JP2001125631A - 開放点検結果管理方法 - Google Patents

開放点検結果管理方法

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JP2001125631A
JP2001125631A JP30664099A JP30664099A JP2001125631A JP 2001125631 A JP2001125631 A JP 2001125631A JP 30664099 A JP30664099 A JP 30664099A JP 30664099 A JP30664099 A JP 30664099A JP 2001125631 A JP2001125631 A JP 2001125631A
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Yasunari Akikuni
康成 秋國
Katsuro Momoeda
克郎 桃枝
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 開放された設備機器の目視点検項目の正常か
異常かの状態を的確に支援でき、設備管理システムに適
正に入力できる開放点検結果管理方法を提供することで
ある。 【解決手段】 設備管理システム100の開放点検結果
管理装置50は、開放点検が必要な設備機器の分解作業
単位に設備機器に係わる全ての目視点検項目を纏めた点
検結果記録帳票10を作成する。点検員は、その点検結
果記録帳票10に個々の目視点検結果が正常か異常かの
判定結果だけを収録する。点検員は、設備機器の目視点
検完了時に一括して設備機器に関する個々の目視点検項
目の点検結果に関する「正常」あるいは「異常」の全て
の状況データを開放点検結果管理装置50に入力する。
設備管理システムは、空欄は「未点検」として処理す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電プラント構成
機器を代表とする階層構造を成した複雑な機器体系から
なる設備機器について、その開放時の目視点検の点検管
理項目における点検結果を処理し管理する開放点検結果
管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】発電プラント構成機器を代表とする階層
構造を成した複雑な機器体系からなる設備機器につい
て、定期的あるいは非定期的な開放点検が行われる。こ
の設備機器の保守管理は設備管理システムで行われ、そ
の設備機器に関する保守管理データが総合的に管理され
る。
【0003】例えば、蒸気タービンは発電プラントを構
成する代表的な設備機器であるが、その開放点検に際し
ては、実施しなければならない点検項目が数多く定めら
れている。これらの点検項目における点検からその結果
の処理までに至る一連の管理手法は、幾つかの代表的な
形態に分類できる。その内で最も基本的な管理形態は、
目視点検から始まるものである。この場合、開放の結果
として現れた実際の機器の状態を見て、まず、正常か異
常かを判断する。正常な場合には、そのまま次の点検項
目の点検に移るが、もし何らかの異常がある場合には、
その異常の状態を点検帳票の形で記録に留め、後刻、こ
の記録を参照しながら、その異常に対する処置対策を決
定し、適正な時期に実施するという管理手法が取られる
のが一般的である。
【0004】この際の最初のステップである現場状況が
正常か異常かの判断については、取扱説明書のような文
書での説明や一般的なチェックリスト等はあるものの、
状況の観察とそれに対する判断は、点検する人に委ねら
れるのが普通である。また、異常と判定された事象につ
いても、点検員の判断により、適切と思う点検帳票を作
成し、その場で必要と考えられた事項をそれに追記する
という方法が取られるのが普通である。
【0005】これらの手法は、点検員の判断に依存する
人間系での処理を主体としており、発電プラントにおけ
る定期点検報告書のような文書に纏めるということだけ
が目的であれば不可能ではなかったが、情報処理に時間
がかかることと、見落としが皆無ではないことから、長
期的な保守管理の上から、しばしば問題を生じているこ
ともまた事実である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】発電プラントのよう
に、多種多様な機器が階層的に複雑に構成されているよ
うな場合に、個々の機器部品に関する保守管理データを
寄せ集めて、例えば、任意の階層レベルで集約表示する
ことによって、当該任意レベルでの設備の健全性の把握
を容易にすることを主目的とする総合的な設備管理シス
テムについては、例えば、特開平11−157723号
公報に示されるものがある。
【0007】特開平11−157723号公報のもので
は、当該機器部品に関する部位と、その部位に発生する
可能性のある損傷形態がマトリックス形式で纏められ、
管理形態マトリックスとして定義されており、そのマト
リックスの部位と損傷形態との交点となる各セルが、当
該機器部品について点検すべき項目となっている。
【0008】このような設備管理システムでは、管理対
象とする設備機器に関する全ての点検項目の状況、すな
わち、異常状態のみならず、正常であることも含めて、
把握しておくことが要求される。これは、点検項目の見
落とし防止の観点から、「情報の無いものは未点検」と
するために、もはや「異常の情報が無ければ正常であ
る」とは言えないことによる。
【0009】すなわち、このような総合的な設備管理シ
ステムを構築する場合には、従来のような完全に人間系
に依存する管理手法では、実現不可能ではないものの、
データ入力の精度が悪いために、実用に耐えないものに
なってしまう恐れがある。
【0010】本発明の目的は、開放された設備機器の目
視点検項目の正常か異常かの状態を的確に支援でき、設
備管理システムに適正に入力できる開放点検結果管理方
法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係わる
開放点検結果管理方法は、開放点検が必要な設備機器の
分解作業単位に前記設備機器に係わる全ての目視点検項
目を纏めた点検結果記録帳票を作成し、前記点検結果記
録帳票には個々の目視点検結果が正常か異常かの判定結
