JP2001129615A - クランク軸用成形プレス - Google Patents

クランク軸用成形プレス

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JP2001129615A
JP2001129615A JP31082499A JP31082499A JP2001129615A JP 2001129615 A JP2001129615 A JP 2001129615A JP 31082499 A JP31082499 A JP 31082499A JP 31082499 A JP31082499 A JP 31082499A JP 2001129615 A JP2001129615 A JP 2001129615A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 捩り角度の設定が、自由に正確に行え、シン
プルな構成で底コストであり、かつプレス精度の高いク
ランク軸用成形プレスを提供する。 【解決手段】 捩りシリンダ20のピストンロッドに加
圧ブロック23を取付け、加圧ブロック23の四隅に捩
り用押し杆31をそれぞれ取付け、加圧ブロック23と
スライド4の間に捩り角度設定手段が設けられており、
捩り角度設定手段は、加圧ブロック23に取付けられた
上ストッパ23d と、スライド4に取付けられた、上スト
ッパ23d に対して接近離間自在な自動伸縮式下ストッパ
60とからなる。加圧ブロック23とスライド4の間に
は、上方ガイド手段70と下方ガイド手段75が設けら
れ、いずれも下ストッパ60を中心とする四ヵ所で、前
後左右方向にガイドしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クランク軸用成形
プレスに関する。一体型クランク軸は、鋼片の型打ち−
捩り−整形の順で加工される。このうち、型打ちは、荒
地成形、荒型打ち、仕上型打ち、ばり抜きの各工程があ
るものの加圧方向が上下方向のみであるため、1台の鍛
造プレスで行われている。しかし、捩り工程と整形工程
は加圧の仕方が異なるため別個の鍛造プレスで分けて行
われていた。しかし、2台の鍛造プレスを用いると設備
費や工数の点で不利なので、近年、捩り工程と整形工程
を1台の設備で行える成形プレスが開発されている。本
発明は、このような捩りと整形を1台のプレスで行うク
ランク軸用成形プレスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のクランク軸用成形プレスとして、
特公平7−4640号公報に記載されたものがある。こ
の従来例を図16に基づき説明する。クラウンに取付け
られたピストンシリンダー108 のピストンロッド先端に
スライド106 を吊持し、このスライド106 の下面に上部
ダイホルダー151 を取り付け、この上部ダイホルダー15
1 に捩り型101 の上型と整形型102 の上型を取り付けて
いる。一方、基台上に固定した下部ダイホルダー152 に
捩り型101 の下型と整形型102 の下型を取り付けてい
る。そして、上記スライド106 が下降して捩り型101 お
よび整形型102 のそれぞれの上型と下型が組合わされた
際、両者のパスラインが同じ高さとなるように、各上下
金型が組込まれており、スライド106 の下降時に捩り型
101 内の被加工材が金型により保持されると同時に、整
形型102 の被加工材が加圧され整形加工を受ける。この
スライド106 が下降した状態で、引き続きスライド106
内に設けた捩りシリンダー109 とスライド106 内を貫通
した押し杆171 が下降して捩り加工が行われるように構
成されている。したがって、整形型102 によりクランク
軸の形状修正をするための整形加工を行うと同時に、捩
り型101 により被加工材を保持し、引き続き捩りシリン
ダー109 を作動して押し杆171 を下向きに押し動かし、
捩り型101 の一方を反時計方向に、他方を時計方向に回
動して捩り成形することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のごと
きクランク軸用成形プレスでは、クランク軸の種類によ
って捩り角度を変更しなければならない。この捩り角度
はエンジンの気筒数等によって、数種類があるからであ
る。
【0004】従来の捩り角度設定手段は、押し杆の延長
線上のベッド上面にストッパを設置し、このストッパの
高さにより捩り角度を設定するように構成されている。
すなわち、ストッパを個々のクランク軸に必要な捩り角
度に対応した高さのものに手動で交換、設定するように
している。ところが、この従来例は手動でストッパを個
々のクランク軸が要求する捩り角度に対応して設定する
必要があり、また、ストッパの微調整は狭い空間内で行
う必要があるため上下ダイホルダーを機械外に取出して
行われるのが通常である。このため、非常に作業能率が
悪いものであった。そこで、ストッパの高さ調整を自動
化した従来例(実開平4−104215)が提案され
た。この従来例はベッド下部にストッパの高さ調整用駆
動機構を取付けそれに結合されたネジ軸を上下に動くよ
うにしたものである。しかしながら、上記従来例におい
ては、調整駆動機構がベッド下部にあるため金型潤滑液
やスケールが付着して故障を生じやすく、また、調整ス
トッパが4ヵ所あるため同調が必要となり、調整駆動機
構そのものが非常に複雑になり、高コストなものとなっ
ていた。
【0005】本発明はかかる事情に鑑み、捩り角度の設
定が、自由に正確に行え、シンプルな構成で低コストで
あり、かつプレス精度の高いクランク軸用成形プレスを
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1のクランク軸用
成形プレスは、1基のスライドを有する1台のプレス内
に捩り鍛造部と整形鍛造部を設けたクランク軸用成形プ
レスであって、スライドを昇降させる加圧シリンダおよ
び吊り上げシリンダと共に、捩り鍛造部においてクラン
ク軸材料を捩り加工するための捩りシリンダをクラウン
に取付け、該捩りシリンダのピストンロッドに加圧ブロ
ックを取付け、該加圧ブロックの四隅に捩り用押し杆を
それぞれ取付け、前記4本の捩り用押し杆のうち、2本
を捩り型の右側で前記スライドの本体部分の前後に配置
し、残りの2本を前記捩り型の左側で前記スライドの本
体部分の前後に配置し、各前後2本の捩り用押し杆の下
端同士を、前記スライドの下側において、捩り下げビー
ムと捩り戻しビームにより連結しており、前記加圧ブロ
ックと前記スライドの間に捩り角度設定手段が設けられ
ており、該捩り角度設定手段は、前記加圧ブロックに設
けられた上ストッパと、前記スライドに取付けられた、
前記上ストッパに対して接近離間自在な自動伸縮式下ス
トッパとからなることを特徴とする。請求項2のクラン
ク軸用成形プレスは、請求項1記載の発明において、前
記捩り角度設定手段の自動伸縮式下ストッパは、スライ
ド内に設けられたケーシング内で垂直軸まわりに回転自
在な雌ネジ筒と、該雌ネジ筒内の雌ネジ部に螺合する雄
ネジ部材および該雄ネジ部材の上端に固定されたストッ
パブロックと、前記雌ネジ筒を回転させる回転駆動機構
とからなることを特徴とする。請求項3のクランク軸用
成形プレスは、請求項2記載の発明において、前記自動
伸縮式下ストッパの回転駆動機構は、前記雌ネジ筒の外
周面に形成されたウォームホイールと、該ウォームホイ
ールに噛み合うウォームと、該ウォームを回転させる減
速機付モータとからなることを特徴とする。請求項4の
クランク軸用成形プレスは、請求項1記載の発明におい
て、前記加圧ブロックと前記スライドの間に、前記加圧
ブロックの昇降をガイドする昇降ガイド手段が設けられ
ており、該昇降ガイド手段が、前記加圧ブロックの上方
部分の四隅に取付けられた案内スライダーと、前記スラ
イドの上面に固定されたガイド体と、該ガイド体に取付
けられた、前記案内スライダーをガイドする4ヵ所の案
内レールとからなる上方ガイド手段および前記加圧ブロ
ックの下方部分の四隅に取付けられた4ヶ所の案内スラ
イダーと、前記スライドに取付けられた前記案内スライ
ダーをガイドする4ヶ所の案内レールとからなる下方ガ
イド手段より構成されていることを特徴とする。請求項
5のクランク軸用成形プレスは、請求項1記載の発明に
おいて、前記昇降ガイド手段におけるの上方ガイド手段
および下方ガイド手段が、いずれも前後方向をガイドす
る案内スライダーおよび案内レールの対と、左右方向を
案内する案内スライダーおよび案内レールの対からなる
ことを特徴とする。
【0007】請求項1の発明によれば、スライドと加圧
ブロックの間に捩り角度設定手段を設けると、1ヵ所に
設けるだけで加圧ブロックの昇降ストロークを規制でき
るので、同調機構を必要とせず、シンプルかつ安価な構
成にできる。また、スライドに取付けた下ストッパを伸
縮させることにより、加圧ブロックに取付けた上ストッ
パとの間の間隔を変えうるので、加圧ブロックに取付け
られている捩り用押し杆の下降ストロークを変え、クラ
ンク軸の成形捩り角度を任意に設定できる。さらに、下
ストッパは自動伸縮するので、この捩り角度の設定を自
動で変更でき、プレスの生産性が高くなる。請求項2の
発明によれば、回転駆動機構により雌ネジ筒を垂直軸ま
わりに回転させると、この雌ネジ筒の雌ネジ部に螺合し
ている雄ネジ部材が上下に進退するので、この雄ネジ部
材を備えるストッパブロックが昇降し、上ストッパに対
する間隔を可変に調整する。このように1本の雌ネジ筒
を回転させるだけで捩り角度を設定できるので、同調装
置を必要とせず、シンプルで安価なプレスにすることが
できる。また、雌ネジ筒と雄ネジ部材のネジ嵌合は、上
ストッパに圧接したときの反力によって、逆回転しない
ようにできるので、設定したストッパ位置が変らず、プ
レス精度を向上させることができる。請求項3の発明に
よれば、ウォームホイールとウォームの組合せであるた
め、下ストッパの微少送りが可能であり、捩り角度を高
精度に設定できる。また、上ストッパからの反力によっ
て逆回転しないので、設定したストッパ位置が変らず、
プレス精度を高くすることができる。請求項4の発明に
よれば、上方ガイド手段と下方ガイド手段により、加圧
ブロックの上方部分と下方部分の2位置を、スライドに
対して案内し、かつそれが四隅で案内されるので捩り用
押し杆を正確に垂直に押し下げることができ、加圧ブロ
ックに傾きが生じない。このため捩り角度設定手段の伸
縮式下ストッパが1本であっても、捩り用押し杆は4本
とも正確に同じストロークだけ昇降するので、クランク
軸に設定値どおりの捩り角を付与することができる。請
求項5の発明によれば、上下ガイド手段のいずれも、前
後方向の案内スライダーと案内レールの組合せで前後方
向をガイドし、左右方向の案内スライダーと案内レール
の組合せで左右方向をガイドするので、前後左右いずれ
の方向に対しても加圧ブロックの傾き、ひいては捩り用
押し杆に傾きが生じず、捩り角度の精度の高いプレス加
工が可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施形態を図面
に基づき説明する。図1は本発明の一実施形態に係るク
ランク軸用成形プレスの正面図、図2は同成形プレスで
捩りシリンダが伸長した状態の要部正面図、図3は図2
のIII 線矢視図、図4は捩り鍛造部の斜視図、図5は捩
り角度設定手段の側面図、図6の(A) 図は捩り角度設定
手段の断面図、同(B) 図はストッパブロック68の平面
図、図7は捩り角度設定手段の平面図、図8は昇降ガイ
ド手段の正面を示す図11のVIII−VIII線矢視図、図9
は昇降ガイド手段の側面図、図10は上ガイド手段の正
面図、図11は昇降ガイド手段の平面図である。
【0009】まず、図1に基づき本実施形態のクランク
軸用成形プレスの基本構成を説明する。1はベッドハー
ドプレート、2はクラウン、3はそれらを結ぶコラムで
ある。4はスライドであり、5A、5Bはクラウン2に
取付けた加圧シリンダと吊上げシリンダである。スライ
ド4の下降は、吊上げシリンダ5Bのロッド側油室を開
放し、同時に加圧シリンダ5A内へタンクより油を自吸
させることで行われる。このスライド4の断面形状は本
体部分の下面に幅広の基板が設けられたものであり、本
体部分の断面は縦長長方形であるので、全体的に概ね逆
T字形である。
【0010】前記スライド4の下面には上部ダイホルダ
ー6が取付けられている。前記ベッドハードプレート1
の上面には、下部ダイホルダー7が取付けられている。
前記上部ダイホルダー6の下面には上部回転ガイド8と
整形型17の上型18が取付けられている。前記下部ダ
イホルダー7の上面には、下部回転ガイド9と整形型1
7の下型19が取付けられている。この成形プレスにお
ける捩り鍛造部はつぎのように構成されている。前記捩
り型10は上型11と下型12とからなり、上型11は
上リテーナ13に入れられて、上部回転ガイド8で回転
自在に保持されており、下型12は下リテーナ14に入
れられて、下部回転ガイド9で回転自在に保持されてい
る。
【0011】図4に基づき前記捩り鍛造部の詳細を説明
すると、上部回転ガイド8は3基の回転ガイド8a,8
b,8cから構成されている。上リテーナ13も3基の
リテーナ13a ,13b ,13c ,から構成されている。各リ
テーナ13a ,13b ,13c には斜め上方に互い違いに突出
した押し下げ腕15が取付けられている。なお、各押し
下げ腕15の先端にはローラ15a が軸着されている。ま
た、各リテーナ13a ,13b ,13c の間には上固定ダイ支
持装置16a ,16b が配置されており、この上固定ダイ支
持装置16a ,16b は上部ダイホルダー6(図1参照)に
取付けられている。下部回転ガイド9は、3基の回転ガ
イド9a,9b,9cから構成されている。下リテーナ
14も3基のリテーナ14a ,14b ,14c から構成されて
いる。各リテーナ14a ,14b ,14c の間には下固定ダイ
支持装置16c ,16d が配置されており、この下固定ダイ
支持装置16c ,16d は下部ダイホルダー7(図1参照)
に取付けられている。前記上リテーナ13は前記下リテ
ーナ14と上下に対向しており、上リテーナ13に上型
11を入れ、下リテーナ14に下型12を入れることが
できる。そして、上型11と下型12の間に成形材料を
入れ、互いに加圧状態で挟み付け、クランク軸材料を上
下固定ダイ支持装置16a ,16b ,16c ,16d で固定させ
ておき、前記押し下げ腕15を押し下げ、捩り型10を
上下リテーナ13、14ごと、上下回転ガイド8、9間
で回転させると、上下金型11、12間に挟まれたクラ
ンク軸材料を捩り加工することができる。再び図1につ
いて、整形鍛造部を説明する。前記整形型17は、上型
18と下型19の間に捩り加工を終えたクランク軸材料
を置き、上下方向に加圧して、クランク軸の形状を修正
する整形加工を行う。
【0012】図1〜3において、20は捩りシリンダー
であり、クラウン2に取付けられている。前記捩りシリ
ンダー20のピストンロッド21の下端には、加圧ブロ
ック23が連結されており、この加圧ブロック23の四
隅には、各1本づつ、計4本の捩り用押し杆31(以
下、押し杆31という)が連結されている。この4本の
押し杆31は、捩り型10の右側(図1参照)で、スラ
イド4の本体部分の前後(図3参照)に1本づつ配置
し、さらに捩り型10の左側(図1参照)で、スライド
4の本体部分の前後に1本づつ配置している。そして、
右側に配置した前と後の押し杆31、31の下端同士
は、捩り下げビーム32と捩り戻しビーム33で連結さ
れており、同様に左側に配置した前と後の押し杆31、
31の下端同士も、捩り下げビーム32と捩り戻しビー
ム33で連結されている。このように、4本の押し杆3
1の上部を加圧ブロック23で結合し、下部を捩り下げ
ビーム32および捩り戻しビーム33で結合しているの
で、捩り機構の剛性も高くなっており、それらも軽量構
造とすることが可能である。
【0013】前記捩り下げビーム32と捩り戻しビーム
33の間には既述した上リテーナ13の押し下げ腕15
のローラ15a が嵌るようになっている。このように、奥
行き方向(図3では左右方向)に適当な長さを有する捩
り下げビーム32と捩り戻しビーム33の間に、複数台
の上リテーナ13の押し下げ腕15を臨ませるので、成
形されるクランク軸のサイズが変ってリテーナ13、1
4の寸法が変り、その結果、押し下げ腕15の位置が変
っても、押し杆31や捩り下げビーム32、捩り戻しビ
ーム33を交換する必要がない。
【0014】つぎに、本実施形態における捩り角度設定
手段を説明する。この捩り角度設定手段は、図5に示す
ように、加圧ブロック23側の上ストッパ23d とスライ
ド4側の伸縮式下ストッパ60とから構成されている。
まず、上ストッパ23d が設けられる加圧ブロック23の
構造を説明する。前記捩りシリンダ20のピストンロッ
ド21の先端がピン連結されたブラケット23e は、上ス
トッパ23d に取付けられている。上ストッパ23d の表側
と裏側には、加圧体23a と加圧体23b が取付けられてい
る。これらの構成は、平面視で概ねH字状であり、側面
視で概ね断面逆U字状である。前記加圧体23a ,23b は
スライド4の本体部分4aを跨いでおり、各加圧体23a
,23b の左右両端には、既述のごとく押し杆31を取
付けるようになっている(図3参照)。上記の上ストッ
パ23d は前記加圧体23a ,23b の連結部材を兼ねてい
る。前記上ストッパ23d の中心下方、すなわち捩りシリ
ンダ20の軸心下方であって、前記スライド4の本体部
分4aには、前記伸縮式下ストッパ60が同心に設けら
れている。
【0015】図6〜7に詳細に示すように、スライド4
の本体部分4aには、円筒状のケーシング61が固定さ
れている。このケーシング61の内部には、雌ネジ筒6
2が垂直軸まわりに回転自在に挿入されている。この雌
ネジ筒62の内周壁には雌ネジ63が形成されている。
また、雌ネジ筒62の外周壁にはウォームホイール64
が形成されている。このウォームホイール64にはウォ
ーム65が噛み合っており、ウォーム65はモータ66
で正逆回転されるようになっている。一方、前記雌ネジ
筒62の雌ネジ63には雄ネジ部材67が螺合してお
り、この雄ネジ部材67の上端にはストッパブロック6
8が固定されている。このストッパブロック68の周面
部4個所には上下方向に摺動面68a が形成されている。
また、前記ケーシング61の上端には、前記摺動面68a
に摺接するシュー69a が形成されたガイド部材69が設
けられ、前記ストッパブロック68の回転を規制すると
共に昇降をガイドしている。
【0016】上記の構成に基づき、モータ66を正逆回
転させると、雌ネジ筒62が回転し、雄ネジ部材67が
昇降するので、ストッパブロック68も昇降する。この
結果、図5に示すように、ストッパブロック68と上ス
トッパ23d との間の間隔dが長短可変に調整されるの
で、スライド4に対する加圧ブロック23の下降ストロ
ークを、ひいては、押し杆31の下降ストロークを長短
自在に設定することができる。なお、ウォーム65でウ
ォームホイール64を回転させることはできてもウォー
ムホイール64でウォーム65も逆転させることはでき
ないので、雄ネジ部材67と雌ネジ筒62は、ストッパ
ブロック68に加わる反力によって逆回転しない。した
がって設定された捩り角度がプレス動作によって狂うこ
とはない。さらに、ネジのリード角を小さくしてストッ
パブロック68に加わる反力によってストッパブロック
68が回転しないようにしておくとガタの発生をおさ
え、いっそう好適となる。
【0017】つぎに、図8〜11に基づき昇降ガイド手
段を説明する。図8において、25はガイド体であり、
スライド4の上面に固定されている。このガイド体25
