JP2001136994A - 醗酵法による精製アミノ酸塩を製造する方法及び装置 - Google Patents

醗酵法による精製アミノ酸塩を製造する方法及び装置

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JP2001136994A
JP2001136994A JP32427199A JP32427199A JP2001136994A JP 2001136994 A JP2001136994 A JP 2001136994A JP 32427199 A JP32427199 A JP 32427199A JP 32427199 A JP32427199 A JP 32427199A JP 2001136994 A JP2001136994 A JP 2001136994A
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acid salt
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permeate
liquid
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JP32427199A
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Hiroshi Nishii
啓 西井
Osami Takahagi
修実 高萩
Takuo Kawahara
拓夫 川原
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AGC Engineering Co Ltd
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Asahi Glass Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 膜分離による精製でイオン交換樹脂等を不要
とする精製アミノ酸塩製造技術の提供。 【解決手段】 3段階に直列配置した膜分離でそれぞれ
不純物含有アミノ酸塩溶液を透過液と非透過液に分け、
第1膜分離の透過液を第2膜分離に供給し、第2膜分離
の透過液を製品として回収し、非透過液を第3膜分離に
供給し、第3膜分離の透過液を第2膜分離の供給液に混
合し、非透過液を第1膜分離の供給液に混合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、醗酵法によるアミ
ノ酸塩の製造において精製したアミノ酸塩を製造する方
法及び装置に関する。詳しくは、醗酵法によるアミノ酸
塩の製造プロセスあるいは精製プロセスから供給される
不純物を含有するアミノ酸塩溶液から予め菌体等の夾雑
物を除去し、除去後の色度成分等の不純物を含有するア
ミノ酸塩溶液から膜分離により精製アミノ酸塩を製造す
る方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】醗酵法によるアミノ酸塩の製造における
従来のアミノ酸塩の精製については、アミノ酸の結晶に
アルカリを加えて溶解し、その溶液を活性炭やイオン交
換樹脂等を用いて脱色するものであるが、色度成分等が
多いため多量の活性炭あるいはイオン交換樹脂等が必要
となり、再生費用や廃棄物処理費用等が莫大であった。
そして、その従来のアミノ酸塩の精製においては、アミ
ノ酸塩溶液を精製し、その後アミノ酸塩溶液から晶析操
作等によりアミノ酸塩結晶を分離している。その際に
は、溶液中に多量のアミノ酸塩が残留するため酸を添加
してアミノ酸塩を回収しているが、色度成分も濃縮され
ているため低品質の製品しか得られなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のとおりであるか
ら、従来のアミノ酸塩製造プロセスには、回収できずに
廃棄されるアミノ酸塩が多いこと、アミノ酸塩溶液精製
には多量の活性炭あるいはイオン交換樹脂が必要である
こと及びその再生費用を含めたコストが大きいこと、並
