JP2001137631A - 金属多孔質体及びその製造方法 - Google Patents

金属多孔質体及びその製造方法

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JP2001137631A
JP2001137631A JP32196599A JP32196599A JP2001137631A JP 2001137631 A JP2001137631 A JP 2001137631A JP 32196599 A JP32196599 A JP 32196599A JP 32196599 A JP32196599 A JP 32196599A JP 2001137631 A JP2001137631 A JP 2001137631A
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plating
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nickel
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JP32196599A
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Hiroyuki Okazaki
博行 岡崎
Arata Sakamoto
新 坂本
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Osaka Gas Co Ltd
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Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄性に優れ、厨房用の油除去フィルターと
して有用な金属多孔質体を得る。 【解決手段】 連通気孔を有し、かつ導電化処理された
多孔体を金属メッキ(特にニッケルメッキ)し、前記多
孔体を熱分解し、焼結することなく、生成した三次元網
目構造の金属多孔体を光沢メッキ(光沢ニッケルメッキ
又は光沢ニッケル合金メッキ)することにより、金属多
孔質体を製造する。金属多孔質体は、厚さ7mmにおい
て、目付1500〜4000g/m2程度である。この
ような多孔質体は、油の固着を防止でき、洗浄性が高い
ので、長期間に亘り繰り返し使用できると共に、耐熱性
も高い。そのため、フィルタ、特に、油ミストを除去す
るためのグリースフィルタとして有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家庭用や業務用厨
房のレンジフードなどに使用される金属製多孔質体(例
えば、グリースフィルタなどのフィルタ)及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】厨房のレンジフードや換気扇には、調理
の際に発生する油ミストを除去するため、その吸気側に
グリースフィルタが設置される場合がある。グリースフ
ィルタの種類としては、バッフル板金属フィルタ、金属
繊維・合成繊維・ガラス繊維などを用いた不織布製フィ
ルタなどがある。これらのフィルタのうち、業務用、特
に、厨房用グリースフィルタとしては三次元網目構造を
有する金属多孔質フィルタやセラミック製フィルタが使
用されている。
【0003】しかし、前記セラミック製多孔体フィルタ
は、機械的強度に劣るとともに、脆いため、劣化により
粉落ちをする欠点がある。さらに、業務用の用途では、
通常、フィルタを回収し、強アルカリ溶液中で洗浄する
ことにより、付着した油を分解除去し、再使用すること
が行われている。しかし、セラミック製フィルタの場
合、セラミックが強アルカリ溶液で侵食されることを利
用して、洗浄とともにセラミック表面を溶出させて再生
させることができるものの、セラミックの劣化が進行
し、耐久性が低下する。
【0004】一方、金属製フィルタ(特にニッケルで構
成されたフィルタ)は、強アルカリ溶液に対して侵食を
受けることがなく、繰り返し再生しても劣化を抑制でき
る。しかし、金属製フィルタは洗浄効率が低く、十分に
洗浄できない。
【0005】また、金属フィルタは、通常、所定の厚み
を有する発泡ポリウレタンフォームに、金属粉末を含有
したスラリーを塗着して乾燥させた後、焼成して発泡ポ
