JP2001131140A - 摩擦発光性分子化合物およびその発光方法 - Google Patents
摩擦発光性分子化合物およびその発光方法Info
- Publication number
- JP2001131140A JP2001131140A JP31738699A JP31738699A JP2001131140A JP 2001131140 A JP2001131140 A JP 2001131140A JP 31738699 A JP31738699 A JP 31738699A JP 31738699 A JP31738699 A JP 31738699A JP 2001131140 A JP2001131140 A JP 2001131140A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hydroxy
- group
- substituted
- molecular compound
- water
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02B—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
- Y02B20/00—Energy efficient lighting technologies, e.g. halogen lamps or gas discharge lamps
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 熱的、化学的、物理的に安定で、しかも容易
にかつ安価に製造可能な、金属を含有しない摩擦発光物
質を提供することにある。 【解決手段】 式(1) 【化1】 (式中、各記号は明細書の通りである。)で表されるヒ
ドロキシ−置換オキシジフェニルスルホン、少なくとも
1種の非水溶性有機溶媒および水を含有してなることを
特徴とする分子化合物である。当該化合物は摩擦発光性
化合物であるので、機械的刺激、例えば摩擦、加圧、振
動等により発光し、表示材料に有用なものである。
にかつ安価に製造可能な、金属を含有しない摩擦発光物
質を提供することにある。 【解決手段】 式(1) 【化1】 (式中、各記号は明細書の通りである。)で表されるヒ
ドロキシ−置換オキシジフェニルスルホン、少なくとも
1種の非水溶性有機溶媒および水を含有してなることを
特徴とする分子化合物である。当該化合物は摩擦発光性
化合物であるので、機械的刺激、例えば摩擦、加圧、振
動等により発光し、表示材料に有用なものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は分子化合物に関し、
より詳しくは機械的刺激、例えば摩擦、加圧、振動等に
より発光(以下、摩擦発光と総称することもある)する
摩擦発光性化合物であって、表示材料に有用な分子化合
物(分子間化合物ともいわれている)に関する。
より詳しくは機械的刺激、例えば摩擦、加圧、振動等に
より発光(以下、摩擦発光と総称することもある)する
摩擦発光性化合物であって、表示材料に有用な分子化合
物(分子間化合物ともいわれている)に関する。
【0002】
【従来の技術】発光現象、即ちルミネッセンスとは、物
質がエネルギーを吸収することで励起状態となった後、
元の基底状態へ戻る過程において光を放射する現象であ
り、その励起の方法により、例えば、光発光(フォトル
ミネッセンス)、化学発光(ケミルミネッセンス)、放
射線発光(ラジオルミネッセンス)、摩擦発光(トリボ
ルミネッセンスあるいはメカノルミネッセンス)等に分
類されている。これらの発光あるいはルミネッセンス
は、応用上も、照明、微量物質の分析、光、放射能の検
出、発光表示素子等に広く利用されている。しかしなが
ら、摩擦発光に関する現象自体は古くから知られ、しか
も数多くの報告もされているにもかかわらず、実験技術
の困難さのため、そのメカニズムを解析した研究例も少
なく、また応用例も皆無に等しい。
質がエネルギーを吸収することで励起状態となった後、
元の基底状態へ戻る過程において光を放射する現象であ
り、その励起の方法により、例えば、光発光(フォトル
ミネッセンス)、化学発光(ケミルミネッセンス)、放
射線発光(ラジオルミネッセンス)、摩擦発光(トリボ
ルミネッセンスあるいはメカノルミネッセンス)等に分
類されている。これらの発光あるいはルミネッセンス
は、応用上も、照明、微量物質の分析、光、放射能の検
出、発光表示素子等に広く利用されている。しかしなが
ら、摩擦発光に関する現象自体は古くから知られ、しか
も数多くの報告もされているにもかかわらず、実験技術
の困難さのため、そのメカニズムを解析した研究例も少
なく、また応用例も皆無に等しい。
【0003】これらの摩擦発光するものとして、硫化亜
鉛やハロゲン化ナトリウム等に代表される無機物質(K
rist.Tech.1970,5,5等);高分子4
8巻3月号143頁(1999年)記載のユウロピウム
錯体や、特開昭56−136874号公報記載のユウロ
ピウムあるいはテルピウムからなる希土類元素含有ピコ
リン酸塩等の有機錯体;Chem.Mater.199
7年9巻1103−1115頁記載の9−アントラセン
カルボン酸およびそのエステル類や、Chemistr
y Letters 1997年315頁記載のベンズ
アルデヒド等の芳香族アルデヒド等の有機化合物等が知
られている。
鉛やハロゲン化ナトリウム等に代表される無機物質(K
rist.Tech.1970,5,5等);高分子4
8巻3月号143頁(1999年)記載のユウロピウム
錯体や、特開昭56−136874号公報記載のユウロ
ピウムあるいはテルピウムからなる希土類元素含有ピコ
リン酸塩等の有機錯体;Chem.Mater.199
7年9巻1103−1115頁記載の9−アントラセン
カルボン酸およびそのエステル類や、Chemistr
y Letters 1997年315頁記載のベンズ
アルデヒド等の芳香族アルデヒド等の有機化合物等が知
られている。
【0004】しかしながら、これらの発光物質にはその
製造の難しさや経済性の問題および物性上の問題があっ
た。例えば、無機物質の場合には、その製造過程に於い
て前処理、高温処理、アニーリング、再焼成、後処理等
の数多くの工程を経なければならず、しかもその製造条
件等は複雑であり、大量生産が困難である等の欠点があ
る。また有機錯体の場合には、製造工程が複雑で、さら
にその中心金属としてユウロピウムあるいはテルピウム
等の非常に高価な金属を使用しなければならず、経済的
でない等の問題があった。9−アントラセンカルボン酸
およびそのエステル類等に代表される有機化合物の場合
にも、高価な原料を使用しなければならないことおよび
その製造条件が厳しく工業的でない等の問題があった。
製造の難しさや経済性の問題および物性上の問題があっ
た。例えば、無機物質の場合には、その製造過程に於い
て前処理、高温処理、アニーリング、再焼成、後処理等
の数多くの工程を経なければならず、しかもその製造条
件等は複雑であり、大量生産が困難である等の欠点があ
る。また有機錯体の場合には、製造工程が複雑で、さら
にその中心金属としてユウロピウムあるいはテルピウム
等の非常に高価な金属を使用しなければならず、経済的
でない等の問題があった。9−アントラセンカルボン酸
およびそのエステル類等に代表される有機化合物の場合
にも、高価な原料を使用しなければならないことおよび
その製造条件が厳しく工業的でない等の問題があった。
【0005】さらに、これらの摩擦発光物質の発光現象
は、極めて低い温度、例えば77Kや不活性雰囲気下で
のみ観察されると言うものであったり、また摩擦発光物
質が光化学反応(例えば二量化)を受けて変質してしま
う等、これらの摩擦発光物質には熱的、化学的、物理的
に安定性が極めて悪いと言う致命的欠陥があり、結局、
実用的には殆ど意味の無いものであった。
は、極めて低い温度、例えば77Kや不活性雰囲気下で
のみ観察されると言うものであったり、また摩擦発光物
質が光化学反応(例えば二量化)を受けて変質してしま
う等、これらの摩擦発光物質には熱的、化学的、物理的
に安定性が極めて悪いと言う致命的欠陥があり、結局、
実用的には殆ど意味の無いものであった。
【0006】さらにまた、特開平11−124362号
公報には、4−ヒドロキシ−4’−置換オキシジフェニ
ルスルホンを構成成分とする分子化合物が開示されてい
るが、当該分子化合物が水分を構成成分とすること、お
よび摩擦発光性化合物となり得ることは開示されていな
い。
公報には、4−ヒドロキシ−4’−置換オキシジフェニ
ルスルホンを構成成分とする分子化合物が開示されてい
るが、当該分子化合物が水分を構成成分とすること、お
よび摩擦発光性化合物となり得ることは開示されていな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
摩擦発光物質(トリボルミネッセンスまたはメカノルミ
ネッセンス)には、製造上かつ物性安定性上の問題があ
るため、未だ充分満足できる摩擦発光物質は見出されて
いない。本発明の目的は、熱的、化学的、物理的に安定
で、しかも容易にかつ安価に製造可能な、金属を含有し
ない摩擦発光物質を提供することにある。
摩擦発光物質(トリボルミネッセンスまたはメカノルミ
ネッセンス)には、製造上かつ物性安定性上の問題があ
るため、未だ充分満足できる摩擦発光物質は見出されて
いない。本発明の目的は、熱的、化学的、物理的に安定
で、しかも容易にかつ安価に製造可能な、金属を含有し
