JP2001137614A - 液体分離装置 - Google Patents

液体分離装置

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JP2001137614A
JP2001137614A JP32001799A JP32001799A JP2001137614A JP 2001137614 A JP2001137614 A JP 2001137614A JP 32001799 A JP32001799 A JP 32001799A JP 32001799 A JP32001799 A JP 32001799A JP 2001137614 A JP2001137614 A JP 2001137614A
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oil
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mixed liquid
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JP32001799A
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Chihiro Ikemiya
千尋 池宮
Fumitoshi Shinohara
史敏 篠原
Yasushi Aoshima
靖 青島
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TC KK
Yamaha Motor Co Ltd
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TC KK
Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 混合液体から分離対象物を効果的に分離す
る。 【解決手段】 液体収容槽2の底8を漏斗状に形成し、
その最下部に排出口10を設ける。液体収容槽2内は、
上流側仕切板14と下流側仕切板15とによって上流側
室16、油捕集室17、蓄積室18が区画されている。
油捕集室17内には、多数の傾斜板36が一定の間隔に
隔てて平行に傾斜して並設され、これら傾斜板36の上
方には、油回収トレイ40が設けられている。そして、
傾斜板36の上流側には、一対の対向する電極板23,
24が混合液体の流れを横切るように設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属切削加工中に
使用される冷却水の排水中から油等を分離・除去する液
体分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、含油排水中の油分を回収する
油水分離装置として、油と水の比重差を利用して油分を
浮上分離させるものが知られている。この種の装置とし
ては、特公昭61−51930号公報に開示されたもの
がある。ここに開示されたものは、傾斜させた複数の傾
斜板が一定の間隔を隔てて互いに平行となるように並設
された傾斜板群が設けられ、これら複数の傾斜板を、親
油性で疎水性であるフッ素系樹脂等によって形成してい
る。したがって、微粒油分を含む水がこの傾斜板群を通
過すると、微粒油分のみが傾斜板に付着するので、微粒
油分どうしが結合して大粒化しこれによって浮力が大き
くなり、油分が各傾斜板を上昇し水と分離される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の液体分離装置においては、油と水の比重差を利
用して油分を浮上分離させるのに、単に、傾斜板群のみ
によって行う構造となっているので、必ずしも効果的に
分離されないという問題があった。
【0004】本発明は上記した従来の問題に鑑みなされ
たものであり、その目的とするところは、混合液体から
分離対象物を効果的に分離する液体分離装置を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、水および水と比重の異なる
混合物が混入された混合液体が供給される液体収容槽内
に、傾斜させた複数の傾斜板を一定の間隔を隔てて互い
に略平行となるように並設した傾斜板群を設け、液体収
容槽内に供給された混合液体を、傾斜板群を通過させる
ことによって相対的に比重の小さい分離対象物を混合液
体から比重差を利用して浮上分離させるようにした液体
分離装置において、前記傾斜板群の上流側に、多数の貫
通孔が設けられた正および負の電極板を、液体の流れを
横切るように対向配置したものである。したがって、混
合物が油の場合、油が電極板を通過するとき、電気分解