果だけを収録し、前記設備機器の目視点検完了時に一括
して前記設備機器に関する個々の目視点検項目の点検結
果に関する「正常」あるいは「異常」の全ての状況デー
タを入力し、空欄は「未点検」として処理することを特
徴とする。
【0012】請求項1の発明に係わる開放点検結果管理
方法では、設備管理システムは、開放点検が必要な設備
機器の分解作業単位に設備機器に係わる全ての目視点検
項目を纏めた点検結果記録帳票を作成する。点検員は、
その点検結果記録帳票に個々の目視点検結果が正常か異
常かの判定結果だけを収録する。点検員は、設備機器の
目視点検完了時に一括して設備機器に関する個々の目視
点検項目の点検結果に関する「正常」あるいは「異常」
の全ての状況データを設備管理システムに入力する。設
備管理システムは、空欄は「未点検」として処理する。
従って、「正常」あるいは「異常」の状況データが入力
されない点検項目については、その結果を「未点検」と
することにより注意を喚起することができる。
【0013】請求項2の発明に係わる開放点検結果管理
方法は、請求項1の発明において、前記点検結果記録帳
票の入力により、目視点検結果が「異常」の状況データ
を含む全ての点検項目に対する点検結果を受け取った場
合に、点検項目一覧の中の「異常」に該当する点検項目
からは、該当する部品部位の異常状態データを記録する
ための異常データ入力用帳票を出力し、前記設備機器の
保守管理のために必要なデータの入力を可能とすること
を特徴とする。
【0014】請求項2の発明に係わる開放点検結果管理
方法では、請求項1の発明の作用に加え、設備管理シス
テムは点検結果記録帳票で「異常」のデータを受け取っ
た個々の点検項目に対して「異常」表示を行い、この
「異常」表示された点検項目から、該当する部品部位の
異常状態詳細データを記録するための異常データ入力用
帳票を出力する。従って、当該設備機器の保守管理のた
めには極めて重要な異常状態の詳細点検内容の確実な入
力が可能となる。
【0015】請求項3の発明に係わる開放点検結果管理
方法は、請求項1の発明において、前記点検結果記録帳
票をそのまま定期点検報告書として使用きるような形式
で作成しておき、目視点検結果の「正常」あるいは「異
常」の状況データを手書きで記入し、前記点検結果記録
帳票をデータ読取装置を使用して一括して入力すると共
に、前記点検結果記録帳票はそのまま定期点検報告書の
一部として使用するようにしたことを特徴とする。
【0016】請求項3の発明に係わる開放点検結果管理
方法では、請求項1の発明の作用に加え、「正常」ある
いは「異常」の状況データを現場で記入する点検結果記
録帳票を、そのまま定期点検報告書に目視点検結果とし
て綴じ込める。また、この点検結果記録帳票はそのまま
OCR等のデータ読取装置を使用して入力できる。従っ
て、目視点検結果の一覧を正規の記録として残すことが
でき、設備管理システムへの一括入力も可能となる。
【0017】請求項4の発明に係わる開放点検結果管理
方法は、請求項1の発明において、前記設備機器単位に
纏められた点検結果記録帳票の管理機能を持ったモーバ
イル端末に、前記点検結果記録帳票の内容をダウンロー
ドし、点検員の手元で正常あるいは異常の目視点検結果
状況データの入力ができるようにしたことを特徴とす
る。
【0018】請求項4の発明に係わる開放点検結果管理
方法では、請求項1の発明の作用に加え、モーバイル端
末(例えばハンディターミナル)は、点検結果入力帳票
の内容を入力する。これにより、点検作業を継続しなが
ら、正常あるいは異常の目視点検結果状態データの入力
が点検員の手元でできるようになる。なお、モーバイル
端末への目視点検項目の表示は、設備管理システム側か
らの点検対象となった設備機器単位毎に点検結果記録帳
票の内容をモーバイル端末に転送することによって実現
する。
【0019】請求項5の発明に係わる開放点検結果管理
方法は、請求項4の発明において、前記設備機器単位に
管理されている対象機器に関する全ての目視点検項目の
点検順序、個々の目視点検項目に関する点検要領、点検
結果が正常か異常かの判断のための判定基準項目、前回
目視点検結果を前記モーバイル端末に必要に応じて表示
させ、点検員による今回の目視点検の支援を可能とした
ことを特徴とする。
【0020】請求項5の発明に係わる開放点検結果管理
方法では、請求項4の発明の作用に加え、モーバイル端
末への目視点検項目表示に当たって、設備機器単位に管
理されている対象機器に関する全目視点検項目の点検順
序、個々の目視点検項目に関する点検要領、点検結果が
正常か異常かの判断のための判定基準等の点検支援項目
を必要に応じて表示する。これにより、経験の浅い点検
員に対する目視点検支援をも可能とする。
【0021】請求項6の発明に係わる開放点検結果管理
方法は、請求項2の発明において、前記異常データ入力
用帳票には、スケッチ図や状況写真等のイメージデー
タ、あるいは、デジタルカメラからの損傷状況記録デー
タを貼付できることを特徴とする。
【0022】請求項6の発明に係わる開放点検結果管理
方法では、請求項2の発明の作用に加え、異常データ入
力用帳票に、スケッチ図や状況写真等のイメージデー
タ、あるいは、デジタルカメラからのデジタルイメージ
データ等の損傷状況記録データを貼り付ける。これによ
り、詳細な異常状況を記録し、かつ、参照することが可
能となり、点検員による当該機器部品の保守管理上にお
ける実態の把握を容易にする。
【0023】請求項7の発明に係わる開放点検結果管理
方法は、請求項2または請求項6の発明において、前記
異常データ入力用帳票に、少なくとも、対策処置内容、
異常レベル判定結果の入力欄を持ち、それらの入力方法
を支援するためのデータの表示を行うことができること
を特徴とする。
【0024】請求項7の発明に係わる開放点検結果管理
方法では、請求項2または請求項6の発明の作用に加
え、異常データ入力用帳票への入力の支援と入力内容の
コントロールができるので、より複雑な情報の取り込み
が可能となり、当該目視点検項目に関する経歴管理、あ
るいは、異常状況と懸案として残っている事項の管理、
すなわち、懸案管理機能への連係のを提供できる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は本発明の実施の形態に係わる開放点検結果
