JP2001129502A - 超音波洗浄装置、誘導加熱装置、発振器 - Google Patents

超音波洗浄装置、誘導加熱装置、発振器

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JP2001129502A
JP2001129502A JP31161399A JP31161399A JP2001129502A JP 2001129502 A JP2001129502 A JP 2001129502A JP 31161399 A JP31161399 A JP 31161399A JP 31161399 A JP31161399 A JP 31161399A JP 2001129502 A JP2001129502 A JP 2001129502A
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frequency
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Katsuhiro Nishizawa
克広 西澤
Tsutomu Ishima
勉 石間
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 それぞれ固有の共振点を有する超音波振動子
から簡易な構成で複数の周波数の超音波を発生させるこ
とができる超音波洗浄装置を提供する。 【解決手段】 すべての共振点を含む周波数範囲の信号
を掃引発振する掃引発振回路21と、所要の共振特性に
応じた周波数の信号を掃引発振回路21から超音波振動
子に供給させる制御回路25とを有し、特定の共振点又
は複数の共振点で液体を振動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の周波数の信
号を負荷に供給する発振器、及びこの発振器を応用した
超音波洗浄装置や誘導加熱装置に関する。
【発明の背景】超音波振動子のインピーダンスが周囲の
周波数に対して極小となる周波数(以下、f|Z|minとい
う。)の信号により超音波振動子から超音波を発生させ
て洗浄を行う超音波洗浄装置が知られている。
【0002】図6は、従来のこの種の超音波洗浄装置の
概略的な構成図であり、洗浄漕61内の超音波による音
圧分布の様子を簡単に説明したものである。本来、音は
縦波(疎密波)であるが、ここでは分かり易くするため
に横波で音圧表記してある。洗浄漕61の底面には超音
波振動子62が接合されており、洗浄液63が洗浄漕6
1内に充分満たされている。この状態で、超音波発振器
64により超音波振動子62から単一周波数の超音波6
0を発振させ、この超音波60により洗浄液63を振動
させて被洗浄物65を洗浄する。
【0003】超音波60は、洗浄漕61の底面から液面
に向かって伝搬し、液面でほぼ100%反射する。反射
波は入射波とは逆位相となり、進行しない波(定在波)
を発生させる。音波の腹の部分は密となるために音圧が
大きく、大きな洗浄効果を得ることができる。一方、音
波の節の部分は疎となるために音圧が小さく、充分な洗
浄効果を得ることができない。このため、超音波発振器
64により発生する超音波60の波長に対して無視でき
ない大きさの被洗浄物65が投入された場合は、洗浄ム
ラが発生することになる。例えば、図6に示すように、
被洗浄物65が音波の腹の部分と節の部分とにまたがっ
て存在する程に大きい場合、被洗浄物65の音波の腹の
部分にあたる箇所は洗浄が進み、音波の節の部分にあた
る箇所は洗浄が進まず、洗浄ムラが発生する。このよう
な洗浄ムラを防止するための手法として、従来、掃引発
振による洗浄方法とマルチ発振による洗浄方法とが知ら
れている。
【0004】掃引発振による洗浄方法では、基本となる
発振周波数を中心に周波数変調等により洗浄液漕内の超
音波の波長(周波数)を変化させ、超音波が疎あるいは
密となる箇所をずらす。この方法では、安価且つ簡単に
洗浄ムラを防止できる利点がある。しかし、一般に超音
波振動子のQ(Quality Factor)は極めて高いため、基
本となる発振周波数に対して±5%程度の変化しか望め
ず、それ以上の周波数で掃引発振を行うと平均出力が低
下する。この場合は、洗浄効果のある超音波自体を発振
させることができず、洗浄ムラの完全な防止が期待でき
ない。
【0005】マルチ発振による洗浄方法は、1つの洗浄
