、装飾性に優れ、文字、記号、絵柄を容易に目視で認
識できるレリーフホログラム(凹凸模様を有するホログ
ラム)を取り付けることが、広く一般に実施されてい
る。
【0047】従来のレリーフホログラムは、物体光と参
照光との光の干渉(二光束干渉)を利用し干渉縞の光の強
度分布を凹凸模様(レリーフ)としたホログラムであ
り、フレネルホログラム、イメージホログラム、カラー
ホログラム、レインボーホログラム、マルチプレックス
ホログラム等が含まれる。
【0048】レリーフホログラムは、通常、感光性樹脂
を利用して、凹凸の形で表現して、マスターホログラム
を作製する。このマスターホログラムから、ニッケルメ
ッキ等によって、型取りしてスタンパを作製し、スタン
パに樹脂を流して、樹脂成型したものを使用する。
【0049】一方、光の干渉を利用せず、半導体製造プ
ロセスを応用することによって、凹凸を機械的にシリコ
ン基盤上に作製し、シリコン基盤からニッケルメッキ等
によって、型取りしてスタンパを作製し、スタンパに樹
脂を流して、樹脂成型することによりレリーフホログラ
ムを形成することも可能である。
【0050】ところで上記のように商品の真贋を証明し
たり身分証明の用途に用いることを意図したレインボー
ホログラムの中で、光の干渉性を利用して製作したもの
については、前提とすべき「偽造困難性」が揺らいでき
ている。
【0051】すなわち商品、カードの基材はもとより、
本来複製が困難なはずのホログラム部分について、一見
して本物との区別が難しい精巧なものが多く出回るよう
になり、偽造品を防ぐことができない事態に至ってい
る。
【0052】一方、高級ブランド品あるいはその商品の
パッケージは、販売店員あるいはその商品の購入者ある
いは所有者が容易に真贋判定することができるものが望
まれる。クレジットカード、IDカード、パスポートな
ども、用途によって、販売店員、審査官あるいはその物
品を所有する人が容易に真贋判定することができるもの
が望ましい場合がある。同時に、商品や物品は、価値や
品位を高めるために装飾性に優れていることも望まれ
る。
【0053】そこで本実施例では、従来よりも更に偽造
防止効果を高め、装飾性に優れかつ多くの人が容易に真
贋判定することができる光記録媒体、及びその光記録媒
体を固定したカードなどの媒体(受像体)の提供を行な
うものである。
【0054】CGHとは、上記にも説明したように計算
機を使用して設計された回折格子であり、所望の回折格
子の回折角に対応する回折光分布(振幅分布)を計算機に
よってフーリエ逆変換することで、回折格子の干渉縞に
対応する位相分布を算出し、位相分布を離散値化して収
束させる。
【0055】またCGHの製作に際しては、半導体製造
プロセスを応用してこの離散値位相分布に対応する階段
状段差をシリコン基盤上に作製し、ニッケルメッキ等に
よって、型取りしてスタンパを作製し、スタンパに樹脂
を流して、樹脂成型してCGHが作製される。上記の技
術のより詳細な開示資料として、公刊資料たる雑誌「O
plus E」(96, 11月号,p83)にその最適化手法の
一例が記載されている。
【0056】このような過程を経て作製されるCGH
は、極めて偽造されにくい、という特質を有する。カー
ドなどの媒体(受像体)に対して転写されたCGHに単
色光を照射すると階段状段差に対応した位相成分がフー
リエ変換されて回折像(回折光分布)が得られることは先
に説明した通りである。
【0057】なお、以下の説明において本実施例で用い
るレリーフホログラムは、特に断らない限り、二光束干
渉を利用せず半導体製造プロセスを応用することによっ
て凹凸を機械的にシリコン基盤上に作製するものであ
り、シリコン基盤からニッケルメッキ等によって型取り
してスタンパを作製し、スタンパに樹脂を流して樹脂成
型したものを使用する。
【0058】図11は本実施例の光記録媒体11aの平
面図であり、複数個のCGH11bに近接して複数個の
レリーフホログラム(レインボーホログラム)11cを
配置し、CGH11bとレリーフホログラム11cとを
