JP2001138131A - 鋸盤の切粉除去装置 - Google Patents

鋸盤の切粉除去装置

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JP2001138131A JP32175599A JP32175599A JP2001138131A JP 2001138131 A JP2001138131 A JP 2001138131A JP 32175599 A JP32175599 A JP 32175599A JP 32175599 A JP32175599 A JP 32175599A JP 2001138131 A JP2001138131 A JP 2001138131A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋸刃の歯先に付着した切粉を確実、ほぼ完全
に除去し、切粉による鋸刃歯先のチッピング、歯欠けな
どをなくし、鋸刃の性能を充分安定して発揮すると共に
ブラシの長寿命化を図るようにする。 【解決手段】 鋸刃21の側面にブラシ29を設けると
共にブラシ29の先端で鋸刃21の歯先に付着した切粉
を除去せしめる鋸盤1の切粉除去装置27であって、前
記ブラシ周速の鋸刃21の走行方向の成分速度を鋸刃2
1の速度より速く設定し、かつ鋸刃21の走行方向と同
じ方向へ前記ブラシ29を回転自在に設けてなることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、金属切断用の帯
鋸盤、丸鋸盤などの鋸刃に付着した切粉を除去せしめる
鋸盤の切粉除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば帯鋸盤の鋸刃などに付着した切粉
を除去せしめる切粉除去装置としては、次のものが知ら
れている。
【0003】(A)例えば実開昭60−29421号公
報、実開平3−126516号公報などで知られている
ように、鋸刃の走行方向に平行する軸に、鋸刃の下へく
るようにワイヤブラシを装着した切粉除去装置。
【0004】(B)例えば実開平6−9820号公報な
どで知られているように、上記(A)の切粉除去装置
で、さらにワイヤブラシを定期的に反転させる回転切り
替え手段を設けた切粉除去装置。
【0005】(C)例えば特開平4−46711号公報
などで知られているように、上記(A)の切粉除去装置
で、さらにワイヤブラシが摩耗して径が小さくなっても
鋸刃に一定量当たるように自動追従機能を持った切粉除
去装置。
【0006】(D)例えば実公昭47−21506号公
報などで知られているように、例えば図11(A),
(B)に示されているように、鋸刃101の走行方向
(図11(A)において矢印で示した方向)に平行する
軸103に鋸刃101の下にくるように装着した駆動ワ
イヤブラシ105を強制的に回転させ、且つ鋸刃101
の両側面に装着した従動ワイヤブラシ107A,107
Bを上下に揺動するように構成した切粉除去装置。
【0007】上記(A)〜(D)の切粉除去装置のう
ち、(A)が最も一般的なものとして知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来より、帯鋸刃や丸
鋸刃において、切断スピードアップや鋸刃寿命アップ等
を目的に歯先形状やアサリの振出し、歯先の材質等の改
善が日々行われている。
【0009】しかし如何に高性能の鋸刃であっても、歯
先に付着する切粉を確実に取り除かなければ、ガレット
の目詰まりや歯欠け、チッピングを生じて、十分な性能
を発揮できないという問題点がある。
【0010】切粉を取り除く方法としては前記のよう
に、ブラシを歯先に当てる方法が最も一般的且つ安価で
あるが、従来の技術には以下のような問題点がある。
【0011】(1) 前記(A),(B)では、図12に示
されているように、鋸刃101とワイヤブラシ105が