管理方法の説明図であり、図1(a)は設備管理システ
ム100が構築されている場合を示し、図1(b)は設
備管理システム100が構築されていない場合を示して
いる。
【0026】図1(a)において、設備管理システム1
00は開放点検結果監視装置50を有し、管理の対象と
する全ての設備機器に関する管理形態マトリックス80
a…80nが準備されている。この場合の開放点検結果
管理装置50は設備管理システム100の機能の一部で
あって、これらの点検のための管理項目が予め設定され
た管理形態マトリックスの内容に基づいて点検処理を行
う。
【0027】また、開放点検結果管理装置50は、図2
に示すような点検結果記録帳票10を作成し出力する。
点検結果記録帳票10は開放点検が必要な設備機器の分
解作業単位に、設備機器に係わる全ての目視点検項目を
纏めたものである。
【0028】点検員は状況判定データ5に基づきその点
検結果記録帳票10に個々の目視点検結果が正常か異常
かの判定結果だけを収録する。そして、図3に示すよう
に、点検結果記録帳票10に正常か異常かを記入した状
況判定結果入力帳票15を作成し、開放点検結果管理装
置50に入力する。なお、損傷実態マトリックス40
は、管理形態マトリックス80に判定結果を入力して作
成されるマトリックスであり、この損傷実態マトリック
ス40および管理形態マトリックス80の詳細は後述す
る。
【0029】一方、図1(b)は、まだ設備管理システ
ム100が構築されていない場合を示しており、この場
合に、開放点検結果管理装置50で使用される管理形態
マトリックスは、例えば、管理形態マトリックス80か
ら特定の管理項目だけを抜き出した管理形態マトリック
ス180の形のマトリックス180a…180nとな
る。これらのマトリックスでは、既に、特定の管理項目
に該当するセルしか残されていないため、開放点検結果
管理装置50から点検結果記録帳票10と同型の帳票を
一括して出力することは一層容易となる。
【0030】次に、図4は、階層構造をなす機器体系に
属する設備機器の各種保守情報を総合的に管理するため
の設備管理システム100における設備機器に関する入
力情報の流れの概要説明図である。なお、この種の設備
管理システム100の機能に関しては、既に、特開平1
1−157723号公報において説明されている。ここ
では、そのうちの本発明に関連する部分を説明する。
【0031】設備管理システム100の基本機能の一つ
に、管理対象とする設備機器の保守管理面から見た実態
の把握がある。図4では、設備実態90で示している。
設備管理システム100では、この設備実態90と当該
設備機器の保守管理に関するそれ以外の関連情報91と
を勘案して、当該設備機器の保守管理に関する総合評価
95を行う。関連情報91は、例えば、他ユニットにお
ける類似機器での損傷情報や省令のような法律を代表と
する外部からの指示や設備実態に付加される情報等であ
る。このように、設備管理システム100は、当該設備
機器の保守管理に関する総合評価95を行い、これを次
回以降の保守対策として纏めて行く。これが設備管理シ
ステム100の基本機能ということになる。
【0032】一般的に、特定の設備機器に関する保守管
理上の実態を把握するために必要な情報として、運転中
においては、その機器に関する運転データ70がある。
このデータは、通常、設備機器には各種センサ71が設
置されており、これらの各種センサ71との直接連係、
あるいは、ユニット制御用計算機のような関連システム
72を介して連係等、何らかの形で取り込みが可能であ
る。なお、運転データにもいろいろなものがあり、これ
らを機器の特性として扱うためには、一般的には何らか
の分析と加工が必要になるが、ここでは、その説明は省
略する。
【0033】一方、停止中においては、当該設備機器の
開放点検実施時の各種の開方点検データ60であり、後
述の如く、この種のデータの特定のものを効率的かつ的
確に取り込むことが本発明の主目的となる。開放点検デ
ータ60には、点検調整61、点検補修62、傾向管理
(1)63、傾向管理(2)64、余寿命65等が含ま
れる。これらの情報は管理形態マトリックス80を介し
て設備実態90として設備管理システム100で管理さ
れる。
【0034】すなわち、このような情報を取り込み、設
備実態90の把握という機能を満たすためには、当該設
備機器に関連する全ての情報の一元管理が必要である
が、特開平11−157723号公報では、このための
手段として、管理形態マトリックス80を定義し導入し
ている。
【0035】図5は、管理形態マトリックス80の一例
の説明図である。図5では、発電プラントの主要構成機
器の一つである蒸気タービンについて、その代表的な部
品「車軸」に対して展開した管理形態マトリックスを示
している。なお、本発明の実施の形態では、管理しなけ
ればならない全情報のうち、開放点検実施時の各種点検
データ60の一部だけを対象とするものであるため、以
下では、運転データ70については除外して説明する。
【0036】図5に示すように、管理形態マトリックス
80は、このマトリックスが対象とする部品、この場合
は「車軸」を構成する部位81と、その部位81に発生
することが考えられる損傷形態82とからなるマトリッ
クスであり、その要素であるセル83が、開放による点
検が必要な個別の点検項目となる。なお、図5では、各
セルには、該当する点検管理項目に対応した保守管理手
法を示す管理形態名を記載する方式の管理形態マトリッ
クスを使用している。
【0037】図6は、管理形態マトリックス80のセル
に記載されている管理形態名の定義を示すものである。
点検調整61、点検補修62、傾向管理(1)63、傾
向管理(2)64、余寿命65の5種類の管理形態で、
通常実施されている保守管理手法をほぼ完全にカバーで
きることが確認されている。
【0038】図4において、管理形態マトリックス80
を介しての開放点検データ60の入力手法として、この
5種類を示しており、図5の個々のセルには、そのセル
の部位と損傷形態の組み合わせに応じて、この中から選
択されたひとつの手法が示されている。
【0039】図4の設備管理システム100では、この
ようなデータを取り込んで、対象とする設備機器毎にこ
