JP2001135300A - 角形蓄電池 - Google Patents
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Abstract
池の内部抵抗においてより低い角形蓄電池を提供するこ
とを目的とする。 【解決手段】 封口板20表面に設けられた突部41に
絶縁密封材42を介して正極端子軸棒43が電池外部か
ら内部に挿入された状態で締め付け固定され、正極端子
軸棒の平坦面43cに正極板接続材103aが接続され
ている。ガス排出部30は、封口板20の表面に形成さ
れたガス導入口31を覆うように取着された金属からな
るキャップ32によって弁室33が形成され、この弁室
33にEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)など
からなる樹脂材34をガス導入口31を塞ぐよう押圧さ
れた状態に設けられて構成されている。
Description
る端子の構造に関する。
タなどの携帯機器の需要が高まるに伴い、電池に対する
高性能化への要求が急速に高まっており、中でも、ニッ
ケルカドミウム蓄電池、ニッケル水素蓄電池、リチウム
イオン二次電池といった二次電池に対して大きな要望が
ある。
って、電池の形状としては、円筒形などが知られている
が、その中で角形密閉式電池は、携帯機器に搭載するに
際してスペース効率が優れている点で注目されており、
その高性能化や高信頼性に対する要望は大きいと言え
る。図6に従来の角形蓄電池である角形ニッケル水素蓄
電池の構成を示す。この図に示すように従来の角形ニッ
ケル水素蓄電池300(以下、単に電池300と呼
ぶ。)は、有底角筒形の外装缶310の内部に、正極板
と負極板とがセパレータを介して配置されてなる発電要
素320がアルカリ電解液を含浸させた状態で収納さ
れ、外装缶310の開口部311を封口板330で封口
された構造である。
開口部311に嵌まり込むよう成形された板体であっ
て、その中央部にガス排出弁の機能をも兼用する正極端
子331が設けられている。この正極端子331の構造
を詳細に描いたのが図7である。図7は、図6における
Z−Z線を含む垂直断面図である。
詳しく説明する。まず、ガスケット332を介して貫通
孔333aを有するリベット333が、封口板330に
電池内部側においてかしめ固定され、当該リベット33
3の上部において前記貫通孔333aの上端側を覆うよ
うにキャップ334が取着され弁室335が形成されて
いる。そして、この弁室335内には、貫通孔333a
を塞ぐ状態に弁部を構成する樹脂材336が配置されて
いる。
設された第一正極板接続材(リード線)337をリベッ
ト333と接触した第二正極板接続材338に溶接など
の方法によって接続することによって、キャップ334
と正極板とが接続されている。また、従来の角形蓄電池
では、封口板330を、有底角筒形の外装缶310の開
口部に配置して、レーザ溶接等の手段で溶接している。
この時、正極端子331と外装缶310とでは、電気的
な極性が異なるため、正極端子と外装缶との間にガスケ
ット332を存在させる必要があり、また、正極端子3
31がガス排出弁の機能を兼ね備えていたため、正極端
子の構造は複雑で、ある程度の大きさが必要であり、電
池の薄型化(スリム化)に限界があった。
に携帯電話、AV機器、コンピュータなどの携帯機器の
需要が高まるに伴い叫ばれてきた高性能な電池開発への
要求に応えるには、いまだ改良の余地が残されている。
殊に、電池のスリム化と電池の内部抵抗の値はできるだ
け低いことが望まれる。
くなり放電効率が低下の要因ともなるし、携帯電話など
におけるパルス放電と呼ばれる放電方式(大小の電流を
交互にパルス状に流して放電させる方式)を用いて放電
を行った場合、内部抵抗が高いとオーム損が大きいため
大電流を流したときの放電効率の低下が激しく放電の結
果得られるトータルの容量が低下する。
れたものであって、従来に増して電池の小型化を達成し