一体成型し、レリーフホログラム11cの白色光下にお
ける直視再生像とCGH11bに単色光を入射して得ら
れる投影再生像とが、関連のある文字、記号または絵柄
となるように構成した光記録媒体11aの例を示してい
る。
【0059】上記のように、CGH11bとレリーフホ
ログラム11cとは共に、半導体プロセスを応用してシ
リコン基盤上に双方一体にして作製することができる。
CGH11bとレリーフホログラム11cとを一体成型
とすることによって従来の二光束干渉を利用してホログ
ラムを作製する工程は必要としないので、光記録媒体1
1aを生産する際の工数削減、コスト低減がなされる。
更にまた、半導体製造プロセスは設備として極めて高額
なものであり10nmオーダーの微細加工を要する製造プ
ロセスであることから、偽造するのは極めて難しくその
プロセスで製造された光記録媒体11aは極めて強固な
「偽造困難性」を有する。
【0060】光記録媒体11aを製造するに際しては、
作製したシリコン基盤からニッケルメッキ等によって型
取りしてスタンパを作製し、スタンパに樹脂を流し樹脂
に転写して光記録媒体11aを大量複製することが可能
である。転写はポリカーボネート等に射出成型する方
法、紫外線硬化性樹脂等に2P(Photo Polymerizatio
n)成型する方法等が用いられる。光記録媒体11aはカ
ード、タグ、ディスク等の平板状またはフィルム状に形
成することが可能である。またスタンパを作製せずにシ
リコン基盤から直接2P成型を行い、光記録媒体11a
を作製してもよい。
【0061】図11図示の光記録媒体11aは、CGH
11b、レリーフホログラム11cいずれかあるいは双
方を、透過型ホログラムまたは反射型ホログラムとして
構成することが可能である。反射型ホログラムとして用
いる場合、反射型として用いる部分の裏面(光の入射面
に対する裏面)に金属薄膜層を設けて入射光を反射する
構成としてもよい。
【0062】金属薄膜層は、スパッタリング、真空蒸着
等によって形成する。材質として金、アルミニウム等の
金属、TiO2等の金属酸化物、ZnS等の金属硫化物
が用いられる。また、金属薄膜層を設けた場合、金属薄
膜層が剥がれるのを防ぐために金属薄膜層の表面に保護
樹脂層を設けてもよい。
【0063】図12は、図11に示す光記録媒体11a
のCGHとして透過型ホログラムを用いた構成の斜視図
である。図12では、光記録媒体11aに含まれるCG
H11bの一部に、単色光源12aを発しビームスプリ
ッタ12bを経由する単色光を入射させ、スクリーン1
2c上に回折像12dを投影した状態を示している。
【0064】レリーフホログラム11cの白色光下にお
ける直視再生像(「ABC」)と、CGH11bに単色
光を入射して得られる投影再生像12d(「DEF」)
とは、社名、ブランド名、製品名、商標等の関連のある
文字、記号または絵柄が得られるように自由に設計する
ことができ、また双方の再生像の文字、記号または絵柄
(図12中の「ABC」と「DEF」)が、一致するよ
うに設計してもよい。
【0065】双方の再生像が、関連する、または一致す
る文字、記号、絵柄等とすれば、CGH11bに単色光
を入射して得られる再生像12dと白色光下でのレリー
フホログラム11cの再生像との比較が容易になる。ま
た、CGH11bに単色光を入射して得られる投影再生
像12dが、社名、ブランド名、製品名、商標等の出所
表示とすれば、物品の販売員、税関等の審査官あるいは
その物品を購入して所有する人等が視認によって、その
物品の真贋等を確認することが容易にできる。
【0066】本実施例の光記録媒体11aを再生するた
めには、先に説明したCGH読み取り装置を用いる方法
の他に、市販のレーザーポインタ等の入手が容易な単色
光源を用意し、CGH11bに単色光を入射して机、
壁、紙等の平面形状の物体に投影すれば、物品の販売
員、税関等の審査官あるいはその物品を購入して所有す
る人等が容易に、場所を問わず物品の真贋判定等を行う
ことができる。
