JP2001127415A - Icチップの実装方法 - Google Patents

Icチップの実装方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】基材に多面取り状態などにして形成された複数
の回路それぞれに対してICチップを一度により多く実
装し、ICチップの実装効率を向上させる。 【解決手段】基材1に複数の回路2を形成して、複数の
回路2のICチップ配置予定位置それぞれにICチップ
実装用接着剤3を介してICチップ4を配置し、配置さ
れたICチップ4全てを覆う広さの加熱板5をICチッ
プ4上に配し、加熱板5からの加熱によりICチップ4
それぞれを一括的に回路2に実装する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回路にICチップを
実装する方法に関するものであって、例えば、非接触型
ICデータ送受信体においてのアンテナ回路に、データ
の記録、消去などの機能が組込まれたICチップを実装
する方法に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、非接触型ICデ
ータ送受信体は、プラスチックシートや紙材などからな
る基材の上に導電性インキなどの導電材を用いてデータ
受送信用のアンテナとしてのアンテナ回路を形成してお
り、そして、このアンテナ回路にホストなどからの信号
に基づいてデータの記録、消去などの動作を行なう機能
が組込まれたICチップを、前記アンテナ回路の端子部
などに実装し、これをカバーシートなどでラミネートし
て作成されていた。
【0003】ところで、上述したICチップをアンテナ
回路の端子部などのICチップ配置予定位置に実装する
場合、回路を形成した一つの基材をマウンタ装置に送り
込み、そのマウント装置によりICチップをICチップ
実装用接着剤を介して仮固定しており、この後、ICチ
ップが仮固定状態となっている基材をボンディング装置
に送り込んで、そのボンディング装置における加熱機構
を有したヘッドによってICチップを前記回路に熱圧着
する方法が採られていた。しかしながら、上記の方法で
は基材の回路に仮固定されたICチップ一つ一つに対し
て実装動作が行われているため、その実装の効率が高い
ものとはなっていない。そして、この方法でも、ボンデ
ィング装置をマルチヘッド型にすることによってある程
度の量産に対応することが可能と考えられるが、ヘッド
数の増加によって設備コストを引き上げるとともに、ヘ
ッドスピードによるタクト時間の制限があり、さらに
は、基材に対して回路を多面取り状態にして複数形成す
ることになるが、前記マルチヘッド型としたときのヘッ
ドそれぞれの大きさによって制限が加わり、基材に形成
する回路の面取り数が制限されるという問題がある。そ
こで、本発明は上記事情に鑑み、基材に多面取り状態な
どにして形成された複数の回路それぞれに対してICチ
ップを一度により多く実装することを課題とし、そのI
Cチップの実装効率を向上させることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を考慮
してなされたもので、基材に複数の回路を形成して、該
複数の回路のICチップ配置予定位置それぞれにICチ
ップ実装用接着剤を介してICチップを配置し、配置さ
れたICチップ全てを覆う広さの加熱板をICチップ上
に配し、前記加熱板からの加熱によりICチップそれぞ
れを一括的に回路に実装することを特徴とするICチッ
プの実装方法を提供して、上記課題を解消するものであ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】つぎに本発明を、多面取りを前提
とした非接触型ICデータ受送信体の、アンテナとする
回路へのICチップ実装を例示して詳細に説明する。即
ち、本発明では、予め基材に多面取り状態にして複数の
回路を形成し、回路それぞれのICチップ配置予定位置
にICチップ実装用接着剤を介して配置した後、複数の
ICチップを一度に覆う広さをもった加熱板でICチッ
プを加熱して、一括して実装を行うものである。
【0006】基材としては、ガラス繊維、アルミナ繊
維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の無機または
有機繊維からなる織布、不織布、マット、紙あるいはこ
れらを組み合わせたもの、あるいはこれらに樹脂ワニス
を含浸させて成形した複合基材、ポリアミド系樹脂基
材、ポリエステル系樹脂基材、ポリプロピレン系樹脂基
材、ポリイミド系樹脂基材、エチレン・ビニルアルコー
ル共重合体基材、ポリビニルアルコール系樹脂基材、ポ
リ塩化ビニル系樹脂基材、ポリ塩化ビニリデン系樹脂基
材、ポリスチレン系樹脂基材、ポリカーボネート系樹脂
基材、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合系樹
脂基材、ポリエーテルスルホン系樹脂基材などのプラス
チック基材、あるいはこれらにコロナ放電処理、プラズ
マ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、フレームプ
ラズマ処理およびオゾン処理などの表面処理を施したも
の、などの公知のものを用いることができる。
【0007】基材上の回路形成については、金属エッチ
ング、金属巻線溶着、金属蒸着膜転写、金属薄膜テープ
の貼付、導電性インキの印刷などの公知の方法で行うこ
とができる。
【0008】ICチップ実装用接着剤は、ICチップと
アンテナとの電気的接合を保持し、熱圧着時に揮発成分
がほとんど出ず、処理後にICチップとの接着性がよく
発現し、実装後の信頼性、例えば、耐衝撃性、耐水性、
耐湿性、耐熱性などを保持するものであれば、異方性導
電フィルム(ACF)、異方性導電ペースト(AC
P)、絶縁性ペースト(NCP)として公知のものを用
いることができるが、公知の熱可塑性樹脂あるいは架橋
性樹脂でもよく、それらに銀、金、白金、銅、ニッケ
ル、コバルト、パラジウム、ロジウム、ITOなどの導
電性粉末、シリカ、アルミナ、ガラス、タルク、ゴムな
どの絶縁性粉末、あるいは離型剤、表面処理剤、充填
剤、顔料、染料等の公知の添加剤を加えたものでも良
い。
【0009】ここで熱可塑性樹脂は、例示すれば、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹
脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコー
ル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステ
ル、ポリフェニレンオキサイド、ポリスルフォン、ポリ
イミド、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、ポ
リエーテルエーテルケトン、ポリ4フッ化エチレン、シ
リコーン樹脂などが挙げられ、一種または二種以上の組
み合わせも可能であるがこれらに限定されない。
【0010】架橋性樹脂は、硬化時に揮発成分をほとん
ど発生しない反応をするものから選ばれ、例示すれば、 (1)ビスフェノールAやビスフェノールFのグリシジ
ル化物や、3,4−エポキシシクロへキシルメチル−
3,4−エポキシシクロへキシルカルボキシレートに代
表される液状エポキシ樹脂と、アミノ化合物、フェノー
ル化合物、酸無水物化合物、有機酸化合物あるいはオニ
ウム塩化合物 (2)1,1−ビス(4−シアナートフェニル)エタン
に代表される液状シアン酸エステル樹脂と、金属塩触媒 (3)ビスマレイミド類またはビスマレイミド類とジア
ミン化合物との付加重合物と、アミノ化合物、アリル化
合物あるいはラジカル発生剤 (4)ジアリルフタレートに代表される液状アリル化合
物と、アミノ化合物あるいはラジカ発生剤 (5)トリアリルイソシアヌレートあるいはトリアリル
シアヌレートと、アミノ化合物あるいは過酸化物 (6)ポリエチレングリコール、へキサメチレングリコ
ール、グリセリンに代表される多価活性水素化合物と、
イソシアネート化合物 (7)ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメ
チロールプロパンアルキレンオキシド変性トリアクリレ
ートなどに代表される、液状アクリレート化合物と、ラ
ジカル発生剤 (8)ビニル基含有液状ポリオレフィンと、ラジカル発
生剤 (9)ビニルシラン化合物とSiH基を有する化合物
と、白金触媒 等の熱硬化性樹脂組成物、あるいは、光照射によりフリ
ーラジカル活性種あるいはカチオン活性種を発生させる
光開始剤(例えばフリーラジカル活性種を発生するもの
としては、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導
体、アントラキノン誘導体、トリクロロメチルトリアジ
ン誘導体、アシルホスフィンオキサイド誘導体、α−ヒ
ドロキシケトン誘導体、α−アミノケトン誘導体、ベン
ゾイン誘導体、ベンジルケタール誘導体、アクリジン誘
導体、カルバゾール・フェノン誘導体、あるいはそれら
の組み合わせが好ましく、カチオン活性種を発生するも
のとしては、芳香族スルホニウム塩化合物、芳香族ヨー
ドニウム塩化合物あるいはそれらの組み合わせが好まし
い。)と、それらの活性種と反応する官能基を有する光
反応性樹脂(例えばフリーラジカル種で反応するものと
しては、アクリレート化合物およびメタクリレート化合
物が好ましく、カチオン活性種で反応するものとして
は、脂環式エポキシ化合物、オキセタン化合物、アルケ
ンオキシド化合物、グリシジルエーテル化合物、ビニル
エーテル化合物が好ましい。また、いずれの場合にも2
種以上を混合して用いてもよい。)とを、配合した光硬
化性樹脂組成物を用いることができる。
【0011】ICチップ実装用接着剤は、チップの熱圧
着の前に除くことが可能ならば、溶剤を含んでいてもよ
い。添加溶剤は、公知のものが使用可能である。ただし
硬化反応の後に系内への残存を避けるため、沸点は25
0℃以下が好ましい。例えば、トルエン、シクロへキサ
ン、メチルシクロへキサン、n−へキサン、ペンタンな
どの炭化水素溶媒、イソプロピルアルコール、ブチルア
ルコールなどのアルコール類、シクロへキサノン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケ
トン、イソホロンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸プ
ロピル、酢酸ブチルなどのエステル類、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテートなどの
グリコールモノエーテル類およびそれらのアセテート化
物、さらに以上挙げた溶剤の1種ないしは2種以上の混
合系が用いられる。
【0012】ICチップ実装用接着剤は、以上の各成分
を混合することにより、均一なワニスの形態のもの、あ
るいは撹拌機、ニーダーあるいはロールミルなどの公知
な方法で混練して均一化せしめたもの、あるいはフィル
ム状の形態として得られ、印刷、ディスペンス、貼り付
けなどの公知の方法を用いてICチップ接着部に固定化
される。
【0013】本発明では、図1に示すように、基材1に
対して多面取り状態にして複数の同一のアンテナパター
ンからなる回路2を形成し、そして、図2に示すよう
に、その回路2それぞれにおけるICチップ配置予定位
置にICチップ実装用接着剤3を塗布する。この後、図
3に示すように、前記ICチップ実装用接着剤3を介在
させた状態でICチップ4をICチップ配置予定位置に
配置する。なお、ICチップを搭載する前に、加熱、電
磁波照射あるいは電子線照射などにより前記ICチップ
実装用接着剤を半硬化の状態にしてもよい。なお、IC
チップ自体の接続端子部は公知の方法で形成されたもの
でよい。
【0014】そして本発明では、図4に示すように回路
2を多面取りしてその回路2それぞれにICチップ4を
配置した基材1について、加熱板5と受け台6とで挟み
込み、加熱板5からの加熱によりICチップ4を一括実
装するものである。
【0015】ここで加熱板5は、容易にかつ均一に加熱
・冷却の制御が可能で、平滑性がある板状固体であれば
公知のものを用いることができるが、例示すれば金、
銀、銅、鉄、アルミニウム、ニッケル、マグネシウムな
どの金属板、シリコン板、炭素板、あるいは、金属、シ
リコン、グラファイトとバインダから成る複合板などを
挙げることができる。加熱方法は、棒状或いは面状のヒ
ーターによる直接加熱、輻射熱、あるいは高周波照射に
よる誘導加熱、誘電加熱などの公知の方法で行うことが
できる。また加熱用板5は、定常的に加熱されていて
も、使用時に加熱されてもよい。加熱用板温度は、室温
〜300℃の範囲で制御される。受け台6は、ICチッ
プ実装時に与えられる熱、圧力などの外部刺激に対して
耐性を有し、平滑性、寸法安定性や長期耐久性、および
適度な断熱性をもつ板状固体であれば公知のものを用い
てよい。特にICチップ実装用接着剤の硬化に光をも用
いる場合は、光の波長域を選択できる素材、例えば、石
英をはじめとするガラス素材、フィルム素材あるいはそ
れらの複合体や、さらにそれらに金属薄膜処理をしたも
のなどを用いることが好ましい。
【0016】ICチップ実装時は、受け台6上の基材1
上に配置されたICチップ4すべてを覆うようにして、
加熱板5を近接あるいは密着するようにICチップ4の
上に配する。さらに加圧する場合は、実装に支障をきた
さないようにICチップ一個あたり0.01〜1.0M
Paの圧力がかかる条件で行う。ICチップ実装時には
電磁波を照射してもよいが、用いることのできる電磁波
は、マイクロ波から、赤外線、可視光、紫外光、真空紫
外線、X線に至る、波長にして1〜10-12 mの範囲内
で任意に用いることができる。マイクロ波で適切な周波
数を用いれば選択的に接着性物質の加熱融着あるいは硬
化をすることが可能であるし、赤外線は密度の低い基材
を透過して接着部を加温することにより接着性物質が熱
可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であっても適用でき
る。さらに可視部、紫外部の光を一部透過する基材、例
えばポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリメタクリル酸エステ
ル、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォンなどの
基材に関しては、透過光により接着部を光架橋して固定
化することができる。さらにエネルギーの高い電磁波で
あれば基材を共通して接着性物質に作用を及ぼして接着
することが可能となる。電磁波は、加熱用板5側からで
も受け台6側からでも全体からでも照射可能である。
【0017】ICチップ実装時に、ICチップ以外の基
材あるいは基材上に形成されたアンテナ回路への熱ある
いは電磁波の影響を抑えるために、図6に示すように、
加熱板5と基材1との間に、断熱用板またはシート7を
挟んでもよいが、ICチップ実装自体の効率は落とさな
いために、断熱用板またはシート7のICチップ上面に
当たる部分あるいはその周辺部も含む部分は、図5に示
すように、空孔8を設けてもよいし、さらにその空孔8
を網目横造としてもよい。断熱用板またはシートは、加
熱板と、基材あるいは基材上に形成された回路との断熱
を達成し、ICチップ実装時の熱的影響、電磁波的影響
を受けず、異物混入などの影響を与えないなどの目的を
達せられるものならば、公知の板状物あるいはシート状
の材料を用いることができる。例示すれば、ガラス、ア
スベスト、アラミド布、コルク、石膏、あるいは、グラ
スファイバー、炭素繊維、アラミド繊維、アルミナ繊
維、タルク、アルミナ、マイカ等とバインダーから成る
複合材等を挙げることができる。
【0018】本発明を利用したプロセスは、基材の単票
処理、連続処理にも応用することができ、上記条件を阻
害することがない限り、適切な加熱・冷却機構、雰囲気
制御、圧力制御、電磁波遮蔽機構などが付与されていて
もよい。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のICチッ
プの実装方法によれば、基材に複数の回路を形成して、
該複数の回路のICチップ配置予定位置それぞれにIC
チップ実装用接着剤を介してICチップを配置し、配置
されたICチップ全てを覆う広さの加熱板をICチップ
上に配し、前記加熱板からの加熱によりICチップそれ
ぞれを一括的に回路に実装することを特徴とするもので
あり、これによって、基材上に形成された複数の回路そ
れぞれに対して一度にICチップを実装でき、従来のボ
ンディング装置のヘッドをマルチヘッド化した場合に比
べても、設備コストを低くすることができ、マルチヘッ
ド化した場合のヘッドスピードのタクト時間の制限やヘ
ッド自体の大きさによる面取り数の制限などは生じない
ものとなる。よって、ICチップを効率良く実装できる
ようになるなど、実用性に優れた効果を奏するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るICチップの実装方法の一例にお
いて複数の回路が形成された字基材を示す説明図であ
る。
【図2】ICチップ実装用接着剤を配した状態を示す説
明図である。
【図3】ICチップを配置した状態を示す説明図であ
る。
【図4】回路に配されたICチップを実装する状態を示
す説明図である。
【図5】他の実施の例における断熱板またはシートを示
す説明図である。
【図6】他の実施例によりICチップの実装を示す説明
図である。
【符号の説明】 1…基材 2…回路 3…ICチップ実装用接着剤 4…ICチップ 5…加熱板

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材に複数の回路を形成して、該複数の回
    路のICチップ配置予定位置それぞれにICチップ実装
    用接着剤を介してICチップを配置し、配置されたIC
    チップ全てを覆う広さの加熱板をICチップ上に配し、
    前記加熱板からの加熱によりICチップそれぞれを一括
    的に回路に実装することを特徴とするICチップの実装
    方法。
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Cited By (6)

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