びに結晶母液から回収されるアミノ酸塩が低品質である
こと等の問題がある。また、アミノ酸塩精製工程に膜を
適用しようとする考え方自体は既に従来からあったが、
色度成分が多量に含まれるため高い回収率を確保ができ
ないという問題点を有していた。本発明は、従来技術が
有していたこれら欠点を解消することを発明の解決課
題、すなわち目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決すべくなされたものであり、醗酵法によるアミノ酸
塩の製造プロセスあるいはその精製プロセスから供給さ
れ、菌体等の夾雑物を予め除去した不純物を含有するア
ミノ酸塩溶液を膜分離により精製するアミノ酸塩の製造
方法及び製造装置を提供するものである。
【0005】すなわち、本発明の製造方法は、醗酵法に
よるアミノ酸塩製造プロセスあるいはその精製プロセス
から供給され、菌体等の夾雑物を予め除去した不純物含
有アミノ酸塩溶液を、アミノ酸塩溶液を透過し色度成分
等の不純物を透過しない分離膜を持つ第1膜分離工程に
供給して、色度成分の一部と残存する菌体等の夾雑物を
除去したアミノ酸塩透過液と、色度成分等の不純物を含
有する第1非透過液とに分離し、分離後、前記透過液を
アミノ酸塩溶液を透過し色度成分等の不純物を透過しな
い分離膜を持つ第2膜分離工程に供給して、色度成分を
除去した精製アミノ酸塩透過回収液と、色度成分を含む
アミノ酸塩含有第2非透過液とに分離し、次いで、第2
非透過液を、アミノ酸塩溶液を透過し色度成分等の不純
物を透過しない分離膜を持つ第3膜分離工程に供給し
て、色度成分の大部分を除去したアミノ酸塩含有透過液
と、色度成分を含む第3非透過液とに分離すると共に前
記アミノ酸塩含有透過液を第2膜分離工程の供給液に混
合し、第3非透過液を第1膜分離工程の供給液に混合す
ることを特徴とする不純物含有アミノ酸塩溶液から精製
アミノ酸塩を製造する方法である。
【0006】また、本発明の製造装置は、醗酵法による
アミノ酸塩製造プロセスあるいはその精製プロセスから
供給され菌体等の夾雑物を予め除去した不純物含有アミ
ノ酸塩溶液の第1供給管と、アミノ酸塩透過液の第1導
出管及び不純物を含有する非透過液の第1取出管とを備
える、アミノ酸塩溶液を透過し色度成分等の不純物を透
過しない分離膜を内部に持つ第1膜分離装置、前記第1
取出管に接続する第2供給管と、精製アミノ酸塩透過回
収液用の第2導出管とアミノ酸塩含有非透過液用の第2
取出管とを備える、アミノ酸塩溶液を透過し色度成分等
の不純物を透過しない分離膜を内部に持つ第2膜分離装
置、並びに第2取出管に接続する第3給液管と、アミノ
酸塩含有透過液を取出し第2膜分離装置の第2供給管に
給液する第3導出管と、不純物を含む非透過液を取り出
し第1膜分離装置の第1供給管に給液する第3取出管と
を備える、アミノ酸塩溶液を透過し色度成分等の不純物
を透過しない分離膜を内部に持つ第3膜分離装置を具備
することを特徴とする不純物含有アミノ酸塩溶液から精
製アミノ酸塩を製造する装置である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のアミノ酸塩の製造方法に
ついて、図1に記載のフローシートに基づいて具体的に
説明するが、本発明はこのフローシートのプロセスに限
定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて
特定されるものであって、各種態様がとれることはいう
までもない。
【0008】醗酵法によるアミノ酸塩製造プロセスある
いはその精製プロセスから供給され、菌体等の夾雑物を
予め除去した不純物含有アミノ酸塩溶液が、このプロセ
スにおける原料液として、まず第1タンク10に供給さ
れる。ついで、タンク10中の原料液は、第1ポンプ7
により昇圧され、第1供給管22を経由して、色度成分
を透過せずアミノ酸塩溶液を透過可能とする分離膜を持
つ第1膜分離装置1に供給される。この分離膜装置1で
は、色度成分の一部と残存する菌体等の夾雑物とを除去
したアミノ酸塩透過液と、色度成分等の不純物を含有す
る非透過液(第1非透過液)とに分離される。
