JP2001124702A - 帯状シート検査装置 - Google Patents

帯状シート検査装置

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JP2001124702A
JP2001124702A JP30665099A JP30665099A JP2001124702A JP 2001124702 A JP2001124702 A JP 2001124702A JP 30665099 A JP30665099 A JP 30665099A JP 30665099 A JP30665099 A JP 30665099A JP 2001124702 A JP2001124702 A JP 2001124702A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 反射率の低い帯状シートの表面、裏面および
エッジ部の欠陥を高い信頼性のもとに検査できるように
する。 【解決手段】 帯状シート1の繰り出し速度に対応した
一定の時間の間隔毎に2台のTVカメラ12a、12b
のシャッター開を同時に指令するTVカメラ制御部11
と、シャッター開の指令に同期し2台のストロボ光源1
3a、13bへの発光を同時に指令する照明制御部14
と、帯状シート1を挟んで互いに対向して置かれた半球
ドーム形状の反射面9a、9bからの光を反射して帯状
シート1の表面および裏面に照射する2つの照明手段1
9a、19bと、帯状シート1の画像を画像処理して表
裏の欠陥を検査する2台の画像処理手段15a、15b
と、これらの検査結果を総合して帯状シート1の表裏の
欠陥の判定を行う表裏欠陥判定手段16と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、検査対象として、
一定の繰り出し速度で繰り出される反射率の低い帯状シ
ート、例えば黒いゴム状のシートや黒っぽい導電塗料が
塗布された導電性シートなどの表面および裏面の欠陥を
画像処理により検査する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】一定の繰り出し速度で繰り出される帯状
シートの欠陥は、通常、ライン型TVカメラからの画像
を画像処理装置で検査する。帯状シートの繰り出し速度
が高速になると、ライン型TVカメラの1ラインを取り
込むスキャン時間が短くなり、その分、ライン型TVカ
メラの露光時間も短くなることから、反射率の低い帯状
シートの欠陥の検査過程で、高周波蛍光灯やハロゲン光
源の直接照明では欠陥がよく見えない。
【0003】そこで、図1に示すように、検査対象の帯
状シート1の観測部つまりライン型TVカメラ2の帯状
視野の照度を大きくするために、シリンドリカルレンズ
3を用いて、棒状光源4からの光をライン状に集光し
て、観測部の照度を上げるのが一般的であった。この検
査によると、照明方向に依存しないコントラストのはっ
きりした欠陥はよく見えるが、コントラストの小さい欠
陥のとき、このような一定方向の照明による直接光では
ほとんど見えない。上記のような欠陥検査では、間接照
明による照明を使うのがコントラストを上げる最良の手
法であるが、これでは、光エネルギーが拡散してしま
い、ライン型TVカメラ2を用いると、画像は暗くなっ
てしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来法で、原反ロール
から高速で繰り出される低い反射率の帯状シート1の欠
陥をライン型TVカメラ2を用いて画像処理するには、
ライン状に集光した直接光を用いるしかなかった。とこ
ろが、照明角度によって見え方の異なるような欠陥の場
合には、図1の方法では、検査の信頼性が低くなるた
め、図2で示すような照明角度に依存しない間接照明を
用いるしかない。
【0005】図2の間接照明では、リング照明5の下方
が遮光されており、リング照明5から上方向だけに光が
出射されるようになっており、出射された光は、散乱面
を持つ半球ドーム6の内面により1次以上の反射を行っ
て帯状シート1に到達する。