漕にf|Z|minの異なる2以上の超音波振動子を接合し、
各々の超音波振動子に対して最適なf|Z|minの周波数の
信号を発振する発振器を複数台接続することにより、洗
浄漕内で2以上の周波数の超音波を同時に発生させる方
法である。この方法は、掃引発振による方法に比べて洗
浄ムラを防止する効果は格段に高い。しかし、超音波振
動子及び発振器共に複数台用意する必要があるためにコ
スト的に割高になり、設備が巨大化する等の理由によ
り、あまり普及していない。
【0006】このような問題は、複数の加熱コイルを有
する誘導加熱装置においても同様に存在する。すなわ
ち、複数の加熱コイルを有する誘導加熱装置で各加熱コ
イルに高周波信号を供給する場合は、複数台の発振器が
必要となる。発振器を1台にすることもできるが、この
場合は、図7に示すように各加熱コイルLA、LB、L
Cと発振器71との間に切換回路72を設け、発振器7
1から各加熱コイルLA、LB、LCへの経路を時分割
で切り換える必要がある。しかし、このような方式で
は、大電力回路を切り換えることになるために切換回路
72が大型化してしまい、これが超音波洗浄装置の場合
と同様、装置の巨大化を招き、コストアップの要因とな
る。
【0007】本発明の課題は、超音波振動子や加熱コイ
ル等のように、固有の共振点を有する負荷を1又は複数
接続する装置において、装置構成の巨大化を防止するこ
とができる仕組みを提案することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、改良された超音波洗浄装置、高周波誘導
加熱装置、発振器を提供する。本発明の超音波洗浄装置
は、それぞれ固有の共振点を有する1又は複数の超音波
振動子を通じて液体を振動させることにより該液体に接
する被洗浄物の洗浄を行う装置であって、すべての共振
点を含む周波数範囲の信号を掃引発振する掃引発振回路
と、所要の共振特性に応じた周波数の信号を前記掃引発
振回路から前記超音波振動子に供給させる制御回路とを
有し、特定の共振点で前記液体を振動させることを特徴
とする。このように構成される超音波洗浄装置は、掃引
発振回路から複数の共振点周波数のいずれかの信号が出
力されるので、装置構成が簡略化される。ここで、固有
の共振点とは、単一又は複数の共振点の意であって、当
該超音波振動子によって一意に定まるものをいう。従っ
て、必ずしも単一の共振点のみを指すのではない。
【0009】本発明の他の超音波洗浄装置は、それぞれ
上記固有の共振点を有する1又は複数の超音波振動子を
通じて液体を振動させることにより該液体に接する被洗
浄物の洗浄を行う装置であって、すべての共振点を含む
周波数範囲の信号を掃引発振する掃引発振回路と、個々
の超音波振動子の実効出力値を検出するモニタ回路と、
このモニタ回路により検出された各超音波振動子の実効
出力値の変化に基づいて、前記掃引発振回路から当該超
音波振動子へ出力される信号の掃引速度を変化させる制
御回路とを有し、複数の共振点においてシーケンシャル
に前記液体を振動させることを特徴とする。好ましい実
施の形態では、前記制御回路が、前記モニタ回路による
検出値が所定の基準値より大きくなる領域では前記掃引
発振回路に第1速度で掃引させ、前記基準値より小さく
なる領域では第1速度よりも低速となる第2速度で掃引
させるように構成される。特定の共振点に達したときの
掃引速度をゼロ値またはゼロ値に近い速度にさせるよう
にしても良い。
【0010】本発明の誘導加熱装置は、被加熱物に対向
して設けられた加熱コイルを含む共振回路を複数回路具
備し、各共振回路がそれぞれ固有の共振点を有する装置
であって、すべての共振点を含む周波数範囲の信号を掃
引発振する掃引発振回路と、所要の共振特性に応じた周
波数の信号を前記掃引発振回路から各共振回路に供給さ
せる制御回路とを有し、いずれかの共振点で前記被加熱
物を誘導加熱することを特徴とする。このように構成さ
れる誘導加熱装置は、掃引発振回路から複数の共振点周
波数のいずれかの信号が出力されるので、装置構成が簡
略化される。なお、誘導加熱装置の場合の固有の共振点
は、通常は、単一の共振点となる。
【0011】本発明の他の誘導加熱装置は、被加熱物に
対向して設けられた加熱コイルを含む共振回路を複数回
路具備し、各共振回路がそれぞれ固有の共振点を有する
装置であって、すべての共振点を含む周波数範囲の信号
を掃引発振する掃引発振回路と、各共振回路によるイン
