JP2001129540A - 揮発性汚染物質の浄化処理装置および浄化処理方法 - Google Patents

揮発性汚染物質の浄化処理装置および浄化処理方法

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JP2001129540A
JP2001129540A JP31913099A JP31913099A JP2001129540A JP 2001129540 A JP2001129540 A JP 2001129540A JP 31913099 A JP31913099 A JP 31913099A JP 31913099 A JP31913099 A JP 31913099A JP 2001129540 A JP2001129540 A JP 2001129540A
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volatile
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ultraviolet
ozone
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Ryozo Ushio
亮三 牛尾
Miki Masuda
幹 増田
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地下水中に含まれる揮発性汚染物質を効率よ
く分解し、活性炭の交換頻度を少なくするとともに、省
スペースかつ低コスト化が可能な揮発性汚染物質の浄化
処理装置及び浄化処理方法を提供する。 【解決手段】 揚水ポンプ4で汲み上げられた地下水は
送水管11を介して曝気装置4に導入され、曝気された
気体が吸引ブロワー5によって、気液分離槽6を通って
活性炭槽7に導入される。大気中の空気は空気乾燥器8
を介してオゾンガス発生装置9に導入され、生成された
オゾンガスを含む気体が曝気装置4に導入される。曝気
装置4では、地下水が噴霧される位置に、紫外線ランプ
24とその周囲に保護管26が設けられており、地下水
は保護管26の表面を流下する際に薄い液層となる。そ
の際、地下水中にオゾンが吸収されるとともに、オゾン
が紫外線によってラジカル化され、地下水中に含まれる
揮発性汚染物質が酸化分解される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、 有機塩素化合物で
汚染された土壌における地下水等、揮発性汚染物質を含
む汚染水から有害物質を除去処理する浄化処理装置およ
び浄化処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】地下水中に有機塩素化合物などの汚染物
質を含む土壌を修復する方法として、いわゆる揚水曝気
法が知られている。この方法では、有機塩素化合物など
の揮発性汚染物質、例えばトリクロロエチレン、テトラ
クロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1
−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン等
を含んだ地下水をポンプで揚水し、これらの揮発性汚染
物質を曝気により気相中に取り出す。そして、これらの
揮発性汚染物質を活性炭に吸着させて除去した後、処理
済の気体を大気中に放出する。また、曝気装置を出た後
の揮発性汚染物質を含んだ気体を活性炭に吸着させず
に、化学的に分解処理する場合もある。しかし、装置の
大きさに制約がある場合や、修復規模が比較的小さい場
合などでは、分解処理を行なうと設備費を含めた浄化コ
ストが高くなることが多く、活性炭で吸着除去する方式
を採用するケースが多い。このように活性炭を用いる場
合には、使用した活性炭が飽和状態に近くなり次第、新
品と交換することになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、活性炭
処理を行なう従来の装置では以下に示すような問題点が
ある。活性炭が飽和してしまう前に活性炭を新品と交換
するには、交換する活性炭の費用に加えて、その作業の
ための労務コストがかかり、交換を行う頻度が高くなれ
ばなるほど費用は多大となる。また、地下水が揮発性汚
染物質により汚染された土壌の修復初期には比較的に活
性炭にかかる負荷が高く、この期間はある程度、活性炭
の交換頻度が高くなるのは仕方がないとしても、汚染修
復が進んでも一定の頻度で活性炭を交換する必要があ
る。これは、地下水汚染が帯水層域で広がる傾向があ
り、地下水中の汚染濃度が比較的に低くなった後でさえ
も、揚水した地下水から曝気処理によって揮発してくる
揮発性物質の量は少しずつしか低減しないからである。
そのため修復を開始した後、何年間にもわたって、一定
の頻度で活性炭を交換する状態が継続され、活性炭の交
換のための費用も継続して必要となる。特に、住宅地な
どの密集した市街地の中で、小型の修復装置を用いて修
復を行っている場合等において、長期間に渡って、活性
炭の交換を行うことは費用面での効率が悪く、交換頻度
をできるだけ少なくする必要がある。
【0004】活性炭層の交換の手間を完全に省くために
は、単純には、曝気装置を出た後の揮発性汚染物質に対
して、活性炭吸着によらずに、気相中で分解処理を施す
手法を採ったり、または曝気処理を行わずに揚水した地
下水を直接に湿式分解処理すればよいといえる。
【0005】これまで、汚染規模が大きな大工場跡地等
の地下修復においては、備え付ける曝気装置も比較的大
型なものがスペース的に許容されていた場合が多いた
