JP2001127668A - 送受信装置及び送受信方法。 - Google Patents

送受信装置及び送受信方法。

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JP2001127668A
JP2001127668A JP30266499A JP30266499A JP2001127668A JP 2001127668 A JP2001127668 A JP 2001127668A JP 30266499 A JP30266499 A JP 30266499A JP 30266499 A JP30266499 A JP 30266499A JP 2001127668 A JP2001127668 A JP 2001127668A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 音響信号を赤外線等を介して送受信する送受
信装置及び送受信方法に於いて、音響信号を圧縮伸張し
て伝送する場合の送信装置の過変調による雑音の発生及
び音切れ等を生じないものを得る。 【解決手段】 送信装置からワイヤレス送信された信号
を受信して、アナログ信号に復調して出力する受信装置
を有する送受信装置或は送受信方法において、送信装置
に入力されるアナログ音響信号をデジタル化して信号処
理し、アナログ変換して出力する様に成し、信号処理時
に入力デジタル信号を遅延させ、この遅延出力信号のレ
ベルを信号処理時の入力信号レベルに応じて圧縮又は伸
張する様にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアナログ音響信号を
ワイヤレス送受信する送受信装置および送受信方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から、アナログ音響信号を変調し、
赤外線等を用いて送信装置を介してワイヤレス伝送し、
アナログ音響信号を受信装置で復調し、アナログ音響信
号をスピーカ等を介して放音させる様に成した赤外線送
受信装置はよく知られている。
【0003】図9は上述の赤外線送受信装置の系統図を
示すものである。図9に於いて、1は第1の機器として
の送信装置を、2は第2の機器としての受信装置を示し
ている。これら送受信装置1及び2間の伝送路は赤外線
を用いて伝送が行なわれる。
【0004】送信装置1の入力端子T1 には音声、楽音
等のアナログ音響信号が入力信号として供給される。
【0005】入力信号はエンファシス回路3に供給され
る。エンファシス回路3内では縦軸に入力信号のレベル
と横軸に入力信号の周波数をとった、図10(A)で示
すエンファシス特性図の様に入力信号の高域を強調した
高域ブースト特性HB が付加されて、次段の音声等を圧
縮する圧縮回路4に供給される。
【0006】圧縮回路4はライン抵抗R1 と、ラインに
ダイオードCDのアノードを接続し、カソードに抵抗R
2 とコンデンサC1 の直列回路を接地すると共にコンデ
ンサCに並列に抵抗R3 を接続して抵抗3の一端を接地
した時定数回路4aと、この時定数回路4aの出力端に
接続した駆動回路4bと、ライン抵抗R1 の出力端と接
地間に接続され、接地と可変抵抗素子VRの一端に駆動
回路4bの出力端が接続された可変抵抗器4cとで構成
されている。
【0007】エンファシス回路3から出力された出力信
号は上記圧縮回路4内の時定数回路4aにより整流、平
滑されて、入力信号のレベルに応じた直流電圧が駆動回
路4bに供給され、駆動回路4bにより可変抵抗器4c
が駆動され、ライン抵抗R1の入力信号のレベルが変え
られて、圧縮されて、圧縮回路4の出力端から変調回路
5に供給され、変調信号が赤外線ダイオード等の発信素
子6を介して送信装置1から空間に伝送される。
【0008】受信装置2側ではピン、フォトダイオード
等の受信素子7で伝送信号を受信し、復調回路8で復調
後にエンファシス回路3と逆特性の図10(B)の様な
高域ダウン特性HL を有するデエンファシス回路9に供
給し、高域を低減する。即ち、伸張動作が行なわれてヘ
ッドホン等が接続された出力端子T2 にアナログ音響信
号が出力される。
【0009】上述の構成の送受信機装置によると、入力
信号の入出力信号のレベルは図11の入出力特性のよう
に入力レベルが大きくなった時にリニア特性LC に比べ
て圧縮回路4が動作して、圧縮特性CC を示し、入力レ
ベルを所定の値以上に大きくならない様にすることがで
きる。
【0010】従って、赤外線ワイヤレスアナログ伝送路