れらのデータを評価し、設備あるいは機器の実態として
纏めるという設備実態90の機能を持たなければならな
いことになる。この機能は、設備管理のためのその他の
機能と共に管理形態マトリックス80に組み込まれてい
るが、その説明は、直接的に本発明と関連しないので、
ここでは省略する。
【0040】本発明の実施の形態では、このような設備
管理システム100へのデータ入力装置としての適用を
第1の目的とし、開放点検データ60の5つの管理形態
のうちの点検補修62の全部と傾向管理(1)63の一部
の入力を担当する装置に関するものである。
【0041】なお、図1(b)に示すように設備管理シ
ステム100が構築されていない場合には、本発明の実
施の形態では、最もシステム化が難しいとされている、
点検補修62と傾向管理(1)63に関わるデータだけを
処理するような開放点検結果管理装置50として独立し
たシステムの形で実現できることは言うまでもない。こ
のようなシステムができれば、設備管理システム100
が構築された時点で、そのデータ入力機能の一部とし
て、設備管理システム100に取り込むことは容易であ
るため、以降では、独立したシステムとして機能する開
放点検結果管理装置としての説明に限定する。
【0042】ここで、本発明の実施の形態における開放
点検結果管理装置が、開放点検データのうち、点検補修
62と傾向管理(1)63とを管理するものだけを対象と
することの説明のために、図6の管理形態の定義に対す
る補足説明として、個々の管理形態毎に、データの採取
方法とその処理方法の特徴を簡単に示しておく。その概
略は、次のようになる。
【0043】 (管理形態) 符号 (データ採取と処理の方法) 点検調整 61: 分解時データ採取、調整要否決定、組立調整作業、 組立時データ採取 点検補修 62: 状況観察、正常異常判定、正常ならそのまま、 異常なら処置 傾向管理(1) 63: 状況観察、正常異常判定、正常ならそのまま、 異常なら進行状況経年管理 傾向管理(2) 64: 状況データ採取、進行状況経年管理 余寿命 65: 状況データ採取、余寿命診断、寿命消費傾向予測
【0044】これからわかるように、点検補修62およ
び傾向管理(1)62以外の全ての管理形態が、何らかの
形での現場データの採取から始まっているために、デー
タ取り込みの機械化は、そのデータの入手方法に応じた
データ入力装置の開発という形での目標の設定が容易で
あるのに対して、この二つの管理形態だけは、まず、開
放状況の観察を行い、その状況が正常か異常かの判定を
下すという極めて人間的なところから始まるために、シ
ステム化が難しいという特徴を有している。
【0045】特に、この際の観察と判定が、通常は正常
であるような事象について、時として発生することもあ
る、言い換えると、「正常ではない」すなわち、「異
常」を見つけ出すことが目的となっているため、異常が
有った場合の記録の作成と保存も含めて、従来では、殆
ど人間系での対応にならざるを得なかったことは、前述
の通りである。
【0046】また、前述したように、傾向管理(1)63
については、その一部だけを対象とするとしたのは、こ
の場合の異常発見後の処置が点検補修62とは異なって
いるためで、後者では、「異常なら処置」ということ
で、原則的に、その点検時に保守管理が完了するのに対
して、前者では「異常なら進行状況経年管理」となって
いる。これは、進行性のある損傷形態を管理対象として
いるためで、一般的には、点検補修62の場合とは異な
り、経年的な保守管理が必要となる。
【0047】従って、傾向管理(1)63の場合の本発明
の実施の形態での適用範囲は、後述の如く、現場での正
常か異常かの判定データの開放点検結果管理装置50へ
の取り込みと表示までとし、それ以降の管理は、設備管
理システム100のような上位システム、または他の専
用の管理システムに委ねることになる。
【0048】本発明の実施の形態は、こののような人間
系での処理をできるだけ機械化することによって、正常
あるいは異常という状況判断データを見落とすこと無く
取り込むだけではなく、異常の場合には、その詳細デー
タの採取までの管理を可能とし、併せて、点検対応者の
能力の違いによる点検結果の差違を極力少なくする手法
を提供する。これによって、点検データそのものの信頼
性を向上させる。
【0049】図1(a)は、このような目的を達成する
ための本発明の実施の形態に基づく機械化の実施の基本
例であり、まず、設備管理システム100が構築されて
いるとしたとき、そこで使用される管理形態マトリック
ス80は、図5の管理形態マトリックス80を代表例と
して、当該設備管理システム100が管理の対象とする
全ての設備機器に関する管理形態マトリックス80a…
80nが準備されている。この場合の開放点検結果管理
装置50は設備管理システム100の機能の一部であっ
て、これらの管理形態マトリックスの中の、点検補修6
2と傾向管理(1)63に関連するセルだけについての処
理を行う。
【0050】図5の管理形態マトリックス80を例にあ
げると、開放点検結果管理装置50は、管理形態マトリ
ックス80の構成単位である機器部品(ここでは車軸)毎
に、点検補修62と傾向管理(1)63に該当するセル8
3の、部位81と損傷形態82の名称の全てを一連のリ
ストにした、図2の点検結果記録帳票10のようなリス
トを管理対象になっている全ての設備機器について一括
出力する。
【0051】図1(b)は、まだ設備管理システム10
0が構築されていない場合であり、このときに開放点検
結果管理装置50で使用される管理形態マトリックス
は、例えば、図5の代表管理形態マトリックス80か
ら、点検補修62と傾向管理(1)63だけを抜き出し
た、図7に示す管理形態マトリックス180の形のマト
リックス180a…180nとなる。
【0052】これらのマトリックス180a…180n
では、既に、点検補修62と傾向管理(1)63に該当す
るセルしか残されていないため、開放点検結果管理装置
50から、図2の点検結果記録帳票10と同型の帳票を
一括して出力することは一層容易となる。
【0053】点検員は、開放点検結果管理装置50から
出力された図2の点検結果記録帳票10を現場に持参
し、機器部品毎の開放点検作業の進行に合わせて、関連
する点検補修62と傾向管理(1)63との点検項目につ
