JP2001131196A - コルジセピン誘導体の製造方法 - Google Patents

コルジセピン誘導体の製造方法

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JP2001131196A
JP2001131196A JP31483899A JP31483899A JP2001131196A JP 2001131196 A JP2001131196 A JP 2001131196A JP 31483899 A JP31483899 A JP 31483899A JP 31483899 A JP31483899 A JP 31483899A JP 2001131196 A JP2001131196 A JP 2001131196A
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carbon atoms
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adenosine
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Shuji Ichikawa
修治 市川
Takeshi Nakato
毅 中藤
Machiko Narita
真知子 成田
Masaki Takai
正樹 高井
Yasuhiro Wada
康裕 和田
Yuji Okago
祐二 大篭
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コルジセピン誘導体を高収率かつ高選択率で
製造する方法の提供。 【解決手段】 一般式(1)、 【化1】 (式中R1 、R2 は、それぞれ独立して水素原子、炭素
数1〜20のアシル基、炭素数1〜18のアルキル基、
炭素数7から25のアラルキル基または置換基の炭素数
の合計が炭素数3から25のシリル基を表す)で表され
る環状硫酸エステルを還元した後、加水分解することを
特徴とする一般式(2)、 【化2】 (式中R1 、R2 は一般式(1)と同義である)で表さ
れるコルジセピン誘導体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コルジセピン誘導
体を製造する方法に関する。本発明によれば、収率よ
く、高純度のコルジセピン誘導体が製造可能となる。本
発明により得られるコルジセピン誘導体は、抗生物質と
して有用であるだけでなく、さらに医薬及び農薬の中間
体として有用である。
【0002】
【従来の技術】コルジセピン誘導体を化学合成で製造す
る方法については、これ迄に幾つかの製造方法が提案さ
れている。例えば、アデノシンを含水アセトニトリル
中、α−アセトキシイソブチリルブロミドと反応させ
2′−ブロモ−3′−アセトキシ体に変換し、さらに塩
基性イオン交換樹脂でエポキシ体とした後、水素化トリ
エチルホウ素リチウムで選択的に還元する方法(Tet
rahedron Lett.、26巻、36号、42
95〜4298頁(1985年))。アデノシンを
2′,3′−オルトエステル体に誘導し、酢酸ブロミド
で処理することにより2′−アセトキシ−3′−ブロモ
体とし、トリブチルスズヒドリドで選択的に脱ハロゲン
化した後加水分解する方法(SYNTHESIS,30
4〜306頁(1983年))。
【0003】アデノシンの2′,3′位を環状アセター
ルとした後、5′位の水酸基を酸化等によりエステル基
に変換し、金属ナトリウムと反応させることにより
3′,4′位に二重結合を形成し、さらに還元、異性体
分離することでコルジセピンを合成する方法(J.Or
g.Chem.、3743〜3745頁、36巻、24
号(1971年))。アリルアルコールを不斉エポキシ
化、モリブデン触媒を用いる環化異性化反応を含む多工
程によりコルジセピンに誘導する方法(Angew.C
hem.Int.Ed.Engl.、34巻、3号、3
50〜352頁(1995年))等。
【0004】しかしながらこれらの方法においては、目
的生成物の収率が低い、副生成物を分離する煩雑な工程
が必要となる、毒性の高い反応試剤を用いる必要があ
る、工業的に入手が難しい反応試剤を用いる必要がある
等、工業的な製造方法としては満足のいくものではなか
った。また、生物化学的に合成する方法(特開平52−
130991号公報)も提案されているが、収率や生産
性の点で必ずしも満足できる製造方法ではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
もつ問題点の解消を図り、高収率で高選択的にコルジセ
ピン誘導体を製造する方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
に鑑み鋭意検討した結果、2′、3′位が環状硫酸エス
