JP3891659B2 - 適応型自動同調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
電気的な共振点を有する負荷、例えば超音波装置の振動子、高周波放電加工装置の放電部或いは高周波誘導加熱装置の加熱部等に供給する電源の周波数を上記共振点の共振周波数に自動的に同調させる適応型自動同調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の適応型自動同調装置の構成は、例えば図8に示すようなものになっていた。すなわち当該適応型自動同調装置は、電圧制御発振器(以下、VCOと記す)1、増幅器2、電流センサ3、電圧センサ4、位相比較器5およびローパスフィルター6から構成され、上記増幅器2を介して与えられる電源の周波数を負荷10の共振周波数に合わせた上で、当該電源を上記負荷10に与える。以下、上記各回路を説明していくと以下のようになる。すなわちVCO1は、後述のローパスフィルター6からの直流電圧を制御電圧として入力し、当該制御電圧値に応じた周波数の交流出力を送出する回路である。増幅器2は、外部からの電源供給を受けて上記VCO1からの交流出力を電力増幅して送出する回路部である。電流センサ3および電圧センサ4は、それぞれ上部増幅器2から送出されてきて負荷10に与えられる上記交流出力すなわち電源の電流および電圧を検出し、その検出出力(それぞれ電流および電圧の位相情報が含まれている)を位相比較器5に与える回路部である。位相比較器5は上記電流センサ3および電圧センサ4から送られてくる検出出力を入力し、これらから、負荷10に与えられた電流と電圧との間の位相を比較して、両位相の差に対応する位相差出力を送出する回路である。ローパスフィルター6は位相比較器5からの上記位相差出力を入力し、当該位相差出力から高周波成分を除いて、直流化して送出する回路部である。
【0003】
ところで、上記位相比較器5、ローパスフィルター6、VCO1、増幅器2、電流センサ3等はいわゆるPLL(Phase Locked Loop)を構成している。当該PLLは、ロックイン(Lock−in)で、負荷10に与えられる上記電源の電圧および電流(すなわち電圧センサ4および電流センサ3で検出される電圧および電流)の周波数を、両位相が一致するようなものに収束させていく。そして両位相が一致する周波数になったときには、負荷10の等価インピーダンスのリアクタンスは0で、負荷10は共振状態となり、極めて大きなエネルギーが注入される。また負荷10の共振点に変動(使用中の温度上昇等による変動)が発生した場合にも、上記PLLの動作により、上記電源周波数は、負荷10の変動後の共振周波数を追尾することになり、適応型自動同調装置として機能することになる。
【0004】
なお、上記のような従来の適応型自動同調装置には、一般に前記APC機能部が付加されているのが一般的であり、当該APC機能部としては、各種タイプのものがある。一例をあげるなら、上記電流センサ3或いは電圧センサ4等の検出出力をローパスフィルター(図示せず)にとうして、負荷10に与えられている電力の大きさを示す直流検出出力を得て、この直流検出出力で、VCO1と増幅器2との間に挿入して接続されている電子アッテネータ(図示せず)の減衰能を調節して、負荷10に与える電力を予め定められている一定値のものにするタイプのものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の適応型自動同調装置は、負荷10の共振点が1個であることを前提するものであり、そのような負荷10ではその1個の共振点の変動に追尾して、常時、共振周波数で負荷10を駆動することを可能とする点で極めて優れたものである。
【0006】
