JP2001128685A - ヒトp53遺伝子の変異の検出方法 - Google Patents
ヒトp53遺伝子の変異の検出方法Info
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Abstract
判定することのできる検出方法を提供する。 【解決手段】 ヒトp53タンパク質に特異的に反応す
る抗体を用いて、被検試料を免疫学的に染色する免疫学
的検出工程;前記免疫学的検出工程により得られた染色
結果に基づいて、染色性細胞と非染色性細胞とを分離す
る細胞分離工程;前記細胞分離工程で分離した染色性細
胞から、ゲノムDNAを抽出するゲノムDNA抽出工
程;ヒトp53遺伝子変異が生じている可能性のある領
域を含むヒトp53遺伝子断片を増幅することのできる
プライマーと、前記ゲノムDNA抽出工程で得られたゲ
ノムDNAとを用いて、DNA断片を増幅するDNA増
幅工程;及び前記DNA増幅工程で得られた反応生成物
を解析する解析工程をこの順序で実施する。
Description
の変異の検出方法及び新規プライマーに関する。
腕(17p13.1)に位置し、約20kbの遺伝子で
あり、11個のエクソンを有する。ヒトp53mRNA
は、2.8kbであり、分子量53kDのタンパク質を
発現する。p53タンパク質は、四量体を形成してDN
Aプロモーター領域に結合し、転写制御因子として多く
の標的遺伝子の発現制御を行なっていることが明らかに
なっている。
異型とが存在することが明らかにされ、p53遺伝子の
野生型は癌抑制遺伝子であり、p53遺伝子の変異型
は、癌遺伝子を有する細胞の増殖を抑制することができ
ないことが明らかになっている。p53遺伝子変異は一
塩基置換のミスセンス変異であり、この変異型p53タ
ンパク質の多くは、その半減期が延長することにより細
胞内(特に核)に蓄積する性質をもつことが知られてい
る[蛋白質核酸酵素(増刊号)42,1567−157
4(1997)]。従って、病理組織標本を用いる組織
検査、又は細胞診(細胞学的検査)において、抗ヒトp
53タンパク質モノクローナル抗体又はポリクローナル
抗体を利用したタンパク質蓄積所見を指標とした免疫組
織化学的解析が、変異検出として行なわれている。
析の研究により、癌細胞で見つかる変異の特徴として、
変異はかなり広い領域にわたって検出されているが、そ
の中にホットスポット(すなわち、変異が多発する領
域)があることが明らかになっている。また、変異の頻
度を左右する因子として、臓器又は地域による差がある
ことが明らかになっている。従って、癌細胞又は癌組織
からゲノムDNA又はmRNAを分離及び精製した後、
p53遺伝子変異のホットスポツトが存在するエクソン
5、エクソン6、エクソン7、又はエクソン8の各領域
を、特定のDNAプライマー(センスプライマー及びア
ンチセンスプライマー)を用いてポリメラーゼ連鎖反応
(PCR)法により遺伝子増幅を行ない、続いて、その
PCR生成物のDNA塩基配列に一塩基置換があるかど
うかを、一本鎖DNA高次構造多型[Single S
trand Conformation Polymo
rphism(SSCP)]法で調べることにより、p
53遺伝子変異の有無を判定することができる。更に必
要であれば、PCR−SSCP法で変異が明らかになっ
たPCR生成物のダイレクトシ−クエンス法によるDN
A塩基配列の解析を行なうことにより、p53遺伝子変
異の箇所及び種類(すなわち、一塩基置換の状態)を決
定することができる。
−SSCP法を用いる前記従来法では、ゲノムDNA又
はmRNAを抽出するのに用いる被検試料(例えば、細
胞又は組織)中に、癌細胞又は癌組織以外の正常細胞又
は正常組織も混入してしまうため、正確な結果が得られ
ないことがあった。また、被検試料として、パラフィン
包埋組織切片標本を用いる場合には、ゲノムDNAの抽
出工程において、通常、プロティナーゼK処理を12〜
24時間実施する必要があるため、p53遺伝子変異の
有無を判定するのに2日間を要していた。従って、本発
明の課題は、従来技術の前記欠点を解消し、迅速且つ正
確に、p53遺伝子変異の有無を判定することのできる
検出方法を提供することにある。
る、ヒトp53タンパク質に特異的に反応する抗体を用
いて、被検試料を免疫学的に染色する免疫学的検出工
程;前記免疫学的検出工程により得られた染色結果に基
づいて、染色性細胞と非染色性細胞とを分離する細胞分
離工程;前記細胞分離工程で分離した染色性細胞から、
ゲノムDNAを抽出するゲノムDNA抽出工程;ヒトp
53遺伝子変異が生じている可能性のある領域を含むヒ
トp53遺伝子断片を増幅することのできるプライマー
と、前記ゲノムDNA抽出工程で得られたゲノムDNA
とを用いて、DNA断片を増幅するDNA増幅工程;及
び前記DNA増幅工程で得られた反応生成物を解析する
解析工程をこの順序で実施することを特徴とする、ヒト
p53遺伝子の変異の検出方法により解決することがで
きる。また、本発明は、配列表の配列番号1〜16で表
される塩基配列のいずれか1つの塩基配列からなるプラ
イマーに関する。
「p53遺伝子」、及び「p53mRNA」には、特に
断わらない限り、野生型と変異型との両方が含まれるも
のとする。例えば、「p53タンパク質」には、野生型
p53タンパク質と変異型p53タンパク質とが含ま
れ、「p53遺伝子」には、野生型p53遺伝子と変異
型p53遺伝子とが含まれる。
のできる被検試料としては、ヒトp53遺伝子をゲノム
中に有する細胞を含む可能性のある被検試料である限