【0067】さらに、このように真贋判定を行うことが
できる光記録媒体11aを他の被転写体(受像体)たと
えばカードやシートなどに転写し、転写したCGHを用
いて上記と同様の再生像を得ることができるので、様々
な商品、物品の形態に応じてCGHを固定し真贋判定等
に用いることができ、利便性が高い。なお、レーザーポ
インタ等を持ち合わせない場合は、従来どおりレリーフ
ホログラムの直視再生像のみによって真贋判定すること
も勿論可能であるので、状況に応じて真贋判定機能を発
揮するフレキシビリティを有する。
【0068】光記録媒体11aに含まれるすべてのCG
H11bの位相分布を同じとして構成し、すべてのCG
H11bから同じ投影再生像が得られるように設計して
もよいが、あるいはCGH11bの位相分布を異なる何
種類か用意し複数の異なる種類の再生像が得られるよう
に設計してもよい。また、複数の再生像を組み合わせる
ことにより真贋判別用の文字、記号または絵柄となるよ
うに設計してもよい。
【0069】複数の再生像となるように設計すること
で、偽造防止効果は一層高まる。CGH11b、レリー
フホログラム11cの個数、サイズは任意であり、CG
H11bの階段状段差の数も任意に設計することが可能
である。
【0070】次に、図11の光記録媒体11aを更にそ
の偽造防止効果を高め、装飾性も高めた構成である他の
光記録媒体13aを図13に示す。
【0071】図13図示の光記録媒体13aは、CGH
13b内部にレリーフホログラム(レインボーホログラ
ム)13cをはめ込んだ構成としている。すなわち光記
録媒体13aは、CGH13bを複数個並べて配置し、
CGH13bの一部の凹凸を無くして、そこにレリーフ
ホログラム13cの凹凸をはめ込んだ構成として設計が
なされている。
【0072】レリーフホログラム13cの部分は単純な
グレーティング(回折格子)構造となっている。CGH
13bの最小構成単位のサイズより充分大きな,例えば
CGH13bを全て覆う大きさのビーム径の単色光ビー
ムを図13の光記録媒体13aに入射すると、上記のよ
うにCGH13bの一部の凹凸が失われた構成であって
も完全に凹凸が残っている他の領域のCGH13bにも
ビームがあたるので、鮮明な投影再生像が得られる。ま
た図13の光記録媒体13aは見た目が華やかなレイン
ボーホログラム13cを備えるので装飾性にも優れ、ま
たレリーフホログラム13cに近接してCGH13bの
一部の凹凸が消失する構成とするため精密な設計を必要
とし、偽造防止効果も高まる。
【0073】次に、上記の図11図示の光記録媒体11
aをより一層、偽造防止効果を高め、装飾性も高めた構
成とした、他の光記録媒体の例を図14に示す。
【0074】図14図示の光記録媒体14aは、複数の
単体CGH14bをつなぎ合わせて、白色光下でレリー
フホログラムと同様の表示効果、すなわち直視して外形
形状を視認することができる効果を発揮する構成として
いる。所望の文字、記号または絵柄のような目視外形形
状となるようにするため、いくつかのCGH14bは一
部の凹凸を消失させて配置する構成としても良い。
【0075】図14図示の光記録媒体14bは、直視し
て認識される外形形状が「ABC」という文字列をな
し、CGHが偽造防止効果が高いことから光記録媒体1
4bを貼り付けた物品の真贋証明に用いることなどが可
能である。
【0076】一方、光記録媒体の直視される外形形状は
文字(文字列)に限られず、所定の形、マーク、などの
パターンとしても良い。図15は、文字以外のパターン
の外形形状を有する構成とした他の光記録媒体15aの
平面図である。図15図示の光記録媒体15aは、図示
の如くその直視外形形状が「リサイクルマーク」をあら
わす周知の形状をなすCGH領域15bを有している。
CGH領域15bは上記の構成と同様に複数のCGHを
連結して構成してある。また図15図示のCGH領域1
5bを含んだ構成の中間転写シートを用意し、先に説明
した本発明に係る第1の実施例記載の熱転写印刷装置を
用いて物品に対してCGH領域15bを熱転写すること
