JP2001129642A - 消失模型を用いる鋳物砂振動充填方法 - Google Patents

消失模型を用いる鋳物砂振動充填方法

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JP2001129642A JP35063199A JP35063199A JP2001129642A JP 2001129642 A JP2001129642 A JP 2001129642A JP 35063199 A JP35063199 A JP 35063199A JP 35063199 A JP35063199 A JP 35063199A JP 2001129642 A JP2001129642 A JP 2001129642A
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洋一 米北
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Abstract

(57)【要約】 【課題】消失模型を用いる鋳物砂振動充填方法におい
て、消失模型の変形、或いは鋳物砂の不完全充填に起因
する不良品の発生を抑えることのできる消失模型を用い
る鋳物砂振動充填方法を提供すること。 【解決手段】消失模型をセットした鋳枠に鋳物砂を充填
し、前記鋳枠を載置した振動テーブルを振動モーターに
より振動させて鋳物砂の充填を行う消失模型を用いる鋳
物砂振動充填方法で、振動充填に際し、振動モーターに
よる加速度(G)を初期において通常の振動充填の加速
度(G)よりも小に制御した一次振動充填を行い、その
後、通常の振動充填の加速度(G)による二次充填振動
を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、鋳枠への鋳物砂の充填
方法、特に鋳枠を振動させながら充填するところの消失
模型を用いる鋳物砂振動充填方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の鋳枠への鋳物砂の充填は、アンバ
ランスウエイトを回転させる振動モーターにより、バネ
手段で支承した振動テーブルの鋳枠を揺動させる振動方
式が多用されており、殊に、消失模型等への鋳物砂の流
動性の研究が進み、例えば二基の振動モーターを一定の
方向に回転させ、或いは逆転させる等して、鋳枠の揺動
を独特のものとして鋳物砂に対して上下、左右、即ち、
二次元方向の力を付与して、更に、一対の振動モーター
を前記振動モーターに対して90度変位させて設け、以
て、三次元方向の力を付与して、鋳枠中での消失模型等
への緻密な充填が可能なように研究されている。
【0003】こうした振動モーターの回転と鋳枠の揺動
及び鋳物砂の流動性の研究から、略均等な二次元方向の
力を鋳物砂に付与するのが消失模型等への鋳物砂の充填
効果を高めるということが分かっている(もう一対の振
動モーターの併置で三次元方向となる)。 かかる技術
については、本発明者も、既に、特開平8−90160
号及び特開平8−90161号において提案しており、
また、その他に、特開平9−225586号においても
提案されている。
【0004】上述した技術の進歩によって、それまでの
振動充填方法に較べて、鋳枠の消失模型への充填効率が
向上したのであるが、鋳物砂の消失模型への流入は、上
述した流入の方向、即ち、鋳物砂に付与された振動力の
方向のみならず、その強さが重要なファクターとなるこ
とは知られているところであり、従って、上述した振動
テーブルの振動についても、アンバランスウエイトの位
相制御と共にどの程度の加速度(G)を付与するかにつ
いても制御を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に使用されている
振動モーターは、通常2G程度を発生できるように構成
されているが、上述した消失模型を用いる鋳物砂の充填
に際しては、鋳物の大きさにも左右されるのは勿論であ
るが、一般に、0.7〜1.2G程度の加速度を使用す
るようにするのが好ましいということが分かっている。
ところが、これまでの鋳物砂の充填に際して、特に、鋳
物砂に対して2字元方向及び3次元方向の振動力(リサ
ージュ図形として正面視で円形を描く)を付与すること
ができるようになった最近の鋳物砂の充填においては、
これまでに発生していなかった鋳込み製品の不良率(誤
差の発生)が上昇し出し始めた。
【0006】こうした不良の原因について検証してみる
と、第1は、消失模型が変形(場合によっては一部破
損)を来していること、第2は、鋳物砂の不完全充填が
