JP2001129464A - 塗液の塗布装置および塗布方法、並びにプラズマディスプレイパネル用部材の製造方法およびプラズマディスプレイパネル - Google Patents

塗液の塗布装置および塗布方法、並びにプラズマディスプレイパネル用部材の製造方法およびプラズマディスプレイパネル

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JP2001129464A
JP2001129464A JP31346599A JP31346599A JP2001129464A JP 2001129464 A JP2001129464 A JP 2001129464A JP 31346599 A JP31346599 A JP 31346599A JP 31346599 A JP31346599 A JP 31346599A JP 2001129464 A JP2001129464 A JP 2001129464A
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coating liquid
coating
nozzle
plasma display
liquid
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Yukinori Ueda
征典 植田
Tatsuya Miyagawa
辰哉 宮川
Mamoru Kishida
守 岸田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】プラズマディスプレイパネルの隔壁のように、
一定の凹凸状のパターンが形成された基材の複数の凹部
に、塗布ノズルから所定の蛍光体ペーストを塗布するに
際し、常に塗布ノズル内へ適正量の蛍光体ペーストを供
給し、長時間にわたって連続して安定した塗布作業が行
え、これによって、基材の高生産性と高品質を可能とす
る塗液の塗布装置および塗布方法およびプラズマディス
プレイパネル用部材の製造方法並びにプラズマディスプ
レイを提供することにある。 【解決手段】塗布ノズルを用いて塗布対象物に塗液を塗
布するための塗布装置であって、塗布ノズル内の塗液量
を塗液に対し非接触で検出する検出手段を有することを
特徴とする塗液の塗布装置。また、塗布ノズルを用いて
塗布対象物に塗液を塗布するための塗布装置であって、
塗布ノズルから塗液供給源の間に塗液制御弁を有し、塗
液制御弁が非摺動開閉構造であることを特徴とする塗液
の塗布装置。また、塗布ノズルを用いて塗布対象物に塗
液を塗布するための塗布装置であって、塗布ノズル内部
に塗液溜まり部と塗液上部の空間部を有し、前記塗液溜
まり部へ分散して塗液を供給する塗液分散手段を有する
ことを特徴とする塗液の塗布装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネル(PDP)、液晶カラーフィルター(LC
M)、光学フィルタ、プリント基板、半導体等の製造分
野に使用されるものであり、特に高粘度塗液を塗布する
PDP製造工程における、ガラス基板などの被塗布対象
物表面に非接触で塗液を吐出しながら薄膜パターンを形
成する塗液の塗布装置および塗布方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ディスプレイはその方式において
次第に多様化してきている。現在注目されているものの
一つが、従来のブラウン管よりも大型で薄型軽量化が可
能なプラズマディスプレイである。これは、前面板と背
面板の間に形成された放電空間内で放電を生じさせ、こ
の放電によりキセノンガスから波長147nmを中心と
する紫外線が生じて、この紫外線が蛍光体を励起するこ
とによって表示が可能となる。R(赤)、緑(G)、青
(B)に発光する蛍光体を塗り分けた放電セルを駆動回
路によって発光させることにより、フルカラー表示に対
応できる。
【0003】また、最近活発に開発が進められているA
C型プラズマディスプレイは、表示電極/誘電体層/保
護層を形成した前面ガラス板と、アドレス電極/誘電体
層/隔壁層/蛍光体層を形成した背面ガラス板とを貼り
合わせ、ストライプ状の隔壁で仕切られた放電空間内に
He−Xe、または、Ne−Xeの混合ガスを封入した
構造を有している。
【0004】R、G、Bの各蛍光体層は、粉末状の蛍光
体粒子を主成分とする蛍光体ペーストが背面板に形成さ
れた各色毎に一方向に延びる隔壁により形成された凹凸
部の凹部にストライプ状に充填されてなる。
【0005】蛍光体がストライプ状に構成されていると
いう構造は、ストライプ形ブラックマトリックス式のカ
ラー受像管のパネルも有している。
【0006】このような構造のものを高い生産性と高品
質で製造するには、蛍光体を一定のパターン状に、塗り
分ける技術が重要となる。
【0007】たとえば特開平10−27543号公報に
は、プラズマディスプレイパネルの隔壁間を対象に、一
個あるいは複数の吐出孔を有する塗布ノズルで塗布する
方法が開示されている。
【0008】ところで前記塗布ノズルは、内部に塗液溜
まりと塗液上部の空間を有し、この上部空間に圧空を注
入しその圧力で塗液を塗布ノズルより押し出す構造が必
要である。なぜなら塗布ノズル内に塗液を充満させポン
プなどで定量液送する構造では、塗液である蛍光体ペー
ストの粘度が高い場合、塗液配管圧損で生じる塗布開始
遅れが顕著となるためである。しかし前記の塗液上部に
空間を有する塗布ノズルでは、蛍光体ペーストを塗布対
象物である基材へ塗布した後、塗布した量と同量の蛍光
体ペースト量を再び塗布ノズル内へ供給する必要があ
る。この時、蛍光体ペーストの再供給量が少な過ぎると
塗布ノズル内の蛍光体ペーストはやがて無くなり、塗布
ムラ、塗布不能を引き起こす。再供給量が多過ぎると塗