は、図9〜11に示すように、概ね2本の柱25a ,25a
とそれらの上端を結合する連結部材25b とからなり、連
結部材の中心には開口25c が形成され、その開口25c を
捩りシリンダ20のピストンロッド21が通過するよう
になっている。前記加圧ブロック23の上ストッパ23d
はガイド体25の連結部材25b の下方にあって、上スト
ッパ23d の長手方向と連結部材25b の長手方向は互いに
直交している。そして、加圧体23a ,23b は、連結部材
25b の前と後で平行に位置している。(図11参照)
【0018】上記の加圧ブロック23とガイド体25の
配置関係に基づき、上方ガイド手段70と下方ガイド手
段75は、つぎのように構成されている。図8〜11に
おいて、加圧ブロック23の上方部分、すなわち、上ス
トッパ23d および加圧体23a ,23b の上方部分におい
て、上ストッパ23d に対する捩りシリンダ20のピスト
ンロッド21の連結位置を中心として、点対称となる4
ヵ所に案内スライダー71を取付けている。この4ヵ所
の案内スライダー71は、各取付個所において、前後方
向に面したものと、左右方向に面したものとが組合され
ている。
【0019】一方、前記ガイド体25の左右の柱25a ,
25a には、ガイド体25の中心に対し点対称となる4ヵ
所に案内レール72を取付けている。この案内レール7
2は、加圧ブロック23の昇降ストロークに見合う上下
方向長さを有している。またこの4ヵ所の案内レール7
2は、各取付個所において、前後方向に面したものと、
左右方向に面したものとが組合されている。これら4ヵ
所における8個の案内スライダー71は、前記4ヵ所に
おける8本の案内レール72に摺接しており、加圧ブロ
ック23の昇降時に、前後方向および左右方向の傾きが
生じないようにガイドする。
【0020】下方ガイド手段75は、つぎのように構成
されている。図8〜9および図11において、加圧ブロ
ック23の下方部分、すなわち、前後の加圧体23a ,23
b の両端位置、換言すれば加圧ブロック23の四隅であ
って、押し杆31の取付個所の4ヵ所に、案内スライダ
ー76が取付けられている。この4ヵ所の案内スライダ
ー76は、各取付個所において、前後方向に面したもの
と、左右方向に面したものとが組合されている。
【0021】一方、スライド4の本体部分4aには、前
記案内スライダー76に対応づけて、4ヵ所に案内レー
ル77が取付けられている。この案内レール77も、加
圧ブロック23の昇降ストロークに見合う上下方向長さ
を有している。また、この案内レール77も、各取付個
所において、前後方向に面したものと、左右方向に面し
たものとが組合されている。これらの4ヵ所における8
個の案内スライダー76は前記4ヵ所における8本の案
内レール77に摺接しており、加圧ブロック23の昇降
時に前後方向および左右方向の傾きが生じないようにガ
イドする。
【0022】上記のごとく、上方ガイド手段70と下方
ガイド手段75とは、加圧ブロック23の上方部分と下
方部分の2ヵ所でガイドしているので、加圧ブロック2
3の傾き、ひいては押し杆31の下降位置のズレは生じ
ない。また、捩り角度設定手段である上ストッパ23d と
下ストッパ60は、捩りシリング20の軸線直下方に1
ヵ所存在しているだけであるが、この下ストッパ60を
囲むように上方ガイド手段70と下方ガイド手段75が
4ヵ所に位置するので、加圧ブロック23が下ストッパ
60で規制されるストロークエンドまで下降したとき
も、加圧ブロック23に傾きは生じず、ひいては4本の
押し杆31の下降位置も全て同じ位置に揃うので、高い
プレス加工精度を維持することができる。
【0023】つぎに、本実施形態におけるクランク軸の
捩り成形作業を図12〜15に基づき説明する。図12
は型締工程Iの説明図、図13は捩り工程IIの説明図、
図14は型開き(スライド上昇)工程III の説明図、図
15は上型捩り戻し工程IVの説明図である。図12に示