ない摩擦発光物質を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】感熱記録紙の顕色剤とし
て公知の、式(1)
て公知の、式(1)
【0009】
【化2】
【0010】(式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は、
それぞれ同一または相異なって、水素原子、炭素数1〜
4のアルキル基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、ま
たは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコ
キシ基、ハロゲン原子、アミノ基およびニトロ基からな
る群より選ばれる少なくとも1つで置換されていてもよ
いフェニル基を表し、Rは、ハロゲン原子、水酸基およ
びハロゲン化アルコキシ基からなる群より選ばれる少な
くとも1つで置換されてもよい炭素数1〜18のアルキ
ル基、または置換されていてもよい炭素数7〜16のア
ラルキル基を表す。)で表されるヒドロキシ−置換オキ
シジフェニルスルホンについて、本発明者が鋭意検討し
た結果、このヒドロキシ−置換オキシジフェニルスルホ
ンが、少なくとも1種の非水溶性有機溶媒および水と共
に分子化合物を形成すること、および当該分子化合物が
摩擦発光することを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
それぞれ同一または相異なって、水素原子、炭素数1〜
4のアルキル基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、ま
たは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコ
キシ基、ハロゲン原子、アミノ基およびニトロ基からな
る群より選ばれる少なくとも1つで置換されていてもよ
いフェニル基を表し、Rは、ハロゲン原子、水酸基およ
びハロゲン化アルコキシ基からなる群より選ばれる少な
くとも1つで置換されてもよい炭素数1〜18のアルキ
ル基、または置換されていてもよい炭素数7〜16のア
ラルキル基を表す。)で表されるヒドロキシ−置換オキ
シジフェニルスルホンについて、本発明者が鋭意検討し
た結果、このヒドロキシ−置換オキシジフェニルスルホ
ンが、少なくとも1種の非水溶性有機溶媒および水と共
に分子化合物を形成すること、および当該分子化合物が
摩擦発光することを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0011】即ち、本発明は以下の通りである。 (1) 式(1)
【0012】
【化3】
【0013】(式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は、
それぞれ同一または相異なって、水素原子、炭素数1〜
4のアルキル基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、ま
たは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコ
キシ基、ハロゲン原子、アミノ基およびニトロ基からな
る群より選ばれる少なくとも1つで置換されていてもよ
いフェニル基を表し、Rは、ハロゲン原子、水酸基およ
びハロゲン化アルコキシ基からなる群より選ばれる少な
くとも1つで置換されてもよい炭素数1〜18のアルキ
ル基、または置換されていてもよい炭素数7〜16のア
ラルキル基を表す。)で表されるヒドロキシ−置換オキ
シジフェニルスルホン、少なくとも1種の非水溶性有機
溶媒および水を含有してなることを特徴とする分子化合
物。 (2) 式(1)で表されるヒドロキシ−置換オキシジフェ
ニルスルホンが、4−ヒドロキシ−4’−置換オキシジ
フェニルスルホンである、上記(1) に記載の分子化合
物。 (3) 式(1)において、R1 、R2 、R3 およびR4 が
水素原子である、上記(1) または(2) に記載の分子化合
物。 (4) 式(1)で表されるヒドロキシ−置換オキシジフェ
ニルスルホンが、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキ
シジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプ
ロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−
n−ブトキシジフェニルスルホンまたは4―ヒドロキシ
−4’−ベンジルオキシジフェニルスルホンである、上
記(1) に記載の分子化合物。 (5) 式(1)で表されるヒドロキシ−置換オキシジフェ
ニルスルホンが、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキ
シジフェニルスルホンである、上記(1) に記載の分子化
合物。 (6) 少なくとも1種の非水溶性有機溶媒が、芳香族炭化
水素からなる群より選ばれる、上記(1) 〜(5) のいずれ
かに記載の分子化合物。 (7) 式(1)で表されるヒドロキシ−置換オキシジフェ
ニルスルホン1モルに対し、非水溶性有機溶媒が0.0
1乃至2モル含有される、上記(1) 〜(6) のいずれかに
記載の分子化合物。 (8) 式(1)で表されるヒドロキシ−置換オキシジフェ
ニルスルホン1モルに対し、非水溶性有機溶媒が0.0
1乃至1.2モル含有される、上記(1) 〜(6) のいずれ
かに記載の分子化合物。 (9) 水が0.01乃至7重量%含有される、上記(1) 〜
(8) のいずれかに記載の分子化合物。 (10)水が0.01乃至3重量%含有される、上記(1) 〜
(8) のいずれかに記載の分子化合物。 (11)摩擦発光性化合物である、上記(1) 〜(10)のいずれ
かに記載の分子化合物。 (12)上記(11)に記載の分子化合物に機械的刺激を与えて
発光させることを特徴とする発光方法。
それぞれ同一または相異なって、水素原子、炭素数1〜
4のアルキル基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、ま
たは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコ
キシ基、ハロゲン原子、アミノ基およびニトロ基からな
る群より選ばれる少なくとも1つで置換されていてもよ
いフェニル基を表し、Rは、ハロゲン原子、水酸基およ
びハロゲン化アルコキシ基からなる群より選ばれる少な
くとも1つで置換されてもよい炭素数1〜18のアルキ
ル基、または置換されていてもよい炭素数7〜16のア
ラルキル基を表す。)で表されるヒドロキシ−置換オキ
シジフェニルスルホン、少なくとも1種の非水溶性有機
溶媒および水を含有してなることを特徴とする分子化合
物。 (2) 式(1)で表されるヒドロキシ−置換オキシジフェ
ニルスルホンが、4−ヒドロキシ−4’−置換オキシジ
フェニルスルホンである、上記(1) に記載の分子化合
物。 (3) 式(1)において、R1 、R2 、R3 およびR4 が
水素原子である、上記(1) または(2) に記載の分子化合
物。 (4) 式(1)で表されるヒドロキシ−置換オキシジフェ
ニルスルホンが、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキ
シジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプ
ロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−
n−ブトキシジフェニルスルホンまたは4―ヒドロキシ
−4’−ベンジルオキシジフェニルスルホンである、上
記(1) に記載の分子化合物。 (5) 式(1)で表されるヒドロキシ−置換オキシジフェ
ニルスルホンが、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキ
シジフェニルスルホンである、上記(1) に記載の分子化
合物。 (6) 少なくとも1種の非水溶性有機溶媒が、芳香族炭化
水素からなる群より選ばれる、上記(1) 〜(5) のいずれ
かに記載の分子化合物。 (7) 式(1)で表されるヒドロキシ−置換オキシジフェ
ニルスルホン1モルに対し、非水溶性有機溶媒が0.0
1乃至2モル含有される、上記(1) 〜(6) のいずれかに
記載の分子化合物。 (8) 式(1)で表されるヒドロキシ−置換オキシジフェ
ニルスルホン1モルに対し、非水溶性有機溶媒が0.0
1乃至1.2モル含有される、上記(1) 〜(6) のいずれ
かに記載の分子化合物。 (9) 水が0.01乃至7重量%含有される、上記(1) 〜
(8) のいずれかに記載の分子化合物。 (10)水が0.01乃至3重量%含有される、上記(1) 〜
(8) のいずれかに記載の分子化合物。 (11)摩擦発光性化合物である、上記(1) 〜(10)のいずれ
かに記載の分子化合物。 (12)上記(11)に記載の分子化合物に機械的刺激を与えて
発光させることを特徴とする発光方法。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おける分子化合物とは、単独で存在できる二種以上の化
合物が、水素結合あるいはファンデルワルス力等に代表
される共有結合以外の比較的弱い相互作用により結合し
た分子化合物である。例えば、水和物、溶媒和物、付加
物、包接化合物等が挙げられる。
おける分子化合物とは、単独で存在できる二種以上の化
合物が、水素結合あるいはファンデルワルス力等に代表