布ノズル内に蛍光体ペーストがあふれてしまい、塗布ノ
ズルから予期せぬ吐出を行ってしまう。更にプラズマデ
ィスプレイパネルの製造においては、様々な基板の大き
さや塗布形状に対応できる必要があり、蛍光体ペースト
の塗布量は基板品種毎に変化する。よって変化する塗布
量に応じて、蛍光体ペーストの供給量を適正量精密に供
給し、塗布ノズル内の蛍光体ペースト量を一定範囲に保
持しておかないと塗布作業を安定して継続することがで
きない。また塗布ノズルから吐出する蛍光体ペーストの
吐出量は塗布ノズル内に溜めている蛍光体ペーストの自
重と塗液上部空間に供給される圧空の圧力の和により決
まるため、塗液吐出量を一定に保つためにも蛍光体ペー
スト量を一定に保持する必要がある。この場合塗液量を
確認するため基板への塗布終了毎に塗布ノズルを塗布装
置から取り外し、塗布ノズル内へ蛍光体ペーストを供給
し、所定量であることを確認することは出来るが、塗布
作業の効率が著しく下がってしまう。
【0009】よって塗布作業を安定に継続するためには
塗布ノズル内の蛍光体ペースト量を検出し、塗布による
減少分に応じて蛍光体ペーストを再供給する装置機能が
必要となる。塗布ノズル内の塗液量を測定する方法とし
ては、たとえば特開平10−309507号公報のよう
に塗布ノズル内の塗液液面にフロートを浮かべ、その上
下移動量を電気信号に変換し、その信号から塗液を再供
給するコーティング装置が示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし前記特開平10
−309507号公報の方式ではフロートが常に塗液に
接触する構成のため、フロートに付着した微少な異物や
摺動部分で発生した摩耗粉が塗液へ混入したり、フロー
ト表面に付着した塗液が乾燥,凝縮し、塗液内へ再度混
入してしまう状況が多発する。従ってこのような構成を
塗布ノズルに用いると、塗布ノズルの吐出口が目詰まり
し塗布不良を引き起こすか、基板に塗布された塗液の中
に異物が混入してしまい、ディスプレイとして組立した
際に表示不良としてなるような異物不良欠点を引き起こ
してしまう。
【0011】また塗布ノズルへ蛍光体ペーストを供給,
制御するための塗液供給用制御弁は安定に継続的な制御
が行えることはもとより、上記と同様の理由で蛍光体ペ
ースト中に異物を混入させないクリーン性も求められ
る。ところが一般に使用されるボール弁やバタフライ弁
など、弁自体に摺動部分を有する制御弁はしばしば摺動
部分から発生する摩耗粉を蛍光体ペースト中へ混入させ
てしまう。このような摩耗粉を混入させた蛍光体ペース
トで塗布した基板は、上記と同様に異物不良欠点となり
検査工程で欠陥品として廃棄処理となる。
【0012】また塗布ノズルへ供給する蛍光体ペースト
は様々な粘度のものがあるが、特に高粘度(数10Pa
・s程度)の蛍光体ペーストになると塗布ノズル内の1
ヶ所から注入した場合、注入されたその位置で盛り上が
ってしまい、塗布ノズル長手方向に容易に流れていかな
い。塗布ノズル内の塗液は液面が水平になるまで長い時
間が必要である。よって所定の液面高さであることを確
認するために要する時間が塗布作業の生産効率を大きく
ダウンさせることとなる。この傾向は塗布ノズルの長手
方向長さが大きくなればなるほど顕著となる。
【0013】そこで本発明の課題は、基材、特にプラズ
マディスプレイパネルの隔壁のように、一定の凹凸状の
パターンが形成された基材の複数の凹部に、塗布ノズル
から所定の蛍光体ペーストを塗布するに際し、常に塗布
ノズル内へ適正量の蛍光体ペーストを供給し、長時間に
わたって連続して安定した塗布作業が行え、これによっ
て、基材の高生産性と高品質を可能とする塗液の塗布装
置および塗布方法およびプラズマディスプレイパネル用
部材の製造方法並びにプラズマディスプレイを提供する
ことにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は塗布ノ
ズルを用いて塗布対象物に塗液を塗布するための塗布装
置であり、塗布ノズル内の塗液量を塗液に対し非接触で
検出する検出手段を有することを特徴とする塗液の塗布
装置である。また前記非接触検出手段が塗液液面高さを
検出するセンサーであることを特徴とする。また前記非
接触検出手段が塗液を含めた塗布ノズルの重量検出手段
であることを特徴とする塗液の塗布装置である。
【0015】また本発明は前記非接触検出手段を用いて
塗布ノズル内の塗液量を検出し、その液面高さ検出結果
に応じた塗液供給用制御弁の開閉制御により、塗液供給
源から塗布ノズルへ塗液を供給することを特徴とする塗
液の塗布装置である。
【0016】また本発明は塗布ノズルを用いて塗布対象
物に塗液を塗布するための塗布装置であって、塗布ノズ
ルから塗液供給源の間に設置される塗液制御弁を有し、
本制御弁が非摺動開閉構造であることを特徴とする塗液
の塗布装置である。
【0017】また本発明は塗布対象物に塗液を塗布する
ための塗布装置であって、塗布ノズル内部に塗液溜まり
部と塗液上部の空間部を有し、前記塗液溜まり部へ分散
して塗液を供給する塗液分散手段を有することを特徴と
する塗液の塗布装置である。
【0018】また本発明によれば塗布対象物を固定する
テーブルと、塗布対象物に対面して設けられた塗布ノズ
ルを有し、前記テーブルと塗布ノズルを3次元的に相対
移動させる移動手段を備えたことを特徴とする上記記載
の装置を備えた塗液の塗布装置である。
【0019】また本発明は上記記載のいずれかの塗布装
置を用いることを特徴とする塗液の塗布方法である。
【0020】また本発明はストライプ状に隔壁が形成さ
れた基板に、吐出孔から赤色、緑色、青色のいずれかの
色に発光する蛍光体粉末を含むペーストを上記に記載の
塗布装置を用いて塗布する工程を含むことを特徴とする