ピーダンスの変化を検出するモニタ回路と、このモニタ
回路による検出結果に基づいて前記掃引発振回路から各
共振回路へ供給される信号の掃引速度を変化させる制御
回路とを有し、複数の共振点でシーケンシャルに前記被
加熱物を誘導加熱することを特徴とする。好ましい実施
の形態では、前記制御回路が、前記モニタ回路の検出値
が低下して第1基準値に達したときに前記掃引発振回路
に第1速度で掃引させ、検出値が第1基準値未満となり
第1基準値より小さい第2基準値に達したときに前記掃
引発振回路を前記第1速度よりも低速の第2速度で掃引
させるように構成される。第2基準値に達したときに前
記掃引発振回路の発振周波数を固定させるようにしても
良い。
【0012】本発明の発振器は、それぞれ固有の共振点
を有する複数の負荷との接続手段と、接続される負荷の
すべての共振点を含む周波数範囲の信号を掃引発振する
掃引発振回路と、各負荷の実効出力値を検出するモニタ
回路と、前記掃引発振回路から各負荷へ供給される信号
の掃引速度を変化させる制御回路とを有し、前記制御回
路は、前記モニタ回路による検出値が所定の基準値より
大きくなる領域では前記掃引発振回路に第1速度で掃引
させ、前記基準値より小さくなる領域では第1速度より
も低速となる第2速度で掃引させるように構成されたも
のである。
【0013】本発明の他の発振器は、それぞれ固有の共
振点を有する複数の負荷との接続手段と、接続される負
荷のすべての共振点を含む周波数範囲の信号を掃引発振
する掃引発振回路と、各負荷の共振特性を検出するモニ
タ回路と、前記掃引発振回路から各負荷へ供給される信
号の掃引速度を変化させる制御回路とを有し、前記制御
回路は、前記モニタ回路の検出値が低下して第1基準値
に達したときに前記掃引発振回路に第1速度で掃引さ
せ、検出値が第1基準値未満となり第1基準値より小さ
い第2基準値に達したときに前記掃引発振回路を前記第
1速度よりも低速の第2速度で掃引させるとともに、第
2基準値に達したときの前記掃引発振回路の発振周波数
を固定させるように構成されたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。 <第1実施形態>図1は、一般的な超音波振動子におけ
る周波数対インピーダンスの特性(共振特性)を示した
図であり、縦軸は超音波振動子のインピーダンス、横軸
は超音波振動子の発振周波数を表す。超音波振動子で
は、ある周波数範囲において、部分的な周波数領域毎の
インピーダンスが極小となる点(以下、「共振点」とい
う。)が1又は複数存在する。この共振点がいくつにな
るか、どの周波数で共振点になるかは、超音波振動子に
固有のものである。図1の例では、一つの超音波振動子
において、一定の周波数範囲の中でインピーダンスが最
小となる共振点Dの他に、共振点A、B、C、Eが複数
存在する。この実施形態では、この超音波振動子の共振
特性を利用するために複数の共振点A〜Eのすべてを含
む周波数範囲で掃引発振を行う(図1のf1〜f2の周
波数で掃引発振する。掃引発振は、f1の周波数からf
2の周波数の方向で行う。)掃引発振回路を用いた超音
波洗浄装置例を挙げる。便宜上、図6に示したものと同
一の構成要素については、図6に示した符号をそのまま
使用する。
【0015】図2は、超音波洗浄装置に用いられる発振
器の構成図である。この超音波発振器20は、掃引発振
回路21、超音波振動子62のインピーダンスを検出す
るモニタ回路22、しきい値の設定を行う設定回路2
3、検出したインピーダンス値を記憶する記憶回路2
4、及び検出したインピーダンス値に基づいて掃引発振
回路21の動作を制御する制御回路25を含んで構成さ
れる。
【0016】掃引発振回路21は、超音波振動子62に
動作信号を供給するものである。この信号の周波数、す
なわち発振周波数は掃引発振を行うために可変であり、
その掃引速度は、制御回路25からの指示によって制御
されるようになっている。このような掃引発振回路21
を用いることにより、複数の洗浄効果のある周波数の超
音波60を任意に発生することができ、マルチ発振によ
る超音波洗浄と同様の効果を得ることができる。つま
り、掃引発振回路21を、洗浄ムラを防止する上で充分
となる周波数帯域で掃引発振させ、発振周波数が、超音
波振動子62の各共振点A〜Eを通過するようにするこ
とで、洗浄効果のある複数の周波数の超音波の中から最