【0009】この第1非透過液は、調圧弁14を通過し
た後第1取出管24を経て第1タンク10に循環され
る。その際、この調圧弁14の存在により、第1分離装
置内の供給液側の圧力がアミノ酸塩溶液が分離膜透過に
必要な所定圧に維持されるが、その圧力維持は第1ポン
プ7と調圧弁14とが協働して行われる。第1膜分離装
置1で分離したアミノ酸塩透過液は、第1導出管23を
経由して第2タンク11に供給され、その後第2ポンプ
8により昇圧され第2供給管25を経由して、色度成分
を透過せずアミノ酸塩溶液を透過可能とする分離膜を持
つ第2膜分離装置2に供給される。
【0010】この膜分離装置2では、精製アミノ酸塩透
過回収液と、色度成分を残留するアミノ酸塩含有非透過
液(第2非透過液)とに分離される。ここで分離された
精製アミノ酸塩透過回収液は、第2導出管26を経由し
て透過液回収タンク13に貯蔵され、必要に応じ製品と
して取出される。第2非透過液は調圧弁15を通過した
後第2取出管28を経て第2タンク11に循環される。
その際には、この調圧弁15は、第1分離装置の第1非
透過液取出管24に付設された調圧弁14と同様に第2
分離装置内の供給液側の圧力を所定圧に維持するために
利用されるものである。
【0011】第2タンク11に循環された第2膜分離装
置2で分離膜を透過しなかった色度成分を残留する第2
非透過液は、第3タンク12に送給され、その後第3ポ
ンプ9により昇圧され第3供給管30を経由して、色度
成分を透過せずアミノ酸塩溶液を透過可能とする分離膜
を持つ第3膜分離装置3に供給される。この膜分離装置
3では、色度成分の大部分を除去したアミノ酸塩含有透
過液と、色度成分を含む非透過液(第3非透過液)とに
分離される。
【0012】ここで分離されたアミノ酸塩含有透過液
は、第3導出管31を経て第2タンク11に供給され、
ここにおいて第1膜分離装置で分離されたアミノ酸塩透
過液及び循環された第2非透過液と混合される。他方、
不純物を含む非透過液は、調圧弁16を通過した後第3
取出管32を経て第3タンク12に循環される。その非
透過液の一部は移送管33を経て更に第1タンク10に
送給され、ここにおいて、原料液及び循環された第1非
透過液と混合される。その際、この調圧弁16は、調圧
弁14、15と同様の作用をする。
【0013】本発明の精製アミノ酸塩製造方法及び製造
装置の原料液として使用する不純物含有アミノ酸塩溶液
については、醗酵法により製造された不純物含有アミノ
酸塩溶液であれば各種のものが使用可能であり、そのよ
うなアミノ酸塩として代表的なものはグルタミン酸ナト
リウムであるが、それ以外にリジン等があり、それらは
いずれも本発明の精製アミノ酸塩製造方法の原料液とす
ることができるものである。
【0014】その原料液とするアミノ酸塩溶液として
は、醗酵法により得た未精製のアミノ酸塩を含有する溶
液だけでなく、それ以外に精製工程において形成される
不純物を含有する各種アミノ酸塩溶液が該当するもので
あり、それには、該溶液から分離したアミノ酸塩結晶を
溶解して形成したアミノ酸塩含有液、この含有液からア
ミノ酸結晶を分離した後の母液あるいは前記アミノ酸塩
結晶を洗浄した際のアミノ酸塩含有洗浄廃液等がある。
【0015】それらの原料液とすることのできる不純物
含有アミノ酸塩溶液について、グルタミン酸ナトリウム
の精製工程を1例にして更に具体的に説明すると以下の
とおりである。図2は、アミノ酸塩の1つであるグルタ
ミン酸ナトリウムの従来における精製工程の1例を図示
するものであり、この図から醗酵法により製造された醗
酵原液の精製方法が容易に理解できる。
【0016】すなわち、この精製工程では、まず醗酵原
液を塩酸で中和し、析出した結晶を分離後洗浄し、粗グ
ルタミン酸ナトリウム結晶を取得する。次いで、この結
晶を溶解して苛性ソーダ溶液により中和して中和溶解液
を形成し、その後該溶液を精製した後、蒸発濃縮して結
晶を再度析出させ、その後濾過により精製グルタミン酸
ナトリウム結晶を取得するものである。
【0017】粗グルタミン酸ナトリウムの精製工程は以
上のとおりであり、この工程における醗酵原液、洗浄廃