ところで、上記負荷10を、例えば超音波洗浄装置用の振動子(これは、あくまでも一例であり、本願発明は、これだけを対象とするものではない)とした場合について考えてみると、この超音波洗浄装置をパワーアップしようとする場合には、上記振動子をそのパワーに耐えられるだけの大きなものにする方法と、それほど大きくない複数個の振動子を電気的に接続して同時駆動する方法が考えられる。しかし、前者の方法は、大きな振動子を必要とする点で不利であり実際には、ほとんど利用されておらず、専ら後者の方法が採用されている。ところが、後者の方法を採る場合すなわち複数個の振動子を接続して利用する場合には、上記のような従来の適応型自動同調装置を利用する限り、各振動子の共振点を一致させることが肝要である。その理由は以下のようなものである。各振動子の共振点が一致していないときには、これら振動子を接続した負荷10は共振点を複数個有することになるが、このような負荷10を上記従来の自動同調装置で駆動した場合には、電源周波数は上記複数個の共振点のいずれか1個に同調すると、その共振点を追尾するだけで、他の共振点に対する同調或いは追尾は全く行なわれなくなる。従って、同調等の対象とならなかった共振点に係る振動子には電源供給が十分に行なわれず、振動エネルギーの発生も十分なものでなくなり、負荷10全体から出される振動エネルギーも意図したもの以下に低下する。更に、上記のような場合、同調および追尾の対象となっている振動子だけに電源供給が集中することから、当該振動子が破壊する場合もある。
【0007】
上記のような理由から、従来の適応型自動同調装置で駆動する限り、複数個の振動子を接続する場合には、各振動子の共振点を一致させることが必要である。そのため、複数の振動子を用いて負荷10を作る場合には、それら振動子の共振点を合わせるために、各振動子のサイズ調整を、多大な労力を注込んで、行なっている。しかも、このような多大な労力を注込んで共振点が一致している複数の振動子を作って、これらを接続して負荷10としても、この負荷10を上記の従来の適応型自動同調装置で駆動して利用する限り、その駆動の最中に、温度上昇等が発生して、各振動子の共振点が一致しなくなったときには、前述のケースすなわち、当初から各振動子の共振点が一致してない負荷10を上記従来の適応型自動同調装置で駆動した場合と同様の結末となる。
【0008】
本願発明は上述のような事情に鑑みてなされたものであり、複数の共振点を有する負荷を駆動する場合であっても、電源周波数を各共振点に同調でき、かつこれら各共振点の変動に対しても電源周波数を追尾させることができる適応型自動同調装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決する手段】
請求項1の発明では自動同調装置を以下のように構成した。すなわち、それぞれ1の電気的共振点を有する2以上の超音波振動子を並列接続して一体化した負荷であって、全体として複数の電気的共振点を有し且つ入力端を1個だけ有する該負荷に、上記入力端より供給する電源の周波数を、時分割で順次循環的に、上記各共振点での共振周波数に切換えていく構成とした。
【0010】
請求項2の発明では、それぞれ1の電気的共振点を有する2以上の超音波振動子を並列接続して一体化した負荷であって、全体として複数の電気的共振点を有し且つ入力端を1個だけ有する該負荷に、上記入力端より供給する電源の周波数を、時分割で順次循環的に上記各共振点での共振周波数にほぼ等しいものに切替えていく共に上記各共振点の変化に応じて上記各共振点を追尾してその時点の実際の各共振周波数に同期させる適応型自動同調装置を以下のように構成した。すなわち、ダイレクトデジタルシンセサイザ(以下、DDSという)を有して、当該DDSよりの信号に基づく交流出力信号を時分割で順次循環的に上記各共振点での共振周波数にほぼ等しいものに切替えて上記負荷に電源として供給する電源部と、
