JP2001125422A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JP2001125422A
JP2001125422A JP30864399A JP30864399A JP2001125422A JP 2001125422 A JP2001125422 A JP 2001125422A JP 30864399 A JP30864399 A JP 30864399A JP 30864399 A JP30864399 A JP 30864399A JP 2001125422 A JP2001125422 A JP 2001125422A
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JP
Japan
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roller
gear
fixing
pressure roller
heating
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Pending
Application number
JP30864399A
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English (en)
Inventor
Tomoji Yamada
友治 山田
Jun Ogawa
潤 小川
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Nitto Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nitto Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】定着ベルトを確実にエンドレス走行させること
の出来る定着装置を提供することである。 【構成】定着ローラ28と、この定着ローラ28に所定
の圧力で転接する加圧ローラ30と、定着ローラ28か
ら離間して配設された支持ローラ34と、この支持ロー
ラ34と定着ローラ28とにエンドレスに掛け渡された
定着ベルト36と、この定着ベルト36を加熱させ、定
着ローラ28及び加圧ローラ30の転接部を通過するシ
ート上の未定着トナーを加熱する発熱手段32とを備
え、未定着トナーが表面上に担持されたシートが、転接
部を一方向に沿って通過することにより、未定着トナー
を前記シート上に定着させる定着装置において、加圧ロ
ーラ30と支持ローラ34とを同時に回転駆動させる駆
動手段64を具備することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複写機、プリン
タ、ファクシミリ等において、シート上の未定着トナー
を溶融圧着し、該シートに定着させるために使用される
定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近時の電子写真装置用の定着装置におい
ては、図7に示すように、定着ローラR1と加熱兼テン
ションローラ(以下、単に「加熱ローラ」と略称する。)R
3間に定着ベルトBを張設し、この定着ベルトBを介し
て下方より押圧する加圧ローラR2を設けたベルト定着
方式と、記録媒体Dの予熱とを組み合わせた技術が開発
されている。これによって、予熱によりニップ部の温度
を低く設定でき、熱容量の小さい定着ベルトBを用いる
ことで、ニップ部通過時に定着ベルトBの温度を急速に
冷却させ、ニップ部出口での定着ベルトBと分離するト
ナーの凝集力を高めることで、定着ベルトBとトナーと
の離型性を高めて、オイルレス或いは微量のオイルしか
塗布しない場合でも、オフセットの無い鮮明な定着画像
が得られる。この装置は、加熱ローラ方式では解決でき
なかった離型性とオイルの塗布の問題を解決した定着装
置として知られている。
【0003】この従来の定着装置の構成を以下に簡単に
説明する。定着装置は、定着ローラR1と、この定着ロ
ーラR1の直下方に配設された加圧ローラR2と、定着
ローラR1の側方(記録媒体の搬送方向に沿う上流側)
に配設された加熱ローラR3とを備え、定着ローラR1
と加熱ローラR3間に定着ベルトBが張設されている。
【0004】この定着ベルトBの上部にはオイル塗布ロ
ーラR4が設けられている。また、定着ベルトBの下部
には、隙間をあけて記録媒体支持体としてのガイド板G
が設けられ、定着ベルトBの下部とガイド板Gの間に記
録媒体の加熱通路Pを形成している。定着ベルトBは、
加熱ローラR3が加圧レバーUにより定着ローラR1と
隔離する方向に加圧されることで、所望の張力を得ると
共に、定着ローラR1で駆動することによりスリップや
緩みの無い安定した回転をすることが出来る。
【0005】一方、加熱ローラR3の内部には、加熱源
として加熱ヒータHが備えられる。また、加熱ローラR
3の表面温度の測定のためにサーミスタSを設けてい
る。このサーミスタSは、接触状態で被検部の温度を測
定するため、定着ベルトBの通紙領域に接触させること
が好ましくなく、このため、定着ベルトBの非通紙領域
に接触させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記構成を有する従来
の定着装置において、定着ベルトBをエンドレス走行さ
せるために、加圧ローラR2を駆動することが考えられ
るが、この場合、オイル塗布ローラR4を介して、定着
ベルトB上に離型オイルを塗布している都合上、定着ベ
ルトBと加圧ローラR2との間の摩擦係合力(グリップ
力)が小さくなってしまい、定着ベルトBが滑って、走
行速度が遅くなり、最悪の場合には、停止してしまう場
合がある。
【0007】この為、定着ローラR1にもギヤを取り付
け、これを加圧ローラR2と共に回転駆動させることが
考えられる。しかしながら、このように定着ローラR1