処理によって発生する気泡に混合液体中の油が付着する
ので、気泡の浮力によって油が水から分離される。ま
た、混合液体に電子が与えられ中和されることにより等
電点に至り、油を覆っていた水和膜が除去されるので、
油が水から離され、微細な油どうしが結合しやすくな
る。
【0006】また、請求項2に係る発明は、請求項1に
係る発明において、前記各電極板のそれぞれの貫通孔ど
うしを、互いに対向しないようにずらして配置したもの
である。したがって、混合液体が各電極板の貫通孔を通
過するとき、じぐざぐ状に流れるので、所要時間が長く
なる。
【0007】また、請求項3に係る発明は、請求項1ま
たは2に係る発明において、前記液体収容槽の底を略漏
斗状に形成し、この最下部に沈澱した沈澱物を排出する
排出口を設けるとともに、前記電極板の上流側に前記液
体収容槽の底に当接する上流側仕切板を設けて液体収容
槽に上流側室を形成し、前記上流側仕切板を昇降自在に
設けたものである。したがって、沈澱物が液体収容槽の
底の最下部に集まりやすく、上流側室にある程度沈澱物
が堆積したときに、上流側仕切板を上昇させると、沈澱
物が一体的に集合体となって排水口側に流れ落ちる。
【0008】また、請求項4に係る発明は、請求項1な
いし3に係る発明において、前記傾斜板群の下流側に、
下流側仕切板によって仕切ることにより、混合液体から
分離対象物を分離した処理液体を一時的に貯留する貯留
室を形成し、この貯留室に堰を介して処理液体を液体収
容槽外に導出する導出部を設けるとともに、前記堰の上
縁部に複数の切欠きを設け、これら切欠きを堰の長手方
向の中心線を挟んで略対称となるように位置付けたたも
のである。したがって、堰が傾斜した姿勢で設置された
としても、切欠きを通って処理液が導出される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
用いて説明する。図1は本発明に係る液体分離装置にお
ける液体収容槽の外観を示す斜視図、図2は同じく液体
分離装置の側面図、図3は同じく平面図、図4は同じく
正面図である。図5は同じく混合液体の流水径路を示す
ための図3におけるV-V 線断面図、図6は図5における
VI-VI線断面図、図7は図5におけるVII 部拡大図であ
る。図8は同じく電極板を示し、同図(a)は正面図、
同図(b)は同図(a)におけるVIII(b)-VIII
(b)線断面図、同図(c)は側面図、同図(d)は同
図(b)におけるVIII(d)部拡大図である。図9
(a)は同じく電極板の支持構造を拡大して示した要部
断面図、同図(b)は同図(a)におけるVIIII(b)-
VIIII(b) 線断面図、図10は同じく傾斜板を示し、
同図(a)は側面図、同図(b)は正面図である。図1
1は同じく堰を示し、同図(a)は側面図、同図(b)
は平面図、同図(c)は正面図である。図12は同じく
油回収トレイを示し、同図(a)は正面図、同図(b)
は側面図である。
【0010】図5において、全体を符号1で示す液体分
離装置は、液体収容槽2と、水と分離対象物としての油
4や金属の切削屑などが混合している混合液体5が貯留
された前受槽6と、この前受槽6に貯留された混合液体
を液体収容槽2に供給するポンプ7とが備えられてい
る。液体収容槽2の底8は漏斗状に形成され、その最下
部には沈澱物9を排出する排出口10が設けられてい
る。
【0011】この排出口10には図4に示すように、排
出管11が接続され、この排出管11の先端にはドレン
コック12が取り付けられており、このドレンコック1
2を開くことにより沈澱物9が排出される。図5におい
て、13は液体収容槽2の幅方向に延在する規制板であ
って、排出口10の上方に位置付けられるように、液体
収容槽2の底8の両側部に取り付けられている。
【0012】図1および図5において、液体収容槽2の
内部は、上流側仕切板14と下流側仕切板15とによっ
て、上流側室16、油捕集室17、貯留室18との3室
に区画されている。上流側仕切板14の略中央部には、
左右方向に長い長方形の貫通孔14aが設けられ、下端
は液体収容槽2の底8に当接し、図7に示すように、上
端は液体収容槽2内に供給された混合液体5の液面の高
さよりも高さδだけ低く位置付けられ、図示を省略した
昇降手段によって昇降自在に設けられている。
【0013】図2において、20は導入管であって、出
口側が左右に二股状に形成され上流側室16内に臨んで
おり、入口側はホース21を介してポンプ7に接続さ
れ、混合液体5がこの導入管20を介して上流側室16
に供給される。図5において、23,24は一対の対向
する電極板であって、油捕集室17の上流側において、