いて、現場状況に応じて順次点検を実施し、正常あるい
は異常という判定を行う。その結果を状況判定データ5
として記入していき、図3の状況判定結果入力帳票15
を作成することになる。
【0054】図3の状況判定結果入力帳票15は、図2
の点検結果記録帳票10に状況判定データ5、すなわ
ち、点検項目毎に、「正常」あるいは「異常」という判
定結果だけを記入したものであるから、図3に示す形式
以外に、「○X記入方式」等にすることも考えられる。
点検項目毎に正常または異常のデータを開放点検結果管
理装置50に繋げることが重要で、その実現方式は問わ
ない。
【0055】正常あるいは異常という判定結果を、状況
判定結果入力帳票15の形で、何らかの手段によって一
括して入力された開放点検結果管理装置50では、管理
形態マトリックス、例えば、図1(a)の管理形態マト
リックス80、あるいは、図1(b)の管理形態マトリ
ックス180の該当するセルにその信号を伝達し、それ
ぞれのマトリックスの表現を図5あるいは図8から、図
8あるいは図9に変換する。
【0056】この操作により、変換後のマトリックス、
図8あるいは図9の該当セルは、管理形態名から判定結
果の表示に変わっているため、特開平11−15772
3号公報では、これらのマトリックスを損傷実態マトリ
ックス40、140と定義している。
【0057】図9の損傷実態マトリックス140では、
全ての点検項目が点検補修62と傾向管理(1)63とで
構成されているため、原則的に全点検項目に判定結果が
入ることになる。一方、図8の損傷実態マトリックス4
0では、点検補修62と傾向管理(1)63以外の点検項
目があり、それらの点検補修62と傾向管理(1)63以
外の点検項目については、設備管理システム100が直
接管理している。このため、そちらの作業の進行状況に
より表示内容が異なる。ここでは、この表示内容は、ま
だ点検作業が開始されていないものとし、管理形態名の
表示のままとしてある。
【0058】なお、図9中で、「未点検」と表示されて
いる項目は、図3の状況判定結果入力帳票15が開放点
検結果管理装置50に入力された際に空欄となっていた
項目の開放点検結果管理装置50での表現処理例を表し
ており、「判定結果入力ミス」か「点検見逃し」の可能
性を「未点検」と表示することにより、点検員の注意を
促すものである。この機能を意識的に利用すれば、判定
結果を部分的に入力して、残った点検項目を確認するこ
ともできる。このようにして、全点検項目の点検の完全
な実施を実現することが可能となる。
【0059】前述のように、現場状況の確認から始まる
点検補修62と傾向管理(1)63に属する点検項目で
は、通常は正常であるが、何らかのきっかけで異常とな
ることがある損傷形態を対象としている。このような損
傷では、一旦異常になると、その異常の度合い(異常の
レベルと異常発生の範囲)は、場合により急激に進展す
るという特徴を有する。
【0060】従来の情報処理方法では、何が何時発生す
るのか予知できないために、このような異常を正確に記
録できるような標準的な帳票を予め準備しておくことは
難しく、従って、何でも記載できるような書式を定めな
い帳票に、その都度の判断を加えて、その時だけの点検
帳票として記録しておくのが普通である。
【0061】これに対し、本発明の実施の形態では、図
1(b)に示したように、特定の機器部品に対して、点
検補修62と傾向管理(1)63に関する全ての点検項目
に対する判定結果が、状況判定結果入力帳票15の形で
一括入力される。この現場状況の一次判定結果である個
々の「正常」または「異常」のデータを、部位と損傷形
態をキーワードとして、個々の管理形態マトリックスの
個々の点検項目に戻す操作は容易である。
【0062】特定の点検項目に着目すると、図1(b)
の管理形態マトリックス180の各セルに表示されてい
る管理形態名は、この操作の結果により、図9の損傷形
態マトリックス140の各セルに例示されているよう
に、状況判定データ5である「正常」、「異常」または
「未点検」という表示に変わることになる。この表示に
対する点検員の対応方法は、次のようになる。
【0063】 正常: 対応処置は不要で、そのまま点検完了。 異常: 異常状況の確認、記録、対策処置実施、状態表示。 未点検: 点検の実施により、正常が異常かを判定する。
【0064】このうち、「正常」は完了であり、「未点
検」は最初からやり直しであるから、さらに新たな作業
が必要になるのは、「異常」の場合だけであり、異常状
況の詳細を確認し、記録を取り、処置方法を検討、決定
して実施することが要求される。このとき、開放点検結
果管理装置50は、既に「異常」のデータは受け取って
いるため、これに対して異常の詳細データの採取等の支
援を行うことができる。
【0065】図10は、開放点検結果管理装置50にお
ける点検補修62に関するこの間の処理方法を示してお
り、状況判定結果5として「正常」が入力されると、そ
の情報を受けて、管理形態マトリックス180は該当セ
ルを正常表示21とする。一方、入力が「異常」であれ
ば、該当セルを異常表示22とするとともに、異常状況
の詳細データを取り込むための異常データ入力用帳票2
0の出力の準備を行う。この異常データ入力用帳票20
の形式は問わないが、これに異常状況データおよびその
関連情報24が記入され、異常状況入力帳票25とな
り、開放点検結果管理装置50に入力される。
【0066】このようにして、図9の損傷実態マトリッ
クス140は、「正常」あるいは「異常」という損傷状
況の一覧表示を行うだけでなく、異常表示されているセ
ルでは、異常状況に関する詳細データを、要求に応じて
表示するための管理を行うことになる。
【0067】次に、点検員は損傷実態マトリックス14
0で「異常」となっているセル、すなわち、点検項目に
ついては、異常状況表示26によりその異常の度合いを
確認した上で、適当な対策処置6を施し、その処置結果
と異常レベル27とを異常状態入力帳票25に追加入力
して損傷実態としなければならない。この異常レベルと
しては、点検の結果発見された「異常」が、対策処置6
によって「正常」に戻った場合と、対策処置によっても
正常には戻せず、次回以降の定期点検に、大なり小なり
の何らかの懸案事項を残す場合とがあるが、ここでは後
