JPH1133535A - 揮発性有機化合物の除去方法および装置 - Google Patents

揮発性有機化合物の除去方法および装置

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JPH1133535A
JPH1133535A JP9194354A JP19435497A JPH1133535A JP H1133535 A JPH1133535 A JP H1133535A JP 9194354 A JP9194354 A JP 9194354A JP 19435497 A JP19435497 A JP 19435497A JP H1133535 A JPH1133535 A JP H1133535A
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water
organic compound
treated
air
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JP9194354A
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English (en)
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Masaaki Hosomi
正明 細見
Hisayoshi Iwasaki
久好 岩崎
Kazuo Taku
和夫 多久
Isao Fujimura
功 藤村
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Suido Kiko Kaisha Ltd
Original Assignee
Suido Kiko Kaisha Ltd
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光化学反応処理により揮発性有機化合物を効
率よく分解除去する。 【解決手段】 除去装置100において、処理槽1の上
部には散水ノズル4が設置され、処理槽1の中央には紫
外線ランプ6が設置され、処理槽1の下部には空気ノズ
ル9が設置されている。散水ノズル4から散水された被
処理水が下向水流となり、空気ノズル9から噴射された
空気が上向空気流となって、処理槽1内の略中央(紫外
線ランプ6の近傍)で気液流接触することで、被処理水
に溶存した揮発性有機化合物が、液相中から気相中へと
物質移動する。更に、物質移動した揮発性有機化合物に
紫外線ランプ6からの紫外線を照射して、酸化分解す
る。 【効果】 揮発性有機化合物を十分に除去した処理水を
容易に得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、揮発性有機化合物
の除去方法および装置に関し、さらに詳しくは、光化学
反応処理により揮発性有機化合物を効率よく分解除去で
き、しかも構成が比較的に簡単な揮発性有機化合物の除
去方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、水道水などの生活用水や,農業
用水や,半導体製造や医薬品製造や発電などに用いる工
業用水に、揮発性有機化合物(トリクロロエチレン,テ
トラクロロエチレン,2−メチルイソボルネオール,ジ
ェオスミン,各種の有機溶剤など)が溶存することは、
水質の維持管理の見地から好ましくないので、これを十
分に除去する必要がある。ところが、沈殿や濾過などの
簡易な浄水処理では除去能力が不十分である。したがっ
て、オゾンの酸化力により汚染物質を分解するオゾン処
理や,活性炭の吸着能力により汚染物質を吸着する活性
炭処理や,微生物を利用して汚染物質を分解する生物処
理等を単独で又は組み合わせて実行する高度処理プロセ
スが採用されている。
【0003】図17は、従来の揮発性有機化合物の除去
システムの一例を示す構成図である。この除去システム
500において、オゾン発生器51は、オゾンを発生し
て、被処理水が貯留されたオゾン接触槽52内に吹き込
む。これにより、被処理水に溶存した揮発性有機化合物
