JP2001131821A - 発泡繊維およびその製造法 - Google Patents

発泡繊維およびその製造法

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JP2001131821A JP30577399A JP30577399A JP2001131821A JP 2001131821 A JP2001131821 A JP 2001131821A JP 30577399 A JP30577399 A JP 30577399A JP 30577399 A JP30577399 A JP 30577399A JP 2001131821 A JP2001131821 A JP 2001131821A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 湿式紡糸法の凝固過程で発生する繊維の多孔
質化に対し、延伸、乾燥、あるいは乾熱や湿熱による熱
処理等の物性向上に必要な繊維化工程を経ても多孔質部
が残存でき、且つその構造発生を促進させる無機化合物
からなる発泡剤を紡糸原液に添加して得られる新規な発
泡繊維およびその製造法を提供する。 【解決手段】 水素化ホウ素化合物を添加した紡糸原液
を湿式紡糸し、繊維化する過程で酸性の浴で発泡して発
泡繊維を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な発泡繊維お
よびその製造法に関するものである。更には、水素化ホ
ウ素化合物を含有する紡糸原液を湿式紡糸して得られる
発泡繊維であって、水素化ホウ素化合物の分解ガスを利
用して繊維断面内に多孔質構造を積極的に作ることで得
られる発泡繊維およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、発泡繊維の製造法に関し、数多く
の特許にその試みが見られるが、品質および工業的生産
の面より未だ実用化に至っていないのが現状である。例
えば、凝固時に発生したの多孔質構造を活かす方法を特
公昭40−13698に開示しているが、紡糸時の膨潤
ゲル状態での多孔質程度では低比重下に対しては効果不
満足で、また特開昭62−78210では低沸点の有機
化合物を紡糸原液に添加し繊維化形成過程で発泡させ多
孔質構造を得ているが、低比重化に対しては満足できる
ものの低沸点化合物を完全に回収するのは困難で工業生
産に課題を残している。一方、無機化合物を発泡剤とし
て使用した技術も開示されており、特公昭33−498
7および特公昭37−17676には水素化ホウ素化合
物を使用した発泡法に関し、塩化ビニル重合体のプラス
チゾルと混合して塩化ビニル重合体の多孔質材料を製造
する方法を、特公昭52−999ではラクタムの重合時
に混合しておくことでポリアミド発泡体を製造する方法
を提案しているが、繊維の製造法については触れておら
ず繊維化技術は開示されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、湿式紡糸法の凝固過程で発生する繊維の多孔質化に
対し、延伸、乾燥あるいは乾熱や湿熱による熱処理等の
物性向上に必要な繊維化工程を経ても多孔質部が残存で
き、且つその多孔質構造発生を促進させる無機化合物か
らなる発泡剤を紡糸原液に添加して得られる新規な発泡
繊維及びその製造法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる目的から紡糸原液
に可溶な特定の無機系の発泡剤を含有し、湿式紡糸の凝
固、水洗工程で発泡処理を行うことで多孔質化を積極的
に行い、後の延伸、乾燥、熱処理等の物性向上に必要な
繊維化工程を経ても多孔質部が潰れず目的の繊維が得ら
れる方法を見出し、本発明を完成するに至った。特に無
機系発泡剤に関し、有機溶剤に不溶な化合物が多い中、
水素化ホウ素化合物が湿式紡糸用溶剤に溶解して且つ安
定に存在し、紡糸原液を繊維状に賦形した後酸性の環境
下で分解発泡させる手段により多孔質化できることを見
出したものである。すなわち本発明は、水素化ホウ素化
合物を含有する紡糸原液を湿式紡糸してなる発泡繊維で
ある。
【0005】前記水素化ホウ素化合物は、水素化ホウ素
ナトリウム及び/又は水素化ホウ素カリウムであるのが
好ましく、紡糸原液に含有される重合体成分がアクリロ
ニトリル系重合体であるのがより好ましい。
【0006】さらに前記紡糸原液に含有される溶媒は、