者の区分けについては追求しないこととし、単に、懸案
事項としての重要度を表す、「異常レベル」を表示する
ということにしておく。
【0068】このように、図9の損傷実態マトリックス
140の定期点検終了時における最終表示状態は、目視
点検の結果「異常」と判定された全ての項目について、
何らかの対策処置が施され、「正常」も含めた「異常レ
ベル」の表示28に変換されたものでなければならな
い。開放点検結果管理装置50は、図10に示すこの一
連の管理を行うことになる。
【0069】図11は、開放点検結果管理装置50にお
ける傾向管理(1)63に関する処理方法を示すものであ
り、状況判定結果5が「正常」であれば図11と同じ処
理となり、正常表示21を行う。一方、「異常」であれ
ば、該当セルの異常表示22とともに、該当損傷形態の
経年変化の管理に適した経年変化管理入力用帳票29の
出力準備を行う。この経年変化の管理は、設備管理シス
テム100の機能であり、開放点検結果管理装置50の
機能は、基本的には異常表示22までと区分けされる
が、設備管理システム100が未だ構築されていない場
合、必要に応じて、開放点検結果管理装置50の方に経
年変化管理機能35までを持たせることも可能である。
【0070】この経年変化の管理は、点検回数毎の同一
個所の測定データの変化傾向を見ることになるので、点
検項目の如何に関わらず、基本的には同一手法の適用が
可能である。これが傾向管理(1)とグループ分けした理
由でもあるが、この実現のためには、厳密には、例え
ば、名称の違い等、個々の部品の損傷形態毎の調整が必
要になるため、この調整のための補助機能を付属させる
必要がある。本発明に基づく開放点検結果管理装置50
では、管理形態マトリックス180を基本としているた
め、セルの選択によって部品も損傷形態も固定されるの
で、この付属機能の付与は容易になる。
【0071】図11では、開放点検結果管理装置50か
ら出力される経年変化管理入力用帳票29に、異常とさ
れた損傷に関する計測データ34を入力することによっ
て、経年変化管理機能35に繋ぎ、次回以降の点検時の
データも含めた傾向予測を行うことになる。
【0072】図10および図11に示した開放点検結果
の入力方式に対して、実際に適用する具体的手段の如何
によって、いろいろな効果を得ることができる。図10
と図12とでは、基本的には同じ内容の説明となるの
で、以降では、図10の点検補修62の場合を対象とし
て説明する。
【0073】図12は、最も単純な手段によるもので、
点検員は、開放点検結果管理装置50から、管理形態マ
トリックス単位で出力される図2のような点検結果記録
帳票10に、設備機器の点検作業の進捗状況に合わせ
て、現場状況の判定結果5を手書きで記入し、状況判定
結果入力帳票15を作成し、その作業が一段落した時点
で、この状況判定結果入力帳票15を見ながら、開放点
検結果管理装置50に判定結果を一括入力する方式であ
る。
【0074】これを、開放点検結果管理装置50の表示
装置(図示せず)を基準として実施する場合には、点検結
果記録帳票10を表示させれば、直接、この上に状況判
定結果5を入力していくことができるので、状況判定結
果入力帳票15の作成は不要になる。
【0075】図13は、点検結果記録帳票10を、法的
に定期点検の完了時に纏める必要がある定検報告書32
にそのまま使用できるような形式で作成しておき、これ
に判定結果5を手書き記入した帳票を状況判定結果入力
帳票15として、データ読取装置、例えば、OCR33に
より、開放点検結果管理装置50に一括入力する方式を
採ったものである。この方式によれば、状況判定結果入
力帳票15をそのまま定検報告書32に綴じ込むことが
できるので、従来は曖昧であった、点検補修62と傾向
管理(1)63に係わる目視点検結果をも正確に記録に留
めることが可能となる。
【0076】図14は、点検結果記録帳票10を、開放
点検結果管理装置50から点検記録用紙の形で出力する
代わりに、メモリ容量的にも機能的にも、最近の進歩が
著しい、ハンディターミナル等のモーバイル端末30を
使用し、そのスクリーンに表示させるようにしたもので
ある。
【0077】この場合の開放点検結果管理装置50とモ
ーバイル端末30との連係は、コネクタ(図示せず)を介
した有線式、開放点検結果管理装置50のアダプタ(図
示せず)を介したアップロードとダウンロードによる携
帯方式、無線連係方式と、いろいろな方式が考えられ
る。無線式を採用した場合には、点検員が現場で下す判
定結果を、直接その場で開放点検結果管理装置50に入
力できるのみならず、点検員の作業を支援するため各種
の情報を提供することも可能になる。
【0078】次に、図2の点検結果記録帳票10の各点
検項目に、図15に示すように、点検実施順番欄11を
設け、この順番に従うことにより、同じ種類の点検を集
中的に行えるようにガイドできる。この点検順序のガイ
ドは、モーバイル端末30に表示されている点検結果記
録帳票10の中だけに限定されることはなく、その時に
点検対象となっている全ての管理形態マトリックス単位
の機器部品を対象に順番付けをすることも可能である。
この順番は、個々の点検結果記録帳票10での損傷形態
別の順番づけを基本とし、これに機器部品間の順番付け
を重ねたもので、後者の機器部品間の順番付けは、例え
ば、対象機器の開放状態における平面配置上の順番(前
から後ろ、あるいは、右前から左後ろへ等)によって決
定することができる。
【0079】また、同じく図15のように、点検結果記
録帳票10の各点検項目に点検要領12や判定基準13
等の表示ボタンを設けることにより、点検員は、必要に
応じて、具体的な点検の方法や、「正常」か「異常」か
の判定基準の詳細を現場で参照することができるように
なる。この支援を一般的に、すなわち、無作為に抽出さ
れた点検項目に対して行うことは難しいが、点検結果記
録帳票10の構成からも明らかなように、部位と損傷形
態の組み合わせまでに絞り込まれていれば、これに対し
て支援内容を準備することは容易である。
【0080】さらに、同じく図15に示すように、点検
結果記録帳票10の各点検項目に、前回結果14とし
て、前回の目視点検結果を表示できるようにしておけ
ば、今回の点検における注目点としての重要な情報にな
り得る。この表示は、前回点検結果を、図3の状況判定