発生していることが最も大きな原因であることが分かっ
た。 第1の原因について検討してみるに、消失模型
は、通常合成樹脂の発泡成型品を用いているので、それ
自体強度が大きなものではなく、大きな外力が加わると
変形することは分かっているが、これまでの通常の鋳物
砂の振動充填においては、そうした変形が不良品の原因
となることは少なかった。 また、第2の原因について
は、上述したように、鋳物砂の流動特性に鑑みた2次
元、3次元方向の鋳物砂の円形振動運動が可能になった
ことで、最早、複雑な形状の消失模型であっても不完全
充填など発生しするはずがなく、こうした不完全充填に
起因する不良品の発生は、信じ難い原因であった。
【0007】本発明者は、こうした現状の問題点を分析
し、鋳物砂の充填においてどのような現象が発生してい
るのかについて実験と研究を重ね、その結果、複雑な消
失模型に対する必要な2次元、3次元方向の振動が開発
されたことが寧ろ新たな問題を提起していることに気づ
いたのである。即ち、これまでの鋳物砂の充填に較べ、
2次元、3次元方向の鋳物砂の円形振動運動によるスム
ースな充填が可能になったことで、鋳物砂の消失模型に
対する流動性が著しく向上し、スムースな鋳物砂の消失
模型への流れ込みが得られるようになった結果、消失模
型の、例えば、バルケーシングやフランジ等の筒状の中
空部等の単純形状の部分へは、本来ならば、比較的にス
ムースに鋳物砂が流れ込むことが出来るのに、ここに鋳
物砂が2次元、3次元方向のスムース過ぎる円形振動運
動でもって寧ろ大きな加速度を伴って一挙に流れ込むこ
とになり、その結果、大きな力が消失模型の壁部に作用
して局部的な変形を来しているのではないかと考えたの
である。
【0008】逆に、鋳物砂の不完全充填については、上
述したように、本来、スムースな流れ込みが期待できる
筒状の中空部等の単純形状の部分に、鋳物砂が2次元、
3次元方向の円形振動運動をしながらスムースに、この
場合は、不必要な程にスムースに、即ち、大量の鋳物砂
が一挙に流入しようとする現象が発生し、その結果、鋳
物砂が筒状部の入口近辺でブリッジ現象(石垣作用)を
発生して詰まりを生じ、それ以上の流入が阻止され、結
果として、不完全充填が生じているのではないかと考え
た。
【0009】本発明は、上述した消失模型を用いる鋳物
砂振動充填方法において、消失模型の変形、或いは鋳物
砂の不完全充填に起因する不良品の発生を抑えることの
できる消失模型を用いる鋳物砂振動充填方法を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる消失模型
を用いた鋳物砂振動充填方法は、上記目的を達成するた
めに、消失模型をセットした鋳枠に鋳物砂を充填し、前
記鋳枠を載置した振動テーブルを振動モーターにより振
動させて鋳物砂に少なくとも2次元方向の振動を付与し
て充填を行う消失模型を用いる鋳物砂振動充填方法であ
って、振動充填に際し、振動モーターによる加速度
(G)を初期において通常の振動充填の加速度(G)よ
りも小に制御した一次振動充填を行い、その後、通常の
振動充填の加速度(G)による二次充填振動を行う、と
いう手段を講じた。
【0011】本発明において、鋳物砂に3次元方向の振
動を付与して前記一次振動充填と二次充填振動を行うの
が好ましい。
【0012】更に、本発明において、上記一次振動充填
が、加速度(G)ゼロから所定のリニアな立ち上がり後
に一定の加速度(G)で所定の時間行われ、その後に所
定のリニアな立ち上がりと所定の加速度(G)による二
次充填振動に至るのが好ましい。
【0013】本発明において、上記一次振動充填が加速
度(G)ゼロから所定のリニアな立ち上がりの上昇で前
記二次振動充填に至るのが好ましい。
【0014】本発明において、上記振動モーターによる
一次振動充填の加速度(G)が、0.3G〜0.7G
で、1秒間以上行なわれ、その後の二次充填振動による
加速度(G)が0.7G〜1.2G以上で行われるのが
好ましい。
【0015】
【発明の実施の態様】本発明において、少なくとも2次
元方向の鋳物砂の振動というのは、上下、左右を伴う正
面視で円を描く如き運動を含むものであり(図3におけ
る一対の振動モーター5a、5bの作動)、その他の3
次元方向の鋳物砂の振動にあっては、前者と90度異な
る方向での上下、左右方向の運動で、同様に正面視で円
を描く如き運動(図3における一対の振動モーター5
c、5dの作動)を含むものである。
【0016】また、通常の加速度(G)とは、この種の
鋳物砂の充填で用いられている加速度で、1G前後の加
速度を意味するが、この強さは、対象となる鋳物の大き
さ(充填する鋳物砂の量)によって異なるもので、0.