上記DDSを当該DDSへ与える周波数指定デジタル信号で制御することにより、上記負荷の各共振点において、その時点の共振周波数にほぼ一致している上記電源周波数を微小量だけ大きいもの或いは小さいものに変化させてみては、当該変化による負荷入出力物理量(本明細書において、当該用語は、負荷が共振状態になったときに極大又は極小となる諸々の物理量、例えば負荷に流れ込む電流、負荷に印加される電圧等を意味する)の増減を検出し、当該増減から、上記微小量変化後の電源周波数が、その時点の上記負荷の真の共振周波数に近づいたのか、遠ざかったのかを検出し、近づいたときには、以後の電源周波数を上記微小量変化後の電源周波数に更新し、他方、遠ざかったときには、以後の電源周波数を上記微小量変化前の電源周波数に戻すという動作を繰返す追尾制御手段とを備える構成とした。
【0011】
請求項3の発明では、適応型自動同調装置を以下のように構成した。すなわち、それぞれ1の電気的共振点を有する2以上の超音波振動子を並列接続して一体化した負荷であって、全体として複数の電気的共振点を有し且つ入力端を1個だけ有する該負荷に、上記入力端より供給する電源の周波数を、時分割で順次循環的に、上記各共振点での共振周波数にほぼ等しいものに切替えていく電源周波数切替手段と、
上記各共振点の各共振周波数近傍で、それぞれ電源周波数を微小量だけ変化させてみて、この変化に応じた負荷入出力物理量の増減に基づいて、上記各共振点の各共振周波数の変動を把握して、上記電源周波数に対して各共振周波数を追尾させる追尾制御手段とを備える構成とした。
【0012】
請求項4の発明では、請求項2および3記載の適応型自動同調装置における追尾制御手段の制御内容に、新たな制御内容を追加した。すなわち、負荷のその時点の共振周波数にほぼ等しいものとした電源周波数で上記負荷を駆動する主駆動時間を、当該電源周波数を微小量だけ変化させた周波数で上記負荷を駆動してみる探り駆動時間よりも長くするという新たな制御内容を追加した。
【0013】
請求項5の発明では、請求項2、3および4記載の適応型自動同調装置へ、上記負荷に供給する電力を、自動的に、予め設定した一定のものにするAPC機能部を追加し、かつ当該APC機能部によるAPC動作は、上記追尾制御手段による上記追尾動作中には、停止するようにした。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態に基づき、本願発明を具体的に説明する。図1は本願発明の第一の実施の形態に係る適応型自動同調装置を負荷10との関係で示すものであり、当該負荷10は、3個の共振点を有し、超音波用の3個の振動子を並列接続してなる負荷である。
【0015】
増幅器2は、外部からの電力供給を受けて後述のDDS(Direct Digital Synthesizer)7からの交流出力(信号)を電力増幅して送出する回路部である。電流センサ3は上記増幅器2から送出されてきて負荷10に与えられる交流電源の電流値を検出し、当該電流値に対応する検出出力をADコンバータ8に送出する回路部である。ADコンバータ8は上記電流センサ3より送出されてきた上記検出出力(すなわちアナログ出力)を入力し、この検出出力をディジタル値に変換して、これをディジタル検出出力としてマイクロコンピュータ9に送出する回路部である。
【0016】
マイクロコンピュータ9は、メモリ9aを備え、上記ADコンバータ8からの上記ディジタル検出出力の内の特定のものを当該メモリ9aに記憶した後、内蔵プログラムに従った演算を行ない、その演算結果に従い所定の周波数を指定する周波数指定ディジタル信号をDDS7に送出する等の各種動作を実行する回路部である。DDS7は、上記マイクロコンピュータ9から送られてくる周波数指定ディジタル信号を受け、この信号により指定された高い周波数の前記交流出力(信号)を安定に送出する回路部である。
【0017】
