JP2001124449A - 保冷体 - Google Patents

保冷体

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JP2001124449A
JP2001124449A JP2000133742A JP2000133742A JP2001124449A JP 2001124449 A JP2001124449 A JP 2001124449A JP 2000133742 A JP2000133742 A JP 2000133742A JP 2000133742 A JP2000133742 A JP 2000133742A JP 2001124449 A JP2001124449 A JP 2001124449A
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cold insulator
cap
cold
film
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JP2000133742A
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Hajime Kawakami
肇 川上
Masaki Iwasaka
正基 岩坂
Daisuke Uchida
大助 内田
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Kawakami Sangyo KK
Original Assignee
Kawakami Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】保冷剤であるゲル状体が凍結していてもなお若
干の緩衝能力を有し、また表面寒冷の放出が緩やかで、
長時間にわたって保冷作用が持続するものを提供する。 【解決手段】 ともにプラスチック製であって、少なく
とも、多数のキャップ状の膨らみを有するキャップフィ
ルム1と平坦なバックフィルム2とを、キャップの底面
で貼り合わせたプラスチック製の気泡シートを材料と
し、これを重ねて周縁をヒートシール加工することによ
り袋を形成し、この袋の内部に液体保冷材9を充填し、
ヒートシールにより封入して保冷体を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸水性ポリマーを
袋に封入してなる保冷体の改良に関する。本発明はさら
に、この保冷体を得るための予備体にも関する。
【0002】
【従来の技術】たとえばメタクリル酸系の吸水性ポリマ
ーに水を吸収させ、膨潤してできたゲル状体を軟質プラ
スチック製のフィルムでつくった袋に封入してなる「保
冷体」とよばれるものが、食品、とくにアイスクリーム
などを輸送するとき低温に保つなどの目的で、広く使用
されている。いわゆる「クール宅急便(登録商標)」の
類は、段ボール箱や発泡スチロール製の箱の底に保冷体
を置いて、被包装物を低温に保って宅配する。この保冷
体はまた、氷枕としても利用される。
【0003】従来の保冷体は、吸水性ポリマーのゲル状
体を凍結させた状態で使用することが多く、それによっ
て溶融潜熱を利用できるという利益が得られるが、凍結
した保冷体は硬くなり、溶融時に示す柔軟さが失われる
ため、ゲル状体が有していた緩衝作用は、もはや期待す
ることができなくなる。包装箱の取り扱い時に落下など
の衝撃が加わると、硬い保冷体との衝突により、被包装
物が損傷を受ける危険がある。そのような危険を避ける
ためには、凍結状態でも保冷体がある程度の緩衝性能を
もつことが望ましい。
【0004】包装箱の落下というような異常な事態に至
らなくても、輸送中の動揺により被包装物どうしがぶつ
かり合って損傷を引き起こすことがある。たとえば冷凍
された魚体や魚肉の流通過程でそうした可能性がある
が、保冷体が緩衝能力をもっていれば、この問題は解消
する。
【0005】保冷体を氷枕として使用するに当っては、
保冷体を凍結させて用いると、その温度があまりに低温
過ぎて不快であったり、はなはだしい場合は凍傷を招い
たりする。それを避けるため、保冷体に人体が直接接触
しないようにタオルを巻いたりする対策をとるが、わず
らわしいばかりでなく、冷却効果が一定しないので、試
行錯誤を強いられる。
【0006】氷枕と同様に、物品の保冷を目的とする場
合も、寒冷の放出が緩やかで、比較的長時間にわたり保