適なものを適宜超音波振動子62から発生させることが
できる。なお、後述するように、複数の共振点でシーケ
ンシャルに超音波60を発生させるようにすることもで
きる。
【0017】モニタ回路22は、超音波振動子62のイ
ンピーダンスを常に検出しており、その検出結果を制御
回路25に送る。設定回路23は、充分に洗浄効果が期
待できる実効出力値のしきい値として、超音波振動子6
2のインピーダンスのしきい値を設定する。このしきい
値が、掃引発振回路21の掃引速度を変更する基準とな
る。例えば、モニタ回路22により検出した超音波振動
子62のインピーダンスがしきい値より大きくなる周波
数領域、つまり実効出力が小さく洗浄効果が低い領域で
は、掃引発振回路21は、高速で掃引する。逆に、イン
ピーダンスがしきい値より小さくなる周波数領域、つま
り実効出力が大きく洗浄効果が高い領域では、掃引発振
回路21は低速で掃引を行う。このようにして、掃引発
振回路21の掃引速度を変更する。しきい値の設定によ
っては、特定の共振点のみで超音波60を継続して発生
させるようにすることも可能である。
【0018】記憶回路24は、モニタ回路22により検
出した超音波振動子62のインピーダンス値を直接ある
いは制御回路25を通じて記憶する。制御回路25は、
掃引発振回路21を制御するものである。具体的には、
モニタ回路22により検出されたインピーダンスと設定
回路23により設定されたしきい値とを比較し、その比
較結果から掃引発振回路21の掃引速度を決定する。
【0019】以上のように構成される発振器20におい
て、図1のような共振特性を持つ超音波振動子62を用
いてシーケンシャルに超音波を発生させる手順は、以下
のようになる。図1のf1の周波数ではモニタ回路22
で検出する超音波振動子62のインピーダンスがしきい
値以上であるため、制御回路25は、掃引発振回路21
に高速での掃引発振を指示する。そして、共振点Aの近
傍で、インピーダンス値がしきい値以下になると、制御
回路25はこれを検出して、掃引発振回路21に低速掃
引を行うように指示を出す。これにより、掃引発振回路
21は、低速で掃引発振する。共振点Aを過ぎ、再びイ
ンピーダンス値がしきい値以上になると、制御回路25
は、インピーダンス値がしきい値以上になったことを検
出し、掃引発振回路21に高速掃引を行うように指示を
出す。これにより、掃引発振回路21は高速で掃引発振
し、次の共振点Bに向かう。
【0020】共振点Bの近傍でインピーダンス値がしき
い値以下になると、制御回路25は、これを検出し、掃
引発振回路21に再び低速掃引を指示する。これによ
り、掃引発振回路21は低速で掃引発振するようにな
る。以下、制御回路25により超音波振動子62のイン
ピーダンスがしきい値以上又は以下になると、これを検
知し、検知結果により掃引発振回路21の掃引速度を変
化させる。つまり、共振点D、Eの近傍で、共振点A、
Bの近傍と同様に低速で掃引する。この発振周波数の信
号が供給されることにより、超音波振動子62が超音波
60を発生する。
【0021】このようにして、複数の周波数の超音波を
発生させて超音波洗浄を行うことにより、超音波洗浄装
置の規模を大きくすることなく、短時間に、洗浄ムラを
防止しながら被洗浄物65の洗浄を行うことができる。
【0022】制御回路25は、記憶回路24に記憶され
たインピーダンス特性から、インピーダンスが最小にな
る周波数に掃引発振回路21の発振周波数を固定して用
いるようにしてもよい。例えば図1の共振特性を持つ超
音波振動子62の場合、掃引発振回路21の発振周波数
を、超音波振動子62から最大実効が得られるf|Z|min
である共振点Dに達したときの掃引速度をゼロ値または
ゼロ値に近い速度にしても良い。このようにすれば、従
来の単一周波数と同様の洗浄が行えるようになる。これ
は、被洗浄物65が超音波60の波長に対して十分小さ
く、洗浄ムラが発生しないような場合に有効である。さ
らに、記憶された共振特性から、予め複数の洗浄効果の
高い周波数を選択し、選択した周波数の信号のみを時分
割に発振させるようにしても、やはり高い洗浄効果が得
られる。
【0023】<第2実施形態>第2実施形態は、本発明
の発振器を誘導加熱装置に適用した場合の例を示すもの
である。
【0024】この誘導加熱装置の概略的な構成例を図3
に示す。この誘導加熱装置30は、共振コンデンサCA
と加熱コイルLA、共振コンデンサCBと加熱コイルL