プラズマディスプレイパネル用部材の製造方法である。
【0021】さらに本発明は、上記の方法により製造し
たプラズマディスプレイパネル用部材を用いたことを特
徴とするプラズマディスプレイパネルである。
【0022】
【発明の実施の形態】(本発明の塗液の塗布装置および
塗布方法)以下、本発明の望ましい実施の形態を、図面
を参照して説明する。
【0023】まず、本発明の要部であるノズルやノズル
周りの構成を説明する前に、本発明に係る塗液の塗布装
置の全体構成、とくに凹凸基材(たとえば、プラズマデ
ィスプレイパネル部材用)への塗液の塗布装置の全体構
成の例について説明する。
【0024】図1は、本発明の一実施態様に係る塗布装
置の全体斜視図、図2は図1のテーブル6とノズル20
周りの模式図、図3はノズル20を塗布方向から見た断
面模式図であるまず、塗液の塗布装置の全体構成につい
て説明する。図1は、本発明に係るプラズマディスプレ
イパネルの製造に適用される塗布装置の一例を示してい
る。この装置は基台2を備えている。基台2上には、一
対のガイド溝レール8が設けられており、このガイド溝
レール8上にはテーブル6が配置されている。このテー
ブル6の上面には、表面に凹凸が一定ピッチで一方向に
ストライプ状に形成された基材4が、真空吸引によって
テーブル面に固定可能となるように、複数の吸引孔7が
設けられている。また、基材4は図示しないリフトピン
によってテーブル6上を昇降する。さらに、テーブル6
はスライド脚9を介してガイド溝レール8上をX軸方向
に往復動自在となっている。
【0025】一対のガイド溝レール8間には、図2に示
す送りねじ機構を構成するフィードスクリュー10が、
テーブル6の下面に固定されたナット状のコネクタ11
を貫通して延びている。フィードスクリュー10の両端
部は軸受12に回転自在に支持され、さらに片方の一端
はACサーボモータ16が自在継手14を介して連結さ
れている。
【0026】図1に示すように、テーブル6の上方に
は、塗液を吐出するノズル20がホルダー22を介して
昇降機構30、幅方向移動機構36に連結している。昇
降機構30は昇降可能な昇降ブラケット28を備えてお
り、昇降機構30のケーシング内部で一対のガイドロッ
ドに昇降自在に取り付けられている。また、このケーシ
ング内には、ガイドロッド間に位置してボールねじから
なるフィードスクリュー(図示しない)もまた回転自在
に配置されており、ナット型のコネクタを介して昇降ブ
ラケット28と連結されている。さらにフィードスクリ
ューの上端には、図示しないACサーボモータが接続さ
れており、このACサーボモータの回転によって昇降ブ
ラケット28を任意に昇降動作させることができるよう
になっている。
【0027】さらに、昇降機構30はY軸移動ブラケッ
ト32(アクチュエータ)を介して幅方向移動機構36
に接続されている。幅方向移動機構36はY軸移動ブラ
ケット32をノズルの幅方向、すなわちY軸方向に往復
動自在に移動させるものである。動作のために必要なガ
イドロッド、フィードスクリュー、ナット型コネクタ
ー、ACサーボモータ等は、ケーシング内に昇降機構3
0と同じように配置されている。幅方向移動機構36は
支柱34により基台2上に固定されている。
【0028】これらの構成によって、ノズル20はZ軸
とY軸方向に自在に移動させることができる。
【0029】ノズル20は、テーブル6の往復動方向と
直交する方向、つまりY軸方向に水平に延びているが、
これを直接保持するコの字形のホルダ22は昇降ブラケ
ット28内で回転自在に支持されており、垂直面内で自
在に図中の矢印方向に回転することができる。
【0030】このホルダ22の上方には水平バー24も
昇降ブラケット28に固定されている。この水平バー2
4の両端部には、電磁作動型のリニアアクチュエータ2
6が取り付けられている。このリニアアクチュエータ2
6は水平バー24の下面から突出する伸縮ロッド29を
有し、これら伸縮ロッド29がホルダ22の両端に接触
することによってホルダ22の回転角度を規制すること
ができ、結果としてノズル20の傾き度を任意に設定す
ることができる。
【0031】さらに図1を参照すると、基台2の上面に
は逆L字形のセンサ支柱38が固定されており、その先
端にはテーブル6上の基材4の凸部頂上の位置(高さ)
を測定する高さセンサ40が取り付けられている。ま
た、高さセンサ40の隣には、基材4の凹凸部の位置を
検知するカメラ72が支柱70に取り付けられている。
図2に示すように、カメラ72は画像処理装置74に電
気的に接続されており、凹凸部位置の変化を定量的に求
めることができる。
【0032】さらに、テーブル6の一端には、センサブ
ラケット64を介して、ノズル20の吐出孔44のある
下端面(吐出孔面)のテーブル6に対する垂直方向の位
置を検知するセンサ66が取り付けられている。
【0033】ここでノズル20へ圧空および塗液を供給
し吐出させる部分について本発明の塗布装置の一実施態
様を図2および図3に示す。ノズル20はその内部に塗
液溜まり部77を有し、塗液液面上部には空間部76を
設けている。空間部76には圧空供給ホース81,圧空
制御弁82,減圧弁84,圧空源86と連なっており、
任意の圧力の圧空が供給できる構成となっている。圧空
制御弁82は全体コントローラ60により開閉制御され
る。圧空制御弁82は塗液塗布時に開状態に制御され、
ノズル20内の空間部76に供給された圧空の押し圧力
により吐出孔44から塗液を吐出させる。吐出孔44は
塗液の塗布幅に応じてその孔径を10〜500μmの間
に設定するとよい。
【0034】本発明の塗布ノズルは、前述のように通常
の使用時においても内部が塗布液によって完全に充填さ
れることはなく、塗液上部の空間部を有する。従って、
例えば供給口からノズル内にラッパ型に開放する内壁の
構造を採用しても、均一な分散は期待できない。
【0035】そこで本発明の塗布ノズルは、塗布ノズル
内部に、塗液溜まり部へ分散して塗液を供給する塗液分
散手段を有する。塗液分散手段は、塗液42の流れを遮
る障壁構造物と、遮られた塗液42の流れを逃がす流路
によって構成される。具体的には複数孔を配置した板状
体やスリットを設けた板状体、メッシュを有するフィル
ター、傘形状や樋形状の構造体等が挙げられる。このよ
うな塗液分散手段によって、内部に空間部を有するノズ
ルにおいても、塗液が塗液溜まり部へ到達するまでの流
路を規定することができる。
【0036】特に、図3に示すような、塗液供給ノズル
78を塗布ノズル内に有する構造のものが最も好まし
い。本態様においてノズル20は塗液42が注入される
上部部分に天板80と組み合わせて塗液分散手段である
塗液供給ノズル78を構成している。塗液供給ノズルは
注入された塗液42を充満させた上でノズル20内部の
塗液溜まり部77に向けてノズル長手方向に塗液を分散
させるように長手方向に均等に位置した分散孔94から
塗液42を吐出する。この時分散孔94は少なくとも2
孔以上有することが必要でありノズル長手方向に数多く
設けられる程良い。またノズル孔94の直径は全孔より
均一な量の塗液が吐出できるよう、5〜0.5mm程度に
十分小さく設けられていることが好ましい。また前記実
施態様において分散孔94はスリット状開口部でも良
く、その場合塗液供給ノズルの下部にノズル長手方向に
長く設けることが望ましい。また塗液供給ノズル自身は
図3のようにノズル上部の天板80部分に組み込まれる
ことが望ましい。さらには天板80を取り外すと塗液供
給ノズル内部が開放でき、洗浄作業が行うことができる
構成が望ましい。
【0037】前記塗液供給ノズル78には、フィルタ4
7,塗液供給ホース46,塗液制御弁48、塗液タンク
56と連なっている。塗液タンク56には塗液42が蓄
えられている。塗液42は、赤色、緑色、青色のいずれ
かの色に発光する蛍光体粉末を含むペーストからなる。
また塗液タンク56は圧空制御弁54を介して圧空源5
0と接続される。
【0038】供給装置コントローラ58は全体コントロ
ーラ60に電気的に接続されている。供給装置コントロ
ーラ58は全体コントローラ60からの制御信号をうけ
て、圧空制御弁54や、塗液制御弁48の動作を行わ
せ、塗液タンク56から塗液42を圧空の圧力で押出
し、フィルタ47を通過させて塗液供給ノズルへ塗液4
2を供給させることができる。また液送方法は塗液タン
ク56からフィルタ47までの間に定容量ポンプを設置
しポンプ輸送しても良い。圧空源50は空気、窒素等の
気体供給装置が望ましく、減圧弁が設置され(図示しな
い)圧力が調整できることが望ましい。圧力の大きさは
0.01〜1MPa、特に0.02〜0.5MPaが好
ましい。全体コントローラ60には、モータコントロー
ラ62、高さセンサ40の電気入力等、カメラ72の画
像処理装置74からの情報等、すべての制御情報が電気
的に接続されており、全体のシーケンス制御を司どれる
ようになっている。全体コントローラ60は、コンピュ
ータでも、シーケンサでも、制御機能を持つものならば
どのようなものでもよい。
【0039】また前記実施態様において塗液制御弁4
8、圧空制御弁54,82は弁の開閉部分が非摺動型の
タイプを用いる。ここで非摺動型とはピンチバルブやダ
イヤフラムバルブなど流路を開閉する部分で部材間の摺
動が起こらないものを指す。非摺動型の開閉構造を有す
る制御弁は摺動による摩耗粉が発生しないことが大きな
特徴である。従って前記制御弁を用いることにより塗液
42への摩耗粉混入を未然に防ぎ、プラズマディスプレ
イパネルの製造において異物混入による発光不良欠点を
防ぐことができる。制御弁は自動制御する性質上、電磁
式や空圧,油圧式など遠隔操作できるものが好ましく、
電磁式がその汎用性の面から特に望ましい。また塗液4
2への異物混入を防ぐことを更に確実にするためにフィ
ルタ47を用いることも好ましい。フィルタ47はノズ
ル20の直前に組み込むことが望ましく、ノズル20自
身に取り付けられても良い。またノズル20の内部に組
み込まれても良く、塗液42がフィルタ47を通過した
後吐出口44から吐出される構造であればよい。
【0040】またノズル20内の塗液量は塗布動作が停
止する毎に検知される。本発明の塗布装置においては、
塗布ノズル内の塗液量を塗液に対し非接触で検出する検
出手段を有する。非接触の検出手段を用いることによ
り、塗液の汚染を防ぐことができる。図3には塗液量の
非接触検出手段である非接触変位計88を用いて塗液溜
まり部77の液面を測定する構成を示す。非接触変位計
88は全体コントローラ60と電気的に接続され、全体
コントローラ60はその検出信号に応じて、供給装置コ
ントローラ58を制御する。また非接触変位計88はノ
ズル20に直接固定せず、別部材であるセンサブラケッ
ト90で固定されているため、R,G,B塗布のための
ノズル20交換時も非接触変位計88は常に別部材に固
定された状態にある。前記センサブラケット90はノズ
ル20の形状仕様の違いにより検出液面高さレベルが異
なることも考慮して非接触変位計88の位置を高さ方向
に移動調整可能で、任意の位置で固定できるものが望ま
しい。本発明において非接触変位計88はレーザー式、
超音波式等非接触検出できるセンサであれば適用でき、
中でも検出精度や検出レンジの広さからレーザー式変位
計が最も望ましい。この場合ノズル20には透明プレー
ト92を取り付け液面を検出できるよう配慮する。
【0041】また図5に示すようにノズル20内の塗液
量検知手段はノズル重量を測定することでも同様の結果
が得られる。重量検知センサ96はノズル20とノズル
20を支持するホルダ22との間に設置し、ノズル20