リウレタンを熱分解除去する「脱炭工程」、さらには熱
処理により金属粉末を焼結する「焼結工程」を経て金属
多孔体を形成することにより製造されている。この焼結
工程によりそれぞれ独立している金属粉末同士を結晶成
長により結合させることにより、実用的な強度の製品を
得ることができる。しかし、脱炭工程及び焼結工程を必
要とするため、生産性を向上させることが困難であり、
製造コストが高くなる。特に、焼結工程では、高温で長
時間に亘る熱処理が必要であるため、経済的に不利であ
る。
【0006】特公昭57−39317号公報には、非導
電性多孔体の骨格表面に導電性を付与し、電気メッキす
る方法が開示されている。特公昭55−43041号公
報には、連通気孔を有する三次元網目構造の板状発泡ポ
リウレタンを無電解ニッケルメッキして導電性を付与
し、ニッケルメッキした後、発泡ポリウレタン骨格を熱
分解して、連通気孔を有する三次元網目構造のニッケル
発泡体を生成させ、この発泡体の空孔内に金属塩を析出
させ、焙焼、還元及び焼結工程を経て微小孔金属発泡体
を製造する方法が開示されている。しかし、この方法で
も焼結工程を必要とする。さらに、得られた金属発泡体
には油ミストなどが固着しやすく、洗浄効率を改善する
ことが困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、洗浄効率が高く、長期間に亘り繰り返し使用できる
金属多孔質体(例えば、金属多孔質グリースフィルタな
どのフィルタ)およびその製造方法を提供することにあ
る。
【0008】本発明の他の目的は、油ミストが付着して
も固着を防止して高い効率で洗浄できるだけでなく、静
圧が小さく、通気性、換気性、およびオイルミストに対
するフィルタ性能の高い金属多孔質体(例えば、金属多
孔質グリースフィルタ)およびその製造方法を提供する
ことにある。
【0009】本発明のさらに他の目的は、焼結工程を必
要とせず、金属多孔質体(例えば、グリースフィルタな
どのフィルタ)を経済的に有利に(例えば、高い生産性
及び低コストで)製造できる方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を達成するため鋭意検討した結果、連続気孔を有し、か
つ導電化された三次元網目構造の発泡体を金属メッキ
し、発泡体を熱処理して分解した後、焼結工程を経るこ
となく、生成した三次元網目構造の金属多孔体に光沢メ
ッキを施すと、洗浄性が大幅に向上することを見いだ
し、本発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明の金属多孔質体は、三次
元金属多孔体で構成され、かつ光沢メッキが施されてい
る。前記光沢メッキは光沢ニッケルメッキであってもよ
く、多孔体の金属はニッケル又はニッケル合金であって
もよい。前記多孔質体の目付は、厚み7mmにおいて、
例えば、1500〜4000g/m2程度であってもよ
い。このような多孔質体は、通常、連通気孔を有する三
次元網目構造を有しているため、種々のフィルタ、特に
油ミストを除去するためのフィルタとして有用である。
【0012】前記金属多孔質体は、連通気孔を有し、か
つ三次元網目構造の金属多孔体を光沢メッキすることに
より製造できる。経済的に有利に製造するため、金属多
孔質体は、連通気孔を有し、かつ導電化処理された多孔
体を金属メッキする工程と、前記多孔体を熱分解する工
程と、生成した三次元網目構造の金属多孔体を光沢メッ
キする工程とを経ることにより製造してもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】[金属多孔質体(金属多孔質フィ
ルタを含む)]本発明の金属多孔質体は、連通気孔を有
する三次元網目構造の三次元金属多孔体で構成されてい
る。金属多孔質体は、通常、三次元網目構造を有する金
属多孔質ベースと、この三次元金属多孔質ベースの表面
に形成された光沢メッキ層とで構成されており、前記金
属多孔質ベースは、単一の金属に限らず、複数の金属層
で形成してもよい。
【0014】金属多孔体は、用途に応じて種々の金属、
例えば、銅、ニッケル、クロム、亜鉛、スズ、銀、金、
白金、パラジウム、これらの合金などで形成できる。好
ましい金属多孔体は、少なくともニッケル又はニッケル
合金(ニッケルコバルト合金など)で形成されている。