冷作用が維持できるものが要求されることがある。保冷
作用は、寒冷として、まず凍結体がもつ顕熱を、ついで
溶融潜熱を、最後に溶融により生成したゲル状体のもつ
顕熱を順次利用するもので、従来の保冷体では、これら
の寒冷の放出が比較的短時間に行なわれてしまうが、も
っとセーブしたペースで寒冷の利用を行ないたい場合が
少なくない。
【0007】別の要望では、保冷体の保冷すべき物品に
接する面は緩衝性があるが、反対側の面は緩衝性を必要
とせず、より高い保冷作用をもつものが求められてい
る。
【0008】さらに別の要望として、保冷材とするゲル
状体を、使用の直前に用意することができるもの、すな
わち使用前の段階では軽量であって嵩張らない、保管や
輸送に好都合な、保冷体の予備体が欲しいという声もあ
る。
【0009】保冷材を使用した後に廃棄する場合、その
処分は、意外に面倒である。焼却がもっとも徹底した処
分であるが、直接焼却しようとすると、内部に入ってい
るゲル状体の乾燥に多大なエネルギーが要る。そこで、
処分が容易な保冷材への要求もある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の目的
は、保冷体のもつ上記のような問題を解決して、保冷剤
であるゲル状体が凍結していてもなお若干の緩衝能力を
有し、また表面寒冷の放出が緩やかで、長時間にわたっ
て保冷作用が持続するものを提供することにある。本発
明の第二の目的は、保冷体の機能がその面によって若干
異なるものを提供することにある。
【0011】本発明の第三の目的は、使用の直前に、水
を供給するだけで保冷体を得ることができる、保冷体の
予備体を提供することにある。
【0012】本発明の第四の目的は、使用後の廃棄処分
が容易である保冷体を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の目的を達
成する保冷体は、その基本的な構成を図1のAおよびB
に示すように、ともにプラスチック製であって、多数の
キャップ状の膨らみを有するキャップフィルム(1)と
平坦なバックフィルム(2)とを、キャップの底面で貼
り合わせたプラスチック製の気泡シートを少なくとも一
方の材料とし、2枚の気泡シート、または気泡シートと
別のヒートシール可能なプラスチックシートとを重ね合
わせ、周縁をヒートシール加工することにより袋を形成
し、この袋の内部に液体保冷材(9)を封入してなるも
のである。図示した例は、2枚の気泡シートを重ねてあ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】袋を形成するプラスチック気泡シ
ートとして、常用の、キャップフィルムとバックフィル
ムとからなる2層構成の気泡シートを使用した場合は、
図1Bにみるように、キャップを袋の外側に位置させた
形でヒートシール部(5)を形成し、袋をつくる。それ
により、ヒートシール性が高く得られるとともに、保冷
体の緩衝性能が確保される。逆の構成、すなわちキャッ
プが内側に来るように袋を作ることは、まずヒートシー
ルに困難があり、かつキャップのない部分では凍結した
ゲル状体が、貼り合わされた2枚のフィルムを隔てるだ
けで保冷体の表面に存在するから、緩衝性能が減殺され
る。
【0015】保冷体の用途によっては、表面が、キャッ
プが突出した凹凸のある形でなく、平滑であることが求
められる。また、寒冷の放出速度を一層緩やかにしたい
場合もある。そのような要求を満たすには、保冷体を形
成するプラスチック製の気泡シートとして、図2に示す
ような、キャップフィルム(1)のキャップの上にさら
にライナーフィルム(3)を貼り合わせてなる、3層構
成の気泡シートを使用すればよい。直ちに理解されるよ
うに、3層構成の気泡シートを使用して保冷体をつくる
場合は、キャップの向きは、内向きでも外向きでもかま
わない。図示した例は、キャップが内向き、すなわちラ
イナーフィルムが内側に位置している。
【0016】袋を形成するためのヒートシールは、重ね
合わせた気泡シートどうしまたは気泡シートと他のプラ
スチックシートとの周縁のヒートシール(5)だけでな
く、袋の内部においても、1本または2本以上の線に沿
って施すことができる。このヒートシール(5’)によ
り、図3に示すように、袋の内部を面上で二以上の部分
に分割した保冷体ができる。図示した例は、内部のヒー
トシールが縦横の直線の組み合わせによる格子である
が、これに限らず、放射状や同心円状のヒートシールも