される共有結合以外の比較的弱い相互作用により結合し
た分子化合物である。例えば、水和物、溶媒和物、付加
物、包接化合物等が挙げられる。
【0015】本発明の分子化合物は、ヒドロキシ−置換
オキシジフェニルスルホン、少なくとも1種の非水溶性
有機溶媒および水を含有してなる分子化合物である。
オキシジフェニルスルホン、少なくとも1種の非水溶性
有機溶媒および水を含有してなる分子化合物である。
【0016】本発明の分子化合物の構成成分であるヒド
ロキシ−置換オキシジフェニルスルホンは、式(1)で
表される化合物である。
ロキシ−置換オキシジフェニルスルホンは、式(1)で
表される化合物である。
【0017】
【化4】
【0018】(式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は、
それぞれ同一または相異なって、水素原子、炭素数1〜
4のアルキル基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、ま
たは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコ
キシ基、ハロゲン原子、アミノ基およびニトロ基からな
る群より選ばれる少なくとも1つで置換されていてもよ
いフェニル基を表し、Rは、ハロゲン原子、水酸基およ
びハロゲン化アルコキシ基からなる群より選ばれる少な
くとも1つで置換されてもよい炭素数1〜18のアルキ
ル基、または置換されていてもよい炭素数7〜16のア
ラルキル基を表す。)
それぞれ同一または相異なって、水素原子、炭素数1〜
4のアルキル基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、ま
たは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコ
キシ基、ハロゲン原子、アミノ基およびニトロ基からな
る群より選ばれる少なくとも1つで置換されていてもよ
いフェニル基を表し、Rは、ハロゲン原子、水酸基およ
びハロゲン化アルコキシ基からなる群より選ばれる少な
くとも1つで置換されてもよい炭素数1〜18のアルキ
ル基、または置換されていてもよい炭素数7〜16のア
ラルキル基を表す。)
【0019】本発明において、R1 、R2 、R3 および
R4 における炭素数1〜4のアルキル基とは、直鎖状、
分岐鎖状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基
が例示される。R1 、R2 、R3 およびR4 における炭
素数5〜6のシクロアルキル基としては、例えば、シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基等が例示される。
R4 における炭素数1〜4のアルキル基とは、直鎖状、
分岐鎖状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基
が例示される。R1 、R2 、R3 およびR4 における炭
素数5〜6のシクロアルキル基としては、例えば、シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基等が例示される。
【0020】R1 、R2 、R3 およびR4 におけるフェ
ニル基は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4の
アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基およびニトロ基
からなる群より選ばれる少なくとも1つで置換されてい
てもよく、ここで、炭素数1〜4のアルキル基として
は、R1 、R2 、R3 およびR4 における炭素数1〜4
のアルキル基と同様の基が例示され、炭素数1〜4のア
ルコキシ基としては、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよ
く、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ
基、n−プロポキシ基等が例示され、ハロゲン原子とし
ては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が
例示される。上記置換基で置換されたフェニル基の具体
例としては、例えば、トリル基、メシチル基、tert
−ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、クロロフェ
ニル基等が例示される。
ニル基は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4の
アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基およびニトロ基
からなる群より選ばれる少なくとも1つで置換されてい
てもよく、ここで、炭素数1〜4のアルキル基として
は、R1 、R2 、R3 およびR4 における炭素数1〜4
のアルキル基と同様の基が例示され、炭素数1〜4のア
ルコキシ基としては、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよ
く、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ
基、n−プロポキシ基等が例示され、ハロゲン原子とし
ては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が
例示される。上記置換基で置換されたフェニル基の具体
例としては、例えば、トリル基、メシチル基、tert
−ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、クロロフェ
ニル基等が例示される。
【0021】Rにおける炭素数1〜18のアルキル基と
しては、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、好ましく
は炭素数3〜12であり、例えば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル
基、イソアミル基、n−ヘキシル基、n−ラウリル基等
が例示される。これらの炭素数1〜18のアルキル基
は、ハロゲン原子、水酸基およびハロゲン化アルコキシ
基からなる群より選ばれる少なくとも1つで置換されて
いてもよく、ここでハロゲン原子としては、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示され、ハロ
ゲン化アルコキシ基としては、そのハロゲン原子は上記
と同様の基が例示され、そのアルコキシ部は炭素数1〜
4であり、R1 〜R4 の説明において挙げたものと同様
の基が例示される。置換された炭素数1〜18のアルキ
ル基の具体例としては、例えば、2−クロロエチル基、
2−クロロエトキシエチル基、4−ブロモブチル基、3
−ヒドロキシプロピル基、3−クロロプロピル基等が例
示される。
しては、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、好ましく
は炭素数3〜12であり、例えば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル
基、イソアミル基、n−ヘキシル基、n−ラウリル基等
が例示される。これらの炭素数1〜18のアルキル基
は、ハロゲン原子、水酸基およびハロゲン化アルコキシ
基からなる群より選ばれる少なくとも1つで置換されて
いてもよく、ここでハロゲン原子としては、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示され、ハロ
ゲン化アルコキシ基としては、そのハロゲン原子は上記
と同様の基が例示され、そのアルコキシ部は炭素数1〜
4であり、R1 〜R4 の説明において挙げたものと同様
の基が例示される。置換された炭素数1〜18のアルキ
ル基の具体例としては、例えば、2−クロロエチル基、
2−クロロエトキシエチル基、4−ブロモブチル基、3
−ヒドロキシプロピル基、3−クロロプロピル基等が例
示される。
【0022】Rにおける炭素数7〜16のアラルキル基
のアルキル部としては、直鎖状、分岐鎖状のいずれでも
よく、炭素数1〜6であり、好ましくは炭素数1〜4で
あり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、
イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t
ert−ブチル基、イソブチル基等が例示され、またア
リール部としては、炭素数6〜10であり、例えば、フ
ェニル基、ナフチル基等が例示される。炭素数7〜16
のアラルキル基の具体例としては、ベンジル基、フェネ
チル基、α−フェネチル基、フェニルプロピル基等が例
示される。これらの炭素数7〜16のアラルキル基は置
換されていてもよく、その置換基としては、炭素数1〜
4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸
基、ハロゲン原子等が例示される。ここで、炭素数1〜
4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基およびハ
ロゲン原子としては、R1 〜R4 の説明において挙げた
ものと同様の基が例示される。上記置換基で置換された
炭素数7〜16のアラルキル基の具体例としては、p−
メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、p−メトキ
シベンジル基、2−ヒドロキシ−1−フェニルエチル
基、p−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基等が
例示される。
のアルキル部としては、直鎖状、分岐鎖状のいずれでも
よく、炭素数1〜6であり、好ましくは炭素数1〜4で
あり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、
イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t
ert−ブチル基、イソブチル基等が例示され、またア
リール部としては、炭素数6〜10であり、例えば、フ
ェニル基、ナフチル基等が例示される。炭素数7〜16
のアラルキル基の具体例としては、ベンジル基、フェネ
チル基、α−フェネチル基、フェニルプロピル基等が例
示される。これらの炭素数7〜16のアラルキル基は置
換されていてもよく、その置換基としては、炭素数1〜
4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸
基、ハロゲン原子等が例示される。ここで、炭素数1〜
4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基およびハ
ロゲン原子としては、R1 〜R4 の説明において挙げた
ものと同様の基が例示される。上記置換基で置換された
炭素数7〜16のアラルキル基の具体例としては、p−
メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、p−メトキ
シベンジル基、2−ヒドロキシ−1−フェニルエチル
基、p−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基等が
例示される。
【0023】上記式(1)で表されるヒドロキシ−置換
オキシジフェニルスルホンの中でも、下記式(2)
オキシジフェニルスルホンの中でも、下記式(2)
【0024】
【化5】
【0025】(式中、各記号は式(1)における各記号
と同義である。)で表される4−ヒドロキシ−4’−置
換オキシジフェニルスルホンが好ましく、特に、R1 、
R2 、R3 およびR4 が水素原子である、即ち、下記式
(3)
と同義である。)で表される4−ヒドロキシ−4’−置
換オキシジフェニルスルホンが好ましく、特に、R1 、
R2 、R3 およびR4 が水素原子である、即ち、下記式
(3)
【0026】
【化6】
【0027】(式中、Rは、式(1)におけるRと同義
である。)で表される4−ヒドロキシ−4’−置換オキ
シジフェニルスルホンが好ましい。
である。)で表される4−ヒドロキシ−4’−置換オキ
シジフェニルスルホンが好ましい。
【0028】上記式(3)で表される4−ヒドロキシ−
4’−置換オキシジフェニルスルホンの具体例として
は、4−ヒドロキシ−4’−エトキシジフェニルスルホ
ン、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニル
スルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフ
ェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−n−ブトキシ
ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソブト
キシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−t−
ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−
イソアミルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ
−4’−ヘキシルオキシジフェニルスルホン、4−ヒド
ロキシ−4’−n−ラウリルオキシジフェニルスルホ
ン、4−ヒドロキシ−4’−(2”─クロロエチルオキ
シ)ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−
(2”−クロロエトキシエチルオキシ)ジフェニルスル
ホン、4−ヒドロキシ−4’−(4”−ブロモブチルオ
キシ)ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−ベ
ンジルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−
4’−p−メチルベンジルオキシジフェニルスルホン、
4−ヒドロキシ−4’−m−メチルベンジルオキシジフ
ェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−p−メトキシ
ベンジルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−
4’−フェネチルオキシジフェニルスルホン、4−ヒド
ロキシ−4’−(3”−ヒドロキシプロピルオキシ)ジ
フェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−(2”−ヒ
ドロキシ−1”−フェニルエチルオキシ)ジフェニルス
ルホン等が挙げられる。
4’−置換オキシジフェニルスルホンの具体例として
は、4−ヒドロキシ−4’−エトキシジフェニルスルホ
ン、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニル
スルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフ
ェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−n−ブトキシ
ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソブト
キシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−t−
ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−
イソアミルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ
−4’−ヘキシルオキシジフェニルスルホン、4−ヒド
ロキシ−4’−n−ラウリルオキシジフェニルスルホ
ン、4−ヒドロキシ−4’−(2”─クロロエチルオキ
シ)ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−
(2”−クロロエトキシエチルオキシ)ジフェニルスル
ホン、4−ヒドロキシ−4’−(4”−ブロモブチルオ
キシ)ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−ベ
ンジルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−
4’−p−メチルベンジルオキシジフェニルスルホン、
4−ヒドロキシ−4’−m−メチルベンジルオキシジフ
ェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−p−メトキシ
ベンジルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−
4’−フェネチルオキシジフェニルスルホン、4−ヒド
ロキシ−4’−(3”−ヒドロキシプロピルオキシ)ジ
フェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−(2”−ヒ
ドロキシ−1”−フェニルエチルオキシ)ジフェニルス
ルホン等が挙げられる。
【0029】特に好ましくは、4−ヒドロキシ−4’−
n−プロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−
4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロ
キシ−4’−n−ブトキシジフェニルスルホン、4―ヒ
ドロキシ−4’−ベンジルオキシジフェニルスルホンで
ある。
n−プロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−
4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロ
キシ−4’−n−ブトキシジフェニルスルホン、4―ヒ
ドロキシ−4’−ベンジルオキシジフェニルスルホンで
ある。
【0030】上記式(1)で表されるヒドロキシ−置換
オキシジフェニルスルホンの具体例として、上記の具体
例以外に以下のものが挙げられる。即ち、2−ヒドロキ
シ−4’−置換オキシジフェニルスルホンの具体例とし
て、2−ヒドロキシ−4’−メトキシジフェニルスルホ
ン、2−ヒドロキシ−4’−エトキシジフェニルスルホ
ン、2−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニル
スルホン、2−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフ
ェニルスルホン、2−ヒドロキシ−4’−n−ブトキシ
ジフェニルスルホン、2−ヒドロキシ−4’−イソブト
キシジフェニルスルホン、2−ヒドロキシ−4’−se
c−ブトキシジフェニルスルホン、2−ヒドロキシ−
4’−tert−ブトキシジフェニルスルホン、2−ヒ