も可能である。また図15図示のCGH領域15bを含
んだ構成のラベルシールを作成し、物品に対してCGH
領域15bを貼付けることも可能である。その際、図1
0の中間転写フィルムの受容層にその直視外形形状が
「リサイクルマーク」をあらわす周知の形状をなすCG
H領域15bと同じ形状のマーク画像を転写しておき、
または物品にマークを印刷しておき、その上にCGH領
域15bがくるようにしておいても良い。こうすれば、
あたかも印刷してあるマークに単色光を照射することに
よって、回折像が発生するようなイメージが構成でき
る。
【0077】図15図示のCGH領域15bの外形形状
を直視で視認することにより、光記録媒体15aそのも
の、光記録媒体15aが固定的に貼り付けられた物品、
あるいはCGH領域15bが転写された物品は、リサイ
クル可能な材質で形成されており環境に配慮がされてい
ることを容易にかつ確実に知ることができる。またこの
光記録媒体15aは、CGH領域15bを含むことから
強力な偽造困難性を有することは上記と同様であり、従
ってこのリサイクルマークは正規の資格を有する製造者
が表示した正規のマークであることも容易にかつ確実に
証明できる。
【0078】同様に図16は、文字以外のパターンの直
視外形形状を有する構成とした他の光記録媒体16aの
平面図である。この光記録媒体16aもまた所定の直視
外形形状のCGH領域16bを有する。
【0079】図16に図示する如く、光記録媒体16a
中のCGH領域16bが表わす直視外形形状は、「犬」
の外形をマークとしてアレンジした形状である。この
「犬」のマークが、例えばある製造会社の出所表示とし
て周知であれば、この光記録媒体16a、光記録媒体1
6aが固定された物品、あるいはCGH領域16bが転
写されて表示された物品はこの製造会社の製品であるこ
とが容易にかつ確実に証明される。あるいはこの「犬」
のマークが例えばある金融会社のサービスマークとして
周知であれば、このマークを付けたクレジットカード、
キャッシュカード等の真贋証明用、すなわち偽造防止用
表示としても使用することができる。
【0080】上記に説明した図14、図15及び図16
に示す光記録媒体14a、15a、16aもまた、図1
3の光記録媒体13aと同様の理由により、単色光を照
射すると正確な投影再生像(反射または透過回折像)を
得ることができるので、装飾性に優れるとともに偽造防
止効果も高まる。また、光記録媒体中に含まれる所定の
外形形状を有するCGH領域は、図15、図16の例の
ように周知の形状に限定される必要はない。当該光記録
媒体を用いて物品の真贋等を確認したい当事者にとって
認識できる形状であれば充分であり、上記の効果が発揮
される。
【0081】次に、本発明の受像体の他の実施例として
の光記録媒体を図17に示す。図17図示の光記録媒体
17aは、CGH17bとレリーフホログラム17cと
を市松状(チェッカーパターン)に配置した構成として
いる。市松模様は、特に装飾性に優れている。CGH1
7bは上記と同様に単色光の照射に応じて回折再生像を
生成し、レリーフホログラム17cは文字列「ABC」
の外形を呈している。
【0082】図18は、光記録媒体18aを有する本実
施例のカード18dの平面図である。
【0083】図18図示のカード18dに含まれる光記
録媒体18aは、複数個のCGH18bに近接して複数
個のレリーフホログラム18cを配置し、レリーフホロ
グラム18cの白色光下における直視再生像(図18で
は「ABC」)と、計算機ホログラム18bに単色光を
入射して得られる投影再生像とが、関連のある文字、記
号または絵柄となる構成としており、この光記録媒体1
8aを平板状の被転写体(カードの基材)に転写し、さ
らにレリーフホログラム18cの白色光下における再生
像及びCGH18bに単色光を入射して得られる再生像
と関連のある文字18eを基材の表面に印刷し、カード
18dとして構成している。平板状の被転写体には図1
8図示のカードの基材の他に,タグ,ディスク等として
もよい。