つつ、電池の内部抵抗においてより低い角形蓄電池を提
供することを目的とする。
に、本発明は、第一の電極材及び第二の電極材とがセパ
レータを介して配置されてなる発電要素と、当該発電要
素を電解液とともに密封収納する金属製の電池ケースと
からなり、当該電池ケースに貫設された第一の端子が前
記第一の電極材と電気的に接続され、前記第二の電極材
が前記電池ケースを介してガス排出弁を兼ねる第二の端
子と電気的に接続されてなる角形蓄電池であって、前記
第一の端子の前記第一の電極材との接続は、前記第一の
電極材から延設された単一の導電材と直接なされている
ことを特徴とする。
池に比べて少なくすることができ、しかも第一の電極材
と第一の端子間に単一の導電材以外の部材が介在するこ
とがないのでそのぶん接続経路を短くしやすい。これら
のために内部抵抗を効果的に抑えることが可能となる。
また、第一の端子とガス排出弁とを分離することによっ
て、即ち、ガス排出弁を兼ねる第二の端子と電池ケース
の極性が同じであるので、従来のものより、構造上簡素
なものとなり、電池をより薄型(スリム)な角形蓄電地
が得られる。
電極材とがセパレータを介して配置されてなる発電要素
と、当該発電要素を電解液とともに密封収納する金属製
の電池ケースとからなり、当該電池ケースに貫設された
第一の端子が前記第一の電極材と電気的に接続され、前
記第二の電極材が前記電池ケースを介してガス排出弁を
兼ねる第二の端子と電気的に接続されてなる角形蓄電池
であって、前記第一の端子の前記第一の電極材との接続
は、前記第一の電極材と直接なされていることを特徴と
する。
池に比べて更に少なくすることができ、しかも第一の電
極材と第一の端子間には他の部材が介在することがない
ので導電材を介する場合よりも内部抵抗を更に効果的に
抑えられる。ここで、前記電池ケースを開口部を有する
外装缶の当該開口部が封口板によって封口された構成と
した場合、前記第一の端子は、前記封口板に開設された
貫通孔に挿設された電池内部側に平坦面を有する棒状体
とし、前記第一の電極材から延設された単一の導電材が
この平坦面に接続したものとすることができる。
クトなものとなり、しかも貫通孔に棒状体を挿入して固
定することによって端子を組み立てられるので端子自体
を組み立て易すい。ここで、前記電池ケースを開口部を
有する外装缶の当該開口部が封口板によって封口された
構成とした場合、前記第一の端子は、前記封口板に開設
された貫通孔に挿設され、電池内部側の端部が第一の電
極材付近まで延設された棒状体とし、この端部を第一の
電極材に接続したものとすることができる。
クトなものとなり、しかも貫通孔に棒状体を挿入して固
定することによって端子を組み立てられるので端子自体
を組み立て易すい。ここで、前記封口板に設けられた前
記貫通孔の周辺で電池ケース外部側には突部を設け、前
記棒状体を、当該突部の先端側にシール材を介して締め
付けることができる。
とができるばかりでなく、電池の内部空間を比較的広く
確保しやすく、電池の小型化を図りやすい。また、上記
目的を達成するために、本発明は、第一の電極材及び第
二の電極材とがセパレータを介して配置されてなる発電
要素と、当該発電要素を電解液とともに密封収納する金
属製の電池ケースとからなり、当該電池ケースに貫設さ
れた第一の端子が前記第一の電極材と電気的に接続さ
れ、前記第二の電極材が前記電池ケースを介してガス排
出弁を兼ねる第二の端子と電気的に接続されてなる角形
蓄電池であって、前記第一の端子は、前記電池ケースに
開設された貫通孔に挿設された棒状体であり、当該棒状
体は、当該電池外部側においてシール材を介して電池ケ
ースに締め付けられていることを特徴とする。
来のもののように電池内部側において第一の端子を電池
ケースに締め付け固定することなく、電池外部側におい
て電池ケースに締め付けられているので、単一の導電材
を第一の端子に容易に直接的に接続することができる。
このため、電池の内部抵抗を効果的に下げることが可能