のダイナミック・レンジが狭いことによる受信信号の見
掛け上のS/N劣化やダイナミック・レンジを改善する
ことが出来る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述の音響信号の送受
信装置及び送受信方法によると、入力信号のレベルを検
出するためには時定数回路4aを必要とし、この時定数
回路4aが動作して駆動回路4bを介して可変抵抗器4
cの値を変化させ所定レベル値にするまでに時間的遅れ
を生ずることになる。
【0012】今、圧縮回路4に入力信号として図12
(A)に示す様なバースト信号SB を供給した場合、バ
ースト信号SB の立ち上がり部及び立ち下がり部で時定
数回路4aの時定数分の遅れT1 及びT2 を生じて図1
2(B)の様に立ち上がり点は正しいレベルを判断する
までには時間T1 を要することになり、入力信号の周波
数が時定数回路4aの時定数より高い場合には、この間
に入力された信号は圧縮することができず、そのまま出
力されることになる。
【0013】図12(C)はバースト信号のこの時の出
力を示すが、送信装置1は過変調状態になり、バースト
出力信号SB0の立ち上がり部分35で送受信音に雑音が
出たり、音がとぎれたりすることがあった。又、或る特
定周波数帯域の信号が大きい場合でも、圧縮回路4によ
って全ての帯域を同時に減衰するので圧縮回路4が動作
している間だけ音量が小さく感じられる場合があった。
【0014】本発明は叙上の課題を解決するためになさ
れたもので、音響信号を圧縮回路の時定数回路を介して
圧縮伝送する場合に一部の入力信号は圧縮することがで
きず、そのまま出力されて、送信装置は過変調状態とな
り、送受信音に雑音や音切れが生ずる弊害を除去し、レ
ベルの減少感の少ない送受信装置および送受信方法を提
供しようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】第1の発明の送受信装置
は、音響信号の様なアナログ入力信号を変調し、送信す
る送信手段を有する第1の機器1と、この第1の機器1
から送信される信号を受信し、アナログ入力信号に復調
して出力する受信手段を有する第2の機器2よりなるワ
イヤレス型の送受信装置において、第1の機器1はアナ
ログ入力信号をデジタル化したデジタル信号に対して信
号処理を施す信号処理手段12と、この信号処理手段1
2からの出力デジタル信号をアナログ入力信号に変換す
るデジタル−アナログ変換手段18と、このデジタル−
アナログ変換手段18で変換されたアナログ入力信号の
高域信号の利得を上げるエンファシス手段3とを備え、
信号処理手段12は、デジタル処理信号を遅延させる遅
延手段13と、この遅延手段13の遅延出力信号のレベ
ルを信号処理手段12の入力信号レベルに応じて圧縮ま
たは伸張する信号圧縮伸張手段23とで構成したもので
ある。
【0016】第2の発明の送受信装置は第1の発明に於
いて、用いられる信号圧縮伸張手段23は、信号処理手
段12へ供給するデジタル信号に周波数特性を付加する
周波数特性制御手段15と、この周波数特性制御手段1
5により周波数特性が付加された出力信号の信号レベル
の絶対値を検出する絶対値検出手段16と、この絶対値
検出手段16で検出した絶対値に応じて、遅延手段12
の出力信号のレベルを変えるレベル制御手段17とより
構成したものである。
【0017】上記第1及び第2の発明の送受信装置によ
れば信号処理回路12内の遅延回路13の遅延時間を予
め入力レベルを予知した値で確定しておけば、入力信号
の立ち上がり時間の遅れをなくし、送信装置である第1
の機器1の過変調をなくし、受信装置である第2の機器
との送受信時に生ずる雑音の発生及び音切れをなくすこ
とができるものが得られる。
【0018】第3の発明の送受信装置は音響信号の様な
アナログ入力信号を変調し、送信する送信手段を有する
第1の機器1と、この第1の機器1から送信される信号
を受信し、アナログ入力信号に復調して出力する受信手
段を有する第2の機器2よりなるワイヤレス型の送受信
装置において、第1の機器1はアナログ入力信号をデジ
タル化したデジタル信号に対して信号処理を施す信号処
理手段12と、この信号処理手段12からの出力デジタ
ル信号をアナログ入力信号に変換するデジタル−アナロ
グ変換手段18と、このデジタル−アナログ変換手段1
8で変換されたアナログ入力信号の高域信号の利得を上
げるエンファシス手段3とを備え、信号処理手段12
は、デジタル信号を複数の周波数帯域に分割する周波数
帯域分割手段22と、この周波数帯域分割手段22で分
