JP2005519606A - ヒトカリクレイン−2及びカリクレイン−3のバリアント並びにそれらの使用 - Google Patents

ヒトカリクレイン−2及びカリクレイン−3のバリアント並びにそれらの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、生物学、遺伝学及び医学の領域に関する。特に、本発明は、前立腺癌のような癌病理の検出、特徴決定及び/又は処置の新規方法に関する。本発明は、該病理において活性な化合物の同定及びスクリーニングの方法にも関する。さらに、本発明は、前記方法を実施するために使用される化合物、遺伝子、細胞、プラスミド又は組成物に関する。より具体的には、本発明は、前述の病理における、ヒトカリクレイン2及びヒトカリクレイン3のバリアントの役割、並びに治療、診断又は実験の標的としてのそれらの使用を概説する。

Description

本発明は、生物学、遺伝学及び医学の領域に属する。特に、本発明は、PSA抗原(前立腺特異抗原又はKLK3)及びカリクレイン−2(KLK2)に対応する遺伝子のオルタナティブスプライシング事象に関連した新たなヌクレオチド配列に関するものである。本発明は、生物学的試料におけるこれらの核酸又は対応するタンパク質の存在を検出するための、又はそれらの発現のレベルを決定するための方法、及びそれらの活性又は発現を調整することができる分子を選択するための方法にも関する。
本発明は、癌、特に前立腺癌のスクリーニング、診断、分類又はモニタリング、特に前立腺癌と良性肥大症(BPH)の差別、及びこれらの疾患の新たな治療アプローチの開発に特に適している。
カリクレインとは、ウイルス前駆タンパク質の生物学的活性型への翻訳後修飾を可能にする活性を有するタンパク質群に相当する。このファミリーのある種のメンバー、即ちPSA(「前立腺特異抗原」)という名称でも既知のカリクレイン3、そしてより最近ではカリクレイン2が、前立腺癌の検出、診断及びモニタリングのため利用可能な最良のマーカーと見なされている。血中のPSA量を測定するテストの使用は、増加しつつある前立腺癌(Pca)を有する患者の診断を行う可能性を提供する。しかしながら、PSAは非癌性の前立腺上皮細胞によっても産生されており、前立腺癌を有する患者を、良性前立腺肥大症(BPH)の症状を有する患者から識別することは、しばしば困難である。血清において、PSAは、遊離の非複合体化形態、及びとりわけアルファ−アンチキモトリプシンとの複合体化形態で存在する。これらの異なる形態の測定及びそれらの比率は、PCa及びBPHの鑑別診断において有益である。
オルタナティブスプライシングは、限定された遺伝情報から機能的多様性が生成することを可能にする、遺伝子の発現を制御するための機序である。この高度に制御された機序は、ヒト疾患の発達の際、改変され得る。従って、癌におけるスプライシング機構の脱制御は、ある種のヒト腫瘍において特異的に発現されるアイソフォーム又はバリアントの発現をもたらす場合がある。これらのアイソフォームは、疾患状態の発達又は維持において決定的な機能的役割を有するかもしれない。そのようなアイソフォームの特異的発現は、医用生成物及び/又は診断法の開発のための合理的な指向的なアプローチのための優れた事象を構成する。最近、オルタナティブスプライシングによる改変に対して感受性の遺伝子及びこれらの遺伝子内のドメインを系統的に同定するための、遺伝子発現のプロファイリングのための技術(DATAS)が開発された(WO99/46403)。
本発明は、ここで、前立腺組織におけるPSA遺伝子及びKLK2遺伝子のオルタナティブスプライシングに関連した新たな遺伝学的事象を記載する。本発明は、とりわけ、腫瘍性前立腺組織に関連したスプライシング改変のレパートリーの構築、並びにPSA遺伝子及びKLK2遺伝子又は対応するmRNAの構造的改変の同定に基づく。従って、本発明は、癌、特に前立腺癌の新たな治療的及び診断的アプローチを提供する。
より具体的には、前立腺の癌を有する患者の腫瘍又は非腫瘍エリアからの前立腺組織の試料から抽出されたRNAを使用して、定性的差次的分析が実施された。この分析は、無類の利点を示す(出願WO99/46403に記載された)DATAS技術の実行のおかげで、定性的差次的スクリーニングを使用して実施された。腫瘍性及び非腫瘍性の前立腺組織からのRNA分子に対するDATAS技術の適用は、ヒトカリクレイン2及びカリクレイン3(PSA)のmRNAに由来するcDNAの様々な断片の単離をもたらした。次いで、これらの結果は、オルタナティブスプライシングに関連した事象を明らかにする多数のcDNAを同定する可能性を提供した。
従って、本発明は、前立腺組織における、より具体的には癌性組織又は良性前立腺肥大症(BPH)に関連した組織における、KLK3(PSA)及びKLK2のアイソフォーム又はバリアントの特異的発現を起こさせることができる、いくつかの最初の分子的事象を記載する。本発明は、これらのバリアントのうちの1個又は数個の、新規の治療的及び診断的標的としての使用を正当化する、そして癌、特に前立腺癌の診断及び処置において有利に使用され得る、分子的データを提供する。
本発明の第一の面は、ヒトPSA及びKLK2のバリアント、特にスプライシングバリアントに関する。本発明は、これらのバリアントに対応する核酸、又はそれらが示す特異的改変に関し、コードされたタンパク質(又はポリペプチド又はタンパク質ドメイン)にも関する。
本願のもう1つの面は、これらのバリアントもしくは改変の生物学的試料(血液、血漿、尿、血清、唾液、生検材料又は細胞培養物等)における存在を検出するための、又はそれらのそれぞれの量もしくは割合を決定するための方法又は道具に関する。そのような道具は、特に、核酸プローブ又はプライマー、抗体又はその他の特異的リガンド、キット、デバイス、チップ等を含む。検出法は、ハイブリダイゼーション、PCR、クロマトグラフィー及び免疫学的方法等を含み得る。これらの方法は、疾患の進行、もしくは癌、特に前立腺癌のための処置の効力の検出、特徴決定及びモニタリング、又はそのような疾患の素因の決定に、特に適している。
本願のもう1つの面は、記載されたバリアントに対して活性な、即ちそれらの発現又は活性を調整することができる化合物を作製するための道具及び方法に関する。これらの道具及び方法は、特に、核酸、ベクター、組換え細胞(又は、そのような細胞に由来する調製物)、結合アッセイ等を含む。本発明は、そのようにして同定又は作製された化合物、それらを含有している医薬組成物、及びそれらの治療的使用も含むものとする。
従って、本発明は、癌、特に前立腺癌の診断、及びそれらの治療戦略の開発に適用可能である。
KLK2及びKLK3のバリアント
従って、本願の第一の面は、KLK2及びKLK3(PSA)のバリアント、又はこれらの遺伝子(又は対応するRNAもしくはタンパク質)に影響を与える特定の遺伝学的改変に関係する。本発明のさらなる特定の目的は、これらのPSA及びKLK2のバリアントに対応する核酸、又はそれらが示す特異的改変に関し、コードされたタンパク質(又はポリペプチドもしくはタンパク質ドメイン)にも関する。
KLK2遺伝子及びKLK3遺伝子の多数のアイソフォームが、先行技術において記載されている。
K−LMは、KLK2のイントロン1の完全な保持に対応する(Genbank登録番号:AF336106)(Davidら(2002))。デイヴィッド(David)らは、K−LMメッセンジャーRNAの発現が、前立腺上皮に限定されていること、及びK−LMタンパク質が、免疫組織化学によって分泌上皮細胞中に検出され得ることを指摘している(使用された抗体の特異性を示すデータはないにも関わらず)。K−LMがヒト血清中に存在するか否かを示すデータは存在しない。K−LMは、良性前立腺肥大症に対応する2つの精液試料及び組織試料において検出されるようである。内因性型のK−LMは、前立腺細胞系に検出され得ない(アンドロゲン刺激がある場合でも、又はない場合でも)。前立腺癌を有する患者からの組織又は血清におけるK−LMの優先的又は差次的な発現に関する結果は示されていない。
783塩基対ではなく669塩基対のオープンリーディングフレームに対応する、エキソン4とエキソン5との間のオルタナティブ部位を使用するKLK2バリアントが記載されている(Genbank登録番号:S39329)(Riegmanら(1991))。
より長い3’UTR領域を有する3つのバリアントが記載されている(Liuら(1999))(Genbank登録番号:AF188745−79)。これらのバリアントのうちの1つは、野生型KLK2と等しいオープンリーディングフレームを有し;第二のバリアントは以前に記載されたバリアント(Riegmanら(1991))のそれに対応するオープンリーディングフレームを有するであろう。これらのバリアントのうちの1つは、エキソン3とエキソン4との間に13ヌクレオチド欠失を有し、従って、カルボキシ末端部分が97アミノ酸短縮されたタンパク質をコードする。著者らは、RT−PCRを使用したいくつかの発現データを提示しているが、対応する1個以上のタンパク質に関する結果は示していない。
PSA−LMは、PSAイントロン1の完全な保持に対応する(Davidら(2002))(Genbank登録番号:AF335477、AF335478、AJ459784)。Davidらは、PSA−LMメッセンジャーRNAの発現が、前立腺上皮に限定されていること、及びPSA−LMタンパク質が、免疫組織化学によって分泌上皮細胞中に検出され得ることを指摘している。良性前立腺肥大症に対応するヒト血清、精液又は組織におけるPSA−LMの存在を示すデータは存在しない。内因性型のPSA−LMは、前立腺細胞系に検出され得ない(アンドロゲン刺激がある場合でも、又はない場合でも)。前立腺癌を有する患者からの組織又は血清におけるPSA−LMの優先的又は差次的な発現に関係している結果は存在しない。
エキソン3に129ヌクレオチド欠失を有するPSAバリアントが記載されている(Tanakaら(2000))。それは、PSA−RP3(Heuzae−Vourc’hら(2003))としても既知である。タナカ(Tanaka)らは、悪性及び良性の前立腺組織における、RT−PCRを使用して、このバリアントに関する定性的発現データを示している。対応するタンパク質の発現は特徴決定されていない。
イントロン3の完全な保持(PA424)及びイントロン4の最後の442ヌクレオチドの部分的保持(PA525)に対応する2つのPSAバリアントが記載されている(Genbank登録番号:M21896、M21897)(Riegmanら(1988))。PA424は、156アミノ酸長の成熟タンパク質を生じ得る。最後の16アミノ酸は、野生型PSAと異なるであろう。PA525は、214アミノ酸の成熟タンパク質を与えるであろう。最後の28アミノ酸は、野生型PSAと異なるであろう。Riegmanらは、メッセンジャーRNA又はタンパク質の差次的発現に関する付加的なデータを提示していない。
下記のPA424及びPA525は、引き続いて単離されたPSA−RP1及びPSA−RP2(Genbank登録番号:AJ310937、AJ310938)(Heuzaeら(1999);Heuzae−Vourc’hら(2001))と極めて類似している。PSA−RP1及びPSA−RP2のcDNAでトランスフェクトされたCOS細胞系は、対応するタンパク質を発現し分泌し得るが、Heuzaeらは、前立腺組織における内因性のPSA−RP1及びPSA−RP2タンパク質の発現を証明する結果を示していない。
別のグループ(Mengら(2002))は、ノーザンブロット及びin situハイブリダイゼーションを使用して、PSA−RP1メッセンジャーRNA発現を特徴決定した。正常な顕微解剖組織と腫瘍性の顕微解剖組織との間に、発現の違いは観察され得なかった。正常な前立腺組織及び腫瘍性の前立腺組織の切片における特異的PSA−RP1抗体を使用し、免疫組織化学により上皮細胞の細胞質にPSA−RP1タンパク質の発現を検出することが可能であった。
イントロン4の5’部分の保持に対応するPSAバリアント、PSA−RP5が、Genbankに寄託されている(登録番号:AJ512346)。
エキソン3に欠失を有するPSAバリアント、PSA−RP4が、Genbankに寄託されている(登録番号:AJ459782)。
本願は、ここで、PSA遺伝子及びKLK2遺伝子の異なる型の存在、並びにそれらの病理学的状況との相関を記載する。これらのアイソフォームは、腫瘍試料から同定された。cDNA及びこれらのcDNAによりコードされるタンパク質/ポリペプチドの説明が、以下に示される。完全配列は、添付の配列表に提供される。本発明の特異的バリアントの主要な特徴は、実施例に記載される。
本発明の第一の目的は、本願に記載されたPSA及びKLK2のバリアントの配列、又はその特定の一部を含む核酸に関する。
本発明の別の目的は、本願において記載されたPSA及びKLK2のバリアントにおける遺伝学的改変を特徴とする核酸に関する。そのような核酸は、特に、突然変異型領域、保持されたイントロンドメイン、又は欠失により新たに作出されたジャンクションに相補的であり得る。
本発明の別の目的は、KLK2−EHT002〜KLK2−EHT011及びPSA−EHT001〜PSA−EHT027又はこれらのバリアントの任意の組み合わせからのメッセンジャーRNA(又はcDNA)に由来する配列の全部又は一部を含む核酸、並びに癌、特に前立腺癌、特にその良性型BHPの診断、検出又はモニタリングのための方法を実行するためのそれらの使用に関する。
本発明の別の目的は、
a)配列番号:1〜49の配列;
b)遺伝暗号の縮重に起因する配列番号:1〜49の配列のバリアント;
c)配列番号:1〜49の配列の相補鎖;及び
d)配列a)〜c)の特定の断片:の中から選択された配列を含む任意の核酸にある。
「特定の」断片又は一部という用語は、関係しているバリアントの特徴的な断片、典型的には関係しているバリアントに特徴的な遺伝学的改変を少なくとも含有している断片をさす。従って、そのような特定の断片は、本出願人らによって証明された患者における改変事象に起因する特定の構造的特質(例えば、突然変異、新たなジャンクション、イントロンの保持、配列の欠失、終止コドン、リーディングフレームシフトに起因する新たな配列等)の存在によって野生型配列と異なっている。この特定の構造的特質は、「標的配列」という表現によっても表される。本発明に係る特定の断片は、前記定義のような標的断片を少なくとも含む。好ましい断片は、関係している配列の少なくとも5個の連続ヌクレオチド、好ましくは少なくとも8個、より好ましくは少なくとも12個を含む。断片は、最大50、75もしくは100ヌクレオチド又はそれ以上を含み得る。