となる。また、第一の端子とガス排出弁とを分離するこ
とによって、即ち、ガス排出弁を兼ねる第二の端子と電
池ケースの極性が同じであるので、従来のものより、構
造上簡素なものとなり、電池をより薄型(スリム)な角
形蓄電地が得られる。
スに開設された貫通孔に挿設された棒状体であり、棒状
体はその電池内部側には平坦面を有し、前記第一の電極
材から延設された単一の導電材は当該平坦面に接続され
た構成とすることができる。これによれば、棒状体の電
池内部側には平坦面を有しているので、第一の端子と導
電材とが更に接続し易い効果がある。また、第一の端子
の構成がコンパクトなものとなり、しかも貫通孔に棒状
体を挿入して固定することによって端子を組み立てるこ
とができるので端子自体を組み立て易すい。
開設された貫通孔に挿設され、電池内部側の端部が第一
の電極材付近まで延設された棒状体とし、この端部を第
一の電極材に接続したものとすることができる。これに
よれば、溶接等の接続箇所を従来の電池に比べて更に少
なくすることができ、しかも第一の電極材と第一の端子
間には他の部材が介在することがないので導電材を介す
る場合よりも更に効果的に内部抵抗を下げることができ
る。
貫通孔の周辺で電池ケース外部側には突部を設け、前記
棒状体を、当該突部の先端側にシール材を介して締め付
けた構成とすることができる。これにより、電池の内部
空間を比較的広く確保しやすく、電池の小型化を図りや
すい。
の蓄電池について具体的に説明する。初めに第一の実施
の形態について説明する。 [実施の形態1]図1は、蓄電池の一例である本実施の形
態にかかるアルカリ蓄電池1(以下、単に「電池1」と呼
ぶ。)を示す外観斜視図(一部切欠き)である。
質量比で30%の濃度)などのアルカリ電解液(不図
示)を含浸させた状態で発電要素100が収納された外
装缶10の開口部11を封口板20で封口されてなる角
形のニッケル水素蓄電池である。外装缶10は、上部
(図面上方)に開口部11を有する有底角筒形の所定の
厚み(図中Wで表される寸法で、例えば4mm程度)の
金属缶である。構成する金属にはニッケルメッキ鋼板を
用いることができる。
す断面図であり、図1におけるX−X線を含む垂直断面
図である。発電要素100は、負極板101とセパレー
タ102と正極板103とが交互に配置されて構成され
ている。負極板101は、隣接するものどうしがその下
部で金属などの導電性の負極板接続材101aで接続さ
れ、この負極板接続材101aが外装缶10の内周底面
に接触されてある。この負極板101は、パンチングメ
タルなどの集電板の両面に水素吸蔵合金がポリエチレン
オキサイド(PEO)などの結着剤によって結着され、
所定の厚み(例えば0.5mm程度)に圧延、成形され
てなる。
なる導電性を有する正極板接続材103aで接続されそ
れらが合流されて以下に述べるように正極端子部に接続
されてある。なお、正極板接続材103aには、外装缶
との接触を防ぐためにその表面が絶縁被覆されたものを
用いることが望ましい。また、負極板接続材101a及
び正極板接続材103aの各電極板への接続は、一般的
に予め各電極板に取着された取り付け部材に溶接により
行う。
成分とする粉末からなる正極活物質がヒドロキシピルセ
ルロース(HPC)などの結着剤によって結着された状
態でニッケル3次元多孔体に充填され、所定の厚み(例
えば、0.7mm程度)に圧延、成形されてなる。セパ
レータ102は、袋状になっていて正極板を包み込んで
いる。セパレータとしては、ポリオレフィン系の不織布
からなるものを用いることができる。
0.4mm程度の厚みの板体であり、外装缶10の開口
部11に嵌め込ませた状態で、レーザ溶接法などの溶接
方法によって外装缶内を密封している。そして、この封
口板20は、図1に示すように、ガス排出部30と正極
端子部40とを備えている。図3は、ガス排出部30と
正極端子部40との詳細な構成を示す断面図であり、図
1におけるY−Y線を含む垂直断面図である。
るガスが電池内部で発生して内圧が上昇したときに、ガ
スを外部に排出する機能を備えた復帰式の弁体である。
図3に示すように、このガス排出部30は、封口板20
の表面に形成されたガス導入口31を覆うように取着さ
れた金属からなるキャップ32によって弁室33が形成
され、この弁室33にEPDM(エチレンプロピレンジ
エンゴム)などからなる樹脂材34をガス導入口31を
塞ぐよう押圧された状態に設けられた構成である。キャ
ップ32には、弁室33に導入されたガスを外部に排出
するためのガス排出口35が形成されている。
が一定圧に達すれば、樹脂材32がガス圧によって上方
に収縮しガス導入口31が開放されるので、電池内と弁
室33とが連通される。そのため電池内で発生したガス
が弁室33にガス導入口31を通って流れ込み、弁室3
3からキャップに形成されガ排出口35を通って電池外
部に排出される。そして、ガスが排出された結果電池内
の圧力が一定圧を下回ると、樹脂材32が収縮状態から
もとの状態に復帰してガス導入口31をふたたび覆い、
電池内部と電池外部とのガスの流通を遮断する。なお、
かかる弁体の機構は、いわゆる復帰式と呼ばれ、上記構
成以外にも例えば弁部を構成する樹脂材に代えてバネと
座板とでガス導入口を塞ぐ構成とすることもできる。復
帰式弁を備えたガス排出部30は負極を兼ねており、金
属製の外装缶を介して、負極板と電気的に接続されてい
る。
正極端子部40は、封口板20表面に設けられた突部4
1に絶縁密封材42を介して正極端子軸棒43が電池外
部から内部に挿入された状態で締め付け固定された構成
である。更に、詳しく正極端子部40について説明す
る。図4は、正極端子部の組立分解斜視図である。
プレス加工によって孔41aを形成すると同時に封口板
20の板材がプレスした方向に盛り上がって形成された
ものである。従って、孔41aは突部41に囲まれた状
態に形成される。この孔41aの孔径は、2mm程度で
あり、孔41aの長さつまり突部41の高さは1mm程
度である。
2bとからなる断面T字形のもので、上下方向に貫通孔
42cを有している。正極端子軸棒43は、導電性を有
するニッケルメッキ鋼板を打ち抜き加工した断面T字形
のリベットであって、挿通部43aと座板43bとから
なる。これらの各構成要素を以下のように組み合せて正
極端子部40は形成されている。
1が形成されている封口板の表面側から絶縁密封材42
を挿通し、孔41aの下方から、つまり突部41が形成
されていない封口板の裏面側から絶縁性のスペーサ44
(スペーサ44は、発電要素を電池内に固定するための
絶縁性の部材である。)を介在させて正極端子軸棒43
を絶縁密封材42の貫通孔42cの挿通する。ついで、
正極端子軸棒の挿通部43aで絶縁密封材42の貫通孔
42cから上方に突き出した部分に座板45を挿通して
正極端子軸棒43の挿通部43aの上端を押し潰して座
板45の中央部分に形成された凹部45aに押し広げ、
座板45を下に押え付けることで正極端子軸棒43を突
部41の上端41bにかしめ固定する。なお、電池内部
の気密性を高めるために、突部41が絶縁密封材42と
接触する部位は図に示すように断面形状がテーパ形状と
なるように加工しておくことが望ましい。
3にはその座板43bの下面である平坦面43cにおい
て、正極板103に接続された正極板接続材103aが
直接的に接続されている。この接続は、溶接によって行
うのが一般的である。なお、正極板接続材103aの正
極端子軸棒43への接続は、正極端子40を組み立てる
前・後の何れの段階でおこなって構わない。ただ、正極
端子40を組み立てる前に行う方が、スペーサ44など
の部材がないので正極板接続材103aの正極端子軸棒
43への接続は行い易い。
使用時において負極端子である外装缶と正極端子部とが
外部端子と接続された場合には、電池全体としておおよ
そ化1に示すような電気化学的反応が行われる。
る。次に、上記電池1における特有の効果について説明