を回転駆動する構成においては、ウォーミングアップ終
了後から、回転が安定するまでの間に、加熱による外径
変化が大きく、この外径変化に基づく回転数変化が著し
く、使用に耐えられないものである。
【0008】この発明は、上述した事情に鑑みなされた
もので、この発明の主たる目的は、定着ベルトを確実に
エンドレス走行させることの出来る定着装置を提供する
ことである。
【0009】また、この発明の他の目的は、加圧ローラ
と加熱ローラとを温度変化があっても実質的に同一速度
で回転駆動させることの出来る定着装置を提供すること
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し、
目的を達成するため、この発明に係わる定着装置は、請
求項1の記載によれば、定着ローラと、この定着ローラ
に所定の圧力で転接する加圧ローラと、前記定着ローラ
から離間して配設された支持ローラと、この支持ローラ
と定着ローラとにエンドレスに掛け渡された定着ベルト
と、この定着ベルトを加熱させ、前記定着ローラ及び加
圧ローラの転接部を通過するシート上の未定着トナーを
加熱する発熱手段とを備え、未定着トナーが表面上に担
持されたシートが、前記転接部を一方向に沿って通過す
ることにより、前記未定着トナーを前記シート上に定着
させる定着装置において、前記加圧ローラと支持ローラ
とを同時に回転駆動させる駆動手段を具備することを特
徴としている。
【0011】また、この発明に係わる定着装置は、請求
項2の記載によれば、前記発熱手段は、前記支持ローラ
に内蔵され、該支持ローラは、加熱ローラとして機能す
ることを特徴としている。
【0012】また、この発明に係わる定着装置は、請求
項3の記載によれば、前記駆動手段は、前記加熱ローラ
を主として駆動し、前記加圧ローラを副として駆動する
ことを特徴としている。
【0013】また、この発明に係わる定着装置は、請求
項4の記載によれば、前記駆動手段は、前記加熱ローラ
に固定された加熱ローラギヤと、前記加圧ローラに固定
された加圧ローラギヤとを備え、駆動源からの駆動力が
出力される出力ギヤから、前記加圧ローラギヤと前記加
熱ローラギヤとに、駆動力が同時に伝達されることを特
徴としている。
【0014】また、この発明に係わる定着装置は、請求
項5の記載によれば、前記駆動手段は、前記出力ギヤと
前記加熱ローラギヤ及び加圧ローラギヤとの間に介設さ
れたばねクラッチを更に備え、このばねクラッチは、前
記加熱ローラギヤに直結状態で連結すると共に、前記加
圧ローラギヤとは滑り可能状態で連結することを特徴と
している。
【0015】また、この発明に係わる定着装置は、請求
項6の記載によれば、前記ばねクラッチは、前記出力ギ
ヤと前記加熱ローラギヤとを直接的に噛合する直結側ギ
ヤと、前記加圧ローラギヤに、これを前記加熱ローラギ
ヤの回転方向とは逆方向に回転させるようにアイドルギ
ヤを介して噛合する従動側ギヤと、前記直結側ギヤの所
定方向の回転を前記従動側ギヤに伝達し、該従動側ギヤ
の前記所定方向の回転を該直結側ギヤに伝達しないよう
に、該直結側ギヤと従動側ギヤとに渡り掛け渡されたコ
イルばねとを備えることを特徴としている。
【0016】また、この発明に係わる定着装置は、請求
項7の記載によれば、前記加熱ローラは、金属ローラで
あることを特徴としている。
【0017】また、この発明に係わる定着装置は、請求
項8の記載によれば、前記加熱ローラは、外周面がアル
マイト処理された芯金を備えていることを特徴としてい
る。
【0018】
【発明を実施する形態】以下に、この発明に係わる定着
装置の一実施例の構成を、添付図面を参照して以下に詳
細に説明する。
【0019】{定着装置10の概略説明}先ず、図1に
示すように、この一実施例の定着装置10は、ハウジン
グ構造として、図示しない電子式画像形成装置、例え
ば、電子プリンタのフレームに固定されるハウジング1
2を備えており、このハウジング12は、装置フレーム
上に直接的に固定される底板14と、この底板14の左
右両側縁から夫々起立した側板16と、この側板16に
これの図中略右上部を覆うように取付けられた上カバー
部18と、側板16にこれの略左側部を覆うように取付
けられた左カバー部20とを備えている。
【0020】ここで、上カバー部18は、側板16に対
して固定された状態で取付けられ、これの右上部には、
揺動レバー22が図中右方に位置する第1の支軸24回
りに図中左方が開放されるように、揺動自在に軸支され
ている。一方、左カバー部20は、下部に位置する第2
の支軸26回りに上方が開放されるように、揺動自在に
側板16に取付けられている。
【0021】また、この定着装置10は、ローラ構成と
して、側板16に固定軸線回りに回転自在に軸支された
定着ローラ28と、定着ローラ28の略下方(具体的に
は、斜め下方)でこれに転接する状態で、且つ、定着ロ
ーラ28の固定軸線と平行に設定された固定軸線回りに
側板16に回転自在に支持された加圧ローラ30と、定
着ローラ28の略上方(具体的には、斜め上方)に位置
する状態で揺動レバー22に取付けられ、自身の中心軸
線回りに回動自在に支持された支持ローラ34とを備え
て構成されている。
【0022】また、この定着装置10は、支持ローラ3
4の内部に配設された、例えばハロゲンランプ等の第1
の加熱源32と、加圧ローラ30の内部に配設された、
例えばハロゲンランプ等の第2の加熱源33と、定着ロ
ーラ28と支持ローラ34とに渡りエンドレスに巻回さ
れた定着ベルト(熱伝達ベルト)36とを更に備えてい
る。即ち、この実施例においては、支持ローラ34は、
ハロゲンランプ32が内蔵された加熱ローラとして機能
している。なお、以下の説明において、ローラ34は加
熱ローラとして説明する。
【0023】ここで、詳細は後述するが、定着ローラ2
8は弾性ローラとして構成され、一方、加圧ローラ30
は弾性ローラより硬いローラ上硬度を有するローラから
構成されている。一方、定着ローラ28と加圧ローラ3