【0084】図19は、図18図示のカード18dの断
面図である。図示の如くカード18dは、反射型ホログ
ラムを用いる場合CGHまたはレリーフホログラムのエ
ンボス19d上に金属薄膜層19cを設け、透過型ホロ
グラムを用いる場合は金属薄膜層19cを設けないこと
が望ましい。金属薄膜層19cを設けた場合は、金属薄
膜層19cの剥離を防ぐために、金属薄膜層19c上に
保護樹脂層19bを設けた方が望ましい。金属薄膜層1
9cを含む図19図示のカード18dからCGHの反射
回折像を得るには、図19下方から入射した単色光(不
図示)が光透過性を有する印刷層19g、光透過性を有
する被転写体19fを通過し、ホログラムエンボス面1
9d、金属薄膜層19cで反射して下方に投射され、図
示しないスクリーンへの回折像の結像がなされる。ま
た、光透過性を有しない被転写体の場合には、図19上
方から入射した単色光(不図示)が光透過性を有する印
刷層19a、表面保護樹脂層19bを通過し、金属薄膜
層19cで反射して上方に投射され、図示しないスクリ
ーンへの回折像の結像がなされる。なお上下の方向は図
19図示姿勢を基準としている。さらにカード18dを
樹脂成型によって作成した場合、ホログラム樹脂層19
eと被転写体19fは成型プロセスによって一体に成型
することが可能であり、その他の層は同一の構成であ
る。なお、図19の断面図におけるホログラム樹脂層1
9eと金属薄膜層19cとは構成の概要を示すために模
式的な図示表現としており、より詳細には図22の断面
図(CGHが2値、4値の場合を例示)のように、ホロ
グラム樹脂層19eのホログラムエンボス面19dに形
成された複数段よりなるCGHのそれぞれの段に金属反
射膜が形成されている。従って上記のように、単色光が
図19における下方および上方いずれから入射した場合
においても、反射回折像が得られるものである。ただ
し、単色光を下方から入射して反射回折光を得るために
は、成型樹脂材料はポリカーボネート、ポリプロピレ
ン、等の光透過性樹脂を用いることが望ましい。この事
は本願の他の構成の実施例あるいは図に示すCGHにお
いても同様である。
【0085】印刷層19a、19gはカード18dの両
面または片面に設けることが可能であるが、ホログラム
の凹凸上には印刷しない方が望ましい。カード18dは
光記録媒体18aの再生像と関連のある文字、記号また
は絵柄を印刷層19a、19gに印刷することで、真贋
判定が行い易く、また、装飾性にも優れたものとなる。
また、図18のカード18dを身分証明書カード等とし
て用いる場合、顔写真を印刷層19a、19gに印刷す
ると、より偽造防止効果が高まる。カード18dはIC
チップや磁気ストライプを搭載したものであってもよ
い。
【0086】本実施例において説明したCGHを有する
光記録媒体11a、13a、14a,15a,16a、
17a,18aをカード等の基材に固定したCGH付き
媒体(受像体)を製造する際には、上記の光記録媒体を
転写フィルム上に形成し、熱転写の方法により当該光記
録媒体を転写フィルムから被転写体(カードの基材等、
受像体)へ転写してカード等の媒体(受像体)を形成す
る方法も可能である。
【0087】図20は、カード基材のような被転写体
(受像体)に対し光記録媒体を転写するためのフィルム
20aの構成を示す断面図である。図20図示の如く、
接着剤層20g、金属薄膜層20f、前記光記録媒体か
ら構成されるホログラム樹脂層(ホログラムエンボス層
20eを含む)20d、剥離層20c、基材(フィルム
基材)20bを順次積層してフィルム20aが構成され
る。
【0088】金属薄膜層20fと接着剤層20gとの
間、あるいはホログラム樹脂層20dと剥離層20cの
間に、ホログラム表面保護のための保護樹脂層(不図
示)を設けてもよい。また、二光束干渉によって記録さ
れたレリーフホログラムのスタンパと、半導体製造プロ
セスを応用して作製したCGH、レリーフホログラムの
スタンパの双方を用いて、ホログラム樹脂層20dにエ
ンボス成型してもよい。二光束干渉によるレリーフホロ