り、特に限定されるものではなく、例えば、生体試料
(例えば、組織又は細胞)、又はそれらの標本を挙げる
ことができる。本明細書において、「標本」とは、生体
試料に適当な処理を施すことにより保存可能にしたもの
を意味する。細胞を確認することができる点で、生体試
料の標本であることが好ましい。以下、被検試料とし
て、生体試料の標本、すなわち、被検標本を用いる態様
に基づいて、本発明の検出方法を主に説明するが、被検
試料として生体試料をそのまま用いる場合にも、同様に
して実施することができる。
本、培養細胞標本、又は細胞診用の細胞標本などを挙げ
ることができる。一般に、標本内のRNAはリボヌクレ
アーゼ(RNase)により分解されやすいので、mR
NAの遺伝子増幅は新鮮な生検材料でないとできない。
本発明は、被検標本の細胞内で比較的安定であるゲノム
DNAを抽出し、ヒトp53遺伝子の変異を検出する。
光学顕微鏡レベルで免疫染色を行なう場合、染色に用い
る組織切片は、その調製法に基づいて、凍結切片とパラ
フィン切片との2つに大別される。抗原性の保存の点で
は前者が優れており、組織構造保存の点では後者の方が
優れているが、本発明の検出方法では、いずれの組織切
片標本でも用いることができる。
製することができる。例えば、パラフィン包埋組織切片
標本は、例えば、患者等から採取した組織を、ホルマリ
ン固定した後、パラフィン包埋し、ミクロトームで連続
薄切切片(約10μm)を作製し、この切片をスライド
ガラスに貼布後、充分に乾燥させることにより作製する
ことができる。前記固定には、一般的に10%ホルマリ
ンが使用されることが多い。また、核酸の安定性のため
には、固定液は中性〜弱アルカリ性であることが必要で
あり、緩衝ホルマリンが使用される。前記ホルマリン固
定後、エタノールで脱水し、クロロホルムで置換した
後、融点56〜58℃のパラフィンで包埋する。ミクロ
トームによる試料薄切にあたり、ミクロトーム又はピン
セットなどはエタノールで清拭する。
した浮遊細胞(血液、胸水、腹水、胆汁、又は乳汁から
単離した細胞)又は微量組織をスライドガラスに固定す
ることにより、作製することができる。
程で用いることのできる抗体は、ヒトp53タンパク質
(野生型及び変異型の両方を含む)に特異的に反応する
抗体、すなわち、野生型ヒトp53タンパク質及び変異
型ヒトp53タンパク質の両方に特異的に反応する抗体
である限り、特に限定されるものではなく、抗ヒトp5
3タンパク質モノクローナル抗体、あるいは、抗ヒトp
53タンパク質ポリクローナル抗体を用いることができ
る。
クローナル抗体(Novocastra又はDako)
を挙げることができる。DO−7モノクローナル抗体の
エピトープは、ヒトp53タンパク質のN末端ドメイン
の20〜25アミノ酸からなる領域であり、ヒトp53
タンパク質の野生型及び変異型の両方に反応することが
明らかになっている。被検標本としてパラフィン包埋組
織切片標本を用いる場合には、前記抗体として、パラフ
ィン包埋処理したp53タンパク質抗原にも反応する抗
体(例えば、DO−7モノクローナル抗体)を使用する
ことが好ましい。
程は、前記の特定抗体を用いること以外は、例えば、従
来公知の免疫染色法に基づいて実施することが可能であ
る。例えば、抗p53タンパク質モノクローナル抗体
(Novocastra)を一次抗体に用い、二次抗体
にウサギPOD(Horseradish Perox
idase)標識抗マウスIgG抗体を含む免疫組織染
色キット(ScyTek社)を用い、DAB(3,3’
−Diaminobenzidine)発色液で染色し
た後、このスライドガラス標本を顕微鏡で観察し、p5
3タンパク質が染まるかどうかを確認する。
本を用いる場合には、脱パラフィン処理を実施した後、
前記免疫学的検出工程を実施することができる。前記脱
パラフィン処理は、例えば、パラフィン包埋組織切片標
本をキシレン槽に浸し(最低でも3回溶媒を交換す
る)、次に、100%エタノール槽に3回、70%エタ
ノール槽に3回浸して洗浄した後、精製水で洗浄するこ
とにより、実施することができる。
は、前記免疫学的検出工程により得られた染色結果(例
えば、染色パターン)に基づいて、染色性細胞と非染色
性細胞とを分離する。すなわち、染色された細胞は癌細
胞であり、染色されなかった細胞は正常細胞であると考
えられるので、本工程では、染色されなかった細胞が混
入しないように、染色された細胞のみを採取する。
工程に用いた被検標本から、染色された細胞のみを分離
するか、あるいは、(2)前記免疫学的検出工程に用い
た被検標本と実質的に同一の別の被検標本から、前記免
疫学的検出工程で染色された細胞に相当する細胞のみを
分離する。なお、本明細書において、或る被検標本と
「実質的に同一の被検標本」とは、或る被検標本を免疫
学的に染色して得られる染色パターンに基づいて、免疫
学的に染色していない別の被検標本から染色性細胞と非
染色性細胞とを分離することができる程度に、標本に含
まれる組織切片及び/又は細胞とが実質的に同一である
被検標本を意味し、例えば、パラフィン包埋組織から連
続的に切り出した或る薄切切片に対し、それに隣接する
薄片切片は実質的に同一の被検標本である。
試料を用いる場合には、免疫学的検出工程に用いた被検
標本から、染色された細胞のみを分離する。一方、被検
標本としてパラフィン包埋組織切片標本を用いる場合に
は、免疫学的検出工程に用いた被検標本から、染色され
た細胞のみを分離することもできるが、パラフィン包埋
組織切片標本を作製する際に、パラフィン包埋組織から
連続薄切切片を切り出し、互いに実質的に同一のパラフ