0との互いの回転中心間距離Dは、図2に示すように、
定着ローラ28の半径R1及び加圧ローラ30R2の半
径の和(R1+R2)より、僅かであるが短く設定され
ている。この結果、定着ローラ28と加圧ローラ30と
の互いの転接部(ニップ部)においては、両者は互いに
所定の圧接力P1で転接し、これにより、定着ローラ2
8が転接部で凹んだ状態にもたらされることになる。即
ち、ニップ幅が十分に確保されることになる。
【0024】また、この定着装置10は、定着ベルト3
6の外表面にシリコーンオイルを塗布すると共に、この
定着ベルト36の外表面をクリーニングするためのオイ
ル塗布ローラ38と、このオイル塗布ローラ38を定着
ベルト36に直交する状態で圧接させて、定着ベルト3
6に所定のテンションを付与させる第1のコイルバネ4
0と、加熱ローラ34を定着ローラ28から離間する方
向に付勢して、第1のコイルバネ40と協同して定着ベ
ルト36に所定のテンションを付与させる第2のコイル
スプリング42とを更に備えている。
【0025】また、上述した上カバー部18の図中右下
部は、内方に折り曲げられており、この折曲片の下方に
位置すると共に、これから大きく離間した状態で、ガイ
ド板44が側板16に固定されている。この上カバー部
18とガイド板44との間から、未定着トナーが上面に
担持されたシート(以下、単に、未定着シートと呼
ぶ。)が、図中矢印で示す一方向(搬送方向)に沿って
ハウジング12内に取り込まれる入口ポート46が規定
される。
【0026】ここで、このガイド板44は、ハウジング
12内に入るにつれてその高さが高まるように図中左斜
め上方に傾斜した状態で取付けられている。一方、ガイ
ド板44の導入側端部、即ち、図中右下側の端部は、電
子プリンタ内であって入口ポート46の図中右側に隣接
した状態で配設されたシート搬送用のエンドレスベルト
EBの出口側端部に対向した状態に位置決めされ、ガイ
ド板44の導出側端部、即ち、図中左上側の端部は、定
着ローラ28と加圧ローラ30との転接部(ニップ部)
に対向した状態に位置決めされている。
【0027】そして、このエンドレスベルトEBを介し
て定着装置10に向けて図中矢印で示す一方向(搬送方
向)に沿って搬送されてきた未定着シートの先端は、先
ず、ガイド板44に触れ、これに案内された状態で、斜
め上向きに搬送されるように設定され、更に、このガイ
ド板44により案内された未定着シートは、その先端が
加圧ローラ30の外周面に先ず接触した後、加圧ローラ
30の外周面に沿って移動して、定着ローラ28と加圧
ローラ30との転接部に導かれるように設定されてい
る。
【0028】一方、上述した左カバー部20の上部に
は、転接部を通過して定着ローラ28と加圧ローラ30
とにより熱圧着により未定着トナーを定着されたシート
(以下、定着済みシートと呼ぶ。)が排出される排紙通
路48が形成されており、この一実施例においては、こ
の排紙通路48は、定着済みシートを略直立した状態で
上方に向けて排出するように設定されている。
【0029】この排紙通路48と転接部との間に位置し
た状態で、下排紙ローラ50が左カバー部20に回転自
在に軸支されており、この下排紙ローラ50は、後述す
る駆動機構52からの駆動力を得て、加圧ローラ30よ
り同速以上の速さ(例えば、加圧ローラ30の速度より
5%早く設定された回転速度)で回転駆動されるように
構成されている。そして、この下排紙ローラ50には、
斜め上方から転接する状態で、上排紙ローラ54が板バ
ネ56を介して所定の弾性力で圧接した状態で転接して
いる。尚、この上排紙ローラ54の配設位置は、これと
下排紙ローラ50との互いの中心位置を結ぶ線分が、定
着済みシートの排紙パスに対して、略直交する状態に設
定されている。
【0030】このように概略構成される定着装置10に
おいては、搬送機構により、エンドレスベルトEBを介
してガイド板44上に搬送されてきた未定着シートS
は、未定着トナーが付着していない下面をガイド板44
に接触・支持されると共に、定着ベルト36が巻かれた
定着ローラ28と加圧ローラ30との転接部(ニップ
部)に向けて案内され、両者28、30の間を圧接され
た状態で挿通されることにより、未定着トナーが熱圧着
されてシート上に定着されるように設定されている。以
下、上述した種々の構成要素を順次個別に説明する。
【0031】{定着ローラ28の説明}上述した定着ロ
ーラ28は、芯金部28Aと、この芯金部28Aの外周
に同軸に配設され、定着ベルト36が巻回されるローラ
本体28Bと、芯金部28Aの両端に夫々同軸に固定さ
れ、側板16に図示しないベアリングを介して回転自在
に軸支される支軸部28Cとを備えて構成され、ローラ
外径をこの一実施例では38.0mmに設定されてい
る。ここで、この一実施例において、芯金部28Aは、
直径25mmの鉄製シャフトから形成され、ローラ本体
28Bは、芯金部28Aの外周に厚さ6.5mmで取り
付けられたシリコーンゴム耐熱弾性体(具体的には、ロ
ーラ上にてJIS A硬度で18度)から形成されてい
る。
【0032】この定着ローラ28の芯金部28Aの両端
に固定された支軸部28Cの一方には、側板16よりも
外方に位置した状態で、後述する駆動機構52の一構成
要件として規定されるアイドルギヤ(定着ローラギヤ)
58(図3及び図4に示す)が回転自在に軸支されてい
る。
【0033】{加圧ローラ30の説明}上述したよう
に、第2の加熱源33を内蔵する加圧ローラ30は、芯
金部30Aと、この芯金部30Aの外周に同軸に配設さ
れたローラ本体30Bと、芯金30Aの両端に夫々同軸
に固定され、側板16に図示しないベアリングを介して
回転自在に軸支される支軸部30Cとを備えて構成さ
れ、ローラ外径を35mmに設定されている。ここで、
この一実施例において、芯金部30Aは、内径22m
m、外径32mmの鉄製パイプから形成され、ローラ本
体30Bは、芯金部30Aの外周に厚さ1.5mmで取