は、オゾンにより酸化されて分解する。その際、前記被
処理水内に吸収されずに気中に排出された排オゾンは、
排オゾン処理塔53内に集められて処理される。活性炭
吸着槽54は、オゾン処理された被処理水に含まれる臭
気物質等を活性炭に吸着させた後、処理水を排出する。
【0004】図18は、従来の揮発性有機化合物の除去
システムの他例を示す構成図である。この除去システム
600は、被処理水に溶存する揮発性有機化合物を気化
させるための充填塔61と,その充填塔61にガス管P
を介して連結された光化学反応処理装置601とを具備
して構成されている。
【0005】前記充填塔61の頂部には、開閉弁62を
有する被処理水供給管63の先端に取り付けられた散水
ノズル64が設置されている。前記充填塔61の内部の
底部側には、床板65が設置されており、当該床板65
の上部には充填材Fが充填されている。前記床板65
は、水と空気は通過させるが充填材65は通過させな
い。前記充填塔61の前記床板65より下部には、バル
ブ66を有する空気吹込管67が設置されている。ま
た、前記充填塔61の底部には、開閉弁68を有する処
理水取出管69が接続されている。一方、前記光化学反
応処理装置601の中心部には、紫外線ランプ602が
設置されている。また、前記紫外線ランプ602の周囲
には、担体604に担持された光触媒605が配置され
ている。
【0006】次に、上記除去システム600の運転フロ
ーを説明する。初期状態では、開閉弁62と,バルブ6
6と,開閉弁68は、閉状態とする。まず、充填塔61
において、開閉弁62を開状態にして、散水ノズル64
から被処理水を散水し、所定の水位となるまで被処理水
を満たす。次に、バルブ66を開状態にして、充填塔6
1内に空気を吹き込む。これにより、充填材Fに空気が
当たり、被処理水に溶存する揮発性有機化合物が気化
し、ガス管Pを介して、光化学反応処理装置601に送
り込まれる。揮発性有機化合物を気相状態にする理由
は、拡散速度を大きくして、光化学反応処理装置601
により揮発性有機化合物を分解する効率を向上させるた
めである。次に、開閉弁68を開状態にして、揮発性有
機化合物が除去された処理水を処理水取出管69から取
り出す。一方、光化学反応処理装置601では、気相状
態の揮発性有機化合物を光触媒605に通すと共に、紫
外線ランプ602により紫外線を照射する。これによ
り、揮発性有機化合物が酸化分解されて消失し、揮発性
有機化合物を含まないガスが外部へ排気される。
【0007】図19は、上記除去システム600におい
て、充填塔61に代えて用いる、曝気装置を示す構成図
である。この曝気装置71の頂部には、前記光化学反応
処理装置601(図18参照)へのガス管Pの先端に取
り付けられたガス収集部72が設置されている。前記曝
気装置71の底部側には、バルブ74を有する空気吹込
管75が設置されている。また、前記曝気装置71の底
部には、開閉弁76を有する被処理水供給管77と,開
閉弁78を有する処理水取出管79とが接続されてい
る。
【0008】次に、上記曝気装置71の運転の順序を説
明する。初期状態では、バルブ74と,開閉弁76と,
開閉弁78は、閉状態とする。まず、開閉弁76を開状
態にして、所定の水位となるまで被処理水を注水する。
次に、バルブ74を開状態にして、曝気装置71内に空
気を吹き込む。これにより、被処理水に溶存する揮発性
有機化合物が空気泡に取り込まれて気化し、当該揮発性
有機化合物が、前記光化学反応処理装置601へ送り込
まれる。次に、開閉弁78を開状態にし、処理水を処理
水取出管69から取り出す。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の揮発性有機
化合物の除去システム500では、オゾン接触槽52の
他に、オゾン発生器51や,排オゾン処理塔53などの
付帯設備が必要であり、設備費が増大する問題点があ
る。また、オゾンを取り扱うために、管理上の負担が重
く、ランニングコストが増大する問題点がある。また、
活性炭吸着槽54を用いるので、処理時間の経過につれ
て、活性炭の細孔が捕捉物質で日詰まりしてしまう。こ
