JP2001137852A - 電解還元水、癌抑制剤、その製造方法およびその製造装置 - Google Patents

電解還元水、癌抑制剤、その製造方法およびその製造装置

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JP2001137852A JP2000259156A JP2000259156A JP2001137852A JP 2001137852 A JP2001137852 A JP 2001137852A JP 2000259156 A JP2000259156 A JP 2000259156A JP 2000259156 A JP2000259156 A JP 2000259156A JP 2001137852 A JP2001137852 A JP 2001137852A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 次亜塩素酸や塩素ガスを含まない、癌治療に
おいて有効な電解還元水を提供することを主要な特徴と
する。 【解決手段】 NaOHを含む水を電気分解する。陰極
側で得られた電解還元水は、癌細胞の転移を抑制するこ
とが見出された。また得られた電解還元水は、1週間の
健康細胞の増殖に対しては影響を与えなかった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、一般に電解還元
水に関するものであり、より特定的には、癌細胞の転移
を抑制する効果を有する電解還元水に関する。この発明
は、また、そのような電解還元水の製造方法に関する。
この発明は、さらに、そのような電解還元水の製造装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、癌死亡率が世界的に増加してい
る。癌死の大きな要因となる、他臓器への遠隔転移は、
癌と診断された時点で既に起こっていることが多い。
【0003】しかし、現在の癌治療において、癌が転移
した場合には、治療が困難であり、この問題の解決こそ
が、癌の克服につながると考えられる。
【0004】癌細胞の転移は、コラーゲン、ラミニン、
ファイブロネクチンなどから構成される基底膜への接
着、分解、浸潤の3つの段階によるものであり、癌細胞
によるマトリックスメタロプロテアーゼといわれる1群
の金属酵素の活性化が重要な役割を果たしていることが
知られている。現在の癌化学療法は、異常になった癌細
胞に焦点が当てられており、癌に対する選択性、副作
用、耐性の問題で十分な効果が得られないことが多く、
新しい癌治療として副作用の少ない転移に対する抗癌薬
剤の開発が進行している。
【0005】種々の癌細胞株において、細胞内の酸化状
態は正常細胞株と比べ、かなり高いことが知られてい
る。また、癌の転移に関して、活性酸素は促進的に働く
ことも報告されている。我々は活性酸素によって起こる
DNAの損傷を防止または修復する能力を有する電解に
よる高濃度水素溶存水を既に提案した(特開平10−1
18653号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで上述の癌治療
に用いられ得る高濃度水素溶存水(電解還元水)は、電
気分解促進触媒としてのNaClを溶解させた水道水を
電気分解することにより形成していた。この方法による
と、電解還元水のみならず、陽極側で酸化性を持った殺
菌用水が得られるという利点があった。しかし、NaC
l溶液の電気分解時に、次亜塩素酸や塩素ガスが大量に
発生し、これらが電解還元水に溶け込むという問題点が
生じていた。この次亜塩素酸や塩素ガスは飲料水には適
さず、また、癌細胞に対しては、発癌性の方向に働くと
いう性質を有していた。したがって、従来の方法では、
癌治療法に十分な効果を与える電解還元水が得られない
という問題点があった。
【0007】この発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたもので、次亜塩素酸や塩素ガスを全く
含まない、癌治療に用いられる電解還元水を提供するこ
とを主要な目的とする。
【0008】この発明の他の目的は、そのような電解還
元水を製造する方法を提供することにある。
【0009】この発明のさらに他の目的は、そのような
電解還元水の製造装置を提供することにある。
【0010】一般に、水を電気分解すると、陽極室と陰
極室のそれぞれに、電気分解されてできた電解水が得ら
れる。しかし、本明細書でいう電解還元水は、これらの
電解水のすべてを含むものではない。陽極室では還元さ
れた水は得られず、還元された水が得られるのは、陰極
室のみである。したがって、本明細書でいう電解還元水