ィン包埋組織切片標本を複数個作製することが一般的で
あるので、以下に示すように、免疫学的検出工程に用い
た被検標本と実質的に同一の別の被検標本から、前記免
疫学的検出工程で染色された細胞に相当する細胞のみを
分離することもできる。
パラフィン包埋組織切片標本の内、1個のパラフィン包
埋組織切片標本を用いて前記免疫学的検出工程を実施
し、前記パラフィン包埋組織切片標本上で染色された細
胞を確認する。前記免疫学的検出工程に用いたのとは別
のパラフィン包埋組織切片標本を、倒立顕微鏡のステー
ジ台に載せ、マイクロダイセクション装置(例えば、マ
イクロダイセクションシステムLM100;オリンパス
販売)又はメスを用いて、前記染色パターンに基づい
て、染色された細胞に相当する細胞のみを採取する。な
お、前記細胞採取に先だって、前記染色パターンに基づ
き、更に別のパラフィン包埋組織切片標本上で、目的の
病変部位を確認することができる。
工程で得られた細胞から、例えば、従来公知の方法、例
えば、プロティナーゼK/フェノール抽出法、プロティ
ナーゼK/フェノール/クロロホルム抽出法、アルカリ
溶解法、又はボイリング法[以上、関谷剛男及び藤永恵
編「PCR法最前線」共立出版,47−50(199
7)]を用いて、ゲノムDNAを抽出することができ
る。例えば、前記細胞分離工程で得られた細胞を、滅菌
したチューブ(例えば、エッペンドルフチューブ)に入
れ、界面活性剤[例えば、Tween20又はドデシル
硫酸ナトリウム(SDS)]含有のプロティナーゼK反
応液[例えば、20mmol/l−Tris−HCl
(pH8.0)/1mmol/l−EDTA/0.5%
−SDS/Protease K(200μg/m
l)]を、採取細胞数100個当たり5μl加え、42
℃で12〜24時間反応させた後、95℃で10分間加
熱することによりプロティナーゼKを失活させ、続い
て、フェノール/クロロホルム抽出、及びエタノール沈
澱によりDNAを調製する方法[実験医学,Vol.1
5,No.7(増刊),24−28(1997)]を用
いることができる。この場合、高分子キャリアーとし
て、グリコーゲン又はエタ沈メイト(Nippon G
ene)を用いると収率が向上する。また、メタノー
ル、エタノール、又はホルマリン固定サンプルからも同
様に、ゲノムDNAを調製することができる。
胞を、滅菌したチューブ(例えば、エッペンドルフチュ
ーブ)に入れ、滅菌精製水に懸濁(約100mg細胞に
対して滅菌精製水1ml)した後、チューブの蓋に小さ
な穴を開け、ヒートブロックにより95〜100℃の熱
水中で10〜15分間加熱し、遠心分離(例えば、1
5,000rpm×10分間)することにより上清とし
てゲノムDNAを得る方法(以下、煮沸法と称すること
がある)を用いることもできる。
切片標本を用いる場合であって、前記免疫学的検出工程
の前に脱パラフィン処理を実施していない場合には、前
記ゲノムDNA抽出工程の前に、脱パラフィン処理を実
施する。前記脱パラフィン処理は、例えば、前記細胞分
離工程で得られた細胞を、滅菌したチューブ(例えば、
エッペンドルフチューブ)に入れ、キシレンを加える
(最低でも3回溶媒を交換する)ことにより実施するこ
とができる。過剰のパラフィン標本からの抽出物は、そ
の中にDNA以外の産物が残存しやすく、PCR反応を
阻害する。
は、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR法)によ
り実施することができる。本発明の検出方法におけるD
NA増幅工程で用いることのできるプライマーは、ヒト
p53遺伝子変異が生じている可能性のある領域[好ま
しくはホットスポット(すなわち、変異が多発する領
域)存在領域]を含むヒトp53遺伝子断片を増幅する
ことができるプライマーである限り、特に限定されるも
のではなく、ヒトp53遺伝子の塩基配列[Buchm
an V.L.ら,Gene,70,245−252
(1988)]に基づいて適宜決定することができる。
存在領域としては、例えば、エクソン5(ヒトp53遺
伝子の第13055番目〜第13238番目の塩基配
列;塩基数=184bp)、エクソン6(ヒトp53遺
伝子の第13320番目〜第13432番目の塩基配
列;塩基数=113bp)、エクソン7(ヒトp53遺
伝子の第14000番目〜第14109番目の塩基配
列;塩基数=110bp)、及びエクソン8(ヒトp5
3遺伝子の第14452番目〜第14588番目の塩基
配列;塩基数=137bp)の各領域が知られている。
従って、前記プライマーとしては、エクソン5、エクソ
ン6、エクソン7、又はエクソン8のいずれか1つの全
領域若しくはその一部の領域又は前記全領域を含む領域
を増幅することのできるプライマーを用いることができ
る。
法に用いられる塩基数であることができ、好ましくは1
5〜25merのプライマー、より好ましくは15〜2
0merのプライマーを用いることができる。また、前
記プライマーにより増幅される領域の塩基数は、SSC
P法により一塩基置換を判定することのできる塩基数で
ある限り、特に限定されるものではなく、塩基数が10
0〜300bpであることが好ましい。
は、前記の特定のプライマーを用いること以外は、通常
のPCR法の手順に基づいて実施することができる。例
えば、95℃で熱変性させた後、1サイクルが(1)D
NAの変性工程(92℃で1分間)、(2)1本鎖DN
Aとプライマーとのアニーリング工程(60℃で2分
間)、及び(3)耐熱性DNAポリメラーゼによるDN
A合成工程(72℃で3分間)からなる増幅サイクルを