テルであるアデノシン誘導体を還元した後、加水分解す
ることにより、目的のコルジセピン誘導体が、高収率か
つ高選択的に得られることを見出し、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明は、一般式(1)、
【0007】
【化3】
【0008】(式中R1 、R2 は、それぞれ独立して水
素原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜18の
アルキル基、炭素数7から25のアラルキル基または置
換基の炭素数の合計が炭素数3から25のシリル基を表
す)で表される環状硫酸エステルを還元した後、加水分
解することを特徴とする一般式(2)
【0009】
【化4】
【0010】(式中R1 、R2 は一般式(1)と同義で
ある)で表されるコルジセピン誘導体の製造方法にあ
る。
【0011】尚、本発明の方法においては、還元が金属
水素錯化合物の存在下に行われるのが好ましく、特に、
水素化ホウ素ナトリウムの存在下に行われるのが好まし
い。又、加水分解が酸性化合物、特には硫酸の存在下に
行われるのが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明を具体的に説明す
る。 (環状硫酸エステル)本発明の方法に使用する下記一般
式(1)で表わされる環状硫酸エステルは、下記一般式
(3)で表わされるアデノシン誘導体を使用して、公知
の方法を適用することにより合成することができる。
【0013】
【化5】
【0014】(式中R1 、R2 は、それぞれ独立して水
素原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜18の
アルキル基、炭素数7から25のアラルキル基または置
換基の炭素数の合計が炭素数3から25のシリル基を表
す)
【0015】
【化6】
【0016】(式中R1 、R2 は一般式(1)と同義で
ある)
【0017】具体的には、一般式(3)で表わされるア
デノシン誘導体であるgem−ジオールと塩化チオニル
を反応させ環状亜硫酸エステルにした後、酸化して環状
硫酸エステルにする方法〔J.Am.Chem.So
c.、110巻、7538〜7539頁(1988年)
及びBull.Korean Chem.、13巻、5
号、460〜462頁(1992年)参照〕、やgem
−ジオールと塩化スルフリルを反応させ環状硫酸エステ
ルにする方法〔WO96/06851号公報及びJ.O
rg.Chem.、48巻、3507頁(1983年)
参照〕、等により、上記一般式(1)で表わされる環状
硫酸エステルが製造される。
【0018】又、上記一般式(3)で表わされるアデノ
シン誘導体は、アデノシンを用いフラン環の4位の一級
水酸基及び/又はプリン環上のアミノ基に保護基を導入
する公知の方法により、合成することができる。上記一
般式(3)のR1 、R2 において、炭素数1〜20のア
シル基とは、具体的にはホルミル、アセチル、プロピオ
イル、ブチロイル、ベンゾイル、トルオイル、4−メト
キシベンゾイル、ナフトイル、フェニルアセチル、3−
フェニルプロピオニル(ヒドロシンナモイル)、4−フ
ェニルブチリル、(2−ナフチル)アセチル、4−クロ
ロヒドロシンナモイル、4−アミノヒドロシンナモイ
ル、4−メトキシヒドロシンナモイル、4−クロロベン
ゾイル、4−カルボキシベンゾイル、4−(ベンジルカ
ルボニル)ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイ
ル、6−カルボキシ−2−ナフトイル、6−(ベンジル
オキシカルボニル)−2−ナフトイル、3−ベンジルオ
キシ−2−ナフトイル、3−ヒドロキシ−2−ナフトイ
ル、3−(ベンジルオキシホルムアミド)−2−ナフト
イルが例示される。
【0019】炭素数1〜18のアルキル基とは、具体的
にはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n
−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、
n−ヘプチル、n−オクチル、n−ドデシル基等が例示
される。炭素数7〜25のアラルキル基とは、具体的に
はベンジル、4−メチルフェニルメチル、4−メトキシ
フェニルメチル、4−ニトロフェニルメチル、2−フェ
ニルエチル、トリチル、モノメトキシトリチル、ジメト
キシトリチル等が例示できる。
【0020】また、R1 、R2 において置換基の炭素数
の合計が3〜25のシリル基とは、例えば、トリメチル
シリル、トリエチルシリル、トリノルマルプロピルシリ
ル、トリイソプロピルシリル、トリノルマルブチルシリ
ル、トリイソブチルシリル、トリノルマルヘキシルシリ
ル、ジメチルエチルシリル、ジメチルノルマルプロピル
シリル、ジメチルノルマルブチルシリル、ジメチルイソ