れにより、逆洗,再生,交換などのメインテナンス作業
の手間がかかり、やはり、ランニングコストが増大する
問題点がある。なお、生物処理を行う除去システムで
も、上記と同様に、設備費やランニングコストが増大す
る問題点がある。
【0010】また、上記従来の揮発性有機化合物の除去
システム600では、光化学反応処理装置601の前段
に、充填塔61(図18参照)や曝気装置71(図19
参照)などの付帯設備を設ける必要があり、設備費が増
大する問題点がある。なお、処理水の水温を高めれば、
揮発性有機化合物が気化するので、充填塔や曝気装置を
省略できるが、処理水を加熱するために、多大のエネル
ギーが消費されることとなり、やはりコスト高となる。
【0011】そこで、本発明の目的は、光化学反応処理
により揮発性有機化合物を効率よく分解除去でき、しか
も構成が比較的に簡単な揮発性有機化合物の除去方法お
よび装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】第1の観点では、本発明
は、揮発性有機化合物が溶存する被処理水を処理槽内の
上方より散水し、前記処理槽内の下方より空気を吹き上
げ、前記被処理水と前記空気との気液向流接触により前
記揮発性有機化合物を液相中から気相中へ物質移動さ
せ、前記物質移動された揮発性有機化合物に紫外線を照
射して当該揮発性有機化合物を酸化分解させることを特
徴とする揮発性有機化合物の除去方法を提供する。な
お、処理槽に被処理水を循環させてもよい。上記第1の
観点による揮発性有機化合物の除去方法では、揮発性有
機化合物が溶存する被処理水を処理槽内の上方より散水
すると共に、処理槽内の下方より空気を吹き上げる。こ
れにより、処理槽内の略中央で、散水による下向水流
と,上向空気流とが衝突して気液流接触が生じ、揮発性
有機化合物が液相中から気相中へと物質移動する。この
結果、揮発性有機化合物の拡散速度が、液相状態のとき
よりもずっと大きくなり、紫外線の照射による酸化分解
の効率を向上できる。なお、散水量や空気吹上げ量等の
条件によっては、揮発性有機化合物が完全には気相状態
へ移行しないこともあり得るが、その場合でも、シャワ
ー状に広がって微小な水滴となった被処理水が上向空気
流により拡散されるから、紫外線が照射される面積を実
質的に増大することができ、酸化分解の効率を向上でき
る。また、処理槽内のみで処理が完結しているから、オ
ゾン発生器や,充墳塔の如き付帯設備が不要となり、構
成を簡単にして、設備費を低減できる。
【0013】第2の観点では、本発明は、揮発性有機化
合物が溶存する被処理水を処理槽内の上方より散水し、
前記処理槽内の下方より空気を吹き上げ、前記被処理水
と前記空気との気液向流接触により前記揮発性有機化合
物を液相中から気相中へ物質移動させ、前記物質移動さ
れた揮発性有機化合物を光触媒に接触させると共に紫外
線を照射して当該揮発性有機化合物を酸化分解させるこ
とを特徴とする揮発性有機化合物の除去方法を提供す
る。上記第2の観点による揮発性有機化合物の除去方法
では、気相状態に移行した揮発性有機化合物を光触媒に
接触させて、紫外線の照射による酸化分解を促進するの
で、揮発性有機化合物の除去効率をいっそう向上でき
る。
【0014】第3の観点では、本発明は、処理槽内の上
方に設置され且つ揮発性有機化合物が溶存する被処理水
を散水する散水手段と、前記処理槽内の下方に設置され
且つ空気を吹き上げる空気吹上げ手段と、前記被処理水
と前記空気との気液向流接触により液相中から気相中へ
物質移動した揮発性有機化合物に紫外線を照射して当該
揮発性有機化合物を酸化分解させる紫外線照射手段とを
具備したことを特徴とする揮発性有機化合物の除去装置
を提供する。上記第3の観点による揮発性有機化合物の
除去装置は、上記第1の観点による揮発性有機化合物の
除去方法を実施するものなので、上記第1の観点にかか
る作用と同じ作用を奏する。すなわち、紫外線の照射に
よる酸化分解の効率を向上できる。
【0015】第4の観点では、本発明は、処理槽内の上
方に設置され且つ揮発性有機化合物が溶存する被処理水
を散水する散水手段と、前記処理槽内の下方に設置され
且つ空気を吹き上げる空気吹上げ手段と、前記被処理水
と前記空気との気液向流接触により液相中から気相中へ
物質移動した揮発性有機化合物に紫外線を照射して当該
揮発性有機化合物を酸化分解させる紫外線照射手段と、
前記酸化分解を促進する光触媒手段とを具備したことを
特徴とする揮発性有機化合物の除去装置を提供する。上
記第4の観点による揮発性有機化合物の除去装置は、上
記第2の観点による揮発性有機化合物の除去方法を実施
するものなので、上記第2の観点にかかる作用と同じ作
用を奏する、すなわち、揮発性有機化合物の除去効率を
いっそう向上できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図に示す実施の形態により
本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発
明が限定されるものではない。
【0017】−第1の実施形態− 図1は、本発明の第1の実施形態にかかる揮発性有機化
合物の除去装置を示す構成図である。この除去装置10
0において、処理槽1の上部には、開閉弁2を有する被
処理水供給管3の先端側に取り付けられた散水ノズル4
が設置されている。なお、散水ノズル4に代えて、水を
吹き出す多数の孔が穿設された多孔板や,散水管などを
用いてもよい。前記処理槽1の中央には、透過筒5と,
その内側に収容された紫外線ランプ6が設置されてい
る。前記紫外線ランプ6は、例えば、主波長185nm
と254nmの紫外線を照射する低圧水銀ランプであ
る。前記処理槽1の下部には、コンプレッサー7に接続
した空気供給管8の先端側に取り付けられた空気ノズル
9が設置されている。前記処理槽1の底部側には、当該
処理槽1内の貯留水を循環させるための循環ポンプ10
が接続されている。前記循環ポンプ10には、開閉弁1
1を有する循環水供給管12の一端が接続されており、
その循環水供給管12の他端は前記被処理水供給管3に
接続されている。また、前記処理槽1の底部側には、開
閉弁13を有する処理水取出管14が接続されている。
なお、前記処理槽1の頂部には、当該処理槽1内のガス
圧が高まったときに開状態となる排気弁15が設置され
ている。
【0018】図2は、図1の除去装置100の運転フロ
ー図である。初期状態では、開閉弁2,11,13は、
閉状態とする。また、コンプレッサー7と,循環ポンプ
10は、停止している。ステップST1では、紫外線ラ
ンプ6を点灯して、紫外線を照射する。ステップST2
では、図3に示すように、被処理水供給管3の開閉弁2
を開状態とし、揮発性有機化合物が溶存する被処理水を
散水ノズル4からシャワー状に散水する。
【0019】ステップST3では、水位が水循環可能水
位(循環ポンプ10への接続管よりもやや上方)まで上
がるのを待ち、上がったら、ステップST4に進む。ス
テップST4では、図4に示すように、前記開閉弁2を
閉状態とし、循環水供給管12の開閉弁11を開状態と
する。また、循環ポンプ10を作動させる。これによ
り、処理槽1内の貯留水が散水ノズル4に送られて、散
水される。
【0020】ステップST5では、図5に示すように、
コンプレッサー7を作動させて、空気ノズル9から空気
を噴射する。これにより、散水による下向水流dと,水
面に当たって吹き上げられた上向空気流uとが、処理槽
1内の略中央(紫外線ランプ6の近傍)で衝突して気液
流接触が生じ、揮発性有機化合物は、液相中から気相中
へと物質移動し、ガス状分子Gとなる。ところが、気相
状態では、液相状態のときよりも拡散速度がずっと大き
いので、ガス状分子Gは、紫外線ランプ6から照射され
た紫外線rにより容易に酸化分解されてしまう。処理槽
1内のガス圧が高まることで排気弁15が開状態となる
が、排気ガスには揮発性有機化合物が含まれない(酸化
分解により消失している)から、不都合は生じない。
【0021】ステップST6では、循環時間(上記ステ
ップST4からの経過時間)が分解処理時間に達するの
を待ち、分解処理時間となったらステップST7に進
む。分解処理時間は、処理槽1内の貯留水に溶存する揮
発性有機化合物の残留濃度が十分に低くなるまでに要す
る時間とする。ステップST7では、前記開閉弁11を
閉状態とし、循環ポンプ10の作動を停止する。これに
より、散水が停止される。ステップST8では、前記コ
ンプレッサー7を停止し、空気ノズル9からの空気の噴
射を停止する。ステップST9では、紫外線ランプ6を
消灯し、紫外線の照射を停止する。
【0022】ステップST10では、図6に示すよう
に、処理水取出管14の開閉弁13を開状態とし、処理
槽1内から処理水を取り出す。処理水の取出しが完了し
たら、前記開閉弁13を閉状態にする。その後、上記ス
テップST1に戻る。
【0023】図7は、この除去装置100により、2−
メチルイソボルネオール(臭気物質)を溶存させた試験
水を処理して、循環時間に対する残留濃度を測定した結
果を示す図表である。比較例は、上記従来の除去システ
ム600にかかる光化学反応処理装置601(図18参
照)に試験水を循環させた測定結果である。なお、除去
装置100と,比較例とで、測定開始時点(循環時間=
0)での残留濃度が異なる理由は、揮発性有機化合物の
添加量の誤差等の要因により、両者の残留濃度を完全に
一致させることが難しいためである。
【0024】図8は、図7の測定結果に基づいて、2−
メチルイソボルネオールの残留濃度の変化特性を示した
グラフである。グラフにおいて、この除去装置100に
かかる特性を実線で示し、比較例にかかる特性を点線で
示す。図8より、除去装置100にかかる残留濃度の低
下の度合いは、比較例にかかる度合いよりも大きいこと
が判る。
【0025】図9は、この除去装置100により、ジェ
オスミン(臭気物質)を溶存させた試験水を処理して、
循環時間に対する残留濃度を測定した結果を示す図表で
ある。比較例は、上記従来の除去システム600にかか
る光化学反応処理装置601に試験水を循環させた測定
結果である。
【0026】図10は、図9の測定結果に基づいて、ジ
ェオスミンの残留濃度の変化特性を示したグラフであ
る。グラフにおいて、この除去装置100にかかる特性
を実線で示し、比較例にかかる特性を点線で示す。図1
0より、除去装置100にかかる残留濃度の低下の度合
いは、比較例にかかる度合いよりも大きいことが判る。
【0027】以上の第1の実施形態によれば、散水ノズ
ル4からの散水による下向水流dと,空気ノズル9から
の空気噴射による上向空気流uとが気液流接触して、被
処理水に溶存していた揮発性有機化合物が気相状態に移
行するので、紫外線ランプ6から照射された紫外線rに
よる酸化分解の効率を向上できる。
【0028】−第2の実施形態− 図11は、本発明の第2の実施形態にかかる有機化合物
の除去装置を示す構成図である。この除去装置200の
処理槽21では、紫外線ランプ6のやや上方(散水ノズ
ル4と透過窓5との中間)に、光触媒22−1を担持す
る担体23−1が設置され、紫外線ランプ6のやや下方
(空気ノズル9と透過窓5との中間)に、光触媒22−
2を担持する担体23−2が設置されている。前記紫外
線ランプ6は、例えば、主波長185nmと254nm
の紫外線を照射する低圧水銀ランプである。また、主波
長254nmの紫外線を照射する低圧水銀ランプや、ブ
ラックライト等を用いることも出来る。
【0029】図12は、前記光触媒22−1(22−1
も同じ)および前記担体23−1(23−2も同じ)を
示す斜視図である。前記光触媒22−1は、例えばアナ
ターゼ型二酸化チタンの粉末である。前記担体23−1
は、例えばコージライト系材料(二酸化珪素とアルミ
ナ)で作製されたハニカム状体であり、多数の格子状の
貫通孔Hが形成されている。そして、それぞれの貫通孔
Hの内面には、前記光触媒22−1がコーティングされ
ている。前記担体23−1の寸法例を示せば、厚さτは
例えば10mm程度であり、貫通孔Hの1辺の長さL
は、例えば1mm程度である(図示では、貫通孔Hの形
状を示すために、縦方向の長さを縮小している)。
【0030】図13は、この除去装置200により、2
−メチルイソボルネオールを溶存させた試験水を処理し
て、循環時間に対する残留濃度を測定した結果を示す図
表である。
【0031】図14は、図13の測定結果に基づいて、
循環時間に対する2−メチルイソボルネオールの残留濃
度の変化特性を示したグラフである。グラフにおいて、
この除去装置200にかかる特性を実線で示し、第1の
実施形態にかかる特性を一点鎖線で示し、比較例にかか
る特性を点線で示す。なお、比較例は、図7,図8に記
載した比較例と同じである。図14より、除去装置20
0にかかる残留濃度の低下の度合いは、第1の実施形態
にかかる度合いよりもさらに大きいことが判る。ちなみ
に、2−メチルイソボルネオールを人が感知し得る残留
濃度の下限値は、5ng/リットル程度(ただし、水温,気
温等の環境条件や個人差により、0.1〜115ng程
度の幅がある)であることが知られているから、この除
去装置200によれば、30分程度の循環時間で残留濃
度を前記下限値のレベルにまで低減することが出来る。
【0032】図15は、この除去装置200により、ジ
ェオスミンを溶存させた試験水を処理して、循環時間に
対する残留濃度を測定した結果を示す図表である。
【0033】図16は、図15の測定結果に基づいて、
循環時間に対するジェオスミンの残留濃度の変化特性を
示したグラフである。グラフにおいて、この除去装置2
00にかかる特性を実線で示し、比較例にかかる特性を
点線で示す。なお、比較例は、図9,図10に記載した
比較例と同じである。図16より、除去装置200にか
かる残留濃度の低下の度合いは、第1の実施形態にかか
る度合いよりもさらに大きいことが判る。ちなみに、ジ
ェオスミンを人が感知し得る残留濃度の下限値は、10
ng/リットル程度(ただし、水温,気温等の環境条件や個
人差により、12.9〜685ng/リットル)であること
が知られているから、この除去装置200によれば、3
0分程度の循環時間で残留濃度を前記下限値のレベルに
まで低減することが出来る。
【0034】以上の第2の実施形態によれば、光触媒2
2−1,22−2により、紫外線の照射による酸化分解
を促進するので、揮発性有機化合物の除去効率をいっそ
う向上できる。
【0035】
【発明の効果】本発明の揮発性有機化合物の除去方法お
よび装置によれば、処理槽内の上方より散水した被処理
水と,処理槽内の下方より吹き上げた空気との気液向流
接触により、被処理水に溶存する揮発性有機化合物を拡
散速度が高い気相状態へ移行させることが出来る。この
ため、光化学反応処理による分解除去の効率を向上で
き、揮発性有機化合物を十分に除去した処理水を容易に
得ることが出来る。また、紫外線の照射による酸化分解
を促進する光触媒を併用することで、分解効率をさらに
向上でき、ランニングコストをさらに低減することが出
来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる揮発性有機化
合物の除去装置を示す構成図である。
【図2】図1の除去装置の運転フロー図である。
【図3】図1の除去装置において、散水ノズルから散水
している状態を示す説明図である。
【図4】図1の除去装置において、循環ポンプにより処
理槽内の貯留水を循環させた状態を示す説明図である。
【図5】図1の除去装置において、空気ノズルから空気
を噴射している状態を示す説明図である。
【図6】図1の除去装置において、処理槽内から処理水
を取り出す状態を示す説明図である。
【図7】図1の除去装置により処理した試験水に溶存し
た2−メチルイソボルネオールの残留濃度を測定した結
果を示す図表である。
【図8】2−メチルイソボルネオールの残留濃度の変化
を示すグラフである。
【図9】図1の除去装置により処理した試験水に溶存し
たジェオスミンの残留濃度を測定した結果を示す図表で
ある。
【図10】ジェオスミンの残留濃度の変化を示すグラフ
である。
【図11】本発明の第2の実施形態にかかる揮発性有機
化合物の除去装置を示す構成図である。
【図12】光触媒および担体を示す斜視図である。
【図13】図11の除去装置により処理した試験水に溶
存した2−メチルイソボルネオールの残留濃度を測定し
た結果を示す図表である。
【図14】2−メチルイソボルネオールの残留濃度の変
化を示す別のグラフである。
【図15】図11の除去装置により処理した試験水に溶
存したジェオスミンの残留濃度を測定した結果を示す図
表である。
【図16】ジェオスミンの残留濃度の変化を示す別のグ
ラフである。
【図17】従来の揮発性有機化合物の除去システムの一
例を示す構成図である。
【図18】従来の揮発性有機化合物の除去システムの他
例を示す構成図である。
【図19】従来の揮発性有機化合物の除去システムに用
いる曝気装置の一例を示す構成図である。
【符号の説明】
100,200 揮発性有機化合物の除去装置 1,21 処理槽 2,11,13 開閉弁 3 被処理水供給管 4 散水ノズル 5 透過筒 6 紫外線ランプ 7 コンプレッサー 8 空気供給管 9 空気ノズル 10 循環ポンプ 12 循環水供給管 14 処理水取出管 15 排気弁 22−1,22−2 光触媒 23−1,23−2 担体 d 下向水流 G ガス状分子 H 貫通孔 r 紫外線 u 上向空気流
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤村 功 東京都世田谷区桜丘5−48−16 水道機工 株式会社世田谷事業所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 揮発性有機化合物が溶存する被処理水を
    処理槽内の上方より散水し、前記処理槽内の下方より空
    気を吹き上げ、前記被処理水と前記空気との気液向流接
    触により前記揮発性有機化合物を液相中から気相中へ物
    質移動させ、前記物質移動された揮発性有機化合物に紫
    外線を照射して当該揮発性有機化合物を酸化分解させる
    ことを特徴とする揮発性有機化合物の除去方法。
  2. 【請求項2】 揮発性有機化合物が溶存する被処理水を
    処理槽内の上方より散水し、前記処理槽内の下方より空
    気を吹き上げ、前記被処理水と前記空気との気液向流接
    触により前記揮発性有機化合物を液相中から気相中へ物
    質移動させ、前記物質移動された揮発性有機化合物を光
    触媒に接触させると共に紫外線を照射して当該揮発性有
    機化合物を酸化分解させることを特徴とする揮発性有機
    化合物の除去方法。
  3. 【請求項3】 処理槽内の上方に設置され且つ揮発性有
    機化合物が溶存する被処理水を散水する散水手段と、前
    記処理槽内の下方に設置され且つ空気を吹き上げる空気
    吹上げ手段と、前記被処理水と前記空気との気液向流接
    触により液相中から気相中へ物質移動した揮発性有機化
    合物に紫外線を照射して当該揮発性有機化合物を酸化分
    解させる紫外線照射手段とを具備したことを特徴とする
    揮発性有機化合物の除去装置。
  4. 【請求項4】 処理槽内の上方に設置され且つ揮発性有
    機化合物が溶存する被処理水を散水する散水手段と、前
    記処理槽内の下方に設置され且つ空気を吹き上げる空気
    吹上げ手段と、前記被処理水と前記空気との気液向流接
    触により液相中から気相中へ物質移動した揮発性有機化
    合物に紫外線を照射して当該揮発性有機化合物を酸化分
    解させる紫外線照射手段と、前記酸化分解を促進する光
    触媒手段とを具備したことを特徴とする揮発性有機化合
    物の除去装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004074027A (ja) * 2002-08-19 2004-03-11 Fuji Kihan:Kk 曝気方法及び装置並びに前記曝気装置を備えた浄化装置
JP2012045527A (ja) * 2010-08-30 2012-03-08 Nippon Steel Corp 脱臭処理装置及び脱臭処理方法
CN114053814A (zh) * 2020-12-05 2022-02-18 山东天智信息科技有限公司 一种用于有机废气处理的净化装置

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