JP2001126536A - 架橋ポリエチレン電線・ケーブル及び架橋ポリエチレン電線・ケーブルの製造法 - Google Patents

架橋ポリエチレン電線・ケーブル及び架橋ポリエチレン電線・ケーブルの製造法

Info

Publication number
JP2001126536A
JP2001126536A JP30389999A JP30389999A JP2001126536A JP 2001126536 A JP2001126536 A JP 2001126536A JP 30389999 A JP30389999 A JP 30389999A JP 30389999 A JP30389999 A JP 30389999A JP 2001126536 A JP2001126536 A JP 2001126536A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyethylene
low
crosslinked
cable
blend
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP30389999A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4221848B2 (ja
Inventor
Katsutoshi Hanawa
勝利 塙
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Cable Ltd filed Critical Hitachi Cable Ltd
Priority to JP30389999A priority Critical patent/JP4221848B2/ja
Publication of JP2001126536A publication Critical patent/JP2001126536A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4221848B2 publication Critical patent/JP4221848B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Insulating Materials (AREA)
  • Processes Specially Adapted For Manufacturing Cables (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】より大形で且つより長尺な冷却設備を必要とし
ないでポリエチレン絶縁被覆層の長さ方向の収縮現象
(シュリンクバック)を効果的に抑止することができる
水架橋型の架橋ポリエチレン電線・ケーブル及び架橋ポ
リエチレン電線・ケーブルの製造法を提供すること。 【解決手段】ポリエチレン、シラン化合物、遊離ラジカ
ル生成化合物、シラノール縮合触媒を配合して成るシラ
ン架橋性ポリエチレン組成物の水架橋体を絶縁被覆層と
して有する架橋ポリエチレン電線・ケーブルにおいて、
前記ポリエチレンは結晶化温度の差が10℃以上ある2
種の低密度ポリエチレンのブレンド物から成り、且つ該
2種の低密度ポリエチレンのうちのブレンド量が少ない
側の低密度ポリエチレンのブレンド量は前記ブレンド物
の30重量%以上であることを特徴とする架橋ポリエチ
レン電線・ケーブル及びその製造方法にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は架橋ポリエチレン電
線・ケーブル及び架橋ポリエチレン電線・ケーブルの製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】架橋ポリエチレン電線・ケーブルは電気
的特性、機械的特性、化学的特性、耐熱、布設工事性等
が優れていることから高電圧用電力ケーブルとして広く
実用されるようになってきている。
【0003】この種の架橋ポリエチレン電線・ケーブル
の製造方法は、その架橋ポリエチレン絶縁被覆層の架橋
方法により次の3方法が実用されている。
【0004】(1)電子線照射架橋法 (2)有機過酸化物による化学反応架橋法 (3)水架橋法 これらのうち(1)の電子線照射架橋法では、高価で大
形の電子線照射架橋設備や電子線遮蔽装置が必要である
という難点がある。
【0005】また、(2)有機過酸化物による化学反応
架橋法では、高価で且つ長尺しかも大形の化学反応架橋
装置が必要であることが難点である。
【0006】これらに対して(3)の水架橋法では、ま
ずポリエチレン絶縁被覆層に水を吸収させ、その吸収し
た水を介して水架橋する方法である。従って水架橋法で
は高価な架橋設備を必要としないことからその初期設備