する。まず、既に説明したように電池1においては、ガ
ス排出部30と正極端子部40という全くことなる機能
を有するこれら2つの構成要素は分離された構成であっ
た。このように機能単位に分離することによって、従来
のものと比べて電池を小型化すること、特に、厚み(図
1における幅Wに相当する寸法)を薄くすることが可能
となる。即ち、従来の角形アルカリ蓄電池では、正極端
子部とガス排出部とは一体的に同じ空間部位に形成する
ものであるから、正極板からの集電機能を担う部材(本
実施の形態における正極端子軸棒に相当するもの)と弁
部を構成する樹脂材を設ける弁室とを同じ部位に設ける
ことになるので、その構成が複雑且つ比較的大型なもの
とならざるを得なかった。その上、封口板を外装缶の開
口部にレーザ溶接等する場合に、照射されるレーザ光の
熱エネルギーから樹脂性の絶縁材等を保護するために、
封口板は正極端子などの構成要素から比較的距離を置い
たところを溶接するのが一般的であるので、結局、電池
の厚みが大きなものとなってしまっていた。これに対し
て、電池1では、正極端子部とガス排出部とを一体的に
同じ空間部位に形成するのではなく、別な空間部位に分
離して形成するので、各部を比較的単純でコンパクトな
構成とすることができるため、照射されるレーザ光の熱
エネルギーから樹脂性の絶縁材等を保護するために、正
極端子などの構成要素から比較的距離を置いて溶接する
としても、従来と比べて小型化を図ることができる。
口板20に形成された突部41の上端でかしめ固定され
ているので、電池の内部空間を有効に利用することが可
能となる。即ち、従来の角形アルカリ蓄電池では、電池
内部側において正極端子を絶縁材を介して封口板にかし
め固定されていたため電池内部側に突入した状態で正極
端子が形成されていた。このため、電池容量をさほど落
とすことなく発電要素を収納するための十分なスペース
を確保することが困難であり、結局、電池の更なる小型
化を図るのが困難であった。これに対して、電池1で
は、電池内部側において正極端子が封口板にかしめ固定
されているのではなく、突部41の上端つまり電池外部
においてかしめ固定されているので、電池容量をさほど
落とすことなく発電要素を収納するスペースを比較的広
く確保することができ、電池の小型化を図ることができ
る。
が直接的に正極端子軸棒43に接続されているので、電
池の内部抵抗は従来の角形アルカリ蓄電池と同じ条件に
おいて比べれば低い。即ち、従来の角形アルカリ蓄電池
では、正極板接続材は、正極端子と溶接等の方法によっ
て接続された他の導電部材に接続されていたので、内部
抵抗を上昇させる一要因である溶接等の接続箇所が比較
的多くしかも正極板と正極端子間に正極板接続材以外の
部材が介在することになるので接続距離が長くなり易い
ため、内部抵抗を抑えるのが困難であった。これに対し
て、電池1では、正極板接続材は、正極端子と溶接等の
方法によって接続された導電部材に接続されているので
はなく、正極端子軸棒に直接的に接続されているので、
溶接等の接続箇所を従来の電池に比べて少なくすること
ができ、しかも正極板と正極端子間に単一の正極板接続
材以外の部材が介在することがないのでそのぶん接続経
路を短くしやすいため内部抵抗が効果的に抑えられる。
正極板接続材を直接的に接続することができる理由につ
いて説明する。まず、従来の角形アルカリ蓄電池では、
上述のようにガス排出部と正極端子とが一体的に形成さ
れていたうえ、電池内部側において正極端子を絶縁材を
介して封口板にかしめ固定する端子構造であったので、
正極端子の下端において単一の正極板接続材を直接的に
接続するだけの十分な接続面を確保することが困難であ
った。そして、電池を更に小型化しようとした場合によ
り困難となっていた。これに対して、電池1では、上記
のようにガス排出部と正極端子とを分離し、しかも電池
外部で正極端子軸棒をかしめ固定する構成とした結果、
正極端子軸棒の下端には接続面を十分に確保できる。こ