め、分解処理に切り替える場合に、その修復規模に見合
った大サイズの分解処理装置を設置することが可能であ
った。例えば、触媒燃焼式の分解処理装置で、その設置
のための面積が2〜3m2 以上必要な装置を汚染現場に
設置し、ガス化した揮発性汚染物質を活性炭に吸着させ
る前に分解処理を施すようにした事例が存在している。
しかし、その一方で、クリーニング店や中小企業向けの
小型の揚水曝気塔に対して、これらの比較的大がかりな
分解処理装置を設置するのは、スペース的に見ても設備
費用的にも不釣り合いで、現実に見合っている組み合わ
せとはいえない。
【0006】この他、活性炭による吸着処理以外の処理
を行う技術が、例えば特開平2−115096号公報、
特開平2−184393号公報及び特開平7−1164
67号公報に開示されている。特開平2−115096
号公報に記載の揮発性有機化合物の分解方法では、水溶
液中および気体中に含まれる揮発性有機化合物に対して
オゾンを導入し、紫外線を照射するとともに、気相中に
多孔質吸着物を介在させて分解処理を行なっている。し
かし、この方法では、気相中に移された揮発性有機化合
物から生じた毒性副産物を更に酸化分解して最終的に完
全に分解するためには、紫外線の照射時間を非常に長時
間かける必要が生じる。このため、処理コストが増大す
るとともに、照射槽自体の大型化が避けられず、装置全
体の設置スペースが大きくなるという問題がある。
【0007】また、特開平2−184393号公報に記
載の水中における有機化合物の酸化方法では、オゾンの
導入および紫外線の照射とともに、過酸化水素を導入す
ることで分解処理を行っている。過酸化水素を添加した
理由は、処理における酸化効率を高める必要があるため
であるが、過酸化水素は高価であり、かつ導入運転の際
に手間がかかり、運用面での煩雑さがメンテナンスの手
間を増大させてしまうという問題がある。
【0008】特開平7−116467号公報には、汚染
水から曝気抽出して気相中に移した揮発性有機化合物に
紫外線を照射し、中間処理物質に変えた後で、それを再
度液相中に移行させてから生物処理する方法が開示され
ている。しかし、この方法では、曝気抽出槽、照射槽、
貯留槽、生物処理槽を兼ねた曝気槽、などの多くの処理
槽を直列に接続する必要があり、できる限り省スペース
性が求められるような場合に対しては、装置全体の構成
が複雑であるという問題がある。また、液相中に移動し
にくい種類の中間処理物質も存在するので、その多くを
取り逃して大気中に放出してしまう可能性もある。
【0009】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的は、揮発性汚染物質が活性
炭に吸着されることによって活性炭の交換が必要となる
頻度を小さくし、活性炭の交換のための費用や作業工数
を節約することができるとともに、装置全体の省スペー
ス化が可能な揮発性汚染物質の浄化処理装置を提供する
こと、並びに省スペースで効率のよい揮発性汚染物質の
浄化処理方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、 揮発性汚染物質を含
有する汚染水と気体とが導入され、該汚染水中に含有す
る揮発性汚染物質を前記気体中に気化させる曝気装置
と、 前記曝気装置内にオゾンガスを供給するオゾンガ
ス発生装置と、 前記曝気装置内に配置され、前記汚染
水に含まれる揮発性汚染物質の分解を促進する紫外線照
射装置と、 前記曝気装置から排出される気体が導入さ
れ、該気体中に含有する揮発性汚染物質を吸着させて除
去する活性炭槽とを有し、 前記曝気装置は、導入され
る前記汚染水を薄い液層にして流下させる流下面形成材
を備え、 前記紫外線照射装置は、前記流下面形成材上
を流下する液層に紫外線を照射するものである揮発性汚
染物質の浄化処理装置を提供する。
【0011】このような揮発性汚染物質の浄化処理装置
では、曝気装置内に揮発性汚染物質を含有する汚染水と
空気等の気体とが導入され、汚染水は流下面形成材の表
面上を薄い液層となって流下する。その際、曝気装置内
にはオゾンガスが供給されているので汚染水にオゾンが
吸収される。そして紫外線照射装置によって、流下する
汚染水の薄い層に紫外線が照射されるので、汚染水中に
吸収されたオゾンが紫外線によってフリーラジカル化す
る。このフリーラジカル種により、汚染水中に溶け込ん
でいる揮発性汚染物質のうちの一部である一定量分が酸
化分解される。
【0012】このように汚染水中に溶け込んでいる揮発
性汚染物質の一部については、オゾンと紫外線により酸
化を促進することで分解され、未分解の成分について
は、曝気装置内の充填材の間に汚染水を流下させること
で曝気され、揮発性汚染物質が気化される。気化した揮
発性汚染物質を含む気体は活性炭槽に導入され、活性炭
に吸着させることで完全に除去することができる。
【0013】以上のように、曝気装置内に導入した汚染
水中に溶け込んでいる揮発性汚染物質のうちの一定量を
補助的に分解処理する際には、汚染水中に酸化反応によ
る中間生成物が残らないように、最終的な酸化物である
炭酸ガスまでの分解を十分に進行させる必要がある。こ
の点、本発明に係る揮発性汚染物質の浄化処理装置で
は、比較的に中間生成物が多種生成しやすい気相中での
酸化分解を主に行なうのではなく、オゾンと紫外線の併
用により液相中で酸化分解を起こさせることによって、
極力これらの物質が副生するのを防止することが可能と
なる。
【0014】請求項2に記載の発明は、 揮発性汚染物
質を含有する汚染水を一時収容する貯留槽と、 該貯留
槽に収容されている汚染水中にオゾンガスを供給するオ