とは、陰極室の中で電気分解によって還元されてできた
水をいい、かつ酸化還元電位が負の値を示す水をいうと
定義することができる。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る電解還元
水は、NaOHを含む水を電気分解して得られたもので
ある。
【0012】NaOH溶液を使用するので、塩素が全く
含まれない。したがって、電気分解をしても次亜塩素酸
や塩素ガスが全く発生しない。
【0013】請求項2に係る電解還元水においては、上
記NaOHの濃度は、0.0001N〜0.02Nに選
ばれている。
【0014】電解中に気泡が激しく発生すると、水素ラ
ジカル(原子状水素)自体も、一緒に水素ガスとなっ
て、水中から逃げていく。したがって、電解中に気泡が
激しく発生すると、電解還元水(陰極側での精製液)中
の溶存水素量が一定量から増えにくい傾向にある。その
ため、なるべく、電気分解中に気泡が発生しない方が、
溶存水素量を高めるために好ましい。NaOHの濃度
を、0.0001N〜0.02Nに選ぶことにより、電
気分解中、ほとんど泡がたたなくなり、安定した電解還
元水が得られる。
【0015】また、NaOHの濃度を、0.0001N
〜0.02Nに選ぶことにより、水道水と同等程度の、
電気分解反応を起こさせることができる。
【0016】請求項3に係る電解還元水においては、上
記NaOHの濃度が、0.0001N〜0.002Nに
選ばれている。
【0017】NaOHの濃度を、このように選ぶことに
よって、溶存水素量がより高められた電解還元水が得ら
れる。
【0018】請求項4に係る電解還元水は、水素ラジカ
ルを含む電解還元水である。請求項5に係る電解還元水
は、NaOHを含む水を電気分解して得られた、水素ラ
ジカルを含む電解還元水である。
【0019】請求項6に係る発明は、水素ラジカルを含
む水溶液よりなる癌抑制剤にかかる。
【0020】請求項7に係る電解還元水は、NaOHを
含む水を電気分解して得られたものであり、酸化還元電
位が−50mV以下であり、溶存酸素量が9.5ppm
以下であり、溶存水素量が300ppb以上である。
【0021】請求項8に係る電解還元水の製造方法にお
いては、まず、隔膜で隔てられた陰極室と陽極室のそれ
ぞれにNaOHを含む水溶液を導入する。上記陰極室に
陰極を浸漬し、上記陽極室に陽極を浸漬した状態で、該
陰極と該陽極との間に電気を通電し、それによって上記
NaOHを含む水溶液を電気分解する。上記陰極室で得
られた電解還元水を取出す。
【0022】この方法によれば、電解質にNaOH溶液
を用いるので、塩素を含まない。したがって、次亜塩素
酸や塩素ガスを全く含まない電解還元水が得られる。
【0023】請求項9に係る電解還元水の製造方法にお
いては、上記電気分解は、上記陰極室と上記陽極室を密
封して行なわれる。
【0024】この発明によれば、陰極室と陽極室を密封
して電気分解を行なうので、水素ガスの発生を抑制させ
ながら、電気分解を行なうことができ、溶存水素の量を
多くすることができる。
【0025】請求項10に係る電解還元水の製造方法に
おいては、上記電気分解を、陰極室から水素ガスを発生
させないように選ばれた電圧、電流で、時間で行なう。
【0026】この発明によれば、陰極室に溶存水素量の
多い陰極水が得られる。請求項11に係る電解還元水の
製造装置は、原水をろ過し、浄水を形成するろ過手段
と、上記ろ過手段によって、ろ過された浄水に、NaO
H溶液を添加するNaOH添加手段と、上記NaOH溶
液が添加された浄水を導き入れる、隔膜で分離された陰
極室と陽極室を有する電解槽と、を備える。
【0027】この発明によれば、NaOH添加手段を備
えるので、NaOHを含む水溶液を電気分解することが
でき、次亜塩素酸や塩素ガスを発生させない。
【0028】請求項12に係る電解還元水の製造装置に
おいては、上記NaOH添加手段と前記電解槽との間
に、上記NaOH溶液が添加された上記浄水を上記電解
槽に導く第1管路が設けられている。上記電解槽に、上
記陰極室から排出される陰極水を外部に取出す第2管路
が接続されている。上記電解槽に、上記陽極室から排出
される陽極水を外部に取出す第3管路が接続されてい
る。上記第1管路内に、該第1の管路の開閉を行なう第
1の弁が設けられている。上記第2管路内に、上記第2
の管路の開閉を行なう第2の弁が設けられている。上記
第3の管路内に、該第3の管路の開閉を行なう第3の弁
が設けられている。当該装置は、上記第1、第2および
第3の弁の開閉を制御する制御手段を備える。
【0029】この装置によれば、第1、第2および第3
の弁を閉じることにより、陰極室と陽極室を密閉し、電