7G〜2G程度の範囲が含まれることもあるもので、要
するに、本発明の二段階に分ける充填方式の二次振動充
填、即ち、本来緊密充填に必要とされる加速度(G)を
基準として、特徴とする一次振動充填を特定するために
用いられた表現に過ぎない。
【0017】従って、その一次振動充填は、通常の加速
度(G)よりも小さい値の範囲で、所定の時間を経ると
ころの工程を意味するもので、図4に示すように、変化
する加速度域(通常上昇)のみの場合と、図1に示すよ
うな一定の加速度域(定値)を主として含む場合があ
る。そして、こうした一次振動充填に充てられる最小時
間は、好ましくは1秒以上であろうが、それよりも短い
場合であっても、鋳物の大きさ(鋳物砂の充填量の大
小)によっては、所期の目的は達成され得るものであ
る。
【0018】本来、振動テーブルの設備によって鋳物砂
に対する好ましい振動力、特に、2次元、3次元方向の
振動で、特に、鋳物砂に円形振動(リサージュ図形)を
付与できている場合には優れた充填作用を発揮できてい
るはずであるのに、これまでに発生していた不良品の発
生原因が解明できていなかったが、本発明者は、寧ろス
ムースな鋳物砂の流動性が得られたことが新たな問題を
提起しているのではないかということに気づいたのであ
る。
【0019】従って、上述したように、鋳物砂の充填に
際しては、消失模型の複雑な構造部に対しての密なる充
填には、所要の加速度(1G程度)が必要であり、同時
に鋳物砂の2次、3次元方向の円形振動が必要である
が、逆に、単純な形状、例えば、バルブケーシング(弁
箱)やフランジ等の円筒状部では、寧ろその滑らかな鋳
物砂の振動によってスムースな流動を得て、そうした強
い加速度(G)でもって勢い余って鋳物砂が円筒状部に
流入し、その慣性力によって、比較的保形力の弱い発泡
合成樹脂の消失模型が変形を来たし、或いは一部破損す
るという事態を招くことが分かったのである。
【0020】また、そうした勢い余った鋳物砂の消失模
型への流入は、時として消失模型の凹部や陰部において
鋳物砂自体によるブリッジ現象(石垣作用)を引き起こ
し、例えば、バルブケーシング(弁箱)やフランジ等の
円筒状部の入口部に詰まりを発生して、内部への完全充
填を阻害するということも分かったのである。
【0021】本発明によれば、鋳物砂の振動充填当初に
は、当然に、入り込み易いバルブケーシング(弁箱)や
フランジ等の円筒状部に鋳物砂が流れ込むことが予想さ
れるので、この場合には通常の振動充填の加速度(G)
よりも小さな加速度(G)の振動によって鋳物砂を消失
模型に充填して行き、その後、凹部や陰部等の比較的大
きな加速度(G)を必要する部位への鋳物砂の充填を行
う時に、それよりも大きな加速度(G)(従前より行わ
れていた通常の振動充填の加速度(G))でもって密な
る状態で充填を行う。
【0022】こうした一次、二次に振動充填工程を分け
て、その加速度(G)を異ならせる場合に、当初に0.
3G〜0.7Gに制御した一次振動充填を行い、その
後、0.7G〜1.2Gの加速度(G)に制御した二次
振動充填を行うのが良い。 尤も、鋳物物の大きさ消失
模型の形状等のファクターにより、本発明の作用効果が
期待できる範囲内において、そうした値を近似的に変動
させて良いことは言うまでもない。 また、上述した一
次振動充填は、一定値の加速度(G)で一定時間行われ
る場合、変動する加速度(G)で一定時間行われる場
合、或いはこれらの組み合わせで行われる場合もあリ、
その時間についても、1〜12秒程度行うのが好ましい
が、本発明の作用効果が期待できる範囲内において、場
合によっては、適宜の時間幅で実施することができるこ
とは言うまでもない。
【0023】
【実施例】本発明にかかる消失模型を用いた鋳物砂振動
充填方法の好適実施例について、以下図面を参照して詳
述する。図1は、本発明にかかる消失模型を用いた鋳物
砂振動充填方法の加速度の経時的変化を表すグラフであ
り、図2は、制御系を示すブロック図であり、図3は、
この種の消失模型を用いた鋳物砂振動充填方法に用いら
れる装置の概略図、図4は、別の態様を示す加速度の経
時的変化を表すグラフである。
【0024】図3において、1は、ここでは複数の消失
模型をセットする鋳枠であり、ここでは、3段の鋳込み
が可能な型(サイズ)が用いられており、鋳込み段は、
下から1a、1b及び1cで示す。 2は、各鋳込み段
1a、1b及び1cにセットされた複数の消失模型を示