のため、電池1のように正極端子軸棒に単一の正極板接
続材を直接的に接続する構成とすることができたのであ
る。
子軸棒への接続を正極端子を組み立てた前に行い易いこ
とにある。従来の角形アルカリ蓄電池では、上述のよう
に電池内部側において正極端子を絶縁材を介して封口板
にかしめ固定されていたため、正極端子を組み立てる前
に正極板接続材の正極端子へ接続してから正極端子を組
み立てようとすると接続部分の近傍をかしめることにな
るので接続部分が断線してしまうなどの問題があり容易
に接続することができなかった。これに対して、電池1
においては、上記のように電池外部で正極端子軸棒をか
しめ固定した構成とした結果、正極板接続材の正極端子
軸棒への接続を行った後に正極端子を組み立てても接続
部分が断線などは生じ難い。このため、電池1のように
正極端子軸棒に単一の正極板接続材を直接的に接続する
構成とすることができたのである。
を直接的に接続することができる理由についての説明で
ある。更に、ガス排出部のキャップ32を金属によって
形成すれば、電池上部に突出した正極端子及び負極端子
両方を備えることになるので、実施の形態2で説明する
ような組電池を構築するのに有効な構造となる。
接続材とを別体としていたが、これらを一体的に形成し
たものを用いることもできる。このような一体的に形成
したものを用いれば、正極端子軸棒と正極板接続材とを
接続することによる内部抵抗の上昇が抑えられるので電
池全体として更に内部抵抗を下げることができる。以上
で本発明の実施の形態1についての説明を終わり、次に
上記実施の形態1にかかる角形アルカリ蓄電池の性能つ
いて実験的に検討した結果について説明する。
にかかる電池を作製し、内部抵抗値及び高率放電時の放
電効率を測定した。比較例として、従来の図5に示す構
造の電池を作製し、同様に内部抵抗値及び高率放電時の
放電効率を測定した。内部抵抗値測定条件は、AC法
(1kHz)で行った。
hで行い、1h休止後、放電2C(終止電圧1.0V)
で行った。同様に放電4C(終止電圧1.0V)とし
た。これらの結果測定結果を内部抵抗値については下記
表1、放電効率については下記表2に示す。なお、測定
結果は、内部抵抗値については、同様の条件で作製した
電池30個についての結果であり、放電効率について
は、同様の条件で作製した電池10個についての結果で
ある。
かかる電池では比較例にかかる電池に比べて内部抵抗値
は低かった。次に、実施例にかかる電池では比較例にか
かる電池に比べて放電効率は高かった。なお、放電効率
は、内部抵抗値が小さいほど向上する特性である。次に
上記実施の形態1の電池1を組電池に適用した場合の実
施の形態について説明する。
した組電池200の全体構成を示す斜視図(一部切欠
き)である。当該組電池200は、絶縁性の枠体201
の内部に電池1が複数個(図では3つ)単位電池として
同じ姿勢でしかも電池の幅(図中W’)方向に向けてガ
ス排出部30及び正極端子部40とが直線的に配列する
状態に配置収納され直列に接続された構成である。
いように絶縁シート202が介在されている。隣接する
電池のガス排出部30と正極端子部40とはブレーカ2
03を経由して接続線204で接続されている。ブレー
カ203は、ガス排出部30と正極端子部40との間の
スペース207に収納されている。両端に位置する電池
のガス排出部30と正極端子部40とは枠体201に形
成された端子露出窓205、206から上端が露出され
ている。この露出部分が組電池の外部端子を兼ねており
外部負荷などとの接続に供される。
いての説明は省略するが、ある一定以上の電流が流れた
時に電池間の電通を遮断する機能を有する公知のブレー
カを用いることができる。以上のような組電池とするこ
とによって以下のような効果を奏する。まず、組電池2
00における各単位電池は、実施の形態1で説明した電
池1のように電池上部に突出した正極端子及び負極端子
両方を備えた構造の電池を用いて構築されているので、
上記のように同一姿勢に統一することによって、様々な
