JP2001132376A - 岩盤への溝形成工法、ならびに当該溝形成工法を用いた岩盤掘削工法 - Google Patents
岩盤への溝形成工法、ならびに当該溝形成工法を用いた岩盤掘削工法Info
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Abstract
で岩盤に溝を形成することができる溝形成工法およびこ
の溝形成工法を用いた岩盤掘削工法を提供する。 【解決手段】 削孔機によって岩盤3の表面から鉛直方
向Zに穿孔し、第1および第3の削孔41,43を形成
するとともに、各削孔41,43内に、削孔の内径より
も小さな外径を有する中空鋼管51,51を挿入する。
そして、この中空鋼管51の内部に圧縮空気を圧送する
ことで既成削孔の底部から岩盤表面側に向かって渦巻き
状の上昇気流を形成しながら、削孔41,43にサンド
イッチされている削孔予定位置31を、削孔機によって
岩盤3の表面から鉛直方向Zに穿孔し、第2番目の削孔
42を形成して第1ないし第3番目の削孔41〜43を
相互に連通させて岩盤3中にX方向に延びる溝1を形成
する。
Description
直方向または鉛直方向に対して傾斜して複数の削孔を相
互に隣接させながら連続して設け、これら連続削孔によ
って溝を形成する溝形成工法、ならびに当該溝形成工法
を用いた岩盤掘削工法に関するものである。
では、基本的に発破を使用することが極めて困難である
ことから、油圧シャベルなどの建設用重機車両に大型油
圧ブレーカ(例えば、甲南電機株式会社製の油圧ブレー
カMKB1200Nなど)を取付け、この大型油圧ブレ
ーカによって岩盤掘削を行っている。
や硬岩などの岩盤を掘削する場合、このような油圧ブレ
ーカでは作業効率が悪く、所望の掘削形状を得るために
長時間を要してしまうという問題を有している。また、
油圧ブレーカでは作業中に金属音に近い騒音が発生し、
それが断続的に続くため、近隣住民に対する騒音問題が
深刻なものとなっている。
剤の使用も考えられるが、これは岩盤に穿孔を行い、そ
の孔に水とよく混練した静的破砕剤を充填し、それを固
化させることで岩盤にクラックを与えるものである。こ
のように静的破砕剤は単に岩盤にクラックを生じさせる
ための機能しか有していないため、クラックを与えた後
においては、小割りが必要となり、実質的に騒音問題は
解消されない。また、静的破砕剤は高価であり、これを
用いた場合、岩盤掘削コストが著しく増大するという経
済的デメリットもある。さらに、静的破砕剤が固化する
までに長時間を要して作業効率が低下するという問題も
ある。
あり、低コストで、低騒音で、しかも高い作業効率で岩
盤に溝を形成することができる溝形成工法を提供するこ
とを第1の目的とする。
て低コストで、低騒音で、しかも高い作業効率で岩盤掘
削を行うことができる岩盤掘削工法を提供することを第
2の目的とする。
ら鉛直方向または鉛直方向に対して傾斜して複数の削孔
を相互に隣接させながら連続して設け、これら連続削孔
によって溝を形成する溝形成工法であって、上記第1の
目的を達成するため、岩盤に形成された第1削孔に、第
1削孔の内径よりも小さな外径を有する中空鋼管を挿入
する第1工程と、前記中空鋼管の内部に空気を圧送して
前記第1削孔の底部から岩盤表面側に向かう気流を形成
しながら、前記第1削孔と隣接する位置に第2削孔を形
成して溝を形成拡張する第2工程とを備えている。
隣接しながら連続して設けられ、これら連続削孔によっ
て溝が形成される。ここで、すでに形成されている削孔
に隣接して削孔を設けて連続削孔を形成しようとすれ
ば、次のような問題が生じてしまう。すなわち、岩盤に
削孔を形成しようとする際、隣接する位置にすでに削孔
が形成されている場合には、岩盤を穿孔している途中で
削孔機のビット先端部が隣接する削孔に逃げてしまい、
所望の削孔を形成することができない。そこで、この発
明では、隣接する既成削孔、つまり第1削孔に鋼管を挿
入しておくことで、ビット先端部が隣接する第1削孔に
逃げるのを防止し、第1削孔と隣接して新たな削孔を形
成し、溝の拡張が行われる。
物など(以下、単に「粉塵」という)が発生し、これを
如何にして除去するのかが問題となる。特に岩盤表面か