本発明において使用されるように、核酸は、好ましくはcDNA及びgDNAより選択されるDNA、又はRNAであり得る。それらは、合成又は半合成の核酸、PCR断片、オリゴヌクレオチド、二本鎖又は一本鎖の領域等であり得る。核酸は、合成、組換え経路、クローニング、(1つ以上の)遺伝子組立て、突然変異誘発等によって、又はこれらの技術の組み合わせを使用することによって作製され得る。
核酸は、in vitro、ex vivo、in vivo又は無細胞転写系のいずれかにおいて、本発明のPSA又はKLK2のバリアントを作製するために使用され得る。それらは、細胞における対応するmRNAの発現又は翻訳を減少させることができるアンチセンス又は干渉性(RNAi)分子の作製においても使用され得る。それらは、ハイブリダイゼーション反応によって、本発明において記載されたPSA又はKLK2の突然変異型の試料における存在の特異的な同定を可能にするプローブ、特に標識されたプローブを作製するためにも使用され得る。さらに、それらは、特に疾患のスクリーニング又は診断を目標として、試料中のPSA又はKLK2のバリアント(又はそのようなバリアントの標的配列)を増幅するのに有用な核酸プライマーを作製するために使用され得る。
これに関して、本発明の別の目的は、典型的には選択的ハイブリダイゼーションによって、テスト核酸集団からの前記定義のような核酸の検出を可能にする核酸プローブに関する。一般に、プローブは、前記定義のような核酸の配列、又はそのような核酸の配列の(特定の)一部を含む。特定の一部は、好ましくは、本明細書に既に記載されたようなバリアントに特徴的なものであり、特に、前立腺癌に関連した改変を含有している一部である。それは、典型的には、10〜1000ヌクレオチド、好ましくは50〜800を含み、通常一本鎖である。プローブの具体例は、本明細書において既に定義されたような核酸の少なくとも1つの領域に特異的であり相補的であるオリゴヌクレオチドにより表される。オリゴヌクレオチドは、典型的には一本鎖であり、一般に10〜100塩基を含む。本発明に包含されるオリゴヌクレオチドの具体例は、表1に提供される。本発明のオリゴヌクレオチド及び/又は核酸プローブは、例えば放射性マーカー、酵素マーカー、蛍光マーカー又は発光マーカー等によって標識され得る。
本発明の別の目的は、本明細書において既に定義されたような核酸又はそのような核酸の(特定の)一部の(選択的)増幅を可能にする核酸プローブに関する。増幅される部分は、好ましくは、本明細書に既に記載されたバリアントのいずれかに特徴的な改変、特に前立腺癌に関連した改変を含有している。本発明に係るプライマーは、典型的には一本鎖であり、有利には3〜50塩基、好ましくは3〜40塩基、より好ましくは3〜35塩基から構成される。特定のプライマーは、PSA遺伝子もしくはKLK2遺伝子又はそれらの対応するRNAの少なくとも1つの領域に相補的である。
好ましい実施態様は、配列番号:1〜49の配列又はそれらの相補鎖のうちの1つの少なくとも一部に相補的な、3〜50ヌクレオチドを含む一本鎖核酸から構成されたプライマーにある。そのような核酸プライマーの例は、実験セクションに見出され得る。
本発明は、センス配列及び逆方向配列を含むプライマー対(該対のプライマーは、前記定義のような核酸のある領域にハイブリダイズし、該核酸の少なくとも一部の増幅を可能にする)にも関する。
本発明に係る特定のプライマー対は、表2に提供される。
本願の別の目的は、前記定義のような核酸を含むベクターに関する。それは、プラスミド、コスミド、エピソーム、人工染色体、ウイルス、ファージ等であり得る。pUC、pcDNA、pBR等のような、様々な市販のプラスミドが挙げられ得る。ウイルスベクターとしては、レトロウイルス、アデノウイルス、AAV、ヘルペスウイルス等が挙げられ得る。
本明細書において既に定義されたような核酸又はベクターを含有している組換え細胞を提供することが、本発明の別の目的である。細胞は、原核細胞又は真核細胞であり得る。原核細胞としては、E.coliのような細菌を特に挙げ得る。真核細胞としては、酵母細胞、又は哺乳動物、昆虫もしくは植物の細胞を挙げ得る。それらは、初代培養物又は細胞系であり得る。COS、CHO、3T3、HeLa等の細胞が挙げ得る。
本発明の別の目的は、マトリックス(支持体)上に固定化された、前記定義のような核酸を含む組成物に関する。本発明は、特に、本明細書において既に定義されたような核酸を少なくとも1つ含む、可溶型の、又はマトリックス上に固定化された、複数個の混合された核酸を含む組成物に関する。
本発明の別の目的は、本明細書において既に定義されたような核酸1個又は数個が固定化されているマトリックス(を含む生成物)に関する。マトリックスは、例えばナイロン、ガラス、プラスチック、金属、繊維、セラミック材料、シリカ、ポリマー等、又はその他の任意の適合性の材料のような、固体で、平坦又はそうでない、均一又はそうでないものであり得る。核酸は、好ましくは、分子がハイブリダイゼーション反応に到達可能になるような条件の下で、一方の末端で固定化される。核酸は、マトリックス上に正確に配置することができ、数回にわたり沈着させることができる。
特定のバリアントにおいて、1個又は数個の特定のオリゴヌクレオチドを、各オルタナティブスプライシング事象を特徴決定するために使用することができる(図9参照)。とりわけ、長型の定量を可能にする、排除されたエキソンに特異的なオリゴヌクレオチド;及び/又は長型及び短型のRNAを定量するために使用し得るスプライシングに関与していない隣接エキソンのうちの1つに特異的なオリゴヌクレオチド;及び/又は使用し得るジャンクションに特異的な1個又は数個(例えば、3個)のオリゴヌクレオチド(そのうちの1個は、スプライシングの後に生成する新たな配列に特異的であり、スプライシングを受けた型の定量を可能にする)を使用することが可能である。当然、その他のオリゴヌクレオチドの組み合わせ、特に1個又は2個のオリゴヌクレオチドのみの使用が企図され得る。より具体的にジャンクションオリゴヌクレオチドに関しては、それらは、理想的にはジャンクションの中央に存在するべきであるが、ジャンクションに対してシフトしたオリゴヌクレオチドも使用し得る。有利には、ハイブリダイズする能力に干渉し得る二次構造を有していないオリゴヌクレオチドが使用されよう。一般に、作成されたオリゴの全てが均一な熱力学的プロファイル、即ちTm(65℃)及び長さ(24又は25マー)を有する場合、それはチップにとって好ましい。さらに、合成中、オリゴヌクレオチドは、柔軟性を促進し、マトリックスをコーティングするために使用されるポリマーとの共有結合の形成を可能にするNH−C6基の5’末への付加により修飾され得る。
本発明の別の目的は、本明細書において既に定義されたような組換え細胞1個又は数個が固定化又は培養されているマトリックス(を含む生成物)に関する。マトリックスは、例えばナイロン、ガラス、プラスチック、金属、繊維、セラミック材料、シリカ、ポリマー等、又はその他の任意の適合性の材料のような、固体の、平坦又はそうでない、均一又はそうでないものであり得る。細胞は、例えばマイクロタイタープレートのウェルに分配されるか、又はゲル内もしくは適当なマトリックス上に固定化される。
本発明は、アイソフォームKLK2−EHT002〜KLK2−EHT011及びPSA−EHT001〜PSA−EHT027又はKLK2−EHTb〜KLK2−EHTl及びPSA−EHTa〜PSA−EHTu、特に配列番号:50〜167の配列に記載されたものの全部又は一部によりコードされたペプチド及びタンパク質配列、並びに癌、特に前立腺癌、特にその良性型BHPの診断、検出又はモニタリングのための方法を実行するためのそれらの使用にも属する。
本願の具体的な目的は、配列番号:50〜167の中から選択された配列の全部又は特定の一部を含むポリペプチドに関する。特定のポリペプチドは、遺伝子又は対応するメッセンジャーの改変によって作製された配列又はその配列の一部から構成されるか又はそれらを含む。本発明において使用されるように、「一部」という用語は、少なくとも5個、好ましくは少なくとも8個、より好ましくは少なくとも10個、さらに好ましくは少なくとも15個の連続残基をさす。本明細書において既に説明されたように、PSA遺伝子又はKLK2遺伝子のスプライシング改変は、新たに作出された配列(標的配列)を含有している突然変異型タンパク質の生成をもたらす。それらは、新たな配列(例えば、フレームシフト翻訳、挿入)又は新たなジャンクション等であり得る。本発明の特定のペプチドは、配列番号:53、56、59、62、65、67(残基146〜150)、70、71、73、76、79、81、93、95、98、106、108、110、112、117、119(残基66〜70又は74〜79)、121(残基117〜121)、123(残基25〜29、51〜55又は105〜111)、126、131、133、134、135(残基64〜68)及び155の配列の全部又は特定の一部に相当するか又はそれらを含む。
本明細書において既に定義されたようなポリペプチド1個又は数個が固定化されているマトリックス(を含む生成物)を提供することが、本発明の別の目的である。マトリックスは、例えばナイロン、ガラス、プラスチック、金属、繊維、セラミック材料、シリカ、ポリマー等、又はその他の任意の適合性材料のような、固体で、平坦又はそうでない、均一又はそうでないものであり得る。ポリペプチドは、好ましくは、分子が、抗体のような特異的リガンドとの相互作用を含む反応に到達可能(accessible)になるような条件の下で、一方の末端で固定化されている。ポリペプチドは、マトリックス上に正確に配置され得、数回にわたり沈着させられ得る。
物質(核酸、ポリペプチド、抗体等のような)をマトリックス上に固定化するための技術は、文献、特に出願又は特許、欧州特許第619 321号、WO91/08307、米国特許第4,925,785号及び英国特許第2,197,720号に記載されている。
特異的リガンド
本発明は、KLK2−EHT011及びPSA−EHT001〜027又はKLK2−EHTb〜KLK2−EHTl及びPSA−EHTa〜PSA−EHTu(保持されたイントロンドメイン又は特異的に作製されたジャンクションによりコードされている)によりコードされたタンパク質に特徴的なペプチド領域に特異的な、特異的リガンド、好ましくはペプチドリガンド、特に抗体(ポリクローナル又はモノクローナル)及びそれらの断片、並びに癌、特に前立腺癌の検出、診断又はモニタリングのためのそれらの使用に関する。特に、それは、BPH型の診断、その前立腺癌からの鑑別に適している。
これと関連して、本発明の別の目的は、本明細書において既に定義されたようなポリペプチドと、好ましくは選択的に、結合することができる抗体に関する。抗体は、ポリクローナル又はモノクローナルであり得る。それは、実質的に同一の抗原特異性を有する抗体の断片及び誘導体、特に抗体断片(例えば、Fab、F(ab’)2、CDR)、ヒト化抗体、多機能性抗体、単鎖(ScFv)抗体等の形態であってもよい。抗体は、動物を免疫感作すること、及びその血清(ポリクローナル)又は脾細胞(適切な細胞系との融合によりハイブリドーマを作製するため)を収集することを含む、従来の方法を使用して、作製され得る。
様々な種を使用したポリクローナル抗体の作製のための方法が、既に記述されている。典型的には、抗原は、アジュバント(例えば、フロイントアジュバント)と組み合わせられ、典型的には皮下注射により、動物へ投与される。反復投与が実施され得る。血液試料が収集され、免疫グロブリン又は血清が分離される。モノクローナル抗体を作製するための従来の方法は、動物を抗原で免疫感作すること、続いて、脾細胞を回収し、次いでそれを骨髄腫細胞のような不死化細胞と融合させることを含む。得られたハイブリドーマは、モノクローナル抗体を産生し、それが、個々のクローンを単離するため限界希釈によって選択され得る。Fab断片又はF(ab’)2断片は、従来の技術に従い、プロテアーゼを使用した消化によって作製され得る。
本発明は、本明細書において既に定義されたようなポリペプチド又はその免疫原性断片を非ヒト動物へ注射すること、抗体又は抗体産生細胞を回収すること、を含む、抗体を作製する方法にも関する。好ましい抗体は、本願において記載されたPSA及びKLK2のアイソフォームに特異的であって、野生型に対しては本質的に非特異的である抗体である。
本発明は、前記のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ、及び該抗体を作製するためのそれらの使用に関する。
抗体は、毒素、標識、医用生成物又はその他の任意の治療剤のような異種断片と、共有結合的又は非共有結合的に、直接又はカップリング剤によって、カップリングさせられ得る。標識は、放射標識、酵素、蛍光剤、磁性粒子等の中から選択され得る。
本発明の抗体は、対象から採取された試料、典型的には哺乳動物、例えばヒトから採取された生物学的液体における、PSA及びKLK2のアイソフォームの存在又は量を検出又は定量するためのスクリーニング剤として使用され得る。
本明細書において既に定義されたような抗体(又は断片もしくは誘導体)1個又は数個が固定化されているマトリックス(を含む生成物)を提供することが、本発明の別の目的である。マトリックスは、例えばナイロン、ガラス、プラスチック、金属、繊維、セラミック材料、シリカ、ポリマー等、又はその他の任意の適合性材料のような、固体の、平坦又はそうでない、均質又はそうでないものであり得る。抗体は、好ましくは、分子が、特異的抗体との相互作用を含む反応に到達可能になるような条件の下で、一方の末端で固定化される。抗体は、マトリックス上に正確に配置され得、数回にわたり沈着させられ得る。
検出/診断の方法
本願は、本明細書において既に定義されたような核酸、遺伝学的改変体又はタンパク質又はポリペプチドの、対象からの試料における存在を決定することを含む、対象における疾患又は疾患の素因を検出するための新たな手法を記載する。
決定は、配列決定、選択的ハイブリダイゼーション及び/又は増幅のような様々な技術を使用して実施され得る。タンパク質の存在を決定するために使用され得る方法は、例えばELISA、RIA、EIA等のような免疫酵素反応に基づく。改変された遺伝子又はRNAの存在を決定するために使用され得る技術は、例えばPCR、RT−PCR、リガーゼ連鎖反応(LCR)、PCE技術、TMA(「転写介在増幅(Transcriptional Mediated Amplification)」)、ゲル移動、電気泳動、特にDGGE(「変性濃度勾配ゲル電気泳動(denaturing gel gradient electrophoresis)」)等である。