【0006】照明光は、半球ドーム6の内面反射によっ
て、あらゆる方向から与えられるので、一様な強度の照
明となっており、ライン状に集光した図1のような一定
角度の照明と比べると、半球ドーム6による照明は、反
射率の低い帯状シート1の欠陥検査に適している。
【0007】ただし、間接照明によると、照明のエネル
ギーは、面状に拡散するので、ライン状に集光した場合
に比べて、観測部の単位面積当りの照度では暗くなるた
め、間接照明は、ライン型TVカメラ2を用いた画像処
理では使えない。
【0008】本発明の目的は、反射率の低い帯状シート
の検査にあたり、充分な照度の画像を得て、画像処理に
より帯状シートの表面、裏面およびエッジ部の欠陥を高
い信頼性のもとに検査できるようにすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】図2のような間接光で、
ライン型TVカメラ2を用いた場合に照明の効率が悪い
のは、面状に照射された光エネルギーのうち、受光でき
るのはごく一部の線状領域でしかないためである。そこ
で、ライン型TVカメラ2ではなく、エリア型TVカメ
ラを使用することを検討する。
【0010】帯状シート1は、高速例えば30m/mi
nで繰り出されているから、エリア型TVカメラの画像
の分解能にもよるが、概ね、1/1000秒から1/1
0000秒程度のシャッターを切るか、ストロボ発光を
使わないと、撮像時に、画像が流れてしまう。
【0011】例えば、図3のようなケースで、帯状シー
ト1の幅が50mmとし、エリア型TVカメラの画像サ
イズをVGAサイズ(Sh640dot×Sv480d
ot)で64mm×48mmとする。エリア型TVカメ
ラの画像分解能は、0.1mmである。帯状シート1が
速度30m/minで繰り出されると、画像が流れない
ようにするには、露光時間での帯状シート1の移動距離
を画像分解能の1/2の0.05mm以内にすればよい
から、これより露光時間を1/10000秒に設定する
必要がある。また、連続的な検査のために、画像は、帯
状シート1をオーバーラップして撮像する必要があるの
で、帯状シート1が45mm移動する毎に撮像すればよ
いと考えて、撮像の時間間隔は、0.09秒とする。
【0012】この撮像の時間間隔毎に、ストロボ光源、
例えばキセノンランプの発光用コンデンサーに電荷をチ
ャージしておき、エリア型TVカメラのシャッターが開
いている間に、フラッシュ(発光)すればよい。このと
きのフラッシュ(発光)の時間は、0.00001秒程
度であるから、シャッター開の時間を1/1000秒程
度にしておき、この間に、エネルギー量1J程度のスト
ロボ発光をさせればよい。この方法を使うことにより、
入力画像のある1画素の明るさは、図1のライン型TV
カメラ2を用いた場合の1画素相当の明るさでありなが
ら、方向性のない均一な照明光を得ることができる。
【0013】具体的には、本発明は、検査対象の反射率
の低い帯状シートを一定の繰り出し速度で繰り出しなが
ら帯状シートの表裏の欠陥を画像処理により検査する帯
状シート検査装置において、帯状シートを挟んで互いに
対向して置かれシャッター機能を持ち帯状シートの表裏
面を撮像する2台のエリア型TVカメラと、帯状シート
の繰り出し速度に対応した一定の時間の間隔毎に2台の
エリア型TVカメラのシャッター開を同時に指令するT
Vカメラ制御部と、エリア型TVカメラのシャッター開
の指令に同期して2台のストロボ光源への発光を同時に
指令する照明制御部と、この照明制御部からの発光指令
の信号によりストロボ光源を発光させて帯状シートを挟
んで互いに対向して置かれた半球ドーム形状の反射面に
よりストロボ光源からの光を反射して帯状シートの表面
および裏面に照射する2つの照明手段と、各エリア型T
Vカメラからの帯状シートの画像を画像処理して帯状シ
ートの表裏の欠陥を検査する2台の画像処理手段と、各
画像処理手段からの検査結果を総合して帯状シートの表
裏の欠陥の判定を行う表裏欠陥判定手段と、で構成して
いる。
【0014】また、帯状シート検査装置は、撮像した1
枚の帯状シートの画像において、反対側の照明手段から
