JP3407828B2 - 電力ケーブル絶縁材料および電力ケーブル - Google Patents

電力ケーブル絶縁材料および電力ケーブル

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寛 加藤
隆一 杉本
進隆 内川
勝美 吉野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電力ケーブル絶縁用材料
およびこれを使用した電力ケーブルに関する。さらに詳
しくはシンジオタクチックポリプロピレンを含むことを
特徴とする電力ケーブル絶縁用材料および電力ケーブル
に関する。
【0002】
【従来技術・発明が解決しようとする課題】従来の電力
ケーブル絶縁用材料として用いられている低密度ポリエ
チレンは、融点が低いため、ケーブル通電時に導体発熱
すると絶縁体が加熱され、変形を起こすおそれがあっ
た。これを防ぐため架橋、例えば化学架橋させることが
多い。この架橋工程を必要とする電力ケーブル製造法
は、架橋反応を完結させるために製造に要する時間が長
くなるのが最大の問題点であった。
【0003】この問題を克服しうるポリマーの一つとし
て、ポリエチレンと同族のポリオレフィンであるポリプ
ロピレンが挙げられる。しかし現在市販されているアイ
ソタクチックポリプロピレン(以下、「i−PP」とも
いう)は可撓性に乏しく、かつ電気的破壊特性も低いた
め、ケーブル絶縁用材料としては多用されていないのが
現状である。
【0004】即ち、上記問題を解決するためには、融点
が充分高く、非架橋でも電気的破壊特性が良好で、かつ
ケーブル絶縁材料として要求される可撓性を有するポリ
マーを絶縁用材料として用いることが必要である。特に
66kV級以上の高圧用電力ケーブルにおいては、通電
運転時に導体の発熱により、ケーブル絶縁体が70℃程
度の高温となるため、高温下においての電気絶縁特性に
優れることが要求される。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、可撓性と
電気的破壊強度に優れた高融点ポリマーを検討した結
果、シンジオタクチックポリプロピレン(以下、「s−
PP」ともいう)が、従来のi−PPに比べ充分な可撓
性を有するうえ、室温付近での電気的破壊特性(交流破
壊特性、インパルス破壊特性)が低密度架橋ポリエチレ
ンと同等以上であり、かつ高温(90℃)での電気的破
壊強度が低密度架橋ポリエチレンよりも優れていること
を見出した。
【0006】即ち本発明は、シンジオタクチックペンタ
ッド分率が0.7以上であり、かつMFRが0.1〜2
0g/10分の範囲のシンジオタクチックポリプロピレ
ンを含むことを特徴とする電力ケーブル絶縁用材料
該ケーブル絶縁用材料を用いてなることを特徴とする電
力ケーブルおよび当該ケーブル絶縁用材料を用いてなる
ことを特徴とする6.6kV以上の電力ケーブルに関す
る。
【0007】本発明で使用されるs−PPは、シンジオ
タクチック構造を有するポリプロピレンの単独重合体の
みならず、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体も
含む概念であり、以下の説明においては、当該共重合体
を含めてs−PPという。本発明においては、ホモポリ
マーであるs−PPが好ましい。
【0008】本発明で使用されるs−PPの好ましい分
子量は、3,000〜400,000、さらに好ましく
は10,000〜200,000である。
【0009】本発明で使用されるs−PPは、そのシン
ジオタクチックペンタッド分率が0.7以上であること
が必要である。ここでシンジオタクチックペンタッド分
率とは、135℃の1,2,4−トリクロロベンゼン溶
液で67.8MHzにて測定した13C−NMRスペク
トルにおいてテトラメチルシランを基準として20.2
ppmに観測されるピーク強度(シンジオタクチックペ
ンタッド連鎖に帰属されるメチル基のピーク強度)のプ
ロピレン単位の全メチル基に帰属されるピーク強度の割
合をいう。シンジオタクチックペンタッド分率が0.7
未満のs−PPは、融点が低く、かつ電気的破壊強度や
機械特性も低下するので、本発明のケーブル絶縁材料と
して使用すべきでない。上記シンジオタクチックペンタ
ッド分率は、好ましくは耐電界性の点から0.8〜0.
95、さらに好ましくは加工性の点から0.86〜0.
95である。
【0010】さらに上記s−PPは、ASTM−D−1
238で規定するメルトフローレート(MFR)(荷
重:10kgf、温度:230℃)が、0.1〜20g
/10分の範囲をもつことが必要である。20g/10
分を越えるMFRをもつs−PPは高温における流動性
が過大になりすぎ、逆に0.1g/10分未満のMFR
をもつs−PPは流動性が過少となりすぎ、したがって
いずれものものも、本発明のケーブル絶縁材料とした場
合、加工性に難点がでてくる。上記MFRの好ましい範
囲は、高温流動性の点から0.3〜15g/10分で、
さらに好ましい範囲は、押出加工性の点から0.5〜1
0g/10分である。
【0011】上記s−PPの製造法には特に制限はな
い。即ち、用いられる重合触媒としては、対称もしくは
非対称分子構造を有する有機金属錯体系触媒、例えばメ
タロセン化合物等の立体特異性重合触媒等が使用しう
る。また、重合条件にも特に制限はなく、例えば、塊状
重合法、気相重合法、不活性溶媒を用いる溶液重合法等
の方法によって製造しうる。
【0012】上記s−PPには、必要に応じて、ヒンダ
ードフェノール系、アミン系、あるいはチオエーテル系
等の酸化防止剤あるいは安定剤、アミド、ヒドラジッド
系等の銅害防止剤、ベンゾフェノン系、ベンゾイン系等
の紫外線防止剤、高級脂肪酸系あるいはその金属塩系等
の滑剤、加工助剤、シリカやクレー等の充填剤など、プ
ラスチックに通常用いられる添加剤を添加しても良い。
【0013】本発明で使用されるs−PPの室温でのイ
ンパルス破壊電界強度は、従来の低密度ポリエチレン
(LDPE)よりも10〜25%、架橋LDPEよりも
25〜40%、i−PPよりは110〜140%も高
く、室温でのAC破壊電界強度は、LDPEよりも2.