あり得る。このような態様の保冷体は、内部での液体保
冷材の流動が制限されるから、保冷される物品との接触
部分が偏ることによって、保冷材が押しのけられること
を防ぐ。分割のあり方を適切にえらぶことにより、保冷
すべき物品の外形に対してよくフィットする保冷体を得
ることができる。
【0017】分割は、完全に二以上の部分が分離するよ
うに行なうほか、不完全に、すなわち分割線の一部を断
続的にして、分割された各区画がつながりを残した形に
してもよい。液体保冷材としてゲル状体を使用した場
合、その粘度が高ければ、流動は速やかに進まないから
である。
【0018】プラスチック気泡シートをヒートシールし
て袋を作るときに共通の問題は、いかにしてヒートシー
ルを完全に行なうかにある。一般にフィルムのヒートシ
ールにおいて、シールバーの縁に接していた部分すなわ
ちシール部から非シール部へ移行する境界線上には、ピ
ンホールが生じ易いという問題があり、気泡シートのヒ
ートシールにおいても、事情は同じである。この問題へ
の対策としては、フィルムを積層材とし、ヒートシール
される面に、基材より低融点でヒートシール性が高いも
のを使用することが行なわれる。
【0019】こうした手法は本発明の保冷体の形成にお
いても有効であって、プラスチック製の気泡シートを構
成する2層または3層のフィルムを、相対的に高融点の
プラスチックと低融点のプラスチックとを選択して組み
合わせ、少なくとも袋の内側を、低融点のプラスチック
のフィルムからなるヒートシール材の層で構成すること
が推奨される。
【0020】具体的には、図4のAないしEに示すよう
に、キャップフィルム(1)、バックフィルム(2)、
ライナーフィルム(3)およびヒートシール材層(4)
を組み合わせる。ヒートシール材層(4)がない場合
は、袋の内面にあってシールされるフィルムを低融点の
プラスチックで構成する。好適な材料は、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体であって、とくにビニルアルコ
ール成分が比較的多いもの、およびL−LDPEのなか
でもMIの高いものである。L−LDPEでMIの高い
ものは、エチレンとC4ないしC6のオレフィンとの共重
合体や、いわゆるメタロセン触媒を用いて製造したポリ
エチレンに見出すことができる。それ以外の層は、任意
のプラスチック材料、たとえば常用のLDPEを使用す
ることができる。
【0021】本発明の保冷体を製造する通常の方法は、
プラスチック気泡シートで筒状体をつくり、その中に水
を吸収してゲル状になった吸水性ポリマーを充填しつ
つ、適宜の長さごとにヒートシールを行なって、ゲルが
密封された製品を得ることからなる。このヒートシール
に種々問題があり、またそれについてとるべき対策は上
に述べてきたとおりであるが、問題を基本的に解消し、
困難を伴う夾雑物シールを避けた態様として、逆止弁を
使用することが推奨される。
【0022】逆止弁は、図5AおよびBに示したよう
な、プラスチックフィルムを2枚重ねて左右両縁をヒー
トシールした簡単な構造でよく、これを図5Cに示すよ
うにプラスチック気泡シートの袋にとりつける。逆止弁
(6)の開口にチューブを通して前記のゲル状体を圧入
充填すれば、充填後は、袋の内容物であるゲル状体に圧
力が加わっても、その圧力で逆止弁の2枚のフィルムが
重ね合わされた状態で密着して、ゲル状体の逆流を防
ぐ。このように、逆止弁(6)を使用すれば、袋の全周
のヒートシールを行ったのち、保冷剤のゲルを圧入充填
することができるから、夾雑物シールの問題がなくなる
わけである。この手法は、プラスチック気泡シートのヒ
ートシール性を高める努力に代えて行なうだけでなく、
それとともに行なうことが好ましい。
【0023】本発明の第二の目的である、保冷体の機能
がその面によって異なるものを提供するには、まず、袋
を形成する2枚の気泡シートとして異なるものを使用す
ることが考えられる。たとえば、気泡シートの気泡サイ
ズが異なるものの組み合わせや、2層構成と3層構成と
の組み合わせである。さらに進んで、一方の面に気泡シ
ートでなく、単なるプラスチックシートを用いることさ
え可能である。たとえば、保冷体の断熱性が、一方の面
において相対的に高く、他方の面において低いものを製
造すれば、断熱性の高い面を包装箱の側にし、そうでな
い面が保冷すべき物品の側に位置するように配置して、
保冷効果の持続時間を長くすることができる。