す型締め工程Iにおいては、加圧シリンダ5Aが伸長し
てスライド4が下降しており、捩り型10内では捩られ
る前のクランク軸材料が保持されており、整形型17で
は捩り工程を終えているクランク軸材料が型締めされ
て、形状修正が行われる。図13に示す捩り工程IIで
は、捩りシリンダ20が伸長し、加圧ブロック23と押
し杆31が降下し、捩り下げビーム32が上リテーナ1
3の押し下げ腕15を押し下げ、クランク軸材料に捩り
を加える。図14に示す型開き工程III では、吊り上げ
シリンダ5Bでスライド4を上昇させると、スライド4
の上昇によって加圧ブロック23が押し上げられ、押し
杆31と捩り戻しビーム33も上昇する。このため、上
リテーナ13は下リテーナ14から引き上げられ、捩り
型10の上型11と下型12も分離する。図15に示す
上型捩り戻し工程IVでは、さらに捩りシリンダ20を上
昇させ、押し杆31を引き上げて、捩り戻しビーム33
によって上リテーナ13の押し下げ腕15を上方に回転
させる。以上の工程I〜IVを繰り返すことにより、クラ
ンク軸の捩り成形が行われる。
【0024】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、スライドと加
圧ブロックの間の1ヵ所に捩り角度設定手段を設けるだ
けで加圧ブロックの昇降ストロークを規制できるので、
同調機構を必要とせず、シンプルかつ安価な構成にでき
る。また、スライドに取付けた下ストッパを伸縮させる
ことにより、加圧ブロックに取付けた上ストッパとの間
の間隔を変えうるので、クランク軸の成形捩り角度を任
意に設定できる。さらに、捩り角度の設定を自動で変更
でき、プレスの生産性が高くなる。請求項2の発明によ
れば、1本の雌ネジ筒を回転させるだけで捩り角度を設
定できるので、同調装置を必要とせず、シンプルで安価
なプレスにすることができる。また、雌ネジ筒と雄ネジ
部材のネジ嵌合は、上ストッパに圧接したときの反力に
よって、逆回転しないようにできるので、設定したスト
ッパ位置が変らず、プレス精度を向上させることができ
る。請求項3の発明によれば、ウォームホイールとウォ
ームの組合せであるため、下ストッパの微少送りが可能
であり、捩り角度を高精度に設定できる。また、上スト
ッパからの反力によって逆回転しないので、設定したス
トッパ位置が変らず、プレス精度を高くすることができ
る。請求項4の発明によれば、上方ガイド手段と下方ガ
イド手段により、加圧ブロックの上方部分と下方部分の
2位置を、スライドに対して案内し、かつそれが四隅で
案内されるので捩り用押し杆を正確に垂直に押し下げる
ことができ、加圧ブロックに傾きが生じない。このた
め、クランク軸に設定値どおりの正確な捩り角を付与す
ることができる。請求項5の発明によれば、前後左右い
ずれの方向に対しても加圧ブロックの傾き、ひいては捩
り用押し杆に傾きが生じず、捩り角度の精度の高いプレ
ス加工が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るクランク軸用成形プ
レスの正面図である。
【図2】同成形プレスで捩りシリンダが伸長した状態の
要部正面図である。
【図3】図2のIII 線矢視図である。
【図4】捩り鍛造部の斜視図である。
【図5】(A) 図は捩り角度設定手段の側面図である。
【図6】(A) 図は捩り角度設定手段の側面断面図、(B)
図はストッパブロック68の平面図である。
【図7】捩り角度設定手段の平面図である。
【図8】昇降ガイド手段の正面を示す図11のVIII−VI
II線矢視図である。
【図9】昇降ガイド手段の側面図である。
【図10】上ガイド手段の正面図である。
【図11】昇降ガイド手段の平面図である。
【図12】型締工程Iの説明図である。
【図13】捩り工程IIの説明図である。
【図14】型開き工程III の説明図である。
【図15】上型捩り戻し工程IVの説明図である。
【図16】従来例のクランク軸用成形プレスの要部断面