割された周波数帯域のレベルに応じて各帯域毎に独立に
出力レベルを圧縮または伸張する帯域毎の信号圧縮伸張
手段とで構成したものである。
【0019】第4の発明の送受信装置は第3の発明に於
いて、周波数帯域分割手段22は少なくとも低域通過濾
波手段22aと高域通過濾波手段22nとで構成したも
のである。
【0020】第5の発明の送受信装置は第3の発明に於
いて、周波数帯域分割手段22は、デジタル信号を高速
フーリエ変換する高速フーリエ変換手段28と、高速フ
ーリエ変換手段28により周波数領域に変換された出力
信号を圧縮または伸張した信号を逆高速フーリエ変換す
る逆高速フーリエ変換手段29とで構成したものであ
る。
【0021】上記第3乃至第5の発明の送受信装置によ
れば過大入力によって圧縮される帯域はその過大入力信
号の周波数スペクトラムが含まれる部分だけになり、過
大入力が含まれない帯域は圧縮されない。従って、全帯
域が同時に圧縮される場合に比べて音量の減少感が改善
されたものが得られる。
【0022】第6の発明の送受信装置は第1乃至第5の
いずれかの発明に於いて、送受信装置の第1の機器1に
はアナログ音響信号が入力され、第2の機器2の出力端
には電気−音響変換手段31を有して成るものである。
【0023】上記第6の発明の送受信装置によれば雑音
の発生、音切れがなく、音量の減少感が改善された音響
信号を放音可能な送受信装置を得ることができる。
【0024】第7の発明の送受信方法はアナログ入力信
号をデジタル化して、再びアナログ化し変調して送信す
ると共に送信信号を受信してアナログ信号に復調して出
力する送受信方法において、アナログ入力信号をデジタ
ル化したデジタル信号を遅延させ、この遅延出力を信号
レベルに応じて圧縮または伸張して送受信する様に成し
たものである。
【0025】上述の第7の発明による送受信方法によれ
ば遅延時間を選ぶ事により予め信号レベルを予知して減
衰時間の値を確定できるので、立ち上がり時間による制
御の遅れを無くし、従って送信装置での信号の過変調を
なくし、送受信時の雑音の発生、音切れをなくすことが
出来る送受信方法が得られる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の送受信装置および
送受信方法のいくつかの実施の形態について図面を参照
して詳記する。
【0027】図1は本発明の1形態例を示す送受信装置
の系統図である。赤外線を介して、音声、楽音等の音響
信号をワイヤレス伝送する場合を図1によって説明す
る。
【0028】図1において、音響信号の様なアナログ入
力信号は送信装置を構成する第1の機器1の入力端子T
1 に供給される。
【0029】入力端子T3 には音響信号をデジタル化し
た、例えばコンパクトディスク(CD)等からのデジタ
ル入力信号が供給される。
【0030】入力端子T1 の出力側はアナログ−デジタ
ル変換手段(以下ADCと記す)10の入力側に接続さ
れ、ADC10の出力側に取り出されるデジタル信号は
スイッチング手段11の接点b−aを介してデジタル信
号を処理する信号処理手段12の入力端子T4 に供給さ
れる。
【0031】一方、入力端子T3 の出力側は直接スイッ
チング手段11の接点c−aを介して信号処理手段12
の入力端子T4 に接続されている。
【0032】従って、スイッチング手段11の切換に応
じて信号処理手段12の入力端子T 4 にはADC10で
デジタル化したデジタル信号と入力端子T3 からの直接
的なデジタル信号が供給される。
【0033】信号処理手段12は入力端子T4 に供給さ
れたデジタル信号を2系統に分岐させる。一方はディレ
ー等の遅延部13及びアッテネータ等の減衰部14を介
してレベルがコントロールされ出力端子T5 に出力され
る。他方に供給されたデジタル信号は信号圧縮伸張手段
23を構成する周波数特性制御部15により、図9で説
明したエンファシス回路3と同様に高域がブーストされ
て、絶対値検出部16に供給される。
【0034】絶対値検出部16では周波数特性制御部1
5の出力レベルが検出され、この検出レベルに応じて次
段のレベル制御部17でレベル制御が成される。
【0035】レベル制御部17の出力は減衰部14の減
衰器を制御して、減衰部14の値を所定値に確定させ
る。
【0036】減衰部14からの確定レベル値は出力端子
5 を介してデジタル−アナログ変換回路(以下DAC
と記す)18でアナログ信号に変換され、エンファシス
回路3に供給されて図10(A)で説明したと同様に高
域ブースト特性HB が付加され、FM等の変調回路5に