液、中和溶解液及び結晶母液は、いずれも色度成分等の
不純物を含有しており、本発明において原料液となる不
純物含有アミノ酸塩含有溶液ということになる。以上の
とおりではあるが、アミノ酸塩溶液の精製プロセスにつ
いては、グルタミン酸ナトリウムの場合でも図示したプ
ロセスに限定されるものではなく、各種のものがあり、
その各工程で形成される各種の不純物含有アミノ酸塩溶
液が、本発明の原料液として使用できることは勿論であ
る。
【0018】本発明において、原料液とするための菌体
等の夾雑物を予め除去する方法としては、フィルタ、遠
心分離等があり、それは菌体、繊維もしくは固形分等の
夾雑物を除去できるものであれば特に制限されることな
く使用可能である。フィルタによる場合には、その孔径
は、菌体、繊維もしくは固形分等の夾雑物を除去できる
2〜10μmがよい。
【0019】本発明の各膜分離工程、すなわち各膜分離
装置1、2、3における使用可能な分離膜としては、醗
酵法に製造された各種アミノ酸塩溶液を透過させ、色度
成分及び菌体等の残留する夾雑物を透過させないもので
あれば使用可能であり、それには、精密濾過膜、限外濾
過膜、ナノフィルトレーション膜あるいは低圧逆浸透膜
あるいは透析膜等がある。これら分離膜を使用する膜分
離工程では、供給液は加圧供給することが必要であり、
それは各供給管に設置されているポンプによって加圧さ
れる。その際の加圧圧力については、分離膜によって差
異があり、例えば限外濾過膜では0.3〜1MPa、ナ
ノフィルトレーション膜については1〜3MPaがよ
い。
【0020】その調圧のために、非透過液の取出管に
は、前記したとおり調圧弁が付設されており、この弁と
各供給管に付設されたポンプにより、膜分離装置内の供
給液側の圧力を、アミノ酸塩溶液が分離膜を透過するの
に必要な所定圧に維持する。その調圧弁としては、流体
通過間隙を制御することにより、弁通過前の液体の圧力
が所定圧に維持できるものであれば、各種のものが特に
制限されることなく、使用可能であり、それには、例え
ばニードルバルブ、ダイヤフラムバルブあるいはゲート
バルブ等がある。
【0021】以上のとおりではあるが、前記した各分離
工程で分離・除去すべき不純物には多少の違いがあり、
それに適合した分離膜を使用するのがよい。すなわち、
第1膜分離工程における分離膜は、色度成分の一部と残
存する菌体等の夾雑物を透過させず、アミノ酸塩溶液を
透過させるものであり、比較的大きなサイズのものを透
過させないようにするものであるから、分画分子量が
8,000以上の限外濾過膜又は孔径が1.0×1.0
-6m以下の精密濾過膜が有用であり、中でも分画分子量
100,000以上、孔径1.0×10-7m以下の膜が
特に有用である。
【0022】第2膜分離工程及び第3膜分離工程におけ
る分離膜は、色度成分を透過させず、アミノ酸塩を透過
させるものであり、比較的サイズの小さな色度成分を透
過させないようにするものであるから、分画分子量が1
00から100,000の限外濾過膜、ナノフィルトレ
ーション膜もしくは低圧逆浸透膜が有用であり、なかで
も分画分子量が1,000から10,000のものが特に
有用である。また、それらの膜は荷電膜であることが好
ましい。
【0023】本発明に用いられる膜分離装置の構造は、
中空糸膜型、スパイラル膜型、平膜型、あるいはチュー
ブラー膜型のいずれでもよく、なかでも供給液夾雑物に
対する耐性があり、しかも設置面積あたりの膜面積が多
い点でスパイラル膜型が有用である。この膜分離装置
は、配管を接続すると共に内部に分離膜を具備し、加圧
して使用されるものであるから、いずれも耐圧容器で構
成され、配管が簡便に接続できるような構造がよい。
【0024】本発明における膜分離装置の運転圧力につ
いては、分離膜の耐圧力により自由に設定することがで
きるので、本発明では、第1膜分離装置から第3膜分離
装置まで1〜3MPaに設定するのがよい。また、運転
温度については、膜の耐熱温度範囲内で自由に決定する
ことができるが、透過速度を高く維持するためと製造工
程における加熱冷却による熱エネルギーを極力少なくす