グラムを配置することで、装飾性を増すことができる。
【0089】接着剤層20gには加熱、加圧または加湿
によって活性化する樹脂を用いることが望ましい。金属
薄膜層20fは、金属、金属酸化物、金属硫化物等をス
パッタリング、真空蒸着等によって設ける。金属薄膜層
20fとして、透明なTiO2を用いることも可能であ
り、その場合図20の接着剤層20gを画像が熱転写印
刷される受容層として置き換えて構成し、完成後のカー
ド(受像体)において金属薄膜層20fの下層に位置す
る印刷画像を外部から視認可能な構成とすることができ
る。なおフィルム20aへの画像の熱転写印刷は、先に
本願で説明した熱転写印刷装置を用いて実施することが
可能である。
【0090】また、ホログラム樹脂層20dには、熱、
光または輻射線によって硬化する樹脂を用いることが望
ましい。剥離層20cにはホログラム樹脂層20dある
いは保護樹脂層と接着性の弱い樹脂を用いることが望ま
しく、基材20bは耐熱性、耐圧性、耐光性をもった材
質が望ましい。また、被転写体(受像体)にレリーフホ
ログラムの白色光下における再生像及びCGHに単色光
を入射して得られる再生像と関連のある文字を予め印刷
し、その印刷層上に図20図示のフィルム20aを貼り
付けると、真贋判定も行い易く、装飾性に優れたものと
なる。
【0091】図21に、フィルム20aを用いてホログ
ラム樹脂層20d等を被転写体(受像体)21cに転写
して貼り付けて完成したカード(受像体)21aの断面
図を示す。
【0092】転写に際しては、フィルム20aの接着剤
層を被転写体(受像体)21cに接触させた後に、基材
20b側から被転写体(受像体)21cに対して加熱、
加圧または加湿等を行い、剥離層20cから基材20b
を剥がして、被転写体(受像体)21cへ光記録媒体等
の転写と貼り付けを行なう。
【0093】フィルム20aは、先に説明した熱転写印
刷装置によって受容層20gへ画像を印刷した後に被転
写体21cへ貼り付けてもよく、あるいは作業者の手作
業で貼り付けてもよい。また、フィルム20aにおいて
剥離層20cを除いたラベル形態のシールとしたフィル
ムを貼り付けても良い。
【0094】上記に説明したように、光記録媒体をフィ
ルム形状とした場合は、物品、商品や商品のパッケージ
などあらゆる形状のものに直接貼り付けることができる
ので、光記録媒体の用途が拡大する。また転写に際して
は印刷を同時に行なうことも可能であるので、光記録媒
体が転写された被転写体(受像体)21cを身分証明書
等として用いる場合には、所有者の写真を印刷した後に
光記録媒体のフィルムを貼り付けると、偽造防止効果も
さらに高まる。
【0095】以上説明したように本実施例の受像体(カ
ード、カード基材、媒体、被転写体)では、先に説明し
た本発明の効果に加えて、計算機ホログラムに近接して
レリーフホログラムを配置し、レリーフホログラムの白
色光下における再生像と計算機ホログラムに単色光を入
射して得られる再生像とが、関連のある文字、記号また
は絵柄とすることにより、偽造防止効果を高め装飾性に
優れかつ多くの人が容易に真贋判定することができる。
【0096】ところで、上記に説明した本発明に係る実
施例の構成において以下のように構成とすることもまた
可能である。
【0097】まず図1を用いて先に説明したCGH付き
中間転写フィルム1において、金属反射膜5を透明材料
により構成し、図10にあるように、中間転写フィルム
1が接着層6、受像層9、金属反射膜層7、CGH形成
層8、保護層10、剥離層11、基材12、の順に形成
された構成とすることにより、媒体(受像体、カード
等)の全面に画像を転写することが可能となる。
【0098】金属反射膜5に用いる透明材料としては、
例えばTiO2をスパッタリングすることにより形成し
た膜を用いることができる。ホログラム層の表面にTi
2のスパッタ膜を形成すると、無垢の樹脂材料の表面
における反射率よりも若干反射率を上げることができる
ので、レリーフホログラム及びCGHの回折像をより強