単位電池の配列の組み合わせのなかでも正極端子と負極
端子を比較的短い距離で接続させることができる。従っ
て、組電池の内部抵抗を低くすることができる。
池の製造工程において、電池の配列姿勢が異なる2つの
電池の搬送系を配備する必要もなく、製造設備をより簡
略なものとしても、組電池の内部抵抗の低減を図ること
が可能となる。また、組電池200においては、隣接す
る単位電池上部に形成されたスペース207にブレーカ
が配置されているので、電池全体としてコンパクト化を
図ることもできる。
接続するガス排出部30及び正極端子部40の位置関係
はいろいろ設定できるので、上記のようにブレーカを収
納するのも容易である。また、幅方向に配列されている
ので、組電池自体を薄型化するのに好適な配列となって
いる。
蓄電池は、第一の電極材及び第二の電極材とがセパレー
タを介して配置されてなる発電要素と、当該発電要素を
電解液とともに密封収納する金属製の電池ケースとから
なり、当該電池ケースに貫設された第一の端子が前記第
一の電極材と電気的に接続され、前記第二の電極材が前
記電池ケースを介してガス排出弁を兼ねる第二の端子と
電気的に接続されてなる角形蓄電池であって、前記第一
の端子の前記第一の電極材との接続は、前記第一の電極
材から延設された単一の導電材と直接なされているの
で、溶接等の接続箇所を従来の電池に比べて少なくする
ことができ、しかも第一の電極材と第一の端子間に単一
の導電材以外の部材が介在することがないのでそのぶん
接続経路を短くしやすい。これらのために内部抵抗を効
果的に抑えることが可能となる。また、第一の端子とガ
ス排出弁とを分離することによって、即ち、ガス排出弁
を兼ねる第二の端子と電池ケースの極性が同じであるの
で、従来のものより、構造上簡素なものとなり、電池を
より薄型(スリム)な角形蓄電地が得られる。
材及び第二の電極材とがセパレータを介して配置されて
なる発電要素と、当該発電要素を電解液とともに密封収
納する金属製の電池ケースとからなり、当該電池ケース
に貫設された第一の端子が前記第一の電極材と電気的に
接続され、前記第二の電極材が前記電池ケースを介して
ガス排出弁を兼ねる第二の端子と電気的に接続されてな
る角形蓄電池であって、第一の端子は第一の電極材と直
接接続された構成であるので、溶接等の接続箇所を従来
の電池に比べて少なくすることができ、しかも第一の電
極材と第一の端子間には他の部材が介在することがない
ので内部抵抗が単一の接続材を介する場合よりも更に抑
えられる。
材及び第二の電極材とがセパレータを介して配置されて
なる発電要素と、当該発電要素を電解液とともに密封収
納する金属製の電池ケースとからなり、当該電池ケース
に貫設された第一の端子が前記第一の電極材と電気的に
接続され、前記第二の電極材が前記電池ケースを介して
ガス排出弁を兼ねる第二の端子と電気的に接続されてな
る角形蓄電池であって、前記第一の端子は、前記電池ケ
ースに開設された貫通孔に挿設された棒状体であり、当
該棒状体は、当該電池外部側においてシール材を介して
電池ケースに締め付けられているので、単一の導電材を
第一の端子に容易に直接的に接続することができる。こ
のため、電池の内部抵抗を効果的に下げることが可能と
なる。また、第一の端子とガス排出弁とを分離すること
によって、即ち、ガス排出弁を兼ねる第二の端子と電池
ケースの極性が同じであるので、従来のものより、構造
上簡素なものとなり、電池をより薄型(スリム)な角形
蓄電地が得られる。
の構成を示す斜視図(一部切欠き部分を含む。)であ
る。
0の詳細な構成を示す断面図であり、図1におけるX−
X線を含む垂直断面図である。
0と正極端子部40との詳細な構成を示す断面図であ
り、図1におけるY−Y線を含む垂直断面図である。
0の組立分解斜視図である。
構成を示す斜視図(一部切欠き)である。
(一部切欠き部分を含む。)である。
る。
Claims (9)
- 【請求項1】 第一の電極材及び第二の電極材とがセパ