供給されて変調されて、赤外線ダイオード等の発信
(光)素子6を介して空間に伝送され送信装置1から受
信装置2側にワイヤレス伝送が行なわれる。
【0037】受信装置2側ではピンフォトダイオード等
の受信(光)素子7で伝送信号を受信し、FM等の復調
回路8で復調後にエンファシス回路3と逆特性の図10
(B)の如く高域ダウン特性HL を有するデエンファシ
ス回路9で高域を低減して出力端子T2 に接続されたヘ
ッドホンやスピーカ等の電気−音響変換手段31にS/
Nが改善され、ダイナミックが拡大した音響信号を放音
させている。
【0038】図1の信号圧縮伸張手段23内のレベル制
御部17の機能的系統図の1例を図2に示す。
【0039】図2でレベル制御部17の入力端子T6
供給される絶対値検出部16からの所定のレベル信号
は、立ち上がり時間制御部19に供給されてレベルの立
ち上がり時間を制御して、立ち上がり時間を確定してい
る。
【0040】更に、立ち下がり時間制御部20によりレ
ベルの立ち下がり時間を確定している。
【0041】これらの立ち上がり制御部19及び立ち下
がり制御部20は減衰部14の急激な変化による聴感上
の違和感を取り除くために挿入されている。
【0042】上述の立ち上がり及び立ち下がり時間制御
部19及び20で検出されたレベル値はスレッショルド
比較部21に供給される。このスレッショルド比較部2
1では検出したレベル値が所定のスレッショルド値より
も大きい場合に減衰部14の減衰器の減衰係数が算出さ
れて出力端子T7 に出力され、減衰部14の値が確定さ
れる。
【0043】この場合もし、図1に示す遅延部13の遅
延時間が零であれば、図9と同様に立ち上がり時間制御
部15による時間遅れのため、高域周波数では充分減衰
出来ない部分が存在する。従って、この遅延部13の遅
延時間を選ぶことで予め信号のレベルを予知して、減衰
部13の値を確定できるので、立ち上がり時間による制
御の遅れをなくし、送信装置1での信号の過変調をなく
すことが出来、送受信時での雑音の発生、音切れをなく
すことが出来る。
【0044】図3は図1の信号処理手段12の他の形態
例を示すものであり、信号処理手段12は周波数帯域分
割手段22と信号圧縮伸張手段群23とで構成され、信
号処理手段12の入力端子T4 にはデジタル化された入
力信号が供給され、周波数帯域分割手段22に供給され
る。
【0045】周波数帯域分割手段22は入力信号を複数
の周波数帯域に分割するもので、例えば入力信号は複数
の低域通過濾波器(以下LPFと記す)22a、帯域通
過濾波器(以下BPFと記す)22b,22c,‥‥、
高域通過濾波器(以下HPFと記す)22n等に分岐さ
れ、デジタル化された入力信号を所定の帯域に分割す
る。
【0046】上述のLPF22a,BPF22b,22
c,‥‥,HPF22nは例えば図4の如きデジタルフ
ィルタを用いることができる。
【0047】図4は2次IIR(Infinite I
mpulse Response)フィルタであり、2
5a,25b,25c,25dは遅延子、26a,26
b,26c,26d,26eは乗算器、27aは加算器
であり、x(nT)及びy(nT)は入力及び出力端を
示している。この様なデジタルフィルタによれば乗算器
26a〜26eの係数を適当に定めて所定の周波数特性
のLPF22a,HPF22n,BPF22bを簡単に
得ることができる。
【0048】LPF22a,BPF22b,22c,‥
‥,HPF22nの複数出力y(nT)は複数の信号圧
縮伸張手段群(以下SCEと記す)23の各々のSCE
1,23a,SCE2,23b,SCE3,23c,‥
‥,SCEn,23nに供給されて所定帯域に分割され
た各信号は夫々のレベルに応じて圧縮或は伸張処理が行
なわれる。
【0049】SCE1,26a乃至SCEn,26nの
各々は図5に示す様に構成させることが出来る。図5で
入力端子T8 には周波数帯域分割手段22の各々のLP
F22a,BPF,22b,BPF,22c,‥‥HP
F,22nからのフィルタ出力が与えられる。このフィ
ルタ出力は遅延部13で遅延されて減衰部14の減衰器
に供給される。一方、分岐したフィルタ出力は絶対値検
出部16を介してレベル制御部17に供給され、レベル
制御部17の制御出力で減衰部14の減衰値が制御され
る。
【0050】図5のレベル制御部17は図2と同様に構
成されている。
【0051】上述の図3の構成の信号処理手段12によ
れば過大入力によって圧縮される帯域はその過大入力信
号の周波数スペクトラムが含まれる部分だけになり、過