の光を透過照明として帯状シートの位置検出とエッジ欠
け検出とに用い、同一側の照明手段からの光を落射照明
として帯状シートの表裏の欠陥検出に用いる。
【0015】半球ドーム形状の反射面は、同一側のエリ
ア型TVカメラで観測したときにエリア型TVカメラの
観測窓が撮像画像に影として映らない程度の最小サイズ
の長方形の観測窓を備える。
【0016】帯状シート検査装置は、帯状シートの1短
冊の区切りを各画像処理手段で検知し、表裏面の検査結
果を1短冊単位で表裏欠陥判定手段に出力し検査結果を
総合して帯状シートの表裏の欠陥判定を行う。
【0017】画像処理手段は、内部に、NG判定された
撮像画像を検査値とともに記録するNGデータ記憶部
と、手動で再検査し処理途中の画像を順次表示できる画
像処理の手段として、ビデオメモリ、D/A変換器を備
える。
【0018】
【発明の実施の形態】図4は、本発明の帯状シート検査
装置10を示している。検査対象の帯状シート1は、前
記と同様に、一定の繰り出し速度で走行しているものと
する。TVカメラ制御部11は、一定の時間の間隔毎
に、2台のエリア型TVカメラ12a、12bに対して
トリガー信号を発する。それぞれのエリア型TVカメラ
12a、12bは、帯状シート1の表裏面に向けられて
おり、TVカメラ制御部11からのトリガー信号を受け
て同時に1/1000秒程度の電子シャッターを開く。
【0019】エリア型TVカメラ12a、12bの電子
シャッターが開いている時間内に2台のストロボ光源1
3a、13bが同時に発光するように、照明制御部14
は、TVカメラ制御部11からの出力信号を受けて、ス
トロボ光源13a、13bを制御する。このために、照
明制御部14は、帯状シート1の繰り出し速度を取り込
みながら、エリア型TVカメラ12a、12bに対する
TVカメラ制御部11からのシャッター開の指令(トリ
ガー信号)と同一のタイミングの出力信号を受けて、
0.00001秒から0.00005秒程度の一定時間
の遅延の後に、ストロボ光源13a、13bに対して発
光を指令する電子回路により構成されている。
【0020】各ストロボ光源13a、13bは、照明制
御部14からの発光指令により、発光用コンデンサにチ
ャージされていた電荷を放出することによって、1J程
度の強力な光を約0.00001秒の間に照射する。も
ちろん、このとき、各エリア型TVカメラ12a、12
bのシャッターは開いている。各ストロボ光源13a、
13bの照射光は、それぞれ光ファイバーケーブル7
a、7bを通して、リング照明ガイド8a、8bに送ら
れて、リング状に分配され、半球ドーム6a、6bの内
側の反射面9a、9bで1次以上の反射を行って、帯状
シート1の表面および裏面に対して間接光として照射さ
れる。
【0021】なお、半球ドーム6a、6bは、帯状シー
ト1を表面側および裏面側から挟む位置に配置されてお
り、頂部に撮像用の観測窓18a、18bを有してい
る。半球ドーム6a、6bの内面の反射面9a、9b
は、乱反射するような光沢のない表面処理層により形成
されている。ここで、半球ドーム6a、6b、光ファイ
バーケーブル7a、7b、照明ガイド8a、8bおよび
ストロボ光源13a、13bは、照明手段19a、19
bを構成している。
【0022】画像処理手段15a、15bは、エリア型
TVカメラ12a、12bからの画像信号を受けて、帯
状シート1の表裏面について、欠陥の有無の検査を行
い、その結果を表裏欠陥判定手段16へ出力する。ここ
で、表裏欠陥判定手段16は、帯状シート1の表面およ
び裏面の検査結果データを総合的に判断し、例えば表面
または裏面のいずれかに欠陥を検出したときに、NGの
信号を外部へ出力する。検査結果の判定は、1画面毎に
行われる。すなわち、表裏欠陥判定手段16は、1視野
毎に上記の判定を行う(請求項1)。
【0023】さて、欠陥検出は、画像の帯状シート1に
相当する部分に帯状シート1よりも少し小さい欠陥検出
ウインドウを設定し、その中を例えば2値化処理などを
行って、傷などの欠陥を白領域の大きさとして検出す
る。このときに、帯状シート1の画像の背景からの切り
