JP2001126647A - 陰極線管用パネル及びその製造方法 - Google Patents

陰極線管用パネル及びその製造方法

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JP2001126647A JP2000225781A JP2000225781A JP2001126647A JP 2001126647 A JP2001126647 A JP 2001126647A JP 2000225781 A JP2000225781 A JP 2000225781A JP 2000225781 A JP2000225781 A JP 2000225781A JP 2001126647 A JP2001126647 A JP 2001126647A
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ray tube
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conductive film
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Toshimasa Kanai
敏正 金井
Tsutomu Imamura
努 今村
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】陰極線管の製造工程に伴う加熱処理による導電
性の劣化が極めて少なく、電極として安定した特性を維
持できるアース用電極部を備え、パネル外表面に形成さ
れた多層膜の導電膜に帯電する電荷を確実に効率よくア
ースでき、加えて環境対策にも寄与し得る陰極線管用パ
ネルを提供するとともに、前記多層膜を傷付けることな
く、しかも容易にしてアース用電極部を形成できる陰極
線管用パネルの製造方法を提供する。 【解決手段】導電膜と該導電膜の上に最外層としての絶
縁膜とを有する多層膜11を外表面に備え、前記絶縁膜
の上にSnを主成分とし、Pbを含まない合金半田15
を超音波振動下で半田付けして形成されたアース用電極
部16を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電膜とその上に
絶縁膜を有する多層膜とともに導電膜に帯電する電荷を
アースするためのアース用電極部を備えた陰極線管用パ
ネルと、その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】陰極線管は、画像が映し出されるパネル
と、その後部構造体となるファンネルおよびネックから
構成されている。
【0003】陰極線管は、ネック管内の電子銃から出る
電子ビームをファンネルの外周に取り付けられた偏向ヨ
ークにより偏向させ、パネル裏面の蛍光面に走査させる
ため、その作動時において、偏向ヨークから発生する不
要電磁波の漏洩、或いはパネル前面の帯電が生じ易くな
る。かかる不要電磁波は陰極線管の周囲にある他の電子
機器を誤動作させる原因にもなり、また、パネル前面の
電荷の帯電はパネルに塵や埃を付着させる。
【0004】そのため、従来の陰極線管は、これら不要
電磁波の漏洩や帯電の防止を図るために、陰極線管用パ
ネルの外表面に、例えば金属酸化物、金属微粒子、金属
窒化物等による導電膜が形成されている。
【0005】しかしながら、上記導電膜は表面が鏡面状
態を呈し、しかも屈折率はガラスのそれよりも高いこと
から、高い導電性を得るために導電膜の膜厚を大きくす
ると、表面反射率が増大し、画像が見えにくくなるとい
う問題があるため、かかる導電膜を単体で用いることは
実用に供しない。そのため、通常は、導電膜の上に例え
ばSiOのような屈折率の低い材料からなる絶縁膜を
形成しておくことにより、反射防止性を付与することが
行われている。
【0006】斯様にして、従来の陰極線管においては、
導電性と反射防止性の両性能を付与するため陰極線管用
パネルの外表面に多層膜が形成されている。この場合、
導電膜は陰極線管パネルの外表面に直接形成される場合
だけでなく、他の膜を介して、2層目以降に形成される
場合があるが、絶縁膜については反射防止性の観点から
多層膜の最外層膜として形成される必要がある。
【0007】また、陰極線管は、その作動時において導
電膜に帯電した電荷を、例えばパネルのスカート部に巻
回された補強用の金属バンドを通じて外部アースに取り
出すが、反射防止の観点から多層膜の最外層に絶縁膜が
形成された従来の陰極線管用パネルにおいては、導電膜