直交する。ワイヤブラシ105の先端は、鋸刃101の
歯底まで接触するように調整され、鋸刃101のガレッ
トを通過し切粉を除去する働きがある時と、歯先側面に
接触して通過するだけの時がある。そのためワイヤブラ
シ105は鋸刃101、切粉とのこすり摩擦による摩耗
と、鋸刃101の歯先によりワイヤブラシ105が剪断
されるための折損が同時に存在し、結果的に摩耗の進行
が速い。対策としてワイヤブラシ105の調整を頻繁に
行わないと切粉が除去できず、調整をしないがために歯
先に切粉が付着したまま切断することにより、早期に鋸
刃101の歯先のチッピングや歯欠け、切断面不良等が
生じる。
【0012】(2) 前記(C)では、調整は自動追従機能
により常に鋸刃101歯先にワイヤブラシ105が一定
量当たっているので切粉は安定して除去できるが、前記
(1)で説明した理由によりワイヤブラシ105の消耗が
さらに速く進行する。対策としてワイヤブラシ105の
外径を大きくし長寿命化を図っているが、ワイヤブラシ
105の単価が高くなることと、装置自体が高価である
ためコストアップとなる。
【0013】(3) 前記(A),(C)では、ワイヤブラ
シ105が消耗してくると切粉除去性が悪くなり、ワイ
ヤブラシ105を鋸刃101に押し当てて調整する。ワ
イヤブラシ105の回転が一方向であるため、毛先が回
転方向とは反対方向の一方向に倒れてくる。また、ワイ
ヤブラシ105の先端が鋸刃101の歯底に当たること
により、ワイヤブラシ105がばらけてワイヤブラシ1
05の厚み方向に先端が広がる。その結果、益々切粉除
去性が悪化し、ワイヤブラシ105の消耗を速めること
になる。
【0014】(4) 前記(D)では、図11に示されてい
るように、装置の構造が複雑であり、構造上ワイヤブラ
シを最低3個(105、107A,107B)使用する
ため、コストアップとなっている。また、両側面に設け
られたワイヤブラシ107A,107Bは鋸刃101に
より従動回転するが、鋸速とワイヤブラシ107A,1
07Bの周速が同じである場合、切粉の除去が不完全で
あることも実験により確かめられている。
【0015】この発明の目的は、鋸刃の歯先に付着した
切粉を確実、ほぼ完全に除去し、切粉による鋸刃歯先の
チッピング、歯欠けなどをなくし、鋸刃の性能を充分安
定して発揮すると共にブラシの長寿命化を図った鋸盤の
切粉除去装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1によるこの発明の鋸盤の切粉除去装置は、鋸
刃の側面にブラシを設けると共にブラシの先端で鋸刃の
歯先に付着した切粉を除去せしめる鋸盤の切粉除去装置
であって、前記ブラシ周速の鋸刃の走行方向の成分速度
を鋸刃の速度より速く設定し、かつ鋸刃の走行方向と同
じ方向へ前記ブラシを回転自在に設けてなることを特徴
とするものである。
【0017】したがって、鋸刃の側面に切粉除去装置の
ブラシを設け、このブラシ周速の鋸刃の走行方向の成分
速度を鋸刃の速度より速く設定し、かつ鋸刃の走行方向
と同じ方向へブラシを回転自在に設けることによって、
鋸刃の歯先に付着した切粉は、回転しているブラシで、
確実、ほぼ完全に除去される。而して、切粉による鋸刃
歯先のチッピング、歯欠けなどをなくし、鋸刃の性能が
充分安定して発揮されると共にブラシの長寿命化が図ら
れる。
【0018】請求項2によるこの発明の鋸盤の切粉除去
装置は、請求項1の鋸盤の切粉除去装置において、前記
鋸刃の走行方向にほぼ直交する鋸刃の帯幅方向の軸に対
して、鋸刃の走行方向に角度θ1 および角度θ2 だけ傾
いた第1軸に前記ブラシを装着してなることを特徴とす
るものである。
【0019】したがって、鋸刃の走行方向にほぼ直交す
る鋸刃の帯幅方向の軸に対して、鋸刃の走行方向に角度
θ1 および角度θ2 だけ傾いた第1軸にブラシを装着し
て回転せしめることによって、鋸刃の歯先に付着してい