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びジメ
チルスルホキシドよりなる群から選択される少なくとも
1種であるのが好ましい。
【0007】一方、本発明の製造法は、水素化ホウ素化
合物を含有する紡糸原液を湿式紡糸するに際し、紡糸原
液を凝固浴に繊維状に吐出した後、酸を添加した浴に導
いて発泡させることを特徴とする発泡繊維の製造法であ
る。そして前記水素化ホウ素化合物は 、水素化ホウ素
ナトリウム及び/又は水素化ホウ素カリウムであるのが
好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に記
す。本発明に使用できる水素化ホウ素化合物は、アルカ
リ金属やアルカリ土類金属との化合物が好ましく、水素
化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム(以下SB
Hと略記する)、水素化ホウ素カリウム(以下PBHと
略記する)、水素化ホウ素ルビジウム、水素化ホウ素セ
シウム、水素化ホウ素ベリリウム、水素化ホウ素マグネ
シウム、水素化ホウ素カルシウム、水素化ホウ素ストロ
ンチウム、水素化ホウ素バリウム等が挙げられるが、よ
り好ましくはSBH、PBH、水素化ホウ素ルビジウ
ム、水素化ホウ素セシウムで、入手のしやすさからはS
BHやPBHが好適である。また、紡糸原液のpHから
有利なのは水素化ホウ素ルビジウム、水素化ホウ素セシ
ウムが挙げられる。
【0009】紡糸原液に対する水素化ホウ素化合物の混
合量は、紡糸原液のポリマー成分および濃度と溶剤の種
類、紡糸原液温度、更には目的の繊維断面内に存在する
多孔質部の割合にもよるが、通常原液中のポリマー成分
の0.05〜10重量%で紡糸時の原液に対する溶解度
範囲内が好ましく、溶解度以上であっても微分散状態で
あれば本発明には支障は無い。更に好ましくは0.1〜
5重量%で、より好ましくは0.3〜3重量%である。
0.05重量%未満であると多孔質部の割合が少なくな
り発泡繊維としての特徴が発揮できにくく、10重量%
以上では発泡による見掛け均一な多孔質構造が得にくく
なるばかりでなく、紡糸状態不安定になる傾向がある。
【0010】これらの水素化ホウ素化合物は、紡糸原液
の溶剤である水や有機溶剤にそれぞれ溶解度の違いはあ
るものの可溶であり、直接紡糸原液に混合添加或いは溶
剤に予め添加した後繊維用の重合体を混合して紡糸原液
とすることができる。その際、溶剤への溶解度が極めて
小さいため混合分散が困難な時は、比較的溶解性のある
他の有機溶剤や水に予め溶解後該繊維用溶剤に混合分散
して使用できる。
【0011】水素化ホウ素化合物に対し、溶解性を示す
溶剤としてはエチルアミン、シクロヘキシルアミン、モ
ルホリン、アニリン、ピリジンやエチレンジアミン、に
代表される1級〜3級アミン類、エチレングリコールジ
メチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールジメチルエーテルやテトラ
エチレングリコールジメチルエーテル類のグライム類、
テトラヒドロフラン(以下THFと略記)やジオキサン
等の環状エーテル類、エチレンカーボネートやプロピレ
ンカーボネートで代表される環状エステル類、ジメチル
ホルムアミド(以下DMFと略記する)、ジメチルアセ
トアミド(以下DMAcと略記)やピロリドンに代表さ
れる酸アミド類や1,3−ジメチル−2−イミダゾリジ
ノン等の尿素誘導体、ジメチルスルホキシド(以下DM
SOと略記する)やスルホランに代表されるスルホキシ
ド類やスルホン類、アセトニトリルに代表されるニトリ
ル類 、等でビニル基、アルコール性水酸基や還元性カ
ルボニル基を含まない化合物が挙げられる。
【0012】これら水素化ホウ素化合物は、前述した如
く紡糸原液に使用する溶剤に直接混合、あるいは紡糸原
液タンクに直接投入混合できる他、紡糸ノズルに至る紡
糸原液送液ラインの途中に静的、動的ラインミキサーを
経て水素化ホウ素化合物を混合した溶液を混合して紡糸
原液とすることができる。
【0013】紡糸原液に含有される重合体成分として
は、公知の技術でできるポリアクリロニトリル系、ポリ
ビニルアルコール系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニ
リデン系や酢酸セルロース系の重合体が挙げられる。ポ