るために40乃至60℃が望ましい。
【0025】本発明では、各分離工程に供給する液、す
なわち、供給液と、分離工程で分離された透過液との比
率を制御することが、本発明の目的を達成するために重
要であり、特に第2分離工程での該比率を的確に制御す
ることが重要である。その際の制御は、第1膜分離工程
で得られる、アミノ酸塩透過液の液量と、第1膜分離工
程に供給される不純物含有アミノ酸塩溶液等の供給液の
液量との比率(アミノ酸塩溶液の回収率)が80%以上
であるのがよく、好ましくは90乃至95%がよい。
【0026】第2膜分離工程で得られる精製アミノ酸塩
溶液の液量と第2分離膜工程に供給される不純物含有ア
ミノ酸塩溶液等の供給液の流量との比率は、前記したと
おり本発明の目的を達成する上で特に重要であり、その
比率、すなわち回収率は20乃至90%に制御されるの
がよく、透過液量の確保と得られるアミノ酸塩溶液の残
留色度成分をできるだけ低く維持する意味から40乃至
80%に制御することが望ましい。また、第3膜分離工
程で得られるアミノ酸塩含有透過液の液量と第3膜分離
工程に供給される第2非透過液等の供給液の液量との比
率(アミノ酸塩溶液の回収率)は、50乃至99%に制
御されるのがよく、好ましくは70乃至95%に制御す
ることがよい。
【0027】前記フローシートにおいては、各分離装置
に供給する液は、いずれも一旦各タンクに供給し、そこ
において他の循環液等と混合した後(例えば原料液は一
旦タンク10に供給し、そこにおいて第1非透過液及び
第3タンク内の第3非透過液等と混合した後)に、各分
離装置に供給されているが、そのタンクの設置は必ずし
も必要となるものでなく、タンク内に供給する液を直接
配管内で混合して各分離装置に供給してもよいことは勿
論である。また、非透過液の循環使用については、膜面
流速を確保する点で実施する方が勿論望ましい。更にタ
ンクの材質については耐食性のステンレスが好ましい
が、特に材質は制限されることはなく、各種のものが使
用可能である。
【0028】各分離工程で分離膜を透過することができ
ない色度成分及び菌体等の夾雑物は、透過膜に捕捉され
ると共に非透過液中に次第に蓄積することになるが、主
に洗浄により排出されることになる。非透過液中に次第
に蓄積する色度成分等の不純物については、特に第1非
透過液中における蓄積量が増大し、それらの濃度が最も
高くなるので、その一部を適宜排出するのがよい。その
際には固形分濃度が高いので焼却処理した後廃棄するこ
とが可能である。また、分離膜に捕捉された色度成分及
び菌体等の夾雑物は、次第に増加しアミノ酸塩溶液の透
過を阻害することになるので、適宜分離膜を洗浄するこ
とが必要であり、その洗浄は薬品洗浄によるのがよい。
【0029】その洗浄に使用する洗浄剤については、特
に制限されることはなく、色度成分を除去できるもので
あれば、酸性洗浄剤、アルカリ性洗浄剤等の各種洗浄剤
が使用可能であるが、酸性洗浄剤とアルカリ性洗浄剤を
組み合わせて使用するのがよい。その際の両者の使用順
は、いずれでもよいがアルカリ洗浄剤、酸性洗浄剤の順
がよい。また酸性洗浄剤は水素イオン濃度(pH)が2
以下のものがよく、アルカリ洗浄剤は水素イオン濃度
(pH)が10以上のものがよい。
【0030】
【実施例】醗酵法によるアミノ酸塩製造工程で製造した
醗酵母液を等電点処理によりアミノ酸の結晶を生成さ
せ、遠心分離機により固液分離した後、アミノ酸の結晶
に苛性ソーダ溶液を添加して溶解した中和溶解液を原料
液として使用し、図1に記載のフローシートのプロセス
によって精製グルタミン酸ソーダを製造した例を以下に
述べる。
【0031】前記中和溶解液を平均孔径1.0×10-6
mのフィルタで濾過した。その濾液の色度は、420×
10-9mの波長の光の透過率が濾液の10倍希釈におい
て5%であった。その濾液を分画分子量8,000の分
離膜を具備する第1膜分離工程で透過液回収率60%ま
で処理した。得られた透過液は、前記波長の光の透過率
が5倍希釈において70%であった。
【0032】この透過液を分画分子量3,500の荷電
分離膜を具備する第2膜分離工程で、透過液回収率75