とノズル内部の塗液42の重量のみ測定することが望ま
しいが、ノズル20の重量変化を測定できる部分であれ
ば設置場所は問わない。重量検知センサ96は非接触変
位計88と同様に全体コントローラ60と電気的に接続
され、全体コントローラは前記と同様にその検出信号に
応じて、供給装置コントローラ58を制御する。重量検
知センサは検知重量を電気信号に変換できるロードセル
を用いることが最も望ましい。
【0042】また前記実施態様においてモータコントロ
ーラ62には、テーブル6を駆動するACサーボモータ
16や、昇降機構30と幅方向移動機構36のそれぞれ
のアクチュエータ76,78(たとえば、ACサーボモ
ータ)、さらにはテーブル6の移動位置を検出する位置
センサ68からの信号、ノズル20の作動位置を検出す
るY、Z軸の各々のリニアセンサ(図示しない)からの
信号などが入力される。なお、位置センサ68を使用す
る代わりに、ACサーボモータ16にエンコーダを組み
込み、このエンコーダから出力されるパルス信号に基づ
き、テーブル6の位置を検出することも可能である。
【0043】なお、前述の塗液塗布装置の全体構成にお
いて、高さセンサー40としては、レーザ、超音波等を
利用した非接触測定形式のもの、ダイヤルゲージ、差動
トランス等を利用した接触測定形式のもの等、測定可能
な原理のものならいかなるものを用いてもよい。
【0044】また、塗布ノズルの吐出孔44が凹部と対
応する相対位置を検知する検知手段は、基材の凹部と吐
出孔を各々別個に検知するカメラを用いた画像処理装置
により構成してもよい。
【0045】次にこの塗布装置を使った塗布方法の基本
動作について説明する。
【0046】まず塗布装置における各作動部の原点復帰
が行われるとテーブル6、ノズル20は各々X軸、Y
軸、Z軸の準備位置に移動する。この時、ノズル20内
は所定の塗液量が既に溜められており、塗液制御弁4
8,圧空制御弁54、圧空制御弁82は閉状態としてお
く。そして、テーブル6の表面には図示しないリフトピ
ンが上昇し、図示しないローダから隔壁が一定ピッチの
ストライプ状に形成されている基材4がリフトピン上部
に載置される。
【0047】次にリフトピンを下降させて基材4をテー
ブル6の上面に載置し、図示しないアライメント装置に
よってテーブル6上の位置決めが行われた後に基材2を
吸着する。
【0048】次にテーブル6がカメラ72と、高さセン
サー40の真下に基材4の隔壁(凸部頂上)がくるまで
移動し、停止する。カメラ72はテーブル6上に位置決
めされた基材4上の隔壁端部を写し出すようにあらかじ
め位置調整されており、画像処理によって一番端の凹部
の位置を検出し、カメラ基準点からの位置変化量laを
求める。一方、カメラ72の基準点と、所定のY軸座標
位置Yaにある時のホルダ22に固定されたノズル20
の最端部に位置する吐出孔44間の長さlbは、事前の
調整時に測定し、情報として全体コントローラ60に入
力しているので、画像処理装置74からカメラ基準点か
らの隔壁凹部の位置変化量laが電送されると、ノズル
20の最端部に位置する吐出孔44が隔壁端部の凹部の
真上となるY軸座標値Ycを計算し(例えば、Yc=Y
a+lb−la)、ノズル20をその位置に移動させ
る。なお、カメラ72は、ノズル20やホルダ22に取
り付けても同じ機能を持たせることができる。
【0049】この間に高さセンサー40は基材4の隔壁
頂上部の垂直方向の位置を検知し、テーブル6上面との
位置の差から基材4の隔壁頂上部の高さを算出する。こ
の高さに、あらかじめ与えておいたノズル20吐出孔〜
基材4の隔壁頂上部間の間隙値を加算して、ノズル20
のZ軸リニアセンサー上での下降すべき値を演算し、そ
の位置にノズルを移動する。これによって、テーブル6
上での隔壁頂上部位置が基材ごとに変化しても、塗布に
重要なノズル20吐出孔〜基材上の隔壁頂上部間の間隙
を常に一定に保てるようになる。
【0050】次にテーブル6をノズル20の方へ向けて
動作を開始させ、ノズル20の吐出孔44の真下に基材
4の塗布開始位置が到達する前に所定の塗布速度まで増
速させておく。テーブル6の動作開始位置と塗布開始位
置までの距離は塗布速度まで増速できるよう十分確保で
きていなければならない。
【0051】さらに基材4の塗布開始位置がノズル20
の吐出孔44の真下に至るまでの所に、テーブル6の位
置を検知する位置センサー68を配置しておき、テーブ
ル6がこの位置に達したら、圧空制御弁82を開状態に
駆動させ、減圧弁84によってあらかじめ所定の圧力に
調整された圧空をノズル20へ供給する。ノズル20へ
供給された圧空は空間部76へ導入され、塗液溜まり部
77の液面に圧力を加え、塗液42が吐出孔44より吐
出される。塗液42の供給を開始する位置は位置センサ
ー68の設置場所を変えて調整することができる。この
位置センサー68の代わりに、モータあるいはフィード
スクリューにエンコーダを接続したり、テーブルにリニ
アセンサーを付けたりすると、エンコーダやリニアセン
サーの値で検知しても同様なことが可能となる。
【0052】塗布は、基材4の塗布終了位置がノズル2
0の吐出孔44の真下付近に来るまで行われる。すなわ
ち、基材4はいつもテーブル6上の定められた位置に置
かれているから、基材4の塗布終了位置がノズル20の
吐出孔44の(a)たとえば真下にくる5mm前や、
(b)丁度真下になる位置に相当するテーブル6の位置
に、位置センサーやそのエンコーダ値をあらかじめ設定
しておき、テーブル6が(a)に対応する位置にきた
ら、全体コントローラ60から圧空制御弁82を閉状態
にする駆動指令を出し圧空の供給を停止して、(b)の
位置まで塗工し、次いでテーブル6が(b)に対応する
位置にきたら、ノズル20を上昇させて完全に塗液42
をたちきる。塗液42が比較的高粘度の液体である場合