り付けられたシリコーンゴム耐熱弾性体(具体的には、
上述した定着ローラ28よりも硬めのローラ上にてAS
KER C硬度で74〜75度のもの)から形成されて
いる。
【0034】尚、この加圧ローラ30の芯金部30Aの
両端に固定された支軸部30Cの一方には、側板16よ
りも外方に位置した状態で、後述する駆動機構52の一
構成要件として規定される加圧ローラギヤ60が同軸に
固定されており、この加圧ローラギヤ60には、上述し
たアイドルギヤ(定着ローラギヤ)58が噛合してお
り、このアイドルギヤ(定着ローラギヤ)58を介して
これからの駆動力が加圧ローラギヤ60に伝達されて、
加圧ローラ30が定着ローラ28とは反対の反時計方向
に沿って回転駆動されるように構成されている。
【0035】一方、この一実施例においては、加圧ロー
ラ30は、定着ローラ28の直下方に位置しているので
はなく、定着ローラ28の直下方位置よりも、未定着シ
ートの搬送方向に沿って偏倚した位置に配設されてお
り、加熱ローラ34と定着ローラ28との両中心点を通
る線分を基線とした場合に、この基線と、定着ローラ2
8及び加圧ローラ30の両中心点を通る線分とのなす角
度が、所定の鋭角となるような位置に配設されている。
尚、定着ローラ28と加圧ローラ30の両中心点を通る
線分は、未定着シートの搬送方向と略直交するように設
定されているものである。
【0036】{加熱ローラ34の説明}上述した第1の
加熱源32を内蔵する加熱ローラ34は、この一実施例
においては、直径30mmで、肉厚3.5mmの外周面
をアルマイト処理された芯金34Aと、この芯金34A
の両端に夫々同軸に固定され、側板16に図示しないベ
アリングを介して回転自在に軸支される支軸部34Bと
を備えて構成されている。即ち、この加熱ローラ34
は、金属ローラとして構成されている。
【0037】尚、この加熱ローラ34の芯金部34Aの
両端に固定された支軸部34Bの一方には、側板16よ
りも外方に位置した状態で、後述する駆動機構52の一
構成要件として規定される加熱ローラギヤ62が同軸に
固定されている。また、この芯金34Aの両端の支軸部
34Bには、耐熱樹脂のポリエーテルエーテルケトン
(PEEK)製の直径34mmのカラー66が挿入され
ており、これにより、定着ベルト36の蛇行や片寄りを
防止している。
【0038】この加熱ローラ34の内部には、第1の加
熱源32が内蔵されているが、この一実施例において
は、この第1の加熱源32は、最大出力が1kWのハロ
ゲンランプ32から構成されている。一方、上述した加
圧ローラ30に内蔵された第2の加熱源33は、最大出
力が250Wのハロゲンランプから構成されている。こ
こで、この定着装置10の加熱源に許容された最大出力
は、この実施例においては1kWに設定されている。即
ち、この実施例においては、第1の加熱源32は、この
定着装置10に許容される最大出力そのものを出力する
ことが出来るように設定されている。
【0039】{定着ベルト36の説明}上述の定着ベル
ト36は、未定着シートS上の未定着トナーを定着温度
まで過剰な熱量を与えることなく定着できるように、そ
の定着ベルト36の1平方cm当たりの熱容量が、0.
002cal/℃乃至0.025cal/℃の範囲内の
ものが好ましいものである。このため、この一実施例に
おいては、図5に示すように、定着ベルト36は、内径
が60mm、厚さが100μmのポリイミド樹脂製の無
端状のベルト基体36aと、このベルト基体36aの外
周面(表層)に厚さ200μmでコーティングされたシ
リコーンゴムの耐熱弾性離型層36bとを備えて構成さ
れている。
【0040】尚、この実施例では、ベルト基体36aの
外周面には、耐熱弾性離型層36bがコーティングされ
るように説明したが、このような耐熱弾性離型層36の
コーティングに限定されることなく、離型層としては耐
熱性を有していればよく、弾性を有することは必須では
ない。即ち、このベルト基体36aの外周面には、最低
限、耐熱離型層36bがコーティングされているように
設定されている。
【0041】{オイル塗布ローラ38の説明}この定着
装置10は、定着ベルト36の外周面に、離型用のオイ
ルを微量に塗布するためのオイル塗布ローラ38を備え
ている。このオイル塗布ローラ38は、詳細は図示して
いないが、ケーシング68に軸線固定状態で回転自在に
軸支された支軸と、この支軸の外周にシリコーンオイル
を含浸させた耐熱紙層とを備えて構成されており、支軸
は、この一実施例においては、直径8mmの鉄製シャフ
トから形成され、耐熱紙層は、その外周に100μmの
多孔質フッ素樹脂フィルムが装着された状態で、直径2
5mmのローラ外径を有するように形成されている。こ
のように、オイル塗布ローラ38を構成することによ
り、定着ベルト36の外周面への安定した微量のオイル
塗布が可能となる。
【0042】オイル塗布ローラ38の外周面には、定着
ベルト36の外周面に付着した汚れ(トナー等)が転移
して付着し、汚されることになる。この為、このオイル
塗布ローラ38の外周面には、クリーニング用ブラシが
接触しており、常時、オイル塗布ローラ38の外周面を
清掃して、ここに付着した汚れを掻き落とすようになさ
れている。
【0043】{定着ベルト36へのテンション付与機構
の説明}上述したように、この一実施例では、定着ベル
ト36へテンションを付与するための機構として、この
オイル塗布ローラ38を定着ベルト36に直交する状態
で圧接させて、定着ベルト36に所定のテンションを付
与させる第1のコイルバネ40と、加熱ローラ34を定
着ローラ28から離間する方向に付勢して、第1のコイ
ルバネ40と協同して定着ベルト36に所定のテンショ
ンを付与させる第2のコイルスプリング42とを備えて
いる。
【0044】ここで、第1のコイルバネ40は、オイル
塗布ローラ38を回転自在に支持するケーシング68
を、定着ベルト36に向けて付勢するように、左カバー
部20に取付けられている。即ち、ケーシング68は、
側板16に取り付けられたガイドリブ70により、定着
ベルト36に対して接離自在に支持されている。このよ
うにして、左カバー部20が図中左方に開かれた際に、
ケーシング68を押圧していた第1のコイルバネ40が
ケーシング68から離間され、これにより、オイル塗布
ローラ38の定着ベルト36への押圧状態が解除される
ことになる。また、左カバー部20が図中右方に回動さ
れて閉じられることにより、第1のコイルバネ40がケ
ーシング68を押圧力P2で押圧して、オイル塗布ロー
ラ38が定着ベルト36を所定のテンションで押圧する
ことになる。
【0045】一方、第2のコイルバネ42は、揺動レバ
ー22の図中左端と側板16との間に介設され、揺動レ
バー22を図中時計方向に沿って回動するように、換言
すれば、この揺動レバー22に支持された加熱ローラ3
4が定着ローラ28から離間する方向に第3の押圧力P
3で押圧するように取付けられている。これにより、定
着ベルト36には、所定のテンションが付与されること
になる。
【0046】即ち、この第2のコイルバネ42の付勢力
により揺動レバー22を介して加熱ローラ34は、定着
ローラ28から離間する方向に偏倚させられ、これによ
り、加熱ローラ34と定着ローラ28とにエンドレスに
掛け渡された定着ベルト36は、所定のテンションに緊
張された状態で張られることになる。
【0047】このように第1及び第2のコイルバネ4
0、42の作用により、定着ベルト36は、加圧ローラ
30と摩擦係合して連れ回りし、且つ、この定着ベルト
36の連れ回りに応じて、定着ローラ28は定着ベルト
36に対してスリップや緩みの無い安定した状態で従動
されることになる。
【0048】{駆動機構52の説明}上述した加熱ロー
ラ34及び加圧ローラ30を回転駆動するための駆動機
構52は、図3及び図4に示すように、電子プリンタに
この定着装置10が装着された状態で、電子プリンタ側
の駆動源に図示しないギヤトレインを介して接続された
出力ギヤGEに係脱自在に噛合し、これからの駆動力を
受けて回転駆動されるばねクラッチ64を、上述したア
イドルギヤ(定着ローラギヤ)58、加圧ローラギヤ6
0、加熱ローラギヤ62と共に備えている。即ち、この
ばねクラッチ64は、駆動源からの駆動力を出力する出
力ギヤGEと、加熱ローラギヤ62及び加圧ローラギヤ
60との間に介設され、加熱ローラギヤ62に直結状態
で連結すると共に、加圧ローラギヤ60とは滑り可能状
態で連結するように構成されている。
【0049】ここで、このばねクラッチ64は、図4及
び図5に示すように、出力ギヤGEと加熱ローラギヤ6
2とを直接的に噛合する直結側ギヤ64Aと、加圧ロー
ラギヤ60に、これを加熱ローラギヤ62の回転方向と
は逆方向に回転させるようにアイドルギヤ58を介して
噛合する従動側ギヤ64Bと、直結側ギヤ64Aの図3
において時計方向の回転を従動側ギヤ64Bに伝達し、
この従動側ギヤ64Bの図3において時計方向の回転を
直結側ギヤ64Aに伝達しないように、直結側ギヤ64
Aと従動側ギヤ64Bとに渡り掛け渡されたコイルばね
64Cと、これら直結側ギヤ64Aと従動側ギヤ64B
とを回転自在に支持し、側板16に固定される支持シャ
フト64Dとを備えて構成されている。
【0050】上述した直結側ギヤ64Aと従動側ギヤ6
4Bとは、共に、同一構造に構成され、各々、ギヤ本体
64A1、64B1と、このギヤ本体64A1、64B
1の一側面に同軸状に形成されたボス部64A2、64
B2とから一体的に構成され、中心軸線に沿って貫通
し、上述した支持シャフト64Dが相対回転可能に挿通
される貫通孔64A3,64B3が形成されている。
【0051】ここで、このばねクラッチ64は、図5に
示すように、互いのボス部64A2、64B2を対向さ
せ、両方の外周面にコイルばね64Cが巻回されるよう
に嵌合させ、この状態で、支持シャフト64Dを貫通孔
64A3,64B3に挿通させることにより、アッセン
ブリが構成される。尚、コイルばね64Cは、自然状態
(即ち、外力が作用しない状態)で、その内径が、ボス
部64A2、64B2の外径よりも僅かに小さく設定さ
れている。また、コイルばね64Cの巻き方向は、これ
の図中手前側端部が向う側の端部に対して図中時計方向
に沿う力が作用すると締まる(外径が縮径する)ように
設定されている。換言すれば、コイルばね64Cは、こ
れの図中向こう側の端部が手前側端部に対して図中時計
方向に回転することにより緩む(外径が拡径する)こと
になる。
【0052】これにより、コイルばね64Cがボス部6
4A2、64B2に共に(即ち、両者に渡り)嵌合する
状態で、直結側ギヤ64Aが図中時計方向に回転する
と、これのボス部64A2の外周においてコイルばね6
4Cが締まり方向に変形して、両者が摩擦係合し、コイ
ルばね64Cは連れ回りすることになる。また、コイル
ばね64Cが図中時計方向に回転すると、ボス部64B
2の外周において、コイルばね64Cが締まり方向に変
形して、両者が摩擦係合し、従動側ギヤ64Bは連れ回
りすることになる。従って、直結側ギヤ64Aの図中時
計方向の回転が、コイルばね64Cを介して、そのま
ま、従動側ギヤ64Bに伝達され、これは連れ回りする
ことになる。
【0053】一方、従動側ギヤ64Bが図中時計方向に
回転すると、これのボス部64B2の外周において、コ
イルばね64Cは緩み方向に変形して、ボス部64B2
の外周面に沿って滑ることとなり、コイルばね64Cは
連れ回りする状態とはならない。即ち、コイルばね64
Cに負荷が掛っている状態においては、コイルばね64
Cは停止状態が維持され、この結果、従動側ギヤ64B
が図中時計方向に回転したとしても、直結側ギヤ64A
は連れ回りしないこととなる。
【0054】この結果、このばねクラッチ64は、直結
側ギヤ64Aの図中時計方向の回転を従動側ギヤ64B
に伝達し、従動側ギヤ64Bの図中時計方向の回転を直
結側ギヤ64Aに伝達しない駆動力断続機能が達成され
ることになる。
【0055】このようなばねクラッチ64を備えている
ため、出力ギヤGEからの図中反時計方向の駆動力は、
ばねクラッチ64の直結側ギヤ64Aを介して加熱ロー
ラギヤ62に伝達され、この加熱ローラギヤ62は図中
反時計方向に回転駆動されることとなる。また、この出
力ギヤGEの図中反時計方向の駆動力は、ばねクラッチ
64の従動側ギヤ64Bを介して、また、アイドルギヤ
(定着ローラギヤ)58を介して、加圧ローラギヤ60
に伝達され、この加圧ローラギヤ60は図中時計方向に
回転駆動されることになる。
【0056】このように、この駆動機構52において
は、加熱ローラギヤ62が一体的に取り付けられた加熱
ローラ34が、定着ベルト36をエンドレス走行させる
ための主駆動ローラとして機能し、加圧ローラギヤ60
が一体的に取り付けられた加圧ローラ30が、定着ベル
ト36をエンドレス走行させるための副駆動ローラとし
て機能することになる。
【0057】従って、この実施例によれば、定着ベルト
36の外周面に離型オイルが塗布されたとしても、主と
して加圧ローラ30との摩擦係合でエンドレス走行され
るのではなく、主として加熱ローラ34の回転に応じて
エンドレス走行されることになるので、定着ベルト36
の表面への離型オイルの塗布に拘わり無く、確実に、定
着ベルト36はエンドレス走行されることになる。
【0058】一方、加熱ローラ34は、上述したよう
に、金属ローラとして構成されているので、その熱膨張
係数の観点から、内蔵する第1の発熱源32が発熱した
としても、その外径の膨張(変化)は、極めて小さいも
のとなる。一方、加圧ローラ30は、上述したように、
ローラ本体30Bとしてシリコーンゴム耐熱弾性体を備
えており、内蔵する第2の発熱源33が発熱した場合
に、その外径の膨張(変化)は、加熱ローラ34の場合
と比較して大きなものとなる。
【0059】ここで、この定着装置10においては、第
1及び第2の発熱源32、33は、所定の温度幅を持っ
た状態で、温度制御されている。このため、加熱ローラ
34の、この温度幅に基づく外径寸法の差は、実質的に
何等の問題も発生させないが、加圧ローラ30の、この
温度幅に基づく外径寸法は、かなり異なることになる。
【0060】一方、加熱ローラ34の回転に伴いエンド
レス走行される定着ベルト36と、加圧ローラ30と
は、ニップ部において摩擦係合しているので、互いの周
速は、一致していなければならない。換言すれば、両者
の間で相対速度が発生すると、この速度差が、定着ベル
ト36に対してストレスとして作用し、これの破壊の恐
れ、又は、寿命の低下を招くことになり好ましくない。
一方で、上述したように、加圧ローラ30の周速は、回
転数を一定と仮定すれば、温度の変化に伴い、変化する
ことになる。但し、この実施例においては、定着ベルト
36と加圧ローラ30は、摩擦係合により互いに同速で
回転(走行)しようとしている。この結果、温度の変化
に伴い、加圧ローラ30の回転数が変化することにな
る。この加圧ローラ30の回転数の変化を吸収するため
に、上述したばねクラッチ64が配設されている。
【0061】即ち、主たる駆動ローラとして機能する加
熱ローラ34によりエンドレス走行される定着ベルト3
6の周速は、加圧ローラ30が設定された最高温度で加
熱されている際の熱膨張率を考慮して、この最高温度が
設定されている際において、定着ベルト36と加圧ロー
ラ30とが速度差無しに、換言すれば、同一周速で走行
(回転)するように設定されている。この結果、加圧ロ
ーラ30の温度が低くなるに連れて、これの外径は小さ
くなり、従って、回転数は早くなることになる。
【0062】ここで、上述したように、加圧ローラ30
と、これを駆動する出力ギヤGEとの間には、ばねクラ
ッチ64が介設されているので、この加圧ローラ30の
回転数が早くなることは、このばねクラッチ64で吸収
され、何等の問題も引き起こさないことになる。
【0063】このようにして、この実施例においては、
駆動機構52にばねクラッチ64を設けていることによ
り、加圧ローラ30に温度変化に基づく回転数の変化が
あったとしても、この回転数の変化は、ばねクラッチ6
4により確実に吸収され、加圧ローラ30と加熱ローラ
34により走行駆動される定着ベルト36の周速とは、
常に同速に保持され、定着ベルト36に速度差に基づく
無用な負荷が掛かり、破損や寿命が低下する事が、確実
に防止されることになる。
【0064】{その他の構成}この一実施例の定着装置
10は、上述した構成の他、再び図1に示すように、加
圧ローラ30の外周面に付着した定着済みシートを引き
剥がすための剥離爪76と、上述した下排紙ローラ50
と上排紙ローラ54との間(転接部)に定着済みシート
の先端が搬送されてきたことを検出する排紙センサ78
とを備えている。
【0065】{加熱ローラ34の上方配置の説明}上述
したように、この一実施例においては、加熱ローラ34
は定着ローラ28の略上方に配設されており、これによ
り、加熱ローラ34と定着ローラ28との間にエンドレ
スに巻回された定着ベルト36とガイド板44との間
は、このガイド板44上を搬送される未定着シートが定
着ベルト36に接触しないように離間されることにな
る。換言すれば、この定着ベルト36は、ガイド板44
上を搬送される未定着シートが通過する可能性のある領
域を外れた位置に配設されていることを意味している。
【0066】このように加熱ローラ34を定着ローラ2
8の上方に配置することにより、搬送途中の未定着シー
トがどのような湾曲姿勢(カール状態)にあろうとも、
このシートの上面に担持された未定着トナーが定着動作
前に定着ベルト36に実質的に接触することから確実に
防止され、未定着トナーを乱すことなく定着ローラ28
と加圧ローラ30との転接部に導いて、これを定着させ
ることが可能となる。
【0067】{加熱ローラ34の構成角度の説明}上述