増幅工程が実施される場合、それは、好ましくは、本明細書において既に定義されたようなプライマー又はプライマー対を使用して達成される。
本発明の具体的な目的は、癌、特に前立腺癌、特にその良性型BHPを検出するための、KLK2−EHT002〜011及びPSA−EHT001〜027又はKLK2−EHTb〜KLK2−EHTl及びPSA−EHTa〜PSA−EHTuの遺伝子又はメッセンジャーの断片(例えば、保持されたイントロンドメイン、特異的に作製されたジャンクション、特定の突然変異等)に相補的であり特異的である核酸の使用に関する。癌検出は、特に、DNAチップを使用して、又は血液(とりわけ、血清又は精製された循環血中上皮細胞)、尿もしくは精液等のような生物学的液体に対してPCRを実施することにより、達成され得る。
本発明は、本明細書において既に記載されたような抗体又はそれらの断片1個又は数個を含有している免疫学的テストの開発及び使用にもある。これらのアッセイは、特異的抗体を使用して個々にバリアントを検出及び/もしくは測定するため、又は適当な特異的抗体を使用してパラレルに数個のバリアントを検出及び/もしくは測定するため、又は本明細書において既に記載されたようなアイソフォーム間の、もしくは該アイソフォームとカリクレイン2及びPSAのその他の記載された型との間の1個もしくは数個の比率を検出及び/もしくは測定するため、使用され得る。
特定の方法は、対象から採取された試料を、本明細書において既に定義されたような核酸プローブと接触させること、及びハイブリダイゼーションを証明すること、を含む。
別の特定の方法は、対象から採取された試料を、本明細書において既に定義されたようなプライマー又はプライマー対と接触させること、及び増幅産物を証明すること、を含む。
別の特定の方法は、対象から採取された試料を、本明細書において既に定義されたような抗体と接触させること、及び抗原−抗体複合体を証明すること、を含む。
典型的には、数個の試料を使用して、かつ/又は数個のプローブ、プライマー及び/もしくは抗体を使用して、数個のテストがパラレルに実施され得る。従って、特定の実施態様において、本発明の手法は、患者から採取された試料において、本明細書において既に記載されたようにして、パラレルに数個のバリアント又は遺伝学的改変体の存在を決定することを含む。本発明の手法は、例えば、多様な生物学的試料、特に生物学的液体(例えば、血液、血漿、尿、血清、唾液等)、組織生検材料又は細胞培養物を使用して、より一般には核酸又はタンパク質(又はポリペプチド)を含有している可能性が高い任意の試料を使用して、実施され得る。生物学的試料は、手法を容易にするため、又はそれが含有しているポリペプチドもしくは核酸をより到達可能にするため、予め処理されてもよい。試料は、精製、遠心分離、固定等されてもよいし、又は使用前に凍結もしくは保存されてもよい。
特定の実施態様において、本発明は、対象からの試料を、in vitro又はex vivoで、本明細書において既に定義されたようなプローブ、プライマー又は特異的リガンドと接触させること、及びそれぞれ改変型の存在の指標となるハイブリッド、増幅産物又は複合体の形成を決定することを含む、対象におけるKLK2又はKLK3の改変型の存在を検出するための方法に関する。
i)本明細書において既に定義されたようなプライマー対又はプローブ又は抗体、及び
ii)増幅又はハイブリダイゼーション又は免疫学的反応に必要な試薬、
を含む、本明細書において既に定義されたような方法を実施するために使用され得るキットを提供することが、本発明の別の目的である。
本発明は、これらのバリアント又はそれらの断片のうちの1個又は数個を、血液(特に、血清)、尿又は精液のような試験すべき生物学的液体へ添加することにより、これらのバリアントのうちの1個又は数個の特異的パートナーを検出及び/又は測定することを可能にする方法の開発にもある。
活性化合物のスクリーニング
本発明の特定のKLK2及びKLK3のバリアントは、疾患を有する対象から同定され単離されたものであり、従って、癌、特に前立腺癌の処置のための特に興味深い治療標的となる。
これに関して、本明細書において既に定義されたようなポリペプチドの発現又は活性を調整するテスト化合物の能力を決定する工程を含む、活性化合物を選択、同定、特徴決定、最適化又は作製するための方法を提供することが、本発明の特定の目的である。
化合物は、より具体的には、本明細書において既に定義されたようなポリペプチドの合成(即ち、特に、対応するRNA分子の産生もしくは成熟、又はそれらの翻訳)又はそのようなポリペプチドの活性(即ち、特に、それらの成熟もしくは輸送、又は細胞内もしくは細胞外の標的との相互作用)を調整する能力に基づき選択される。
特定の変形実施態様において、本方法は、in vitro又はex vivoで、本明細書において既に定義されたようなポリペプチド又はそのようなポリペプチドをコードする核酸(例えば、遺伝子、cDNA、RNA)とテスト化合物を接触させること、及び該ポリペプチド又は核酸と結合する化合物を選択すること、を含む。ポリペプチド、遺伝子又は対応するRNAとの結合は、標識リガンドの置換、ゲル移動、電気泳動等のような様々な技術により測定され得る。それは、in vitroで、例えばマトリックス上に固定化されたポリペプチド又は核酸を使用して実施され得る。
別の特定の変形実施態様において、本方法は、in vitro又はex vivoで、本明細書において既に定義されたようなポリペプチドを発現している細胞とテスト化合物を接触させること、及び該ポリペプチドの発現又は活性を調整する化合物を選択又は同定すること、を含む。発現の調整は、RNAもしくはタンパク質をアッセイすることにより、又は指示系により決定され得る。
使用される細胞は、任意の適合性細胞、特に本明細書において既に定義されたような原核細胞又は真核細胞であり得る。典型的には、該分子を発現するよう修飾された細胞、特に組換え細胞が使用される。そのような組換え細胞は、ポリペプチドを発現する組換え核酸又はそれを含有しているベクターの導入により調製され得る。そのような組換え細胞は、本発明の具体的な目的を構成する。
本法は、PSA又はKLK2の特異抗原の発現又は活性の活性化剤又は阻害剤を選択又は同定するために実施され得る。選択法は、例えば多数の候補化合物がパラレルにテストされ得るマルチウェルプレートのような様々な形式を使用して実施され得る。
特定の実施態様において、化合物は、記載されたバリアントの発現を阻害することができるアンチセンス核酸である。アンチセンス核酸は、記載されたバリアントの特定の配列の全部又は一部を含み得る。アンチセンス配列は、とりわけ、同定されたスプライス型(例えば、標的配列)に相補的な領域を含み、それのタンパク質への翻訳を阻害し得る(又は低下させ得る)。
もう1つの実施態様によると、化合物は、本明細書において既に記載されたバリアントのうちの1個又は数個の発現又は活性を調整することができる、天然又は合成起源の化学化合物、特に、植物、細菌、ウイルス、動物、真核生物、合成又は半合成の起源の有機又は無機の分子である。
特異的な化合物、即ち野生型の発現又は活性に顕著な影響を与えることなく、バリアントの発現又は活性を調整し得るものが、好ましい。
このようにして同定された化合物は、前立腺癌を処置するための組成物を調製するために使用され得る。
本発明の別の目的は、癌、特に前立腺癌の処置を目的とした組成物を調製するための、本明細書において既に記載された1個又は数個のバリアントの発現を調整し得る、即ち刺激するか、阻害するか又は低下させることができる化合物の使用にある。
本発明に関して、「処置」という用語は、予防的、治癒的又は緩和的な処置、並びに患者の管理(苦痛の減少、平均余命の改善、疾患進行の遅延化)等をさす。処置は、さらに、他の活性薬剤と合わせて実施されてもよい。
本発明の別の目的は、1個又は数個のテスト化合物を、本発明において記載されたタンパク質を発現している細胞抽出物又は精製された形態の該タンパク質と接触させることを含む、癌性状態を処置するための組成物を調製するために使用され得る活性化合物を選択、同定又は特徴決定するための方法に関する。
本発明は、(i)前記の方法に従い活性化合物を選択すること、及び(ii)該化合物又はその機能的アナログを、薬学的に許容される担体の存在下で準備すること、を含む、癌、特に前立腺癌を処置するための医薬を生産するための方法にも関する。機能的アナログは、典型的には、特に、活性もしくは薬物動態を改良すること、又は毒性を低下させることを目標として、化学的修飾により、同定された活性化合物から誘導された化合物である。機能的アナログは、同定された化合物の「プロドラッグ」であり得る。機能的アナログを調製するための技術、例えば分子モデリング、NO基のカップリング等は、当業者に周知である。本方法は、これに関して、選択された化合物又はその機能的アナログを合成する中間工程を含む。
薬学的に許容される担体又は賦形剤は、緩衝溶液、溶媒、結合剤、安定剤、乳化剤等の中から選択され得る。緩衝溶液又は希釈剤は、特に、第二リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、乳糖、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、デンプン、粉糖及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)(徐放のため)である。結合剤は、例えば、デンプン、ゼラチン、及びショ糖、グルコース、デキストロース、乳糖等のような増量溶液である。天然又は合成のゴム、特に、アルギネート、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等も使用され得る。その他の賦形剤は、例えば、セルロース及びステアリン酸マグネシウムである。例えば多糖(アラビアゴム、寒天、アルギン酸、グアーゴム及びトラガカント、キチン又はその誘導体及びセルロースエーテル)のような安定剤が、製剤中に取り込まれ得る。溶媒又は溶液は、例えば、リンゲル液、水、蒸留水、リン酸緩衝液、リン酸生理食塩水溶液及びその他の従来の液体である。
本発明の別の目的は、癌性細胞、特に前立腺癌性細胞の表面に局在している、本明細書において既に記載されたような1個又は数個のバリアントに特異的な細胞毒性リガンドの使用に属する。
本発明のその他の面及び利点は、例示的かつ非制限的なものと見なされるべきである以下の実施例を参照することにより明らかとなろう。これらの実施例は、同定されたアイソフォームが、組織及び血清においてRNAレベル及びタンパク質レベルの両方で生物学的系において発現され得ることを明白に示している。
図及び表の説明
表1:特異的オリゴヌクレオチドの配列(配列番号:168〜220)。カラム1:オリゴヌクレオチドの名称。カラム2:オリゴヌクレオチドの配列。カラム3:特許請求の範囲に記載されたヌクレオチドの配列番号。
表2:PSA及びKLK2のアイソフォームを増幅するために使用されたプライマー対。
表3:ヒト組織(Clontech)の、配列番号:168〜220のオリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドマイクロアレイとのハイブリダイゼーションにより得られた蛍光シグナルの値。カラム1:オリゴヌクレオチドの名称。カラム2:配列番号。カラム3〜4:前立腺/心臓に対応する値。カラム5〜6:前立腺/腎臓に対応する値。カラム7〜8:前立腺/前立腺に対応する値。カラム9〜10:前立腺/小腸に対応する値。記号#N/Aは、値がバックグラウンドノイズの2倍より低かったことを示す。
表4:細胞系の、配列番号:168〜220のオリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドマイクロアレイとのハイブリダイゼーションにより得られた蛍光シグナルの値。カラム1:オリゴヌクレオチドの名称。カラム2:配列番号。カラム3〜4:Mda2b/BT549に対応する値。カラム5〜6:Mda2/MCF7に対応する値。カラム7〜8:Mda2b/Mda231に対応する値。カラム9〜10:Mda2b/T47Dに対応する値。記号#N/Aは、値がバックグラウンドノイズの2倍より低かったことを示す。
表5:前立腺癌を有する患者からの良性組織及び腫瘍性組織の、配列番号:168〜220のオリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドマイクロアレイとのハイブリダイゼーションにより得られた蛍光シグナルの値。カラム1:オリゴヌクレオチドの名称。カラム2:配列番号。カラム3〜4:患者15068からの腫瘍性組織/良性組織に対応する値。カラム5〜6:患者9648からの腫瘍性組織/良性組織に対応する値。カラム7〜8:患者8827からの腫瘍性組織/良性組織に対応する値。カラム9〜10:患者10063からの腫瘍性組織/良性組織に対応する値。記号#N/Aは、値がバックグラウンドノイズの2倍より低かったことを示す。
図面の簡単な説明
図1:特異的オリゴヌクレオチドの位置。長方形が付されたオリゴヌクレオチドが、スプライシング事象:イントロンの保持、エキソンの欠失、3’及び5’のクリプティック部位の使用の場合と特異的にハイブリダイズするよう設計された。
図2:特異的オリゴヌクレオチドの位置。5つのオリゴヌクレオチド(線が付されたもの)が、3つのエキソンを含有している長型及び2つのエキソンを含有している短型の発現を分析するために設計され得る。
図3:長合成型及び短合成型の標識。対応するcDNAを発現している直鎖化されたプラスミドを使用して、合成RNAが生成される。長型からのRNAはシアニン3で標識され、短型からのRNAはシアニン5で標識される。
図4:オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションの特異性の証明。等量で混合された短型から長型を識別するため、5つのオリゴヌクレオチドを使用した。2つの例が示される:遺伝子A及び遺伝子B。
図5:長型と短型の比率の定量的測定。長型(wt)の割合を、0、20、40、60、80及び100%に設定した(3つの例を示す、遺伝子A、B及びC)。
図6:PSA及びKLK2のオリゴヌクレオチドマイクロアレイの特異性。PSA特異的オリゴヌクレオチドが、シアニン3で標識されたPSAアイソフォームにより明らかとなった。KLK2特異的オリゴヌクレオチドが、シアニン5で標識されたKLK2アイソフォームにより示された。
図7:線状RNA増幅の概略。
図8:単一の患者からの腫瘍性組織及び正常組織からのプローブを使用したPSA/KLK2スライドのハイブリダイゼーションの例。