ゾンガス発生装置と、 気体及び前記貯留槽内でオゾン
ガスが導入された汚染水が導入され、該汚染水中に含有
する揮発性汚染物質を前記気体中に気化させる曝気装置
と、 前記曝気装置内に配置され、前記汚染水に含まれ
る揮発性汚染物質の分解を促進する紫外線照射装置と、
前記曝気装置から排出される気体が導入され、該気体
中に含有する揮発性汚染物質を吸着させて除去する活性
炭槽とを有し、前記曝気装置は、導入される前記汚染水
を薄い液層にして流下させる流下面形成材を備え、 前
記紫外線照射装置は、前記流下面形成材上を流下する液
層に紫外線を照射するものである揮発性汚染物質の浄化
処理装置を提供する。
【0015】この揮発性汚染物質の浄化処理装置では、
貯留槽内で汚染水にオゾンガスが供給され、汚染水にオ
ゾンが溶存した状態となる。そして、このオゾンを含む
汚染水が曝気装置内に導入され、薄い液層にして紫外線
の照射が行われる。これにより、溶存している充分な量
のオゾンがラジカル化し、汚染水中の揮発性汚染物質を
酸化分解する。このように、汚染水中にあらかじめ充分
な量のオゾンが含まれているので、高い効率で酸化分解
が行われる。一方、酸化分解されなかった揮発性物質
は、曝気装置内で気化され、活性炭槽で吸着処理される
のは、請求項1に係る発明の装置と同じである。
【0016】請求項3に記載の発明は、 請求項1又は
請求項2に記載の揮発性汚染物質の浄化処理装置におい
て、 前記紫外線照射装置は、紫外線ランプを含むもの
であり、 前記流下面形成材は、紫外線透過性材料から
なり、前記紫外線ランプを囲むように形成されているも
のとする。
【0017】上記のように、流下面形成材を紫外線透過
性材料で形成し、紫外線ランプを囲むように設置するこ
とで、流下面形成材の表面を薄い液層となって流下する
汚染水に広い範囲で近い距離から紫外線を照射すること
が可能となり、効率よく酸化分解を促進することができ
る。
【0018】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の揮発性汚染物質の浄化処理装置において、 前記曝気
装置は、導入される前記汚染水を飛沫化して噴き出すノ
ズルを有し、 前記流下面形成材は、前記ノズルから噴
き出す汚染水が振りかかる範囲内に設置されているもの
とする。
【0019】この装置では、曝気装置内に導入された汚
染水がノズルから飛沫化して噴出され、常に流下面形成
材に打ちつけられることになるので、流下面形成材は常
時清掃され、汚れが蓄積されるのを防止することができ
る。したがって、汚れによって紫外線が遮られるのを低
減し、効率のよい汚染物質の酸化分解を維持することが
できる。
【0020】また、この装置では、曝気装置内で汚染水
を充填材の積層部に流下させ曝気処理を行う前に、汚染
水中に含まれる揮発性汚染物質を酸化分解することがで
き、汚染物質の濃度が高い状態で処理が行われる。した
がって酸化分解処理の効率が向上する。
【0021】請求項5に記載の発明は、請求項1又は請
求項3に記載の揮発性汚染物質の浄化処理装置におい
て、 前記曝気装置は、上部から前記汚染水が導入さ
れ、内部には、前記汚染水の前記気体との接触面積を大
きくして流下させる充填材を収容するものであり、 前
記流下面形成材が設けられた位置よりも上側に、前記充
填材が積層されているものとする。
【0022】このような装置では、導入された汚染水が
充填材を流下する間に曝気装置内にオゾンを吸収し、充
分な量のオゾンが溶存した状態で紫外線が照射される。
したがって、汚染水中の揮発性汚染物質の酸化分解が効
率よく行われる。ただし、充填材中を流下する間に揮発
性汚染物質は気化が進行し、溶存量が低下する。このた
め、流下にともなって汚染中の溶存量が増加するオゾン
と減少する汚染物質の量を考慮して流下面形成材及び紫
外線ランプを設ける位置を決定するのが望ましい。
【0023】請求項6に記載の発明は、請求項1から請
求項4までのいずれかに記載の揮発性汚染物質の浄化処
理装置において、 前記曝気装置は、上部から前記汚染
水が導入され、内部には、前記汚染水の前記気体との接
触面積を大きくして流下させる充填材を収容するもので
あり、 該充填材は、紫外線を透過する材料で形成され
ているものとする。
【0024】この装置では、充填材が紫外線を透過する
ものとなっているので、紫外線ランプから照射された紫
外線が広範囲に及び、流下面形成材上のみでなく、汚染
水が充填材を伝って流下するときにも酸化分解を進行さ
せることが可能となる。
【0025】請求項7に記載の発明は、請求項1から請
求項6までのいずれかに記載の揮発性汚染物質の浄化処
理装置において、 前記曝気装置は、前記流下面形成材
の表面を流下した後の汚染水を貯留する下部槽を備え、
該下部槽に貯留される汚染水に紫外線を照射する第2
の紫外線照射装置を有するものとする。
【0026】この装置では、種々の条件によってハロ酢
酸成分等の、液相中に溜まりやすい有害物質が曝気処理
されずに汚染水中に残留した場合があったとしても、汚
染水が貯留される下部槽に第2の紫外線照射装置を設置
することで、残留した有害物質を酸化分解することが可
能となる。すなわち、曝気処理した後の汚染水に紫外線
を作用させ、オゾンをフリーラジカル化させることで、
その強い促進酸化作用によってカルボン酸類についても
分解処理を進めることができ、有害物質の含有を完全に
なくすことが可能となる。
【0027】請求項8に記載の発明は、 揮発性汚染物
資を含有する汚染水を、平面又は曲面上で薄い層状にし
て流下させ、 周囲の気体をオゾンガスを含むものとす
るとともに、前記平面又は曲面上を流下する汚染水に紫