ら鉛直方向または鉛直方向に対して傾斜して削孔を設け
る場合には、削孔形成時に発生する粉塵が第1削孔に飛
散すると、第1削孔の内底部に溜り易いという問題があ
る。しかしながら、この発明では、第1削孔に中空鋼管
を挿入し、しかも、その中空鋼管の内部に空気が圧送さ
れて第1削孔の底部から岩盤表面側に向かう気流が形成
されており、この気流に乗って第1削孔内に飛散してき
た粉塵が第1削孔の外部に排出される。こうして、第1
削孔内に粉塵が溜まるのを防止する。
第1削孔と隣接して既に第3削孔が岩盤に形成されてい
ることがあるが、この場合、当該第3削孔にガイド手段
を挿入し、当該ガイド手段によって第3削孔に流れ込む
気流を岩盤表面側に導くように構成するのが望ましい。
というのも、第1削孔内で発生される気流が第3削孔に
流入し、その流入気流に乗って粉塵が第3削孔に飛散す
るおそれがあるが、ガイド手段を設けることで流入気流
を岩盤表面側に導き、粉塵を第3削孔の外部に排出する
ことができるからである。
で、かつ第3削孔と隣接して第4削孔が岩盤に形成され
ていることがあるが、この場合、第4削孔の表面開口を
キャップ手段で塞ぐことで、第4削孔への粉塵の飛散を
防止することができる。もちろん、第1〜第3削孔から
離れた位置において既に形成されている削孔の表面開口
をキャップ手段で塞ぐことで、各削孔への粉塵の飛散を
防止するようにしてもよい。
は、岩盤のうち所定の掘削領域を部分的に掘削する岩盤
掘削工法であって、上記第2の目的を達成するため、前
記掘削領域を掘削するのに先立って、予め前記掘削領域
を取り囲むように前記請求項1ないし3のいずれかに記
載の溝形成工法によって前記岩盤に閉ループ状に周回溝
を形成している。
ては、岩盤のうち露出している面、つまり自由面は表面
のみであり、岩盤の掘削作業性は比較的低くなってい
る。これに対し、岩盤の掘削領域を取り囲むように閉ル
ープ状に周回溝が形成されると、岩盤の掘削領域の側面
も自由面となり、掘削作業性が向上する。
実施形態を示す断面図である。この溝形成工法では、ま
ず重機車両(図示省略)のブームの先端に削孔機2(図
1(c))を取付ける。この削孔機2は、ブームに装着
固定されたリーダに沿ってロッド21を回転・スライド
させ、そのロッド先端に取付けられたビット22によっ
て岩盤に対して削孔を形成可能となっている。
と、重機車両を操作してビット先端部を最初の削孔形成
位置に移動させた後、削孔機2によって岩盤3の表面か
ら鉛直方向(図1のZ方向)に穿孔し、最初の削孔41
を形成する(図1(a))。そして、この削孔41内に
削孔41の内径よりも小さな外径を有する中空鋼管51
を挿入する(同図(b))。なお、この実施形態では、
鉛直方向に削孔を形成しているが、鉛直方向に対して傾
斜させて削孔を連続的に形成することで溝を形成する場
合にも、本実施形態を適用することができる。
に応じてビット22の回転方向に対して逆の回転方向に
回転駆動されるように構成されるとともに、回転駆動中
に送気管511を介して中空部に圧縮空気を圧送可能に
構成されている。また、中空鋼管51の先端部512は
絞り込まれて嘴状に形成され、その中央開口513から
削孔の内底部に向けて送気管511からの空気を吹き付
けるように構成されている。
管壁部には複数の空気噴出用孔部514がらせん状に穿
設されている。これらの空気噴出用孔部514はいずれ
も中空管内から管表面に行くにしたがって上昇するよう
に傾斜形成されている。このため、送気管511を介し
て中空鋼管51に圧縮空気を圧送すると、削孔内に底面
から岩盤表面に向け渦巻き状の上昇気流が形成され、削
孔の内底部に溜まっている、あるいは他の穿孔処理中に
発生する粉塵がこの上昇気流に乗って削孔内から排出可
能となっている。
回転方向に応じて空気噴出用孔部514の配列態様が異
なる2種類の中空鋼管51を用意している。すなわち、
軸心515を中心に時計回りに回転させる場合に用いる
第1中空鋼管51A(図3a)と、軸心515を中心に
反時計回りに回転させる場合に用いる第2中空鋼管51
B(図3b)とが用意されている。このように、回転方
向に応じて中空鋼管51を使い分けることで、削孔内に
形成される上昇気流の流速を高めて、より確実に粉塵を