ドロキシ−4’−イソアミルオキシジフェニルスルホ
ン、2−ヒドロキシ−4’−ヘキシルオキシジフェニル
スルホン、2−ヒドロキシ−4’−n−ラウリルオキシ
ジフェニルスルホン、2−ヒドロキシ−4’−(2”−
クロロエチルオキシ)ジフェニルスルホン、2−ヒドロ
キシ−4’−(2”−クロロエトキシエチルオキシ)ジ
フェニルスルホン、2−ヒドロキシ−4’−(4”−ブ
ロモブチルオキシ)ジフェニルスルホン、2−ヒドロキ
シ−4’−ベンジルオキシジフェニルスルホン、2−ヒ
ドロキシ−4’−p−メチルベンジルオキシジフェニル
スルホン、2−ヒドロキシ−4’−m−メチルベンジル
オキシジフェニルスルホン、2−ヒドロキシ−4’−p
−メトキシベンジルオキシジフェニルスルホン、2−ヒ
ドロキシ−4’−フェネチルオキシジフェニルスルホ
ン、2−ヒドロキシ−4’−(3”−ヒドロキシプロピ
ルオキシ)ジフェニルスルホン、2−ヒドロキシ−4’
−(2”−ヒドロキシ−1”−フェニルエチルオキシ)
ジフェニルスルホン等;4−ヒドロキシ−2’−置換オ
キシジフェニルスルホンの具体例として、4−ヒドロキ
シ−2’−メトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキ
シ−2’−エトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキ
シ−2’−n−プロポキシジフェニルスルホン、4−ヒ
ドロキシ−2’−イソプロポキシジフェニルスルホン、
4−ヒドロキシ−2’−n−ブトキシジフェニルスルホ
ン、4−ヒドロキシ−2’−イソブトキシジフェニルス
ルホン、4−ヒドロキシ−2’−tert−ブトキシジ
フェニルスルホン、4−ヒドロキシ−2’−イソアミル
オキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−2’−ヘ
キシルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−
2’−n−ラウリルオキシジフェニルスルホン、4−ヒ
ドロキシ−2’−(2”−クロロエチルオキシ)ジフェ
ニルスルホン、4−ヒドロキシ−2’−(2”−クロロ
エトキシエチルオキシ)ジフェニルスルホン、4−ヒド
ロキシ−2’−(4”−ブロモブチルオキシ)ジフェニ
ルスルホン、4−ヒドロキシ−2’−ベンジルオキシジ
フェニルスルホン、4−ヒドロキシ−2’−p−メチル
ベンジルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−
2’−m−メチルベンジルオキシジフェニルスルホン、
4−ヒドロキシ−2’−p−メトキシベンジルオキシジ
フェニルスルホン、4−ヒドロキシ−2’−フェネチル
オキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−2’−
(3”−ヒドロキシプロピルオキシ)ジフェニルスルホ
ン、4−ヒドロキシ−2’−(2”−ヒドロキシ−1”
−フェニルエチルオキシ)ジフェニルスルホン等;がそ
れぞれ例示される。これらの例示以外にも、上記の例示
と対応する、3−ヒドロキシ−4’−置換オキシジフェ
ニルスルホン、4−ヒドロキシ−3’−置換オキシジフ
ェニルスルホン、3−ヒドロキシ−2’−置換オキシジ
フェニルスルホン、2−ヒドロキシ−3’−置換オキシ
ジフェニルスルホン、3−ヒドロキシ−3’−置換オキ
シジフェニルスルホン、2−ヒドロキシ−2’−置換オ
キシジフェニルスルホンもそれぞれ同様に例示される。
オキシジフェニルスルホンの具体例として、上記の具体
例以外に以下のものが挙げられる。即ち、2−ヒドロキ
シ−4’−置換オキシジフェニルスルホンの具体例とし
て、2−ヒドロキシ−4’−メトキシジフェニルスルホ
ン、2−ヒドロキシ−4’−エトキシジフェニルスルホ
ン、2−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニル
スルホン、2−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフ
ェニルスルホン、2−ヒドロキシ−4’−n−ブトキシ
ジフェニルスルホン、2−ヒドロキシ−4’−イソブト
キシジフェニルスルホン、2−ヒドロキシ−4’−se
c−ブトキシジフェニルスルホン、2−ヒドロキシ−
4’−tert−ブトキシジフェニルスルホン、2−ヒ
ドロキシ−4’−イソアミルオキシジフェニルスルホ
ン、2−ヒドロキシ−4’−ヘキシルオキシジフェニル
スルホン、2−ヒドロキシ−4’−n−ラウリルオキシ
ジフェニルスルホン、2−ヒドロキシ−4’−(2”−
クロロエチルオキシ)ジフェニルスルホン、2−ヒドロ
キシ−4’−(2”−クロロエトキシエチルオキシ)ジ
フェニルスルホン、2−ヒドロキシ−4’−(4”−ブ
ロモブチルオキシ)ジフェニルスルホン、2−ヒドロキ
シ−4’−ベンジルオキシジフェニルスルホン、2−ヒ
ドロキシ−4’−p−メチルベンジルオキシジフェニル
スルホン、2−ヒドロキシ−4’−m−メチルベンジル
オキシジフェニルスルホン、2−ヒドロキシ−4’−p
−メトキシベンジルオキシジフェニルスルホン、2−ヒ
ドロキシ−4’−フェネチルオキシジフェニルスルホ
ン、2−ヒドロキシ−4’−(3”−ヒドロキシプロピ
ルオキシ)ジフェニルスルホン、2−ヒドロキシ−4’
−(2”−ヒドロキシ−1”−フェニルエチルオキシ)
ジフェニルスルホン等;4−ヒドロキシ−2’−置換オ
キシジフェニルスルホンの具体例として、4−ヒドロキ
シ−2’−メトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキ
シ−2’−エトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキ
シ−2’−n−プロポキシジフェニルスルホン、4−ヒ
ドロキシ−2’−イソプロポキシジフェニルスルホン、
4−ヒドロキシ−2’−n−ブトキシジフェニルスルホ
ン、4−ヒドロキシ−2’−イソブトキシジフェニルス
ルホン、4−ヒドロキシ−2’−tert−ブトキシジ
フェニルスルホン、4−ヒドロキシ−2’−イソアミル
オキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−2’−ヘ
キシルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−
2’−n−ラウリルオキシジフェニルスルホン、4−ヒ
ドロキシ−2’−(2”−クロロエチルオキシ)ジフェ
ニルスルホン、4−ヒドロキシ−2’−(2”−クロロ
エトキシエチルオキシ)ジフェニルスルホン、4−ヒド
ロキシ−2’−(4”−ブロモブチルオキシ)ジフェニ
ルスルホン、4−ヒドロキシ−2’−ベンジルオキシジ
フェニルスルホン、4−ヒドロキシ−2’−p−メチル
ベンジルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−
2’−m−メチルベンジルオキシジフェニルスルホン、
4−ヒドロキシ−2’−p−メトキシベンジルオキシジ
フェニルスルホン、4−ヒドロキシ−2’−フェネチル
オキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−2’−
(3”−ヒドロキシプロピルオキシ)ジフェニルスルホ
ン、4−ヒドロキシ−2’−(2”−ヒドロキシ−1”
−フェニルエチルオキシ)ジフェニルスルホン等;がそ
れぞれ例示される。これらの例示以外にも、上記の例示
と対応する、3−ヒドロキシ−4’−置換オキシジフェ
ニルスルホン、4−ヒドロキシ−3’−置換オキシジフ
ェニルスルホン、3−ヒドロキシ−2’−置換オキシジ
フェニルスルホン、2−ヒドロキシ−3’−置換オキシ
ジフェニルスルホン、3−ヒドロキシ−3’−置換オキ
シジフェニルスルホン、2−ヒドロキシ−2’−置換オ
キシジフェニルスルホンもそれぞれ同様に例示される。
【0031】本発明の分子化合物の構成成分である非水
溶性有機溶媒において、「非水溶性有機溶媒」とは、水
と任意の割合で均一に混合できないものであって、通
常、水と混合した場合に二相に相分離するような有機溶
媒をいい、例えば、ヘキサン、ノナン、デカン、ヘキサ
デカン等の脂肪族炭化水素;p−メンタン、ボルナン、
ノルボルナン等のテルペン炭化水素;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、メシチレン等の単環芳香族炭化水素;ナ
フタレン、アズレン、インデン、フルオレン、フェナン
トレン、アントラセン等の縮合多環芳香族炭化水素;テ
トラリン、インダン等の水素化縮合多環芳香族炭化水
素;ビシクロオクタン等の有橋炭化水素;スピロオクタ
ン等のスピロ炭化水素;2−フェニルナフタレン、p−
ターフェニル等の2個またはそれ以上の単環が単結合あ
るいは二重結合で直接結合した芳香族炭化水素;メチル
イソブチルケトン等のケトン化合物;酢酸エチル、酢酸
ブチル、サリチル酸メチル等のエステル化合物;ジエチ
ルエーテル、アニソール、ジメトキシエタン、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテル等のエーテル化合物;沃
化メチル、クロロブタン、ノニルブロマイド、セチルブ
ロマイド、イソセチルクロライド、ジクロロエタン、ジ
クロロブタン、ジブロモヘキサン、クロロホルム、トリ
クロロエチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、
ブロムベンゼン、塩化ベンジル、臭化ベンジル、塩化ベ