外線を照射する揮発性汚染物質の浄化処理方法を提供す
る。
【0028】また、請求項9に記載の発明は、揮発性汚
染物資と含有する汚染水中に、オゾンガスを含む気体を
導入して、オゾンを該汚染水中に吸収させ、 該汚染水
を平面又は曲面上で薄い層状にして流下させ、 該平面
又は曲面上を流下する汚染水に紫外線を照射する揮発性
汚染物質の浄化処理方法を提供する。
【0029】請求項10に記載の発明は、請求項8又は
請求項9に記載の揮発性汚染物質の浄化処理方法におい
て、 前記汚染水は、紫外線ランプの回りを囲むように
形成された、紫外線透過性材料からなる部材の表面に流
下させるものとする。
【0030】請求項11に記載の発明は、請求項8、請
求項9又は請求項10に記載の揮発性汚染物質の浄化処
理方法において、 前記汚染水に、紫外線を照射する間
又は紫外線照射後に曝気を行い、気化した揮発性汚染物
質を含む気体を活性炭槽中に導入して、揮発性汚染物質
を吸着するものとする。
【0031】上記請求項8、請求項9又は請求項10に
係る揮発性汚染物質の浄化処理方法によると、オゾンと
紫外線との併用により、汚染水中に含まれる揮発性汚染
物質の一部である一定量分を、液相中で効率よく酸化分
解することが可能である。そして、請求項11に記載し
たように、汚染水に紫外線を照射する間、又は紫外線照
射後に曝気処理を行い、気化した揮発性汚染物質を含む
気体を活性炭槽に導入することで、酸化分解処理後に残
った揮発性汚染物質を活性炭に吸着させて完全に除去す
ることが可能となる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて説明する。図1は、請求項1、請求項3、請求
項4又は請求項6に記載の発明の一実施形態である揮発
性汚染物質の浄化処理装置を示す概略構成図である。こ
の浄化処理装置は、土壌の間隙中及び地下水に、有機塩
素化合物等の揮発性汚染物質が存在する地盤中に挿入し
て固定された多孔管1と、この多孔管1の内部に挿入さ
れ、多孔管1の底部近くまで設けられた揚水管2と、こ
の揚水管2に送水管10を介して接続され、地下水を地
表面上に汲み上げる揚水ポンプ3とを有している。
【0033】さらに、揚水ポンプ3で汲み上げられた地
下水すなわち汚染水が送水管11を介して導入される曝
気装置4と、曝気装置4内の気体を吸引する吸引ブロワ
ー5と、吸引した気体が送気管15,16を介して導入
され、気体中に含まれる液体の飛沫を除去する気液分離
槽6と、この気液分離槽6を通った気体が送気管17を
介して導入される活性炭槽7とが設けられている。
【0034】また、大気中から導入される空気を乾燥さ
せる空気乾燥器8と、この空気中の酸素を反応させてオ
ゾンガスを発生させるオゾンガス発生装置9とを備えて
いおり、このオゾンガス発生装置9は送気管13を介し
て曝気装置4と接続されている。また曝気装置4には、
空気を導入する吸気管14と、曝気装置4に溜まった液
体を廃棄する排水管12とが備えられている。
【0035】上記多孔管1は、土壌中に掘削された井戸
穴に挿入し、井戸の周壁との間に礫などを投入しつつ、
井戸掘削時のケーシングを引き抜いて固定されるもので
ある。この多孔管1は、例えば径が100mm〜150
mm程度のポリ塩化ビニル管からなり、地下水面の上方
から下端にかけて多数の開孔が設けられている。また、
上記揚水管2は、前記多孔管1の上端付近から貫入さ
れ、多孔管1の下端付近に至るまで挿入されている。こ
の揚水管2の下流側には揚水ポンプ3が取り付けられ、
地下水を地表面上に汲み上げることができるようになっ
ている。
【0036】上記吸引ブロワー5は、曝気装置4中の気
体を吸引して排出するものであり、これにより曝気装置
内が減圧状態となり、吸気管14から空気が吸引され、
曝気装置4内に導入される。上記活性炭槽7は、円筒状
の槽内に粒状活性炭や活性炭素繊維などを充填したもの
である。処理される気体は送気管17を通って活性炭槽
7の下部から導入され、活性炭に接触させた後に上部か
ら排気されるようになっている。
【0037】上記曝気装置4は、鉛直方向に支持される
円筒体21と、この円筒体21を支持するとともに、内
部が該円筒体21と連通する函体22と、円筒体21に
装填された多数の充填材23とを備えている。これらの
充填材23が積層された部分の上部には、紫外線を照射
する紫外線ランプ24と、円筒体21の上部から地下水
を噴霧するノズル25とを備えている。
【0038】上記充填材23は、ノズル25から噴出さ
れ円筒体21内を流下する液体の表面積が大きくなるよ
うに用いられる小さい篭状の部材であり、紫外線の透過
性の高い石英、パイレックス、透明テフロン等で形成さ
れている。充填材23の表面に地下水を流下させること
で、気液の接触効率を高め、揮発性汚染物質の気化を促
進することが可能となっている。
【0039】上記紫外線ランプ24の周囲には、図2
(a)に示すように、導入される地下水を薄い液層にし
て流下させる保護管(流下面形成材)26が設けられて
いる。この保護管26は、紫外線透過性の高い材料から
なり、例えば、石英、透明テフロン、パイレックス等が
用いられる。そして、図2(b)に示すように、円筒体
21の内側上部に3本がかけ渡すように配置されてお
り、ノズル25から噴出された地下水の飛沫が振りかか
るようになっている。このような保護管26は、使用条
件によっては、表面が汚れて内側にある紫外線ランプの
照射効果が極端に落ちることがあるが、本実施形態の浄
化処理装置では、曝気装置内に導入される地下水がノズ
ル25から噴出し、連続的に保護管26に振りかかるよ
うに配置されているので、保護管26の表面には汚れが