る切粉をより一層除去されやすくなる。
【0020】請求項3によるこの発明の鋸盤の切粉除去
装置は、請求項1の鋸盤の切粉除去装置において、前記
鋸刃の走行方向にほぼ直交する鋸刃の帯幅方向の軸に対
して鋸刃の帯厚方向に角度θ3 だけ傾いた第2軸に前記
ブラシを装着してなることを特徴とするものである。
【0021】したがって、鋸刃の走行方向にほぼ直交す
る鋸刃の帯幅方向の軸に対して鋸刃の帯厚方向に角度θ
3 だけ傾いた第2軸にブラシを装着して回転せしめるこ
とによって、鋸刃の歯先に付着している切粉を、傾けな
い場合と比較してより一層除去されやすくなる。
【0022】請求項4によるこの発明の鋸盤の切粉除去
装置は、請求項2の鋸盤の切粉除去装置において、前記
鋸刃の走行方向にほぼ直交する鋸刃の帯幅方向の軸に対
して前記第1軸を鋸刃の帯厚方向に角度θ3 だけ傾けて
なることを特徴とするものである。
【0023】したがって、鋸刃の走行方向にほぼ直交す
る鋸刃の帯幅方向の軸に対して第1軸が鋸刃の帯厚方向
に角度θ3 だけ傾けられているから、鋸刃の歯先に付着
している切粉を、傾けない場合と比較してより一層除去
されやすくなる。
【0024】請求項5によるこの発明の鋸盤の切粉除去
装置は、請求項1〜4のいずれかの鋸盤の切粉除去装置
において、前記鋸刃の両側面又は片面に複数個のブラシ
を設けてなることを特徴とするものである。
【0025】したがって、鋸刃の両側面又は片面に複数
個のブラシが設けられているから、鋸刃の歯先に付着し
ている切粉はほぼすべて除去される。
【0026】請求項6によるこの発明の鋸盤の切粉除去
装置は、請求項1〜5のいずれかの鋸盤の切粉除去装置
において、前記ブラシの摩耗に応じて前記鋸刃歯先部に
常に一定量又は一定の力でブラシが当たるような自動追
従機能を持つことを特徴とするものである。
【0027】したがって、ブラシは切粉を除去するのに
最適な状態を保って、鋸刃歯先部に当たるので、歯先に
付着している切粉はほぼすべて除去されるとともに、ブ
ラシが寿命になるまで安定した性能を発揮することがで
きる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基いて詳細に説明する。
【0029】図6を参照するに、鋸盤としての例えば横
型帯鋸盤1は、箱状の基台3を備えてなり、この基台3
にはワークWを支持するためのワークテーブル5が設け
られていると共に、ワークWをワークテーブル5上の所
定位置に固定するために一対の固定用バイス7A,7B
が設けられている。なお、固定用バイス7Aは不動であ
り、固定用バイス7Bは固定用バイス7Aに接近離反す
る左右方向(図6において左右方向)へ移動可能であ
る。また、上記ワークテーブル5は基台3の一部を構成
するものである。
【0030】上記基台3にはヒンジシャフト9を介して
上下方向に揺動自在な鋸刃ハウジング11が設けられて
いる。上記鋸刃ハウジング11を揺動させるために、基
台3の適宜位置には昇降用シリンダ13が設けられてお
り、この昇降用シリンダ13から上方向へ突出自在なピ
ストンロッド15は鋸刃ハウジング11の適宜位置に連
結されている。なお、基台3に対して鋸刃ハウジング1
1を上下動させるための構成としては、上記構成の他に
基台3にガイドポストを立設し、このガイドポストに案
内されて鋸刃ハウジング11が上下動させる構成として
も差し支えないものである。
【0031】上記鋸刃ハウジング11内には駆動ホイー
ル17、従動ホイール19が回転自在に設けられてお
り、この駆動、従動ホイール17,19にはエンドレス
状の鋸刃21が掛回されている。なお、駆動ホイール1
7は回転装置(図示省略)に連動連結されている。また
ワークテーブル5に支持されたワークWに対して、鋸刃
21をほぼ垂直に保持するために、鋸刃ハウジング11
に取付けたビーム部材23には、一対の鋸刃ガイド25
A,25Bが位置調節自在に設けられている。なお、上
記鋸刃ガイド25Aは不動であり、鋸刃ガイド25Bは
鋸刃ガイド25Aに接近、離反する左右方向へ移動可能
である。
【0032】上記構成により、一対の固定バイス7A,
7Bを接近させることにより、ワークWをワークテーブ
ル5の所定位置に固定せしめる。そして、回転装置を適
宜に操作して駆動、従動ホイール17,19を回転さ
せ、帯鋸刃21を走行駆動させると共に、昇降用シリン
ダ13を適宜に操作して鋸刃ハウジング11を下方向へ
揺動させる。これによって、一対の鋸刃ガイド25A,
25Bを介してワークWに対して垂直に案内された鋸刃
21により、所望の切削加工が行われるものである。
【0033】上記鋸刃21に付着した切粉を除去するた
めに鋸刃ハウジング11には切粉除去装置27が設けら
れている。
【0034】ここで、切粉除去装置27を説明する前
に、鋸刃21に付着する切粉について説明すると、一般
的に鋸刃21の切粉は鋸刃21の歯先の掬い面に付着し
ている。この掬い面に沿って付着している切粉を外力に
よって除去しようとする場合、切粉の厚み方向に歯先か
ら剥がすように力を加えるのが、最も容易に除去でき
る。
【0035】これを回転する後述するブラシ29で実行
するには鋸刃21の側面にブラシ29を設けて、相対速
度を鋸刃21の鋸速よりブラシ29の周速を早くする方
法が最も効率が良く、確実、ほぼ完全に切粉を除去でき
ることが実験の結果、わかった。またこの方法では、ブ
ラシ29の毛先が鋸刃21の逃げ面から掬い面に向けて
作用するので、鋸刃21によってブラシ29が折損され
ることが無く、ブラシ29の寿命が著しく長くなる。
【0036】従って、基本的な構成として図1(A),
(B),(C)に示されているように、鋸刃21の側面
にブラシ29が設けられており、鋸刃21の走行方向と
同じ方向に、ブラシ29周速の鋸刃21走行方向の成分
速度V1 を鋸刃21の速度V2 より速く(V1 ≧V2
することにより、鋸刃21の歯先に付着した切粉を確
実、ほぼ完全に除去でき、且つブラシ29の寿命を長く
することができるものである。
【0037】すなわち、図1(A),(B),(C)に
おいて、ブラシ29の先端は鋸刃21の歯先に適正量だ
け接触している。鋸刃21によって被削材であるワーク
Wが切断されるとき、鋸刃21の歯先の掬い面に付着し
た切粉を、鋸刃21の走行方向と同じ方向に回転するブ
ラシ29によって除去せしめることができる。
【0038】しかも、ブラシ29は鋸速V2 よりも速く
周速V1 をもって回転し、歯先に付着した切粉をブラシ
29によって鋸刃21の歯先から剥がされるように除去
せしめることができる。尚、ブラシ29の周速V1 は鋸
速V2 の2倍以上になるのが望ましい(V1 ≧2
2 )。
【0039】図2(A),(B)には別の実施の形態が
示されている。図2(A),(B)において、鋸刃21
の走行方向(図2(A)において矢印方向)にほぼ直交
する鋸刃21の帯幅方向の軸31に対して、鋸刃の走行
方向に角度θ1 及びθ2 傾いた第1軸33にブラシ29
を装着している。ブラシ29の第1軸33を鋸刃21の
走行方向に対して後方側(図2(A)において左側)へ
角度θ1 あるいは鋸刃21の走行方向に対して前方側
(図2(A)において右側)へθ2 傾けると、傾けない
場合と比較して歯先に付着した切粉はブラシ29によっ
てより除去されやすくすることができる。尚、角度θ1
(θ2 )<45°が望ましく、ブラシ29の周速の鋸刃
21の走行方向の成分速度V1 が鋸速V2 よりも速く回
転する。
【0040】図3には他の実施の形態が示されている。
図3において、鋸刃21に対して角度θ3 傾いた第2軸
35にブラシ29を装着している。ブラシ29の第2軸
35を角度θ3 傾けることによりブラシ29の先端が鋸
刃21のガレットに進入しやすくなり、切粉除去性を良
くすることができる。しかし、角度θ3 <0°の場合、
ブラシ29の先端が鋸刃21によって上方から押さえ付