調して視認できるとともに下層にある印刷面等を透過し
て視認することもまた可能である。
【0099】同様に、図4を用いて先に説明した、図2
に示すCGH付きカード(受像体)の発行装置14を使
用して発行したICカード(受像体)40において、図
10にあるように、中間転写フィルム1が接着層6、受
像層9、金属反射膜層7、CGH形成層8、保護層1
0、剥離層11、基材12、の順に形成し、金属反射膜
44を透明材料により構成していれば、全面に画像を印
刷することが可能であり、先に説明したように背景画像
41を白抜きにする必要は無くなる。
【0100】また、図6を用いて先に説明した媒体(受
像体)56においても、図10にあるように、中間転写
フィルム1が接着層6、受像層9、金属反射膜層7、C
GH形成層8、保護層10、剥離層11、基材12、の
順に形成し、金属反射膜64を透明材料により構成して
いれば、全面に画像を印刷することが可能であり、先に
説明したように背景画像61を白抜きにする必要は無く
なる。
【0101】更に、図10を用いて先に説明した、本発
明の熱転写印刷装置に使用するCGH付き中間転写フィ
ルムの他の一例においても、金属反射層7をTiO2
の透明反射層とすることで、CGH群4のあるなしに関
わらず、受像層9の画像を印刷できるし、金属反射層7
はCGH群4の部分だけでなく、フィルム全面に形成で
きる。
【0102】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、C
GHを受像体に画像と共に転写することにより、即時的
にセキュリティー性の優れた受像体を発行することが可
能である。従ってパスポートや運転免許証のように偽造
防止を特に必要とし、顔画像の貼付がなされる受像体で
即時発行の必要があるものに非常に有効である。また、
CGH記録状態変更手段を内蔵させれば、情報を付加し
た受像体の発行も可能となるので、発行媒体としての受
像体の用途をさらに広げられる。また、発行された受像
体はCGH再生装置を使用することにより、即座に受像
体の真偽判定を行うことが可能である為、偽造品などの
不正受像体の発見や、受像体の改竄行為に対する抑止効
果が期待できる。更に、カード等の受像体に転写された
CGHが受像体の真贋目視判別用の文字、パターンを呈
することから、受像体の真贋をより容易かつ確実に証明
することができる。また受像体上に転写されたCGHと
画像とは同一形状を有するように構成することにより、
あたかも印刷してあるマークに単色光を照射することに
よって回折像が発生するようなイメージを構成すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による熱転写印刷装置に使用するCGH
付き中間転写フィルムの一例を示す平面図及び断面図で
ある。
【図2】本発明による熱転写印刷装置の実施の形態でを
示すCGH付きカードの発行装置の平面図である。
【図3】本発明による熱転写印刷装置に使用するインク
フィルムの構成を示す平面図である。
【図4】図2のCGH付きカードの発行装置により発行
されたICカードの平面図である。
【図5】CGH再生手段の一実施例を示し、図2のCG
H付きカードの発行装置により発行されたICカードを
再生するCGH再生装置の斜視図である。
【図6】CGH再生手段の他の実施例を示す斜視図及び
その直線KKにおける断面図である。
【図7】CGH記録状態変更手段の一実施例を示す斜視
図である。
【図8】図7のCGH記録状態変更手段により変更され
た媒体の直線N−Nにおける断面拡大図である。
【図9】CGH記録状態変更手段の他の実施例を示す平
面図である。
【図10】本発明による熱転写印刷装置に使用するCG
H付き中間転写フィルムの他の一例を示す断面図であ
る。
【図11】本発明に係る光記録媒体の一実施例の平面図
である。
【図12】図11の光記録媒体の斜視図である。
【図13】本発明の光記録媒体の一実施例の平面図であ
る。
【図14】本発明の光記録媒体の一実施例の平面図であ
る。