図9:対応する識別オリゴヌクレオチドにより、同一患者からの腫瘍性組織及び正常組織を分析することによる、PSA及びKLK2のある種のアイソフォームの差次的発現の測定。カラム1:アイソフォームの性質、カラム2:対応する識別オリゴヌクレオチド、カラム3〜6:log2(腫瘍性発現/正常発現の比率)。
図10:対応する識別オリゴヌクレオチドにより、前立腺癌細胞系(Mda−2b及びLNCap)及び乳癌細胞系(T47D)を分析することによる、PSA及びKLK2のある種のアイソフォームのディファレンシャル発現の測定。カラム1:アイソフォームの性質、カラム2:対応する識別オリゴヌクレオチド、カラム3、4:log2(前立腺癌細胞系発現/乳癌細胞系発現の比率)。前立腺癌細胞系において相対的に過剰発現していたアイソフォームが橙色で示される。乳癌細胞系において相対的に過剰発現していたアイソフォームが青色で示される。
図11:対応する識別オリゴヌクレオチドにより、様々なヒト組織を分析することによる、PSA及びKLK2のある種のアイソフォームの差次的発現の測定。カラム1:アイソフォームの性質、カラム2:対応する識別オリゴヌクレオチド、カラム3、4、5及び6:log2(前立腺組織発現/心臓、腎臓、小腸及び前立腺それぞれにおける発現の比率)。前立腺組織において相対的に過剰発現していたアイソフォームが橙色で示される。他の組織において相対的に過剰発現していたアイソフォームが青色で示される。
図12:正常組織を用いてある種のアイソフォームに関して得られた蛍光シグナルを示すグラフ。
図13:3つのPSAアイソフォームA)PSA−EHT003 B)PSA−EHT023及びC)PSA−EHT012の特異的オリゴヌクレオチドプライマーを使用したPCR増幅。
図14:作製された3つのポリクローナル抗体のアノテーション。この図は、抗体SE3962、SE3963及びSE4101に関する情報、選択されたエピトープ、合成されたペプチド、KLHコンジュゲーション及びこれらの抗体により認識される可能性が高いアイソフォームを示す。
図15:ELISAを使用した3つの抗体の力価。A)SE3962、B)SE3963及びC)SE4101の力価の決定。PPI:免疫前血清。PP:最初の採集からの血清。GP:第二の採集からの血清。
図16:抗体EHT−SE3962並びにA)低濃度の全PSAを含有している血清、B)中程度の濃度の全PSAを含有している血清及びC)高濃度の全PSAを含有している血清を使用したウェスタンブロットの結果。KLK2−EHT004及びKLK2−EHT006の予想分子量に対応する2本のバンドが観察される。シグナルが、増加する濃度の特異的合成エピトープ(1〜50μg)により置換されるが、これが高用量(250μg)の非特異的ペプチドでは観察されないという事実により、この抗体の特異性が証明される。
図17:前立腺組織における抗体EHT−SE3963を使用したウェスタンブロットの結果。PSA−EHT012の予想分子量に対応するバンドが観察される。より高分子量の他の2本のバンドも明らかとなっている。
実施例
A−PSA及びKLK2のバリアントの単離
腫瘍性前立腺組織及び正常前立腺組織から抽出されたポリアデニル化(ポリA+)RNAを使用して、定性的鑑別分析を実施した。ポリA+RNAは、当業者に既知の技術を使用して調製した。特に、それは、チオシアン酸グアニジニウムのようなカオトロピック剤による処理、それに続く溶媒(例えば、フェノール又はクロロホルム)による全RNAの抽出を含み得た。そのような方法は、当業者に周知であり(Maniatisら、Chomczynsliら、Anal.Biochem.162(1987)156)、商業的に入手可能なキットを使用して容易に実施され得る。ポリA+RNAは、当業者に既知の、商業的キットの形態で利用可能な従来の方法に従い、この全RNAより調製した。このポリA+RNAを、逆転写酵素を使用した逆転写反応のための鋳型として使用した。有利には、使用される逆転写酵素は、RNaseH活性を有していないべきである。これらを用いて、従来の逆転写酵素を用いた場合よりも長い相補DNA鎖が得られた。そのようなRNaseH活性を有しない逆転写酵素調製物は、商業的に入手可能である。
DATAS技術に従い、mRNA(C)とcDNA(T)との間のハイブリダイゼーションが、動力学の各時点について実施され、mRNA(T)とcDNA(C)との間の逆のハイブリダイゼーション(reciprocal hybridization)も同様である。
これらのmRNA/cDNA異種二重鎖を、次いで、DATAS技術プロトコルに従い精製した。RNaseHは非対形成RNA配列を分解するため、相補DNAと対形成していないRNA配列を、この酵素の作用によってこれらの異種二重鎖から除去した。これらの非対形成配列は、他の点では相同なRNA分子間に存在する定性的な違いを表す。これらの定性的な違いは、RNA分子の配列内の任意の位置、5’、3’又は配列内のいずれか、特にコーディング配列内に局在し得た。その位置によっては、これらの配列は、スプライシングによる修飾であるのみならず、転移又は欠失の結果でもあり得た。定性的な違いを表すRNA配列を、次いで、当業者に既知の技術、特にDATAS技術特許に記載されたものに従い、クローニングした。これらの配列を、定性的差次的ライブラリーを構成するcDNAライブラリーへと類別した。これらのライブラリーのうちの一方は、健常な情況に特異的なエキソン及びイントロンを含有しており;他方のライブラリーは、病理学的状態に特徴的なスプライシング事象を含有していた。ヒトKLK2遺伝子及びKLK3遺伝子に由来する断片は、これらのライブラリーから得られた。4個の腫瘍性組織を混合して、腫瘍「プール」を形成させた。このRNAプールをAmbion社の「DNAフリー(free)」キット(カタログ番号1906)を使用してDNaseにより処理した。次いで、このRNA分子をApplied Biosystemsの“High capacity cDNA Archive”キット(カタログ番号4322171)に供給された逆転写酵素を使用して逆転写する。それにより作製されたcDNAを、以下のプロトコルに従い、ヒトカリクレイン2及びカリクレイン3に由来するメッセンジャーRNA分子の特異的に異なる領域を増幅するための、PCR反応のための鋳型として使用した。
Figure 2005519606
PRCプライマーとして使用されたオリゴヌクレオチドは以下の通りである。
Figure 2005519606

Figure 2005519606
次いで、増幅された産物を、供給されたプロトコルに従い、Invitrogen社の“Topo”システム(カタログ番号K4600)にクローニングした。ライゲーション産物を“Top10”コンピテント細胞に形質転換した。コロニーを、アンピシリンが補足された寒天/LB培地で同定した。これらのコロニーに存在するcDNA分子を、以下のプロトコルに従い、プライマーSp6及びT7を使用したPCR増幅により個々に増幅した。
Figure 2005519606
次いで、増幅産物を、この供給元により提供されたプロトコルに従い、Applied Biosystems社の“Big Dye Terminator”キットを使用して、配列決定のため、P100を用いて精製した。配列決定反応を、Applied Biosystemsのシーケンサー3100を使用して分析した。表2は、様々なcDNA、及び試料中のそれらを入手し増幅するために使用されたオリゴヌクレオチドプライマー対を示す。
B−バリアントの同定及び説明
KLK2バリアント
ヌクレオチドの番号付けは、特に断りない限り、GenBank登録番号M18157に関するものである。参照タンパク質は、シグナルペプチドを備えたKLK2である。
配列KLK2−EHT002〜KLK2−EHT011(配列番号:1〜7)は、オープンリーディングフレーム並びに翻訳のための開始コドン及び終止コドンを有する配列に相当した。配列KLK2−EHTb〜KLK2−EHTl(配列番号:8〜15)は、翻訳のための開始コドン又は終止コドンを含む又は含まない1個、2個又は3個のリーディングフレームを有し得る発現「EST」配列に相当した。
KLK2−EHT102(配列番号:1):
このアイソフォームは、i)イントロン2の5’部分(nt1935〜2020)の部分的保持、並びにii)エキソン3の3’部分(nt3728)及びエキソン4の5’部分(nt3937)の2個のクリプティック(cryptic)スプライス部位の使用を示した。これらの2つの事象は、コンセンサス(consensus)スプライス部位に対応した。KLK2−EHT002アイソフォームは、エキソン2の後に終止コドンを有し、従って69番目の残基の後で短縮されたタンパク質(KLK2−EHT002prota/配列番号:50)をコードした。54アミノ酸が切断され、配列KLK2−EHT002protb/配列番号:51が形成され得た。配列番号:1におけるGenbank(M18157)1821位及び3581位に相当するヌクレオチドはC及びAであることが分かるが、Genbank参照配列は、これらの位置にそれぞれT及びGを示した。これらの違いは、これらの位置における多形の存在、又は参照された配列におけるエラーによって説明され得るが、ポリメラーゼによって誘導された突然変異の可能性もあった。いずれの変化も、翻訳されたタンパク質の配列には影響を与えなかった。
KLK2−EHT003(配列番号:2):
このアイソフォームは、i)エキソン2の完全な欠失、及びii)イントロン4の5’部分(nt4061〜4097)の保持を示した。両事象は、コンセンサススプライス部位に対応する。KLK2−EHT003アイソフォームは、15番目のトレオニン残基を超えて34個の付加的なアミノ酸を有するタンパク質(KLK2−EHT003prota/配列番号:52)をコードした。これらの34アミノ酸が切断され、配列KLK2−EHT003protb/配列番号:53が形成され得た。配列番号:2におけるGenbank(M18157)3774位及び5486位に相当するヌクレオチドはC及びTと見てとれるが、Genbank参照配列は、これらの位置にそれぞれT及びGを示した。これらの違いは、これらの位置における多形の存在、又は参照された配列におけるエラーによって説明され得るが、ポリメラーゼによって誘導された突然変異の可能性もあった。いずれの変化も、翻訳されたタンパク質の配列には影響を与えなかった。
KLK2−EHT004(配列番号:3):
このアイソフォームは、エキソン3の完全な欠失を有した。KLK2−EHT004アイソフォームは、15番目のトレオニン残基を超えて70個の付加的なアミノ酸を有するタンパク質(KLK2−EHT004prota/配列番号:54)をコードした。これらの70アミノ酸が切断され、配列KLK2−EHT003protb/配列番号:55が形成され得た。最後の16アミノ酸KLK2−EHT004protc/配列番号:56は新しく、このアイソフォームの特異エピトープのうちの1個以上を含有し得る。配列番号:3におけるGenbank(M18157)4097位に相当するヌクレオチドはAと見てとれるが、Genbank参照配列は、この位置にGを示した。この違いは、この位置における多形の存在、又は参照された配列におけるエラーによって説明され得るが、ポリメラーゼによって誘導された突然変異の可能性もあった。この変化は、翻訳されたタンパク質の配列には影響を与えなかった。
KLK2−EHT006(配列番号:4):
このアイソフォームは、エキソン3の3’部分(nt3728)及びエキソン4の5’部分(nt3937)の2個のクリプティックスプライス部位を使用した。この事象は、コンセンサススプライス部位に対応した。KLK2−EHT006アイソフォームは、149アミノ酸長のタンパク質(KLK2−EHT006prota/配列番号:57)をコードした。134アミノ酸が切断され、配列KLK2−EHT002protb/配列番号:58が形成され得た。最後の16アミノ酸KLK2−EHT004protc/配列番号:59は新しく、このアイソフォームの特異エピトープのうちの1個以上を含有し得た。配列番号:4におけるGenbank(M18157)3689位に相当するヌクレオチドはTと見てとれるが、Genbank参照配列は、この位置にCを示した。この違いは、この位置における多形の存在、又は参照された配列におけるエラーによって説明され得るが、ポリメラーゼによって誘導された突然変異の可能性もあった。この変化は、翻訳されたタンパク質の配列には影響を与えなかった。
KLK2−EHT007(配列番号:5):
KLK2−EHT007は、イントロン4の5’部分の保持を示した。KLK2−EHT007アイソフォームは、224アミノ酸長のタンパク質(KLK2−EHT007prota/配列番号:60)をコードした。209アミノ酸が切断され、配列KLK2−EHT007protb/配列番号:61が形成され得た。最後の14アミノ酸KLK2−EHT004protc/配列番号:62は新しく、このアイソフォームの1個以上の特異エピトープを提示しているかもしれない。
KLK2−EHT009(配列番号:6):
KLK2−EHT009は、i)エキソン3内の配列(nt3671〜3793)の欠失、及びii)エキソン4の5’部分(nt3937)のクリプティックスプライス部位(コンセンサススプライス部位)の使用を示した。KLK2−EHT009アイソフォームは、123アミノ酸のタンパク質(KLK2−EHT009prota/配列番号:63)をコードした。108アミノ酸が切断され、配列KLK2−EHT009protb/配列番号:64が形成され得た。最後の5アミノ酸KLK2−EHT004protc/配列番号:65は新しく、このアイソフォームの特異的エピトープのうちの1個以上の一部を形成し得た。
KLK2−EHT011(配列番号:7):
このアイソフォームは、エキソン4の5’部分(nt4041)のクリプティックスプライス部位を使用した。この事象は、コンセンサススプライス部位に対応した。KLK2−EHT011アイソフォームは、165アミノ酸のタンパク質(KLK2−EHT011prota/配列番号:66)をコードした。150アミノ酸が切断され、配列KLK2−EHT011protb/配列番号:67が形成され得た。最後のアミノ酸位置において、フェニルアラニン残基がトリプトファン残基に交換されており、このアイソフォームの特異エピトープの一部を形成し得た。
KLK2−EHTb(配列番号:8):