ンザル、ハロゲン置換ナフタレン、ハロゲン置換された
芳香族炭化水素等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
これらのうち、好ましい非水溶性有機溶媒としては、ト
ルエン、キシレン、メシチレン、ナフタレン、アントラ
セン等の芳香族炭化水素であり、より好ましくは、トル
エン、キシレン、メシチレンである。これらの溶媒は単
独あるいは二種類以上混合して用いてもよい。
溶性有機溶媒において、「非水溶性有機溶媒」とは、水
と任意の割合で均一に混合できないものであって、通
常、水と混合した場合に二相に相分離するような有機溶
媒をいい、例えば、ヘキサン、ノナン、デカン、ヘキサ
デカン等の脂肪族炭化水素;p−メンタン、ボルナン、
ノルボルナン等のテルペン炭化水素;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、メシチレン等の単環芳香族炭化水素;ナ
フタレン、アズレン、インデン、フルオレン、フェナン
トレン、アントラセン等の縮合多環芳香族炭化水素;テ
トラリン、インダン等の水素化縮合多環芳香族炭化水
素;ビシクロオクタン等の有橋炭化水素;スピロオクタ
ン等のスピロ炭化水素;2−フェニルナフタレン、p−
ターフェニル等の2個またはそれ以上の単環が単結合あ
るいは二重結合で直接結合した芳香族炭化水素;メチル
イソブチルケトン等のケトン化合物;酢酸エチル、酢酸
ブチル、サリチル酸メチル等のエステル化合物;ジエチ
ルエーテル、アニソール、ジメトキシエタン、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテル等のエーテル化合物;沃
化メチル、クロロブタン、ノニルブロマイド、セチルブ
ロマイド、イソセチルクロライド、ジクロロエタン、ジ
クロロブタン、ジブロモヘキサン、クロロホルム、トリ
クロロエチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、
ブロムベンゼン、塩化ベンジル、臭化ベンジル、塩化ベ
ンザル、ハロゲン置換ナフタレン、ハロゲン置換された
芳香族炭化水素等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
これらのうち、好ましい非水溶性有機溶媒としては、ト
ルエン、キシレン、メシチレン、ナフタレン、アントラ
セン等の芳香族炭化水素であり、より好ましくは、トル
エン、キシレン、メシチレンである。これらの溶媒は単
独あるいは二種類以上混合して用いてもよい。
【0032】本発明の分子化合物においては、式(1)
で表されるヒドロキシ−置換オキシジフェニルスルホン
1モルに対し、非水溶性有機溶媒が、好ましくは0.0
1乃至2モル、より好ましくは0.01乃至1.2モ
ル、さらに好ましくは0.05乃至1.2モル含有さ
れ、より強い摩擦発光が得られることから、0.1乃至
1.1モル含有されることが特に好ましい。ヒドロキシ
−置換オキシジフェニルスルホンに対する非水溶性有機
溶媒の含有割合が0.01モル未満であると、発光が微
弱となり、逆に2モルを超えると、過剰の非水溶性有機
溶媒による臭いが著しく、衛生上好ましくない。
で表されるヒドロキシ−置換オキシジフェニルスルホン
1モルに対し、非水溶性有機溶媒が、好ましくは0.0
1乃至2モル、より好ましくは0.01乃至1.2モ
ル、さらに好ましくは0.05乃至1.2モル含有さ
れ、より強い摩擦発光が得られることから、0.1乃至
1.1モル含有されることが特に好ましい。ヒドロキシ
−置換オキシジフェニルスルホンに対する非水溶性有機
溶媒の含有割合が0.01モル未満であると、発光が微
弱となり、逆に2モルを超えると、過剰の非水溶性有機
溶媒による臭いが著しく、衛生上好ましくない。
【0033】本発明の分子化合物の構成成分である水
は、分子化合物中、好ましくは0.01乃至7重量%、
より好ましくは0.01乃至3重量%含有され、より強
い摩擦発光が得られることから、0.1乃至2重量%含
有されることが特に好ましい。水の含有量が0.01重
量%未満であると発光が微弱となり、逆に7重量%を超
えると発光しなくなるおそれがあり、好ましくない。
は、分子化合物中、好ましくは0.01乃至7重量%、
より好ましくは0.01乃至3重量%含有され、より強
い摩擦発光が得られることから、0.1乃至2重量%含
有されることが特に好ましい。水の含有量が0.01重
量%未満であると発光が微弱となり、逆に7重量%を超
えると発光しなくなるおそれがあり、好ましくない。
【0034】本発明の分子化合物は、例えば、式(1)
で表されるヒドロキシ−置換オキシジフェニルスルホン
を、非水溶性有機溶媒に、または水を含有する非水溶性
有機溶媒に溶解した後、析出した結晶を濾過して得られ
た結晶であるか、あるいは、この得られた結晶を所望の
水分量となるまで、高湿度下(例えば、相対湿度70%
以上)に長時間(例えば、6時間〜約10日間)放置し
て湿潤させた結晶であり、即ち、非水溶性有機溶媒と水
を含有してなる結晶性の分子化合物であり、このような
本発明の分子化合物の結晶のみが摩擦発光する。
で表されるヒドロキシ−置換オキシジフェニルスルホン
を、非水溶性有機溶媒に、または水を含有する非水溶性
有機溶媒に溶解した後、析出した結晶を濾過して得られ
た結晶であるか、あるいは、この得られた結晶を所望の
水分量となるまで、高湿度下(例えば、相対湿度70%
以上)に長時間(例えば、6時間〜約10日間)放置し
て湿潤させた結晶であり、即ち、非水溶性有機溶媒と水
を含有してなる結晶性の分子化合物であり、このような
本発明の分子化合物の結晶のみが摩擦発光する。
【0035】しかし、式(1)で表されるヒドロキシ−
置換オキシジフェニルスルホンを、非水溶性有機溶媒に
溶解せずに単に湿潤させるのみにより得られた結晶で
は、摩擦発光しない。また、ヒドロキシ−置換オキシジ
フェニルスルホンと非水溶性有機溶媒からなる分子化合
物や、ヒドロキシ−置換オキシジフェニルスルホンと水
からなる分子化合物も摩擦発光しない。
置換オキシジフェニルスルホンを、非水溶性有機溶媒に
溶解せずに単に湿潤させるのみにより得られた結晶で
は、摩擦発光しない。また、ヒドロキシ−置換オキシジ
フェニルスルホンと非水溶性有機溶媒からなる分子化合
物や、ヒドロキシ−置換オキシジフェニルスルホンと水
からなる分子化合物も摩擦発光しない。
【0036】本発明の分子化合物は、例えば、式(1)
で表されるヒドロキシ−置換オキシジフェニルスルホン
を、水と非水溶性有機溶媒の二層系溶液に加熱溶解した
後、水層を分液除去し、非水溶性有機溶媒の層を冷却し
て、析出した結晶を濾過することにより、容易に調製で
きる。また、非水溶性有機溶媒に加熱溶解した後、冷却
して結晶を得た後、水分量が所望量となるまで、この結
晶を高湿度下(例えば、相対湿度70%以上)に長時間
(例えば、6時間〜約10日間)放置することによって
も、容易に調製することができる。上記のようにして調
製される本発明の分子化合物は、非水溶性有機溶媒と水
を含有してなる結晶性の分子化合物であり、このような
分子化合物の結晶だけが摩擦発光する。
で表されるヒドロキシ−置換オキシジフェニルスルホン
を、水と非水溶性有機溶媒の二層系溶液に加熱溶解した
後、水層を分液除去し、非水溶性有機溶媒の層を冷却し
て、析出した結晶を濾過することにより、容易に調製で
きる。また、非水溶性有機溶媒に加熱溶解した後、冷却
して結晶を得た後、水分量が所望量となるまで、この結
晶を高湿度下(例えば、相対湿度70%以上)に長時間
(例えば、6時間〜約10日間)放置することによって
も、容易に調製することができる。上記のようにして調
製される本発明の分子化合物は、非水溶性有機溶媒と水
を含有してなる結晶性の分子化合物であり、このような
分子化合物の結晶だけが摩擦発光する。
【0037】本発明の分子化合物は、通常結晶固体であ
るが、アモルファスまたは油状の場合もあり、結晶多形
をとることもある。しかし、これらの形態に係わりな
く、上記一般式(1)で表されるヒドロキシ−置換オキ
シジフェニルスルホン、少なくとも1種の非水溶性有機
溶媒および水を含有してなる分子化合物は、全て本発明
の分子化合物に属する。
るが、アモルファスまたは油状の場合もあり、結晶多形
をとることもある。しかし、これらの形態に係わりな
く、上記一般式(1)で表されるヒドロキシ−置換オキ
シジフェニルスルホン、少なくとも1種の非水溶性有機
溶媒および水を含有してなる分子化合物は、全て本発明
の分子化合物に属する。
【0038】得られた物質が確かに本発明の分子化合物
であることは、熱分析(TG、DTA)、赤外吸収スペ
クトル、X線回折パターン、固体NMRスペクトル等に
より確認することができる。また、その分子化合物の組
成は、 1H−NMRスペクトル、高速液体クロマトグラ
フィー(HPLC)、元素分析、カールフィシャー法に
よる水分分析等により確認することができる。
であることは、熱分析(TG、DTA)、赤外吸収スペ
クトル、X線回折パターン、固体NMRスペクトル等に
より確認することができる。また、その分子化合物の組
成は、 1H−NMRスペクトル、高速液体クロマトグラ
フィー(HPLC)、元素分析、カールフィシャー法に
よる水分分析等により確認することができる。
【0039】以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0040】実施例1 4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスル
ホン29g、水50gおよびトルエン200gを500