す。3は、上記鋳枠1を着脱自在に固定する振動テーブ
ルであり、この振動テーブル3は、その四隅の下面に配
置されたエアークッションバネから成るバネ手段4によ
り揺動自在に支承されている。 5a及び5bは、前記
振動テーブル3の下面に、その回転軸芯が水平で、平行
となるように所定の間隔を隔てて併置された一対の振動
モーターであり、5c及び5dは、前記振動テーブル3
の左右側面に、その回転軸芯が垂直で平行となるように
所定の間隔を隔てて併置された一対の振動モーターであ
る。
【0025】そして、各振動モーター5a〜5dの構造
は、各々対として設けられた電動モーターにより回転さ
れる回転軸にアンバランスウエイトが固定され、且つ、
その各々のアンバランスウエイトの初期位置、即ち、相
互の位相に差を持たせることができるように構成され、
以て、鋳物砂に略円形揺動(リサージュ図形)を付与で
きるもので、例えば、特開平8−90161号に開示し
た如き電気的に制御する位相角調整手段を備えているも
ので、それ自体公知の構成のものである。
【0026】従って、上記振動モーター5aと5bの作
動では、垂直面及び水平一方向の略円形揺動(リサージ
ュ図形)、即ち、二次元方向での振動が得られるもの
で、更に、振動モーター5cと5dの同時作動では、更
に、90度異なる水平一方向の振動が付加され、以て、
三次元方向の振動が得られるものである。
【0023】6aは、上記エアークッションバネのバネ
手段4に供給する圧縮空気の圧力を検出する圧力検知器
であって、この圧力検知器6aは、振動重心位置検出手
段6の一部を構成する。 即ち、所定の重量を支承する
エアークッションバネのバネ手段4が、固定ファクター
となる振動テーブル3の重量、鋳枠1の重量と、変動フ
ァクターである鋳物砂(及び/又は追加の鋳込み段1
b,1c)の重量を、所定の空気圧力の下でバランスし
て支承することになり、既に既知の振動テーブル3、鋳
枠1の形状(寸法)から、演算回路を用いてその振動重
心G1,G2,G3の位置が算定される。
【0024】この場合、上記エアークッションバネは、
最大膨張で使用されるのではなく、振動テーブル3の所
定の範囲の揺動を容易にするために余裕を持たせた状態
でクッション作用を行うように用いられることになる
が、上述した変動ファクターである鋳物砂(及び/又は
追加の鋳込み段1b,1c)の重量変化(重量増大)に
よってエアークッションバネに対する圧縮圧力が高まる
場合に、当該エアークッションバネの変形が小さい場合
には当該エアークッションバネの内圧を検知するだけで
よいが、当該エアークッションバネの変形が比較的大き
くなり、振動テーブル3の所定の範囲の容易な揺動を阻
害するおそれのある場合には、適宜圧縮空気の供給圧を
高めてエアークッションバネの揺動に対して余裕ある初
期形状を維持するように制御調整する。
【0025】図1の原理図に示すように、本発明方法
は、上述した装置において、消失模型2を用いる鋳物砂
振動充填を行うのに、消失模型をセットした鋳枠1に鋳
物砂を充填し、前記鋳枠1を載置した振動テーブル3
を、例えば、振動モーター5a,5b(この説明では便
宜上振動モーター5c,5dを稼働させていない)によ
り振動させて鋳物砂に2次元方向の振動を付与して充填
を行う場合、次のように行われる。
【0026】図1に示すように、加速度設定器7(図
2)により、振動モーター5a,5bによる加速度
(G)を、初期において、5秒で0から0.5Gにリニ
アに立ち上がるように制御し、その後に0.5Gで約6
秒間作動させて一次振動充填(F1)を行い、以て、詰
まり易い場所へ鋳物砂をゆっくりと詰めて行き、また、
タイマー8の設定によって、自動的にスタートから11
秒経過後に、約4秒間でリニアに1.0Gの加速度
(G)に到達するように制御し、その後に約5秒間の
1.0Gの一定の加速度で充填するところの二次振動充
填(F2)を行い、複雑な形状部等の詰まり難い部位へ
通常に行われている強い加速度(G)でもって強力に密
に詰めて行くのである。
【0027】本発明の実施に際し、バルブケーシング
(弁箱)やバルブフランジ等の消失模型2では上述した
一次振動充填時には、その振動モーター5a,5bによ
る加速度を、0.3〜0.7G程度の範囲とするのが好
ましい結果が得られた。 勿論、消失模型2の大きさ、
形状によって近似的な値に設定することが好ましい。ま
た、二次振動充填についても、一般に行われている0.
0〜1.2G程度の加速度で実施するのが好ましいこと
が分かっているが、この場合も、鋳物物の大きさ(鋳物
砂の使用量)によっては、通常の振動モーター5a,5
bが発揮できる2G程度の加速度で充填を行うことは可
能である。
【0028】図4は、比較的に小型の鋳造品に対応する
もので、上述した一次、二次振動充填に関する別の態様
を示し、ここでは、上記一次振動充填が加速度(G)ゼ
ロから所定のリニアな立ち上がりの上昇で0.8Gに至
るまで約10秒間行われ、次いで、0.8Gで約10秒
間行われる二次振動充填が実施される。このように、一
次振動充填は、二次振動充填に至るリニアな変動を続け
る加速度域で行われることも、前述の実施例の如く、一
次振動充填において、一定値の加速度域を含む状態で行
われることも可能であり、さらには、こうしたプロセス
の組み合わせによって作動されることも可能である。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、消失模型を用いた鋳物
砂振動充填に際して、消失模型の形状(単純形状部及び
複雑形状部)を意識して、同時に優れた流動性を発揮す
る振動充填の特徴を同時に配慮して、その鋳物砂の充填
を行うのに必要な加速度を段階的に捉えて、初期におい
ては小さく、好ましくは、0.3〜0.7G程度とし、
その後に大きな加速度、好ましくは0.7〜1.2G程
度に移行させて、強度の小さい発泡合成樹脂製の消失模
型に大して大きな加速度による鋳物砂の流動エネルギー
が加わらないようにし、以て、消失模型の変形を未然に
回避させることが出来るようになったものであり、ま
た、同時に、当初に小さな加速度とすることで、従来の
当初から大きな加速度としたことによる大なる流動性に
起因する一挙の鋳物砂の流れ込みにより発生していた鋳
物砂のブリッジ現状を回避させることが出来て、これら
の原因に伴う不良品の発生を大幅に抑えることが出来る
という顕著な効果を奏する至ったものである。
【0030】本発明のその他の具体的な効果について
は、上記の発明の実施の態様の項及び実施例の項におい
て詳述した通りである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる消失模型を用いた鋳物砂振動充
填方法の原理図を示すグラフである。
【図2】本発明にかかる消失模型を用いた鋳物砂振動充
填方法の制御を示すブロック図ある。
【図3】本発明にかかる消失模型を用いた鋳物砂振動充
填方法を実施する装置の概略図である。
【図4】本発明にかかる消失模型を用いた鋳物砂振動充
填方法の別態様を示す原理図のグラフである。
【符号の説明】
1 鋳枠 2 消失模型 3 振動テーブル 5a 振動モーター 5b 振動モーター 5c 振動モーター 5d 振動モーター

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】消失模型をセットした鋳枠に鋳物砂を充填
    し、前記鋳枠を載置した振動テーブルを振動モーターに
    より振動させて鋳物砂に少なくとも2次元方向の振動を
    付与して充填を行う消失模型を用いる鋳物砂振動充填方
    法であって、 振動充填に際し、振動モーターによる加速度(G)を初
    期において通常の振動充填の加速度(G)よりも小に制
    御した一次振動充填を行い、 その後、通常の振動充填の加速度(G)による二次充填
    振動を行う、消失模型を用いる鋳物砂振動充填方法。
  2. 【請求項2】鋳物砂に3次元方向の振動を付与して前記
    一次振動充填と二次充填振動を行う、請求項1の消失模
    型を用いる鋳物砂振動充填方法。
  3. 【請求項3】上記一次振動充填が、加速度(G)ゼロか
    ら所定のリニアな立ち上がり後に一定の加速度(G)で
    所定の時間行われ、その後に所定のリニアな立ち上がり
    と所定の加速度(G)による二次充填振動に至る、請求
    項1又は2の消失模型を用いる鋳物砂振動充填方法。
  4. 【請求項4】上記一次振動充填が加速度(G)ゼロから
    所定のリニアな立ち上がりの上昇で前記二次振動充填に
    至る、請求項1又は2の消失模型を用いる鋳物砂振動充
    填方法。
  5. 【請求項5】上記振動モーターによる一次振動充填の加
    速度(G)が、0.3G〜0.7Gで、1秒間以上行な
    われ、その後の二次充填振動による加速度(G)が0.
    7G〜1.2G以上で行われる、請求項1乃至請求項4
    の消失模型を用いる鋳物砂振動充填方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101941055A (zh) * 2010-09-10 2011-01-12 淅川金戈利冶金铸造有限公司 一种消失模铸造模型装箱方法及辅助振实工具

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN101941055A (zh) * 2010-09-10 2011-01-12 淅川金戈利冶金铸造有限公司 一种消失模铸造模型装箱方法及辅助振实工具

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