【0024】保冷体の面による機能の差は、袋を構成す
る材料の差異だけでなく、液体保冷材の特性が異なるも
のを組み合わせて使用することによって、いっそう徹底
させることができる。たとえば、一定の低温度に冷却し
たときに凝固する液体保冷材と、その温度でゲルのまま
でいる液体保冷材とを組み合わせれば、保冷体の保冷す
べき物品に接する面は柔軟であって、物品の形状にフィ
ットすることが可能であり、一方その外側の部分は凝固
の潜熱を含めた熱量を保冷に利用することができる。
【0025】このような性能をもった保冷体は、図6に
一例を示すように、2枚の気泡シート(1Aおよび1
B)または気泡シートと別のヒートシール可能なプラス
チックシートとの間に、第三のプラスチックシート
(3)を挟んで袋の内部を面に沿って2分割し、それぞ
れに異なる液体保冷材(9Aおよび9B)を封入するこ
とによって実現する。
【0026】本発明の第三の目的を達成する、使用の直
前に水を供給するだけで保冷体を得ることができる保冷
体の予備体は、図7に示すように、逆止弁(6)を備え
た袋の内部に適量の吸水性ポリマー粉末(8)を収容し
てあり、使用に当たってこの逆止弁を通して水を入れる
ことにより、ゲル状体を形成することができるようにし
たものである。 この態様は、使用時に必要な水と寒冷
とを供給できるという条件が満たせる場合、保冷体を、
その製造工場から完成した保冷体として輸送することな
く、予備体を輸送し、現地で保冷体に加工して使用する
ことを可能にするから、保管および輸送時の重量・容積
を減少させることができて有利である。
【0027】本発明の第四の目的である、使用後の廃棄
処分が容易である保冷体を提供するには、液体保冷材と
して、水を使用する。これまで述べた保冷体は、液体保
冷材として吸水性ポリマーのゲルを使用してきた。ゲル
は、適度の粘性があって保冷体に腰をもたせる働きがあ
り、かつ、保冷すべき物品の形状に応じ保冷体が変形し
てなじみ、形状を保つとともに、保冷体の内部における
液体保冷材の対流を防ぐ効果があるから、一般には好ま
しい存在であるが、廃棄に関する限りは不利益をもたら
す。
【0028】すなわち、使用済み保冷体を投棄したので
は、液体保冷材のゲルがそのまま残る。最終的な処理手
段である焼却をすることが望ましいが、前述のように、
焼却には多大なエネルギーを必要とする。エネルギーを
節約するためには乾燥させなければならないが、乾燥は
面倒である。そこで、液体保冷材として水を使用すれ
ば、使用済み保冷体に孔をあけて水を圧し出し、乾燥し
たものと大差ない状態にすることができる。ただし、単
なる水は粘度が低いから、ゲルのように腰を与えてくれ
ないし、保冷体が保冷すべき物品に当たったときに、液
体保冷材が直ちに偏在してしまうおそれがある。従っ
て、水を液体保冷材として使用するには、袋の周縁だけ
でなく、内部にもヒートシールを施して、袋の内部を多
数の部分に分割した態様、それも完全に分割した態様に
よることが推奨される。
【0029】
【実施例1】キャップフィルム、フラットフィルムおよ
びライナーフィルムの材料としてLDPE(融点約11
0℃、MI=1.0g/10分)を使用し、真空成形ロ
ールによりキャップフィルムを成形して直ちにバックフ
ィルムと熱融着させ、ついでライナーフィルムと熱融着
させる、という方法により、3層構成の気泡シートを製
造し、そのバックフィルムの側に、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体(融点約90℃、MI=3.0g/10分)
のヒートシール材層を、やはり熱融着で張り合わせた。
各層の厚さは、キャップフィルム50μm、バックフィ
ルム30μm、ライナーフィルム30μm、ヒートシー
ル材5μmである。キャップは直径10mm、高さ4m
m、千鳥配置でピッチ11.5mmである。
【0030】このポリエチレン製気泡シートを二つ折り
にし、縁を連続的にヒートシールすることにより、幅が
120mmの筒状体を製造した。別に、市販のポリアク
リル酸系の吸水性ポリマー粉末に適量の水を加えて膨潤
させ、ゲル状にしたものを用意し、このゲルを上記の筒
状体の内部に連続的に供給しつつ、120mm間隔でヒ
ートシールした。シール部の幅は10mmであり、封入
されたゲルの量は、約200gである。
【0031】このようにして製造した保冷体を、冷蔵庫
の冷凍室で冷却して凍結させた。その状態で、縦15c