溜まらず、紫外線の照射効率を長く維持しながら処理を
継続することが可能である。
【0040】上記紫外線ランプ24は、ピーク波長が1
85±10nm、254±10nm又は360±10n
mの紫外線を照射するものを利用できるが、オゾンのラ
ジカル化に有効に作用するとともに、設置コストが低く
て消費電力の少ない、254±10nmのピーク波長を
持つ低圧水銀灯を用いることが望ましい。このような構
成とすることにより、設置費用や照射管の点灯に要する
電力は、他の種類の紫外線ランプ、例えば中圧水銀灯に
比べて、かなり低減することができる。また、紫外線ラ
ンプの交換頻度は4000時間に1回程度であるが、も
ともと全体が小型の浄化処理装置として設計されている
ならば、仮に10本程度の数の低圧水銀灯を設置した場
合でも、交換にかかる手間は、大型の装置での手間と比
べて十分に少なくて済む。
【0041】また、上記函体22内には、オゾンガス発
生装置9で発生したオゾンガスを含む気体が吸引ブロワ
ー5の吸引力によって導入されるようになっており、函
体22内から円筒体21内に導入される。一方、この函
体22は、曝気装置4内で、汚染物質が気化又は分解処
理された後の地下水を一旦貯留することができるもので
あり、排水管12によって外部に排出することができる
ようになっている。
【0042】上記オゾンガス発生装置9は、最高オゾン
ガス濃度25g/m3 以下の比較的低濃度のオゾンガス
を発生する小型の装置を使用することができ、消費電力
が500W以下程度の低電力消費型のものが経済的に望
ましい。この程度の小規模のオゾン発生装置であって
も、揚水規模で毎時2m3 以下のような小規模の修復で
活性炭吸着の補助的な機能として用いるには、十分な能
力が期待できる。例えば、オゾン発生能力が2.5g/
h程度の小型のオゾンガス発生装置であっても、揚水規
模が少なく毎時1m3 程度であるならば、以下のように
有効な手段として機能させることができる。すなわち、
地下水の汚染濃度が例えば、テトラクロロエチレン濃度
4mg/lであり、かつ上記オゾン発生能力2.5g/
hのうち5分の1だけが、オゾンによるテトラクロロエ
チレンの分解反応に有効に供せられるという、比較的低
いオゾン消費効率の場合であっても、活性炭へのテトラ
クロロエチレンの吸着量は約半分となり、活性炭寿命は
約2倍に増えることになる。なお、オゾンガス発生装置
9の原料として酸素ガスを用いても構わないが、この場
合は酸素ボンベの交換等の保守の手間が加わるため、乾
燥空気を用いるものが望ましい。
【0043】次に、上記浄化処理装置の動作であって、
請求項8、請求項10又は請求項11に記載の発明の一
実施形態である揮発性汚染物質の浄化処理方法について
説明する。揚水ポンプ3が駆動されると、揚水管2の下
部から地下水(汚染水)が吸い込まれ、地表面上に汲み
上げられる。これにともない、多孔管1の下端付近の開
孔を通って地下水が多孔管1内に導入され、汚染物質を
含む地下水は連続的に地表面上へ汲み上げられる。そし
て、この地下水は送水管10,11を通って曝気装置4
に導かれる。
【0044】曝気装置4では、送水管11を通った地下
水がノズル25から、円筒体21内の紫外線ランプ24
の周囲に設けられた保護管26の上に飛沫状にして噴出
される。噴出された地下水は保護管26の表面で、図2
(a)に示すように薄い液層を形成しながら流下し、保
護管26の内側から紫外線の照射を受ける。一方、吸引
ブロワー5の駆動により曝気装置4内が減圧され、吸気
管14から外気が取り込まれるとともに、オゾンガス発
生装置9から曝気装置4内への空気流が生じる。オゾン
ガス発生装置9に導入された空気は、空気乾燥器8で乾
燥され、オゾンガス発生装置9内で空気中の酸素が反応
して生成されたオゾンガスを含むものとなる。
【0045】曝気装置4内に導入されたオゾンガスを含
む空気は、函体22から円筒体21内の充填材23の間
を通って上昇し、ノズル25から噴出される地下水内に
オゾンが吸収される。そして、保護管26の表面を流下
するときに、紫外線ランプ24から照射される紫外線の
作用により、オゾンがラジカル化する。このラジカル成
分の働きにより、保護管26の表面を流下する地下水中
に含まれる揮発性汚染物質が酸化分解される。このラジ
カル成分の働きは、難揮発性汚染物質も無機化あるいは
易揮発性汚染物質に酸化分解するものであり、これらの
除去が容易となる。
【0046】揮発性汚染物質の一部がオゾンにより分解
された後の地下水は、紫外線ランプ24の下側に収容さ
れた充填材23をつたって流下する。地下水が多数の充
填材23の表面を流下する間に表面積が拡大され、函体
22から円筒体21内に供給される気体と接触し、地下
水中に含まれる揮発性汚染物質が気化することによって
分離される。気化した揮発性ガスは円筒体21内に供給
される気体とともに、吸引ブロワー5で吸引され、円筒
体21の上部の送気管15から排出される。
【0047】曝気装置4から排出された気体は、送気管
15,16を通って気液分離槽6に導かれ、槽内で気体
中に含まれる液体の飛沫等が除去される。気液分離槽6
から排出された気体は、送気管17を通って活性炭槽7
に導入され、気体中に含まれる揮発性汚染物質が活性炭
に吸着して除去される。活性炭槽7を通った気体は揮発
性汚染物質の濃度が所定値以下となり、大気中に放出さ
れる。
【0048】一方、揮発性汚染物質が気化された後の地
下水は、充填材23の下部の函体22内に一旦貯留され
る。そして、揮発性汚染物質が所定の値以下まで除去さ
れていれば、そのまま排出することができる。
【0049】このように、オゾンによる分解処理されな
かった揮発性汚染物質が活性炭で吸着処理されるので、