混合液体5の流れ方向(図中矢印A方向)を横切るよう
に互いに対向するように配置されている。図8(a)に
示すように、電極板23,24には多数の貫通孔23
a,24aがマトリックス状に穿設されている。
【0014】これら一対の電極板23,24は、図9
(a)に示すような電極板受け27によって下縁両端部
が支承されている。すなわち、液体収容槽2の下部側の
両側部(一方の側部は図示せず)には、二個の取付孔2
5,25(一方の取付孔25は図示せず)が穿設され、
この取付孔25には、ゴム製のプラグ26が嵌着されて
いる。このプラグ26に設けられた電極板受け27は、
液体収容槽2内に水平に突出され、同図(b)に示すよ
うに、この電極板受け27は円柱状に形成され、上端部
に電極板23,24を載置する溝27aが設けられてい
る。
【0015】この電極板受け27は導電材によって形成
され、プラグ26から導出されたケーブル28を介して
DC電源29に接続されており、溝27aに載置された
電極板23,24は、この電極板受け27を介してDC
電源29から電圧が印加される。30は液体収容槽2の
内壁に対向するように取り付けられた一対のガイド板
(一方のガイド板30は図示せず)であって、これらガ
イド板30,30間に係入された電極板23,24は電
極板受け27の溝27aに載置され、電極板受け27と
ガイド板30とによって支承される。
【0016】このように、電極板23,24を、DC電
源29の電流を供給する電極板受け27に直接載置した
ことにより、電極板23,24の交換が容易になる。支
承された電極板23,24は、その上端縁が上述した上
流側仕切板14と同様に、図5に示すように、混合液体
5の液面の高さよりもわずかに低く位置付けられるよう
に配設されている。また、対向する一対の電極板23,
24のそれぞれの貫通孔23a,24aどうしが、図8
(d)に示すように、互いに対向しないように千鳥状に
配置されている。
【0017】図5において、32,33は一対のフィル
タ板であって、油捕集室17内において、電極板23,
24の下流側に、混合液体の流れを横切るように対向配
置されている。これらフィルタ板32,33は、多数の
貫通孔32a,33a(図1参照)が穿設された一対の
ステンレス鋼板の間に油に対して親和性を有する部材で
あるポリプロピレンからなる不織布が挟持されて形成さ
れている。
【0018】これらフィルタ板32,33は、その上端
縁が上述した電極板23,24と同様に混合液体5の液
面の高さよりもわずかに低く位置付けられるように配設
されている。また、上流側のフィルタ板32の下部32
bと下流側のフィルタ板33の上部33bには不織布が
設けられてなく、互いに不織布が設けられていない部位
が対向しないように配置されている。
【0019】図5において、油捕集室17のフィルタ板
33と下流側仕切板15との間には、傾斜板群35が設
けられている。この傾斜板群35は、図6に示すよう
に、多数の傾斜板36が所定の角度をもって傾斜し、混
合液体5が流れる方向に沿うように、互いの傾斜板36
が一定の間隔を隔てて平行となるように並設され、同図
に示すように、上端縁が混合液体5の液面の高さよりも
低く位置付けられるように配設されている。
【0020】この傾斜板36は、図10に示すように、
上面側に位置するステンレス鋼板37と、このステンレ
ス鋼板37に接着され下面側に位置する板状の分離板3
8とによって形成されている。ステンレス鋼板37は、
剛性が高くかつ表面が滑らかで低摩擦の部材によって形
成され、分離板38は親油性を有するポリプロピレン材
によって形成されている。
【0021】図5において、40は傾斜板群35の上方
に設けられた油回収トレイであって、図12に示すよう
に、上方が開口した箱状を呈しており、一方の側部に取
り付けられた中空の油回収管41と連通され、この油回
収管41の外周部には、ねじ部41aが設けられてい
る。図6に示すように、油回収管41を液体収容槽2の
側部の支持孔2aに係入させ、ナット42をねじ部41
aに螺合させることにより、油回収トレイ40が、図6
に示すように、液体収容槽2内の混合液体5の液面に位
置付けられる。ナット42を緩め油回収トレイ40を図
12(a)に二点鎖線で示すように傾けることにより、
混合液体5の上面側に分離された油4が、油回収トレイ
40内に回収され油回収管41を介して回収される。
【0022】図5において、下流側仕切板15の下部側
には、左右方向に長い長方形の貫通孔15aが設けられ
ている。43は堰であって、図11に示すように、底板
44とこの底板44から直角に折曲された前板45とに
よって断面がL字状に形成され、これら底板44と前板
45の両端は折り返されて折り返し部44a,45aが