次に、以上のように構成された上記実施の形態の動作について説明する。当該適応型自動同調装置への電源投入と共にマイクロコンピュータ9は、予じめ計測等により把握されている負荷10の3個の共振周波数F1、F2、F3が十分に含まれる図2に示す周波数範囲、すなわち周波数FaからFbの範囲の各周波数を指示する前記周波数指定ディジタル信号を、順次、DDS7に送っていく。この場合、DDS7は、順次、送られてくる上記周波数指定ディジタル信号を受け、周波数FaからFbの範囲の各周波数の交流出力を、順次、送出していくが、当該交流出力は、増幅器2で電力増幅され負荷10に送られる。そして、上記のようにして、順次、周波数を変えながら負荷10に与えられる電源電流値(図2参照)は、電流センサ3により検出され、この検出出力はADコンバータ8でディジタル化されディジタル検出出力としてマイクロコンピュータ9に与えられていく。そして、マイクロコンピュータ9は次々と送られてくるディジタル検出出力を入力し、これらから負荷10に与えられる電源電流が極小値(前記のように並列共振だから極小値となる)となる時点の電源周波数3個(図2の周波数F1、F2、F3に相当する)を求め、これを負荷10の当初の共振周波数F1、F2、F3としてメモリ9aに記憶する。
【0018】
以上のようにして、負荷10の複数の共振周波数を検出して記憶した後には、マイクロコンピュータ9は、上記メモリ9aに記憶した共振周波数F1、F2、F3を指定する前記周波数指定ディジタル信号を、図4のステップ1に示すように時分割で、上記順序で順次、DDS7に送出する。これにより上記3通りの周波数の電源が、時分割で負荷10に与えられ、負荷10を構成している3個の振動子が、順次、時分割で短時間ずつ共振状態となり、それぞれ短時間ずつ均等に高い振動エネルギーを発生することになる。なお、この場合、各共振点での電流値は電流センサ3で検出されADコンバータ8を経てマイクロコンピュータ9に与えられメモリ9aに記憶される。
【0019】
上記のようにして3個の各共振点での駆動を終えた後には、マイクロコンピュータ9は、図4のステップ2に示すように、DDS7に周波数F1a、F2a、F3aを指示する3通りの周波数指定ディジタル信号を、順次、送るが、これにより上記ステップ1のときと概ね同様の動作が行われて、負荷10に周波数F1a、F2a、F3aの電源が時分割で与えられる。この場合の周波数F1a、F2a、F3aは、それぞれ前記共振周波数F1、F2、F3より微小周波数Δfだけ低いものとなっている。例えば上記共振周波数F1と周波数F1aとの関係は、図3に示すようになっている(なお、当該図3は、前記図2の共振周波数F1の近傍部を拡大て示したものである)。上記のようにして、負荷10に周波数F1a、F2a、F3aの電源が、時分割で極く短時間ずつ、順次、与えられることにより、負荷10を構成する3個の振動子が、順次、短時間ずつ共振状態或いは共振状態に極めて近い状態となり、それぞれ高い振動エネルギーを発生することになる。なお、この場合も、周波数F1a、F2a、F3aの電源で負荷10を駆動したときの各電源電流は、前記ステップ1の場合と同様にして、マイクロコンピュータ9のメモリ9aに記憶される。
【0020】
上記のようにしてステップ2での動作を終えた後には、マイクロコンピュータ9は、図4のステップ3に示すように、DDS7にそれぞれ周波数F1b、F2b、F3bを指示する3通りの周波数指定ディジタル信号を順次、送る。そしてこれにより負荷10には周波数F1b、F2b、F3bの電源が、順次、時分割で与えられる。この場合の周波数F1b、F2b、F3bは、それぞれ前記共振周波数F1、F2、F3よりも微小周波数Δfだけ高いものになっている。例えば上記共振周波数F1と周波数F1bとの関係は、図3に示すような関係になっている。この場合も負荷10には、上記3種の周波数の電源が時分割で極く短い時間ずつ順次与えられるので、負荷10の3個の振動子は、順次、短時間ずつ共振状態或いはこれに極めて近い状態となり、それぞれ高い振動エネルギーを発生する。なお、この場合も、上記周波数F1b、F2b、F3bの電源で負荷10を駆動したときの各電源電流は、前記同様にして、マイクロコンピュータ9のメモリ9aに記憶される。
【0021】