した構成の定着装置10において、上述したように加熱
ローラ34を定着ローラ28の略上方に配設することに
より、特有の効果を達成することが出来るものである。
ここで、「略上方」の範囲を明確に規定するために、図
6に示すように、加熱ローラ34の構成角度を種々変更
して、その最適範囲を求める実験例を説明する。
【0068】先ず、この実験例では、定着ローラ28と
加圧ローラ30との両中心点を通る線分を基線Bとして
定義し、この基線Bと、定着ローラ28及び加熱ローラ
34の両中心点を結ぶ線分Lとのなす構成角度をθと定
義した場合、加熱ローラ34の位置を変更して、この構
成角度θが90°〜180°となるようにして、定着ロ
ーラ28と加圧ローラ30との転接部の入口での画像の
擦れの発生頻度、及び、転接部の出口での異常の発生頻
度を、片面コピー時と両面コピー時とで、夫々測定し
た。
【0069】ここで、構成角度θの±は、基線Bから反
時計方向に測定した値を「+」とし、基線Bから図中時
計方向に測定した値を「−」と定義した。従って、+1
80°にある加熱ローラ34と、−180°にある加熱
ローラ34とは、同一位置を示すことになり、また、+
105°にある加熱ローラ34と、−255°にある加
熱ローラ34とは、同一位置を示すことになる。一方、
転接部の出口における異常とは、この一実施例では、転
接部の出口におけるオフセットの発生又はジャムの発生
を意味するものとする。
【0070】尚、測定条件は、以下の通りである。即
ち、転接部におけるニップ幅を8mmに設定し、このた
めの圧接力P1を24kgf/片側に設定した。一方、
定着ローラ28に巻回されている定着ベルト36の部分
の温度を160℃に、また、加圧ローラ30の表面温度
を140℃に設定した。更に、未定着シートの搬送速度
を180mm/secに設定し、これに同期した状態
で、加圧ローラ30を回転駆動した。そして、トナーと
しては、富士ゼロックス社製のAカラートナーを用い、
シートとして、64g/平方mの用紙を採用した。
【0071】このようにして、構成角度θを90°、1
05°、120°、150°、180°、−150°、
−120°、−105°、−90°の9種類に分けて、
上述した測定条件で測定した。
【0072】その測定結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】この表1から明白なように、構成角度θが
105°より大きい場合、及び、−105°よりも小さ
い場合、即ち、構成角度θを反時計方向のみに測定した
場合に、これが105°乃至255°の範囲内にある場
合には、転接部の入口での画像の擦れの発生、及び、転
接部の出口での異常の発生がなく、良好な定着動作が実
行されていることが判明した。一方、構成角度θが10
5°以下の場合には、転接部の入口での画像の擦れ又は
転接部の出口での異常の何れかが発生し、良好な定着動
作が実行されないことが判明した。
【0075】また、この一実施例においては、ニップ部
の一方を構成する加圧ローラ30に第2の加熱源33を
内蔵しているので、未定着シートSを加熱する熱量が充
分に供給されることとなり、この結果、定着ベルト36
の走行速度を上げたとしても、ニップ部に充分な熱量の
供給が達成されることになる。このようにして、通紙速
度の高速化に充分に対応させることが可能となる。
【0076】また、この一実施例においては、加熱ロー
ラ34を定着ローラ28の略上方に配置し、具体的に
は、加熱ローラ34を、これの中心点と定着ローラ28
の中心点とを結ぶ線分Lが、定着ローラ28と加圧ロー
ラ30との互いの中心点を結ぶ線分を基線Bとした状態
で、該基線Bから計測した角度が約105度乃至約25
5度の範囲となる位置に配設しているので、加熱ローラ
34と定着ローラ28との間にエンドレスに巻回された
定着ベルト36とガイド板44との間は、このガイド板
44上を搬送される未定着シートが定着ベルト36に接
触しないように離間されることになる。換言すれば、こ
の定着ベルト36は、ガイド板44上を搬送される未定
着シートが通過する可能性のある領域を外れた位置に配
設されていることを意味している。
【0077】この結果、この一実施例によれば、搬送途
中の未定着シートが、跳ね上がりや転写部との搬送速度
差に基づくたるみ等により、どのような湾曲姿勢(カー
ル状態)にあろうとも、このシートの上面に担持された
未定着トナーが定着ベルト36に接触することから確実
に防止され、未定着トナーを乱すことなく定着ローラ2
8と加圧ローラ30との転接部に導いて、これを確実に
定着させることが可能となる。
【0078】この発明は、上述した実施例の構成に限定
されることなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種
々変形可能である事は言うまでもない。
【0079】例えば、上述した実施例においては、定着
ベルト36は、ポリイミド樹脂製のベルト本体36aを
備えるように説明したが、この発明は、このような構成
に限定されることなく、従来技術の欄で説明したよう
に、電鋳製のベルトを用いることが出来ることは言うま
でもない。
【0080】また、上述した実施例においては、加圧ロ
ーラ30の回転数変化を吸収する手段として、ばねクラ
ッチ64を設けるように説明したが、この発明は、この
ような構成に限定されることなく、ワンウェイクラッチ
等の他の滑り許容手段をもうけてもよいことは、言うま
でもない。
【0081】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、定着ベルトを確実にエンドレス走行させることの出
来る定着装置が提供されることになる。
【0082】また、この発明によれば、加圧ローラと加
熱ローラとを温度変化があっても実質的に同一速度で回
転駆動させることの出来る定着装置が提供されることに