このアイソフォームは、イントロン1の5’部分の保持、それに続く701位〜1058位(両端を含む)の欠失を示した。KLK2−EHTbアイソフォームは、15番目のトレオニン残基を超えて104個の付加的なアミノ酸を有するタンパク質(KLK2−EHTb1、配列番号:68)をコードした。これらの104アミノ酸が切断され、配列KLK2−EHTb2、配列番号:69が形成され得た。最後の59アミノ酸(KLK2−EHTb3、配列番号:70)は、既に記載されたアイソフォームK−LM(Davidら(2002))と比較して新しい配列を表した。配列番号:8の97位、214位及び249位のヌクレオチドはそれぞれG、C及びTと見てとれるが、Genbank参照配列はそれぞれC、T及びCを示した。これらの違いは、これらの位置における多形の存在、又は参照された配列におけるエラーによって説明され得るが、ポリメラーゼによって誘導された突然変異の可能性もあった。突然変異97及び214は、翻訳されたタンパク質の配列には影響を与えなかった。突然変異249は、セリン残基をフェニルアラニン残基へと変換した。Genbank参照におけるヌクレオチド1192〜1199、GAAGAACAが、配列番号:8においてはヌクレオチド303〜306、AAACに交換されていることも見てとれる。従って、KLK2−EHTb1の最後の15アミノ酸は、KLK2−EHTb4、配列番号:71を構成する17アミノ酸を含むオープン配列に取って代わっていた。
KLK2−EHTc(配列番号:9):
このアイソフォームは、イントロン1内の1157位のクリプティック部位を使用した。KLK2−EHTcアイソフォームは、15番目のトレオニン残基を超えて6個の付加的なアミノ酸を有するタンパク質(KLK2−EHTc1、配列番号:72)をコードした。これらの6アミノ酸が切断され、配列KLK2−EHTc2、配列番号:73が形成され得た。Genbank参照配列におけるヌクレオチド1192〜1199、GAAGAACAが、配列番号:9においてはヌクレオチド71〜74、AAACに交換されていることが見てとれた。この変化は、終止コドンの後で起こった。
KLK2−EHTd(配列番号:10):
このアイソフォームは、イントロン1の5’部分の保持、それに続く657位〜1209位(両端を含む)の欠失を示した。KLK2−EHTdアイソフォームは、少なくとも41個の付加的なアミノ酸を含むタンパク質(KLK2−EHTd1、配列番号:74)をコードした。これらの41アミノ酸が切断され、配列KLK2−EHTd2、配列番号:75が形成され得た。最後の11個の付加的なアミノ酸(KLK2−EHTd3、配列番号:76)は、既に記載されたアイソフォームK−LM(Davidら(2002))と比較して新しい配列を表した。イントロン1の継続された翻訳により予測される配列は、切断の後、83アミノ酸のタンパク質:KLK2−EHTd4、配列番号:77を生成させた。
KLK2−EHTe(配列番号:11):
KLK2−EHTeは、3’末が短縮されたエキソン2及びエキソン3を含む、140ヌクレオチドの未知の配列を示した。KLK2−EHTeアイソフォームは、52番目の位置を占めるグリシン残基を超えて19個の付加的なアミノ酸を有するタンパク質(KLK2−EHTe1、配列番号:78)をコードした。これらの19アミノ酸は、配列KLK2−EHTe2、配列番号:79を表した。
KLK2−EHTf(配列番号:12):
このアイソフォームは、2個のクリプティックスプライス部位(第一の部位はエキソン2の3’部分(1876位)、第二の部位はエキソン4(3349位)にある)を使用した。KLK2−EHTfアイソフォームは、49位のヒスチジン残基と70位のアスパラギンとの間の57個の付加的なアミノ酸を有するタンパク質(KLK2−EHTf1、配列番号:80)をコードした。これらの57アミノ酸は、KLK2−EHTf2、配列番号:81を表した。配列番号:12の269位のヌクレオチドはCと見てとれるが、Genbank参照配列はこの位置にTを示した。この違いは、この位置における多形の存在、又は参照された配列におけるエラーによって説明され得るが、ポリメラーゼによって誘導された突然変異の可能性もあった。突然変異269は、フェニルアラニン残基をロイシン残基へと置換した。
KLK2−EHTj(配列番号:13):
このアイソフォームは、イントロン2内の2473位〜3001位の欠失を有した。KLK2−EHTjは、KLK2−EHTj1(配列番号:82)又はKLK2−EHTj2(配列番号:83)に相当する2つのリーディングフレームのうちの1つを有するタンパク質をコードした。
KLK2−EHTk(配列番号:14):
このアイソフォームは、2個のクリプティックスプライス部位(第一の部位はイントロン4の5049位、第二の部位はエキソン5の5469位にある)を使用した。KLK2−EHTkは、KLK2−EHTk1(配列番号:84)又はKLK2−EHTk2(配列番号:85)に相当する2つのリーディングフレームのうちの1つを有するタンパク質をコードした。
KLK2−EHTl(配列番号:15):
このアイソフォームは、2991位を占めるイントロン2内のクリプティック部位を使用する。KLK2−EHTkは、KLK2−EHTl1(配列番号:86)又はKLK2−EHTl2(配列番号:88)に相当する2つのリーディングフレームのうちの1つを有するタンパク質をコードした。
PSA(又はKLK3)バリアント
ヌクレオチドの番号付けは、特に断りない限り、GenBank登録番号M27274に関するものである。参照タンパク質は、シグナルペプチドを備えたPSAである。
配列PSA−EHT001〜PSA−EHT027(配列番号:16〜34)は、オープンリーディングフレーム並びに翻訳のための開始コドン及び終止コドンを有する配列に相当した。配列PSA−EHTa〜PSA−EHTu(配列番号:35〜49)は、翻訳のための開始コドン又は終止コドンを含む又は含まない1個、2個又は3個のリーディングフレームを有し得る発現「EST」配列に相当した。
PSA−EHT001(配列番号:16
このアイソフォームは、イントロン1の欠失断片(nt721〜811、次いで971〜1272)の保持を示した。PSA−EHT001アイソフォームは、51アミノ酸のタンパク質(PSA−EHT001prota/配列番号:89)をコードした。36アミノ酸が切断され、配列PSA−EHT001protb/配列番号:90が形成され得る。配列番号:16におけるGenbank(M27274)738位に相当するヌクレオチドはGと見てとれるが、Genbank参照配列はTを示した。この違いは、この位置における多形の存在、又は参照された配列におけるエラーによって説明され得るが、ポリメラーゼによって誘導された突然変異の可能性もあった。この変化は、トリプトファン残基をグリシン残基に置換した。
PSA−EHT003(配列番号:17):
このアイソフォームは、イントロン1の欠失断片(nt721〜874、次いで920〜1272)の保持を示した。PSA−EHT003アイソフォームは、89アミノ酸のタンパク質(PSA−EHT003prota/配列番号:91)をコードした。74アミノ酸が切断され、配列PSA−EHT003protb/配列番号:92が形成され得た。最後の20アミノ酸(PSA−EHT003protc/配列番号:93)は、イントロン1の完全な保持を有する既に記載されたアイソフォームと比較して新しい情報を表した。
PSA−EHT004(配列番号:18):
このアイソフォームは、イントロン1内の1142位の3’クリプティックスプライス部位(コンセンサス部位)を使用した。PSA−EHT004アイソフォームは、47アミノ酸のタンパク質(PSA−EHT004prota/配列番号:94)をコードする。32アミノ酸が切断され、配列PSA−EHT004protb/配列番号:95が形成され得た。
PSA−EHT005(配列番号:19):
このアイソフォームは、イントロン1の欠失断片(nt721〜792、次いで1149〜1272)の保持を示した。PSA−EHT005アイソフォームは、68アミノ酸のタンパク質(PSA−EHT005prota/配列番号:96)をコードした。53アミノ酸が切断され、配列PSA−EHT005protb/配列番号:97が形成され得た。最後の28アミノ酸(PSA−EHT005protc/配列番号:98)は、イントロン1の完全な保持を有する既に記載されたアイソフォームと比較して新しい情報を表した。
PSA−EHT007(配列番号:20):
このアイソフォームは、イントロン1内の693位に位置する5’クリプティックスプライス部位及びイントロン1内の1149位に位置する3’クリプティックスプライス部位を使用した。このPSA−EHT007アイソフォームは、23アミノ酸のタンパク質(PSA−EHT007prota/配列番号:99)をコードした。
PSA−EHT008(配列番号:21):
このアイソフォームは、イントロン1内の1202位の3’クリプティックスプライス部位(コンセンサス部位)を使用した。このPSA−EHT008アイソフォームは、27アミノ酸のタンパク質(PSA−EHT008prota/配列番号:100)をコードした。12アミノ酸が切断され、配列PSA−EHT008protb/配列番号:101が形成され得た。配列番号:21におけるGenbank(M27274)679位に相当するヌクレオチドはTと見てとれるが、Genbank参照配列はGを示す。この違いは、この位置における多形の存在、又は参照された配列におけるエラーによって説明され得るが、ポリメラーゼによって誘導された突然変異の可能性もある。この変化は、トリプトファン残基をロイシン残基に置換した。
PSA−EHT009(配列番号:22):
このアイソフォームは、イントロン2の欠失断片(nt2119〜2447、次いで2988〜3226)の保持を示した。このPSA−EHT009アイソフォームは、69アミノ酸のタンパク質(PSA−EHT009prota/配列番号:102)をコードした。54アミノ酸が切断され、配列PSA−EHT009protb/配列番号:103が形成され得る。配列番号:22におけるGenbank(M27274)1966位に相当するヌクレオチドはAと見てとれるが、Genbank参照配列はGを示す。この違いは、この位置における多形の存在、又は参照された配列におけるエラーによって説明され得るが、ポリメラーゼによって誘導された突然変異の可能性もある。この変化は、タンパク質の配列には影響を与えない。その他の点突然変異は終止コドンの後に同定された。
PSA−EHT012(配列番号:23):
このアイソフォームは、イントロン2の2426位の3’クリプティックスプライス部位(コンセンサス部位)を使用した。このPSA−EHT012アイソフォームは、83アミノ酸のタンパク質(PSA−EHT012prota/配列番号:104)をコードした。68アミノ酸が切断され、配列PSA−EHT004protb/配列番号:105が形成され得た。最後の14アミノ酸(PSA−EHT012protc/配列番号:106)は、野生型PSAと比較して新しい情報を表し、従って、このアイソフォームの特異エピトープのうちの1個以上を含む可能性が高かった。これらの違いは、これらの位置における多形の存在、又は参照された配列におけるエラーによって説明され得るが、ポリメラーゼによって誘導された突然変異の可能性もある。いずれの変化も、翻訳されたタンパク質の配列には影響を与えなかった。
PSA−EHT013(配列番号:24):
このアイソフォームは、イントロン1内の1945位の3’クリプティックスプライス部位(コンセンサス部位)を使用した。このPSA−EHT013アイソフォームは、75アミノ酸のタンパク質(PSA−EHT013prota/配列番号:107)をコードした。60アミノ酸が切断され、配列PSA−EHT013protb/配列番号:108が形成され得た。これらの60アミノ酸は、野生型PSAと比較して新しい情報を表し、従って、このアイソフォームの特異エピトープのうちの1個以上を含む可能性が高かった。
PSA−EHT015(配列番号:25):
このアイソフォームは、エキソン1内の703位に位置する5’クリプティックスプライス部位及びエキソン2内の2030位に位置する3’クリプティック部位を使用した。PSA−EHT015アイソフォームは、41アミノ酸のタンパク質(PSA−EHT015prota/配列番号:109)をコードする。最後の30アミノ酸(PSA−EHT015protb/配列番号:110)は、野生型PSAと比較して新しい情報を表し、従って、このアイソフォームの特異エピトープのうちの1個以上を含む可能性が高かった。配列番号:25におけるGenbank(M27274)2094位に相当するヌクレオチドはCであったが、Genbank参照配列はTを示す。この違いは、この位置における多形の存在、又は参照された配列におけるエラーによって説明され得るが、ポリメラーゼによって誘導された突然変異の可能性もあった。この変化は、セリン残基をプロリン残基に置換した。
PSA−EHT016(配列番号:26):
このアイソフォームは、エキソン2内の2053位に位置する3’クリプティックスプライス部位(コンセンサス部位)を使用した。このPSA−EHT016アイソフォームは、39アミノ酸のタンパク質(PSA−EHT016prota/配列番号:111)をコードした。24アミノ酸が切断され、配列PSA−EHT016protb/配列番号:112が形成され得た。これらの24アミノ酸は、野生型PSAと比較して新しい情報を表し、従って、このアイソフォームの特異エピトープのうちの1個以上を含む可能性が高かった。
PSA−EHT018(配列番号:27):
このアイソフォームは、イントロン2の欠失断片(nt2119〜2588、次いで3114〜3226)の保持を示した。このPSA−EHT018アイソフォームは、69アミノ酸のタンパク質(PSA−EHT018prota/配列番号:113)をコードした。54アミノ酸が切断され、配列PSA−EHT018protb/配列番号:114が形成され得る。配列番号:27におけるGenbank(M27274)2545位に相当するヌクレオチドはTであったが、Genbank参照配列はAを示す。この違いは、この位置における多形の存在、又は参照された配列におけるエラーによって説明され得るが、ポリメラーゼによって誘導された突然変異の可能性もあった。この変化は、タンパク質の配列には影響を与えなかった。
PSA−EHT019(配列番号:28):