には、単に圧空の供給を停止しただけでは、残圧による
ノズル20吐出孔からの塗液吐出までも瞬時に停止する
ことは難しい。そのために、圧空の供給を停止すると同
時にノズル20内の空間部76の圧力を大気圧にする
と、短時間で吐出孔44からの塗液の吐出停止が可能と
なるので、圧空制御弁82にこのような機能をもたせる
か、あるいは、圧空制御弁82〜ノズル20の間に大気
開放バルブを設けるのが望ましい。
【0053】さて、塗布終了位置を通過しても、テーブ
ル6は動作を続け、終点位置にきたら停止する。ノズル
20への塗液補充工程はこのテーブル6が停止した状態
で行う。塗布作業によりノズル20内の塗液液面は既に
下がっているので、非接触変位計88により塗液液面高
さを検出しその検出信号を全体コントローラ60へ送信
する。全体コントローラ60は塗液液面の下降量から、
塗液供給指令を供給装置コントローラ58へ送信する。
供給装置コントローラ58は塗液制御弁48と圧空制御
弁54を操作し圧空を塗液タンク56に供給し、塗液タ
ンク56から塗液必要量を供給ホース46、フィルタ4
7を通じて塗液供給ノズル78へ注入する。塗液供給ノ
ズル78内に充満した塗液はその分散孔94から塗液溜
まり部77へ降り注ぎ、長手方向へ均一に塗液供給す
る。この場合、あらかじめ圧力と時間から演算した塗液
量を供給するのではなく、逐次液面を検出しながら全体
コントローラ60がフィードバック制御で供給装置コン
トローラ58を制御し、所定の液面高さに到達した時点
で塗液供給を停止する方法でも良い。更にこの場合塗液
42の粘性により液面が水平となるには時間遅れがある
ことが予想される為、あらかじめ遅れ時間を予測した所
定液面高さより低い位置で供給停止するような予測制御
が望ましい。所定の塗液量を供給した後、塗液制御弁4
8,圧空制御弁54を閉じ、塗液供給を停止する。
【0054】また次に塗布すべき部分がまだ残っている
場合には、次の塗布すべき開始位置までノズルをY軸方
向に塗布幅分(ノズルピッチ×孔数)移動して、以下テ
ーブル6を反対方向に移動させることを除いては同じ手
順で塗布を行う。1回目と同一のテーブル6の移動方向
で塗布を行なうのなら、ノズル20は次の塗布すべき開
始位置までY軸方向に移動し、テーブル6はX軸準備位
置まで復帰させる。
【0055】そして塗布工程が完了したら、基材4をア
ンローダで移載する場所までテーブル6を移動して停止
させ、基材4の吸着を解除するとともに大気開放した後
に、リフトピンを上昇させて基材4をテーブル6の面か
ら引き離し、持ち上げる。
【0056】このとき図示されないアンローダによって
基材4の下面が保持され、次の工程に基材4を搬送す
る。基材4をアンローダに受け渡したら、テーブル6は
リフトピンを下降させ原点位置に復帰する。
【0057】また、前記実施態様では基材はX軸方向に
移動し、ノズルがY軸、Z軸方向に移動する場合での適
用例について記述したが、ノズル20と基材4が相対的
に3次元的に移動できる構造、形式のものであるのな
ら、テーブル、ノズルの移動形式はいかなる組み合わせ
のものでもよい。
【0058】たとえば、前述の実施態様では、塗布はテ
ーブルの移動、凹凸のピッチ方向への移動は、ノズルの
移動によって行う例を示したが、塗布をノズルの移動、
凹凸のピッチ方向への移動をテーブルの移動で行っても
よい。
【0059】また、一種類の塗液を塗布する場合につい
て詳しく言及したが、赤、青、緑等の3色の蛍光体を同
時に塗布する場合にも本発明は適用できる。
【0060】さらに使用できる塗布条件としては、塗布
速度が0.1〜10m/分、より好ましくは、0.5〜
8m/分である。
【0061】また本発明の塗液の塗布装置および塗布方
法は、プラズマディスプレイパネル用部材における蛍光
体塗布工程に好ましく適用することができる。
【0062】(本発明のプラズマディスプレイおよびそ
の部材の製造方法)本発明のプラズマディスプレイパネ
ル用部材の製造方法をPDPの製造手順に従って説明す
る。
【0063】(背面板)本発明のプラズマディスプレイ
パネル用部材である背面板に用いる基板としては、一般
的なソーダライムガラスやソーダライムガラスをアニー
ル処理したガラス、または、高歪み点ガラス(例えば、
旭硝子社製“PD−200”)等を用いることができ
る。ガラス基板のサイズは、1〜5mmの厚みのガラス
を好ましく用いることができる。
【0064】まずガラス基板上に、アドレス電極を形成
する。Au、Ni、Ag、Pd、Pt、Al、Crなど
の導電性の金属粉末および感光性有機成分を主成分とす
るペーストを用いることにより電極形成のための薄膜パ
ターンを形成することができる。
【0065】次いで電極を被覆するように誘電体層を好
ましく形成する。
【0066】次いで誘電体層上、もしくは電極が形成さ
れた基板上に隔壁を形成する。隔壁の高さは、80μm
〜200μmが適している。80μm以上とすることで
蛍光体とスキャン電極が近づきすぎるのを防ぎ、放電に
よる蛍光体の劣化を抑制できる。また、200μm以下
とすることで、スキャン電極での放電と蛍光体の距離が
離れすぎるのを防ぎ、十分な輝度を得ることができる。
隔壁のピッチ(P)は、100μm≦P≦500μmの
ものがよく用いられる。
【0067】隔壁は、無機微粒子と有機バインダーから
なるガラスペーストを隔壁の形状にパターン形成した後
に、400〜600℃に焼成して隔壁を形成する方法が
一般的である。ガラスペーストを用いて隔壁パターン加
工する方法としては、スクリーン印刷法、サンドブラス
ト法、感光性ペースト法、フォト埋め込み法、型転写法
等の方法によって形成可能であるが、各種の隔壁形成方
法の中で、高精細化・工程の簡便性の点で、感光性ペー
スト法が優れている。
【0068】隔壁を形成した後に、RGBの各色に発光