m×横15cm×高さ15cmの立方体の形をしたダン
ボール製包装箱の底に置き、その上に容量600ccの
ビーカーに水500ccを入れたものをのせ、箱の蓋を
貫いて温度計を挿し込み、先端をビーカーの水に入れ
た。時間の経過に伴う温度の変化を追跡した。比較のた
め、ほぼ同じ量のゲルを有する在来の保冷体について
も、同じ条件で温度変化を調べた。結果は、つぎのとお
りである。時間(時) 0 1 2 3 4 5 温度(℃) 実施例 6 6 6 6 6 6 比較例 2 3 6 8 10 14
【0032】
【実施例2】実施例1で製造した3層構成の気泡シート
にヒートシール材層を加えたものを二つ折りにし、縁を
連続的にヒートシールしながら、図4に示した構造を有
するポリエチレン製の逆止弁を、150mm間隔で挟ん
だ。この逆止弁のあるあたりを中心にして150mmピ
ッチでヒートシールおよび溶断することにより、縦40
mm×幅20mmの逆止弁つき平袋を製造した。前記し
た吸水性ポリマー粉末に適量の水を加えてゲル状にした
ものを、上記の逆止弁を通して約200g、袋の内部に
圧入充填した。逆止弁の作用は効果的で、保冷体に少々
の荷重をかけたくらいでは、内容のゲル状体が流出する
ことはなかった。
【0033】この保冷体は、実施例1と同様な性能を示
した。
【0034】
【実施例3】実施例2において、3層構成の気泡シート
を二つ折りでなく2枚重ねてヒートシールおよび溶断
し、逆止弁つきで底部が開いた、縦400mm×横20
0mmの平袋を製造した。この袋に、実施例1と同じ吸
水性ポリマーを20g入れてから底部をヒートシールし
た。このようにして得た保冷体の予備体は、厚さが8m
m、重量は30gにすぎなかった。
【0035】この予備体に逆止弁を通して水を200c
c充填し、吸水性ポリマーのゲル化を待った。実施例2
で述べたように、ゲル状体は逆止弁により流出が効果的
に阻止され、保冷材の流出するおそれのない保冷体が得
られた。
【0036】
【実施例4】実施例1と同じ3層構成の気泡シートを材
料とし、二つ折りにしたものの縁と中央線をヒートシー
ルして、幅240mmで中央にヒートシールが入った筒
状体を用意した。この筒状体の内部に水を供給しつつ、
120mmピッチで横方向のヒートシールを行なうとと
もに、240mmピッチで溶断した。
【0037】得られた保冷体は、縦横の長さがともに2
40mmで、面内で4等分された区画をもつものであ
り、封入した水を凍結して保冷体とすることができた。
【0038】
【発明の効果】本発明の保冷体は、単一のフィルムで保
冷剤を包んだ在来の保冷体と違って、保冷剤のゲルが凍
結した後も、表面に存在する気泡シートの気泡によって
緩衝性能が得られるから、保冷体が被包装物に衝突し
て、これに損傷を与えるという心配がなく、使い方によ
っては被包装物どうしの衝突による損傷も防ぐことがで
きる。
【0039】寒冷の放出は緩慢に進み、しかもその速度
は、袋を形成するプラスチック気泡シートの気泡のサイ
ズを選択することによりある程度調節できる。それゆ
え、長時間にわたり緩やかに冷却を続けたい場合に、本
発明の保冷体は好適であって、保冷輸送や、設備のない
ところでの食品の貯蔵などの分野で、新境地を開拓する
ことが期待できる。
【0040】本発明の保冷体は、表面の気泡シートと保
冷剤との間にある温度勾配が大きいため、保冷剤表面が
過度に低い温度にならず、人体に直接触れても不快では
ないし、凍傷を引き起こしたりすることもない。
【0041】逆止弁を使用した態様は、気泡シートで袋
を形成したときのヒートシールが完全であるか否かを心
配する必要がほとんどなく、安心して使用できる。
【0042】逆止弁利用の別の態様である、保冷体の予
備体は、水と寒冷の供給が可能なところでは、使用に当
たって保冷体を用意することができ、それまでは軽量で
嵩張らない形を保つことができるから、輸送・保管に好
都合である。
【0043】液体保冷材として、吸水性ポリマーのゲル
に代えて単なる水を使用した態様によれば、使用後の廃
棄に当たって、保冷体に孔をあけて水を排出するだけ
で、焼却処理に有利な状態にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従う保冷体の一例について、その形
状および構造を示す図であって、Aは平面図、Bはその
I−I方向断面図。
【図2】 本発明に従う保冷体の別の例について、その
構造を示す、図1Bに対応する断面図。
【図3】 本発明に従う保冷材のさらに別の例を示す、
図1Aと同様な平面図。
【図4】 AないしEはいずれも、本発明の保冷体を形
成するプラスチック気泡シートの、好ましい層構成の例
を示す断面図。
【図5】 本発明の保冷体の変更態様を示す図であっ
て、Aはこれに使用する逆止弁の平面図、BはAの矢視
方向の図、Cはこの逆止弁を備えた保冷袋の平面図。
【図6】 本発明の保冷体のさらに別の変更態様を示
す、図1Bおよび図2に対応する断面図。
【図7】 本発明の保冷体を製造するための予備体を示
す平面図。
【符号の説明】
1 キャップフィルム 2 バックフィルム 3 ライナーフィルム 4 ヒートシール材層 5,5’ ヒートシール部 6 逆止弁 8 吸水性ポリマー粉末 9(9A,9B) 液体保冷材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 大助 愛知県名古屋市中村区千成通2丁目50番地 川上産業株式会社内 Fターム(参考) 3L044 AA03 BA01 DC04 KA04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ともにプラスチック製であって、多数の
    キャップ状の膨らみを有するキャップフィルムと平坦な
    バックフィルムとを、キャップの底面で貼り合わせて製
    造したプラスチック製の気泡シートを少なくとも一方の
    材料とし、2枚の気泡シート、または気泡シートと別の
    ヒートシール可能なプラスチックシートとを重ね合わ
    せ、周縁をヒートシール加工することにより袋を形成
    し、この袋の内部に液体保冷材を封入してなる保冷体。
  2. 【請求項2】 周縁に加え、袋の内部においても、1本
    または2本以上の線に沿うヒートシールを施し、袋の内
    部を完全に、または不完全に二以上の部分に分割してな
    る請求項1の保冷体。
  3. 【請求項3】 袋を形成する気泡シートとして、キャッ
    プフィルムとバックフィルムとからなる2層構成の気泡
    シートを使用し、キャップを袋の外側に位置させて形成
    した請求項1または2の保冷体。
  4. 【請求項4】 袋を形成する気泡シートとして、キャッ
    プフィルムのキャップの上にさらにライナーフィルムを
    貼り合わせてなる3層構成の気泡シートを使用した請求
    項1または2の保冷体。
  5. 【請求項5】 気泡シートを構成する2層または3層の
    フィルムを、相対的に高融点のプラスチックと低融点の
    プラスチックとを選択して組み合わせ、少なくとも袋の
    内側にあってヒートシールされる層を低融点のプラスチ
    ックのフィルムで構成した請求項1ないし4のいずれか
    の保冷体。
  6. 【請求項6】 液体保冷材として、吸水性ポリマーに適
    量の水を吸収させたゲル状体を使用した請求項1ないし
    5のいずれかの保冷体。
  7. 【請求項7】 液体保冷材として、水を使用した請求項
    1ないし5のいずれかの保冷体。
  8. 【請求項8】 2枚の気泡シートまたは気泡シートと別
    のヒートシール可能なプラスチックシートとの間に第三
    のプラスチックシートを挟むことにより、袋の内部を面
    に沿って2分割し、それぞれに異なる液体保冷材を封入
    した請求項1ないし5のいずれかの保冷体。
  9. 【請求項9】 袋が、袋の外部から内部への液体の流入
    は許すが、内部から外部への流出は許さない逆止弁を備
    え、この逆止弁を通して前記のゲル状体を封入してなる
    請求項7の保冷体。
  10. 【請求項10】 逆止弁を備えた袋の内部に適量の吸水
    性ポリマー粉末を収容してあり、この逆止弁を通して水
    を入れることによりゲル状体を形成することができるよ
    うにした、請求項7の保冷体を得るための予備体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015045452A (ja) * 2013-08-28 2015-03-12 国立大学法人東京工業大学 蓄冷体
JP3198536U (ja) * 2015-04-17 2015-07-09 株式会社ツエスト 断熱材付き保冷剤

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