以上のようにして、ステップ1から3の動作を終えたときには、以下のような動作により、負荷10の各共振点の変動を検出し、これを追尾する。すなわち、上記メモリ9aに記憶しておいた共振周波数F1、周波数F1aおよびF1bのときの3種の電源電流を比較して最も低い値となっているものを求め、その電源電流値のときの周波数を新たな共振周波数F1としてメモリ9aに記憶する(例えば、上記各周波数での電源電流が図3に示すようなものになっているときは、電流値が最も低くなっているときの周波数F1bが、新たな共振周波数F1となり、メモリ9a内の共振周波数F1用記憶エリアは、この新たな共振周波数F1で書替えられる)。次いで、メモリ9aに記憶しておいた共振周波数F2、周波数F2aおよびF2bのときの電源電流を比較して、最も低いもののときの周波数を新たな共振周波数F2としてメモリ9aに記憶する。更に、メモリ9aに記憶しておいた共振周波数F3、周波数F3aおよびF3bのときの電源電流を比較して、最も低いもののときの周波数を新たな共振周波数F3としてメモリ9aに記憶する。
【0022】
以上のようにして、共振周波数F1、F2、F3をそれぞれ更新してメモリ9aに記憶した後は、更新後のこれら共振周波数を用いて、前記同様の動作を実行すが、以後、このような動作が繰返されされていく。このような動作の繰返しにより、負荷10の複数の共振点の変動を追尾して、電源周波数を自動的に各共振周波に時分割で同調させることが可能となる。
【0023】
以上のように、本実施の形態では、共振点の異なる複数の負荷を、単に接続するだけで、新たな1個の負荷として容易に駆動でき、しかもこの際に上記複数の負荷の共振点が広い範囲に分散していても、それら各負荷に対し均一的にパワーを供給でき、かつ上記駆動は安定かつ高速に行なえる。
【0024】
また、本実施の形態では、1の負荷を構成する複数の各負荷のそれぞれに時分割で、極く単時間ずつパワー供給を行なうので(すなわち、ある1個の負荷に着目するとパワー供給が行なわれるタイミングと行なわれないタイミングが交互にくるので)、1個の負荷に対するものとしては相当に大きなパワーを供給しても負荷は破壊しない。
【0025】
また、従来例のように位相比較器を備えるものでないだけに、回路構成上も有利である。
【0026】
更に、本実施の形態は、複数の並列共振点を有する負荷を駆動するものであったが、複数の直列共振点を有する負荷を駆動するものでもよく、そのようなものでは、前記追尾動作に際して、各共振点で電源周波数を微小量だけ変化させてみて、最も電源電流が大きくなるときの周波数を新たな共振周波数としていくことになる。また、本実施の形態は、超音波装置用の振動子を複数個接続してなる負荷を駆動するものだが、これに限られず、例えば高周波誘導加熱装置の加熱部或いは高周波放電加工装置の放電部を負荷として駆動するものであってもよいことは勿論である。
【0027】
負荷の複数の共振点の変動を追尾して、電源周波数を時分割で自動的に各共振周波に同調させる上記技術は、1個の共振点のみを有する負荷の共振点の変動を追尾する技術にも利用できることは無論である。
【0028】
次に、本願発明の第二の実施の形態のついて説明する。当該実施の形態の構成は、前記第一の実施の形態の構成と同様になっており、図1で示されるが、追尾動作が、若干、異なっている。図5は、この第二の実施の形態の追尾動作のタイムチャートであり、前記第一の実施の形態についての図4に相当するものである。
【0029】
これら両図を比較してみれば分かるように、両実施の形態の違いは、次の点にある。即ち、第一の実施の形態では、前記電源周波数のスイープ動作(図2参照)等で見つけてメモリ9aに記憶した当初の共振周波数F1、F2、F3(その後の追尾動作で、上記メモリ9aに、順次、更新されて記憶された新たな共振周波数F1、F2、F3を含む)で、それぞれ、負荷10を駆動する時間即ち主駆動時間Tと、当該共振周波数F1、F2、F3を微小量だけ変化させた周波数F1a、F2a、F3a、F1b、F2b等で、それぞれ、負荷10を駆動する時間即ち探り駆動時間tとが等しくなている。他方、第二の実施の形態では、上記主駆動時間Tは、上記探り駆動時間tよりも長くなっている。なお、当該探り駆動時間tは、周波数F1a、F2a等での上記駆動が安定なものとなる最小限の時間以上の時間で当該最小限の時間に近いものとなる。