けられる形となり、ブラシ29のワイヤ部が根元から曲
げられ、ブラシ形状が「への字」に変形してしまい、使
用不可となる。よって、角度θ3 ≧0°が望ましいもの
である。
【0041】なお、前記図2(B)において、第1軸3
3を図3のように鋸刃21に対して角度θ3 だけ傾ける
ことも可能である。
【0042】図4(A),(B),(C)および図5
(A),(B)には鋸刃21の両側面又は片面にブラシ
21が複数装着されている。ブラシ29を鋸刃21の片
面に1個設けた場合にはワークWや切削条件により、歯
先に付着した切粉を完全に除去できない場合がある。そ
こで、図4(A),(B)においては鋸刃21の両側面
に各々1個ブラシ29を設けた場合や、図4(C)に示
されているように、鋸刃21の片面に鋸刃21を複数個
(この例では2個)設けたり、図5(A),(B)に示
されているように、鋸刃21の両側面に複数個(この例
では3個,4個)設けることで、ほぼすべての切粉を除
去することができる。また、通常鋸刃21は直歯と左右
の振出歯によって構成されているため、ブラシ29は鋸
刃21の両側面に1個づつ設けることが望ましい。尚、
ブラシの数は限定せず、必要の有無に関わらず複数個設
けても良い。
【0043】さらに、ブラシ29を複数個設けた場合、
一方のブラシ29は、鋸刃21の走行方向と同じ方向に
鋸速より速い周速をもって回転させ、もう一方のブラシ
29は異なる周速をもって鋸刃21の走行方向と同じ方
向に回転してもよい。例えば、片方のブラシ29が鋸刃
21によって連れ回りすることも含む。
【0044】図9および図10には自動追従機能を備え
た例が示されている。図9においてブラシ29を装着し
ている軸35をバネ37により引っ張る。ブラシ29が
摩耗してブラシ29の外径が小さくなると、ブラシ29
を装着している軸35がバネ37により引っ張られてブ
ラシ29が鋸刃21に押し付けられる。
【0045】図10において、ブラシ29を装着してい
る軸35をシリンダ39の作動でピストンロッド41に
より押し引きする。ブラシ29が摩耗してくると、摩耗
した量に応じて軸35はシリンダ39の作動でピストン
ロッド41により押され、ブラシ29は鋸刃21に押し
付けられる。
【0046】したがって、ブラシ29は鋸刃21の側面
に設けて鋸刃21の走行方向と同じ方向に回転すること
により、鋸刃21の歯先によるブラシ29のワイヤの剪
断が起こりにくい。ブラシ29と鋸刃21の接触はブラ
シ29の先端のみが鋸刃21の歯先側面に当たるため、
ブラシ29と鋸刃12の摩擦により摩耗していく。その
結果、ブラシ29の寿命を大幅に伸ばすことができる。
【0047】ブラシ29の寿命が伸びることで、ブラシ
29の新品時の切粉除去性が良い安定した状態を使い続
けることができ、且つブラシ29のワイヤの剪断が起こ
りにくく急激にブラシ29の寿命を迎えることもないの
で、ブラシ29の寿命まで安定して切粉を除去すること
が出来る。
【0048】本発明による方法で、ブラシ周速と切粉除
去性の関係を検証するために横型帯鋸盤1にてテストを
行なった。被削材はSS41を用い、鋸速は30m/m
in、ブラシ周速は30m/minから150m/mi
nまでの切粉除去性を確認した。ここで鋸盤の駆動ホイ
ール17と連結されている回転装置とは別に回転装置を
設けて、これをブラシ29を回転させる駆動源とした。
その結果、図7にはブラシ周速と切粉除去性の関係が折
れ線グラフで示されている。鋸速に対してブラシ周速が
同じ場合(30m/min)、帯鋸刃1周あたりの切粉
付着数は11歯あった。ブラシ周速を鋸速の2倍まで上
げたところ(60m/min)、切粉付着は1歯のみ
で、2.5倍(75m/min)以上まで上げると切粉
付着はなくなった。よって、鋸速が30m/minの場
合、ブラシ周速は鋸速の2倍より大きくすれば切粉がほ
ぼ完全に除去できることがわかった。
【0049】また、鋸速が30m/min以上の場合で