気分解を行なうことができるようになる。これによっ
て、溶存水素の量が多い陰極水が得られる。
【0030】請求項13に係る電解還元水は、陰極室よ
り得られたものである。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
について説明する。
【0032】図1は、次亜塩素酸や塩素ガスを含まな
い、癌治療に、有益な電解還元水の製造装置、すなわち
NaOH溶液電解システムの概略図である。
【0033】図1を参照して、原水(水道水)をポンプ
で加圧し、逆浸透膜によりろ過し、純水を得る。純水に
定量ポンプを介してNaOH溶液を添加し、この溶液の
伝導率を測定し、所定の濃度になるように定量ポンプを
制御する。NaOH溶液は、流量センサ、電磁弁1を通
して、電解槽に供給される。電解槽がNaOH溶液で満
たされると、流水速度が0となり、流量センサから制御
回路に停止の信号が供給される。停止の信号が供給され
ると、ポンプ、定量ポンプが停止し、電磁弁1が「閉」
となる。タイマが起動し、所定の時間、電気分解用の直
流電流を電解槽に供給する。タイマがタイムアップする
と、電磁弁2、電磁弁3が「開」となり、生成された還
元水および酸性水が取出される。生成水が取出された
後、各電磁弁は初期状態となり、次の電気分解用のNa
OH溶液が供給される。
【0034】図2は、電解槽の概念図である。電解槽
は、陰極1を含む陰極室2と陽極3を含む陽極室4とを
備える。陰極室2と陽極室4とは隔膜5により分離され
ている。陰極室2には、陰極液(電解還元水)を取出す
陰極液取出管6が接続されており、陽極室4には、陽極
水(酸性水)を外部に排出する排水管7が接続されてい
る。陰極室2および陽極室4のそれぞれには、給水管8
が接続されており、NaOHが所定量添加された純水が
供給されるようになっている。
【0035】実施例1 逆浸透膜等で得られた純水を用いて、0.01%のNa
OH溶液を作り、この溶液を電気分解した。NaOH溶
液を使用することによって、次亜塩素酸や塩素ガスを全
く含まない電解還元水が得られた。
【0036】水の電気分解では、陽極側に酸素ガスが発
生し、陰極側に水素ガスが発生する。水素ガスが発生す
るのは、電気分解により、水素イオンと陰極電極から供
給された電子とが結合し、原子状水素となり、この原子
状水素が2つ結合し、水素ガスが生成するためである。
得られた電解還元水は、後述するように、癌細胞の増殖
抑制効果および転移抑制効果を有する。これは、原子状
水素の強い抗酸化力によって起こる現象と考えられ、水
素はガス状になる前の原子状態で、水中に多量に溶存す
ることが望ましい。高い電圧による高電流電気分解反応
によって得られた陰極水は、水素の大半がガス化し、原
子状水素の溶存量が減少する傾向が見られる。このよう
な現象を解決するために、水素ガスが発生しない範囲で
の電気分解を時間をかけて行なうのが好ましい。つま
り、低電圧、低電流、長時間電気分解が好ましい。電圧
を5V〜100V、電流を5mA〜2A、電解時間を5
分から120分の電解条件で、NaOH溶液を電気分解
すると、電気分解時に、水素ガスを発生させずに、電解
還元水が得られることがわかった。得られた電解還元水
のpHは11.5、ORP(酸化還元電位)は−850
mvであった。
【0037】酸化還元電位は、東亜電波工業製「酸化還
元電位計」を用い、室温で、検体水に測定用電極を漬け
ることによって測定した。
【0038】得られた電解還元水の特徴を表1および表
2に示す。表1および表2は同じような結果を示してい
るが、採取した水を変えて、異なる日に測定したもので
ある。両表を比較参照して、再現性のよいデータが得ら
れることがわかった。
【0039】表3に、電解度1〜5の電気分解の条件、
すなわち、電流密度の値を示す。水道水は、電気分解を
行なっていないので、その電流密度は0.0mA/cm
2と表わしている。電気分解の条件で重要なのは、電流
密度であり、これを、マイクロコンピュータで制御す
る。電流密度を決めると、電圧とNaOHの濃度が必然
的に決まってくる。
【0040】なお、表1および2中、溶存酸素量の測定
は、東亜電波製溶存酸素計DO−14P型にて測定し
た。また、溶存水素量の測定は東和電波製溶存水素計D
HD1−1型にて測定した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】表1および2中には、水素ラジカルの有無
についての結果も記載している。×印は水素ラジカルを
含まないことを表わしており、○印は水素ラジカルを含
むことを表わしている。水素ラジカル(原子状水素)の
確認は、酸化タングステン(板状)の特性を利用して、