それぞれ設けられている。
【0023】また、前板45の上端には、前板45の長
手方向に等間隔に隔てて、上下が逆の三角形に形成され
た3個の切欠き45bが設けられている。すなわち、こ
れら3個の切欠き45bは、前板45の長手方向の中心
線C−Cを挟んで略対称となるように位置付けられてい
る。この堰43は、折り返し部44a,45aが液体収
容槽2の両側部の後端内側に取り付けられることによっ
て、貯留室18の上部の後端に設けられている。このよ
うに取り付けられた堰43の前板45の上端縁は、貯留
室18内の混合液体5の液面高さと略同じ高さに位置付
けられている。
【0024】この堰43に対応して、液体収容槽2の後
部には、処理液体を導出する導出部としての導出管47
(図3参照)が設けられ、この導出管47から導出され
た処理液は前受槽6に導かれる。図2および図4におい
て、48は液体収容槽2を支持するフレームであって、
このフレーム48の下端にはキャスター49が取り付け
られており、液体収容槽2は移動自在となっている。
【0025】次に、このような構成の液体分離装置1に
おける液体の分離動作を説明する。図5において、前受
槽6に貯留されている混合液体5がポンプ7によって液
体収容槽2の上流側室16内に供給される。上流側室1
6を仕切る上流側仕切板14の上端縁が混合液体5の所
定の液面の高さよりも高さδだけ低く位置付けられてい
ることにより、混合液体5中の比較的大きな浮遊物が、
浮力により浮き上がるので、これら浮遊物は上流側仕切
板14の上端から油捕集室17に溢出す。
【0026】したがって、このようにある程度浮遊物が
除去された混合液体5が上流側仕切板14の貫通孔14
aから下流側の油捕集室17の電極板23,24に供給
されるので、これら電極板23,24による後述する分
離効果が向上する。ここで、上流側仕切板14の下端が
液体収容槽2の底8に当接していることにより、この上
流側仕切板14によって分離対象物としての切削物等の
沈澱物9が堰き止められる。
【0027】この沈澱物9がある程度堆積して大きな集
合物となった時点で、図示を省略した昇降手段を駆動さ
せて上流側仕切板14を上昇させることによって、大き
な集合物となった沈澱物9が、離散することなく一体的
に底8に沿って排出口10側に流れる。しかも、底8が
漏斗状に形成されていることにより、沈澱物9が排出口
10側に円滑に導かれ、さらに規制板13によって排出
口10側に落下するので、ドレンコック12を開くこと
により排出され易く、このためメンテナンスが容易にな
る。このように、沈澱物9を電極板23,24側に流れ
にくくしていることにより、電極板23,24による後
述する分離効果が向上する。
【0028】電極板23,24に導かれた混合液体5
は、DC電源29によって電極板23,24に電圧を印
加することにより、混合液体5中の水が電気分解され気
泡が発生し、この気泡が混合液体5中の油滴に付着する
ので、浮力が大きくなり油滴が浮上し、混合液体5中の
油4がさらに分離される。また、混合液体5に電子が与
えられ中和されることにより等電点に至り、油滴を覆っ
ている水和膜が除去されるので、油滴が混合液体5から
離され微細な油滴どうしが結合しやすくなる。
【0029】したがって、結合して大きくなった油滴に
は大きな浮力が作用するので、このあと傾斜板群35を
通過する際に、傾斜板36によって混合液体5から効果
的に分離される。また、電極板23,24が、混合液体
5の流れ方向を横切るように対向配置されていることに
より、これら電極板23,24が整流板として機能する
ので、特別な整流板を必要とせず、このため装置の小型
化と部品点数の削減を図ることができる。
【0030】さらに、一対の電極板23,24のそれぞ
れの貫通孔23a,24aどうしが、互いに対向しない
ように配置されていることにより、混合液体5が各電極
板23,24の貫通孔23a,24aを通過する際、じ
ぐざく状に流れるので、所要時間が長くなり、このため
電気分解処理が充分に行われる。ここで、DC電源29
から電極板23,24に通電される極性を所定時間毎に
交互に逆になるように印加している。このため、それぞ
れの電極板23,24に付着物が付着しにくくなるの
で、各電極板23,24のメンテナンスの頻度が低減さ
れる。
【0031】また、電極板23,24による電気分解処
理によって、混合液体5に電子が与えられ中和されるこ
とにより等電点に至り、油滴を覆っていた水和膜が除去
されるので、油滴が水から離され微細な油滴どうしが結
合しやすくなっている。したがって、油4に対して親和
性を有するプロピレンからなる不織布を備えているフィ
ルタ板32,33間を混合液体5が通過すると、微細な