投資費用が少なく、そのため水架橋法は架橋ポリエチレ
ン電線・ケーブルの製造方法として多用されるようにな
ってきている。例えば、架橋ポリエチレン絶縁被覆層が
厚い中電圧クラスの架橋ポリエチレン電線・ケーブルや
屋外用架橋ポリエチレン電線(電線略号;OC)の製造
方法等に活用されるようになってきている。
【0007】ところでこの水架橋法による架橋ポリエチ
レン電線・ケーブルの製造方法は、次のように行われて
いる。
【0008】 シラン架橋性ポリエチレン組成物の作
成 まず、ポリエチレンに、シラン化合物、遊離ラジカル生
成化合物、シラノール縮合触媒、必要に応じてその他の
配合剤等を配合して成るシラン架橋性ポリエチレン組成
物を作成する。
【0009】ここにおいてシラン化合物としては、一般
式RR′SiY2 (式中Rは一価のオレフィン性不飽和
炭化水素基またはハイドロカーボン基、Yは加水分解し
得る有機基、R′は脂肪性不飽和を含まない一価の炭化
水素基又は基Yである)が用いられている。また、遊離
ラジカル生成化合物としては、有機過酸化物が用いられ
る。シラノール縮合触媒としては有機錫化合物等があ
る。そしてその他の配合剤としては老化防止剤、充填剤
等がある。
【0010】 シラン架橋性ポリエチレン組成物のシ
ラングラフト化 次に、上記で作成したシラン架橋性ポリエチレン組成物
は、高温下でポリエチレンに、シラン化合物及び遊離ラ
ジカル生成化合物を反応させることによりシラングラフ
トしたシラン架橋性ポリエチレン組成物コンパウンドと
する。
【0011】一般に、この高温下でのシラングラフト化
反応は未架橋ポリエチレン電線・ケーブルを製造すると
きに行われる。つまりシラン架橋性ポリエチレン組成物
を押出機により未架橋ポリエチレン絶縁被覆層として押
出し被覆する際、押出機のスクリュー内の高温によりシ
ラングラフト化反応を起こし、それによりシラングラフ
トしたシラン架橋性ポリエチレン組成物コンパウンドと
するのである。
【0012】 水架橋 次に、上記で得られたシラングラフトしたシラン架橋性
ポリエチレン組成物コンパウンド被覆層を有する未架橋
ポリエチレン電線・ケーブルに水を吸収させる。この水
を吸収した未架橋ポリエチレン電線・ケーブルのシラン
グラフトしたシラン架橋性ポリエチレン組成物コンパウ
ンド被覆層は、加水分解及び縮合架橋反応が起こり、そ
れにより水架橋する。即ち、この水架橋により架橋ポリ
エチレン電線・ケーブルが得られるのである。
【0013】さて、前述したようにこの水架橋法は厚肉
の架橋ポリエチレン電線・ケーブルや屋外用架橋ポリエ
チレン電線(電線略号;OC)の製造方法等に利用され
ている。
【0014】さて、厚肉の架橋ポリエチレン電線・ケー
ブルを水架橋法で製造するときに最も問題となること
は、押出し及び冷却過程で発生するポリエチレン絶縁被
覆層の大きな収縮の問題である。つまり、シラン架橋性
ポリエチレン組成物を押出機により厚肉の未架橋ポリエ
チレン絶縁被覆層として押出し被覆したときには、その
押出し後にその未架橋ポリエチレン絶縁被覆層が長さ方
向に大きく収縮現象(シュリンクバックとも言われてい
る)が発生する。
【0015】この収縮量が大きい厚肉の架橋ポリエチレ
ン電線・ケーブルは使用中のヒートサイクルを受けたと
きに端末の突出し現象が起こり、そしてその端末より浸
水し易いという懸念がある。
【0016】従来、このような押出機によりシラン架橋
性ポリエチレン組成物を厚肉の未架橋ポリエチレン絶縁
被覆層として押出し被覆したときに発生する大きな収縮
の防止対策としては、その押出し後の未架橋ポリエチレ
ン電線・ケーブルを大形で且つ長尺な冷却装置等を介し
て徐冷するようになっていた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかし厚肉の架橋ポリ
エチレン電線・ケーブルは太径で且つ長尺であることか
ら、より大形で且つより長尺な冷却設備が必要である。
このより大形で且つより長尺な冷却設備は設置スペース
を大きくとる必要があり、しかもその初期設備投資資金
が大きくなる。そのため水架橋法により厚肉の架橋ポリ
エチレン電線・ケーブルするときには、水架橋法の損初
期設備投資資金が少ないという特長が損なわれてしまう
という難点があった。
【0018】本発明はかかる点に立って為されたもので
あって、その目的とするところは前記した従来技術の欠
点を解消し、より大形で且つより長尺な冷却設備を必要
としないでポリエチレン絶縁被覆層の長さ方向の収縮現
象(シュリンクバック)を効果的に抑止することができ
る水架橋型の架橋ポリエチレン電線・ケーブル及び架橋
ポリエチレン電線・ケーブルの製造法を提供することに
ある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、ポリエチレン、シラン化合物、遊離ラジカル生成