行なった。酸化タングステンは、水素ラジカルを特異的
に吸着させる性質を有している。酸化タングステンは、
水素ラジカルを吸着すると、ブルー色に変色する性質を
持っている。得られた電解還元水を、酸化タングステン
に接触させることにより、定性的に、水素ラジカルの存
在を確認した。
【0045】実施例2 得られた電解還元水(表1中の、電解度5のもの)の、
癌転移抑制効果を評価した結果を説明する。
【0046】図3は、高転移性ヒト繊維肉腫細胞株HT
1080の、in vitroでの、転移モデル系における電解
還元水の抑制効果を示したものである。HT1080
は、細胞銀行(例えば、JCRB Cell Bank
またはATCC(米国))より入手したものを用いた。
【0047】HT1080細胞は、10%牛胎児血清添
加MEM培地中で37℃、5%CO 2/95%air環
境下で培養した。ケモタキセルのフィルタ(ポアサイズ
8μm)に、マトリゲルを25μg/フィルタとなるよ
うにコートした。サブコンフルエントのHT1080細
胞を、0.1%牛血清アルブミン(BSA)を含むME
M培地(最少必須培地Minimum Essential Mediumのこと
で、栄養成分を最小限に留めた培地のこと)に懸濁し、
細胞数を4×105/mlに調製した。得られたものの
200μlをチャンバ上室に添加した。細胞添加後、直
ちに下室(24穴プレート側)に、10μg/mlのフ
ィブロネクチンを含むMEM培地700μを加え、CO
2インキュベータ内で培養した。6時間後、チャンバを
取出し、フィルタ上面の細胞を綿棒で除いた後、WST
−1(生細胞の特異的な代謝能(細胞数)に応じて変色
する試薬)の入った24穴プレートに移し、16時間培
養後、450nmにおける吸光度を測定した。図中、c
trlは、純水を用いて行なった結果であり、NaOH
mixは、表1中の電解度5で得られた電解還元水を用
いて行なった結果である。NaOXmixの場合は、c
trlの場合に比べて、著しくHT1080細胞の浸潤
転移が減少している。これは、電解還元水が、ヒト繊維
肉腫細胞の浸潤転移を抑制することを表わしている。
【0048】図4は、1週間細胞障害性試験を示す図で
ある。HT1080細胞を、純水または電解還元水(電
解度5のもの)を用いて調製した10%牛胎児血清添加
MEM培地で、1週間培養後、WST−1を添加し、生
細胞数を450nmの吸光度で測定した。純水を用いた
場合のctrlの場合と電解還元水(NaOHmix)
を用いた場合との間には、目立った差はなかった。すな
わち、電解還元水は、健康な細胞の増殖に対して、影響
を与えないということが見出された。図3と図4の結果
より、NaOH電解還元水は、細胞毒性を持つことな
く、転移浸潤活性を抑制するということが明らかとなっ
た。
【0049】図5は、癌細胞の転移に重要な役割を果た
すマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)に焦点を
合わせて、その中でも、特に癌転移と関係が深いことで
知られるMMP2およびMMP9について解析した。
【0050】図5は、ザイモグラフィによるゼラチナー
ゼ/IV型コラゲナーゼ活性の分析結果を示す図であ
る。すなわち、HT1080細胞を、ケモタキセルチャ
ンバ上で48時間培養した後、その培養上澄みを、遠心
装置で浄化後、回収した。上澄み12μlを、1mg/
mlゼラチンを含む10%ポリアクリルアミドゲルに添
加した。ゲル電気泳動を行なった後、ゲルを2%トリト
ンX−100で1時間洗浄後、37℃で60時間保温し
た。その後、ゲルを0.1%Ponceau Sで染色
した。この操作により、ゲラチナーゼ活性は、白抜きバ
ンドとして検出された。図5において、白いバンドの幅
が広いほど、癌転移を促進するMMPの活性が強いこと
を示している。
【0051】分析の結果、NaOH電解水は、MMP2
およびMMP9の発現には影響を与えなかったが、MM
P2の活性化を顕著に抑制することが見出された。
【0052】以上の結果から、NaOH電解還元水がM
MP2の活性化を抑えることによる癌転移抑制効果を持
つことが明らかとなった。
【0053】癌細胞の転移機構を阻害することは、転移
抑制のみならず、癌細胞の浸潤活性による血管新生の抑
制と、癌細胞の悪性化を抑える上でも重要である。ま
た、癌転移を抑制する薬剤は、長期間効果を持続し、な
お副作用が極力少ないものでなければならない。本発明
において、NaOH電解水が細胞に障害を与えることな
く、癌細胞の転移を抑制することが証明できた。これ
は、日常の飲料水として使用することで、癌の進行を予
防できる可能性を示唆しており、これからの癌治療法に
与える意義は大変大きいと考えられる。