油滴どうしが一層結合しやくなる。したがって、これら
フィルタ板32,33を混合液体5が通過するときに、
油滴が浮上分離するので、油分が減らされた混合液体5
が下流の傾斜板群35を通過する。
【0032】このため、傾斜板群35における油の分離
処理量が軽減され、装置全体としての油の分離能力が向
上する。また、フィルタ板32,33が、混合液体5の
流れ方向を横切るように対向配置されていることによ
り、これらフィルタ板32,33が整流板として機能す
るので、特別な整流板を必要とせず、このため装置の小
型化と部品点数の削減を図ることができる。
【0033】また、上流側のフィルタ板32の下部32
bと、下流側のフィルタ板33の上部33bの不織布が
設けられていない部位が、互いに対向しないように配置
されていることにより、混合液体5がこれらフィルタ板
32,33を通過する際、流れの方向が変えられるの
で、所要時間が長くなる。このため、フィルタ板32,
33において混合液体5の滞留する時間が長くなり、こ
れらフィルタ板32,33に多数の油滴が滞留すること
となり、油滴どうしの結合が一層促進される。したがっ
て、油滴の浮力が一層向上するので、油滴の分離が一層
促進される。
【0034】混合液体5が傾斜板群35を通過すると、
この傾斜板群35の傾斜板36の下面側の分離板38が
親油性を有するポリプロピレン材によって形成されてい
るので、この分離板38に油滴が付着する。上述したよ
うに、混合液体5が傾斜板群35の上流側の電極板2
3,24およびフィルタ板32,33を通過する際に、
油滴の水和膜が除去されかつ油滴に大きな浮力が作用す
るので、分離板38に多数の油滴が付着し、油滴どうし
の結合が一層促進され、これが油滴の浮力を一層向上さ
せ、混合液体5からの油4の分離が一層促進される。ま
た、この傾斜板群35の上流側で分離されずに残り、混
合液体5に混入していた分離対象物としての切削屑等の
固形物は、沈澱物となって一旦傾斜板36の上面に沈澱
するが、傾斜板36の上面側のステンレス鋼板37が、
滑らかでかつ低摩擦の部材によって形成されていること
により、固形物はこのステンレス鋼板37上を滑落しや
すく、液体収容槽2の底8に効果的に沈澱する。
【0035】また、傾斜板36の上面側を剛性の高いス
テンレス鋼板37によって形成したことにより、傾斜板
36の下側の部材を剛性の低い面材によって形成するこ
とが可能となり、この面材の材質の選択の自由度が拡が
る。したがって、分離板38の替わりに、ステンレス鋼
板37の裏面に親油性を有する樹脂塗料を塗布してもよ
い。
【0036】このようにして、油捕集室17内において
混合液体5から分離され浮上した油4は、図12(a)
に示すように、傾斜した油回収トレイ40の上方の開口
から油回収トレイ40内に流入し、油回収管41を介し
て図示を省略した油回収槽に回収される。一方、油4が
分離された処理液は、下流側仕切板15の貫通孔15a
から貯留室18内に流入し、堰43の前板45の上端か
ら堰43内に溢出し、導出管47を通って前受槽6に貯
留される。
【0037】このとき、液体収容槽2が、図4において
左右方向に傾斜した姿勢で設置されたとしても、堰43
の前板45の上端に前板45の長手方向に、逆三角形の
3個の切欠き45bが中心線C−Cを挟んで略対称とな
るように位置付けられていることにより、これら切欠き
45bを通して処理液を堰43内に導出することができ
る。したがって、混合液体5が傾斜板群35を流れると
き、傾斜板群35の左右方向の両端において混合液体5
が流れないということがなく、傾斜板群35の全域に亘
って流れるので、混合液体5が傾斜板群35を通過する
ときに油4が効果的に分離される。
【0038】図13は油回収トレイの第2の実施例を示
す正面図である。この第2の実施例においては、油回収
トレイ40の前面部の中央の上端に、上下が逆に形成さ
れた三角形の切欠き40aが設けられている。したがっ
て、仮に、液体収容槽2が傾いた姿勢で設置され、混合
液体5の液面が図中二点鎖線で示すように傾いたとして
も、油4の回収をこの切欠き40aから確実に行うこと
ができるので、油4の回収を効果的に行うことができ
る。
【0039】図14は油回収トレイの第3の実施例を示
す側面図である。この第3の実施例においては、油回収
トレイ40が深底状に形成され、下端部に油回収管41
が取り付けられている。このような構成とすることによ
り、油回収管41を回動中心として油回収トレイ40を
傾けると、油回収トレイ40の上端開口の移動範囲を大
きくとれるので、混合液体5の液面の高さや浮遊した油
4の厚みの変化に対応できる。
【0040】図15は油回収トレイの第4の実施例を示