このアイソフォームは、エキソン3内に位置する断片(ヌクレオチド3828〜3933)の欠失を有した。このPSA−EHT019アイソフォームは、100アミノ酸のタンパク質(PSA−EHT019prota/配列番号:115)をコードした。85アミノ酸が切断され、配列PSA−EHT019protb/配列番号:116が形成され得た。最後の6アミノ酸(PSA−EHT019protb/配列番号:117)は、野生型PSAと比較して新しい情報を表し、従って、このアイソフォームの特異エピトープのうちの1個以上を含む可能性が高かった。配列番号:28におけるGenbank(M27274)3786位及び3943位に相当するヌクレオチドはT及びAであったが、Genbank参照配列はそれぞれC及びCを示す。これらの違いは、これらの位置における多形の存在、又は参照された配列におけるエラーによって説明され得るが、ポリメラーゼによって誘導された突然変異の可能性もあった。第一の変化は、タンパク質の配列には影響を与えなかった。第二のものは、セリン残基をアルギニン残基に置換した。
PSA−EHT021(配列番号:29):
このアイソフォームは、エキソン3内の3885位に位置する3’クリプティックスプライス部位(コンセンサス部位)を使用し、エキソン3の3’部分(ヌクレオチド3903〜4025)の欠失も有した。PSA−EHT021アイソフォームは、177アミノ酸のタンパク質(PSA−EHT021prota/配列番号:118)をコードした。162アミノ酸が切断され、配列PSA−EHT021protb/配列番号:119が形成され得た。残基69及び76の周辺に作出された新たなジャンクションは、野生型PSAと比較して新しい情報を表し、従って、このアイソフォームの特異エピトープのうちの1個以上を含む可能性が高い。配列番号:29におけるGenbank(M27274)1966位に相当するヌクレオチドはAであったが、Genbank参照配列はGを示す。この違いは、この位置における多形の存在、又は参照された配列におけるエラーによって説明され得るが、ポリメラーゼによって誘導された突然変異の可能性もあった。この変化は、タンパク質の配列には影響を与えなかった。
PSA−EHT022(配列番号:30):
このアイソフォームは、エキソン3の3’部分(ヌクレオチド3903〜4025)の欠失を有した。PSA−EHT022アイソフォームは、220アミノ酸のタンパク質(PSA−EHT022prota/配列番号:120)をコードした。205アミノ酸が切断され、配列PSA−EHT022protb/配列番号:121が形成され得た。残基119の周辺に作出された新たなジャンクションは、野生型PSAと比較して新しい情報を表し、従って、このアイソフォームの特異エピトープのうちの1個以上を含む可能性が高かった。配列番号:30におけるGenbank(M27274)1966位に相当するヌクレオチドはAであったが、Genbank参照配列はGを示す。この違いは、この位置における多形の存在、又は参照された配列におけるエラーによって説明され得るが、ポリメラーゼによって誘導された突然変異の可能性もあった。この変化は、タンパク質の配列には影響を与えなかった。PSA−EHT022(配列番号:30)は、2002年10月24日にGenbankに寄託されたPSAバリアント(登録番号:AJ459782)に相当する。
PSA−EHT023(配列番号:31):
このアイソフォームは、エキソン2の断片(ヌクレオチド1990〜2040)の欠失、エキソン3内の3885位の3’クリプティック部位(コンセンサス部位)の使用、及びイントロン3の5’断片(ヌクレオチド4043〜4060)(コンセンサス部位)の保持を有する。このアイソフォームは、207アミノ酸のタンパク質(PSA−EHT023prota/配列番号:122)をコードした。192アミノ酸が切断され、配列PSA−EHT023protb/配列番号:123が形成され得た。残基27及び53の周辺及び領域105〜111に作出された新たなジャンクションは、野生型PSAと比較して新しい情報を表し、従って、このアイソフォームの特異エピトープのうちの1個以上を含む可能性が高かった。配列番号:31におけるGenbank(M27274)2060位及び5731位に相当するヌクレオチドはG及びGであったが、Genbank参照配列はそれぞれT及びTを示す。これらの違いは、これらの位置における多形の存在、又は参照された配列におけるエラーによって説明され得るが、ポリメラーゼによって誘導された突然変異の可能性もあった。第一の変化は、システイン残基をグリシン残基に置換した。第二のものは、タンパク質の配列には影響を与えなかった。
PSA−EHT025(配列番号:32):
このアイソフォームは、エキソン3を欠失していた。このアイソフォームは、85アミノ酸のタンパク質(PSA−EHT025prota/配列番号:124)をコードした。70アミノ酸が切断され、配列PSA−EHT025protb/配列番号:125が形成され得た。最後の16アミノ酸(PSA−EHT025protc/配列番号:126)は、野生型PSAと比較して新しい情報を表し、従って、このアイソフォームの特異エピトープのうちの1個以上を含む可能性が高かった。配列番号:32におけるGenbank(M27274)2118〜4186位及び5791位に相当するヌクレオチドはG及びGであったが、Genbank参照配列はそれぞれAT及びCを示す。この違いは、これらの位置における多形の存在、又は参照された配列におけるエラーによって説明され得るが、ポリメラーゼによって誘導された突然変異の可能性もあった。エキソン2の3’部位とエキソン4の5’部位の一致は、この領域におけるポリメラーゼによって導入された突然変異を示唆する。最後の変化は、タンパク質の配列には影響を与えなかった。
PSA−EHT026(配列番号:33):
このアイソフォームは、エキソン3内に位置する断片(ヌクレオチド3781〜4025)の欠失を有する。このPSA−EHT026アイソフォームは、78アミノ酸のタンパク質(PSA−EHT026prota/配列番号:127)をコードした。63アミノ酸が切断され、配列PSA−EHT026protb/配列番号:128が形成され得た。
PSA−EHT027(配列番号:34):
このアイソフォームは、エキソン3の5’末の3780位に位置するクリプティックスプライス部位を使用し、エキソン4を欠失している。このPSA−EHT027アイソフォームは、114アミノ酸のタンパク質(PSA−EHT027prota/配列番号:129)をコードした。129アミノ酸が切断され、配列PSA−EHT027protb/配列番号:130が形成され得た。最後の67アミノ酸(PSA−EHT027protc/配列番号:131)は、野生型PSAと比較して新しい情報を表し、従って、このアイソフォームの特異エピトープのうちの1個以上を含む可能性が高かった。配列番号:34におけるGenbank(M27274)1966位に相当するヌクレオチドはAであったが、Genbank参照配列はGを示す。この違いは、この位置における多形の存在、又は参照された配列におけるエラーによって説明され得るが、ポリメラーゼによって誘導された突然変異の可能性もあった。この変化は、タンパク質の配列には影響を与えなかった。
PSA−EHTa(配列番号:35):
このアイソフォームは、イントロン1の5’部分の91ヌクレオチドの欠失、それに続く次の152ヌクレオチドの欠失(次いで、イントロン1に戻る)を示した。PSA−EHTaアイソフォームは、90アミノ酸のタンパク質(PSA−EHTa1、配列番号:132)をコードし、その最後の75アミノ酸が切断され得た(配列PSA−EHTa2、配列番号:133)。それは、PSAと異なる情報を表し、最後の44アミノ酸(配列PSA−EHTa3、配列番号:134)は、既に記載されたイントロン1の完全な保持(Davidら(2002))と比較して新しい情報を示した。最後の74アミノ酸の26位において、PがQに置換されていた。配列番号:35の90位及び234位のヌクレオチドはA及びCであったが、Genbank参照配列はC及びTを示す。243位及び293位のG及びCヌクレオチドも、Genbank参照と異なっていた。しかしながら、これらの2つのヌクレオチドは、実際、発表されているゲノム配列に相当していた(Genbank登録番号:NT_011190)。これらの違いは、これらの位置における多形の存在、又は参照された配列におけるエラーによって説明され得るが、ポリメラーゼによって誘導された突然変異の可能性もあった。従って、プロリン残基がグルタミン残基に置換され(突然変異90)、イソロイシン残基がトレオニン残基に置換されている(突然変異234)。
PSA−EHTd(配列番号:36):
このアイソフォームは、エキソン2の最後の9ヌクレオチド及びエキソン3の最初の243ヌクレオチドの欠失を有した。このPSA−EHTdアイソフォームは、84アミノ酸欠失を有するタンパク質(PSA−EHTd1、配列番号:135)をコードした。システイン残基66とトレオニン残基151との間に新たなドメインが形成されていた。
PSA−EHTf(配列番号:37):
このアイソフォームは、105ヌクレオチドの長さの欠失イントロン3(2420〜2526)の保持を示す。PSA−EHTfアイソフォームは、リジン残基で置換された69番目のアスパラギン酸残基の後で短縮されたタンパク質(PSA−EHTf1、配列番号:136)をコードしていた。配列番号:37の56位のヌクレオチドはGであったが、Genbank参照配列はAを示す。この違いは、この位置における多形の存在、又は参照された配列におけるエラーによって説明され得るが、ポリメラーゼによって誘導された突然変異の可能性もあった。この突然変異は、ヒスチジン残基をアルギニン残基に置換する。
PSA−EHTh(配列番号:38):
このアイソフォームは、イントロン4内のクリプティックスプライス部位(5472位)の使用に起因した。このPSA−EHThアイソフォームは、PSA−EHTh1(配列番号:137)又はPSA−EHTh2(配列番号:138)に相当する2つのリーディングフレームのうちの1つを有するタンパク質をコードしていた。配列番号:38の79位、199位及び258位のヌクレオチドはC、C及びGであったが、Genbank参照配列はT、T及びAを示す。これらの違いは、これらの位置における多形の存在、又は参照された配列におけるエラーによって説明され得るが、ポリメラーゼによって誘導された突然変異の可能性もあった。
PSA−EHTj(配列番号:39):
このアイソフォームは、イントロン4内の(5257位の)クリプティックスプライス部位の使用に起因した。このPSA−EHTjアイソフォームは、PSA−EHTj1(配列番号:139)、PSA−EHTj2(配列番号:140)又はPSA−EHTj3(配列番号:141)に相当する3つのリーディングフレームのうちの1つを有するタンパク質をコードしていた。
PSA−EHTk(配列番号:40):
このアイソフォームは、イントロン3の3’部分の保持、次いで短縮されたイントロン4(4337位〜5516位)の保持を示した。このアイソフォームは、PSA−EHTk1(配列番号:142)、PSA−EHTk2(配列番号:144)又はPSA−EHTk3(配列番号:144)に相当する3つのリーディングフレームのうちの1つを有するタンパク質をコードしていた。
PSA−EHTl(配列番号:41):
このアイソフォームは、イントロン4内の4274位のクリプティック部位及びイントロン4内の4538位のもう1つのクリプティック部位を使用した。配列番号:41の79位のヌクレオチドはCであったが、Genbank参照配列はTを示す。この違いは、この位置における多形の存在、又は参照された配列におけるエラーによって説明され得るが、ポリメラーゼによって誘導された突然変異の可能性もあった。PSA−EHTlは、PSA−EHTl1(配列番号:145)、PSA−EHTl2(配列番号:146)又はPSA−EHTl3(配列番号:147)に相当する3つのリーディングフレームのうちの1つを有するタンパク質をコードしていた。PSA−EHTl3において、この突然変異は、イソロイシン残基をトレオニン残基に置換した。
PSA−EHTm(配列番号:42):
このアイソフォームは、短縮されたイントロン1(1214〜1755)の保持を示した。PSA−EHTmは、PSA−EHTm1(配列番号:148)、PSA−EHTm2(配列番号:149)又はPSA−EHTm3(配列番号:150)に相当する3つのリーディングフレームのうちの1つを有するタンパク質をコードしていた。
PSA−EHTn(配列番号:43):
このアイソフォームは、短縮されたイントロン1(1366〜1736)の保持を示した。PSA−EHTmは、PSA−EHTn1(配列番号:151)、PSA−EHTn2(配列番号:152)又はPSA−EHTn3(配列番号:153)に相当する3つのリーディングフレームのうちの1つを有するタンパク質をコードしていた。
PSA−EHTp(配列番号:44):
このアイソフォームは、イントロン1内の(1240位の)クリプティックスプライス部位の使用に起因した。PSA−EHTpは、15位のイソロイシン残基を超えて付加的な27アミノ酸を有するタンパク質(PSA−EHTp1、配列番号:154)をコードし得た。配列PSA−EHTp2(配列番号:155)を表す、これらの27アミノ酸は、切断後に放出され得た。
PSA−EHTq(配列番号:45):
このアイソフォームは、短縮されたイントロン2(2740〜3167位)の保持を示した。KLK2−EHTkは、KLK2−EHTq1(配列番号:156)又はKLK2−EHTq2(配列番号:157)に相当する2つのリーディングフレームのうちの1つを含むタンパク質をコードしていた。
PSA−EHTr(配列番号:46):
このアイソフォームは、短縮されたイントロン2(2589〜3199位)の保持を示した。PSA−EHTmは、PSA−EHTr1(配列番号:158)、PSA−EHTr2(配列番号:159)又はPSA−EHTr3(配列番号:160)に相当する3つのリーディングフレームのうちの1つを含むタンパク質をコードしていた。
PSA−EHTs(配列番号:47):
このアイソフォームは、短縮されたイントロン4(4516〜4889位)の保持を示した。配列番号:47の54位、93位及び201〜208位のヌクレオチドはC、A及びTGCCGCTGであったが、Genbank参照配列はT、G及びAG−−GTGTを示すことが分かる。これらの違いは、これらの位置における多形の存在、又は参照された配列におけるエラーによって説明され得るが、ポリメラーゼによって誘導された突然変異の可能性もあった。このアイソフォームは、PSA−EHTs1(配列番号:161)又はPSA−EHTs2(配列番号:162)に相当する2つのリーディングフレームのうちの1つを有するタンパク質をコードしていた。PSA−EHTs1における54位の突然変異は、ロイシン残基をプロリン残基に置換した。
PSA−EHTt(配列番号:48):
このアイソフォームは、短縮されたイントロン4(4727〜5111位)の保持を示した。配列番号:48の137位及び239位のヌクレオチドはG及びAであったが、Genbank参照配列はA及びGを示す。これらの違いは、これらの位置における多形の存在、又は参照された配列におけるエラーによって説明され得るが、ポリメラーゼによって誘導された突然変異の可能性もあった。このアイソフォームは、PSA−EHTt1(配列番号:163)又はPSA−EHTt2(配列番号:164)に相当する2つのリーディングフレームのうちの1つを有するタンパク質をコードしていた。
PSA−EHTu(配列番号:49):
このアイソフォームは、イントロン4内の(5056位の)クリプティック部位の使用に起因した。配列番号:49の48位のヌクレオチドはTであったが、Genbank参照配列はCを示す。この違いは、この位置における多形の存在、又は参照された配列におけるエラーによって説明され得るが、ポリメラーゼによって誘導された突然変異の可能性もあった。PSA−EHTmは、PSA−EHTu1(配列番号:165)、PSA−EHTu2(配列番号:166)又はPSA−EHTu3(配列番号:167)に相当する3つのリーディングフレームのうちの1つを有するタンパク質をコードしていた。PSA−EHTu2における突然変異48は、アラニン残基をバリン残基に置換した。
C−ジャンクションオリゴヌクレオチドのマイクロアレイを使用したPSA及びKLK2のアイソフォームの発現のバリデーション
本発明において記載されたPSA及びKLK2のバリアントの発現を、これらのバリアントと特異的にハイブリダイズすることができるオリゴヌクレオチドのマイクロアレイを使用して確立した。配列に基づき、PSA及びklk2のスプライスバリアントは、異なる型の事象から生じる(図1)。
・「エキソンスキッピング」:特異的(例えば、識別)オリゴヌクレオチドを、エキソン1−エキソン3ジャンクションにより作出された配列と相補的であるよう設計した。
・イントロン保持:特異的オリゴヌクレオチドは、イントロン配列内に位置していた。
・オルタナティブ5’又は3’スプライス部位が使用される場合、識別オリゴヌクレオチドは、これらの新たなジャンクションのうちの1つと相補的である(即ち、それと対合する)よう設計された。
・オリゴヌクレオチドは、野生型のklk2及びPSAのエキソン及びジャンクションにおいても作製された。
C1−ジャンクションオリゴヌクレオチドのマイクロアレイの説明
この研究は、24及び25マーのオリゴヌクレオチド149個を作製することからなっていた。それらの配列を添付書類(表1)に示す。記載されたバリアントにより作出された特異的ジャンクションからの付加的な「識別」オリゴヌクレオチド(配列番号:168〜配列番号:220)が、特許請求の範囲に記載される。
各オルタナティブスプライシングを特徴決定するため、5個のオリゴヌクレオチドを使用した(図2参照)。1個のオリゴヌクレオチドは排除されるエキソンに特異的であり、長型の定量を可能にした。第二のオリゴヌクレオチドは、スプライシング事象に関与しない隣接エキソンのうちの1つに特異的であり、長型及び短型のRNAの定量を可能にした。最後に、3個のオリゴヌクレオチドはジャンクションに特異的であり;そのうち1個はスプライシング後に作成される新たな配列に特異的であり、スプライシングを受けた型の定量を可能にした。当然、その他のオリゴヌクレオチドの組み合わせ、とりわけ1個又は2個のオリゴヌクレオチドのみの使用も企図され得る。オリゴヌクレオチドの設計に関して、プローブが古典的に使用されるPCR産物プローブより短い場合には、これらのプローブが、設計の基となった遺伝子ではない遺伝子に非特異的にハイブリダイズしないことをチェックする必要がある。さらに、オリゴヌクレオチドが、ハイブリダイズする能力に干渉する可能性のある二次構造を有していないことを保証することが不可欠である。一般に、作成されたオリゴ全てが均一な熱力学的プロファイル、即ちTm(65℃)及び長さ(24又は25マー)を有する場合、それはチップにとって好ましい。さらに、合成中、オリゴヌクレオチドを、5’末へのNH−C6基の付加により修飾し、柔軟性を促進し、ガラススライドをコーティングするために使用されるポリマーとの共有結合の形成を可能にすることができた。
ジャンクションオリゴヌクレオチドをより特異的に解明するため、それらは、理想的にはジャンクションの中央に存在するべきであるが、ジャンクションに関してシフトしたオリゴヌクレオチドの可能性も考慮した。
プライマーファインダー(Primer Finder)ソフトウェアを、オリゴヌクレオチドを設計するために選択した。選択した基準は、以下の通りである:
−%GC:24マー及び30マーの場合40〜60%、40マーの場合30〜60%
−オリゴヌクレオチド濃度:50nM
−塩濃度:50mM
−「ヘアピン」二次構造又はホモダイマーを形成する傾向を有するオリゴヌクレオチドを無視
まず、本発明者らの技術をバリデートするため、クローニングされたアイソフォームを取り扱った(図3参照)。長アイソフォーム及び短アイソフォームを含有しているプラスミドを直鎖化した後、in vitro転写を行った。反応培地は、蛍光色素と化学的相互作用を形成するアミノアリル−UTPを含有していた。本発明者らは、Cy3で長アイソフォームを標識し、Cy5で短アイソフォームを標識することを選択した。RNAはハイブリダイゼーションを作成し得る多数の二次構造を有するため、化学的断片化工程がプロトコルに導入されることが要求された。精製後、アイソフォームを混合し、次いでガラススライド(3D Link、Motorola又はCodelink、Amersham)上にハイブリダイズさせた。
図4は、異なる遺伝子に対応するクローンのうちの2個で得られた結果を示す。この実験は、本発明者らのオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションの特異性をチェックするために実施された。本発明者らは、in vitro転写を使用してショウジョウバエ(drosophila)RNAを増幅した。スライドを読み取るためのスキャナーを較正するため、外因性シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)コントロールをRNAへ導入した。次いで、ショウジョウバエRNAが、標的がハイブリダイズする配列を含有していないと仮定して、標識されたアイソフォーム(各アイソフォーム5ng)をショウジョウバエcRNAで希釈して、ハイブリダイゼーションの特異性をチェックすることを可能にする複雑な環境を作出した(バイオコンピューター(biocomputational)分析)。ハイブリダイゼーション後、スライドをCy3チャネル及びCy5チャネルの両方で読み取った。各スポットの蛍光強度を測定し、中央値を計算することにより値を規準化した。各オリゴヌクレオチドを四つ組でスポットした。エキソン2、ジャンクション1−2及び2−3に相当するオリゴヌクレオチドを、クアントアレイ(QuantArray)により作成された画像上に赤色で出現する理由である、長型にのみハイブリダイズするよう設計した。ジャンクション1−3に特異的なオリゴヌクレオチドは、短型にのみハイブリダイズし、従って緑色で出現すると想像される。長アイソフォームと短アイソフォームの当モル混合物を使用したため、両画像の重ね合わせは、橙色スポットを示す。(アイソフォームを26pgに希釈することにより、チップの感度を決定するための類似の実験を実施した)。この実験は、規準化後、共通エキソンを考慮した場合、ハイブリダイゼーションの50%が長型によるものであったことを示している。エキソン2、ジャンクション1−2及び2−3を考慮した場合、ハイブリダイゼーションの90〜100%が長型によるものであった。ジャンクション1−3に関しては、ハイブリダイゼーションの7%未満が、長型によるものであった。これらの実験は、オリゴの設計及びハイブリダイゼーションの特異性をバリデートする。この高度の特異性は、アイソフォームを定量するためにこの道具を使用することを可能するために重大である。
先の結果は、長アイソフォームと短アイソフォームの当モル混合物を使用して得られた。従って、次の段階の目標は、その道具が定量的であることを示すことであった(図5)。このため、本発明者らは、長型と短型を異なる蛍光色素で標識し、試料中の長型の量を20%ずつ増加させ0〜100%に変動させた(x軸)。蛍光強度を規準化した後、共通エキソンで得られた値に基づき長型の%を測定し、それをy軸にプロットした。グラフに示されるように、測定された値は理論値に極めて近かった。
これらの研究は、全て、スプライシングを受けたエキソン又はイントロン保持の発現を定性的にも定量的にも画定するために、オリゴアレイツールを使用することが可能であると予想され得ることを意味している。
マイクロアレイを作るため、149個のオリゴヌクレオチド(24及び25マー)を設計した。これらのオリゴヌクレオチドを、150mMリン酸ナトリウムバッファーに25uMの濃度で取り上げた。次いで、オリゴヌクレオチドをガラススライド(Codelink、Amersham)上に担荷させ、そのスライドをNaCl中で加湿チャンバー内で16時間インキュベートした。次に、未使用の反応部位を、50mMエタノールアミン、0.1Mトリス、0.1%SDS(pH9)の溶液を使用してブロッキングした。次いで、それらを4×SSC/0.1%SDSの溶液で洗浄した。標的を、5×SSC、0.1%SDS、0.1mg/mlサケ精子DNAのバッファー中で、50℃の温度で、16時間ハイブリダイズさせた。次いで、増加するストリンジェンシーの洗浄条件を使用して、それらを洗浄した。
カバースリップを除去するため4×SSC
2×SSC/0.1%SDS、50℃で5分間
0.2×SSC、室温で5分間
0.1×SSC、室温で5分間
C2−オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション能の決定
PSAとklk2を識別するために使用されたオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション能及び特異性をチェックした。これを達成するため、本発明者らは、シアニン5で標識されたklk2に対応するいくつかのアイソフォーム、及びシアニン3で標識されたPSAのいくつかのアイソフォームをプールした(図6)。次いで、cRNAを単一スライド上に共ハイブリダイズさせ、それを2つのチャネルで読み取った。2つの画像を重ね合わせたところ、四つ組で適用され後に再設計された1つのオリゴを除き、PSAオリゴヌクレオチドとklk2オリゴヌクレオチドとの間のクロスハイブリダイゼーションは存在しないことが明らかとなった。
C3−患者からの腫瘍性試料及び健康試料における研究
通常不充分な生物学的材料が存在したため、本発明者らは、RNA増幅を活用した(図7)。第一工程は、スーパースクリプト(Superscript)IIを使用したオリゴdTの存在下でのmRNAの逆転写からなっていた。鋳型として用いられたRNAをRnaseHで分解し、第二鎖cDNA合成のためDNAポリメラーゼIにより使用され得るプライマーを残した。合成された断片をDNAリガーゼにより組み立てた。この工程の終了後、T7 DNAポリメラーゼにより認識される二本鎖DNA構造が形成された。この酵素は、メッセンジャーの配列に対応する鎖を増幅し、相補配列のプローブとハイブリダイズするcRNAの分子を合成する(mRNAセンス)。各患者について、2つの異なる蛍光色素で標識された(腫瘍性試料及び健康試料に対応する)標的8ugを単一スライド上で共ハイブリダイズさせた。蛍光強度を両チャネルで測定し、ガラススライドの蛍光を読み取るための分析ソフトウェア(GeneTraffic)の全強度法(global intensity method)を使用して規準化した。図8は、患者のうちの1人から得られた2つの重ね合わせられた画像を示す。分析された他の患者3人についても類似の評価がなされ得る。蛍光シグナルは高品質であり、強度は一般に1,500より大きい。4人の患者からの腫瘍性試料及び良性試料から得られたシグナルの分析は、いくつかのアイソフォームがいくつかの患者においてディファレンシャルに発現されていることを証明した(図9)。
C4−前立腺癌及び乳癌に由来する細胞系における研究
いくつかの実験において、前立腺癌細胞系及び乳癌細胞系におけるPSA及びKLK22のアイソフォームの発現プロファイルを比較した。このため、本発明者らは、2個の前立腺癌細胞系(Mda2b及びLnCAP)及び4個の乳癌細胞系(Mda231、T47D、Mcf7及びBT549)からRNAを増幅した。次いで、Mda2b系及びLnCAP系をシアニン3で、乳癌系をシアニン5で標識した後、各前立腺癌系を様々な乳癌系と共ハイブリダイズさせた。スライドを両チャネルで読み取り、全強度法を使用してジーントラフィック(GeneTraffic)で蛍光強度を規準化した。研究を2つのハイブリダイゼーション群(各前立腺癌細胞系に1つずつ)に分割した。次いで、単一のハイブリダイゼーション群から少なくとも1つのハイブリダイゼーションにおいて脱制御された発現を有する識別オリゴヌクレオチドのリストを同定した。本発明者らは、0.66未満又は1.5超(即ち、−0.58<平均log2比率>0.58)の計算された比率を有するオリゴを選択した。最も多数の識別オリゴヌクレオチドを含む最も顕著なディファレンシャル発現が観察されたMda2b対T47D及びLnCAP対T47Dの分析の結果を提示することを選択した。ディファレンシャル発現は、15個のアイソフォームで観察され、そのうち3個(即ち、PSA−EHT019、PSA−EHTj及びPSA−EHTl)が、乳癌由来系と比較して前立腺癌由来系において過剰発現していた。他の12個は、前立腺癌において過少発現していた(図10)。
C5−組織研究
これらの実験は、PSAアイソフォーム及びKLK2アイソフォームの組織特異的発現をチェックすることからなっていた。このため、本発明者らは、4つの組織:前立腺、心臓、腎臓及び腸を選択した。これらの4つの組織からRNAを増幅し、前立腺からのシアニン3標識cRNAを他の組織からのシアニン5標識cRNAと共ハイブリダイズさせた。前立腺からのシアニン3標識cRNAを、シアニン5標識前立腺cRNAとも共ハイブリダイズさせた。スライドを両チャネルで読み取り、全強度法を使用してジーントラフィック(GeneTraffic)で蛍光強度を規準化した。次に、これらの4つのハイブリダイゼーションのハイブリダイゼーション群において、少なくとも1つのハイブリダイゼーションにおいて脱制御された発現を有していた識別オリゴヌクレオチドのリストを同定した。本発明者らは、計算された比率が0.66未満又は1.5超(即ち、−0.58<平均log2比率>0.58)であるオリゴヌクレオチドを選択した。それにより、試験された健康組織(前立腺、心臓、小腸及び腎臓)に依る、いくつかのPSA及びKLK2のアイソフォームの脱制御された発現を示した。これらは、PSA−EHT003、PSA−EHT005、PSA−EHT013、klk2−EHTb、klk2−EHTd、klk2−EHTjklk2−EHTf及びklk2−EHTl、PSA−EHT019及びklk2−EHTeであった(図11及び12)。
C6−得られたハイブリダイゼーションシグナルの要約
表3、4及び5は、健康組織(表3)、細胞系(表4)及び前立腺癌を有する患者からの組織(表5)を使用してオリゴヌクレオチドマイクロアレイで得られたハイブリダイゼーションシグナルを示す。バックグラウンドノイズの値の2倍より大きい値が示される(有意なハイブリダイゼーションを表す)。バックグラウンドノイズの値の2倍より小さい値は、略号#NAにより表される。オリゴヌクレオチド配列番号:184、215及び220を除く識別オリゴヌクレオチド全てが、研究された系の少なくとも1つにおいて、有意なシグナルを生じたようである。従って、本発明において記載されたアイソフォームの発現は、このアプローチにより確認される。オリゴヌクレオチド配列番号:184と関連したPSA−EHT023アイソフォームも、より高感度のPCRアプローチを使用して検出されたことに注目すべきである(下記セクションD参照)。
結論として、本発明において記載されたアイソフォームの大部分が、実際に、研究されたモデルのうちの1つにおいて発現しているようである。組織特異的発現及び腫瘍特異的発現も証明された。
D−PCRによるPSA及びKLK2のアイソフォームの発現のバリデーション
PCRジャンクション法を使用して、いくつかのアイソフォームの存在を示した。原理は、既に記載されたオルタナティブスプライシング事象に起因する新たなジャンクションに特異的に向けられたオリゴヌクレオチドを使用したアイソフォームの特異的増幅に基づく。増幅は、各患者の前立腺からの良性エリア及び腫瘍性エリアの両方からのRNAを使用して、そしてプラスミドコントロールも使用して実施される。
PCR増幅の結果は、図13に示される。矢印は、予想サイズのバンドを示す。所望の結果は、wtコントロールは陰性である、即ち野生型プラスミドを使用した場合にはアイソフォームのサイズの特異的増幅が存在しない、T(腫瘍)プール及びN(正常)プールにおけるアイソフォームの特異的増幅である。クローニングされたアイソフォームを有するプラスミドを、増幅のための陽性コントロールとして使用する。
Figure 2005519606
結論として、この方法も、前立腺組織におけるいくつかのアイソフォームの存在を証明するために使用され得る。PCRは、マイクロアレイ技術より高感度であり、とりわけ、PSA−EHT012の発現を明らかにした。
E−抗体作製及びタンパク質発現
いくつかのアイソフォームに特異的なポリクローナル抗体を、本発明において記載されたバリアントのうちのいくつかによりコードされたタンパク質の存在を決定するため、作製した。これらの抗体を、対応するタンパク質の発現を検出するためウェスタンブロットにおいて使用した。
抗体作製及びタンパク質発現
全てのペプチド及び抗体が、ユーロジェンテック(Eurogentec)(ベルギー)により作製された。図14に記載された配列に相当するペプチド20〜30mgが、70%超の純度で、Fmoc化学を使用して合成された。免疫応答を誘導するため、MBS(m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)又はグルタルアルデヒドを使用して、KLHが各ペプチド5mgとコンジュゲートさせられた。2匹のウサギ(SPFニュージーランドホワイトウサギ)が、コンジュゲートしたペプチド200mgで免疫感作された。最初の注射は、フロイント完全アジュバントを用いて実施され、その後の注射はフロイント不完全アジュバントで実施された。0、14、28及び56日目の注射及び0、38及び66日目の血清収集を含む、標準的なプロトコルが使用された。最後の採血は87日目に行われた。血清中の抗体力価がELISAにより測定された(図15)。抗原、合成ペプチド又はKLHが、ELISAプレートのウェルに担荷させられた(PBS中100ng、4℃、16時間)。飽和(BSA1mg/ml、25℃、2時間)の後、血清の段階希釈物(免疫前:PPI、最初の採集からの血清:PP及び第二の採集からの血清:GP)を25℃で2時間インキュベートした。HRP/OPD系を使用して抗体結合を示し、492nmにおける光学密度を測定した。選択されたエピトープについて得られた力価は、満足のゆくものであった。
ウェスタンブロット分析
溶解バッファー(50mMトリスpH=7.5、5mM EGTA、150mM NaCl、1%トリトン50mM NaF、プロテアーゼ阻害剤(Roche))を使用して、組織及び細胞系からタンパク質抽出物を調製した。抽出物をブラッドフォード法を使用して定量した。組織を使用した場合には、抽出物20μgをポリアクリルアミド−SDSゲルに担荷させた。血清を使用した場合には、非精製血清の50分の1希釈物又は精製血清の8分の1希釈物15μlを使用した(Aurum BioRadキット、番号732−6701)。変性条件下での電気泳動の後、分離されたタンパク質をPVDFメンブレンに移した。次いで、メンブレンの、特異的に作製されたポリクローナル抗体(先のセクション参照)とのインキュベーションにより、PSA及びKLK2のバリアントを検出した。洗浄後、メンブレンを、ペルオキシダーゼHRPで標識された二次抗免疫グロブリン抗体(希釈率1/5000)と共にインキュベートした。次いで、バンドを、ECL検出(Amersham)を使用して可視化した。
EHT−SE3962抗体
この抗体は、KLK2−EHT004バリアント及びKLK2−EHT006バリアントに共通のエピトープから作成された。これらの2つのバリアントについて予想されるサイズは、17kD(KLK2−EHT006)及び10kD(KLK2−EHT004)であった。血清試料を使用したところ、予想サイズに移動する2つのバンドが観察され得た(図16)。増加する用量の、選択されたエピトープに相当する合成ペプチドにより置換されたため、抗体はこれらのバンドを特異的に認識するようである(図16D)。異なる血清試料間には不均一性が観察された。全PSA濃度との明白な相関は観察されなかった(図16A)、B)及びC))
EHT−SE3963抗体
この抗体は、PSA−EHT021に対応するジャンクションエピトープに対して産生された(予想サイズ:20kD)。およそ22、25及び40kDの分子量を有する3つのバンドが、前立腺組織を使用して観察された(図17)。最低分子量を有するバンドが、PSA−EHT021に対応するかもしれなかった。25kDバンドは、PSA−EHT021に関連した2つのスプライシング事象のうちの1つを有するものとして既に記載されたバリアントに対応し得る(Tanakaら、2000)。
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特異的オリゴヌクレオチドの位置。長方形が付されたオリゴヌクレオチドが、スプライシング事象:イントロンの保持、エキソンの欠失、3’及び5’のクリプティック部位の使用の場合と特異的にハイブリダイズするよう設計された。 特異的オリゴヌクレオチドの位置。5つのオリゴヌクレオチド(線が付されたもの)が、3つのエキソンを含有している長型及び2つのエキソンを含有している短型の発現を分析するために設計され得る。 長合成型及び短合成型の標識。対応するcDNAを発現している直鎖化されたプラスミドを使用して、合成RNAが生成される。長型からのRNAはシアニン3で標識され、短型からのRNAはシアニン5で標識される。 オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションの特異性の証明。等量で混合された短型から長型を識別するため、5つのオリゴヌクレオチドを使用した。2つの例が示される:遺伝子A及び遺伝子B。 長型と短型の比率の定量的測定。長型(wt)の割合を、0、20、40、60、80及び100%に設定した(3つの例を示す、遺伝子A、B及びC)。 PSA及びKLK2のオリゴヌクレオチドマイクロアレイの特異性。 線状RNA増幅の概略。 単一の患者からの腫瘍性組織及び正常組織からのプローブを使用したPSA/KLK2スライドのハイブリダイゼーションの例。 対応する識別オリゴヌクレオチドにより、同一患者からの腫瘍性組織及び正常組織を分析することによる、PSA及びKLK2のある種のアイソフォームの特質的な発現の測定。 対応する識別オリゴヌクレオチドにより、前立腺癌細胞系(Mda−2b及びLNCap)及び乳癌細胞系(T47D)を分析することによる、PSA及びKLK2のある種のアイソフォームの差次的発現の測定。 対応する識別オリゴヌクレオチドにより、様々なヒト組織を分析することによる、PSA及びKLK2のある種のアイソフォームの特質的な発現の測定。 正常組織を用いてある種のアイソフォームに関して得られた蛍光シグナルを示すグラフ。 3つのPSAアイソフォームA)PSA−EHT003 B)PSA−EHT023及びC)PSA−EHT012の特異的オリゴヌクレオチドプライマーを使用したPCR増幅。 作製された3つのポリクローナル抗体のアノテーション。 ELISAを使用した3つの抗体の力価。A)SE3962の力価の決定。PPI:免疫前血清。PP:最初の採集からの血清。GP:第二の採集からの血清。 ELISAを使用した3つの抗体の力価。B)SE3963の力価の決定。PPI:免疫前血清。PP:最初の採集からの血清。GP:第二の採集からの血清。 ELISAを使用した3つの抗体の力価。C)SE4101の力価の決定。PPI:免疫前血清。PP:最初の採集からの血清。GP:第二の採集からの血清。 抗体EHT−SE3962及びA)低濃度の全PSAを含有している血清を使用したウェスタンブロットの結果。 抗体EHT−SE3962及びB)中程度の濃度の全PSAを含有している血清を使用したウェスタンブロットの結果。 抗体EHT−SE3962及びC)高濃度の全PSAを含有している血清を使用したウェスタンブロットの結果。 抗体EHT−SE3962及びD)特異的ペプチドと非特異的ペプチドを使用したウェスタンブロットの結果。 前立腺組織における抗体EHT−SE3963を使用したウェスタンブロットの結果。

Claims (24)

  1. a)配列番号:1〜49の配列、
    b)遺伝暗号の縮重に起因する配列番号:1〜49の配列のバリアント、
    c)配列番号:1〜49の配列の相補鎖、及び
    d)配列a)〜c)の特定の断片:
    の中から選択された配列を含む核酸。
  2. 好ましくはcDNA及びgDNAより選択されるDNA、又はRNAである、請求項1記載の核酸。
  3. 好ましくは配列番号:50〜167より選択された配列の全部又は特定の一部を含むポリペプチドより選択される、請求項1〜2のいずれか1項記載の核酸によりコードされたポリペプチド。
  4. それぞれ配列番号:50〜167の配列のバリアントKLK2−EHT002〜KLK2−EHT011及びPSA−EHT001〜PSA−EHT027又はKLK2−EHTb〜KLK2−EHTl及びPSA−EHTa〜PSA−EHTuより選択されたタンパク質。
  5. 請求項1〜2のいずれか1項記載の核酸の選択的ハイブリダイゼーションによる検出を可能にする核酸プローブ。
  6. プローブが、請求項1〜2のいずれか1項記載の核酸の配列を含む、請求項5記載のプローブ。
  7. 20〜1000ヌクレオチド、好ましくは50〜800ヌクレオチドを含む、請求項6記載のプローブ。
  8. プライマーが、請求項1〜2のいずれか1項記載の核酸の選択的増幅を可能にするプライマー。
  9. 3〜50塩基、好ましくは3〜40塩基、より好ましくは3〜35塩基から構成されている、請求項8記載のプライマー。
  10. 癌に関与している突然変異を含有している、PSAの特異抗原をコードする遺伝子又はKLK2をコードする遺伝子の少なくとも1つの領域に相補的である、請求項8又は9のいずれか1項記載のプライマー。
  11. 配列番号:1〜49の配列又はそれらの相補鎖のうちの1つの少なくとも一部に相補的な、3〜50ヌクレオチドを含む一本鎖核酸から構成されている、請求項10記載のプライマー。
  12. センス配列及び逆方向配列を含むプライマー対であって、該対のプライマーが、請求項1〜2のいずれか1項記載の核酸のある領域にハイブリダイズし、該核酸の少なくとも一部の増幅を可能にするものである、プライマー対。
  13. 請求項3又は4のいずれか1項タンパク質又はポリペプチドに特異的である抗体。
  14. ポリクローナル、モノクローナル又はそれらの誘導体である、請求項14記載の抗体。
  15. 対象における疾患又は疾患の素因を検出するための方法であって、請求項1〜2のいずれか1項記載の核酸又は請求項3もしくは4に記載のタンパク質もしくはポリペプチドの、該対象からの試料における存在を決定することを含む、方法。
  16. 決定が、配列決定、選択的ハイブリダイゼーション及び/又は増幅により達成される、請求項15記載の方法。
  17. 増幅が、請求項12のプライマー対を使用することにより達成される、請求項16記載の方法。
  18. − 請求項12記載のプライマー対又は請求項5〜7のいずれか1項記載のプローブ又は請求項13及び14のいずれか1項記載の抗体、並びに
    − 増幅、ハイブリダイゼーション又は免疫学的反応に必要な試薬、
    を含む、請求項15〜17のいずれか1項記載の方法を実施するために使用され得るキット。
  19. 活性化合物を選択又は同定するための方法であって、請求項3記載のポリペプチドを発現している細胞とテスト化合物をインビトロ又はエキソビボ接触させること、及び該ポリペプチドの発現又は活性を調整する化合物を選択又は同定すること、を含む方法。
  20. ポリペプチドと結合する化合物を選択することを含む、請求項19記載の方法。
  21. ポリペプチドの発現を調整する化合物を選択することを含む、請求項19記載の方法。
  22. 請求項1又は2記載の核酸を含有しているベクター。
  23. 請求項22記載のベクターを含有している組換え細胞。
  24. マトリックス上に固定化された、請求項1、2、5、6及び7のいずれか1項記載の核酸、請求項22記載のベクター、請求項3もしくは4記載のポリペプチド又は請求項13もしくは14記載の抗体を含む生成物。
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