する蛍光体層を本発明の塗布装置および塗布方法の実施
態様に沿って形成する。蛍光体粉末、有機バインダーお
よび有機溶媒を主成分とする蛍光体ペーストを所定の隔
壁間に塗布することにより、蛍光体層を形成することが
できる。ノズル塗布法による蛍光体ペーストの粘度とし
ては1〜100Pa・sのものがよい。
【0069】蛍光体層を形成した基板を必要に応じて、
400〜550℃で焼成し、本発明のプラズマディスプ
レイ用部材として背面板を作製することができる。
【0070】(前面板)次いでプラズマディスプレイ用
の前面板は、基板上に所定のパターンで透明電極、バス
電極、誘電体、保護膜(MgO)を形成して作製するこ
とができる。背面基板上に形成されたRGB各色蛍光体
層に一致する部分にカラーフィルター層を形成しても良
い。また、コントラストを向上するために、ブラックス
トライプを形成しても良い。
【0071】(PDPの組立)かくして得られた背面板
と前面板とを封着し、両部材の基板間隔に形成された空
間内を排気し、ヘリウム、ネオン、キセノンなどから構
成される放電ガスを封入後、駆動回路を装着して本発明
のプラズマディスプレイを作製できる。
【0072】
【実施例】以下に、本発明を実施例を用いて具体的に説
明する。ただし、本発明はこれに限定されない。なお、
実施例中の濃度(%)は特に断らない限り重量%であ
る。
【0073】ガラス基板(旭硝子社製PD200)上
に、感光性銀ペーストを用いて、線幅60μm、ピッチ
220μmの1600本のアドレス電極を形成した。次
に、電極上にガラス粉末50重量%、酸化チタン15
%、エチルセルロース20%、溶媒15%からなるガラ
スペーストを塗布した後に、焼成して誘電体層を形成し
た。更に、誘電体層上に、隔壁間の中央に電極が配置さ
れる様に感光性ペースト法でピッチ220μm、高さ1
50μm、幅60μmの隔壁を961本形成した。以上
のようにアドレス電極、誘電体層、隔壁を形成した基板
を30枚作成した。
【0074】蛍光体粉末39gおよびバインダーポリマ
ー(エチルセルロース)8g、溶媒(テルピネオール)
53gからなる蛍光体ペーストを作製した。蛍光体粉末
は、赤:(Y,Gd,Eu)BO3(累積平均粒子径
2.7μm、比表面積3.1m2/cm3)、緑:(Z
n,Mn)2SiO4(累積平均粒子径3.6μm、比
表面積2.5m2/cm3)、青:(Ba,Eu)Mg
Al10O17(累積平均粒子径3.7μm、比表面積
2.3m2/cm3)を用いた。有機成分の各成分を水
に60℃で加熱しながら溶解し、その後蛍光体粉末を添
加し、混練機で混練することによってペーストを作製し
た。粘度は35Pa・sだった。
【0075】以上のように調整したペーストを隔壁等を
形成したガラス基板30枚上にストライプ状に塗布し
た。
【0076】本発明の塗液の塗布装置として全体図とし
ては図1、塗布ノズル部分としては図2及び3に示すよ
うな塗布装置を用い、隔壁間に蛍光体ペーストの塗布を
行った。まず、赤色蛍光体ペーストを所定の隔壁間に塗
布した。塗布ノズル先端面と隔壁の上端の距離は100
μmにセットした。そして、減圧弁により空気圧力(吐
出圧)を0.4MPaに調節し、塗布ノズルを隔壁と平
行に走行させながら16個の吐出孔から蛍光体ペースト
を吐出して隔壁間に塗布した。この後、1回(16本)
塗布が終了した位置において隔壁方向と垂直方向にノズ
ルを10.56mm移動させた。この時レーザー変位計
にて塗布ノズル内の蛍光体ペースト液面高さを検出した
ところ、約3mm減少しており、全体コントローラーであ
るシーケンサーからの自動制御によりノズルへ減少分計
算した量の蛍光体ペーストを供給した。蛍光体ペースト
の輸送は塗液供給源である塗液タンクへ圧空を注入し、
その圧力で塗液を塗布ノズルへ供給した。蛍光体ペース
ト供給のための制御弁は電磁式ピンチバルブを用いた。
塗布ノズルに供給された蛍光体ペーストはノズル天板に
組み込まれた塗液供給ノズル内へまず注入され充満した
後、塗布ノズル長手方向に等間隔に10ヶ所設けられた
直径2mmの分散孔から吐出した。吐出した蛍光体ペース
トは塗布ノズル内へ溜まり、液面は速やかに水平とな
り、3mm液面を上昇させた。レーザー変位計で液面高さ
の復帰を確認した後、1回目と逆方向に塗布ノズルを走
行させながら隔壁間に2回目の塗布を行った。これを2
0回繰り返して、赤色蛍光体の所定位置に320本を塗
布した。塗布終了後、塗布面を上にして80℃で40分
乾燥した。次に、赤色蛍光体を塗布した隣の隔壁間に青
色蛍光体ペーストを同様に320本塗布して乾燥した。
さらに、青色蛍光体を塗布した隣の隔壁間に緑色蛍光体
ペーストを同様に320本塗布して乾燥した。以上の各
色の蛍光体ペーストの塗布および乾燥を30枚の基板に
ついて行った。そして、500℃で30分焼成し、本発
明のプラズマディスプレイパネル用部材として背面板を
30枚得た。
【0077】蛍光体層の側面厚みと底面厚みを電子顕微
鏡で観察したところ、30枚の背面板のいずれについて
も各色の蛍光体層が、側面、底面ともに20±5μmの
厚みに形成できた。また、蛍光体層中に金属摩耗粉の混
入は見られなかった。
【0078】さらに、得られた背面板を前面板と合わせ
た後、封着、ガス封入して作製し、駆動回路を接続し
て、プラズマディスプレイパネルを30枚作製した。い
ずれのプラズマディスプレイパネルについても、吐出量
のばらつきによる輝度むらがなく、また金属摩耗粉の混
入による部分的なパネル発光不良欠点など品質の低下も
なく、良好な表示特性と安定性を有するプラズマディス
プレイパネルが得られた。
【0079】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の塗液の塗
布装置および塗布方法によれば、ノズル内の塗液量が非