し、同図(a)は正面図、同図(b)は側面図である。
この第4の実施例においては、油回収管41が継手52
を介して油回収管41と直交する方向に延在する中継管
53の一端に接続され、この中継管53の他端が継手5
4を介して中継管53と直交する方向に延在する回動管
55に接続されている。油回収管41は継手52に対し
て回転自在に支持され、回動管55は継手54に固定さ
れ一体化されている。
【0041】したがって、回動管55を回動させると、
中継管53を介して油回収トレイ40の高さ方向の位置
を大きく変えることができるので、液体収容槽2内の混
合液体5の液面の高さに対応させることができる。ま
た、継手52に対して油回収管41を回動させると、油
回収トレイ40が回動するので、浮遊した油4の厚みに
対応することが可能となる。
【0042】図16は油回収トレイの第5の実施例を示
し、同図(a)は正面図、同図(b)は側面図である。
この第5の実施例においては、油回収トレイ40の底5
7が、油回収管41側に向かって下方に傾斜するように
形成されている。したがって、油回収トレイ40に回収
された油4は、この底57上に沿って油回収管41に円
滑に導かれる。
【0043】図17は油回収トレイの第6の実施例を示
す側面図である。この第6の実施例においては、油回収
トレイ40の底58が漏斗状に形成され、その最下部に
油回収管41が接続されている。したがって、油回収ト
レイ40に回収された油4が、この漏斗状の底58上に
沿って油回収管41に円滑に導かれる。
【0044】本実施の形態においては、混合液体5から
油4と金属粉とを分離する例を述べたが、これに限定さ
れず油や金属粉以外の物も分離することもできる。すな
わち、例えば水よりも比重の小さい有機物が一体化され
た金属を切削した場合に、金属から分離して生じる微粉
化した有機物が混合液体中に混在することもあるが、こ
の有機物を水から分離することもできるからである。ま
た、堰43の切欠き45bを3個設けたが、2個でも4
個以上でもよく、要は、中心線C−Cを挟んで略対称と
なるように位置付けられていればよい。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、電気分解処理によって発生した気泡が分離
対象物に付着するので、分離対象物が浮力により浮上し
易くなり分離効果が向上する。また、分離対象物に電気
的に電子が与えられることにより中和され、等電点に至
るので、分離対象物を覆っていた水和膜が除去され、分
離対象物が混合液から分離されやすくなる。また、電極
板が整流板として機能するので、特別な整流板を設ける
必要がない。
【0046】また、請求項2に係る発明によれば、混合
液体が各電極板の貫通孔を通過する際、その通過時間が
長くなるので、電気分解処理が充分に行われる。
【0047】また、請求項3に係る発明によれば、沈澱
物が排出口付近に集合しやすいので、メンテナンスが容
易になる。また、沈澱物がある程度堆積して大きな集合
体となった状態で排出口に導くようにしたので、沈澱物
が離散しにくくなるとともに、沈澱物の除去を効果的に
行うことができる。
【0048】また、請求項4に係る発明によれば、堰に
対して処理液の液面が傾斜していても堰の略全域に亘っ
て処理液を導出できる。したがって、混合液体が傾斜板
群を流れるとき、この混合液体が傾斜板群の全域に亘っ
て流れるので、混合液体が傾斜板群を通過するときに分
離対象物が効果的に分離される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る液体分離装置における液体収容
槽の外観を示す斜視図である。
【図2】 本発明に係る液体分離装置の側面図である。
【図3】 本発明に係る液体分離装置の平面図である。
【図4】 本発明に係る液体分離装置の正面図である。
【図5】 本発明に係る液体分離装置における混合液体
の流水径路を示すための図3におけるV-V 線断面図であ
る。
【図6】 図5におけるVI-VI 線断面図である。
【図7】 図5におけるVII 部拡大図である。
【図8】 本発明に係る液体分離装置における電極板を
示し、同図(a)は正面図、同図(b)は同図(a)に
おけるVIII(b)-VIII (b)線断面図、同図(c)は
側面図、同図(d)は同図(b)におけるVIII(d)部
拡大図である。
【図9】 同図(a)は本発明に係る液体分離装置にお
ける電極板の支持構造を拡大して示した要部断面図、同
図(b)は同図(a)におけるVIIII(b)-VIIII
(b) 線断面図である。
【図10】 本発明に係る液体分離装置における傾斜板
を示し、同図(a)は側面図、同図(b)は正面図であ
る。
【図11】 本発明に係る液体分離装置における堰を示
し、同図(a)は側面図、同図(b)は平面図、同図
(c)は正面図である。
【図12】 本発明に係る液体分離装置における油回収
トレイを示し、同図(a)は正面図、同図(b)は側面
図である。
【図13】 本発明に係る液体分離装置における油回収
トレイの第2の実施例を示す正面図である。
【図14】 本発明に係る液体分離装置における油回収
トレイの第3の実施例を示す側面図である。
【図15】 本発明に係る液体分離装置における油回収
トレイの第4の実施例を示し、同図(a)は正面図、同
図(b)は側面図である。
【図16】 本発明に係る液体分離装置における油回収
トレイの第5の実施例を示し、同図(a)は正面図、同
図(b)は側面図である。
【図17】 本発明に係る液体分離装置における油回収
トレイの第6の実施例を示す側面図である。
【符号の説明】 1…液体分離装置、2…液体収容槽、4…油、5…混合
液体、8…底、9…沈澱物、10…排出口、14…上流
側仕切板、15…下流側仕切板、16…上流側室、17
…油捕集室、18…貯留室、20…導入管、23,24
…電極板、23a,24a…貫通孔、26…プラグ、2
7…電極受け、27a…溝、29…DC電源、32,3
3…フィルタ板、35…傾斜板群、36…傾斜板、37
…ステンレス鋼板、38…分離板、40…油回収トレ
イ、43…堰、45b…切欠き。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 17/06 501 B01D 17/06 501A C02F 1/40 C02F 1/40 A (72)発明者 篠原 史敏 静岡県磐田市新貝2500番地 ヤマハ発動機 株式会社内 (72)発明者 青島 靖 静岡県磐田市新貝2500番地 ヤマハ発動機 株式会社内 Fターム(参考) 4D051 AA01 AA06 BA02 BA07 BA10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水および水と比重の異なる混合物が混入
    された混合液体が供給される液体収容槽内に、傾斜させ
    た複数の傾斜板を一定の間隔を隔てて互いに略平行とな
    るように並設した傾斜板群を設け、液体収容槽内に供給
    された混合液体を、傾斜板群を通過させることによって
    相対的に比重の小さい分離対象物を混合液体から比重差
    を利用して浮上分離させるようにした液体分離装置にお
    いて、前記傾斜板群の上流側に、多数の貫通孔が設けら
    れた正および負の電極板を、液体の流れを横切るように
    対向配置したことを特徴とする液体分離装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の液体分離装置において、
    前記各電極板のそれぞれの貫通孔どうしを、互いに対向
    しないようにずらして配置したことを特徴とする液体分
    離装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の液体分離
    装置において、前記液体収容槽の底を略漏斗状に形成
    し、この最下部に沈澱した沈澱物を排出する排出口を設
    けるとともに、前記電極板の上流側に前記液体収容槽の
    底に当接する上流側仕切板を設けて液体収容槽に上流側
    室を形成し、前記上流側仕切板を昇降自在に設けたこと
    を特徴とする液体分離装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3記載の液体分離
    装置において、前記傾斜板群の下流側に、下流側仕切板
    によって仕切ることにより、混合液体から分離対象物を
    分離した処理液体を一時的に貯留する貯留室を形成し、
    この貯留室に堰を介して処理液体を液体収容槽外に導出
    する導出部を設けるとともに、前記堰の上縁部に複数の
    切欠きを設け、これら切欠きを堰の長手方向の中心線を
    挟んで略対称となるように位置付けたことを特徴とする
    液体分離装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106110714A (zh) * 2016-08-12 2016-11-16 江苏地浦科技股份有限公司 一种连续静态分离物料的装置
CN115594262A (zh) * 2021-07-07 2023-01-13 中国石油化工股份有限公司(Cn) 电场分离装置和油水混合液处理设备

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