正面図である。
【符号の説明】
2 クラウン 4 スライド 5A 加圧シリンダ 10 捩り型 17 整形型 20 捩りシリンダー 24 加圧ブロック 23d 上ストッパ 31 押し杆 32 捩り下げビーム 33 捩り戻しビーム 60 自動伸縮式下ストッパ 62 雌ネジ筒 63 雌ネジ 64 ウォームホイール 65 ウォーム 67 雄ネジ部材 68 ストッパブロック 70 上方ガイド手段 71 案内スライダー 72 案内レール 75 下方ガイド手段 76 案内スライダー 77 案内レール

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1基のスライドを有する1台のプレス内に
    捩り鍛造部と整形鍛造部を設けたクランク軸用成形プレ
    スであって、 スライドを昇降させる加圧シリンダおよび吊り上げシリ
    ンダと共に、捩り鍛造部においてクランク軸材料を捩り
    加工するための捩りシリンダをクラウンに取付け、該捩
    りシリンダのピストンロッドに加圧ブロックを取付け、
    該加圧ブロックの四隅に捩り用押し杆をそれぞれ取付
    け、前記4本の捩り用押し杆のうち、2本を捩り型の右
    側で前記スライドの本体部分の前後に配置し、残りの2
    本を前記捩り型の左側で前記スライドの本体部分の前後
    に配置し、各前後2本の捩り用押し杆の下端同士を、前
    記スライドの下側において、捩り下げビームと捩り戻し
    ビームにより連結しており、前記加圧ブロックと前記ス
    ライドの間に捩り角度設定手段が設けられており、該捩
    り角度設定手段は、前記加圧ブロックに設けられた上ス
    トッパと、前記スライドに取付けられた、前記上ストッ
    パに対して接近離間自在な自動伸縮式下ストッパとから
    なることを特徴とするクランク軸用成形プレス。
  2. 【請求項2】前記捩り角度設定手段の自動伸縮式下スト
    ッパは、スライド内に設けられたケーシング内で垂直軸
    まわりに回転自在な雌ネジ筒と、該雌ネジ筒内の雌ネジ
    部に螺合する雄ネジ部材および該雄ネジ部材の上端に固
    定されたストッパブロックと、前記雌ネジ筒を回転させ
    る回転駆動機構とからなることを特徴とする請求項1記
    載のクランク軸用成形プレス。
  3. 【請求項3】前記自動伸縮式下ストッパの回転駆動機構
    は、前記雌ネジ筒の外周面に形成されたウォームホイー
    ルと、該ウォームホイールに噛み合うウォームと、該ウ
    ォームを回転させる減速機付モータとからなることを特
    徴とする請求項2記載のクランク軸用成形プレス。
  4. 【請求項4】前記加圧ブロックと前記スライドの間に、
    前記加圧ブロックの昇降をガイドする昇降ガイド手段が
    設けられており、該昇降ガイド手段が、前記加圧ブロッ
    クの上方部分の四隅に取付けられた案内スライダーと、
    前記スライドの上面に固定されたガイド体と、該ガイド
    体に取付けられた、前記案内スライダーをガイドする4
    ヵ所の案内レールとからなる上方ガイド手段および前記
    加圧ブロックの下方部分の四隅に取付けられた4ヶ所の
    案内スライダーと、前記スライドに取付けられた前記案
    内スライダーをガイドする4ヶ所の案内レールとからな
    る下方ガイド手段より構成されていることを特徴とする
    請求項1記載のクランク軸用成形プレス。
  5. 【請求項5】前記昇降ガイド手段におけるの上方ガイド
    手段および下方ガイド手段が、いずれも前後方向をガイ
    ドする案内スライダーおよび案内レールの対と、左右方
    向を案内する案内スライダーおよび案内レールの対から
    なることを特徴とする請求項1記載のクランク軸用成形
    プレス。
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