曝気装置でのオゾンによる分解効率が高ければ高いほ
ど、活性炭槽7に送られる揮発性汚染物質の量が低減さ
れ、活性炭の寿命をその分だけ延長することが可能とな
る。
【0050】上記のような工程において、曝気装置4を
通過する際にオゾンが地下水中に吸収され分解反応に寄
与するが、曝気装置中で液相中に吸収されずに一部のオ
ゾンが残ったとしても、最終的に曝気装置4から排気さ
れる前の段階で、曝気装置上部での紫外線の照射により
自己分解し、無害な酸素形態に変化する。このため、そ
の後活性炭槽7に送られた時点で気体中にはオゾンがほ
とんど残留せず、分解せずに通過した揮発性汚染物質が
活性炭に吸着する際にオゾンが悪影響を及ぼすことはな
い。また、活性炭槽まで未反応のオゾンが到達する場合
には、活性炭槽のガス導入口付近の充填領域に、オゾン
分解用にあらかじめ表面処理された市販のオゾン分解用
活性炭や、オゾン分解触媒を装填しておくだけで、瞬時
に補足しオゾン分解させることが容易である。その際、
揮発性汚染物質の活性炭への吸着能力を落とさないため
に、活性炭槽におけるオゾン分解用の活性炭、又はオゾ
ン分解触媒の充填容積はできるだけ小さいほうが望まし
く、例えば、100リットルが全充填容積である場合、
高々2リットル程度を割り当てる程度で十分である。も
ちろん、活性炭槽とは別にオゾン分解触媒を充填させた
オゾン分解槽を設け、これを活性炭槽の手前に接続して
もよい。
【0051】また、本実施形態の分解処理は、あくまで
補助的な分解機能であり、仮に、地下水中の揮発性汚染
物質の濃度の変動幅が大きくなって一時的に装置全体に
高負荷がかかったとしても、その負荷上昇分は活性炭吸
着への負荷として増えるだけである。すなわち、オゾン
注入量が一定で、紫外線の照射強度も一定の条件下で
は、酸化分解作用を受けて生じる反応中間物質の量が、
活性炭吸着への負荷分の増加率のように急激に増えるこ
とはない。
【0052】以上のような浄化処理装置を長時間連続し
て駆動することにより、地下水中に含まれる揮発性汚染
物質をほとんど除去することができる。その際、曝気装
置4内でオゾンによる揮発性汚染物質の分解処理を行な
うため、活性炭槽7に送られる揮発性汚染物質の量が低
減され、活性炭の寿命をその分だけ延長することができ
る。したがって、メンテナンスにかかる作業を大幅に低
減することができ、小型で低価格な浄化処理装置とし
て、小規模な土壌の修復に好適なものとすることができ
る。
【0053】図3は、請求項1、請求項3、請求項4、
請求項5又は請求項6に記載の発明の一実施形態である
揮発性汚染物質の浄化処理装置を示す概略構成図であ
る。この浄化処理装置は、図1に示す装置と同様に、多
孔管31と、揚水管32と、揚水ポンプ33と、曝気装
置34と、吸引ブロワー35と、気液分離槽36と、活
性炭槽37と、空気乾燥器38と、オゾンガス発生装置
39等を備えているが、曝気装置34の構成のみが異な
る。
【0054】上記曝気装置34は、図1に示す曝気装置
4と同様に、円筒体51内に積層された充填材53の上
部に紫外線ランプ54及び保護管56が設けられている
が、充填材層の中位にもほぼ同じ構成の紫外線ランプ5
7及び保護管59が設けられている。充填材層の中位に
挿入される紫外線ランプ57は、保護管59の表面に、
充填材53から流下する地下水が直接振りかかり、この
表面を薄い層となって流下するように配置されている。
また上記充填材53は紫外線を透過する材料からなるも
ので、本実施形態では石英が用いられている。
【0055】このような浄化処理装置では、地下水が充
填材53の表面を流下する間に曝気装置内に導入された
オゾンを吸収する。そして、紫外線ランプ57の周囲の
保護管59の上に滴下され、保護管59の表面を流下す
る際に薄い液層となる。その際、液相内に吸収された充
分な量のオゾンが紫外線の作用によりラジカル化され、
地下水中に残留している揮発性汚染物質が酸化分解され
る。また、紫外線は保護管59の周辺部まで及び、周辺
で充填材を伝って流下する汚染水中のオゾンもラジカル
化され、酸化分解が行われる。このように充填材層の上
にある紫外線ランプ54とともに、上記充填材層の中位
にある紫外線ランプ57によっても酸化分解が促進さ
れ、処理の効率を向上させることができる。
【0056】図4は、請求項1、請求項3、請求項4、
請求項6又は請求項7に記載の発明の一実施形態である
揮発性汚染物質の浄化処理装置を示す概略構成図であ
る。この浄化処理装置も、図1に示す装置と、曝気装置
64の構成のみが異なり、他の構成は同じものである。
【0057】この装置で用いられている曝気装置64
は、図1に示す曝気装置4と同様に、円筒体81に充填
材83が積層して収容され、その上に紫外線ランプ84
及び保護管86が設けられているが、円筒体81の下部
の函体82の内部にもほぼ同じ構成の紫外線ランプ87
及び保護管89が設置されている。この紫外線ランプ8
7の保護管89には、充填材83の表面を流下し曝気処
理された後の地下水が滴下し、函体82の内部に溜まる
ようになっている。
【0058】また、函体82内では、貯留された地下水
中にオゾンガスを含んだ気体が直接吹き込まれる。地下
水中にオゾンガスを含んだ気体を導入する際には、オゾ
ンガスの全量が液相中に吸収されないように、吹き込み
ノズルは単純な形状の開口を有するものが好ましい。単
純な形状の開口からオゾンガスを含む空気が排出される
ことにより、導入される空気が水中で細かい泡状となる
ことがなく、液相中に吸収されるオゾン量が制限され
る。そして、空気中に残存するオゾンガスは曝気装置上
部での分解処理に供される。
【0059】このような浄化処理装置では、図1に記載