も同様に、切粉をほぼ完全に除去できることがわかっ
た。しかし、鋸速が20m/min以下の低速域である
場合、ブラシ周速が鋸速の2倍であっても、切粉をほぼ
完全に除去することが出来なかった。理由として、例え
ば鋸速が15m/minの時、ブラシ周速は30m/m
inだとする。この場合ブラシ周速が遅い為、ブラシ2
9の回転により得られる力では、鋸刃21の歯先に付着
した切粉を除去するのに必要な力に対して不十分だから
である。よって、鋸速が低速(20m/min以下)で
ある場合、ブラシ周速は60m/min以上であること
が望ましい。
【0050】従来の技術と本発明による方法を比較する
ため、帯鋸盤にて被削材はSUS304を用い、鋸速は
30m/min、ブラシ周速は新品時に150m/mi
nである回転数とし、摩耗が進行しても一定回転数とし
た。その他条件もできるだけ同一にして検証比較テスト
を行なった。ここで、鋸盤の駆動ホイールと連結されて
いる回転装置をブラシの駆動源とした。その結果、図8
にはブラシ使用時間とブラシ外径の摩耗進行の関係が折
れ線グラフで示されている。図8において、実線で表さ
れているのが(A)本発明、一点鎖線は(B)従来の特
開平4−46711による例、点線は(C)従来の実開
昭60−29421で得られたデータである。図8の折
れ線グラフから(A),(B),(C)と比べて使用時
間に対するブラシの摩耗に明らかな差があることがわか
る。(B),(C)は40〜60時間で切粉除去性が悪
くなり摩耗して使用不可となるのに対し、(A)では1
00時間を超えて使用し続けてもあまり摩耗が進行しな
いとともに切粉除去性は良い状態が保たれている。ま
た、(B),(C)では寿命近くになると切粉除去性の
悪化に伴い、ブラシ29と鋸刃21の当たり具合を調整
する頻度が高くなり、急激に摩耗が進行するのに対し、
(A)では切粉除去性が良く調整をあまり必要としない
ので、寿命まで安定して摩耗が進行する。
【0051】このように、ブラシ29の長寿命化と切粉
除去性の向上により、ブラシ29の使用個数が削減さ
れ、切粉による鋸刃21のチッピング、歯欠けを防止し
鋸刃の早期寿命を防止することができ、工具費が削減さ
れ経済的効果を得ることができる。また、鋸刃21の歯
欠けやチッピングが従来より少なくなるから、被削材で
あるワークWの切断面粗度の向上を図ることができる。
【0052】なお、この発明は、前述した発明の実施の
形態に限定されることなく、適宜な変更を行うことによ
り、その他の態様で実施し得るものである。鋸盤として
横型帯鋸盤を例にとって説明したが、堅型帯鋸盤や丸鋸
盤などであっても構わない。
【0053】
【発明の効果】以上のごとき発明の実施の形態の説明よ
り理解されるように、請求項1の発明によれば、鋸刃の
側面に切粉除去装置のブラシを設け、このブラシ周速の
鋸刃の走行方向の成分速度を鋸刃の速度より速く設定
し、かつ鋸刃の走行方向と同じ方向へブラシを回転自在
に設けることによって、鋸刃の歯先に付着した切粉を、
回転しているブラシで、確実、ほぼ完全に除去せしめる
ことができる。而して、切粉による鋸刃歯先のチッピン
グ、歯欠けなどをなくし、鋸刃の性能を充分安定して発
揮せしめることができると共にブラシの長寿命化を図る
ことができる。
【0054】請求項2の発明によれば、鋸刃の走行方向
にほぼ直交する鋸刃の帯幅方向の軸に対して、鋸刃の走
行方向に角度θ1 および角度θ2 だけ傾いた第1軸にブ
ラシを装着して回転せしめることによって、鋸刃の歯先
に付着している切粉をより一層除去されやすくすること
ができる。
【0055】請求項3の発明によれば、鋸刃の走行方向
にほぼ直交する鋸刃の帯幅方向の軸に対して鋸刃の帯厚
方向に角度θ3 だけ傾いた第2軸にブラシを装着して回
転せしめることによって、鋸刃の歯先に付着している切
粉を、傾けない場合と比較してより一層除去されやすく
することができる。