mlフラスコに仕込み加熱溶解した。静置後、水層を分
液し、トルエン層を冷却すると結晶が析出した。結晶を
減圧下に濾取し得られた結晶を常温、常圧、大気開放下
にステンレス製のスパテルで加圧した所、青白色の発光
が見られた。また、この結晶を同じ条件下で振動を加え
た時も青白色の発光が見られた。この結晶の 1H−NM
Rスペクトルを測定すると、4−ヒドロキシ−4’−イ
ソプロポキシジフェニルスルホンとトルエンのモル比は
1:1.0であった。また、カールフィシャー測定法に
よる水分含量は2.8重量%であった。(以下、カール
フィシャー測定法による水分含量は、例えばKF2.8
%と表示する。)
ホン29g、水50gおよびトルエン200gを500
mlフラスコに仕込み加熱溶解した。静置後、水層を分
液し、トルエン層を冷却すると結晶が析出した。結晶を
減圧下に濾取し得られた結晶を常温、常圧、大気開放下
にステンレス製のスパテルで加圧した所、青白色の発光
が見られた。また、この結晶を同じ条件下で振動を加え
た時も青白色の発光が見られた。この結晶の 1H−NM
Rスペクトルを測定すると、4−ヒドロキシ−4’−イ
ソプロポキシジフェニルスルホンとトルエンのモル比は
1:1.0であった。また、カールフィシャー測定法に
よる水分含量は2.8重量%であった。(以下、カール
フィシャー測定法による水分含量は、例えばKF2.8
%と表示する。)
【0041】実施例2 実施例1において、トルエンをm−キシレンにかえたこ
と以外は、実施例1と同様の操作により結晶を得た。得
られた結晶を常温、常圧、大気開放下にステンレス製の
スパテルで加圧した所、青白色の発光が見られた。ま
た、この結晶を同じ条件下で振動を加えた時も青白色の
発光が見られた。この結晶の 1H−NMRスペクトルを
測定すると、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジ
フェニルスルホンとm−キシレンのモル比は1:1.1
であった。この結晶の水分含量はKF0.23%であっ
た。
と以外は、実施例1と同様の操作により結晶を得た。得
られた結晶を常温、常圧、大気開放下にステンレス製の
スパテルで加圧した所、青白色の発光が見られた。ま
た、この結晶を同じ条件下で振動を加えた時も青白色の
発光が見られた。この結晶の 1H−NMRスペクトルを
測定すると、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジ
フェニルスルホンとm−キシレンのモル比は1:1.1
であった。この結晶の水分含量はKF0.23%であっ
た。
【0042】実施例3 4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスル
ホン29g、トルエン200gを500mlフラスコに
仕込み加熱溶解した。トルエン層を冷却すると結晶が析
出した。結晶を減圧下に濾取し結晶を得た。この結晶の
水分含量はKF0.1%であった。この結晶を常温、相
対湿度95%の条件下に、12時間静置して水分量をK
F1.8%とした。この結晶を常温、常圧、大気開放下
にステンレス製のスパテルで加圧した所、青白色の発光
が見られた。また、この結晶を同じ条件下で振動を加え
た時も青白色の発光が見られた。この結晶の 1H−NM
Rスペクトルを測定すると、4−ヒドロキシ−4’−イ
ソプロポキシジフェニルスルホンとトルエンのモル比は
1:0.9であった。
ホン29g、トルエン200gを500mlフラスコに
仕込み加熱溶解した。トルエン層を冷却すると結晶が析
出した。結晶を減圧下に濾取し結晶を得た。この結晶の
水分含量はKF0.1%であった。この結晶を常温、相
対湿度95%の条件下に、12時間静置して水分量をK
F1.8%とした。この結晶を常温、常圧、大気開放下
にステンレス製のスパテルで加圧した所、青白色の発光
が見られた。また、この結晶を同じ条件下で振動を加え
た時も青白色の発光が見られた。この結晶の 1H−NM
Rスペクトルを測定すると、4−ヒドロキシ−4’−イ
ソプロポキシジフェニルスルホンとトルエンのモル比は
1:0.9であった。
【0043】実施例4 4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスル
ホン300g、水2gおよびトルエン2000gを30
00mlフラスコに仕込み加熱溶解した。静置後、水層
を分液し、トルエン層を冷却すると結晶が析出した。結
晶を減圧下に濾取し得られた結晶を常温、常圧、大気開
放下にステンレス製のスパテルで加圧した所、青白色の
発光が見られた。また、この結晶を同じ条件下で振動を
加えた時も青白色の発光が見られた。この結晶の 1H−
NMRスペクトルを測定すると、4−ヒドロキシ−4’
−イソプロポキシジフェニルスルホンとトルエンのモル
比は1:0.9であった。また、この結晶の水分含量は
KF0.14%であった。
ホン300g、水2gおよびトルエン2000gを30
00mlフラスコに仕込み加熱溶解した。静置後、水層
を分液し、トルエン層を冷却すると結晶が析出した。結
晶を減圧下に濾取し得られた結晶を常温、常圧、大気開
放下にステンレス製のスパテルで加圧した所、青白色の
発光が見られた。また、この結晶を同じ条件下で振動を
加えた時も青白色の発光が見られた。この結晶の 1H−
NMRスペクトルを測定すると、4−ヒドロキシ−4’
−イソプロポキシジフェニルスルホンとトルエンのモル
比は1:0.9であった。また、この結晶の水分含量は
KF0.14%であった。
【0044】参考例1 実施例1の結晶を50℃で通風乾燥し、この結晶につい
てNMRスペクトルを測定すると、トルエンの存在は確
認されなかった。またこの結晶の水分含量はKF5.9
%であった。このトルエンを含有しない結晶に振動を加
えても、ステンレス製スパテルで加圧しても発光は認め
られなかった。また、この結晶を減圧乾燥して得られる
トルエンおよび水を含有しない結晶に振動あるいは加圧
等の刺激を加えても何等発光現象は認められなかった。
さらに、この乾燥結晶を再度トルエンに浸した後、濾取
して結晶を得た。この結晶の 1H−NMRスペクトルを
測定すると、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジ
フェニルスルホンとトルエンのモル比は1:0.8であ
ったが、上記と同様の加圧あるいは振動の操作を加えて
も発光しなかった。
てNMRスペクトルを測定すると、トルエンの存在は確
認されなかった。またこの結晶の水分含量はKF5.9
%であった。このトルエンを含有しない結晶に振動を加
えても、ステンレス製スパテルで加圧しても発光は認め
られなかった。また、この結晶を減圧乾燥して得られる
トルエンおよび水を含有しない結晶に振動あるいは加圧
等の刺激を加えても何等発光現象は認められなかった。
さらに、この乾燥結晶を再度トルエンに浸した後、濾取
して結晶を得た。この結晶の 1H−NMRスペクトルを
測定すると、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジ
フェニルスルホンとトルエンのモル比は1:0.8であ
ったが、上記と同様の加圧あるいは振動の操作を加えて
も発光しなかった。
【0045】参考例2 4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスル
ホン29gをメタノール50gに溶解した。この溶液に
水200g加え結晶を析出させて結晶を得た。この結晶
の水分含量はKF5.8%であった。この結晶は機械的
な刺激を加えても発光しなかった。
ホン29gをメタノール50gに溶解した。この溶液に
水200g加え結晶を析出させて結晶を得た。この結晶
の水分含量はKF5.8%であった。この結晶は機械的
な刺激を加えても発光しなかった。
【0046】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
分子化合物は、常温、常圧、大気開放下で、熱的、化学
的、物理的に安定的に存在し、機械的刺激、例えば摩
擦、加圧、振動等により安定に発光できるので、光、電
気等の励起源のない環境下の表示あるいは光源として利
用できる可能性があり、産業上有用となり得る。さらに
安価な原料が構成成分であることと容易に製造可能であ
ることから、本発明の分子化合物を工業的大量生産でき
るため、経済的にも有用である。
分子化合物は、常温、常圧、大気開放下で、熱的、化学
的、物理的に安定的に存在し、機械的刺激、例えば摩
擦、加圧、振動等により安定に発光できるので、光、電
気等の励起源のない環境下の表示あるいは光源として利
用できる可能性があり、産業上有用となり得る。さらに
安価な原料が構成成分であることと容易に製造可能であ
ることから、本発明の分子化合物を工業的大量生産でき
るため、経済的にも有用である。
Claims (12)
- 【請求項1】 式(1) 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は、それぞれ同一
または相異なって、水素原子、炭素数1〜4のアルキル
基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、または炭素数1
〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロ
ゲン原子、アミノ基およびニトロ基からなる群より選ば
れる少なくとも1つで置換されていてもよいフェニル基
を表し、Rは、ハロゲン原子、水酸基およびハロゲン化
アルコキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1つで