大入力が含まれない帯域は圧縮されない。従って、全帯
域が同時に圧縮される場合に比べて音量の減少感が改善
される。
【0052】図6は本発明の送受信装置の更に他の形態
例を示すものである。図6で図1との相違部分は信号処
理手段12だけであるので図6に於いて、図1との対応
部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0053】図6の信号処理手段12では、ADC10
からのデジタル入力信号は入力端子T4 に供給され、高
速フーリエ変換(Fast Fourier Tran
sform:FFT)部28で高速フーリエ変換によっ
て周波数領域に変換され、信号圧縮伸張手段23に供給
され、周波数領域で圧縮処理がなされた後に逆高速フー
リエ変換部29で逆フーリエ変換して出力端子T5 に出
力する。
【0054】信号圧縮伸張部23は高速フーリエ変換部
28の出力を2分岐させて、一方は減衰部14に、他方
は図5と同様の絶対値検出部16とレベル制御部17に
供給し、レベル制御出力で減衰部14を制御する。
【0055】即ち、高速フーリエ変換された各周波数信
号毎にその絶対値を絶対値検出部16で検出し、この値
によって過大信号であると判断された周波数信号はレベ
ル制御部17によって算出された値に応じて減衰部14
によって減衰される。
【0056】この構成の場合も、図3と同様に過大入力
によって圧縮される帯域はその過大入力信号の周波数ス
ペクトラムが含まれる部分だけになり、過大入力が含ま
れない帯域は圧縮されないので全帯域が同時に圧縮され
る場合に比べて音量の減少感が改善される。
【0057】図7は本発明の送受信装置の更に他の形態
例を示すものであり、本例の信号処理部12の入力端子
4 にADC10からのデジタル化された入力信号が供
給されて2分岐される。一方の経路は遅延部14と縦続
接続された複数の可変イコライザ30a,30b,30
c,‥‥30nを介して出力端子T5 に出力される。
【0058】2分岐された他方の入力信号は図3と同様
の周波数帯域分割手段22で複数の帯域に分割された各
信号は信号圧縮伸張手段23を構成する図5と同様の絶
対値検出部16a,16b,16c,‥‥16nとレベ
ル制御部17a,17b,17c,‥‥17nによって
夫々のレベルに応じた圧縮或は伸張レベルが算出された
値によって複数の縦続接続された可変イコライザのレベ
ルを可変する様にしている。
【0059】可変イコライザ30a〜30nは図4で詳
記したと同様のデジタルフィルタで構成される。このデ
ジタルフィルタの乗算器の係数値を変えることで各帯域
のレベルが変化する。図8はこのデジタルフィルタの周
波数特性例を示している。
【0060】この構成によればデジタル的に制御可能な
グラフィックイコライザが得られ、図3と同様に周波数
帯域分割されているため全帯域が同時に圧縮する場合に
比べて音量の減少感が改善されたグラフィックイコライ
ザが得られる。
【0061】
【発明の効果】本発明の送受信装置及び送受信方法に於
いては、信号処理部の遅延器により入力信号を遅延さ
せ、信号圧縮伸張部における立ち上がり時間の時間的遅
れによって生ずる圧縮時の遅れを回避できるので、圧縮
動作の遅れによるノイズ発生を改善することができる。
又、入力信号を帯域毎に検出して、レベルが過大な周波
数帯域のみに圧縮動作を施しているので全帯域に圧縮動
作を掛ける場合に比べて音量感の減少を改善することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の送受信装置の1形態例を示す系統図で
ある。
【図2】図1に用いるレベル制御部の系統図である。
【図3】本発明の送受信装置に用いる信号処理手段の他
の系統図である。
【図4】図3に用いるデジタルフィルタの系統図であ
る。
【図5】図3に用いる信号圧縮伸張手段群の系統図であ
る。
【図6】本発明の送受信装置の他の1形態例を示す系統
図である。
【図7】本発明の送受信装置に用いる信号処理手段の更
に他の系統図である。
【図8】本発明の1例を示すグラフィックイコライザ特
性図である。
【図9】従来の送受信装置の系統図である。
【図10】従来のエンファシス及びデエンファシス特性
図である。
【図11】従来の圧縮特性図である。
【図12】従来の時定数回路波形図である。
【符号の説明】
1‥‥送信装置、2‥‥受信装置、3‥‥エンファシス
回路、9‥‥デエンファシス回路、10‥‥ADC、1
2‥‥信号処理手段、13‥‥遅延部、14‥‥減衰
部、15‥‥周波数特性制御部、16‥‥絶対値検出