%まで処理することにより無希釈で同透過率が90%の
透過液を得た。第2膜分離工程の非透過液を分画分子量
3,500の荷電分離膜を具備する第3膜分離工程で、
透過液回収率90%まで処理することにより無希釈で同
透過率が70%の透過液を得た。
【0033】第3膜分離工程の非透過液と前記フィルタ
の濾液を1:29の割合で混合して第1膜分離工程で透
過液回収率60%まで処理することにより5倍希釈にお
いて同透過率が60%の透過液を得た。第3膜分離工程
の透過液と第1膜分離工程の透過液とを2:8の割合で
混合し再び第2膜分離工程の分離膜で透過液回収率75
%まで処理することにより無希釈で同透過率が95%の
透過液を得た。
【0034】この第2膜分離工程の非透過液を再び第3
膜分離工程の分離膜で処理し透過液回収率90%まで処
理することにより無希釈で同透過率が68%の透過液を
得た。以上の方法を繰り返すことにより、第2膜分離工
程の分離膜から無希釈で同透過率が90%以上の清澄な
アミノ酸塩溶液を安定して得ることができた。この分離
操作を行った後、水素イオン濃度(pH)を12に調整
したアルカリ洗浄剤で1時間洗浄した後、水素イオン濃
度を1に調整した酸性洗浄剤で1時間洗浄したところ新
膜における透過液量の85%まで回復し、分離操作と洗
浄操作とを3回繰り返したが、透過液量は新膜の82%
に低下するにとどまった。
【0035】
【発明の効果】本発明では、次のとおりの卓越した効果
を奏することができる。すなわち、アミノ酸塩精製工程
において、従来は多量の廃活性炭が発生し、その処理に
は多大の費用がかかり、それを投棄した場合には環境問
題を引き起こし、またイオン交換樹脂の再生には多量の
化学薬品を使用しその費用とその廃液処理費用が多大で
あったが、本発明の分離膜を使用する精製アミノ酸塩の
製造では、膜を洗浄する場合にも、イオン交換樹脂の再
生の場合の1/100程度の少量の酸又はアルカリの使
用で足りる。
【0036】そして、アミノ酸塩精製工程に膜を適用し
ようとする考え方自体は既に従来からあったが、色度成
分が多量に含まれるため透過液量確保ができないという
問題点を有していた。本発明においては、第1膜分離工
程に、更に第2膜分離工程と第3膜分離工程とを組み合
わせ追加した二段処理方法を採ることと適切な洗浄方法
を用いることによってこの問題を解決した。また、アミ
ノ酸塩精製行程において従来は結晶母液から低品質のア
ミノ酸塩しか得られなかったが、本発明の膜法による精
製を行うことによって高品質のアミノ酸塩が得られるの
で、回収率を制御することによってアミノ酸塩生産量調
整が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この図は本発明の精製アミノ酸塩の製造方法
のフローシートを図示する。
【図2】 この図はアミノ酸塩の1つであるグルタミン
酸ナトリウムの従来における精製工程の1例を図示す
る。
【符号の説明】
1 第1膜分離装置 2 第2膜分離装置 3 第3膜分離装置 4 分離膜 5 分離膜 6 分離膜 10 第1タンク 11 第2タンク 12 第3タンク 22 第1供給管 23 第1導出管 24 第1取出管 25 第2供給管 26 第2導出管 28 第2取出管 30 第3供給管 31 第3導出管 32 第3取出管

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 醗酵法によるアミノ酸塩製造プロセスあ
    るいはその精製プロセスから供給され、菌体等の夾雑物
    を予め除去した不純物含有アミノ酸塩溶液を、アミノ酸
    塩溶液を透過し色度成分等の不純物を透過しない分離膜
    を持つ第1膜分離工程に供給して、色度成分の一部と残
    存する菌体等の夾雑物を除去したアミノ酸塩透過液と、
    色度成分等の不純物を含有する第1非透過液とに分離
    し、 分離後、前記透過液を、アミノ酸塩溶液を透過し色度成
    分等の不純物を透過しない分離膜を持つ第2膜分離工程
    に供給して、色度成分を除去した精製アミノ酸塩透過回