削孔内から排出することができる。ただし、空気噴出用
孔部514の形成位置、形状や数などはこの実施形態に
限定されるものではなく任意である。また、空気噴出用
孔部514をらせん状に配列することは必須構成要件で
はなく、ランダムに配列したり、円環状や周期的に配列
したりしてもよい。
中空鋼管51の削孔41への挿入が完了すると、削孔の
内径と同じあるいは若干短い間隔だけ溝長手方向Xに離
れた位置、つまり第3番目の削孔の形成予定位置にビッ
ト22を位置させて穿孔を開始する。こうして、第3番
目の削孔43が、既に岩盤3に形成された既成削孔41
から溝長手方向Xに、しかも約削孔1個分だけ離れた位
置に形成され、これらの削孔41,43によって、後述
するように次に削孔される削孔予定位置31が挟み込ま
れている。ここで、この穿孔処理を行う際には、穿孔領
域を覆うように岩盤3上に飛散防止用カバー6を設け、
図示を省略する吸引回収機構によって穿孔処理に際して
発生する粉塵を吸引排出している。なお、この実施形態
では、同図(c)に示すように、削孔43の形成時には
中空鋼管51の回転および中空鋼管51への空気圧送を
停止しているが、これら回転・空気圧送処理を同時に実
行してもよいことはいうまでもない。
成されると、その削孔43に中空鋼管51を挿入する
(同図(d))。そして、ビット22を削孔41,43
にサンドイッチされている削孔予定位置31に移動させ
た後、削孔機2によって岩盤3の表面から鉛直方向Z
(図1のZ方向)に穿孔し、第2番目の削孔42を形成
していく(同図(e))。この穿孔処理が完了すると、
第1ないし第3番目の削孔41〜43が相互に連通して
岩盤3中にX方向に延びる溝1(図4)が形成される。
れている削孔41,43に中空鋼管51,51を挿入し
ているが、その理由は以下の通りである。すなわち、鋼
管挿入を行わないまま既に形成されている既成削孔4
1,43に隣接して岩盤3に削孔を設けようとした場
合、岩盤3を穿孔している途中で削孔機2のビット22
が隣接する削孔41あるいは43に逃げてしまい、削孔
43を削孔予定位置31から鉛直方向Zに真っ直ぐ形成
することができず、削孔41,43を連通させることが
できなくなり、その結果、溝が形成されない。これに対
して、本実施形態のように、隣接する既成削孔41,4
3に中空鋼管51,51をそれぞれ挿入しておくこと
で、ビット22が隣接する既成削孔41あるいは43に
逃げるのを防止し、既成削孔41,43と隣接して新た
な削孔42を形成し、溝1を形成し、X方向に拡張する
ことができる。
み込むように中空鋼管51,51が配置されることとな
り、中空鋼管51,51がビット22のガイドとして機
能し、真っ直ぐに穿孔することができ、削孔予定位置3
1からの削孔42のズレを防止することができる。そし
て、この実施形態では、同図(e)に示すように、回転
するビット22に対して中空鋼管51,51を強制的に
従動方向に回転させており、ベアリングとしても機能し
て良好な穿孔処理を行うことができる。
て中空鋼管51に空気を圧送しており、削孔41,43
内に底面から岩盤表面に向けの上昇気流が形成され、削
孔の内底部に溜まっている、あるいは削孔42を形成す
るための穿孔処理中に発生する粉塵がこの上昇気流に乗
って削孔41,43内から岩盤表面側に排出され、さら
に吸引回収機構によって回収される。したがって、新た
に削孔を形成する場合、その削孔に隣接する既成削孔内
に穿孔処理によって発生する粉塵が飛散し、既成削孔に
入り込んでしまうが、この実施形態によれば、それらの
粉塵を確実に排出することができる。
ると、中空鋼管51を削孔41から引き抜き、その削孔
41の表面開口411を金属、ゴムあるいは樹脂製のキ
ャップ71で塞ぐことで、削孔41への粉塵の飛散を防
止するとともに、削孔42には、ガイド部材72を挿入
する(図2(a))。
同図(a)が斜視図であり、同図(b)が平面図であ
る。このガイド部材72は、開口角を約150゜とし、
その断面形状が略C字状を呈したC型鋼721の外周部
にゴムや樹脂などの弾性部材722を設けてなるもので
ある。この実施形態では、図5のガイド部材72を、図
2(a)に示すように、その開口部723を削孔43内