部、17‥‥レベル制御部、18‥‥DAC
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J022 AA01 AB01 BA01 BA08 BA09 CC01 CE01 5K041 AA07 BB00 CC01 FF32 HH34 JJ24 JJ38 5K066 AA02 BB01 CC03 DD13 DD37 EE58 HH01 JJ03 JJ12 JJ13 JJ14 JJ15 JJ17 JJ21

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アナログ入力信号を変調し、送信する送
    信手段を有する第1の機器と、該第1の機器から送信さ
    れる信号を受信し、アナログ入力信号に復調して出力す
    る受信手段を有する第2の機器よりなるワイヤレス型の
    送受信装置において、 上記第1の機器は上記アナログ入力信号をデジタル化し
    たデジタル信号に対して信号処理を施す信号処理手段
    と、 上記信号処理手段からの出力デジタル信号をアナログ入
    力信号に変換するデジタル−アナログ変換手段と、 上記デジタル−アナログ変換手段で変換されたアナログ
    入力信号の高域信号の利得を上げるエンファシス手段と
    を備え、 上記信号処理手段は、上記デジタル信号を遅延させる遅
    延手段と、 上記遅延手段の遅延出力信号のレベルを上記信号処理手
    段の入力信号レベルに応じて圧縮または伸張する信号圧
    縮伸張手段とで構成したことを特徴とする送受信装置。
  2. 【請求項2】 前記信号圧縮伸張手段は、前記信号処理
    手段へ供給する前記デジタル信号に周波数特性を付加す
    る周波数特性制御手段と、 上記周波数特性制御手段により周波数特性が付加された
    出力信号の信号レベルの絶対値を検出する絶対値検出手
    段と、 上記絶対値検出手段で検出した絶対値に応じて、前記遅
    延手段の出力信号のレベルを変えるレベル制御手段とよ
    り構成したことを特徴とする請求項1記載の送受信装
    置。
  3. 【請求項3】 アナログ入力信号を変調し、送信する送
    信手段を有する第1の機器と、該第1の機器から送信さ
    れる信号を受信し、アナログ入力信号に復調して出力す
    る受信手段を有する第2の機器よりなるワイヤレス型の
    送受信装置において、 上記第1の機器は上記アナログ入力信号をデジタル化し
    たデジタル信号に対して信号処理を施す信号処理手段
    と、 上記信号処理手段からの出力デジタル信号をアナログ入
    力信号に変換するデジタル−アナログ変換手段と、 上記デジタル−アナログ変換手段で変換されたアナログ
    入力信号の高域信号の利得を上げるエンファシス手段と
    を備え、 上記信号処理手段は、上記デジタル信号を複数の周波数
    帯域に分割する周波数帯域分割手段と、 上記周波数帯域分割手段で分割された周波数帯域のレベ
    ルに応じて各帯域毎に独立に出力レベルを圧縮または伸
    張する帯域毎の信号圧縮伸張手段とで構成したことを特
    徴とする送受信装置。
  4. 【請求項4】 前記周波数帯域分割手段は少なくとも低
    域通過濾波手段と、 高域通過濾波手段とで構成したことを特徴とする請求項
    3記載の送受信装置。
  5. 【請求項5】 前記周波数帯域分割手段は、前記デジタ
    ル信号を高速フーリエ変換する高速フーリエ変換手段
    と、 上記高速フーリエ変換手段よりの周波数領域に変換され
    た出力信号を圧縮または伸張した信号を逆高速フーリエ
    変換する逆高速フーリエ変換手段とで構成したことを特
    徴とする請求項3記載の送受信装置。
  6. 【請求項6】 前記送受信装置の第1の機器にはアナロ
    グ音響信号が入力され、前記第2の機器の出力端には電
    気−音響変換手段を有することを特徴とする請求項1乃
    至請求項5記載のいずれか1項記載の送受信装置。
  7. 【請求項7】 アナログ入力信号を変調して送信すると
    共に送信信号を受信してアナログ信号に復調して出力す
    る送受信方法において、 上記アナログ入力信号をデジタル化したデジタル信号を
    遅延させ、この遅延出力を信号レベルに応じて圧縮また
    は伸張して、送受信して成ることを特徴とする送受信方
    法。
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