接触で測定できるため、塗液内に異物を混入させること
なくクリーンな状態で所定の塗液量を維持し、塗布に使
用することができる。
【0080】また塗液供給のための制御弁が非摺動開閉
構造であるため、摺動部分で発生する金属粉の混入が無
く、塗液をクリーンな状態で塗布に使用できる。前記非
接触変位計や非摺動開閉構造制御弁により、ノズル詰ま
りを未然に防止し、塗布品質を低下させる異物混入問題
を解消する。
【0081】またノズル内に塗液供給ノズルを有するこ
とにより、塗液をノズル長手方向に分散供給できる。こ
れにより塗液が注入口1ヶ所で溜まることなく、速やか
に液面が水平になり、前記非接触変位計による液面高さ
制御が容易となる。
【0082】また上記装置を用いることにより塗布基材
の高生産性と高品質化が可能な塗布方法が得られる。
【0083】また本発明のプラズマディスプレイパネル
用部材の製造方法およびプラズマディスプレイによれ
ば、前記塗液の塗布装置および塗布方法を使用するの
で、品質の高いプラズマディスプレイパネルを、長期に
渡って安定生産が可能となり、結果的に高い生産性、か
つ、安価に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗液の塗布装置の一実施態様の全体斜
視図である。
【図2】図1の装置のテーブルとノズル周りの構成を示
す模式図である。
【図3】図1の装置におけるノズルを塗布方向から見た
断面模式図である。
【図4】塗液量検知手段がノズル重量測定である本発明
の一実施態様の断面模式図である。
【符号の説明】 2 基台 4 基材 6 テーブル 8 ガイド溝レール 10 フィードスクリュー 11 コネクタ 12 軸受 14 自在継手 16 ACサーボモータ 20 ノズル 22 ホルダ 24 水平バー 26 リニアアクチュエータ 28 昇降ブラケット 29 伸縮ロッド 30 昇降機構 32 Y軸移動ブラケット 34 支柱 36 幅方向移動機構 38 センサ支柱 40 高さセンサー 42 塗液 44 吐出孔 46 塗液供給ホース 47 フィルタ 48 塗液制御弁 50 圧空源 54 圧空制御弁 56 塗液タンク 58 供給装置コントローラ 60 全体コントローラ 62 モータコントローラ 66 センサー 68 位置センサ 70 支柱 72 カメラ 74 画像処理装置 76 空間部 77 塗液溜まり部 78 塗液供給ノズル 80 天板 81 圧空供給ホース 82 圧空制御弁 84 減圧弁 86 圧空源 88 非接触変位計 90 センサブラケット 92 透明プレート 94 分散孔 96 重量検知センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F041 AA05 AB02 BA04 BA11 BA35 5C028 FF16 HH14 5C040 GG09

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塗布ノズルを用いて塗布対象物に塗液を塗
    布するための塗布装置であって、塗布ノズル内の塗液量
    を塗液に対し非接触で検出する検出手段を有することを
    特徴とする塗液の塗布装置。
  2. 【請求項2】非接触検出手段が塗液液面高さを検出する
    センサーであることを特徴とする請求項1記載の塗液の
    塗布装置。
  3. 【請求項3】非接触検出手段が塗液を含めた塗布ノズル
    の重量検出手段であることを特徴とする請求項1記載の
    塗液の塗布装置。
  4. 【請求項4】非接触検出手段を用いて塗布ノズル内の塗
    液量を検出し、その検出結果に応じて塗布ノズルと塗液
    供給源の間に設置した塗液制御弁を開閉制御し、塗液供
    給源から塗布ノズルへ塗液を供給することを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか記載の塗液の塗布装置。
  5. 【請求項5】塗布ノズルを用いて塗布対象物に塗液を塗
    布するための塗布装置であって、塗布ノズルから塗液供
    給源の間に塗液制御弁を有し、塗液制御弁が非摺動開閉
    構造であることを特徴とする塗液の塗布装置。
  6. 【請求項6】塗布ノズルを用いて塗布対象物に塗液を塗
    布するための塗布装置であって、塗布ノズル内部に塗液
    溜まり部と塗液上部の空間部を有し、前記塗液溜まり部
    へ分散して塗液を供給する塗液分散手段を有することを
    特徴とする塗液の塗布装置。
  7. 【請求項7】塗布対象物を固定するテーブルと、塗布対
    象物に対面して設けられた塗布ノズルを有し、前記テー
    ブルと塗布ノズルを3次元的に相対移動させる移動手段
    を備えたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに
    記載の塗液の塗布装置。
  8. 【請求項8】請求項1から7のいずれかに記載の塗布装
    置を用いることを特徴とする塗液の塗布方法
  9. 【請求項9】プラズマディスプレイパネル用部材の製造
    方法であって、ストライプ状に隔壁が形成された基板
    に、吐出孔から赤色、緑色、青色のいずれかの色に発光
    する蛍光体粉末を含むペーストを請求項7に記載の塗布
    装置を用いて塗布する工程を含むことを特徴とするプラ
    ズマディスプレイパネル用部材の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の方法により製造したプ
    ラズマディスプレイパネル用部材を用いたことを特徴と
    するプラズマディスプレイパネル。
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