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる定着装置の一実施例の構成を
示す正面断面図である。
【図2】定着ローラと加圧ローラとの転接状態を示す図
である。
【図3】駆動機構の構成を取り出して示す正面図であ
る。
【図4】図3に示す駆動機構の構成を取り出して示す側
面図である。
【図5】図3及び図4に示す駆動機構に備えられたばね
クラッチを取り出して示す分解斜視図である。
【図6】定着ローラに対する加熱ローラの配設位置の許
容範囲を調べるために行われた実験例における構成角度
を示す図である。
【図7】従来の定着装置の構成を概略的に示す正面図で
ある。
【符号の説明】
10 定着装置 12 ハウジング 14 底板 16 側板 18 上カバー部 20 左カバー部 22 揺動レバー 24 第1の支軸 26 第2の支軸 28 定着ローラ 28A 芯金部 28B ローラ本体 28C 支軸 30 加圧ローラ 30A 芯金部 30B ローラ本体 30C 支軸 32 第1の加熱源 33 第2の加熱源 34 加熱ローラ(支持ローラ) 34A 芯金部 34B 支軸部 36 定着ベルト 36a ベルト基体 36b 耐熱弾性離型層 38 オイル塗布ローラ 40 第1のコイルバネ 42 第2のコイルバネ 44 ガイド板 46 入口ポート 48 排紙通路 50 下排紙ローラ 52 駆動機構 54 上排紙ローラ 56 板バネ 58 アイドルギヤ(定着ローラギヤ) 60 加圧ローラギヤ 62 加熱ローラギヤ 64 ばねクラッチ 64A 直結側ギヤ 64A1 ギヤ本体 64A2 ボス部 64A3 貫通孔 64B 従動側ギヤ 64B1 ギヤ本体 64B2 ボス部 64B3 貫通孔 64C コイルばね 64D 支持シャフト 66 カラー 68 ケーシング 70 ガイドリブ 76 剥離爪 78 排紙センサ 80 第1のサーミスタ 82 第2のサーミスタ 84 第3のサーミスタ EB エンドレスベルト GE 出力ギヤ S 未定着シート

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】定着ローラと、この定着ローラに所定の圧
    力で転接する加圧ローラと、前記定着ローラから離間し
    て配設された支持ローラと、この支持ローラと定着ロー
    ラとにエンドレスに掛け渡された定着ベルトと、この定
    着ベルトを加熱させ、前記定着ローラ及び加圧ローラの
    転接部を通過するシート上の未定着トナーを加熱する発
    熱手段とを備え、未定着トナーが表面上に担持されたシ
    ートが、前記転接部を一方向に沿って通過することによ
    り、前記未定着トナーを前記シート上に定着させる定着
    装置において、 前記加圧ローラと支持ローラとを同時に回転駆動させる
    駆動手段を具備することを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】前記発熱手段は、前記支持ローラに内蔵さ
    れ、該支持ローラは、加熱ローラとして機能することを
    特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 【請求項3】前記駆動手段は、前記加熱ローラを主とし
    て駆動し、前記加圧ローラを副として駆動することを特
    徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 【請求項4】前記駆動手段は、前記加熱ローラに固定さ
    れた加熱ローラギヤと、前記加圧ローラに固定された加
    圧ローラギヤとを備え、 駆動源からの駆動力が出力される出力ギヤから、前記加
    圧ローラギヤと前記加熱ローラギヤとに、駆動力が同時
    に伝達されることを特徴とする請求項3に記載の定着装
    置。
  5. 【請求項5】前記駆動手段は、前記出力ギヤと前記加熱
    ローラギヤ及び加圧ローラギヤとの間に介設されたばね
    クラッチを更に備え、 このばねクラッチは、前記加熱ローラギヤに直結状態で
    連結すると共に、前記加圧ローラギヤとは滑り可能状態
    で連結することを特徴とする請求項4に記載の定着装
    置。
  6. 【請求項6】前記ばねクラッチは、 前記出力ギヤと前記加熱ローラギヤとを直接的に噛合す
    る直結側ギヤと、 前記加圧ローラギヤに、これを前記加熱ローラギヤの回
    転方向とは逆方向に回転させるようにアイドルギヤを介
    して噛合する従動側ギヤと、 前記直結側ギヤの所定方向の回転を前記従動側ギヤに伝
    達し、該従動側ギヤの前記所定方向の回転を該直結側ギ
    ヤに伝達しないように、該直結側ギヤと従動側ギヤとに
    渡り掛け渡されたコイルばねと、を備えることを特徴と
    する請求項5に記載の定着装置。
  7. 【請求項7】前記加熱ローラは、金属ローラであること
    を特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  8. 【請求項8】前記加熱ローラは、外周面がアルマイト処
    理された芯金を備えていることを特徴とする請求項7に
    記載の定着装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010217772A (ja) * 2009-03-18 2010-09-30 Fuji Xerox Co Ltd 支持軸の固定構造及びこれを用いた定着装置、画像形成装置
US8010030B2 (en) 2007-09-27 2011-08-30 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Image forming apparatus roller configuration

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