リアクリロニトリル系重合体としては、アクリロニトリ
ル35重量%以上の共重合であって、アクリロニトリル
と共重合できるモノマーとしては、塩化ビニル、臭化ビ
ニル、塩化ビニリデンや臭化ビニリデンに代表されるハ
ロゲン化ビニルおよびハロゲン化ビニリデン類、アクリ
ル酸、メタクリル酸に代表される不飽和カルボン酸類お
よびこれらの塩類、アクリル酸メチル、メタクリル酸メ
チルやグリシジルメタクリレートに代表される不飽和カ
ルボン酸のエステル類、酢酸ビニルや酪酸ビニルに代表
されるビニルエステル類。アクリルアミドやメタクリル
アミドに代表されるビニル系アミド類、メタリルスルホ
ン酸やスチレンスルホン酸に代表されるスルホン酸基含
有ビニル系単量体、その他ビニルピリジンやメチルビニ
ルエーテル、メタクリロニトリル等公知のビニル化合物
が有り、これらの1種あるいは2種以上が使用できる。
勿論これらの組成や共重合割合の異なる重合体からなる
混合物であっても本発明に支障はない。
【0014】また、該重合体成分して異なる重合体や天
然高分子化合物を混合使用することができ、例えばポリ
アクリロニトリル系重合体では酢酸セルロースやポリエ
チレンオキサイド、ポリビニルアルコール系重合体では
ポリ塩化ビニルの水性エマルジョンやゼラチンが挙げら
れる。
【0015】紡糸原液に含有される溶剤としては、湿式
紡糸して得られる繊維の材質の種類にもよるが、アクリ
ル系重合体ではDMF、DMAc、DMSO、エチレン
カーボネートや1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
の有機溶剤およびチオシアン酸ナトリウムやチオシアン
酸カリウムの濃厚水溶液等が好ましく、中でもDMF、
DMAcおよびDMSOは特に好ましい。硝酸や塩化亜
鉛等の水溶液は水素化ホウ素化合物の安定性から好まし
くない。また、ポリビニルアルコール系重合体では水が
使用でき、水素化ホウ素化合物が分解しないpHに保つ
ことが重要である。勿論DMSOもアクリル系繊維同様
に使用できる。その他、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビ
ニリデン系や酢酸セルロース系の重合体についても、そ
れぞれの重合体に溶解性を示す公知の溶剤の中で水素化
ホウ素化合物を比較的分解させることなく溶解する前記
記載の溶剤が使用できる。
【0016】水素化ホウ素化合物を添加して調整された
該紡糸原液には、繊維の特性・品質改良のため、原液劣
化による着色防止、耐光性や耐熱性向上のための酸化防
止、ラジカル捕獲や紫外線吸収作用のある安定剤、染料
や顔料等の着色剤、光沢調整剤、静電防止や発錆防止作
用のある諸添加剤等を本発明を阻害しない範囲であれ
ば、勿論添加使用してもよい。
【0017】調整された紡糸原液は、紡糸ノズルを通し
て凝固浴へ吐出されるが、この時の紡糸ノズルのスリッ
ト形状は目的の断面を得るために円形、偏平、三角形、
Y字形や多葉の他任意の形状が選択できる。また、特殊
な紡糸ノズルとして2成分以上を同一スリットより吐出
する複合ノズルを使用することで、繊維断面の特定部分
だけを多孔質構造にして強度の改良や特殊発色性、即ち
多孔質部の光散乱によるパール様発色と通常の深みのあ
る発色の相乗効果により特殊な発色性が期待できる。
【0018】凝固浴は、紡糸原液を構成する該重合体と
その溶剤により条件は異なるが、一般に紡糸原液が有機
溶剤である場合は該溶剤の水溶液を、該溶剤が水の場合
は無機塩の水溶液が使用される。勿論凝固浴として、該
紡糸原液を構成する有機溶剤と相溶性がよく該重合体の
貧溶媒である有機溶剤単独又は該紡糸原液を構成してい
る有機溶剤との混合溶剤であってもよい。
【0019】紡糸ノズルを通して吐出された紡糸原液
は、凝固浴で脱溶剤が行われながら繊維状に賦形され、
後のゲル延伸或いは水洗や貧溶媒による脱溶剤工程で酸
性物質存在下の浴で発泡処理を行って発泡繊維が得られ
る。ここで使用できる酸性物質とは、塩酸、硫酸、硝
酸、リン酸等の無機酸や、蟻酸、酢酸、蓚酸、クエン酸
等の有機酸、あるいは硫酸水素ナトリウム、リン酸一水
素ナトリウム、塩化アルミニウムや塩化マグネシウムの
例に見られる酸性塩あるいは、中性塩のような塩であっ
ても、水溶液でpHが酸性を呈するものであれば特に限
定されるものではない。
【0020】酸性物質存在下の浴のpHは、一般に酸性
であれば特に限定されないが好ましくはpH0〜5.