と金属バンドとの間に絶縁膜を介している分、抵抗値が
高くなり、十分な導通が得られないため、アースが良好
に行われないという問題がある。特に、電磁波遮蔽の観
点から内層の導電膜が非常に高い導電性を有する場合に
は、非常に高い電圧の静電気が蓄積されるため、結果的
に絶縁膜の一部が絶縁破壊を生じ、膜の損傷を惹起する
という問題がある。
【0008】斯様な問題に対しては、例えばマスキング
テープを使用することにより、多層膜形成終了時におい
て内層の導電膜の一部を露出させ、この露出部分と金属
バンドを導通させるようにした陰極線管用パネルや、或
いは、特公平7−87076号公報に記載されているよ
うな、多層膜の最外層の絶縁膜上から、Sn−Pb合金
を主成分とする金属半田を超音波振動下で半田付けする
ことにより、該合金半田を最外層から内層に向かって浸
透させて電極部を形成し、そこから導通を図るようにし
た陰極線管用パネルが提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
場合には、マスキングテープの貼着工程と剥離工程とい
う工程数の増加により生産性の低下を来すとともに、マ
スキングテープの剥離時にマニュピレータの作業爪が、
パネルの外表面に形成された膜を傷付けるという問題が
ある。
【0010】また、後者の場合には、陰極線管の製造工
程における加熱処理により、パネルに形成された電極部
が酸化されたときに、電極部の抵抗値が増大して導電率
の低下を来し、良好なアース効果が得られないという問
題がある。
【0011】即ち、陰極線管の製造工程では、陰極線管
用パネルにファンネルおよびネックが封着されることに
より陰極線管用バルブが作製され、その後にバルブ内部
を真空化するために排気されるが、斯様な封着工程や排
気工程には350〜450℃の加熱処理が伴うため、陰
極線管用パネルに形成されたSn−Pbを主成分とする
合金半田からなる電極部が、かかる加熱処理により酸化
される。
【0012】SnおよびPbの比抵抗は、Snが11×
10−6Ω・cm、Pbが2.1×10−5Ω・cmと
非常に小さいのに対して、SnOの比抵抗は1×10
Ω・cm、PbOの比抵抗は7×10Ω・cmであ
り、上記加熱によりSn−Pb合金半田が酸化されると
電極部の抵抗値が増大する。特にPbOの比抵抗はSn
の比抵抗と比較して遙かに大きいので、合金半田に
含まれるPbが酸化した場合、電極部の抵抗値上昇の大
きな要因となり、良好なアース効果が得られなくなる。
【0013】また、近年では、Pbによる毒性が、電極
部自体や電極部形成時に生成するヒューム等により人体
や環境への悪影響を及ぼす虞があることから、環境面か
らも半田中のPb規制に関する問題が急浮上してきてい
る。
【0014】本発明の目的は、上記のような陰極線管の
製造工程に伴う加熱処理による導電性の劣化が極めて少
なく、電極として安定した特性を維持できるアース用電
極部を備え、パネル外表面に形成された多層膜の導電膜
に帯電する電荷を確実に効率よくアースでき、加えて環
境対策にも寄与し得る陰極線管用パネルを提供するとと
もに、前記多層膜を傷付けることなく、しかも容易にア
ース用電極部を形成できる陰極線管用パネルの製造方法
を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、パネル表面の
帯電防止および反射防止のために、パネルの外表面に導
電膜と該導電膜の上に最外層としての絶縁膜とを有する
多層膜を備えた陰極線管用パネルにおいて、前記最外層
の絶縁膜上に、Snを主成分とし残りの成分がPbを除
く他の金属からなる合金半田を、前記最外層の絶縁膜か
ら前記導電膜に浸透到達させることにより形成したアー
ス用電極部が設けられていることを特徴とする。
【0016】また、本発明で用いられる合金半田は、主
成分としてのSnを50重量%以上含み、残りの50重
量%未満が、Zn、Sb、In、Bi、Ag、Au、A
l、Pt、Pd、Rh、Os、RuおよびCuから選ば
れる少なくとも1種の金属を含むことを特徴とする。
【0017】また、本発明で用いられるより好適な合金
半田としては、主成分としてのSnを50重量%以上含
み、残りの50重量%未満が、Zn、Sbおよび/また
はInからなり、かつ、Znが1重量%以上、Sbおよ
び/またはInが15重量%以下の合金半田である。
【0018】また、本発明の陰極線管用パネルの製造方
法は、導電膜と該導電膜の上に最外層としての絶縁膜と
を有する多層膜をパネルの外表面に形成した後、超音波