結果入力帳票15により開放点検結果管理装置50に入
力され、図9の損傷実態マトリックス140に表示され
ている状態と仮定すれば、図15の前回結果欄14の表
示のようになる。
【0081】この表示で「未点検」となっている項目
は、上記の損傷実態マトリックス140での「未点検」
の表示にもかかわらず、ここでは、点検しないまま前回
の定期点検を終了したことを意味しており、今回の点検
では、これをカバーするために、充分注意して点検すべ
きであることを意味する。また、「異常」の表示は、正
確には、前記の「異常レベル」の表示であり、例えば、
「前回の点検で異常が発見され、その処置は終わってい
るけれども、再発の可能性もあり、前回処置の確認も含
めて、注意して点検することを要求」等の損傷実態を表
すことになる。
【0082】さらに、モーバイル端末30の容量が充分
であり、開放点検結果管理装置50との無線あるいは有
線での連係が可能であるなら、この「異常レベル」の表
示から、図10の異常状態詳細データ25を呼び出して
表示し、より高度な支援とすることもできる。
【0083】図15に示す点検実施順番11、点検要領
12、判定基準13、前回結果14のような機能は、必
ずしも全部を揃える必要は無く、使用上の要求、あるい
は、システム上の制限に応じて、適宜選択して採用する
ことができる。このような機能を設けることにより、人
間系による判断に大きく依存する目視点検結果に対する
評価基準を平準化できるのみならず、比較的熟練度の浅
い点検員が点検しても同じような結果を得ることがで
き、豊富な支援情報を参照可能とすることによって、よ
り高度な判定が可能となる。
【0084】ここで、図10において、開放点検結果管
理装置50によって表示される図9の損傷実態マトリッ
クス140の特定のセルに着目すると、セルの特定によ
り対象部位と損傷形態が定まるため、当該セルに対応す
る異常状態情報が記入し易い点検帳票を準備することが
できるようになる。
【0085】任意の点検補修項目62が「異常」である
とき、このような異常データ入力用帳票20を当該セル
から出力すれば、現場の異常状況ータおよび関連情報2
4をこの帳票に的確に記入することができる。これを異
常状況入力帳票25として開放点検結果管理装置50に
戻せば、異常表示されている当該セルから、要求に応じ
て、入力されている詳細な異常状況を表示することがで
きるようになり、詳細データをも含めた異常状態の管理
までが可能となる。
【0086】また、開放点検結果管理装置50による異
常状況データ24の取り込みを紙ベースで行う場合、当
該セルから異常データ入力用帳票20を印刷出力し、こ
れに必要事項を手書き記入するとともに、必要に応じて
スケッチ図や写真を貼り付け、異常の詳細に関する異常
状況入力帳票25とすることができる。この異常状況入
力帳票25は、そのままスキャナーにより開放点検結果
管理装置50に取り込み、異常状況表示26用のデータ
とすることができるし、同時に、図13に示す定検報告
書32の目視点検結果一覧の後ろに、異常項目の詳細説
明として追加することにより、より完全な報告書とする
ことも可能となる。
【0087】さらに、この異常状態データの取り込みを
開放点検結果管理装置50のスクリーン上で行うことも
可能である。この場合、スクリーンに表示される異常デ
ータ入力用帳票20の指定個所に順次必要事項をキーボ
ードあるいは選択により入力していくことになる。スケ
ッチ図や現場写真は、スキャナーやデジタルカメラによ
り容易にこの帳票に貼り付けられることは言うまでもな
い。また、スクリーン上での入力の場合、必要に応じ
て、異常データ入力用のガイダンスを準備することがで
き、より親切な支援が可能となる。
【0088】例えば、異常状態の解決方法は、一般的に
損傷発生状況に応じて決められるが、ここでは、セルの
選択によって、既に部位と損傷形態が定まっているた
め、その損傷形態の度合いに応じて対策処置方法が決定
される。すなわち、損傷の度合いの判定基準とそれに応
じた対策処置方法をリスト化して開放点検結果管理装置
50から表示してやれば、異常状態の入力と同時に対策
処置方法まで決定する、あるいは、最適な方法を選択す
ることが可能となる。
【0089】さらに、ここで選択された対策処置方法が
機器部品の更新にまで至るような大規模な場合には、そ
の回の定期点検の期間内で処理できるとは限らず、今回
は応急処置に留め、正式の処置は次回の定期点検まで延
期することも有り得る。このような場合の機器の今回の
状態は、損傷状態マトリックス140の該当セルには、
単なる「異常」ではなく、「異常レベル大」として表示
して注意を促しておくべきであり、そのような異常レベ
ルの判定基準を表示することにより、前記、損傷状態マ
トリックス140への状態表示を高度化することができ
る。
【0090】上記のような機能の全て、あるいはその一
部は、ハンディターミナル等のモーバイル端末30でも
可能であり、これらの機器を併用することによって、よ
り効率的な装置とすることができる。
【0091】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、設
備機器の目視点検項目の管理をシステム化することによ
って、異常兆候の見落としを防止し、正確な情報を蓄積
することができる。これにより、保守管理の高度化が実
現できる。
【0092】請求項1の発明によれば、目視点検の結果
が、「正常」、「異常」あるいは「未点検」という一連
のデータの形で入力されるので、管理形態マトリックス
に指定された今回の定期点検において実施しなければな
らない目視点検項目の全てについて、それが実施された
かどうかを確認することが可能となる。
【0093】請求項2の発明によれば、「異常」という
データを受け取った点検項目については、予め準備され
た異常データ入力用帳票を出力することができ、装置か
らの要求に従って入力していくことにより、発生した異
常の詳細データを確実に取り込み、管理することが可能
となる。
【0094】請求項3の発明によれば、入力帳票が現時
点では法規的に作成が義務づけられている定検報告書に
そのまま綴じ込めるように作成されているため、入力と
同時に定検報告書の構成頁が完成することになる。
【0095】請求項4の発明によれば、モーバイル端末