【0030】
上記第二の実施の形態では、上記のような動作により、第一の実施の形態の場合よりも、各時点の負荷10の共振周波数での駆動時間が増えて、そのため、当該負荷10に与える電力を増大できるという利点がある。
【0031】
次に、本願発明の第三の実施の形態について説明する。当該実施の形態の構成は、前記第一の実施の形態の構成(図1参照)と、若干、異なっており、図6で示される。即ち、本実施の形態では、DDS7と増幅器2の間に、電子アッテネータ11が挿入され接続されている。当該電子アッテネータ11は、DDS7からの正弦波信号を入力し、マイクロコンピュータ9からの減衰レベル指定ディジタル信号に応じて、当該正弦波信号の波高値の抑圧程度を変えて増幅器2に送出する回路部である。このような構成の本実施の形態において、マイクロコンピュータ9は前記第一の実施の形態の場合と同様の追尾動作を実行するために前記同様の周波数指定ディジタル信号を、順次、送出すると共に、負荷10に与える電力を予め設定(マイクロコンピュータ9のキーの操作等により設定される)された値のものにするために(即ちAPC動作のために)、ADコンバータ8からの電流値に所定の演算を施して得られた上記減衰レベル指定ディジタル信号を電子アッテネータ11送出する。即ち、前記共振点追尾動作は、電流センサ3、ADコンバータ8、マイクロコンピュータ9、DDS7、電子アッテネータ11、増幅器2のループを利用して行われ、他方,APC動作は、電流センサ3、ADコンバータ8、マイクロコンピュータ9、電子アッテネータ11、増幅器2のループを利用して行われる。
【0032】
上記のように構成された当該実施の形態では、図7(第一の実施の形態についての図4に相当する)に示すように、前記共振点追尾動作中(ステップ1から3までの間)は、上記APC動作を停止し、当該APC動作は、共振点追尾動作後のステップ4で、電源周波数をその時点の共振周波数の1つに固定した上で実行される。なお、図7では、APC動作時の固定されている電源周波数を周波数F3aとしているが、これは、直前の共振点追尾動作において周波数F3、F3a、F3b(以下、これらを周波数F3系の周波数という)の中で、周波数F3aが、その時点のその共振点に係る共振周波数に最も近かったことを想定したものである。そして、このAPC動作時の電源周波数は、周波数F1、F2およびF3系の各共振点に係る共振周波数に最も近い周波数が、順次、サイクリックに選ばれていく。
【0033】
本実施の形態では、共振点追尾動作中は、上記APC動作を停止し、当該APC動作は、共振点追尾動作後の上記ステップ4で、電源周波数をその時点の共振周波数の1つに固定した上で実行することにより、両動作が錯綜して混乱し、結果的に正確な共振点追尾動作およびAPC動作が行われなくなることを回避している。
【0034】
なお、本願発明は、以上の3つの実施の形態に限定されず、種々応用変形が可能である。
【0035】
【発明の効果】
以上詳述したように、本願発明によれば、複数の共振点を有する負荷を駆動する場合であっても、電源周波数を各共振点に同調でき、かつこれら各共振点の変動に対しても電源周波数を追尾させることができる適応型自動同調装置の提供を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第一の実施の形態の構成を負荷との関係で示すものである。
【図2】上記実施の形態における共振点検出動作を説明するための図である。
【図3】上記図2の一部を拡大した図である。