出しが重要であるが、本発明のように、同一タイミング
で表面および裏面の双方からストロボ発光すれば、帯状
シート1の背景は白くなるから、帯状シート1の画像
で、左右のエッジの切り出しは容易になる。
【0024】図5は、撮像画像で、帯状シート1の像お
よびその背景を示している。帯状シート位置検出ウイン
ドウは、帯状シート1の像およびその像の白い背景を含
む位置で、帯状シート1の像の幅に対し、左右のずれを
考慮した幅のウインドウとして設定され、欠陥検出ウイ
ンドウは、帯状シート1の像の内部に設定される。この
撮像画像で、左右のエッジの切り出しは、帯状シート位
置検出ウインドウ内を画像処理し、エッジ検出処理する
ことによって行われる。すなわち、エリア型TVカメラ
12aにより帯状シート1を見た場合、エリア型TVカ
メラ12b側の半球ドーム6bからのストロボ光源13
bは、透過光として、エリア型TVカメラ12aによる
撮像画像上での帯状シート1の像の位置検出を容易にす
る。
【0025】また、図6は、帯状シート1のエッジに発
生するエッジ欠けなどの欠陥の撮像画像を示している。
このようなエッジの欠陥の検査のために、欠陥検査ウイ
ンドウのほかに、エッジ欠け検出ウインドウが帯状シー
ト1の両縁のエッジごとにエッジをまたぐように設定さ
れる。このエッジ欠け検出ウインドウ内で、エッジに欠
けがあると、帯状シート1の像の内部の欠けは、反対側
の照明により白く映るので、画像処理によってエッジか
らの白く切り込みが入った深さを測定すれば、エッジの
欠けが容易に検出できる。もちろん、通常の欠陥検出ウ
インドウでは、それぞれのエリア型TVカメラ12a、
12bの側の照明手段19a、19bを用いて欠陥を見
る(請求項2)。
【0026】さて、半球ドーム6a、6bにあるTVカ
メラ用の観測窓18a、18bは、通常、視野に影響の
ない程度の大きさの円形としてくり抜かれている。観測
窓18a、18bが小さいと、観測に必要な充分の視野
が得られず、また視野の周辺に半球ドーム6a、6bの
外側が映るから、その大きさは、適切なものとして設定
される。
【0027】図7は、帯状シート1のない状態でのエリ
ア型TVカメラ12a、12bによる撮像画像を示して
いる。半球ドーム6a、6bは、帯状シート1を挟んで
対向した状態として置かれているため、帯状シート1の
ない状態での撮像画像で、反対側の半球ドーム6a、6
bの内側の面(反射面9a、9b)は、照明光の乱反射
により白く見えるが、観測窓18a、18bの位置で照
明光がエリア型TVカメラ12a、12bに入らないた
め、観測窓18a、18bの像は、黒く映る。
【0028】図8は、位置ずれした帯状シート1の撮像
画像を示している。帯状シート1がずれた場合には、帯
状シート1の像のエッジ部に反対側の半球ドーム6a、
6bの観測窓18a、18bの像が黒く映り、エッジ検
出に悪影響を与える。これを防ぐには、2つの半球ドー
ム6a、6bの形状および大きさ、さらに観測窓18
a、18bの大きさおよび形状が同じであるものとし
て、半球ドーム6a、6bの観測窓18a、18bの直
径を小さくすればよいが、そうすると今度は観測側の半
球ドーム6a、6bの外側の面が画像の四隅に現れてき
てしまい、これも不都合となる。また、エリア型TVカ
メラ12a、12bと帯状シート1との間の距離を充分
とることにより、エリア型TVカメラ12a、12bの
レンズ中心から撮像側(観測側)の観測窓18a、18
bまでの距離とエリア型TVカメラ12a、12bのレ
ンズ中心から反対の観測窓18a、18bまでの距離の
比を大きくすることにより、画像上で見える反対側の半
球ドーム6a、6bの観測窓18a、18bの像を小さ
くするという方法もあるが、装置の大きさの制約上難し
いケースが多い。
【0029】そこで、半球ドーム6a、6bの観測窓1
8a、18bの形状をエリア型TVカメラ12a、12
bの撮像素子の形状に合わせることにより、撮像側の半
球ドーム6a、6bの観測窓18a、18bが視野を遮
ることなしに、反対側の観測窓18a、18bが帯状シ
ート1のエッジにかかる量を最小限に止めることができ