に挿入されている中空鋼管51に向けて削孔42に挿入
している。したがって、中空鋼管51に対して圧縮空気
を送り込むと、上昇気流の一部がガイド部材72の中央
部に流れ込むが、その流入気流をガイド部材72の内周
面に沿って岩盤表面側に導くことができる。なお、ガイ
ド部材の構造に関しては任意であり、隣接する中空鋼管
51から流入してきた流入気流を岩盤表面側に導くこと
ができる構成であれば、材質や形状などは任意である
が、本実施形態の如く構成した場合には、ガイド部材7
2の座屈抵抗を高めることができる。また、ガイド部材
72を削孔内に挿入した際、弾性部材722が削孔41
に隣接する孔壁に密着して削孔41へ粉塵が流入するの
を効果的に防止することができる。したがって、この点
から図5に示すガイド部材72は、好適な実施形態の一
つといえる。
削孔42へのガイド部材72の挿入に続いて、図2
(a)に示すように、第5番目の削孔45を既成削孔4
3から溝長手方向Xに、しかも約削孔1個分だけ離れた
位置に形成する。この時、ビット22と隣接していない
にもかかわらず、削孔43内の中空鋼管51を回転させ
るとともに、圧縮空気を中空鋼管51に対して圧送して
いるが、これは渦巻き状の上昇気流を安定的に形成し、
粉塵を効果的に排出して粉塵によるビット22の回転阻
害を準備しておくためである。
管51を挿入し、上記と同様に、削孔43,45にサン
ドイッチされている削孔予定位置を削孔機2によって岩
盤3の表面から鉛直方向Zに穿孔して第4番目の削孔4
4を形成すると、さらに第4および第5削孔44,45
が既成削孔41〜43からなる溝に連通して溝1がX方
向に拡張される。そして、このような処理を繰り返すこ
とで、溝1をX方向にさらに延設することが可能であ
る。
数の削孔41〜45を相互に連通させることで岩盤3に
溝1を形成するようにしているので、従来のように油圧
ブレーカを用いる場合に比べて作業に伴う騒音を大幅に
低減することができる。また、比較的硬い岩盤であって
も効率良く溝を形成することができ、油圧ブレーカを用
いる場合や静的破砕剤を使用する場合に比べて作業時間
を大幅に短縮することができる。
し、これが既成削孔に飛散すると、既成削孔の内底部に
溜ってしまうが、上記したように既成削孔に中空鋼管5
1を挿入し、しかも、その中空鋼管51の内部に圧縮空
気を圧送することで既成削孔の底部から岩盤表面側に向
かって渦巻き状の上昇気流を形成しているため、この上
昇気流に乗って既成削孔内に飛散してきた粉塵を当該既
成削孔の外部に排出することができ、既成削孔内に粉塵
が溜まるのを効果的に防止することができる。
手方向Xに削孔を順次形成して行くことで溝1をX方向
に拡張しているが、予め約削孔1個分の間隔で奇数番目
の削孔41,43,45,…を形成しておき、各削孔4
1,43,45,…に鋼管を挿入した後、偶数番目の削
孔42,44,…を形成することで溝1を設けるように
してもよい。
Xに拡張する場合について説明しているが、次のように
幅方向Yにも上記のようにして連続削孔を形成すること
で溝1を拡張することができる。例えば図4の削孔4
1,43に鋼管を挿入した後、これらの削孔41,43
に隣接する削孔予定位置32(同図中の1点鎖線)を穿
孔して新たな削孔を設けるような幅拡張作業を繰り返し
て行うことで、溝1の幅を幅W1から幅W2(>W1)に
拡張することができる。
を2つの既成削孔によりサンドイッチした状態で削孔予
定位置に削孔を形成するようにしているが、図6に示す
手順で複数の削孔を形成し、岩盤3に溝1を形成するよ
うにしてもよい。
の実施形態を示す断面図である。この溝形成工法が先の
実施形態(図1、図2)と大きく相違する点は、岩盤3
に削孔46を形成し(図6(a))、中空鋼管51を挿
入した(同図(b))後、直ちに、その削孔46に隣接
する削孔予定位置33を穿孔して新たな削孔47を形成
し(同図(c))、既成削孔46に連通させることで溝
1をX方向に拡張している点であり、その他の基本的手
順は先の実施形態と同様であるため、ここでは、それら
の説明を省略する。
実施形態と同様に、ガイド部材72やキャップ71も用
いながら、削孔48、49を順次形成していく。
したように中空鋼管51によってサンドイッチされた状