45回繰り返すことにより、所望の領域を増幅すること
ができる。
であるので、例えば、被検標本から抽出したゲノムDN
A量が少なく、本工程に用いるゲノムDNA量が少ない
場合には、ホットスタート法、又はネステッド(Nes
ted)PCR法若しくはヘミネステッド(Hemi−
Nested)PCR法を行なうことにより、非特異的
なPCR反応を抑制することができる。これらの方法
は、単独で実施することもできるし、組み合わせて実施
することもできる。
切片標本から抽出したゲノムDNAのPCRを一段階で
行ない、PCR生成物の電気泳動を行なったところ、熱
変性、アニーリング、及び伸長反応の各時間を通常より
長めに設定し、サイクル数も通常より多めに(例えば、
35〜40回)設定しても、バンドが確認できないか、
あるいは、スメアーになることがあった。この原因は、
標本から抽出できるゲノムDNA量が少ないこと、ある
いは、プライマー量がゲノムDNA量に比べて多いこと
によるものと考えられる。このような場合であっても、
ホットスタート法、又はネステッドPCR法若しくはヘ
ミネステッドPCR法を行なうことにより、非特異的な
PCR反応を抑制することができる。
ける最初の熱変性を実施するまで、反応液中における耐
熱性DNAポリメラーゼの反応を実質的に完全に抑制す
る方法であり、例えば、(1)熱変性温度に達したとこ
ろで、耐熱性DNAポリメラーゼを反応液に添加する方
法、(2)高温で溶解するワックスにより、耐熱性DN
Aポリメラーゼを含む上層と、それ以外の成分を含む下
層とに分離しておく方法、あるいは、(3)高温で変性
する抗耐熱性DNAポリメラーゼ抗体を、反応液に添加
しておく方法を挙げることができる。
域(本工程においては、エクソン5、エクソン6、エク
ソン7、又はエクソン8のいずれか1つの全領域若しく
はその一部の領域又は前記全領域を含む領域)を増幅す
ることのできる一対のプライマーを用いて第1のPCR
を実施した後、第1のPCRに用いた各プライマーが相
補的に結合する配列よりも内側の配列(好ましくは5〜
20bp内側、より好ましくは5〜10bp内側)と相
補的に結合する一対のプライマーと、前記の第1のPC
Rにより得られたPCR生成物の一部とを用いて、第2
のPCRを実施する方法である。
ネステッドPCR法の変法であって、第2のPCR法に
用いる一対のプライマーの一方として、第1のPCRに
用いた一方のプライマーが相補的に結合する配列よりも
内側の配列(好ましくは5〜20bp内側、より好まし
くは5〜10bp内側)と相補的に結合するプライマー
を用い、第2のPCR法に用いる一対のプライマーの残
る一方として、第1のPCRに用いた残る一方のプライ
マーを用いる方法である。
の塩基数は、それぞれ、通常のPCR法に用いられる塩
基数であることができ、好ましくは15〜25merの
プライマー、より好ましくは15〜20merのプライ
マーを用いることができる。DNA増幅工程においてネ
ステッドPCR法を用いる場合であって、ヒトp53遺
伝子のエクソン5を増幅する場合には、第1のPCR用
のプライマーとして、配列表の配列番号1で表される塩
基配列からなるプライマーと配列表の配列番号2で表さ
れる塩基配列からなるプライマーとの組み合わせを用
い、第2のPCR用のプライマーとして、配列表の配列
番号9で表される塩基配列からなるプライマーと配列表
の配列番号10で表される塩基配列からなるプライマー
との組み合わせを用いることが好ましい。ホットスポッ
トのある遺伝子領域を増幅することができ、しかも、P
CR生成物が多いからである。
合であって、ヒトp53遺伝子のエクソン5を増幅する
場合には、第1のPCR用のプライマーとして、配列表
の配列番号1で表される塩基配列からなるプライマーと
配列表の配列番号2で表される塩基配列からなるプライ
マーとの組み合わせを用い、第2のPCR用のプライマ
ーとして、配列表の配列番号1で表される塩基配列から
なるプライマーと配列表の配列番号10で表される塩基
配列からなるプライマーとの組み合わせ、あるいは、配
列表の配列番号9で表される塩基配列からなるプライマ
ーと配列表の配列番号2で表される塩基配列からなるプ
ライマーとの組み合わせを用いることが好ましい。同一
のプライマーを用いて再度PCRを行なうと、目的のP
CR生成物の重合物ができることがあるが、PCR生成
物を増すことができ、しかも、電気泳動後の染色バンド
がスメアになるのを防ぐことができるからである。
ドPCR法を用いる場合であって、ヒトp53遺伝子の
エクソン6を増幅する場合には、第1のPCR用のプラ
イマーとして、配列表の配列番号3で表される塩基配列
からなるプライマーと配列表の配列番号4で表される塩
基配列からなるプライマーとの組み合わせを用い、第2
のPCR用のプライマーとして、配列表の配列番号11
で表される塩基配列からなるプライマーと配列表の配列
番号12で表される塩基配列からなるプライマーとの組
み合わせを用いることが好ましい。ホットスポットのあ
る遺伝子領域を増幅することができ、しかも、PCR生
成物が多いからである。
合であって、ヒトp53遺伝子のエクソン6を増幅する
場合には、第1のPCR用のプライマーとして、配列表
の配列番号3で表される塩基配列からなるプライマーと
配列表の配列番号4で表される塩基配列からなるプライ
マーとの組み合わせを用い、第2のPCR用のプライマ
ーとして、配列表の配列番号3で表される塩基配列から
なるプライマーと配列表の配列番号12で表される塩基
配列からなるプライマーとの組み合わせ、あるいは、配