る。
【0030】図9は、半球ドーム6a、6bの観測窓1
8a、18bの形状をエリア型TVカメラ12a、12
bの撮像素子の形状に合わせた状態を示している。
【0031】図10は、帯状シート1のない状態での撮
像画像である。これによると、半球ドーム6a、6bの
反対側の観測窓18a、18bの像が長方形として見え
る。図7の半球ドーム6a、6bの丸い観測窓18a、
18bの像の直径と長方形の観測窓18a、18bの像
の対角線の長さは同一であるが、長方形の観測窓18
a、18bの像の左右の幅は丸い観測窓18a、18b
の像の直径よりも小さい。
【0032】図11は、位置ずれした帯状シート1のあ
る状態での撮像画像を示す。この撮像画像は、位置ずれ
した帯状シート1を長方形の観測窓18a、18bの半
球ドーム6a、6bを用いて撮像したケースである。帯
状シート1の位置ずれ量は、図8の場合と同じである
が、観測窓18a、18bの左右の幅が小さいため、反
対側の観測窓18a、18bの像は、帯状シート1の像
に隠れて見えない状態となる。
【0033】このように、半球ドーム形状を持つ照明手
段19a、19bによって、同一側のエリア型TVカメ
ラ12a、12bで観測したときに、観測窓18a、1
8bが撮像画像に影として映らない程度の最小サイズの
長方形の観測窓18a、18bを備えると、帯状シート
1の位置ずれによって生じるエッジ検出ミスが発生しに
くくなる(請求項3)。
【0034】つぎに、図12は、帯状シート1の形態を
示している。帯状シート1の表面および裏面には、とこ
ろどころパターンの区切りが形成されており、あるパタ
ーンの区切りからつぎのパターンの区切りまでを1短冊
とする場合がある。この場合に、検査結果は、通常、帯
状シート1の表面および裏面を含めた1短冊毎の結果で
なくてはならない。
【0035】図12の例では、視野No.が11から1
5までの1短冊分を検査する。この検査過程で、隣り合
う視野は、繰り出し方向でオーバーラップしており、連
続的な検査の過程で、検査漏れのないように設定されて
いる。このような設定は、繰り出し速度、撮像間隔、視
野サイズによって決まるから、TVカメラ制御部11
は、前記の通り、繰り出し速度および視野サイズを考慮
し、視野と視野との間のオーバーラップを確保した撮像
間隔となっている。なお、オーバーラップ量は、計算式
〔オーバーラップ量=視野サイズ−(撮像間隔T×繰り
出し速度V)〕によって求められる。
【0036】図13は、画像処理手段15a、15bの
内部構成を示している。エリア型TVカメラ12a、1
2bからの画像信号は、A/D変換器20によって、A
/D変換され、画像メモリ21に入力される。CPU2
2は、画像処理プログラム23に従って、欠陥検出のた
めの画像処理や、検査結果のNG検査結果バッファ2
9、30への格納、ディスプレイ17a、17bにより
表示したい画像のビデオメモリ27への転送などを双方
向バス25を介して行う。メモリ24は、画像処理プロ
グラム23の実行時のワークエリアである。
【0037】I/F部31は、NG検査結果バッファ2
9のデータを表裏欠陥判定手段16に転送する。このあ
と、CPU22は、NG検査結果バッファ30のデータ
をNG検査結果バッファ29へ転送する。ビデオメモリ
27の内容は、D/A変換器28により変換されて、デ
ィスプレイ17a、17bに表示される。ここで、表裏
欠陥判定手段16は、2つの画像処理手段15a、15
bからの結果データを総合して、表面および裏面の欠陥
判定を行う(請求項4)。
【0038】また、画像処理手段15a、15bは、N
Gデータ記憶部26を備える。NGデータ記憶部26
は、不良判定した画像を蓄えるRAMまたはハードディ
スクなどの記憶装置であって、自動モードでの検査終了
後に手動モードで画像を作業者により確認するときに用
いる。NGデータは、NG画像とそれに対応する検査値
とから構成されている。手動モードで、NG画像を再表
示する際は、CPU22によりNG画像をビデオメモリ
27に転送することにより、それぞれのディスプレイ1
7a、17bに帯状シート1の表面および裏面のNG画