を使用することとしたため、点検員の手元で、目視点検
を実施しながらその結果の入力が可能となる。
【0096】請求項5の発明によれば、目視点検そのも
のの実施順序、実施に当たっての各種情報の提供、例え
ば、点検要領、正常か異常かの判定基準、前回の点検結
果、前回点検結果が異常の場合は、その詳細情報等も表
示できるようになるため、目視点検の技術レベルの平準
化が可能であるばかりでなく、点検作業と点検結果の判
定を容易にすることによる合理化が期待できる。
【0097】請求項6の発明によれば、異常の詳細デー
タの取り込みを行うことにより、目視点検結果の「正
常」あるいは「異常」の判定結果の一覧だけではなく、
「異常」の場合には、その詳細データを取り込み、要求
に応じて表示可能とするため、目視点検項目に関する異
常状態の管理を行うことが可能となる。
【0098】請求項7によれば、異常状態の発見から、
その詳細状況の確認、対策処置方法の提示、対策実施後
の状態の確認までを支援対象としたため、目視点検項目
に関する適切な保守管理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる開放点検結果管理
方法の説明図。
【図2】本発明の実施の形態における点検結果記録帳票
の説明図。
【図3】本発明の実施の形態における状況判定結果入力
帳票の説明図。
【図4】本発明の実施の形態における設備管理システム
の設備機器に関する入力情報の流れの概要説明図。
【図5】本発明の実施の形態における管理形態マトリッ
クスの一例の説明図。
【図6】本発明の実施の形態における管理形態マトリッ
クスのセルに記載される管理形態名の定義の説明図。
【図7】本発明の実施の形態における管理形態マトリッ
クスの他の一例の説明図。
【図8】図5の管理形態マトリックスに対応する損傷実
態マトリックスの一例の説明図。
【図9】図7の管理形態マトリックスに対応する損傷実
態マトリックスの一例の説明図。
【図10】本発明の実施の形態における開放点検結果管
理装置での点検補修の場合の異常状態データの入力処理
の説明図。
【図11】本発明の実施の形態における開放点検結果管
理装置での傾向管理(1)の場合の異常状態データの入力
処理の説明図。
【図12】本発明の実施の形態における状況判定結果の
入力方式の説明図(その1)。
【図13】本発明の実施の形態における状況判定結果の
入力方式の説明図(その2)。
【図14】本発明の実施の形態における状況判定結果の
入力方式の説明図(その3)。
【図15】本発明の実施の形態における点検結果記録帳
票の他の一例の説明図。
【符号の説明】
10 点検結果記録帳票 20 異常データ入力用帳票
30 モーバイル端末 32 定検報告書 40 損
傷実態マトリックス 50 開放点検結果管理装置 6
0 開放点検データ 80 管理形態マトリックス 1
00 設備管理システム 140 損傷実態マトリック
ス 180 管理形態マトリックス

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開放点検が必要な設備機器の分解作業単
    位に前記設備機器に係わる全ての目視点検項目を纏めた
    点検結果記録帳票を作成し、前記点検結果記録帳票には
    個々の目視点検結果が正常か異常かの判定結果だけを収
    録し、前記設備機器の目視点検完了時に一括して前記設
    備機器に関する個々の目視点検項目の点検結果に関する
    「正常」あるいは「異常」の全ての状況データを入力
    し、空欄は「未点検」として処理することを特徴とする
    開放点検結果管理方法。
  2. 【請求項2】 前記点検結果記録帳票の入力により、目
    視点検結果が「異常」の状況データを含む全ての点検項
    目に対する点検結果を受け取った場合に、点検項目一覧
    の中の「異常」に該当する点検項目からは、該当する部
    品部位の異常状態データを記録するための異常データ入
    力用帳票を出力し、前記設備機器の保守管理のために必
    要なデータの入力を可能とすることを特徴とする請求項
    1に記載の開放点検結果管理方法。
  3. 【請求項3】 前記点検結果記録帳票をそのまま定期点
    検報告書として使用きるような形式で作成しておき、目
    視点検結果の「正常」あるいは「異常」の状況データを
    手書きで記入し、前記点検結果記録帳票をデータ読取装
    置を使用して一括して入力すると共に、前記点検結果記
    録帳票はそのまま定期点検報告書の一部として使用する
    ようにしたことを特徴とする請求項1に記載の開放点検
    結果管理方法。
  4. 【請求項4】 前記設備機器単位に纏められた点検結果
    記録帳票の管理機能を持ったモーバイル端末に、前記点
    検結果記録帳票の内容をダウンロードし、点検員の手元
    で正常あるいは異常の目視点検結果状況データの入力が
    できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の開
    放点検結果管理方法。
  5. 【請求項5】 前記設備機器単位に管理されている対象
    機器に関する全ての目視点検項目の点検順序、個々の目
    視点検項目に関する点検要領、点検結果が正常か異常か
    の判断のための判定基準項目、前回目視点検結果を前記
    モーバイル端末に必要に応じて表示させ、点検員による
    今回の目視点検の支援を可能としたことを特徴とする請
    求項4に記載の開放点検結果管理方法。
  6. 【請求項6】 前記異常データ入力用帳票には、スケッ
    チ図や状況写真等のイメージデータ、あるいは、デジタ
    ルカメラからの損傷状況記録データを貼付できることを
    特徴とする請求項2に記載の開放点検結果管理方法。
  7. 【請求項7】 前記異常データ入力用帳票に、少なくと
    も、対策処置内容、異常レベル判定結果の入力欄を持
    ち、それらの入力方法を支援するためのデータの表示を
    行うことができることを特徴とする請求項2または請求
    項6に記載の開放点検結果管理方法。
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