列表の配列番号11で表される塩基配列からなるプライ
マーと配列表の配列番号4で表される塩基配列からなる
プライマーとの組み合わせを用いることが好ましい。同
一のプライマーを用いて再度PCRを行なうと、目的の
PCR生成物の重合物ができることがあるが、PCR生
成物を増すことができ、しかも、電気泳動後の染色バン
ドがスメアになるのを防ぐことができるからである。
PCR法を用いる場合であって、ヒトp53遺伝子のエ
クソン7を増幅する場合には、第1のPCR用のプライ
マーとして、配列表の配列番号5で表される塩基配列か
らなるプライマーと配列表の配列番号6で表される塩基
配列からなるプライマーとの組み合わせを用い、第2の
PCR用のプライマーとして、配列表の配列番号13で
表される塩基配列からなるプライマーと配列表の配列番
号14で表される塩基配列からなるプライマーとの組み
合わせを用いることが好ましい。ホットスポットのある
遺伝子領域を増幅することができ、しかも、PCR生成
物が多いからである。
合であって、ヒトp53遺伝子のエクソン7を増幅する
場合には、第1のPCR用のプライマーとして、配列表
の配列番号5で表される塩基配列からなるプライマーと
配列表の配列番号6で表される塩基配列からなるプライ
マーとの組み合わせを用い、第2のPCR用のプライマ
ーとして、配列表の配列番号5で表される塩基配列から
なるプライマーと配列表の配列番号14で表される塩基
配列からなるプライマーとの組み合わせ、あるいは、配
列表の配列番号13で表される塩基配列からなるプライ
マーと配列表の配列番号6で表される塩基配列からなる
プライマーとの組み合わせを用いることが好ましい。同
一のプライマーを用いて再度PCRを行なうと、目的の
PCR生成物の重合物ができることがあるが、PCR生
成物を増すことができ、しかも、電気泳動後の染色バン
ドがスメアになるのを防ぐことができるからである。
PCR法を用いる場合であって、ヒトp53遺伝子のエ
クソン8を増幅する場合には、第1のPCR用のプライ
マーとして、配列表の配列番号7で表される塩基配列か
らなるプライマーと配列表の配列番号8で表される塩基
配列からなるプライマーとの組み合わせを用い、第2の
PCR用のプライマーとして、配列表の配列番号15で
表される塩基配列からなるプライマーと配列表の配列番
号16で表される塩基配列からなるプライマーとの組み
合わせを用いることが好ましい。ホットスポットのある
遺伝子領域を増幅することができ、しかも、PCR生成
物が多いからである。
合であって、ヒトp53遺伝子のエクソン8を増幅する
場合には、第1のPCR用のプライマーとして、配列表
の配列番号7で表される塩基配列からなるプライマーと
配列表の配列番号8で表される塩基配列からなるプライ
マーとの組み合わせを用い、第2のPCR用のプライマ
ーとして、配列表の配列番号7で表される塩基配列から
なるプライマーと配列表の配列番号16で表される塩基
配列からなるプライマーとの組み合わせ、あるいは、配
列表の配列番号15で表される塩基配列からなるプライ
マーと配列表の配列番号8で表される塩基配列からなる
プライマーとの組み合わせを用いることが好ましい。同
一のプライマーを用いて再度PCRを行なうと、目的の
PCR生成物の重合物ができることがあるが、PCR生
成物を増すことができ、しかも、電気泳動後の染色バン
ドがスメアになるのを防ぐことができるからである。
記DNA増幅工程で得られた反応生成物におけるヒトp
53遺伝子変異を判定することのできる公知の判定方法
を用いることにより、実施することができる。このよう
な判定方法としては、一本鎖DNA高次構造多型(SS
CP)法又はダイレクトシークエンス法を挙げることが
できる。
以下に示す手順により実施することができる。すなわ
ち、前記DNA増幅工程で得られた反応生成物を、SS
CP変性溶液に加え、95〜100℃のヒーティングブ
ロック又は熱水中で2〜3分間加熱し、氷中で冷却した
後、低温(通常、10〜25℃)下で電気泳動を実施す
ることのできるコールドSSCP装置で、20%ポリア
クリルアミドTBEゲル又は4〜20%グラジェントポ
リアクリルアミドTBEゲルにアプライし、電気泳動を
行なう。電気泳動終了後、ゲルカセットからポリアクリ
ルアミドゲルを取り出し、エチジウムブロマイド溶液又
はサイバーグリーンII溶液[CYBR GreenII
(ジメチルスルホキシド溶液);Molecular
Probe社:使用時に、TBE(89mmol/l−
Tris,89mmol/lホウ酸,2mmol/l−
EDTA,pH8.0)で10,000倍に希釈]を用
いて室温で15分間染色することにより、バンドを検出
する。
上に存在する2個のヒトp53遺伝子のどちらにも変異
(例えば、一塩基置換)が起こっていない場合(すなわ
ち、野生型ヒトp53遺伝子である場合)には、解析工
程により得られるバンドは、野生型プラス鎖に由来する
バンド及び野生型マイナス鎖に由来するバンドの2本で
ある。一方、ヒトp53遺伝子のいずれか一方に変異
(例えば、一塩基置換)が起こっている場合には、野生
型ヒトp53遺伝子と変異型ヒトp53遺伝子とを含む
ので、解析工程により得られるバンドは3本である。こ
の理由は、変異型ヒトp53遺伝子では、通常、プラス
鎖にのみ変異が生じており、マイナス鎖には変異が生じ
ていないので、変異型プラス鎖及び野生型マイナス鎖か
らなるからである。
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。
抗体を用いた組織染色》常法に従って、以下に示す手順