B、共振コンデンサCCと加熱コイルLCを含む各直列
共振回路と一つの発振器OSCとを並列に接続して成る
掃引発振回路31を有している。誘導加熱装置30は、
また、掃引発振回路31を制御するために、第1実施形
態に示したものと同様のモニタ回路32、設定回路33
及び制御回路34が備えられる。
【0025】モニタ回路32は、各直列共振回路のイン
ピーダンスを検出し、検出値を制御回路34に送る。設
定回路33は、検出されたインピーダンスとの比較対照
となる設定値及びしきい値、発振周波数を固定させる時
間等を定め、これらを制御回路34に送出する。制御回
路34は、モニタ回路32により検出されたインピーダ
ンスと設定回路33により設定された値とを比較し、比
較結果により掃引発振回路31の掃引速度を制御する。
【0026】掃引発振回路31は、図4のf1とf2と
の間の周波数範囲で掃引発振するようになっている。図
4は、誘導加熱装置のインピーダンス特性を示した図で
あり、縦軸はインピーダンス、横軸は周波数を表してい
る。誘導加熱装置のインピーダンス特性は、3個の加熱
コイルLA、LB、LCの各々の共振特性により決ま
る。図4の例では、各加熱コイルLA、LB、LCの共
振点A、B、Cが示されている。また、掃引発振回路3
1の掃引速度を変更する基準となるしきい値、及びしき
い値よりも低インピーダンスの設定値が示されている。
本実施形態では、インピーダンスがしきい値以上の範囲
では周波数をしきい値になるまでスキップさせる(周波
数切換)。そして、インピーダンスがしきい値以下にな
ったときは高速掃引発振させ、さらにインピーダンスが
設定値に達したときは低速掃引発振またはそのときの周
波数を固定させる(掃引速度“0”)。図5は、発振回
路における発振周波数と発振時間との関係を示す図であ
り、図4と対応する関係にある。
【0027】直列共振回路の場合、発振周波数の関係は
f1>f2となる。第1実施形態と同様に、モニタ回路
32及び制御回路34により、しきい値よりインピーダ
ンス値が高い領域では掃引速度を高速にし、しきい値よ
りインピーダンス値が低い領域では掃引速度を低速にす
る。なお、共振点以下の周波数になると、直列共振回路
が容量性領域となるために半導体発振素子にストレスが
加わる。そのため、しきい値から共振点までは低速掃引
を行い、共振点を過ぎたら高速掃引を行うほうが好まし
い。共振点A、B、Cは、モニタ回路32により検出
し、制御回路34で検知する。しきい値よりも小さい値
を別途設定して掃引速度を決めてもよい。
【0028】以上の構成及びインピーダンス特性を持つ
誘導加熱装置では、以下のような手順で、掃引発振速度
を制御して加熱コイルLA、LB、LCを加熱する。掃
引発振回路31は、時間0で周波数f1から掃引発振を
始める。周波数f1では、インピーダンスがしきい値以
上であるため、制御回路34は、掃引発振回路31の発
振周波数をインピーダンスが最初にしきい値と等しくな
る周波数にスキップさせる。インピーダンスと設定値と
が等しい周波数SAになると、制御回路34は、掃引発
振回路31の発振周波数(共振点A)をその周波数SA
に固定させる。周波数を固定する時間は、図5に示され
るように、インピーダンスが最初に設定値に達した時点
tA1から次に設定値に達した時点tA2まで時間tA
である。
【0029】時間tAが経過すると、制御回路34は、
掃引発振回路31の発振周波数をインピーダンスが次の
しきい値と等しくなる周波数LAまでスキップさせ、周
波数LAから高速掃引させる。発振周波数が再びインピ
ーダンスと設定値と等しい周波数SBに達すると、制御
回路34は、掃引発振回路31の発振周波数(共振点
B)をその周波数SBに固定させる。周波数を固定する
時間は、その周波数領域においてインピーダンスが最初
に設定値に達した時点tB1から次に設定値に達した時
点tB2まで時間tBである。
【0030】時間tBが経過すると、制御回路34は、
掃引発振回路31の発振周波数をインピーダンスがしき
い値と等しくなる周波数LBまでスキップさせる。周波
数LBまでスキップする。引き続き高速掃引させ、発振
周波数が再びインピーダンスと設定値と等しい周波数S
Cに達すると、制御回路34は掃引発振回路31の発振
周波数を周波数SCに固定させる。周波数を固定する時
間は、その周波数領域においてインピーダンスが最初に
設定値に達した時点tC1から次に設定値に達した時点
tC2まで時間tCである。
【0031】時間tCが経過すると、制御回路34は、
掃引発振回路31の発振周波数をインピーダンスがしき
い値と等しくなる周波数LCまでスキップさせ、引き続
き周波数f2まで高速掃引させる。
【0032】このようにして、掃引速度を制御しながら
掃引発振回路31を発振させて加熱コイルLA、LB、
LCを逐次加熱する。加熱コイルLA、LB、LCに
は、共振点A、B、Cの近傍の周波数で掃引速度が遅く
なった信号が、あるいは共振点よりわずかに高い周波数
で固定された周波数の信号が供給される。そのために加
熱コイルLA、LB、LCは、1台の発振器により、容
易に、時分割によって高効率で加熱されるようになり、
装置構成の巨大化が回避される。第2実施形態では、し
きい値を境に周波数をスキップするようにしたが、この
領域でも高速掃引を行うようにしてもよい。
【0033】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、掃引速度が負荷に応じて変化するので、任意
の条件下で所定の周波数の信号が必要となる装置に対し
て装置規模を巨大化することなく、当該信号を随時供給
できるようになる。例えば、複数の共振点をもつ超音波
振動子を用いた超音波洗浄装置に対して、共振点近辺で
掃引速度を遅くして発振信号を供給することにより、複
数の周波数の超音波による高効率の洗浄が可能となり、
洗浄ムラを防止できる。また、異なる周波数特性を持つ
複数の加熱コイルに高周波信号を供給する場合に、各々
の加熱コイルの共振点近辺で掃引速度を遅くして発振信
号を供給することにより、効率的な誘導加熱が可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な超音波振動子のインピーダンス特性
図。
【図2】第1実施形態の超音波洗浄装置に用いられる発
振器の構成図。
【図3】第2実施形態の誘導加熱装置の概略的な構成
図。
【図4】第2実施形態の誘導加熱装置におけるインピー
ダンス特性図。
【図5】第2実施形態の誘導加熱装置における掃引速度
の変化を示す説明図。
【図6】従来の超音波洗浄装置の概略的な構成図。
【図7】従来の切換器を利用する誘導加熱装置の概略的
な構成図。
【符号の説明】
20 超音波発振器 21、31 掃引発振回路 22、32 モニタ回路 23、33 設定回路 24 記憶回路 25、34 制御回路 30 誘導加熱装置用発振器 CA、CB、CC 共振コンデンサ LA、LB、LC 加熱コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B201 AB01 BB02 BB85 BB92 3K059 AA07 AA08 AA15 AB00 AC15 AD03 AD05 BD02 BD24 CD02 CD22

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ固有の共振点を有する1又は複
    数の超音波振動子を通じて液体を振動させることにより
    該液体に接する被洗浄物の洗浄を行う装置であって、 すべての共振点を含む周波数範囲の信号を掃引発振する
    掃引発振回路と、 所要の共振特性に応じた周波数の信号を前記掃引発振回
    路から前記超音波振動子に供給させる制御回路とを有
    し、 特定の共振点で前記液体を振動させることを特徴とす
    る、 超音波洗浄装置。
  2. 【請求項2】 それぞれ固有の共振点を有する1又は複
    数の超音波振動子を通じて液体を振動させることにより
    該液体に接する被洗浄物の洗浄を行う装置であって、 すべての共振点を含む周波数範囲の信号を掃引発振する
    掃引発振回路と、 個々の超音波振動子の実効出力値を検出するモニタ回路
    と、 このモニタ回路により検出された各超音波振動子の実効
    出力値の変化に基づいて、前記掃引発振回路から当該超
    音波振動子へ出力される信号の掃引速度を変化させる制
    御回路とを有し、 複数の共振点においてシーケンシャルに前記液体を振動
    させることを特徴とする、 超音波洗浄装置。
  3. 【請求項3】 前記制御回路は、前記モニタ回路による
    検出値が所定の基準値より大きくなる領域では前記掃引
    発振回路に第1速度で掃引させ、前記基準値より小さく
    なる領域では第1速度よりも低速となる第2速度で掃引