像が表示される。作業者は、NG画像およびこれと併せ
て記憶してある検査値(エッジ欠け検出、欠陥検出の各
々の判定値と比較して、NGになった検査値)を表示す
ることにより、如何なる値で判定されたかの履歴を知る
ことができる。また、画像処理手段15a、15bは、
画像を再検査する機能を有する。作業者は、エッジ欠け
や欠陥検出処理の各ステップ毎に途中段階の処理画像を
表示することにより、判定値が適切であるかどうかを作
業者自身の目で確かめることができる(請求項5)。
【0039】つぎに、図14は、画像処理プログラムに
よる1視野毎の画像処理の順序を示している。画像処理
手段15a、15bは、エリア型TVカメラ12a、1
2bからの画像信号をA/D変換して、画像メモリ21
に格納した後、エッジ位置の検出を行い、つぎに、視野
の中での1短冊の検知動作を行い、1短冊検知?の判断
を行う。1短冊の検知?は、例えば画面の2値化を行っ
た後、画像のレベル(黒=0、白=1)を画面のY軸方
向に射影をとり、その射影値の谷間を見つけ、パターン
の区切りを検出することにより行う。
【0040】各々の画像処理手段15a、15bは、前
記のように、検査結果を記憶する2つのバッファとし
て、NG検査結果バッファ29、NG検査結果バッファ
30を持っている。1短冊検知?の判定の結果Yesの
とき、つまりパターンの区切りのある視野では、画像処
理手段15a、15bは、現在検査中(図12では視野
No.11のパターン区切りの下側)の1短冊分につい
て、エッジ欠け検出、欠陥検出を行い、それらの検査結
果をNG検査結果バッファ29とデータ論理演算し、ま
た、つぎの1短冊(図12では視野No.11のパター
ン区切りの上側)の1短冊分についてエッジ欠け検出、
欠陥検出を行い、それらの検査結果をNG検査結果バッ
ファ30に入れる。なお、データ論理演算は、NG=
1、OK=0として、論理和をとることにより行う。こ
のあと、それぞれの画像処理手段15a、15bは、N
G検査結果バッファ29の内容をI/F部31より表裏
欠陥判定手段16に送信してから、NG検査結果バッフ
ァ30のデータをNG検査結果バッファ29に転送し、
エンドとなる。1短冊検知?の判定の結果、Noつまり
パターンの区切りのない視野では、画像処理手段15
a、15bは、前記と同様に、現在検査中の1短冊分に
ついてエッジ欠け検出、欠陥検出を行い、それらの検査
結果をNG検査結果バッファ29とデータ論理和演算
し、エンドに至る。
【0041】
【発明の効果】本発明では、下記の特有の効果が得られ
る。高速に繰り出されるコントラストの低い帯状シート
でも、間接光による照明を用いた照度の充分ある画像を
得ることができるようになる(請求項1)。また、互い
に反対側の照明を透過光として用いることにより、光学
系をコンパクトにすることできる(請求項2)。また、
最小サイズの長方形の観測窓を備えることにより、帯状
シートの走行位置のずれの影響を受けにくくすることが
できる(請求項3)。また、1短冊の区切り自体を欠陥
検査用のエリア型TVカメラと画像処理手段とを用いて
行えるため、区切りのある帯状シートの表裏の欠陥判定
を合理化できる(請求項4)。さらに、NG判定された
撮像画像を検査値とともに記憶し、再検査の過程で画像
を順次表示できるため、NG画像を再検査により確認
し、判定値の調整が容易に行える(請求項5)。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の一般的な観測方法の斜面図である。
【図2】半球ドームによる間接照明の説明図である。
【図3】エリア型TVカメラによる視野の説明図であ
る。
【図4】本発明による帯状シート検査装置の説明図であ
る。
【図5】帯状シートの撮像画像上で、欠陥検出ウインド
ウおよび帯状シート位置検出ウインドウの位置関係の説
明図である。
【図6】帯状シートの撮像画像上で、エッジ欠け検出ウ
インドウの説明図である。
【図7】帯状シートのない状態での撮像画像の説明図で
ある。
【図8】位置ずれした帯状シートのある状態での撮像画
像の説明図である。