で、被検材料を固定し、パラフィン包埋した。前記被検
材料としては、大腸癌、乳癌、及び胃癌の生検組織を用
いた。前記被検材料を、緩衝ホルマリン[組成:10%
ホルマリン原液,リン酸ナトリウム(pH7.2)]で
固定した後、エタノールで脱水し、続いて、クロロホル
ムで置換した後、融点56〜58℃のパラフィンを用い
て包埋した。
トームを用いて、連続薄切切片(約10μm)を作製
し、この切片をスライドガラスに貼布し、充分に乾燥さ
せた。なお、前記ミクロトームは、試料薄切前に予めエ
タノールで清拭した。次に、得られたスライドグラスの
内、5枚を、キシレン槽に浸し、脱パラフィン操作を行
なった。この際、100%エタノール槽に3分間ずつ、
3回浸した後、70%エタノール槽に3分間浸した後、
精製水で洗浄した。
体を用いた染色後の鏡検によるp53タンパク質の確認
は、免疫組織染色キット(ScyTek社製造,ダイア
ヤトロン販売)を用いて以下に示す手順で行なった。す
なわち、脱パラフィン操作を実施した前記スライドグラ
ス標本に、スーパーブロック液(バイアル#1)4滴を
滴下して、室温で5分間ブロッキングし、リン酸緩衝液
で1回洗浄した後、一次抗体として抗ヒトp53タンパ
ク質特異モノクローナル抗体(Novocastra)
溶液100μlを滴下し、室温で20分間反応させた。
次に、リン酸緩衝液で4回洗浄した後、二次抗体として
ビオチン標識抗マウスIgG抗体溶液4滴を滴下し、室
温で10分間反応させた後、リン酸緩衝液で4回洗浄し
た。更に、ストレプトアビジン・HRP(Horser
adish Peroxidase)を滴下し、室温で
10分反応させた後、リン酸緩衝液で4回洗浄した。続
いて、DAB(3,3’−Diaminobenzid
ine)発色液(DAB基質液にDABクロモーゲン4
滴を加え、混和することにより調製したもの)を4滴滴
下し、染色した。
て、核染色を行ない、リン酸緩衝液で洗浄した。このス
ライドガラス標本を顕微鏡で観察し、ヒトp53タンパ
ク質の染色の有無を確認したところ、核に、ヒトp53
タンパク質の染色が認められた。すなわち、正常細胞の
核は青色に染まるのに対して、p53タンパク質が局在
している癌細胞の核は、茶褐色に染まった。
3タンパク質モノクローナル抗体を用いた免疫組織染色
を行なった切片の癌細胞を確認し、その染色パターンに
基づいて、免疫組織染色を実施しなかった別のスライド
グラス上の連続切片にカバーグラスをかけ目的の病変部
位を顕微鏡観察下、確認した。この切片に存在する癌細
胞の部分をメスで削り取り集めた。これを滅菌したエッ
ペンドルフチューブ(1.5ml)に入れ、滅菌精製水
1mlに懸濁した。チューブの蓋に小さな穴を開け、ヒ
ートブロック中で15分間沸騰し、遠心分離(15,0
00rpm×10分間)することにより上清を得た。こ
の上清をゲノムDNA試料として以下の工程に用いた。
ソン7、及びエクソン8遺伝子の増幅》 (1)プライマーの合成 381型DNA自動合成装置(アプライドバイオシステ
ムズ社)を用いて、ヒトp53遺伝子のエクソン5の全
領域を含む領域を増幅することのできる4種類のプライ
マー、すなわち、第1のPCRに用いる配列:5’−TT
CCTCTTCCTGCAGTACTCC−3’(配列表の配列番号1で表
される塩基配列) からなるセンスプライマーE5se1及び配列:5’−
GCCCCAGCTGCTCACCATCG−3’(配列表の配列番号2で表
される塩基配列) からなるアンチセンスプライマーE5as1、並びに第
2のPCRに用いる配列:5’−TGCAGTACTCCCCTGCCCTC
−3’(配列表の配列番号9で表される塩基配列) からなるセンスプライマーE5se2及び配列:5’−
CTCACCATCGCTATCTGAGC−3’(配列表の配列番号10で
表される塩基配列) からなるアンチセンスプライマーE5as2をそれぞれ
合成した。各プライマーとそれらが認識するヒトp53
遺伝子の塩基配列との関係を表1に示す。
全領域を含む領域を増幅することのできる4種類のプラ
イマー、すなわち、第1のPCRに用いる配列:5’−
CACTGATTGCTCTTAGGTCTG−3’(配列表の配列番号3で
表される塩基配列) からなるセンスプライマーE6se1及び配列:5’−
AGTTGCAAACCAGACCTCAGG−3’(配列表の配列番号4で
表される塩基配列) からなるアンチセンスプライマーE6as1、並びに第
2のPCRに用いる配列:5’−TGCTCTTAGGTCTGGCCCCT
−3’(配列表の配列番号11で表される塩基配列) からなるセンスプライマーE6se2及び配列:5’−
ACCAGACCTCAGGCGGCTCA−3’(配列表の配列番号12で
表される塩基配列) からなるアンチセンスプライマーE6as2をそれぞれ
合成した。各プライマーとそれらが認識するヒトp53
遺伝子の塩基配列との関係を表1に示す。
領域を含む領域を増幅することのできる4種類のプライ
マー、すなわち、第1のPCRに用いる配列:5’−GT
GTTGTCTCCTAGGTTGGC−3’(配列表の配列番号5で表さ
れる塩基配列) からなるセンスプライマーE7se1及び配列:5’−
CAAGTGGCTCCTGACCTGGAG−3’(配列表の配列番号6で
表される塩基配列) からなるアンチセンスプライマーE7as1、並びに第
2のPCRに用いる配列:5’−CTAGGTTGGCTCTGACTGTA
−3’(配列表の配列番号13で表される塩基配列) からなるセンスプライマーE7se2及び配列:5’−