レータを介して配置されてなる発電要素と、当該発電要
素を電解液とともに密封収納する金属製の電池ケースと
からなり、当該電池ケースに貫設された第一の端子が前
記第一の電極材と電気的に接続され、前記第二の電極材
が前記電池ケースを介してガス排出弁を兼ねる第二の端
子と電気的に接続されてなる角形蓄電池であって、 前記第一の端子の前記第一の電極材との接続は、前記第
一の電極材から延設された単一の導電材と直接なされて
いることを特徴とする角形蓄電池。 - 【請求項2】 第一の電極材及び第二の電極材とがセパ
レータを介して配置されてなる発電要素と、当該発電要
素を電解液とともに密封収納する金属製の電池ケースと
からなり、当該電池ケースに貫設された第一の端子が前
記第一の電極材と電気的に接続され、前記第二の電極材
が前記電池ケースを介してガス排出弁を兼ねる第二の端
子と電気的に接続されてなる角形蓄電池であって、 前記第一の端子の前記第一の電極材との接続は、前記第
一の電極材と直接なされていることを特徴とする角形蓄
電池。 - 【請求項3】 前記電池ケースは開口部を有する外装缶
の当該開口部が封口板によって封口された構成であっ
て、 前記第一の端子は、前記封口板に開設された貫通孔に挿
設された棒状体であり、棒状体はその電池内部側には平
坦面を有し、前記第一の電極材から延設された単一の導
電材は当該平坦面に接続されていることを特徴とする請
求項1に記載の角形蓄電池。 - 【請求項4】 前記電池ケースは開口部を有する外装缶
の当該開口部が封口板によって封口された構成であっ
て、 前記第一の端子は、前記封口板に開設された貫通孔に挿
設された棒状体であり、棒状体の電池内部側の端部が第
一の電極材付近まで延設されて第一の電極材に接続され
ていることを特徴とする請求項2に記載の角形蓄電池。 - 【請求項5】 前記封口板に設けられた前記貫通孔の周
辺で電池ケース外部側には突部が設けられており、 前記棒状体は、当該突部の先端側にシール材を介して締
め付けられていることを特徴とする請求項3又は4に記
載の角形蓄電池。 - 【請求項6】 第一の電極材及び第二の電極材とがセパ
レータを介して配置されてなる発電要素と、当該発電要
素を電解液とともに密封収納する金属製の電池ケースと
からなり、当該電池ケースに貫設された第一の端子が前
記第一の電極材と電気的に接続され、前記第二の電極材
が前記電池ケースを介してガス排出弁を兼ねる第二の端
子と電気的に接続されてなる角形蓄電池であって、 前記第一の端子は、前記電池ケースに開設された貫通孔
に挿設された棒状体であり、当該棒状体は、当該電池外
部側においてシール材を介して電池ケースに締め付けら
れていることを特徴とする角形蓄電池。 - 【請求項7】 前記第一の端子は、前記電池ケースに開
設された貫通孔に挿設された棒状体であり、棒状体はそ
の電池内部側には平坦面を有し、前記第一の電極材から
延設された単一の導電材が当該平坦面に接続されている
ことを特徴とする請求項6に記載の角形蓄電池。 - 【請求項8】 前記第一の端子は、前記電池ケースに開
設された貫通孔に挿設された棒状体であり、棒状体の電
池内部側の端部が第一の電極材付近まで延設されて第一
の電極材に接続されていることを特徴とする請求項6に
記載の角形蓄電池。 - 【請求項9】 前記電池ケースに開設された前記貫通孔
の周辺で電池ケース外部側には突部が設けられており、 前記棒状体は、当該突部の先端側にシール材を介して締
め付けられていることを特徴とする請求項7又は8に記
載の角形蓄電池。
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-
1999
- 1999-10-29 JP JP31008499A patent/JP3778741B2/ja not_active Expired - Fee Related
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