化合物、シラノール縮合触媒を配合して成るシラン架橋
性ポリエチレン組成物の水架橋体を絶縁被覆層として有
する架橋ポリエチレン電線・ケーブルにおいて、前記ポ
リエチレンは結晶化温度が異なる2種の低密度ポリエチ
レンをブレンドして成るブレンドポリエチレンから成
り、且つ2種の低密度ポリエチレンの結晶化温度差が1
0℃以上あり、しかも該2種の低密度ポリエチレンのう
ちのブレンド量が少ない低密度ポリエチレンのブレンド
量が30重量%以上占めるように構成されたものである
ことを特徴とする架橋ポリエチレン電線・ケーブル及び
その製造方法にある。
【0020】さて、図2はポリエチレンの示差走査熱分
析(DSC)曲線を示したものである。
【0021】図2から分かるように、これらのポリエチ
レンは溶融状態から冷却する過程において結晶化温度に
リンクした発熱のピークが観察される。
【0022】この発熱ピークは結晶化温度であって、こ
の前後でポリエチレンは溶融相より固相に変化すること
になる。一般に、この発熱ピーク(結晶化温度)はポリ
エチレンの密度によって異なるものである。
【0023】押出機によりシラン架橋性ポリエチレン組
成物を厚肉の未架橋ポリエチレン絶縁被覆層として押出
し被覆し、それから冷却設備で冷却したときには、この
発熱ピーク(結晶化温度)の前後でポリエチレン分子が
十分なる結晶構造を作れずに配向したまま凍結し、それ
以降の工程で熱履歴を受けたときに収縮現象(シュリン
クバック)となって観察される。
【0024】即ち、本発明はこのような急激な冷却を受
けたときにおいてもポリエチレン分子の急激な凍結を抑
えるようにしたものである。つまり本発明者はこのポリ
エチレン分子の急激な凍結を抑えるにためにDSCの発
熱ピーク(結晶化温度)を広げることが有効であること
を見い出し、本発明に至ったのである。つまり本発明で
は結晶化温度が10℃以上離れた2種のポリエチレンを
ブレンドしたブレンドポリエチレンを用いることにより
収縮現象(シュリンクバック)を効果的に抑止したもの
である。
【0025】
【発明の実施の形態】次に、本発明の架橋ポリエチレン
電線・ケーブル及び架橋ポリエチレン電線・ケーブルの
製造方法の実施の形態について説明する。
【0026】本発明においてブレンドポリエチレンとし
ては、高圧法低密度ポリエチレン同志のブレンドポリエ
チレン、低圧法低密度ポリエチレン同志のブレンドポリ
エチレン、高圧法低密度ポリエチレンと低圧法低密度ポ
リエチレンとのブレンドポリエチレンの中から選ばれた
1種であることが好ましい。
【0027】本発明において低密度ポリエチレンとして
は、密度0.910〜0.935の低密度ポリエチレン
であることが好ましい。また、本発明において用いられ
るポリエチレンとしてはメルトインデックスは規定され
ないが、押出し性等から0.2〜3.0のものが望まし
い。
【0028】ここにおいて密度が0.910〜0.93
5の低密度ポリエチレンとしたのは、密度が0.935
以上のポリエチレンでは剛性が大きく、その結果得られ
る架橋ポリエチレン電線・ケーブルの曲げ特性等が悪化
するためである。逆に0.910以下の低密度ポリエチ
レンでは機械的及び電気的強度が弱いためである。
【0029】水架橋方式により架橋ポリエチレン電線・
ケーブルを製造するとき、二段階方式と一段階方式の2
方式があるが、本発明ではどちらの方式に対しても有効
である。
【0030】また、本発明において用いられるシラン化
合物、開始剤、酸化防止剤、触媒等は、従来既知のもの
を使用することができる。
【0031】
【実施例】本発明の架橋ポリエチレン電線・ケーブル及
び架橋ポリエチレン電線・ケーブルの製造方法の実施例
及び従来の比較例について説明する。
【0032】まず、用いた材料及び架橋ポリエチレン電
線・ケーブルの製造条件について説明する。
【0033】a.実施例及び比較例に用いたポリエチレ
ン 実施例及び比較例に用いたポリエチレンは表1に示すも
のである。
【0034】実施例及び比較例ではこれらのポリエチレ
ンを単独若しくはブレンドポリエチレンとして使用し
た。
【0035】
【表1】
【0036】b.シラン架橋性ポリエチレン組成物の作
成 上記aの単独ポリエチレン若しくはブレンドポリエチレ
ンの100重量部当たり、シラン化合物、遊離ラジカル
生成化合物、シラノール縮合触媒、老化防止剤、カーボ
ンブラックをそれぞれ配合することによりシラン架橋性
ポリエチレン組成物を作成した。
【0037】ここにおいてカーボンブラックはマスター
バッチ方式で配合した。
【0038】混合作業は、タンブラーの中で行った。
【0039】また、シランに溶解する他の配合剤はシラ
ンに溶解することによりシランカクテルとし、そのシラ
ンカクテルを注入ポンプにより押出機のホッパー下から