5、より好ましくは1〜4である。pHが5.5を超え
pHが酸性を呈するある間は水素化ホウ素化合物の分解
が遅くなるものの効果は認められるが、7.0以上のア
ルカリ側特に9.0以上になると分解が起こりにくく発
泡による多孔質化が困難になり好ましくない。一方、p
H0未満でも効果は十分に認められるが、その場合は繊
維素材を変質させない酸種の選定や安全面より取扱い上
の注意がより必要になる。
【0021】酸性浴での処理時間は、水素化ホウ素化合
物との反応が瞬時に行われるため分解に必要な酸の量が
有れば特に限定されるものではなく、強いて言えば繊維
表面に存在する浴液のpHが酸性になる時間である1秒
もあれば充分である。
【0022】また、酸性物質は、凝固浴に添加されても
目的の発泡による多孔質構造は得られ、幾つかの浴に分
けて使用されても特に支障を来すものではい。発泡は、
酸性浴中だけで行われるものではなく、酸性浴を通過し
た後に付着している浴液、あるいはゲル状繊維内のpH
が酸性に保たれていれば残存する水素化ホウ素化合物に
より可能となる。
【0023】得られた発泡繊維は、必要により更に水洗
や脱溶剤処理、あるいはオイリング等の工程を経て乾
燥、延伸、熱処理、緩和処理やクリンプ付与を行って所
望の特性を有する繊維へと仕上げることができる。
【0024】
【実施例】本発明の実施例を以下に示す。なお、測定値
は下記の測定法により求めた。
【0025】(繊維比重)試料(繊維をよくほぐし、解
繊したもの)を約0.3gを計り取り、自動比重計高精
度形D−H100((株)東洋精機製作所製)を使用し
て見掛け繊維比重を求めた。なお、比重測定時に使用し
た水は蒸留水にフッ素系界面活性剤を少量添加し、試料
の浸漬に際しては、浸漬速度を試料の毛管現象による濡
れ速度より遅くして、気泡が繊維間に残存しないよう注
意して測定を行った。
【0026】(繊度)オートバイブロ式繊度測定機[D
ENIER COMPUTER DC−11(サーチ
(株))を使用し、測定した値(デニール)に1.11
1を乗じて求めた値の有効数字3桁目を四捨五入し、2
桁に丸めた。
【0027】(物性)標準時引張り強さ及び伸び率は、
[JIS−L1069の6.1.1]に準じ、インテス
コ精密万能材料試験機201N型((株)インテスコ
製)を使用して測定した。
【0028】(偏平比)S−3500N型走査電子顕微
鏡((株)日立製作所製)を使用して観察した繊維断面
写真について、個々の繊維断面の長軸/短軸の長さを測
って偏平比を求めた。但し、長軸は繊維断面の最大幅、
短軸は長軸に平行な線で挟まれる繊維断面幅を意味す
る。
【0029】(実施例1)アクリロニトリル49重量
%、塩化ビニル50重量%,スチレンスルホン酸ナトリ
ウム1重量%からなるアクリロニトリル系重合体30重
量%を溶解したDMAc溶液に、SBH5重量%を有す
るトリエチレングリコールジメチルエーテル溶液を、S
BHをアクリロニトリル系重合体重量に対し1重量%と
なるよう添加して混合攪拌し、減圧脱泡処理した溶液を
紡糸原液とし、30℃の50重量%DMAc水溶液から
なる凝固浴へ0.05mm×0.43mmの矩形スリッ
ト形状150孔を有する紡糸ノズルを通して吐出し、4
m/分の引取り速度でローラーで引取った後硫酸でpH
1.5、に調整した70℃の水洗浴で2倍に延伸し、更
に70〜80℃の水洗浴を通して1.6倍に延伸を加え
ながら水洗した後オイリングを行い、130℃の均熱風
乾燥機で乾燥させ、その後145℃の熱処理を加えた。
得られた繊維は、偏平比約2.5の小判形の断面形状の
繊度26dtexで、繊維比重0.80を有する多孔質