態で新たな削孔を形成する先の実施形態に比べて削孔形
成精度の点で若干劣るものの、中空鋼管51によってビ
ット22が隣接する既成削孔46に逃げるのを防止する
とともに、穿孔処理によって発生し、隣接する既成削孔
46に飛散した粉塵を渦巻き状の上昇気流によって岩盤
表面側に排出することができる。そして、このような溝
形成工程を採用することで、先の実施形態と同様に、作
業に伴う騒音を大幅に低減するとともに、比較的硬い岩
盤であっても効率良く溝を形成することができ、油圧ブ
レーカを用いる場合や静的破砕剤を使用する場合に比べ
て作業時間を大幅に短縮することができる。また、既成
削孔内に粉塵が溜まるのを効果的に防止することができ
る。
示す図である。また、図8は図7の岩盤掘削工法におけ
る作業手順を示す断面図である。この岩盤掘削工法は、
上記「A.岩盤への溝形成工法」の項で説明した溝形成
工法を利用したものであり、その詳細は以下の通りであ
る。
削する領域(以下「掘削領域」という。)81を取り囲
むように閉ループ状に周回溝82を所定深さH(図8)
で形成する。このとき、上記した溝形成工法を用いるこ
とで、従来のように油圧ブレーカを用いる場合に比べて
作業に伴う騒音を大幅に低減することができ、岩盤8が
比較的硬い場合であっても効率良く溝82を形成するこ
とができ、油圧ブレーカを用いる場合や静的破砕剤を使
用する場合に比べて作業時間を大幅に短縮することがで
きる。
(a)に示すように、掘削領域81内で、しかも周回溝
82の近傍位置に斜孔83を形成する。この斜孔83は
周回溝82の内底部に向けて形成されており、この斜孔
83内に油圧式石割機(例えば、平戸金属工業株式会社
製のK−25W40A400)9のウェッジ部91を挿
入セットした後、油圧式石割機9を作動させる。これに
よって、同図(b)に示すように、周回溝82の内底部
に向けて加圧クラック84が発生する。
を形成し、上記と同様に油圧式石割機9を用いて岩盤8
に加圧クラック84を発生させるとともに、掘削部の底
面に相当する位置にクラックを伝播させる。このような
作業を複数回繰り返すことで、図7に示すように、掘削
領域81を破砕して複数の岩石に分割する。その後、こ
れらの岩石を搬出することで、深さHの掘削部を形成す
ることができる。
回溝82を形成しておくことで、次のような効果が得ら
れる。すなわち、周回溝82を形成しないで岩盤掘削を
行う場合、岩盤のうち露出している面、つまり自由面は
表面のみであり、岩盤を掘削するために油圧ブレーカを
用いる必要があり、掘削に多大な時間を要し、深刻な騒
音問題を引き起こしてしまうという問題があるのに対し
て、岩盤8の掘削領域81を取り囲むように閉ループ状
に周回溝82を形成し、岩盤8の掘削領域81の側面を
露出させて自由面を増大させることで、上記したような
作業によって掘削作業を行うことができ、掘削時間を大
幅に短縮するとともに、騒音を大幅に低減することがで
きる。
回溝82で取り囲んでおり、掘削部を限定的に、かつ効
率良く掘削することができる。
成し、岩盤8の自由面を増大させた後、油圧式石割機9
によって掘削領域81の破砕作業を行っているが、これ
以外の手法によって掘削領域81の破砕作業を行うよう
にしてもよいは言うまでもない。
の溝形成工法では、岩盤に複数の削孔を相互に隣接させ
ながら連続して設け、これら連続削孔によって溝を形成
している。特に、連続削孔を形成するに際して、隣接す
る既成削孔に鋼管または鋼棒を挿入しておくことで、ビ
ット22が隣接する既成削孔に逃げるのを防止し、既成
削孔と隣接して新たな削孔を確実に形成し、溝の形成拡
張を行っている。このため、従来のように油圧ブレーカ
を用いる場合に比べて作業に伴う騒音を大幅に低減する
ことができる。また、比較的硬い岩盤であっても効率良
く溝を形成することができ、油圧ブレーカを用いる場合
や静的破砕剤を使用する場合に比べて作業時間を大幅に
短縮することができる。
も、その中空鋼管の内部に空気を圧送して第1削孔の底
部から岩盤表面側に向かう気流を形成しているので、第
1削孔内に飛散してきた粉塵を当該上昇気流に乗って第
1削孔の外部に排出することができるので、第1削孔内
に粉塵が溜まるのを防止することができる。