【0056】請求項4の発明によれば、鋸刃の走行方向
にほぼ直交する鋸刃の帯幅方向の軸に対して第1軸が鋸
刃の帯厚方向に角度θ3 だけ傾けられているから、鋸刃
の歯先に付着している切粉を、傾けない場合と比較して
より一層除去されやすくすることができる。
【0057】請求項5の発明によれば、鋸刃の両側面又
は片面に複数個のブラシが設けられているから、鋸刃の
歯先に付着している切粉をほぼすべて除去せしめること
ができる。
【0058】請求項6の発明によれば、ブラシの摩耗に
応じてブラシが鋸刃の歯先に押し付けられるので、ブラ
シは鋸刃の歯先に対して常に同じ状態が保たれ、鋸刃の
歯先に付着している切粉をブラシが寿命になるまで安定
して除去せしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の切断除去装置を示し、(A)は平面
図、(B)は正面図、(C)は側面図である。
【図2】この発明の他の切粉除去装置を示し、(A)は
正面図、(B)は側面図である。
【図3】この発明の他の切粉除去装置の側面図である。
【図4】(A),(B),(C)は鋸刃の両側面又は片
面にブラシを配置した例の平面図である。
【図5】(A),(B)は鋸刃の両側面にブラシを配置
した例の平面図である。
【図6】この発明を実施する横型帯鋸盤の正面図であ
る。
【図7】この発明の切粉除去装置を用いてブラシ周速と
切粉付着数との関係を示した図である。
【図8】この発明の切粉除去装置と従来の切粉除去装置
とによるブラシの摩耗状態を比較した図である。
【図9】自動追従機能を備えたブラシの一例を示す図で
ある。
【図10】自動追従機能を備えたブラシの他の例を示す
図である。
【図11】従来の切粉除去装置を示し、(A)は正面
図、(B)は側面図である。
【図12】従来の切粉除去装置のブラシと鋸刃との関係
を示した説明図である。
【符号の説明】
1 横型帯鋸盤(鋸盤) 21 鋸刃 27 切粉除去装置 29 ブラシ 31 軸 33 第1軸 35 第2軸

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋸刃の側面にブラシを設けると共にブラ
    シの先端で鋸刃の歯先に付着した切粉を除去せしめる鋸
    盤の切粉除去装置であって、前記ブラシ周速の鋸刃の走
    行方向の成分速度を鋸刃の速度より速く設定し、かつ鋸
    刃の走行方向と同じ方向へ前記ブラシを回転自在に設け
    てなることを特徴とする鋸盤の切粉除去装置。
  2. 【請求項2】 前記鋸刃の走行方向にほぼ直交する鋸刃
    の帯幅方向の軸に対して、鋸刃の走行方向に角度θ1
    よび角度θ2 だけ傾いた第1軸に前記ブラシを装着して
    なることを特徴とする請求項1記載の鋸盤の切粉除去装
    置。
  3. 【請求項3】 前記鋸刃の走行方向にほぼ直交する鋸刃
    の帯幅方向の軸に対して鋸刃の帯厚方向に角度θ3 だけ
    傾いた第2軸に前記ブラシを装着してなることを特徴と
    する請求項1記載の鋸盤の切粉除去装置。
  4. 【請求項4】 前記鋸刃の走行方向にほぼ直交する鋸刃
    の帯幅方向の軸に対して前記第1軸を鋸刃の帯厚方向に
    角度θ3 だけ傾けてなることを特徴とする請求項2記載
    の鋸盤の切粉除去装置。
  5. 【請求項5】 前記鋸刃の両側面又は片面に複数個のブ
    ラシを設けてなることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載の鋸盤の切粉除去装置。
  6. 【請求項6】 前記ブラシの摩耗に応じて前記鋸刃歯先
    部に常に一定量又は一定の力でブラシが当たるような自
    動追従機能を持つことを特徴とする請求項1〜5のいず
    れかに記載の鋸盤の切粉除去装置。
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