【図15】本発明の光記録媒体の一実施例の平面図であ
る。
【図16】本発明の光記録媒体の一実施例の平面図であ
る。
【図17】本発明の光記録媒体の一実施例の平面図であ
る。
【図18】本発明の受像体(カード)の一実施例の平面
図である。
【図19】図18の受像体(カード)の断面図である。
【図20】本発明の受像体に光記録媒体を転写するため
のフィルムの一実施例の断面図である。
【図21】図20のフィルムにより光記録媒体が転写さ
れた受像体(カード)の断面図である。
【図22】本発明の実施例における、ホログラム樹脂層
と金属反射膜との構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 CGH付き中間転写フィルム(中間転写フィルム) 3 画像転写領域(転写エリア) 4A,4B,4C,4D CGH 11b、13b、14b、15b、16b CGH領域
(CGH) 15、15A,18d カード(受像体) 19f、21c 被転写体(受像体) 21 インクフィルム 26 サーマルヘッド(第1の加熱部) 34 ヒートローラ(第2の加熱部) 40 ICカード(受像体) 43 CGH群(CGH) 46 CGH再生装置(CGH再生手段) 56 媒体(受像体) 66 CGH記録装置(CGH記録状態変更手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C061 AQ04 BB17 2C065 AB09 AB10 AC01 AD07 AF02 CZ02 CZ13 2H111 AA07 AB05 AB06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インクフィルムに塗布されたインクを第1
    の加熱部によって中間転写フィルムに転写して画像を形
    成し、前記画像が転写された前記中間転写フィルムを第
    2の加熱部によって受像体に再転写する熱転写印刷装置
    において、 前記中間転写フィルムの前記受像体への転写エリア内に
    少なくとも1個のコンピュータジェネレイテッドホログ
    ラム(CGH)を設け、前記CGHを前記第2の加熱部
    によって前記画像とともに前記受像体に転写することを
    特徴とする熱転写印刷装置。
  2. 【請求項2】前記第2の加熱部によって前記画像ととも
    に受像体に転写された少なくとも1個のCGHを再生す
    るCGH再生手段を設けたことを特徴とする請求項1記
    載の熱転写印刷装置。
  3. 【請求項3】前記第2の加熱部によって前記画像ととも
    に受像体に転写された少なくとも1個のCGHを、転写
    された状態と異なる状態に選択的に変化させるCGH記
    録状態変更手段を設けたことを特徴とする請求項1又は
    請求項2記載の熱転写印刷装置。
  4. 【請求項4】インクフィルムに塗布されたインクを第1
    の加熱部によって中間転写フィルムに転写して画像を形
    成する画像形成ステップと、 前記画像が転写された前記中間転写フィルムを第2の加
    熱部によって受像体に再転写する再転写ステップとを有
    する熱転写印刷方法により製造された受像体において、 前記中間転写フィルムの前記受像体への転写エリア内に
    少なくとも1のコンピュータジェネレイテッドホログラ
    ム(CGH)を設け、前記再転写ステップにおいて前記
    CGHを前記第2の加熱部によって前記画像とともに前
    記受像体に転写してなることを特徴とする受像体。
  5. 【請求項5】請求項4記載の受像体であって、 前記CGHは、前記受像体の真贋目視判別用の文字、パ
    ターンを呈することを特徴とする受像体。
  6. 【請求項6】請求項4又は請求項5記載の受像体であっ
    て、 前記受像体上に転写された前記CGHと前記画像とは同
    一形状を有することを特徴とする受像体。
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