【図4】上記実施の形態の負荷共振点追尾動作を説明するための図である。
【図5】本願発明の第二の実施の形態の負荷共振点追尾動作を説明するための図である。
【図6】本願発明の第三の実施の形態の構成を負荷との関係で示すものである。
【図7】上記第三の実施の形態の動作を説明するための図である。
【図8】従来例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 VCO
2 増幅器
3 電流センサ
4 電圧センサ
5 位相比較器
6 ローパスフィルター
7 DDS
8 ADコンバータ
9 マイクロコンピュータ
9a メモリ
10 負荷
11 電子アッテネータ
T 主駆動時間
t 探り駆動時間
Claims (5)
- それぞれ1の電気的共振点を有する2以上の超音波振動子を並列接続して一体化した負荷であって、全体として複数の電気的共振点を有し且つ入力端を1個だけ有する該負荷に、上記入力端より供給する電源の周波数を、時分割で順次循環的に、上記各共振点での共振周波数に切換えていくようにした自動同調装置。
- それぞれ1の電気的共振点を有する2以上の超音波振動子を並列接続して一体化した負荷であって、全体として複数の電気的共振点を有し且つ入力端を1個だけ有する該負荷に、上記入力端より供給する電源の周波数を、時分割で順次循環的に上記各共振点での共振周波数にほぼ等しいものに切替えていく共に上記各共振点の変化に応じて上記各共振点を追尾してその時点の実際の各共振周波数に同期させる適応型自動同調装置において、
ダイレクトデジタルシンセサイザ(以下、DDSという)を有して、当該DDSよりの信号に基づく交流出力信号を時分割で順次循環的に上記各共振点での共振周波数にほぼ等しいものに切替えて上記負荷に電源として供給する電源部と、
上記DDSを当該DDSへ与える周波数指定デジタル信号で制御することにより、上記負荷の各共振点において、その時点の共振周波数にほぼ一致している上記電源周波数を微小量だけ大きいもの或いは小さいものに変化させてみては、当該変化による負荷入出力物理量の増減を検出し、当該増減から、上記微小量変化後の電源周波数が、その時点の上記負荷の真の共振周波数に近づいたのか、遠ざかったのかを検出し、近づいたときには、以後の電源周波数を上記微小量変化後の電源周波数に更新し、他方、遠ざかったときには、以後の電源周波数を上記微小量変化前の電源周波数に戻すという動作を繰返す追尾制御手段とを備えることを特徴とする適応型自動同調装置。 - それぞれ1の電気的共振点を有する2以上の超音波振動子を並列接続して一体化した負荷であって、全体として複数の電気的共振点を有し且つ入力端を1個だけ有する該負荷に、上記入力端より供給する電源の周波数を、時分割で順次循環的に、上記各共振点での共振周波数にほぼ等しいものに切替えていく電源周波数切替手段と、
上記各共振点の各共振周波数近傍で、それぞれ電源周波数を微小量だけ変化させてみて、この変化に応じた負荷入出力物理量の増減に基づいて、上記各共振点の各共振周波数の変動を把握して、上記電源周波数に対して各共振周波数を追尾させる追尾制御手段とを備えることを特徴とする適応型自動同調装置。 - 上記追尾制御手段は、
上記追尾制御において、負荷のその時点の共振周波数にほぼ等しいものとした電源周波数で上記負荷を駆動する主駆動時間を、当該電源周波数を微小量だけ変化させた周波数で上記負荷を駆動してみる探り駆動時間よりも長くする制御をも、
実行するものになっている請求項2又は請求項3記載の適応型自動同調装置。 - 上記負荷に供給する電力を、自動的に、予め設定した一定のものにする自動電力制御(以下、APCという)機能部が追加されており、かつ当該APC機能部によるAPC動作は、上記追尾制御手段による上記追尾動作中には、停止するようにした請求項2、請求項3又は請求項4記載の適応型自動同調装置。
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