CTGACCTGGAGTCTTCCAGT−3’(配列表の配列番号14で
表される塩基配列) からなるアンチセンスプライマーE7as2をそれぞれ
合成した。各プライマーとそれらが認識するヒトp53
遺伝子の塩基配列との関係を表1に示す。
領域を含む領域を増幅することのできる4種類のプライ
マー、すなわち、第1のPCRに用いる配列:5’−CC
TATCCTGAGTAGTGGTAAT−3’(配列表の配列番号7で表
される塩基配列) からなるセンスプライマーE8se1及び配列:5’−
GTCCTGCTTGCTTACCTCGC−3’(配列表の配列番号8で表
される塩基配列)からなるアンチセンスプライマーE8
as1、並びに第2のPCRに用いる配列:5’−GTAG
TGGTAATCTACTGGGA−3’(配列表の配列番号15で表さ
れる塩基配列) からなるセンスプライマーE8se2及び配列:5’−
CTTACCTCGCTTAGTGCTCC−3’(配列表の配列番号16で
表される塩基配列) からなるアンチセンスプライマーE8as2をそれぞれ
合成した。各プライマーとそれらが認識するヒトp53
遺伝子の塩基配列との関係を表1に示す。なお、表1に
示すヒトp53遺伝子の塩基配列番号は、米国NCBI
(National Center for Biot
echnology Information)のAc
cession No.U94788「Human p
53」の塩基配列番号である。
7、及びエクソン8遺伝子の第1のPCRによる増幅 前記実施例2で得られたDNA30μl及びマスターT
aqキット試薬(エッペンドルフ)を用いて、反応容量
50μlで45サイクル行なった。PCR反応溶液に
は、Taqポリメラーゼ(5U/ml)0.2μl、1
0xバッファー[100mmol/l−Tris−HC
l(pH8.3)/500mmol/l−KCl/15
mmol/l−MgCl2]5μl、10mmol/l
−dNTP1μl、5xエンハンサー10μl、プライ
マー各0.5μl、及び滅菌精製水2.8μlが含まれ
る。
CRによる増幅には、前記実施例3(1)で合成したプ
ライマーE5se1及びプライマーE5as1を用い
た。まず、ゲノムDNAを95℃で10分間熱変性させ
た後、1サイクルが(1)DNAの変性工程(92℃で
1分間)、(2)1本鎖DNAとプライマーとのアニー
リング工程(60℃で2分間)、及び(3)DNAポリ
メラーゼによるDNA合成工程(72℃で3分間)から
なるPCRサイクルを45回繰り返し、更に、72℃で
10分間のDNAポリメラーゼによる伸長反応を行なっ
た。
第1のPCRによる増幅には、前記実施例3(1)で合
成したプライマーE6se1及びプライマーE6as1
を用い、ヒトp53遺伝子のエクソン7の第1のPCR
による増幅には、前記実施例3(1)で合成したプライ
マーE7se1及びプライマーE7as1を用い、ヒト
p53遺伝子のエクソン8の第1のPCRによる増幅に
は、前記実施例3(1)で合成したプライマーE8se
1及びプライマーE8as1を用い、それぞれ第1のP
CRによる増幅を行なった。
7、及びエクソン8遺伝子の第2のPCRによる増幅 前記実施例3(2)で得られたエクソン5のPCR生成
物1μlを鋳型DNAとして用い、前記実施例3(1)
で合成したプライマーE5se2及びプライマーE5a
s2を用いて、以下に示す手順により、反応容量50μ
lで第2のPCRによる増幅を行なった。まず、95℃
で10分間熱変性させた後、1サイクルが(1)DNA
の変性工程(92℃で1分間)、(2)1本鎖DNAと
プライマーとのアニーリング工程(60℃で2分間)、
及び(3)DNAポリメラーゼによるDNA合成工程
(72℃で3分間)からなるPCRサイクルを30回繰
り返し、更に、72℃で10分間のDNAポリメラーゼ
による伸長反応を行なった。
クソン6、エクソン7、及びエクソン8の各PCR生成
物についても、前記実施例3(1)で合成したプライマ
ーE6se2及びプライマーE6as2、プライマーE
7se2及びプライマーE7as2、並びにプライマー
E8se2及びプライマーE8as2をそれぞれ用い、
第2のPCRによる増幅を行なった。
に、前記実施例3(3)で得られた各PCR生成物及び
DNAマーカーIX(ロシュダイアグノスティクス)を
アプライし、電気泳動(200V,50分間)を行なっ
た。このゲルを0.5μg/mlエチジウムブロマイド
溶液を用いて室温で15分間染色し、エクソン5、エク
ソン6、エクソン7、及びエクソン8に相応するバンド
の有無を確認した。結果を図1に示す。図1において、
レーン1はDNAマーカーIXの結果であり、レーン2
〜レーン5は、それぞれ、エクソン5、エクソン6、エ
クソン7、及びエクソン8を増幅した各PCR生成物の
結果である。レーン1に示すバンドは、それぞれ、下か
ら72bp、118bp、194bp、234bp、2
81bp、310bp、603bp、872bp、及び
1353bpである。
SSCP変性溶液(グリセロール10μl/フォルムア
ミド170μl/0.02%キシレンシアノール及び
0.02%ブロムフェノールブルー20μl)10μl
に加え、95℃のヒートブロックで、10分間加熱し、
氷中で冷却した後、バッファー温度が10℃になるよう
に設定したコールドSSCP装置(Novex)で、2
0%ポリアクリルアミドTBEゲル又は4〜20%グラ
ジェントポリアクリルアミドTBEゲル(Novex)
にアプライし、電気泳動を行なった。この際、20%T
BEゲルの場合には、100Vで30分間泳動した後、
更に、300Vで130分間泳動し、一方、4〜20%