振動下で最外層の絶縁膜の上にSnを主成分とし残りの
成分がPbを除く他の金属からなる合金半田を半田付け
して、前記合金半田を最外層の絶縁膜から内層の導電膜
に浸透到達させてアース用電極を形成することを特徴と
する。
【0019】本発明の陰極線管用パネルにおけるアース
用電極部を形成する合金半田は、Snを主成分としてい
ることからその抵抗値は極めて小さく、しかもSnの場
合、酸化されてSnOとなってもそれによる導電性の
低下はPbOと比較して小さいことにより、陰極線管の
製造工程に伴う加熱処理が施されても電極と導電膜との
界面での低抵抗が維持され、良好なアースが得られると
ともに、Pbを含有してないことにより、Pbによる環
境汚染対策にも寄与する。
【0020】また、さらに高い導電率と合金半田の溶解
時における低流動性を得るためには、前記合金半田の残
りの50重量%未満が、Zn、Sb、In、Bi、A
g、Au、Al、Pt、Pd、Rh、Os、Ruおよび
Cuから選ばれる少なくとも1種の金属からなることが
好ましい。これらの金属材料は、その添加により合金半
田の導電率が高くなるが、一方でこれらの金属材料の含
有量が多すぎると、合金半田の融点の上昇に伴い、作業
性、加工性の低下が著しくなることから、これらの金属
材料の含有量は合金半田の50重量%未満とする。
【0021】上記金属材料において、特に高い導電性を
得る目的ではSbをSnのドーパントとして用いること
が好ましく、また、陰極線管の製造工程で陰極線管用パ
ネルに施される熱処理に伴う酸化に抗するためのより優
れた耐酸化性を付与するためには、Znを用いることが
好ましい。更に、より優れた作業性、加工性の点を付与
するためには、融点がSnより低いInを用いることが
好ましい。また、これらZn、Sb、Inは、コスト、
量産性の点においても優れている。
【0022】上記合金半田が、SnとZnとSbおよび
/またはInからなる場合、本発明では、Snを50〜
99重量%、Znを1重量%以上、Sbおよび/または
Inを15重量%以下とする。
【0023】半田合金に耐酸化性とともに高い導電性を
付与するZnは、その含有量が多すぎると作業上加工性
が著しく低下するが、所望の耐酸化性および導電性の両
特性を得るためには、その含有量を1重量%以上、より
好ましくは2〜6重量%とする。Sbは、上記金属材料
の中で、Snの導電性を向上させる上で最適な特性を有
しているが、Znと同様にその含有量が多すぎると作業
性、加工性が著しく低下する。
【0024】また、融点がSnより低いInは、作業
性、加工性を向上させる特性を有するが、その含有量が
多すぎると、半田加工時にひび割れ等を惹起する虞があ
り、逆に加工性を低下させることになる。従って、上記
Sb、Inの含有量は、15重量%以下、より好ましく
は1〜12重量%とする。
【0025】また、本発明においては、超音波振動下で
最外層の絶縁膜の上にSnを主成分とする合金半田を半
田付けして、前記金属半田を最外層の絶縁膜から内層の
導電膜に浸透到達させていることにより、合金半田の融
解塗布時の気泡の発生を抑制し、濡れ性を向上させて、
導電膜までの浸透速度を促進することができる。超音波
振動下での半田付けは、例えば、半田ごて或いは多層膜
が形成された陰極線管用パネルに超音波振動を付与しな
がら、150〜400℃程度で合金半田を融解塗布し、
絶縁膜から内層に浸透させる。
【0026】アース用電極部は、陰極線管用パネルに形
成された多層膜の絶縁膜上の周縁部であれば、特に、そ
の位置、個数、形状等に関して制限はされないが、アー
ス効果を十分に得るためには、2箇所以上に、より多面
積で形成する方が好ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、実施例に基づいて本発明の
陰極線管用パネルとその製造方法につき説明する。
【0028】図1は本発明の陰極線管用パネルの縦断面
図、図2は本発明の陰極線管用パネルの製造方法の説明
図、図3はアース用電極部の形成位置を示すパネルガラ
スの平面図である。
【0029】(実施例1)まず、パネルガラス10を洗
浄、乾燥した後、マグネトロンスパッタリング装置によ
り、パネルガラスの外表面に、導電性と反射防止性を付
与するための多層膜11を形成した。
【0030】多層膜11は6層からなり、導電膜12と
窒化絶縁膜13と最外層となる酸化絶縁膜14からな
り、具体的には、パネルガラス10側から第1層目とし
て15nmの膜厚を有するSiN薄膜(屈折率2.