該ガイド手段によって第3削孔に流れ込む気流を岩盤表
面側に導くように構成すると、第1削孔内で発生される
気流に乗って第3削孔に飛散した粉塵を、ガイド手段に
よって岩盤表面に導かれる気流に乗って第3削孔の外部
に排出することができる。
で塞ぐことで、第4削孔への粉塵の飛散を防止すること
ができる。
は、岩盤の掘削領域を掘削するのに先立って、予め掘削
領域を取り囲むように上記溝形成工法によって岩盤に閉
ループ状に周回溝を形成しているため、閉ループ状に周
回溝の形成によって岩盤の掘削領域の側面も自由面とな
り、掘削作業性を向上させることができる。
示す断面図である。
示す断面図である。
中空鋼管を示す断面図である。
成された溝を示す図である。
ガイド部材を示す断面図である。
示す断面図である。
を示す図である。
面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 岩盤表面から鉛直方向または鉛直方向に
対して傾斜して複数の削孔を相互に隣接させながら連続
して設け、これら連続削孔によって溝を形成する溝形成
工法であって、 岩盤に形成された第1削孔に、第1削孔の内径よりも小
さな外径を有する中空鋼管を挿入する第1工程と、 前記中空鋼管の内部に空気を圧送して前記第1削孔の底
部から岩盤表面側に向かう気流を形成しながら、前記第
1削孔と隣接する位置に第2削孔を形成して溝を形成拡
張する第2工程とを備えたことを特徴とする岩盤への溝
形成工法。 - 【請求項2】 前記第2工程に先立って、前記第2削孔
を形成する削孔形成位置から離れた位置で、かつ前記第
1削孔と隣接して既に前記岩盤に形成されている第3削
孔内にガイド手段を挿入し、当該ガイド手段によって前
記第3削孔に流れ込む気流を岩盤表面側に導く第3工程
をさらに備える請求項1記載の岩盤への溝形成工法。 - 【請求項3】 前記第2工程に先立って、前記第1およ
び第2削孔から離れた位置で、かつ前記第3削孔と隣接
して既に前記岩盤に形成されている第4削孔の表面開口
をキャップ手段で塞ぐ第4工程をさらに備える請求項2
記載の岩盤への溝形成工法。 - 【請求項4】 岩盤のうち所定の掘削領域を部分的に掘
削する岩盤掘削工法において、 前記掘削領域を掘削するのに先立って、予め前記掘削領
域を取り囲むように前記請求項1ないし3のいずれかに
記載の溝形成工法によって前記岩盤に閉ループ状に周回
溝を形成しておくことを特徴とする岩盤掘削工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31557999A JP3340981B2 (ja) | 1999-11-05 | 1999-11-05 | 岩盤への溝形成工法、ならびに当該溝形成工法を用いた岩盤掘削工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31557999A JP3340981B2 (ja) | 1999-11-05 | 1999-11-05 | 岩盤への溝形成工法、ならびに当該溝形成工法を用いた岩盤掘削工法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2001132376A true JP2001132376A (ja) | 2001-05-15 |
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JP2020002386A (ja) * | 2018-06-25 | 2020-01-09 | 日本製鉄株式会社 | 高炉の銑鉄切断方法 |
KR102376612B1 (ko) * | 2021-08-05 | 2022-03-21 | 주식회사 기술나라 | 암반 슬롯팅을 위한 드릴 가이드유니트 및 이를 이용한 자유면 형성방법 |
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- 1999-11-05 JP JP31557999A patent/JP3340981B2/ja not_active Expired - Lifetime
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