な発泡繊維であった。また、単繊維の物性は、標準時引
張り強さ0.85cN/dtex及び伸び率11%を示
した。
【0030】(実施例2)DMSOに予めアクリル系重
合体の1重量%となるようSBHを添加し攪拌調整した
DMSO溶液に、アクリル系重合体として市販繊維カネ
ボウアクリル RF4を溶解して該重合体濃度が25重
量%となるよう混合攪拌溶解し、減圧脱泡処理した溶液
を紡糸原液とした。該紡糸原液を、直径0.06mmの
円形を1000孔する紡糸ノズルを通して、50℃、6
0重量%に調整したDMSO水溶液中に吐出し3m/分
の引取り速度でローラーで引取った後、硫酸でpH2に
調整した80℃の酸性水溶液を発泡並びに2倍の延伸を
行い、更に90℃の熱水で水洗および2倍の延伸を行っ
てオイリングを行った。次いで、130℃の均熱風乾燥
機で乾燥させ、更に145℃の熱処理を加えた。得られ
た繊維は、繊度4.4dtexで、繊維比重0.75を
有する多孔質な発泡繊維であった。また、単繊維の物性
は、標準時引張り強さ1.6cN/dtex及び伸び率
12%を示した。
【0031】(実施例3)DMSOに予めアクリル系重
合体の2重量%となるようSBHを添加し攪拌調整した
DMSO溶液に、アクリロニトリル52重量%、塩化ビ
ニリデン47重量%,スチレンスルホン酸ナトリウム1
重量%からなるアクリロニトリル系重合体を溶解して該
重合体濃度が25重量%となるよう混合攪拌溶解し、減
圧脱泡処理した溶液を紡糸原液とした。該紡糸原液を、
直径0.06mmの円形を1000孔する紡糸ノズルを
通して、50℃、60重量%に調整したDMSO水溶液
中に吐出し3m/分の引取り速度でローラーで引取った
後、硫酸でpH2に調整した80℃の酸性水溶液を発泡
並びに2倍の延伸を行い、更に90℃の熱水で水洗およ
び2倍の延伸を行ってオイリングを行った。次いで、1
30℃の均熱風乾燥機で乾燥させ、更に145℃の熱処
理を加えた。得られた繊維は、繊度4.3dtexで、
繊維比重0.93を有する多孔質な発泡繊維であった。
また、単繊維の物性値は、標準時引張り強さ1.8cN
/dtex及び伸び率23%を示した。
【0032】(実施例4)実施例3で使用した紡糸ノズ
ルを、0.05mm×0.43mmの矩形スリット形状
150孔を有する紡糸ノズルに変更して原液吐出量を変
更したした以外は、全て実施例3の条件に準じて繊維を
得た。得られた繊維は、繊度19dtexで、繊維比重
1.09を有する多孔質な発泡繊維であった。また、単
繊維の物性値は、標準時引張り強さ1.4cN/dte
x及び伸び率20%を示した。
【0033】(実施例5)DMSOに予めアクリル系重
合体の0.3重量%となるようPBHを添加し攪拌調整
したDMSO溶液に、アクリロニトリル49重量%、塩
化ビニル50重量%,スチレンスルホン酸ナトリウム1
重量%からなるアクリロニトリル系重合体を30重量%
となるよう混合攪拌溶解し、減圧脱泡処理した溶液を紡
糸原液とした。該紡糸原液を、直径0.06mmの円形
を1000孔する紡糸ノズルを通して、50℃、60重
量%に調整したDMSO水溶液中に吐出し3m/分の引
取り速度でローラーで引取った後、硫酸でpH2に調整
した80℃の酸性水溶液を発泡並びに2倍の延伸を行
い、更に90℃の熱水で水洗および2倍の延伸を行って
オイリングを行った。次いで、130℃の均熱風乾燥機
で乾燥させ、更に145℃の熱処理を加えた。得られた
繊維は、繊度1.9dtexで、繊維比重0.99を有
する多孔質な発泡繊維であった。また、単繊維の物性値
は、標準時引張り強さ強度2.4cN/dtex及び伸
び率24%を示した。
【0034】(比較例1)実施例5で添加したPBHを
除き、硫酸でpH2に調整した80℃の酸性水溶液を中
性の水洗浴に変更した以外は、全て実施例3の条件に準
じて繊維を得た。得られた繊維は、繊度2.3dtex
で、繊維比重1.28を有する緻密化されたほぼ円形断
面を有する繊維であった。また、物性値は強度2.2c
N/dtex、伸度36%を示した。
【0035】(比較例2)DMAcに予めアクリル系重
合体の0.3重量%となるようSBHを添加し攪拌調整
したDMAc溶液に、アクリロニトリル49重量%、塩
化ビニル50重量%、スチレンスルホン酸ナトリウム1
重量%からなるアクリロニトリル系重合体を30重量%
となるよう混合攪拌溶解し、減圧脱泡処理した溶液を紡
糸原液とした。該紡糸原液を、直径0.06mmの円形
を1000孔する紡糸ノズルを通して、30℃、50重
量%に調整したDMAc水溶液中に吐出し4m/分の引
取り速度でローラーで引取った後、pH7.3の70℃
の水洗浴で2倍に延伸し、更に70〜80℃の水洗浴を
通して1.6倍に延伸を加えながら水洗した後オイリン
グを行い、130℃の均熱風乾燥機で乾燥させ、その後
145℃の熱処理を加えた。得られた繊維は、繊度2.
2dtexで、繊維比重1.27を有する緻密な繊維で
あった。また、単繊維の物性値は、標準時引張り強さ強
度3.1cN/dtex及び伸び率26%を示した。実
施例及び比較例で得られたDATAを表1に示した。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明の発泡繊維は、従来にない繊維化
工程の初期段階で得られる柔らかいゲル状繊維状態で発
泡・多孔質化できるため、繊維の低比重化が容易且つそ
の割合を大きくすることができる。そして、多孔質であ
るため、外観上からは繊維断面内に入った光が屈折と乱
反射を複雑に起して特異な光沢や発色性を与えることか
ら、パイル布帛や特殊糸を使用した布帛等の意匠性ある
分野に利用できる。更には、親水性物質を付与して吸湿
・吸水性繊維とし衣料、タオル、シーツや水回り用品、
多孔質構造からくる軽量感、保温性を利用した各種布帛
類に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で得られた繊維の断面例であ
る。
【図2】本発明の実施例2で得られた繊維の断面例であ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水素化ホウ素化合物を含有する紡糸原液を
    湿式紡糸してなる発泡繊維。
  2. 【請求項2】水素化ホウ素化合物が、水素化ホウ素ナト
    リウム及び/又は水素化ホウ素カリウムである請求項1
    記載の発泡繊維。
  3. 【請求項3】紡糸原液に含有される重合体成分がアクリ
    ロニトリル系重合体である請求項1記載の発泡繊維。
  4. 【請求項4】紡糸原液に含有される溶媒が、ジメチルホ
    ルムアミド、ジメチルアセトアミド及びジメチルスルホ
    キシドよりなる群から選択される少なくとも1種である
    請求項1記載の発泡繊維。
  5. 【請求項5】水素化ホウ素化合物を含有する紡糸原液を
    湿式紡糸するに際し、紡糸原液を凝固浴に繊維状に吐出
    した後、酸を添加した浴に導いて発泡させることを特徴
    とする発泡繊維の製造法。
  6. 【請求項6】水素化ホウ素化合物が、水素化ホウ素ナト
    リウム及び/又は水素化ホウ素カリウムである請求項7
    記載の発泡繊維の製造法。
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