所定量連続注入しながらグラフトさるようにした。
【0040】表2はその用いた材料名と配合量を示した
ものである。
【0041】
【表2】
【0042】c.架橋ポリエチレン電線・ケーブルの製
造 次に、上記で得た実施例及び比較例のシラン架橋性ポリ
エチレン組成物は、それぞれ押出機により撚線導体上に
押出し被覆することにより未架橋ポリエチレン電線・ケ
ーブル(電線略号;OC)を製造した。
【0043】この押出機により撚線導体上に押出し被覆
する過程でシラン架橋性ポリエチレン組成物はシラング
ラフト化し、それによりシラングラフトしたシラン架橋
性ポリエチレン組成物コンパウンドとなる。
【0044】次に、このシラングラフトしたシラン架橋
性ポリエチレン組成物コンパウンド被覆層を有する未架
橋ポリエチレン電線・ケーブルを80℃スチーム室中に
放置し、水を吸収させた。この水を吸収した未架橋ポリ
エチレン電線・ケーブルは水架橋し、それにより実施例
及び比較例の架橋ポリエチレン電線・ケーブルが得られ
た。
【0045】表3は実施例及び比較例の架橋ポリエチレ
ン電線・ケーブルの製造条件を示したものである。
【0046】
【表3】
【0047】また、図1は実施例1の架橋ポリエチレン
電線・ケーブルの断面図を示したものである。
【0048】図1において1は銅撚線導体、2は架橋ポ
リエチレン絶縁被覆層である。
【0049】d.架橋ポリエチレン電線・ケーブルの特
性試験 実施例及び比較例の架橋ポリエチレン電線・ケーブルの
特性試験としては、その架橋ポリエチレン絶縁被覆層の
収縮率を測定した。
【0050】この架橋ポリエチレン絶縁被覆層の収縮率
の測定は、まず実施例及び比較例の架橋ポリエチレン電
線・ケーブルよりそれぞれ架橋ポリエチレン絶縁被覆層
を採取した。
【0051】次に、その採取したそれらの架橋ポリエチ
レン絶縁被覆層の初期長さL1 を測定した。
【0052】次に、その初期長さを測定したそれらの架
橋ポリエチレン絶縁被覆層を130℃で6時間熱処理し
た。熱処理した架橋ポリエチレン絶縁被覆層は、室温ま
で冷却した。
【0053】次に、その室温まで冷却した実施例及び比
較例の架橋ポリエチレン絶縁被覆層は、それぞれ長さL
2 を測定した。
【0054】最後に、実施例及び比較例の架橋ポリエチ
レン絶縁被覆層について、それぞれ(L1 −L2 )/L
1 ×100=収縮率(%)を算出した。
【0055】e.実施例及び比較例の架橋ポリエチレン
絶縁被覆層の熱収縮率測定結果 表4は実施例及び比較例の架橋ポリエチレン絶縁被覆層
の熱収縮率測定結果を示したものである。
【0056】
【表4】
【0057】表4から分かるようにポリエチレンとして
A単独を用いた比較例1は、熱収縮量が5.1%と大き
い。
【0058】また、ポリエチレンとしてB単独を用いた
比較例2は、熱収縮量は5.0%と大きい。
【0059】ポリエチレンとしてポリエチレンの結晶化
温度差が6℃のA/Bブレンドポリエチレンを用いた比
較例3は、熱収縮量は4.1%と大きい。
【0060】ポリエチレンとしてポリエチレンの結晶化
温度差が12℃のA/Dブレンドポリエチレンを用いた
比較例4は、熱収縮量は4.3%と大きい。
【0061】ポリエチレンとしてポリエチレンの結晶化
温度差が4℃のB/Cブレンドポリエチレンを用いた比
較例5は、熱収縮量は5.5%と最も大きい。
【0062】ポリエチレンとしてポリエチレンの結晶化
温度差が6℃のB/Dブレンドポリエチレンを用いた比
較例6は、熱収縮量は4.0%と大きい。
【0063】ポリエチレンとしてポリエチレンの結晶化
温度差が9℃のE/Bブレンドポリエチレンを用いた比
較例7は、熱収縮量は4.0%と大きい。
【0064】ポリエチレンとしてポリエチレンの結晶化
温度差が13℃のE/Cブレンドポリエチレンを用いた
比較例8は、熱収縮量は4.0%と大きい。
【0065】これらに対してブレンドする2種のポリエ
チレンの結晶化温度差が10℃以上で、且つそれらのう
ちのブレンド量が少ない側のポリエチレン量が30重量
%以上のブレンドポリエチレンを用いた実施例1〜6
は、それらの熱収縮量が0〜0.9%と小さく、優れた
耐熱収縮性を発揮した。
【0066】なお例示はしないが、実施例1〜6の架橋
ポリエチレン電線・ケーブルについてはそれぞれ1年間
の実負荷試験を行った。その結果実施例1〜6の架橋ポ
リエチレン電線・ケーブル熱収縮トラブルは皆無であっ
た。
【0067】即ち、本発明では結晶化温度の温度差が異
なったポリエチレンをブレンドすることにより、熱溶融
状態より急激に冷却した場合に起こるポリマー内での急
激な相転化、つまり固化現象を効果的に防止されるため
である。それにより熱溶融状態より急激に冷却したブレ
ンドポリエチレンは固化現象が緩やかに起こることから
ブレンドポリエチレン分子の配向が緩和され、熱収縮量
が顕著に小さくできるのである。