1)、第2層目として15nmの膜厚を有するTiN薄
膜(屈折率2.2)、第3層目として55nmの膜厚を
有するSiN薄膜(屈折率2.1)、第4層目として1
5nmの膜厚を有するTiN薄膜(屈折率2.2)、第
5層目として10nmの膜厚を有するSiN薄膜(屈折
率2.1)、第6層目として80nmの膜厚を有するS
iO(屈折率1.5)を形成した。
【0031】次いで、超音波振動を付与された半田ごて
を用いて、最外層の酸化絶縁膜14上に、Snが97重
量%、Znが2重量%、Sbが1重量%よりなる合金半
田15を塗布して半田付けし、前記合金半田15を最外
層の酸化絶縁膜14から内層の導電膜12に浸透到達さ
せてアース用電極部16を形成した。合金半田15は、
図2(a)に示すように、超音波振動下において多層膜
の最外層の酸化絶縁膜14上から融解しながら、図2
(b)に示すように内層に浸透到達することにより、T
iN薄膜からなる導電膜12と導通した状態を呈する。
【0032】アース用電極部16は、図3に示すよう
に、多層膜11が形成されたガラスパネル10の短辺側
中央に2箇所形成した。
【0033】(実施例2)実施例1と同様の多層膜11
が形成されたガラスパネル10に対し、超音波振動を付
与された半田ごてを用いて、最外層の酸化絶縁膜14上
に、Snが85重量%、Znが5重量%、Sbが5重量
%、Inが5重量%よりなる合金半田15を塗布して半
田付けし、前記合金半田15を最外層の酸化絶縁膜14
から内層に浸透到達させてアース用電極部16を形成し
た。アース用電極部16は、多層膜11が形成されたガ
ラスパネル10の短辺側中央に2箇所形成した。
【0034】(実施例3)実施例1と同様の多層膜11
が形成されたガラスパネル10に対し、超音波振動を付
与された半田ごてを用いて、最外層の酸化絶縁膜14上
に、Snが88重量%、Inが10重量%、Agが2重
量%よりなる合金半田15を塗布して半田付けし、前記
合金半田15を最外層の酸化絶縁膜14から内層に浸透
到達させてアース用電極部16を形成した。アース用電
極部16は、多層膜11が形成されたガラスパネル10
の短辺側中央に2箇所形成した。
【0035】(実施例4)実施例1と同様の多層膜11
が形成されたガラスパネル10に対し、超音波振動を付
与された半田ごてを用いて、最外層の酸化絶縁膜14上
に、Snが80重量%、Znが10重量%、Biが10
重量%よりなる合金半田15を塗布して半田付けし、前
記合金半田15を最外層の酸化絶縁膜14から内層に浸
透到達させてアース用電極部16を形成した。アース用
電極部16は、多層膜11が形成されたガラスパネル1
0の短辺側中央に2箇所形成した。
【0036】(比較例1)実施例1と同様の多層膜が形
成されたガラスパネル10に対し、超音波振動を付与さ
れた半田ごてを用いて、最外層の酸化絶縁膜上に、Sn
が53重量%、Pbが32.5重量%、Znが14重量
%、Sbが0.5重量%よりなる合金半田を塗布して半
田付けし、アース用電極部を形成した。アース用電極部
は、多層膜が形成されたガラスパネルの短辺側中央に2
箇所形成した。
【0037】(比較例2)実施例1と同様の多層膜が形
成されたガラスパネル10に対し、超音波振動を付与さ
れた半田ごてを用いて、最外層の酸化絶縁膜上に、Pb
が75重量%、Inが25重量%よりなる合金半田を塗
布して半田付けし、アース用電極部を形成した。アース
用電極部は、多層膜が形成されたガラスパネルの短辺側
中央に2箇所形成した。
【0038】(比較例3)実施例1と同様の多層膜が形
成されたガラスパネル10に対し、超音波振動を付与さ
れた半田ごてを用いて、最外層の酸化絶縁膜上に、Pb
が85重量%、Inが5重量%、Znが10重量%より
なる合金半田を塗布して半田付けし、アース用電極部を
形成した。アース用電極部は、多層膜が形成されたガラ
スパネルの短辺側中央に2箇所形成した。
【0039】これらの各ガラスパネルについて、形成さ
れた2個のアース用電極部16間の端子間抵抗値を測定
し、次いで、各ガラスパネルを450℃、60分間で加
熱処理した後、再度アース用電極部16間の端子間抵抗
値を測定し、両者の抵抗値を比較した。
【0040】各ガラスパネルの加熱処理前と加熱処理後