5〜8.5%、架橋LDPEよりも14〜20%、i−
PPよりも45〜55%も高い。
【0014】さらに90℃でのインパルス破壊電界強度
は、従来のLDPEよりも40〜55%、架橋LDPE
よりも50〜75%、i−PPよりは65〜170%も
高く、90℃でのAC破壊電界強度は、LDPEよりも
15〜25%、架橋LDPEよりも25〜40%、i−
PPよりも35〜115%も高い。
【0015】本発明のケーブル絶縁用材料は、6.6k
V以上の電力ケーブル、就中66kV以上の電力ケーブ
ルに好適に用いられる。該電力ケーブル絶縁用材料を使
用した本発明の電力ケーブルは自体既知の方法によって
形成される。例えば、押出被覆法によって導体上に連続
被覆にて形成される。また、本発明のケーブルの構造と
しては、導体上に単独一層で絶縁体を被覆したもの、ジ
ャケット付きのもの、導体上セパレーター付きのもの、
導体上、絶縁体上に半導電層を付与したもの等が挙げら
れる。
【0016】以下実施例を挙げ本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0017】
【実施例】
実施例1、比較例1 シンジオタクチックペンタッド分率が0.80〜0.9
5の、表1に示す各種のシンジオタクチックポリプロピ
レンを、圧縮成型機中で180℃で15分間溶融成型後
徐冷(室温での放置冷却)し、0.3mm厚シートを得
た。得られたシートについて、改良型McKeown 電極系に
てインパルス破壊試験およびAC破壊試験を行った。イ
ンパルス破壊試験では、1×40μsec の負極性インパ
ルス標準波を予想破壊電圧の70%値を初期値として、
5kv/3回印加のステップアップ昇圧方式で課電した。A
C破壊試験では、予想破壊電圧の70%値を初期値とし
て、1kv/1分印加のステップアップ昇圧方式で課電し
た。なお、インパルス破壊試験、AC破壊試験とも1条
件につき10試料のデータを採取し、ワイブル解析の
後、破壊確率63.3%における破壊値をもって、その
試料の耐圧値とした。比較として、シンジオタクチック
ペンタッド分率が0.60のs−PP、i−PP、LD
PE、XLPE(架橋低密度ポリエチレン)についても
上記と同様の測定を行なった。室温での電気的破壊特性
を表1に、90℃での電気的破壊特性を表2に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】実施例2 シンジオタクチックペンタッド分率が0.86および
0.93のs−PPを、30mmφ押出機により、銅撚線
導体(径:2mm)上に厚さ1mmに連続押出被覆してケー
ブルを作成した。(押出温度条件=C1 :180℃、C
2 :185℃、C 3 :181℃、D:180℃)得られ
たケーブルは、良好な外観を有し、さらにケーブルの可
撓性はXLPEケーブルとほぼ同等であった。
【0021】
【発明の効果】本発明のケーブル絶縁用材料は、電気特
性、特に優れた高温電気破壊強度を有するので、これを
用いたケーブルの信頼性を高めることができ、所定の性
能を満足するために必要な絶縁厚を低減することがで
き、コンパクト化が達成できるという効果が得られる。
したがって、6.6kV級以上、就中66kV級以上の
高圧電力ケーブルの絶縁材料として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉本 隆一 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井東 圧化学株式会社内 (72)発明者 内川 進隆 東京都千代田区霞が関三丁目2番5号 三井東圧化学株式会社内 (72)発明者 吉野 勝美 大阪府岸和田市尾生町166−3 (56)参考文献 特開 平5−163394(JP,A) 特開 平2−195604(JP,A) 特開 昭63−146949(JP,A) 特開 昭61−23634(JP,A) 特公 昭45−33140(JP,B1) 特公 昭50−5224(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 3/44 H01B 9/00 C08L 23/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シンジオタクチックペンタッド分率が
    0.7以上であり、かつMFRが0.1〜20g/10
    分の範囲のシンジオタクチックポリプロピレンを含むこ
    とを特徴とする電力ケーブル絶縁用材料。
  2. 【請求項2】 請求項1のケーブル絶縁用材料を用いて
    なることを特徴とする電力ケーブル。
  3. 【請求項3】 請求項1のケーブル絶縁用材料を用いて
    なることを特徴とする6.6kV以上の電力ケーブル。
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