【0015】なお、金属多孔質ベースと光沢メッキ層は
同種の金属で形成してもよく、異なる金属で形成しても
よい。例えば、コストを低減するため、金属多孔質ベー
スを銅、クロムなどで形成し、平滑性を高めたり抗菌性
などを付与するため、光沢メッキ層をニッケル、銀など
で形成してもよい。さらに、金属多孔質ベースが複数の
層で形成されている場合、各層を形成する金属は同一で
あってもよく異なっていてもよい。例えば、銅とクロム
との組合せ、銅とニッケルとの組合せなどにより、金属
多孔質ベースを形成してもよい。
【0016】前記金属多孔体の表面には光沢メッキが施
されている。この光沢メッキは、表面平滑性及び光沢を
付与できる限り、種々の金属メッキが採用できるが、耐
食性の高いメッキ、例えば、ニッケル又はニッケル合金
メッキ(ニッケルコバルト合金など)、クロムメッキで
あるのが好ましい。特に好ましい光沢メッキは、光沢ニ
ッケルメッキ又は光沢ニッケル合金メッキである。
【0017】金属多孔質体全体に対する光沢メッキ層の
割合は、洗浄性などを損なわない範囲、例えば、10〜
50重量%程度の範囲から選択でき、通常、15〜40
重量%(例えば、15〜30重量%)、好ましくは20
〜40重量%(例えば、20〜30重量%)程度であ
る。
【0018】このような金属多孔質体の空孔率、平均孔
径は、連通気孔を有する限り特に制限されず、空孔率
は、例えば、85〜98%、好ましくは90〜97%程
度である。金属多孔質体がプレート状である場合、目付
は、厚さ7mmにおいて、1500〜4000g/m2
(例えば、2000〜4000g/m2)、好ましくは
1500〜3500g/m2、さらに好ましくは200
0〜3000g/m2程度である。
【0019】このような多孔質体は、導電性、耐熱性及
び機械的強度に優れていると共に、軽量である。特に、
静圧及び圧力損失が小さく、通気性およびフィルタ性能
が高く、しかも洗浄性に優れるため、種々のフィルタ、
特に油ミストや粘性物質などが付着するフィルタ(特
に、油ミストを除去するためのグリースフィルタやオイ
ルフィルタ)として有用である。金属多孔質体をフィル
タとして用いると、耐久性が高いだけでなく、オイルミ
ストや粘性物質が付着しても固着を防止できるととも
に、洗浄剤を用いて簡単かつ高い効率で洗浄でき、長期
間に亘り繰り返し使用できる。
【0020】[製造方法]本発明の金属多孔質体(金属
多孔質フィルタなど)は、少なくとも三次元網目構造の
金属多孔体を光沢メッキする工程を経ることにより製造
できる。この方法では、金属多孔体として、種々の多孔
体が使用でき、例えば、高い延性などを望む場合には、
焼結により得られた従来の金属多孔体を用いてもよい。
【0021】高い生産性及び低コストで金属多孔質体
(金属多孔質フィルタ)を製造するためには、導電化処
理された多孔体を金属メッキする工程(以下、単に一次
メッキ工程という場合がある)と、前記多孔体を熱分解
する工程と、生成した三次元網目構造の金属多孔体を光
沢メッキする工程(以下、単に二次メッキ工程という場
合がある)とを経て金属多孔質体を製造するのが有利で
ある。このような方法では焼結工程が必要でないため、
経済的及び工業的に有利に金属多孔質体を製造できる。
【0022】[多孔体]なお、導電化処理された多孔体
は、連通気孔を有し、かつ分解除去可能な多孔体(以
下、単に発泡体という場合がある)を導電化処理するこ
とにより得ることができる。前記発泡体は、熱処理によ
り分解可能であるとともに、少なくとも連続気泡構造を
有する発泡体であればよく、必要であれば、独立気泡を
含んでいてもよい。このような発泡体には、発泡ポリウ
レタン(ウレタンフォーム又はスポンジ構造を有するウ
レタンフォーム)、発泡ポリオレフィン(ポリエチレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体の発泡体など)など
が例示できる。好ましい発泡体は、発泡ポリウレタンで
ある。なお、発泡体は、通常、スライス加工などによ
り、金属多孔体に対応する所定の厚みを有している。
【0023】発泡体の発泡倍率および平均気泡径は、金
属多孔体の空孔率および空孔径(ひいては強度、通気
性、圧力損失)などに応じて選択でき、通常、発泡倍率
は、2〜50倍(特に5〜30倍)程度の範囲から選択
でき、平均気泡径は、0.1〜3mm、好ましくは0.
3〜3mm(例えば、0.5〜3mm)程度の範囲から
選択できる。
【0024】導電化処理に先立って、発泡体は前処理
(エッチング処理)してもよい。前記発泡体の前処理
は、発泡体の種類に応じて種々の薬剤、例えば、酸、ア
ルカリ薬剤(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの
アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物を含む水
溶液など)を用いて行うことができる。前処理は、通
常、発泡体にアルカリ薬剤(特に水酸化ナトリウム溶
液)を適用する方法、例えば、噴霧、含浸又は浸漬する
ことにより行うことができる。
【0025】[導電化処理]前処理された多孔体(発泡
体)は、通常、水洗、乾燥した後、多孔体に導電性を付
与するため、導電化処理工程に供給される。導電化処理
工程では、種々の導電化方法、例えば、浸漬、含浸又は
塗布などによる導電性塗料(導電性カーボンブラックな
どの導電性微粒子を含有する導電性塗料など)のコーテ
ィング、導電性微粒子の付着、無電解メッキ、導電剤の
蒸着、粉体メッキなどの方法が採用できる。導電化処理
した多孔体は、必要により乾燥し、触媒処理し、水洗
し、一次メッキ工程でメッキ処理される。
【0026】[一次メッキ工程]一次メッキは、電気メ
ッキ及び無電解メッキのいずれも利用できるが、一次メ
ッキは、通常、電気メッキする場合が多い。一次メッキ
工程は、単一のメッキ工程だけでなく、複数のメッキ工
程で構成してもよい。
【0027】一次メッキは、メッキ金属の種類に応じて
種々のメッキ方法が採用でき、通常、金属源[金属塩
(硫酸塩)、塩化物など]、緩衝剤、pH調整剤、ピッ
ト防止剤、他の添加剤などを含むメッキ浴を用いて行う
ことができる。例えば、代表的な銅メッキ浴では、硫酸
銅、ホウフッ化銅、シアン化銅、ピロリン酸銅などが使
用され、代表的なクロムメッキ浴はサージェント浴、ケ
イフッ酸イオン添加浴、SRHS浴、クラックフリーク
ロムメッキ浴、三価クロムメッキ浴などが利用できる。
【0028】ニッケルメッキにおいては、硫酸ニッケ
ル、硫酸ニッケルアンモニウム、塩化ニッケルなどが使
用できる。代表的なニッケルメッキには、通常、ワット
浴などが利用される。また、ニッケルメッキ浴には、塩
素供給源(塩化アンモニウム、塩化ニッケルなど)、緩
衝剤(ホウ酸又はホウ酸ニッケルなどのホウ酸塩)、p
H調整剤(炭酸ニッケル、水酸化ニッケル、硫酸、塩
酸、ギ酸などの酸など)などが使用できる。
【0029】メッキ浴のpHは、通常、2.5〜6(例
えば、2〜6)、特に4〜5.5程度の範囲から選択で
き、温度は40〜70℃、電流密度は0.5〜10A/
dm 2(例えば、1〜7A/dm2)程度の範囲から選択
できる。
【0030】このような一次メッキにより、多孔体の骨
格の表面に金属メッキ層が形成される。なお、複数のメ
ッキ工程を経て一次メッキする場合、電流密度などの制
御因子をコントロールすることにより、均一なメッキ層
を形成できる。例えば、電流密度0.5〜3A/dm2
程度で予備メッキして均一なメッキ層を形成した後、電
流密度4〜10A/dm2程度でメッキすることによ
り、均一で厚みの大きなメッキ層を形成してもよい。
【0031】一次メッキの後、必要により一次メッキさ
れた多孔体を水洗、乾燥し、分解工程に供してもよい。
【0032】[分解工程]一次メッキが施された基材の
前記多孔体(ポリウレタンなどの発泡体を形成する樹脂
成分)を熱処理して分解(熱分解)すると、多孔体の骨
格が消失し、連通気孔を有する三次元網目構造の金属多
孔体を得ることができる。加熱分解は、通常、酸化雰囲
気、例えば、酸素含有気体(特に空気中)で熱処理する
ことにより行うことができる。
【0033】熱処理温度は、前記多孔体の種類に応じ
て、例えば、500〜900℃程度の範囲から適当に選
択できる。前記多孔体として発泡ポリウレタンを用いる
場合、通常、500〜800℃、好ましくは550〜7
00℃程度で熱処理することにより、ポリウレタンを効
率よく熱分解できる。分解工程の後、必要であればスケ
ール除去、表面活性化又はエッチング処理(化学研磨、
液体ホーニング、電解研磨処理など)を施し、二次メッ
キ工程に供してもよい。
【0034】[二次メッキ工程]生成した三次元網目構
造の金属多孔体を光沢メッキすることにより、本発明の
金属多孔質体(金属多孔質フィルタなど)を得ることが
できる。光沢メッキは、無電解メッキで行ってもよい
が、通常、電気メッキを利用する場合が多い。光沢メッ
キには、前記一次メッキと同様の成分を含むメッキ浴が
利用できる。
【0035】光沢メッキは、メッキ金属の種類に応じて
行うことができ、メッキ金属の種類によっては光沢剤を
使用しなくても光沢メッキを施すことも可能である。例
えば、クロムメッキにおいては、温度及び電流密度、硫
酸含有量、三価クロムの含有量などにより光沢をコント
ロールできる。好ましい光沢メッキは、通常、光沢剤を
含むメッキ剤、光沢合金メッキにより行うことができ
る。
【0036】光沢剤は、メッキ金属の種類に応じて適当
に選択できる。例えば、銅メッキにおいては、光沢剤と
して、例えば、タンパク質(ゼラチン、にかわ、カゼイ
ン等)チオ尿素、デキストリン、糖類(糖蜜、ブドウ糖
など)、フェノールスルホン酸又はその塩、アリールス
ルホン酸又はその塩などが利用できる。
【0037】ニッケルメッキにおいて、光沢剤として
は、慣用の一次光沢剤および二次光沢剤が使用でき、二
次光沢剤はレベリング剤として機能してもよい。一次光
沢剤としては、例えば、サッカリン、スルホン酸又はス
ルホン酸塩[シュレッター浴に利用されるナフタレンス
ルホン酸塩(例えば、トルエンスルホン酸、キシレンス
ルホン酸、トルイジンスルホン酸、ナフタレンモノスル
ホン酸、ナフタレンジスルホン酸、ナフタレントリスル
ホン酸などのアリールスルホン酸、これらのアルカリ金
属塩(ナトリウム塩など)、アリルスルホン酸、ビニル
スルホン酸又はこれらのアルカリ金属塩など)]、スル
ホンアミド類(ナフタレンスルホンアミド、p−トルエ
ンスルホンアミドなど)、アリールスルホンイミド類、
アリールスルフィン酸、アリールスルホン類などが例示
できる。一次光沢剤の含有量は、メッキ剤中、1〜20
g/L程度の範囲から選択できる。
【0038】二次光沢剤としては、金属の塩類(亜鉛、
タリウム、鉛などの金属塩)、不飽和結合を有する有機
化合物(不飽和アルコール類(2−ブチン−1,4−ジ
オール、プロパルギルアルコールなど)、アルデヒド類
(ホルムアルデヒド、スルホン化アリルアルデヒドな
ど)、カルボン酸類又はその塩(ギ酸又はその塩な
ど)、チオ尿素(環状チオ尿素などの誘導体を含む)、
シアンヒドリン類(エチレンシアンヒドリンなど)、複
素環式化合物(クマリン、キノリン、ピリジン、ピラゾ
ール、イミダゾールなど)など)などが例示できる。二
次光沢剤の濃度は、0.001〜1g/L程度の範囲か
ら選択できる。
【0039】メッキ浴には、ピット防止剤(例えば、ラ
ウリル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤)、緩衝剤(ホ
ウ酸又はその塩など)などを添加してもよい。ピット防
止剤の含有量は、例えば、0.1〜0.5g/L程度で
あってもよい。
【0040】光沢合金メッキ(特にニッケル合金メッ
キ)には、コバルト(硫酸コバルトなどのコバルト塩と
して)を含む光沢ニッケル浴(ワイスベルグ浴など)が
使用できる。このメッキ浴は、前記一次光沢剤[例え
ば、アルデヒド類(ホルムアルデヒド)、前記アリール
スルホン酸又はその塩(ナフタレンジスルホン酸ナトリ
ウムなど)など]、前記緩衝剤、pH調整剤(硫酸、塩
酸、ギ酸などの酸、水酸化ニッケル、炭酸ニッケルな
ど)などを含んでいてもよい。
【0041】なお、二次メッキは、一次メッキと同様の
条件で行うことができる。また、必要であれば、多層メ
ッキにより二次メッキ層を形成することも可能である。
【0042】一次メッキ層と二次メッキ層(光沢メッキ
層)との割合は、前記のように、前者/後者=50/5
0〜90/10(重量比)程度の範囲から選択でき、通
常、60/40〜85/15(重量比)、好ましくは6
0/40〜80/20(重量比)(例えば、70/30
〜80/20(重量比))程度である。
【0043】好ましい方法において、一次メッキ層は、
銅、クロム及びニッケルから選択された少なくとも1つ
の金属メッキにより形成され、二次メッキ層(光沢メッ
キ層)は、ニッケルメッキ及び/又はクロムメッキ(特
にニッケルメッキ)により形成される。二層メッキによ
り金属メッキ層を形成する場合、ニッケル/ニッケル、
銅/ニッケル、ニッケル/クロム、クロム/ニッケルな
どの層構造を有していてもよく、二層ニッケルメッキ
(ニッケル/ニッケル層構造)において、一次メッキ
は、無光沢ニッケルメッキ又は半光沢ニッケルメッキで
あってもよい。多層メッキにより金属メッキ層を形成す
る場合、例えば、銅/ニッケル/クロムメッキなどの層
構造を有していてもよい。このようにして二次メッキが
施された三次元網目構造の金属多孔体は、通常、洗浄、
乾燥することにより金属多孔質体として製品化できる。
【0044】本発明の金属多孔質体は、前記のように、
フィルタ(金属多孔質グリースフィルタなど)として有
効であるが、導電性及び耐熱性も高いので、種々の用
途、例えば、蓄電池の電極、燃料電池用部材などにも利
用できる。
【0045】
【発明の効果】本発明では、光沢メッキが施されている
ので、洗浄効率が高く、長期間に亘り繰り返し使用でき
る。特に、油ミストが付着しても固着を防止して付着油
を容易に除去できる。さらに、静圧が小さく、通気性、
換気性、およびオイルミストに対するフィルタ性能が高
い。そのため、金属多孔質グリースフィルタなどのフィ
ルタとして有用である。さらに、焼結工程を経ることな
く製造できるため、金属多孔質体(例えば、グリースフ
ィルタなどのフィルタ)を高い生産性及び低コストで製
造でき、経済的に有利である。
【0046】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。
【0047】実施例 連通気孔を有する三次元網目構造の板状発泡ポリウレタ
ン(厚さ7mm、空孔率約95%)を1N−水酸化ナト
リウム水溶液に浸漬してエッチング処理し、水洗、乾燥
した後、導電性塗料を含む液体に含浸させて導電化処理
し、乾燥した。導電化処理した発泡ポリウレタンを触媒
処理した後、水洗し、ワット浴を用い、電流密度1A/
dm2で目付100〜200g/m2程度に予備ニッケル
メッキした後、電流密度4〜10A/dm2でニッケル
メッキし、目付2600g/m2程度の一次ニッケルメ
ッキ層を形成した。
【0048】次いで、水洗、乾燥した後、酸化雰囲気
中、温度600℃で加熱してポリウレタンを熱分解し、
生成した三次元網目構造の金属多孔体をエッチング処理
し、ナフタレンジスルホン酸ナトリウム、不飽和アルコ
ール類(2−ブチン−1,4−ジオール、プロパルギル
アルコールなど)などの光沢剤を含むワット浴を用い、
電流密度4〜10A/dm2で二次光沢ニッケルメッキ
し、水洗、乾燥することにより、目付3500g/m2
程度の三次元網目構造の板状ニッケル多孔質体を得た。
【0049】比較例 実施例と同様にして、ワット浴を用い、電流密度1A/
dm2で目付100〜200g/m2程度に予備ニッケル
メッキした後、電流密度4〜10A/dm2でニッケル
メッキし、目付3550g/m2程度の一次ニッケルメ
ッキした多孔体を得た。この多孔体を水洗、乾燥し、酸
化雰囲気中、温度800℃で加熱してポリウレタンを熱
分解し、生成した三次元網目構造の金属多孔体を、水素
75体積%及び窒素25体積%の混合ガス中、1050
〜1100℃で焼成し、目付3500g/m2程度の三
次元網目構造の板状ニッケル多孔質体を得た。
【0050】実施例及び比較例で得られたニッケル多孔
質体の洗浄性、曲げ強度、弾性率及び延びの有無につい
て評価した。なお、洗浄性及び延びの有無は次のように
して評価した。
【0051】〔洗浄性〕 試験A:天ぷら油中に多孔質体を浸漬して油を含浸さ
せ、95℃の温湯に浸漬し、30分間撹拌して洗浄した 試験B:油を含浸させた多孔質体を、油が薄く黄ばむ程
度にガスコンロで熱して酸化し、95℃の1N−水酸化
ナトリウム水溶液に浸漬し、30分間撹拌して洗浄した 試験C:油を含浸させた多孔質体を、油が黄ばむまでガ
スコンロで熱して酸化し、95℃の1N−水酸化ナトリ
ウム水溶液に浸漬し、30分間撹拌して洗浄した洗浄後
の多孔質体を目視で観察し、下記の基準で洗浄性を評価
した。
【0052】 ○:油の付着がない △:油が若干付着している ×:油が全体に亘り付着している 〔延びの有無〕板状ニッケル多孔質体を手で折り曲げ、
多孔質体が割れることなく延性を有するか否かで判断し
た。
【0053】結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】表1から明らかなように、比較例に比べ、
実施例のニッケル多孔質体は、洗浄性が高いだけでな
く、機械的強度にも優れている。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三次元金属多孔体で構成され、かつ光沢
    メッキが施されている金属多孔質体。
  2. 【請求項2】 光沢ニッケルメッキ又は光沢ニッケル合
    金メッキが施されている請求項1記載の金属多孔質体。
  3. 【請求項3】 多孔体の金属がニッケル又はニッケル合
    金である請求項1記載の金属多孔質体。
  4. 【請求項4】 厚さ7mmにおいて、目付が1500〜
    4000g/m2である請求項1又は2記載の金属多孔
    質体。
  5. 【請求項5】 フィルタである請求項1記載の金属多孔
    質体。
  6. 【請求項6】 油ミストを除去するためのフィルタであ
    る請求項1記載の金属多孔質体。
  7. 【請求項7】 連通気孔を有し、かつ三次元網目構造の
    金属多孔体を光沢メッキする金属多孔質体の製造方法。
  8. 【請求項8】 連通気孔を有し、かつ導電化処理された
    多孔体を金属メッキする工程と、前記多孔体を熱分解す
    る工程と、生成した三次元網目構造の金属多孔体を光沢
    メッキする工程とを含む請求項7記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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