ブチルシリル、ジメチルターシャリ−ブチルシリル、ジ
メチルノルマルペンチルシリル、ジメチルノルマルオク
チルシリル、ジメチルシクロヘキシルシリル、ジメチル
テキシルシリル、ジメチル−2,3−ジメチルプロピル
シリル、ジメチル−2−(ビシクロヘプチル)シリル、
ジメチルベンジルシリル、ジメチルフェニルシリル、ジ
メチルパラトリルシリル、ジメチルフロフェメシルシリ
ル、メチルジフェニルシリル、トリフェニルシリル、ジ
フェニルターシャリーブチルシリル、トリベンジルシリ
ル、ジフェニルビニルシリル、ジフェニルノルマルブチ
ルシリル、フェニルメチルビニルシリル等を挙げること
ができる。
【0021】具体的な一般式(3)のアデノシン誘導体
としては、例えば5′−O−トリチルアデノシン、5′
−O−ベンゾイルアデノシン、5′−O−アセチルアデ
ノシン、5′−O−ベンジルアデノシン、5′−O−ピ
バロイルアデノシン、5′−O−ジメトキシトリチルア
デノシン、5′−O−モノメトキシトリチルアデノシ
ン、5′−O−トルオイルアデノシン、5′−O−t−
ブチルジメチルシリルアデノシン、N6 ,5′−O−ビ
ス(ジメトキシトリチル)−アデノシン、N6 ,5′−
O−ビス(トリチル)−アデノシン、N6 ,5′−O−
ビス(モノメトキシトリチル)−アデノシン、N6
5′−O−ビス(ベンゾイル)−アデノシン、N6
5′−O−ビス(アセチル)−アデノシン、N6 ,5′
−O−ビス(t−ブチルジメチルシリル)−アデノシ
ン、N6 −ベンゾイル−5′−O−(ジメトキシトリチ
ル)−アデノシン等が例示できる。
【0022】本発明の方法においては、上記に一例とし
て例示した一般式(3)で表わされるアデノシン誘導体
の置換基R1 及びR2 、並びに具体的化合物にそれぞれ
対応する、一般式(1)で表わされる環状硫酸エステル
が原料となり、これを還元した後、加水分解が行われ
る。本発明においては、目的とする前記一般式(2)で
表わされるコルジセピン誘導体の置換基R1 及びR
2 は、上述した一般式(1)で表わされる環状硫酸エス
テルのR1 及びR2 にそれぞれ対応したものとなる。
【0023】(還元)本発明の方法においては、上記一
般式(1)で表わされる環状硫酸エステルを還元する。
還元は公知の手法が採用できるが、特に金属水素錯化合
物の存在下に行うのが好ましい。金属水素錯化合物とし
ては、具体的には、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホ
ウ素リチウム、シアン化水素化ホウ素ナトリウム、シア
ン化水素化ホウ素リチウム、水素化アルミニウムリチウ
ム、水素化アルミニウムナトリウム、水素化アルコキシ
アルミニウムリチウム等が挙げられる。工業的な取扱易
さから水素化ホウ素ナトリウムがより好ましい。
【0024】反応に用いられる金属水素錯化合物の量
は、特に制限はないが、前記環状硫酸エステルに対して
モル比で0.25〜10の範囲であることが好ましく、
特に0.5〜5の範囲であることが好ましい。反応に使
用する溶媒としては、反応を妨げないものなら特に制限
はない。その具体例としては、例えばジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル等のエーテル類、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性
溶媒類、メタノール、エタノール、2−プロパノール等
のアルコール類が挙げられ、これらは好ましいものであ
る。
【0025】使用する溶媒量は、前記環状硫酸エステル
100重量部に対して50〜10000重量部であるこ
とが好ましく、100〜5000重量部であることがよ
り好ましい。100重量部未満であると反応収率の低下
が大きく、また10000重量部を超えると反応速度の
低下が大きくなる。反応温度は、通常−20〜200
℃、好ましくは0〜150℃の範囲である。反応温度が
−20℃より低い場合には、反応速度が低くなり、20
0℃を超えると副反応が進行しやすくなり好ましくな
い。反応は好ましくは窒素、アルゴン等の不活性ガス雰
囲気下で実施する。反応時間は、反応温度により異なる
が、通常0.1〜200時間、好ましくは0.5〜50
時間の範囲である。
【0026】反応終了後は、反応液に塩酸、硫酸、硝酸
等の鉱酸水溶液等を加え、過剰の還元剤を分解した後、
そのまま加水分解反応を行う、溶媒を濃縮留去し続いて
加水分解反応を行う、抽出、晶析等の一般的手法で目的
物を単離した後加水分解反応を行う、の何れかの方法を
とることが可能である。
【0027】(加水分解)本発明の方法において、加水
分解は、酸性化合物の存在下に反応を行うことが好まし
い。酸性化合物の具体例としては、硫酸、塩酸、リン酸
等の無機酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、トリクロ
ロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフ
ルオロメタンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。反応
の収率、選択性から硫酸がより好ましい。反応に用いら
れる酸性化合物の量は、特に制限はないが、前記環状硫
酸エステルに対してモル比で0.25〜150の範囲で
あることが好ましく、特に0.5〜100の範囲である
ことが好ましい。
【0028】本発明の方法において、加水分解反応に
は、酸性化合物に加えて水を添加するのが好ましく、そ
の場合用いられる水の量は、特に制限はないが、前記環
状硫酸エステルに対してモル比で0.25〜150の範
囲であることが好ましく、特に0.5〜100の範囲で
あることが好ましい。反応に使用する溶媒としては、酸
性化合物および水を一部または全量溶解し、反応を妨げ
ないものなら特に制限はない。例えばジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル等のエーテル類、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性
溶媒類、メタノール、エタノール、2−プロパノール等
のアルコール類が挙げられ、これらは好ましいものであ
る。
【0029】使用する溶媒量は、前記環状硫酸エステル
100重量部に対して50〜10000重量部であるこ
とが好ましく、100〜5000重量部であることがよ
り好ましい。100重量部未満であると反応収率が低下
し、また10000重量部を超えると反応速度が低下す
るので好ましいものではない。反応温度は、通常、−2
0〜200℃、好ましくは0〜150℃の範囲が用いら
れる。反応温度が−20℃より低い場合には、反応速度
が低下し、200℃を超えると副反応が進行しやすくな
り好ましくない。反応は好ましくは窒素、アルゴン等の
不活性ガス雰囲気下で実施する。反応時間は、反応温度
により異なるが、通常0.1〜200時間、好ましくは
0.5〜50時間の範囲である。反応終了後は、必要に
応じて溶媒を濃縮留去して、抽出、蒸留、晶析、カラム
分離等の一般的手法を用いて、目的とする一般式(2)
で表わされるコルジセピン誘導体を単離することが可能
である。
【0030】
【実施例】以下に実施例、比較例及び参考例をあげて、
本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨
を超えない限り、これらの実施例に限定されるものでは
ない。生成物は、液体クロマトグラフィーを用い、内部
標準法によって定量分析し、純度を求めた。
【0031】参考例1(5′−O−トリチルアデノシン
の合成) 窒素置換した200ml容量の四つ口フラスコにアデノ
シン10.0g(37.4mmol)、脱水ピリジン4
0ml及び脱水N,N−ジメチルホルムアミド40ml
を加え撹拌した。トリチルクロライド12.52g(4
5.0mmol)を室温で6回に分けて添加し、その
後、室温で15時間撹拌を続けて反応を行った。反応終
了後、反応液を400mlのイオン交換水に滴下して晶
析した。固体を減圧濾過した後、さらに200mlのイ
オン交換水で2回洗浄し、固体を減圧下乾燥した。得ら
れた固体をピリジン150mlに80℃まで加熱しなが
ら溶解させた後、エタノール300mlを加え撹拌しな
がら再結晶を行った。析出した固体を減圧濾過し、エタ
ノール100mlで2回洗浄した後、50℃で3時間減
圧乾燥し、標題化合物7.90g(収率41%)を得
た。液体クロマトグラフィーにより分析したところ純度
は、99%であった。
【0032】参考例2(2′,3′−O−スルフリル−
5′−O−トリチルアデノシンの合成) 窒素置換した100ml容量の四つ口フラスコに5′−
O−トリチルアデノシン4.00g(7.85mmo
l)、塩化メチレン30ml、トリエチルアミン2.3
8g(23.5mmol)をこの順に加えた。反応液を
氷冷し、撹拌しながら塩化チオニル1.40g(11.
8mmol)を10分かけて滴下した。滴下終了後1時
間撹拌を続けた後氷浴を外し、さらに室温で1時間撹拌
を行った。反応終了後、イオン交換水30ml及び塩化
メチレン20mlを加え、分液ロートに移した。分液
後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液30ml及
びイオン交換水30mlで洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で脱水の後、溶媒を留去し薄褐色の固体4.16gを得
た。
【0033】続いて100ml容量のナス型フラスコに
得られた固体、アセトニトリル16ml、塩化メチレン
16ml、イオン交換水16ml、塩化ルテニウム0.