    させるように構成されている、 請求項2記載の超音波洗浄装置。
  4. 【請求項4】 前記制御回路は、特定の共振点に達した
    ときの掃引速度をゼロ値またはゼロ値に近い速度にさせ
    るように構成されている、 請求項2記載の超音波洗浄装置。
  5. 【請求項5】 被加熱物に対向して設けられた加熱コイ
    ルを含む共振回路を複数回路具備し、各共振回路がそれ
    ぞれ固有の共振点を有する装置であって、 すべての共振点を含む周波数範囲の信号を掃引発振する
    掃引発振回路と、 所要の共振特性に応じた周波数の信号を前記掃引発振回
    路から各共振回路に供給させる制御回路とを有し、 いずれかの共振点で前記被加熱物を誘導加熱することを
    特徴とする、誘導加熱装置。
  6. 【請求項6】 被加熱物に対向して設けられた加熱コイ
    ルを含む共振回路を複数回路具備し、各共振回路がそれ
    ぞれ固有の共振点を有する装置であって、 すべての共振点を含む周波数範囲の信号を掃引発振する
    掃引発振回路と、 各共振回路によるインピーダンスの変化を検出するモニ
    タ回路と、 このモニタ回路による検出結果に基づいて前記掃引発振
    回路から各共振回路へ供給される信号の掃引速度を変化
    させる制御回路とを有し、 複数の共振点でシーケンシャルに前記被加熱物を誘導加
    熱することを特徴とする、誘導加熱装置。
  7. 【請求項7】 前記制御回路は、前記モニタ回路の検出
    値が低下して第1基準値に達したときに前記掃引発振回
    路に第1速度で掃引させ、検出値が第1基準値未満とな
    り第1基準値より小さい第2基準値に達したときに前記
    掃引発振回路を前記第1速度よりも低速の第2速度で掃
    引させるように構成される、 請求項6記載の誘導加熱装置。
  8. 【請求項8】 前記制御回路は、前記検出値が第2基準
    値に達したときに前記掃引発振回路の発振周波数を固定
    させるように構成される、 請求項7記載の誘導加熱装置。
  9. 【請求項9】 それぞれ固有の共振点を有する複数の負
    荷との接続手段と、 接続される負荷のすべての共振点を含む周波数範囲の信
    号を掃引発振する掃引発振回路と、 各負荷の実効出力値を検出するモニタ回路と、 前記掃引発振回路から各負荷へ供給される信号の掃引速
    度を変化させる制御回路とを有し、 前記制御回路は、前記モニタ回路による検出値が所定の
    基準値より大きくなる領域では前記掃引発振回路に第1
    速度で掃引させ、前記基準値より小さくなる領域では第
    1速度よりも低速となる第2速度で掃引させるように構
    成されている、 発振器。
  10. 【請求項10】 それぞれ固有の共振点を有する複数の
    負荷との接続手段と、 接続される負荷のすべての共振点を含む周波数範囲の信
    号を掃引発振する掃引発振回路と、 各負荷の共振特性を検出するモニタ回路と、 前記掃引発振回路から各負荷へ供給される信号の掃引速
    度を変化させる制御回路とを有し、 前記制御回路は、前記モニタ回路の検出値が低下して第
    1基準値に達したときに前記掃引発振回路に第1速度で
    掃引させ、検出値が第1基準値未満となり第1基準値よ
    り小さい第2基準値に達したときに前記掃引発振回路を
    前記第1速度よりも低速の第2速度で掃引させるととも
    に、第2基準値に達したときの前記掃引発振回路の発振
    周波数を固定させるように構成される、 発振器。
  11. 【請求項11】 前記モニタ回路による検出値を記憶す
    る記憶回路をさらに備え、前記制御回路は、前記記憶回
    路に記憶された検出値に基づいて前記変化させるべき掃
    引速度を決定するように構成されていることを特徴とす
    る、 請求項9又は10記載の発振器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100746477B1 (ko) 2006-03-07 2007-08-03 유수엽 초음파 진동자 구동 회로
JP2011067545A (ja) * 2009-09-28 2011-04-07 Fujifilm Corp 超音波洗浄装置

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