TBEゲルの場合には、100Vで30分間泳動した
後、更に、300Vで50分間泳動した。なお、DNA
マーカーとしては、IX(ロシュダイアグノスティク
ス)を用いた。電気泳動終了後、ポリアクリルアミドゲ
ルを0.5μg/mlエチジウムブロマイド溶液を用い
て室温で15分間染色し、コントロール(正常細胞のヒ
トp53遺伝子)と比較し、異なる位置にバンドがある
かどうかを確認した。
ン7、及びエクソン8に関する結果の内、20%ポリア
クリルアミドTBEゲルで電気泳動を実施したエクソン
7に関する結果のみを図2に示す。図2において、レー
ン1はDNAマーカーの結果であり、レーン2は正常細
胞の結果であり、レーン3〜レーン7は、それぞれ、標
本でp53タンパク質を確認した大腸癌、乳癌、大腸
癌、胃癌、及び乳癌の患者の結果である。
の混入を回避し、正確に、p53遺伝子変異の有無を判
定することができる。また、本発明方法におけるゲノム
DNA抽出工程において煮沸法を用いると、正確に、p
53遺伝子変異の有無を判定することができるだけでな
く、迅速且つ簡易に判定することができる。
クソン8を増幅した各PCR生成物の電気泳動の結果を
示す、図面に代わる写真である。
ドSSCP電気泳動の結果を示す、図面に代わる写真で
ある。
Claims (2)
- 【請求項1】 ヒトp53タンパク質に特異的に反応す
る抗体を用いて、被検試料を免疫学的に染色する免疫学
的検出工程;前記免疫学的検出工程により得られた染色
結果に基づいて、染色性細胞と非染色性細胞とを分離す
る細胞分離工程;前記細胞分離工程で分離した染色性細
胞から、ゲノムDNAを抽出するゲノムDNA抽出工
程;ヒトp53遺伝子変異が生じている可能性のある領
域を含むヒトp53遺伝子断片を増幅することのできる
プライマーと、前記ゲノムDNA抽出工程で得られたゲ
ノムDNAとを用いて、DNA断片を増幅するDNA増
幅工程;及び前記DNA増幅工程で得られた反応生成物
を解析する解析工程をこの順序で実施することを特徴と
する、ヒトp53遺伝子の変異の検出方法。 - 【請求項2】 配列表の配列番号1〜16で表される塩
基配列のいずれか1つの塩基配列からなるプライマー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31567899A JP2001128685A (ja) | 1999-11-05 | 1999-11-05 | ヒトp53遺伝子の変異の検出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31567899A JP2001128685A (ja) | 1999-11-05 | 1999-11-05 | ヒトp53遺伝子の変異の検出方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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JP2001128685A5 JP2001128685A5 (ja) | 2006-05-18 |
Family
ID=18068256
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP31567899A Pending JP2001128685A (ja) | 1999-11-05 | 1999-11-05 | ヒトp53遺伝子の変異の検出方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001128685A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004079004A1 (en) * | 2003-03-07 | 2004-09-16 | Istituto Oncologico Romagnolo Cooperativa Sociale A R.L. | Method for the identification of colorectal tumors |
CN111334582A (zh) * | 2020-04-30 | 2020-06-26 | 北京和合医学诊断技术股份有限公司 | 用于同步检测p53基因4个外显子基因突变的方法 |
-
1999
- 1999-11-05 JP JP31567899A patent/JP2001128685A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004079004A1 (en) * | 2003-03-07 | 2004-09-16 | Istituto Oncologico Romagnolo Cooperativa Sociale A R.L. | Method for the identification of colorectal tumors |
US8343722B2 (en) | 2003-03-07 | 2013-01-01 | Istituto Oncologico Romagnolo Cooperativa Sociale a.r.l. | Method for the identification of colorectal tumors |
CN111334582A (zh) * | 2020-04-30 | 2020-06-26 | 北京和合医学诊断技术股份有限公司 | 用于同步检测p53基因4个外显子基因突变的方法 |
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