の装置と同様に、曝気装置64内で曝気処理及び酸化分
解処理が行なわれ、曝気装置64から排出された気体
は、活性炭槽67で処理される。そして、曝気処理によ
り揮発性汚染物質が気化した後の地下水が紫外線ランプ
87の保護管89上に滴下され、また場合によっては函
体72の内部に溜まった地下水の液面が保護管89と接
触する。送気管73から導入されたオゾンは、一部が液
相内に吸収され、紫外線の作用によりラジカル化され
る。これにより、残留している揮発性汚染物質の分解処
理が行なわれ、その後排水管72によって外部に排出さ
れる。
【0060】なお、上記浄化処理装置においては、気相
中で紫外線照射を利用した分解処理を行った場合に現れ
る副次的な毒性産物、例えばジクロロ酢酸、トリクロロ
酢酸等の副生物質が、例え発生したとしてもこれらの分
解処理が可能となる。つまり、本実施形態では、処理後
の地下水が曝気装置4の下部層内に貯留されている時点
でも酸化分解作用が継続され、しかもオゾンと紫外線の
併用により酸化が促進されて上記カルボン酸類を最終的
な炭酸ガスまで酸化分解することが可能となる。
【0061】図5は、請求項2、請求項3、請求項4又
は請求項6に記載の発明の一実施形態である揮発性汚染
物質の浄化処理装置を示す概略構成図である。この浄化
処理装置は、図1に示す装置と同様に、多孔管91と、
揚水管92と、揚水ポンプ93と、曝気装置94と、送
水管100等を有しているが、さらに揚水ポンプ93で
汲み上げられた地下水が一時収容される貯留槽110を
備えている。また、空気乾燥器98と、オゾンガス発生
装置99と、オゾンガスを含む気体の送気管103とは
貯留槽110に接続され、該貯留槽内に収容される地下
水にオゾンガスを含む気体が吹き込まれるようになって
いる。これらの気体の吹き込み口は多数の小孔を有して
おり、オゾンガスを含む気体が多数の泡状となって吹き
込まれ、オゾンが液相中に吸収される。また貯留槽11
0には、貯留された地下水を曝気装置94内に導入する
送水管111が接続されている。なお、この浄化処理装
置の他の構成は、図1に示す装置と同じである。
【0062】この浄化処理装置では、揚水ポンプ93で
汲み上げられた地下水は、曝気装置94に送られる前に
貯留槽110に一時収容される。そして、オゾンガス発
生装置99により生成されたオゾンガスを含む気体が貯
留槽110内の地下水に吹き込まれ、オゾンガスが地下
水中に吸収される。オゾンを含んだ地下水は送水管11
1を通って曝気装置94に導入され、ノズル125から
噴出される。
【0063】このように、あらかじめオゾンを吸収させ
た地下水を曝気装置94に導入すると、地下水中に充分
な量のオゾンが溶存しており、紫外線ランプ124から
照射される紫外線により容易にラジカル化され、揮発性
汚染物質の酸化分解を促進することができる。このた
め、オゾンによる揮発性汚染物質の分解効率が高くな
り、活性炭の寿命を長くすることが可能となる。なお、
この装置を用いた揮発性汚染物質の浄化処理方法は、請
求項9に記載の発明の一実施形態である。
【0064】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本願発
明に係る揮発性汚染物質の浄化処理装置及び浄化処理方
法によれば、活性炭に吸着される有機塩素化合物等の揮
発性汚染物質の量を抑制することができ、活性炭の寿命
を長くして交換のための費用や作業工数を節約すること
が可能となる。また、小規模な修復場所に見合った大き
さの範囲内で、小型の浄化処理装置を設置することが可
能となり、クリーニング店などでの土壌汚染の修復にお
いて、小さなスペースに設置するとともに、メンテナン
スを簡略化することが可能となる。また、分解処理装置
部分の設備も低廉であり、浄化処理装置全体のコストを
低減することができる。さらに、汚染濃度が比較的高い
修復現場では、放流する処理水中の揮発性汚染物質の濃
度を所定限度以下とする目的で、充填材の積層の高さを
大きくして曝気装置の浄化効率を向上する必要がでてく
る。しかし、本発明の浄化処理装置を使用すれば、特に
スペース的に大きな容積を確保しにくい場合などでも、
補助的な分解機能の付加により補助能力分だけ浄化効率
が高められ、その分だけ曝気装置の必要設置容積を低減
できるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施形態である揮発性汚染物
質の浄化処理装置を示す概略構成図である。
【図2】上記浄化処理装置の曝気装置で用いられる紫外
線ランプ及び保護管を示す概略断面図及び概略平面図で
ある。
【図3】本願発明の第2の実施形態である揮発性汚染物
質の浄化処理装置を示す概略構成図である。
【図4】本願発明の第3の実施形態である揮発性汚染物
質の浄化処理装置を示す概略構成図である。
【図5】本願発明の第4の実施形態である揮発性汚染物
質の浄化処理装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1、31、61、91 多孔管 2、32、62、92 揚水管 3、33、63、93 揚水ポンプ 4、34、64、94 曝気装置 5、35、65、95 吸引ブロワー 6、36、66、96 気液分離槽 7、37、67、97 活性炭槽 8、38、68、98 空気乾燥器 9、39、69、99 オゾンガス発生装置 10、11、40、41、70、71、100、111
送水管 12、42、72、102 排水管 13、15、43、45、73、75、103、105
送気管 14、44、74、104 吸気管 21、51、81 円筒体 22、82 函体 23、53、83 充填材 24、54、57、84、87、124 紫外線ラン