置換されてもよい炭素数1〜18のアルキル基、または
置換されていてもよい炭素数7〜16のアラルキル基を
表す。)で表されるヒドロキシ−置換オキシジフェニル
スルホン、少なくとも1種の非水溶性有機溶媒および水
を含有してなることを特徴とする分子化合物。 - 【請求項2】 式(1)で表されるヒドロキシ−置換オ
キシジフェニルスルホンが、4−ヒドロキシ−4’−置
換オキシジフェニルスルホンである、請求項1に記載の
分子化合物。 - 【請求項3】 式(1)において、R1 、R2 、R3 お
よびR4 が水素原子である、請求項1または2に記載の
分子化合物。 - 【請求項4】 式(1)で表されるヒドロキシ−置換オ
キシジフェニルスルホンが、4−ヒドロキシ−4’−n
−プロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−
4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロ
キシ−4’−n−ブトキシジフェニルスルホンまたは4
―ヒドロキシ−4’−ベンジルオキシジフェニルスルホ
ンである、請求項1に記載の分子化合物。 - 【請求項5】 式(1)で表されるヒドロキシ−置換オ
キシジフェニルスルホンが、4−ヒドロキシ−4’−イ
ソプロポキシジフェニルスルホンである、請求項1に記
載の分子化合物。 - 【請求項6】 少なくとも1種の非水溶性有機溶媒が、
芳香族炭化水素からなる群より選ばれる、請求項1〜5
のいずれかに記載の分子化合物。 - 【請求項7】 式(1)で表されるヒドロキシ−置換オ
キシジフェニルスルホン1モルに対し、非水溶性有機溶
媒が0.01乃至2モル含有される、請求項1〜6のい
ずれかに記載の分子化合物。 - 【請求項8】 式(1)で表されるヒドロキシ−置換オ
キシジフェニルスルホン1モルに対し、非水溶性有機溶
媒が0.01乃至1.2モル含有される、請求項1〜6
のいずれかに記載の分子化合物。 - 【請求項9】 水が0.01乃至7重量%含有される、
請求項1〜8のいずれかに記載の分子化合物。 - 【請求項10】 水が0.01乃至3重量%含有され
る、請求項1〜8のいずれかに記載の分子化合物。 - 【請求項11】 摩擦発光性化合物である、請求項1〜
10のいずれかに記載の分子化合物。 - 【請求項12】 請求項11に記載の分子化合物に機械
的刺激を与えて発光させることを特徴とする発光方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31738699A JP2001131140A (ja) | 1999-11-08 | 1999-11-08 | 摩擦発光性分子化合物およびその発光方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31738699A JP2001131140A (ja) | 1999-11-08 | 1999-11-08 | 摩擦発光性分子化合物およびその発光方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001131140A true JP2001131140A (ja) | 2001-05-15 |
Family
ID=18087683
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31738699A Withdrawn JP2001131140A (ja) | 1999-11-08 | 1999-11-08 | 摩擦発光性分子化合物およびその発光方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001131140A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100949378B1 (ko) | 2007-12-31 | 2010-03-25 | 제일모직주식회사 | 유기광전소자용 화합물 및 이를 포함하는 유기광전소자 |
RU2484117C2 (ru) * | 2011-03-30 | 2013-06-10 | Учреждение Российской Академии Наук Институт Проблем Химической Физики Ран (Ипхф Ран) | Применение производных 4-бифенилкарбоновой кислоты в качестве органического механолюминесцентного материала и механолюминесцентная композиция |
-
1999
- 1999-11-08 JP JP31738699A patent/JP2001131140A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100949378B1 (ko) | 2007-12-31 | 2010-03-25 | 제일모직주식회사 | 유기광전소자용 화합물 및 이를 포함하는 유기광전소자 |
RU2484117C2 (ru) * | 2011-03-30 | 2013-06-10 | Учреждение Российской Академии Наук Институт Проблем Химической Физики Ран (Ипхф Ран) | Применение производных 4-бифенилкарбоновой кислоты в качестве органического механолюминесцентного материала и механолюминесцентная композиция |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Jeong et al. | Highly fluorescent photochromic diarylethene with an excellent fatigue property | |
JP7451560B2 (ja) | ホウ素含有環状発光化合物及びそれを含む色変換フィルム | |
Upadhyay et al. | Radical Chain Breaking Bis (ortho‐organoselenium) Substituted Phenolic Antioxidants | |
Lydon et al. | A simple “palladium-free” synthesis of phenyleneethynylene-based molecular materials revisited | |
JP2001131140A (ja) | 摩擦発光性分子化合物およびその発光方法 | |
JP7222517B2 (ja) | 新規化合物及びその製造方法 | |
JP2012172139A (ja) | フォトクロミック分子 | |
EP0251139B1 (en) | Chemiluminescent composition, and a reactive component suitable for such a composition | |
JP2006117593A (ja) | 新規蛍光性化合物およびその製造方法 | |
Grotkopp et al. | Diversity-Oriented Synthesis and Optical Properties of Bichromophoric Pyrrole-Fluorophore Conjugates | |
JP2004075603A (ja) | 高効率な有機発光性化合物 | |
JP7542816B2 (ja) | フルオレン化合物およびその製造方法 | |
JP4517154B2 (ja) | ポリフェニレンデンドリマー | |
JP7274134B2 (ja) | 希土類化合物、発光体、発光デバイス、波長変換材料及びセキュリティ材料 | |
CN110194734B (zh) | 基于环蕃烷骨架的手性荧光化合物及其制备方法与应用 | |
JP3817637B2 (ja) | ジピリジルベンゾチアジアゾール誘導体 | |
Mbatia et al. | Iodination of anilines and phenols with 18-crown-6 supported ICl 2− | |
JP2011093841A (ja) | アントラセン誘導体およびピレン誘導体 | |
JP4660721B2 (ja) | アゾベンゼン誘導体化合物、粒子およびその製造方法 | |
JP2004256468A (ja) | 新規な9−オキソ−9−ホスファフルオレン誘導体及びその製造法並びにその用途 | |
JP6009958B2 (ja) | 有機金属錯体 | |
JP2000319236A (ja) | 新規蛍光性化合物及びその錯体 | |
JP2006299230A (ja) | ランタニドイオンを含有する発光性化合物 | |
WO1989000989A1 (en) | Chalcone derivative compounds | |
JP2005213224A (ja) | 新規ジエチニルベンゼン類、その製造方法、およびその用途 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060719 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20090306 |