【図9】半球ドームの平面図である。
【図10】帯状シートのない状態での撮像画像の説明図
である。
【図11】位置ずれした帯状シートのある状態での撮像
画像の説明図である。
【図12】帯状シートの表面および裏面の区切りの説明
図である。
【図13】画像処理手段のブロック線図である。
【図14】1視野毎の画像処理の順序の説明図である。
【符号の説明】
1 帯状シート 2 ライン型TVカメラ 3 シリンドリカルレンズ 4 棒状光源 5 リング照明 6、6a、6b 半球ドーム 7a、7b 光ファイバーケーブル 8a、8b リング照明ガイド 9a、9b 反射面 10 帯状シート検査装置 11 TVカメラ制御部 12a、12b エリア型TVカメラ 13a、13b ストロボ光源 14 照明制御部 15a、15b 画像処理手段 16 表裏欠陥判定手段 17a、17b ディスプレイ 18a、18b 観測窓 19a、19b 照明手段 20 A/D変換器 21 画像メモリ 22 CPU 23 画像処理プログラム 24 メモリ 25 双方向バス 26 NGデータ記憶部 27 ビデオメモリ 28 D/A変換器 29 NG検査結果バッファ 30 NG検査結果バッファ 31 I/F部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検査対象の反射率の低い帯状シートを一
    定の繰り出し速度で繰り出しながら帯状シートの表裏の
    欠陥を画像処理により検査する検査装置において、帯状
    シートを挟んで互いに対向して置かれシャッター機能を
    持ち帯状シートの表裏面を撮像する2台のエリア型TV
    カメラと、帯状シートの繰り出し速度に対応した一定の
    時間の間隔毎に2台のエリア型TVカメラのシャッター
    開を同時に指令するTVカメラ制御部と、エリア型TV
    カメラのシャッター開の指令に同期して2台のストロボ
    光源への発光を同時に指令する照明制御部と、この照明
    制御部からの発光指令の信号によりストロボ光源を発光
    させて帯状シートを挟んで互いに対向して置かれた半球
    ドーム形状の反射面によりストロボ光源からの光を反射
    して帯状シートの表面および裏面に照射する2つの照明
    手段と、各エリア型TVカメラからの帯状シートの画像
    を画像処理して帯状シートの表裏の欠陥を検査する2台
    の画像処理手段と、各画像処理手段からの検査結果を総
    合して帯状シートの表裏の欠陥の判定を行う表裏欠陥判
    定手段と、を備えたことを特徴とする帯状シート検査装
    置。
  2. 【請求項2】 撮像した1枚の帯状シートの画像におい
    て、反対側の照明手段からの光を透過照明として帯状シ
    ートの位置検出とエッジ欠け検出とに用い、同一側の照
    明手段からの光を落射照明として帯状シートの表裏の欠
    陥検出に用いることを特徴とする請求項1記載の帯状シ
    ート検査装置。
  3. 【請求項3】 半球ドーム形状と同一側のエリア型TV
    カメラで観測したときにエリア型TVカメラの観測窓が
    撮像画像に影として映らない程度の最小サイズの長方形
    の観測窓を半球ドーム形状の反射面に備えることを特徴
    とする請求項1記載の帯状シート検査装置。
  4. 【請求項4】 帯状シートの1短冊の区切りを各画像処
    理手段で検知し、表裏面の検査結果を1短冊単位で表裏
    欠陥判定手段に出力し検査結果を総合して帯状シートの
    表裏の欠陥判定を行うことを特徴とする請求項1記載の
    帯状シート検査装置。
  5. 【請求項5】 画像処理手段内に、NG判定された撮像
    画像を検査値とともに記録するNGデータ記憶部と、手
    動で再検査し処理途中の画像を順次表示できる画像処理
    の手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の帯状
    シート検査装置。
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