プ 25、125 ノズル 26、56、59、86、89、126 保護管 110 貯留槽
フロントページの続き Fターム(参考) 4D002 AA21 AC10 BA04 BA05 BA09 BA16 CA01 CA04 CA07 CA13 CA20 DA41 DA51 GA01 GB02 GB04 GB20 HA03 4D037 AA01 AB14 BA18 BA24 BB05 BB07 CA01 CA11 CA12

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 揮発性汚染物質を含有する汚染水と気
    体とが導入され、該汚染水中に含有する揮発性汚染物質
    を前記気体中に気化させる曝気装置と、 前記曝気装置内にオゾンガスを供給するオゾンガス発生
    装置と、 前記曝気装置内に配置され、前記汚染水に含まれる揮発
    性汚染物質の分解を促進する紫外線照射装置と、 前記曝気装置から排出される気体が導入され、該気体中
    に含有する揮発性汚染物質を吸着させて除去する活性炭
    槽とを有し、 前記曝気装置は、導入される前記汚染水を薄い液層にし
    て流下させる流下面形成材を備え、 前記紫外線照射装置は、前記流下面形成材上を流下する
    液層に紫外線を照射するものであることを特徴とする揮
    発性汚染物質の浄化処理装置。
  2. 【請求項2】 揮発性汚染物質を含有する汚染水を一
    時収容する貯留槽と、 該貯留槽に収容されている汚染水中にオゾンガスを供給
    するオゾンガス発生装置と、 気体及び前記貯留槽内でオゾンガスが導入された汚染水
    が導入され、該汚染水中に含有する揮発性汚染物質を前
    記気体中に気化させる曝気装置と、 前記曝気装置内に配置され、前記汚染水に含まれる揮発
    性汚染物質の分解を促進する紫外線照射装置と、 前記曝気装置から排出される気体が導入され、該気体中
    に含有する揮発性汚染物質を吸着させて除去する活性炭
    槽とを有し、 前記曝気装置は、導入される前記汚染水を薄い液層にし
    て流下させる流下面形成材を備え、 前記紫外線照射装置は、前記流下面形成材上を流下する
    液層に紫外線を照射するものであることを特徴とする揮
    発性汚染物質の浄化処理装置。
  3. 【請求項3】 前記紫外線照射装置は、紫外線ランプ
    を含むものであり、 前記流下面形成材は、紫外線透過性材料からなり、前記
    紫外線ランプを囲むように形成されていることを特徴と
    する請求項1又は請求項2に記載の揮発性汚染物質の浄
    化処理装置。
  4. 【請求項4】 前記曝気装置は、導入される前記汚染
    水を飛沫化して噴き出すノズルを有し、 前記流下面形成材は、前記ノズルから噴き出す汚染水が
    振りかかる範囲内に設置されていることを特徴とする請
    求項3に記載の揮発性汚染物質の浄化処理装置。
  5. 【請求項5】 前記曝気装置は、上部から前記汚染水
    が導入され、内部には、前記汚染水の前記気体との接触
    面積を大きくして流下させる充填材を収容するものであ
    り、 前記流下面形成材が設けられて位置よりも上側に、前記
    充填材が積層されていることを特徴とする請求項1又は
    請求項3に記載の揮発性汚染物質の浄化処理装置。
  6. 【請求項6】 前記曝気装置は、上部から前記汚染水
    が導入され、内部には、前記汚染水の前記気体との接触
    面積を大きくして流下させる充填材を収容するものであ
    り、 該充填材は、紫外線を透過する材料で形成されているこ
    とを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに
    記載の揮発性汚染物質の浄化処理装置。
  7. 【請求項7】 前記曝気装置は、前記流下面形成材の
    表面を流下した後の汚染水を貯留する下部槽を備え、 該下部槽に貯留される汚染水に紫外線を照射する第2の
    紫外線照射装置を有するいることを特徴とする請求項1
    から請求項6までのいずれかに記載の揮発性汚染物質の
    浄化処理装置。
  8. 【請求項8】 揮発性汚染物資を含有する汚染水を、
    平面又は曲面上で薄い層状にして流下させ、 周囲の気体をオゾンガスを含むものとするとともに、前
    記平面又は曲面上を流下する前記汚染水に紫外線を照射
    することを特徴とする揮発性汚染物質の浄化処理方法。
  9. 【請求項9】 揮発性汚染物資と含有する汚染水中
    に、オゾンガスを含む気体を導入して、オゾンを該汚染
    水中に吸収させ、 該汚染水を平面又は曲面上で薄い層状にして流下させ、 該平面又は曲面上を流下する汚染水に紫外線を照射する
    ことを特徴とする揮発性汚染物質の浄化処理方法。
  10. 【請求項10】 前記汚染水は、紫外線ランプの回り
    を囲むように形成された、紫外線透過性材料からなる部
    材の表面に流下させることを特徴とする請求項8又は請
    求項9に記載の揮発性汚染物質の浄化処理方法。
  11. 【請求項11】 前記汚染水に、紫外線を照射する間
    又は紫外線照射後に曝気を行い、気化した揮発性汚染物
    質を含む気体を活性炭槽中に導入して、揮発性汚染物質
    を吸着することを特徴とする請求項8、請求項9又は請
    求項10に記載の揮発性汚染物質の浄化処理方法。
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