    収液と、色度成分を含むアミノ酸塩含有第2非透過液と
    に分離し、 次いで、第2非透過液を、アミノ酸塩溶液を透過し色度
    成分等の不純物を透過しない分離膜を持つ第3膜分離工
    程に供給して、色度成分の大部分を除去したアミノ酸塩
    含有透過液と、色度成分を含む第3非透過液とに分離す
    ると共に前記アミノ酸塩含有透過液を第2膜分離工程の
    供給液に混合し、第3非透過液を第1膜分離工程の供給
    液に混合することを特徴とする不純物含有アミノ酸塩溶
    液から精製アミノ酸塩を製造する方法。
  2. 【請求項2】 第1膜分離工程で得られる、アミノ酸塩
    透過液の液量と、第1膜分離工程に供給される不純物含
    有アミノ酸塩溶液等の供給液の液量との比率(アミノ酸
    塩溶液の回収率)が80%以上である請求項1記載の精
    製アミノ酸塩を製造する方法。
  3. 【請求項3】 第2膜分離工程で得られる精製アミノ酸
    塩透過回収液の液量と第2膜分離工程に供給されるアミ
    ノ酸塩透過液等の供給液の液量との比率(アミノ酸塩溶
    液の回収率)が20乃至90%である請求項1又は2記
    載の精製アミノ酸塩を製造する方法。
  4. 【請求項4】 第3膜分離工程で得られるアミノ酸塩含
    有透過液の液量と第3膜分離工程に供給される第2非透
    過液等の供給液の液量との比率(アミノ酸塩溶液の回収
    率)が50乃至99%である請求項1、2又は3記載の
    精製アミノ酸塩を製造する方法。
  5. 【請求項5】 菌体等の夾雑物を予め除去するのに濾過
    装置を使用し、そのフィルタ孔の直径または長径が0.
    1mm以上の粒子を除去できるものである請求項1記載
    の精製アミノ塩酸を製造する方法。
  6. 【請求項6】 第1膜分離工程の分離膜は、1×10-6
    m以下の平均孔径を有する精密濾過膜もしくは分画分子
    量が5,000以上である限外濾過膜である請求項1な
    いし5のいずれか1に記載の精製アミノ塩酸を製造する
    方法。
  7. 【請求項7】 第2膜分離工程の分離膜の分画分子量が
    100以上100,000以下である請求項1ないし6
    のいずれか1に記載の精製アミノ酸塩を製造する方法。
  8. 【請求項8】 第3膜分離工程の分離膜の分画分子量が
    100以上100,000以下である請求項1ないし7
    のいずれか1に記載の精製アミノ酸塩を製造する方法。
  9. 【請求項9】 醗酵法によるアミノ酸塩製造プロセスあ
    るいはその精製プロセスから供給され菌体等の夾雑物を
    予め除去した不純物含有アミノ酸塩溶液の第1供給管
    と、アミノ酸塩透過液の第1導出管及び不純物を含有す
    る非透過液の第1取出管とを備える、アミノ酸塩溶液を
    透過し色度成分等の不純物を透過しない分離膜を内部に
    持つ第1膜分離装置、 前記第1取出管に接続する第2供給管と、精製アミノ酸
    塩透過回収液用の第2導出管とアミノ酸塩含有非透過液
    用の第2取出管とを備える、アミノ酸塩溶液を透過し色
    度成分等の不純物を透過しない分離膜を内部に持つ第2
    膜分離装置、 並びに第2取出管に接続する第3給液管と、アミノ酸塩
    含有透過液を取出し第2膜分離装置の第2供給管に給液
    する第3導出管と、不純物を含む非透過液を取り出し第
    1膜分離装置の第1供給管に給液する第3取出管とを備
    える、アミノ酸塩溶液を透過し色度成分等の不純物を透
    過しない分離膜を内部に持つ第3膜分離装置を具備する
    ことを特徴とする不純物含有アミノ酸塩溶液から精製ア
    ミノ酸塩を製造する装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112592290A (zh) * 2020-12-14 2021-04-02 广安摩珈生物科技有限公司 泛酸钙粗品纯化方法

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