【0054】今回開示された実施の形態および実施例は
すべての点で例示であって制限的なものではないと考え
られるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではな
くて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と
均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれるこ
とが意図される。
【0055】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によって得
られた電解還元水は次亜塩素酸や塩素ガス等の酸化物等
を含まない抗酸化性を持った水であり、医療のみなら
ず、飲用等幅広い活用価値のある水である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るNaOH溶液電解システムの概
念図である。
【図2】 本発明に係る電解槽の概念図である。
【図3】 NaOH電解還元水が癌細胞転移抑制効果を
示す図である。
【図4】 NaOH電解還元水の細胞障害性試験の結果
を示す図である。
【図5】 ザイモグラフィによるゼラチナーゼ/IV型
コラゲナーゼ活性の分析の結果を示す図である。
【符号の説明】
1 陰極、2 陰極室、3 陽極、4 陽極室、5 隔
膜。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 NaOHを含む水を電気分解して得られ
    た電解還元水。
  2. 【請求項2】 前記NaOHの濃度は、0.0001N
    〜0.02Nである、請求項1に記載の電解還元水。
  3. 【請求項3】 前記NaOHの濃度は、0.0001N
    〜0.002Nである、請求項2に記載の電解還元水。
  4. 【請求項4】 水素ラジカルを含む電解還元水。
  5. 【請求項5】 NaOHを含む水を電気分解して得られ
    た、水素ラジカルを含む電解還元水。
  6. 【請求項6】 水素ラジカルを含む水溶液よりなる癌抑
    制剤。
  7. 【請求項7】 酸化還元電位が−50mV以下であり、
    溶存酸素量が9.5ppm以下であり、溶存水素量が3
    00ppb以上である、請求項1に記載の電解還元水。
  8. 【請求項8】 隔膜で隔てられた陰極室と陽極室のそれ
    ぞれにNaOHを含む水溶液を導入する工程と、 前記陰極室に陰極を浸漬し、前記陽極室に陽極を浸漬し
    た状態で、該陰極と該陽極との間に電気を通電し、それ
    によって前記NaOHを含む水溶液を電気分解する工程
    と、 前記陰極室で得られた電解還元水を取出す工程と、を備
    えた電解還元水の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記電気分解は、前記陰極室と前記陽極
    室を密封して行なわれる、請求項8に記載の電解還元水
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記電気分解を、前記陰極室から水素
    ガスを発生させないように選ばれた電圧、電流、時間で
    行なう、請求項8に記載の電解還元水の製造方法。
  11. 【請求項11】 原水をろ過し、浄水を形成するろ過手
    段と、 前記ろ過手段によって、ろ過された浄水に、NaOH溶
    液を添加するNaOH添加手段と、 前記NaOH溶液が添加された浄水を導き入れる、隔膜
    で分離された陰極室と陽極室を有する電解槽と、 を備えた電解還元水の製造装置。
  12. 【請求項12】 前記NaOH添加手段と前記電解槽と
    の間に設けられ、前記NaOH溶液が添加された前記浄
    水を前記電解槽に導く第1管路と、 前記電解槽に接続され、前記陰極室から排出される陰極
    水を外部に取出す第2管路と、 前記電解槽に接続され、前記陽極室から排出される陽極
    水を外部に取出す第3管路と、 前記第1の管路内に設けられ、該第1の管路の開閉を行
    なう第1の弁と、 前記第2の管路内に設けられ、該第2の管路の開閉を行
    なう第2の弁と、 前記第3の管路内に設けられ、該第3の管路の開閉を行
    なう第3の弁と、 前記第1、第2および第3の弁の開閉を制御する制御手
    段と、を備えた電解還元水の製造装置。
  13. 【請求項13】 当該電解還元水は、陰極室より得られ
    たものである請求項1に記載の電解還元水。
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