【0068】
【発明の効果】本発明の架橋ポリエチレン電線・ケーブ
ル及び架橋ポリエチレン電線・ケーブルの製造方法によ
れば、厚肉のポリエチレン絶縁被覆層を押出し被覆作業
してから冷却してもポリエチレン分子の配向を緩和しな
がら固化することができ、それによりそれから水架橋し
て得られる架橋ポリエチレン電線・ケーブルの熱収縮性
を顕著に低減することができる。このように熱収縮性を
顕著に低減した本発明の架橋ポリエチレン電線・ケーブ
ルは浸水トラブルが皆無となり、電気的信頼性を顕著に
高められるものであり、工業上有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の架橋ポリエチレン電線・ケ
ーブルの断面図を示したものである。
【図2】ポリエチレンの示差走査熱分析(DSC)曲線
を示したものである。
【符号の説明】
1 銅撚線導体 2 架橋ポリエチレン絶縁被覆層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエチレン、シラン化合物、遊離ラジカ
    ル生成化合物、シラノール縮合触媒を配合して成るシラ
    ン架橋性ポリエチレン組成物の水架橋体を絶縁被覆層と
    して有する架橋ポリエチレン電線・ケーブルにおいて、
    前記ポリエチレンは結晶化温度の差が10℃以上ある2
    種の低密度ポリエチレンのブレンド物から成り、且つ該
    2種の低密度ポリエチレンのうちのブレンド量が少ない
    側の低密度ポリエチレンのブレンド量は前記ブレンド物
    の30重量%以上であることを特徴とする架橋ポリエチ
    レン電線・ケーブル。
  2. 【請求項2】ブレンド物が、高圧法低密度ポリエチレン
    同志のブレンドポリエチレン、低圧法低密度ポリエチレ
    ン同志のブレンドポリエチレン、高圧法低密度ポリエチ
    レンと低圧法低密度ポリエチレンとのブレンドポリエチ
    レンの中から選ばれた1種であることを特徴とする請求
    項1記載の架橋ポリエチレン電線・ケーブル。
  3. 【請求項3】低密度ポリエチレンが、密度0.910〜
    0.935の低密度ポリエチレンであることを特徴とす
    る請求項1記載の架橋ポリエチレン電線・ケーブル。
  4. 【請求項4】ポリエチレン、シラン化合物、遊離ラジカ
    ル生成化合物、シラノール縮合触媒を配合して成るシラ
    ン架橋性ポリエチレン組成物を押出機により導体上若し
    くはケーブルコアー上へ押出し被覆することにより未架
    橋ポリエチレン電線・ケーブルとし、然る後該未架橋ポ
    リエチレン電線・ケーブルに水を吸収させて水架橋する
    架橋ポリエチレン電線・ケーブルとする架橋ポリエチレ
    ン電線・ケーブルの製造法において、前記ポリエチレン
    は結晶化温度の差が10℃以上ある低密度ポリエチレン
    のブレンド物から成り、且つ該2種の低密度ポリエチレ
    ンのうちのブレンド量が少ない側の低密度ポリエチレン
    のブレンド量は前記ブレンド物の30重量%以上である
    ことを特徴とする架橋ポリエチレン電線・ケーブルの製
    造法。
  5. 【請求項5】ブレンドポリエチレンが、高圧法低密度ポ
    リエチレン同志のブレンドポリエチレン、低圧法低密度
    ポリエチレン同志のブレンドポリエチレン、高圧法低密
    度ポリエチレンと低圧法低密度ポリエチレンとのブレン
    ドポリエチレンの中から選ばれた1種であることを特徴
    とする請求項4記載の架橋ポリエチレン電線・ケーブル
    の製造法。
JP30389999A 1999-10-26 1999-10-26 架橋ポリエチレン電線・ケーブル及び架橋ポリエチレン電線・ケーブルの製造法 Expired - Fee Related JP4221848B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30389999A JP4221848B2 (ja) 1999-10-26 1999-10-26 架橋ポリエチレン電線・ケーブル及び架橋ポリエチレン電線・ケーブルの製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30389999A JP4221848B2 (ja) 1999-10-26 1999-10-26 架橋ポリエチレン電線・ケーブル及び架橋ポリエチレン電線・ケーブルの製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001126536A true JP2001126536A (ja) 2001-05-11
JP4221848B2 JP4221848B2 (ja) 2009-02-12