016g(0.077mmol)の順に加えた。反応混
合物に室温で過ヨウ素酸ナトリウム2.52g(11.
8mmol)を加え、2.5時間撹拌を行った。反応終
了後、塩化メチレン20mlを加え、分液ロートに移し
た。分液後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム10ml
及びイオン交換水10mlで洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで脱水した後、溶媒を留去し黒色の固体を得た。得ら
れた固体を酢酸エチルを溶媒としたショートシリカゲル
カラムクロマトグラフ(直径3cm、高さ10cm)で
処理し、溶媒を留去して標題化合物を薄黒色結晶として
4.03g(収率90%)得た。液体クロマトグラフィ
ーにより分析したところ純度は、99%であった。
【0034】実施例1(5′−O−トリチルコルジセピ
ンの合成) 窒素置換した50ml容量の四つ口フラスコに2′,
3′−O−スルフリル−5′−O−トリチルアデノシン
0.800g(1.40mmol)、ジメチルアセトア
ミド14mlを加えた。室温で95%純度の水素化ホウ
素ナトリウム0.084g(2.11mmol)を加え
た後、5.5時間撹拌を行った。反応終了後、溶媒を減
圧下留去し、テトラヒドロフラン14mlを加えた後、
反応液にイオン交換水0.114g(6.33mol)
及び98%硫酸0.112ml(2.10mmol)を
滴下し、さらに室温で5時間撹拌を行った。反応終了
後、テトラヒドロフラン20mlを加え、析出した固体
を濾別した後、減圧下溶媒を留去した。得られた油状物
質にクロロホルム40ml及びイオン交換水20mlを
加え分液し、さらに有機層をイオン交換水30mlで洗
浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した後、溶媒を留去し
薄褐色の固体0.537gを得た。得られた固体を塩化
メチレン/トルエン(容量比=1/4)の混合溶媒で再
結晶を行い、標題化合物を白色固体として0.415g
(収率60%)を得た。液体クロマトグラフィーにより
分析したところ純度は、99%であった。
【0035】実施例2 ジメチルアセトアミドの代わりにジメチルホルムアミド
14mlを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行
い、白色の固体0.401g(収率58%)を得た。液
体クロマトグラフィーにより分析したところ純度は、9
9%であった。
【0036】実施例3 ジメチルアセトアミドの代わりにテトラヒドロフラン1
4mlを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、
白色の固体0.395g(収率57%)を得た。液体ク
ロマトグラフィーにより分析したところ純度は、99%
であった。
【0037】実施例4 硫酸の代わりに塩酸0.218ml(2.10mmo
l)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、白
色の固体0.355g(収率51%)を得た。液体クロ
マトグラフィーにより分析したところ純度は、99%で
あった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 成田 真知子 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波研究所内 (72)発明者 高井 正樹 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 和田 康裕 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 大篭 祐二 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 4C057 AA19 BB02 CC05 DD01 LL18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)、 【化1】 (式中R1 、R2 は、それぞれ独立して水素原子、炭素
    数1〜20のアシル基、炭素数1〜18のアルキル基、
    炭素数7から25のアラルキル基または置換基の炭素数
    の合計が炭素数3から25のシリル基を表す)で表され
    る環状硫酸エステルを還元した後、加水分解することを
    特徴とする一般式(2) 【化2】 (式中R1 、R2 は一般式(1)と同義である)で表さ
    れるコルジセピン誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 還元が金属水素錯化合物の存在下に行わ
    れることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 加水分解が酸性化合物の存在下に行われ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 金属水素錯化合物が水素化ホウ素ナトリ
    ウムであることを特徴とする請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】 酸性化合物が硫酸であることを特徴とす
    る請求項3記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008038973A1 (en) * 2006-09-26 2008-04-03 Konkuk University Industrial Cooperation Corp. A pharmaceutical composition comprising cordycepin for the treatment and prevention of obesity
CN102242169A (zh) * 2011-06-17 2011-11-16 南京农业大学 一种生物催化制备虫草素酯化衍生物的方法

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