の端子間抵抗値を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】表1において、加熱処理前の端子間抵抗値
は全て250Ωとなっているが、加熱処理前の酸化され
ていない合金半田は良導電体であるので、この250Ω
の抵抗値はアース用電極部16間に接続されたTiN薄
膜からなる導電膜12の抵抗値である。一方、加熱処理
後の端子間抵抗値は、実施例1〜4では加熱処理前と比
較して殆ど変化しないが、比較例1〜3では加熱処理前
と比較して大幅に増加している。
【0043】これは、Snが加熱処理により酸化してS
nOに変化したことによるアース用電極部の抵抗値の
変化は、TiN導電膜12の抵抗値250Ωと比較して
無視できる程度のものであることを示すとともに、一
方、比較例1〜3のように合金半田にPb成分を含む場
合には、Pbが加熱処理により酸化してPbOに変化す
ることによる比抵抗の増大がアース用電極部の抵抗値増
大要因として作用し、端子間抵抗値が増大したものと解
される。
【0044】このように、Snを主成分としPbを含ま
ない合金半田を用いた本発明にかかる実施例1〜4のガ
ラスパネルの端子間抵抗値は、加熱処理前と加熱処理後
において殆ど変化がなく、加熱処理後も端子間抵抗値に
影響を及ぼすことがない極めて安定した特性を維持して
いることがわかる。
【0045】
【発明の効果】本発明は、Snを主成分としPbを含ま
ない合金半田を用いてアース用電極部を形成しているの
で、陰極線管の製造工程に伴う加熱処理によりアース用
電極部の導電性の劣化が極めて少なく、電極として安定
した特性を維持でき、パネル外表面に形成された多層膜
内の導電膜に帯電する電荷を確実に効率よくアースでき
る。また、環境対策にも寄与し得、しかも多層膜を傷付
けることなく容易にアース用電極部を形成できるという
優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の陰極線管用パネルの縦断面図である。
【図2】本発明の陰極線管用パネルの製造方法の説明図
である。
【図3】アース用電極部の形成位置を示すパネルガラス
の平面図である。
【符号の説明】
10 パネルガラス 11 多層膜 12 導電膜 13 窒化絶縁膜 14 酸化絶縁膜 15 合金半田 16 アース用電極部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電膜と該導電膜の上に最外層としての
    絶縁膜とを有する多層膜をパネルの外表面に備えた陰極
    線管用パネルにおいて、 前記最外層の絶縁膜上に、Snを主成分とし残りの成分
    がPbを除く他の金属からなる合金半田を、前記最外層
    の絶縁膜から前記導電膜まで浸透到達させることにより
    形成したアース用電極部が設けられていることを特徴と
    する陰極線管用パネル。
  2. 【請求項2】 前記合金半田は、主成分としてのSnを
    50重量%以上含むとともに、50重量%未満の、Z
    n、Sb、In、Bi、Ag、Au、Al、Pt、P
    d、Rh、Os、RuおよびCuから選ばれる少なくと
    も1種の金属を含むことを特徴とする請求項1記載の陰
    極線管用パネル。
  3. 【請求項3】 前記合金半田は、50重量%以上のSn
    と、1重量%以上のZnと、15重量%以下のSbおよ
    び/またはInを含むことを特徴とする請求項1または
    2記載の陰極線管用パネル。
  4. 【請求項4】 導電膜と該導電膜の上に最外層としての
    絶縁膜とを有する多層膜をパネルの外表面に形成した
    後、超音波振動下で最外層の絶縁膜の上にSnを主成分
    とし残りの成分がPbを除く他の金属からなる合金半田
    を半田付けして、前記合金半田を最外層の絶縁膜から内
    層の導電膜に浸透到達させてアース用電極を形成するこ
    とを特徴とする陰極線管用パネルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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