Family

ID=17926617

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30389999A Expired - Fee Related JP4221848B2 (ja) 1999-10-26 1999-10-26 架橋ポリエチレン電線・ケーブル及び架橋ポリエチレン電線・ケーブルの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4221848B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP4221848B2 (ja) 2009-02-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102005113B1 (ko) 절연 조성물 및 이를 포함하는 전기 케이블
EP2720234B1 (en) Process for producing electrical wire molded body
JP5201567B2 (ja) 架橋性ポリエチレン組成物からなる管
CN112053808A (zh) 一种紫外线交联电缆制造工艺
EP1125306B1 (en) Electric cable and a method for the production thereof
KR20200060306A (ko) 비가교 수지를 함유하는 전력 케이블의 절연층 제조용 혼합물
CN112375284A (zh) 大小线通用3kv及以下交联聚乙烯绝缘料及制备方法
EP3445820B1 (en) Fluoropolymer composition
JP2005502982A (ja) ポリフェニレンスルフィドアロイ被覆ワイヤー
JP2001126536A (ja) 架橋ポリエチレン電線・ケーブル及び架橋ポリエチレン電線・ケーブルの製造法
WO2021200742A1 (ja) 配線材及びその製造方法
CN117534889A (zh) 电缆用辐照交联聚乙烯及其制备方法
JPS5864704A (ja) ケーブルの製造方法
JP2001266650A (ja) 電気絶縁組成物および電線ケーブル
KR20230095031A (ko) 전기 케이블 또는 전기 케이블 액세서리
JP3407828B2 (ja) 電力ケーブル絶縁材料および電力ケーブル
JP2666543B2 (ja) 電線・ケーブル
JP2023038166A (ja) 耐トラッキング性に優れたポリオレフィン樹脂組成物およびそれにより製造された成形品
WO2000074934A1 (en) Improved battery cable
JP2921091B2 (ja) 電線・ケーブル
JPH09245520A (ja) 電力ケーブルの半導電層用組成物
JPH0794029A (ja) 架橋ポリオレフィン絶縁電線
JPS594807B2 (ja) 電気ケ−ブル
JP4366748B2 (ja) 特定のシラン化合物およびその応用
CN112424278A (zh) 一种包含第一烯烃聚合物和第二烯烃聚合物的可交联的聚烯烃组合物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050318

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060525

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081028

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081110

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111128

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees