JP2001124377A - 換気設備 - Google Patents

換気設備

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JP2001124377A
JP2001124377A JP30466599A JP30466599A JP2001124377A JP 2001124377 A JP2001124377 A JP 2001124377A JP 30466599 A JP30466599 A JP 30466599A JP 30466599 A JP30466599 A JP 30466599A JP 2001124377 A JP2001124377 A JP 2001124377A
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JP
Japan
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air
space
ventilation
nozzle
ventilated
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JP30466599A
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English (en)
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Shigemi Kikkai
茂己 吉開
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Masuda Harmo KK
Original Assignee
Masuda Harmo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 換気を空間全域に及ぶように好適に行うこ
と。 【解決手段】 内部空間Aの内外を空気移動自在に連通
する通気部5と、該通気部5に配置され、ファンユニッ
ト11と、これによる吸込み空気を所定流速で噴出する
ノズル20とを有する空気吹出装置10と、を備え、空
気吹出装置10で空気を吸込み、内部空間A内に吹出す
ことにより、空気移動を発生させて内部空間A全域に及
ぶ好適な換気を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、床下や天井裏等に
おける換気を好適に行うことのできる換気設備に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば住宅の床下や天井裏等にお
ける換気が行われている。また近年では住宅の多様化に
伴い、床下の基礎構造や天井裏の壁面配置も複雑な構造
になってきている。換気の面から見ると、障害物が多く
通気抵抗が増大している。
【0003】図26は、床下における従来の換気設備を
模式的に示す図である。住宅の基礎上部に形成された床
下構造体25には、外部空間Bに対して基本的に閉鎖さ
れた内部空間Aが形成されている。床下構造体25は、
内部空間Aを外部空間Bに対して仕切り包囲する仕切部
材として壁部30を有している。更に床下構造体25内
には複数の仕切壁部31が形成されており、前記内部空
間Aはこれら仕切壁部31により複数に区分けされてい
る。壁部30には複数箇所に通気部5が貫通形成されて
おり、このうちのいくつかが換気口32となっており、
それ以外の通気部5には排気装置34が、該壁部30を
貫通した形で設置されている。各排気装置34は、図示
しないファン等を内蔵し、内部空間A側から空気を吸込
んで外部空間Bに排出できるものとなっている。また、
各仕切壁部31にも通気口33が適宜貫通形成されてい
る。
【0004】以上の構成により床下の換気を行うには、
各排気装置34により内部空間Aから空気を吸込んで外
部空間Bに排出する。これにより内部空間Aでは、各排
気装置34に向けて空気が流動すると共に、各換気口3
2を介して外部空間Bから空気が取り入れられ、内部空
間Aの換気が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記床下構造
体25は仕切壁部31等を有する複雑な構造になってお
り、内部空間Aで空気が流動する際には、該仕切壁部3
1の通気口33等により大きな通気抵抗が生じる。上述
したような従来の排気装置34等で発生させる吸込気流
では、その影響範囲は小さく、通気抵抗が大きいと通気
流量が非常に小さくなる。このため排気装置34は、規
定の風量を排出できない空回り状態になるケースもあ
り、所望する換気は実現されない。
【0006】また、一般に流体は抵抗の少ない流れやす
い部分にその主流を形成するものであるため、図26の
符号Xで示すように、近接する換気口32と排気装置3
4との間に最短の流れが形成され、ごく狭い部分のみ換
気が行われることがある。このような状態では、床下全
域に及ぶ換気や通風の効果は期待できない。
【0007】以上のように従来の換気設備では、床下や
天井裏全域に及ぶような換気状態を作り出すことは困難
であった。
【0008】そこで本発明は、床下や天井裏等の空間の
換気を全域に及ぶように好適に行うことのできる換気設
備を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するため
の請求項1の発明は、換気対象空間(A)の内外を空気
移動自在に連通する通気部(5)と、電動ファン(1
1)と、該電動ファンによる吸込み空気を所定流速で噴
出するノズル(20)とを有する空気吹出装置(10、
10A、10B)と、を備え、前記空気吹出装置で空気
を吸込み、前記通気部を通して前記換気対象空間内に吹
出すことにより、前記ノズルからの噴出に基づき前記換
気対象空間内に空気移動を発生させて該換気対象空間の
換気を行う、ことを特徴とする。
【0010】また請求項2の発明は、前記空気吹出装置
は、両端に吸込口(13a)と吹出口(13b)とが形
成され、これら吸込口と吹出口との間に絞り部(13
c)が形成されたベンチュリ(13)を有すると共に、
該ベンチュリを、前記ノズルの噴出口(20a)側と前
記ベンチュリの吸込口側との間に所定間隔(P)をあけ
て配置し、前記ノズルから空気を噴出することにより、
前記所定間隔を介して周辺空気を誘引し、前記ノズルか
らの空気及び前記誘引した空気を前記ベンチュリの吹出
口より吹出す、ことを特徴とする。
【0011】また請求項3の発明は、前記ノズルの噴出
口と前記ベンチュリの吸込口とを前記換気対象空間外に
配置し、前記所定間隔を介して前記ベンチュリの吸込口
側から前記換気対象空間外の周辺空気を誘引して、前記
ノズルからの噴出空気と共に前記換気対象空間内に導入
してなる、ことを特徴とする。
【0012】また請求項4の発明は、前記ノズルの噴出
口と前記ベンチュリの吸込口とを前記換気対象空間内に
配置し、前記所定間隔を介して前記ベンチュリの吸込口
側から前記換気対象空間内の周辺空気を誘引する、こと
を特徴とする。
【0013】また請求項5の発明は、前記換気対象空間
は床下空間(Y)である、ことを特徴とする。
【0014】また請求項6の発明は、前記換気対象空間
は天井裏空間(T)である、ことを特徴とする。
【0015】また請求項7の発明は、前記換気対象空間
は、天井裏空間、居室空間(K)、床下空間のうちのい
ずれか1つの空間であり、前記空気吹出装置で、前記天
井裏空間、居室空間、床下空間のうち前記換気対象空間
以外の空間より空気を吸込み、前記換気対象空間内に吹
出す、ことを特徴とする。
【0016】また請求項8の発明は、換気対象空間の内
外を空気移動自在に連通する通気部と、電動ファンと、
該電動ファンによる吸込み空気を所定流速で噴出するノ
ズルと、両端に吸込口と吹出口とが形成され、これら吸
込口と吹出口との間に絞り部が形成されたベンチュリ
と、を有すると共に、該ベンチュリを、前記ノズルの噴
出口側と前記ベンチュリの吸込口側との間に所定間隔を
あけて配置した空気吹出装置と、を備え、前記ノズルの
噴出口と前記ベンチュリの吸込口とを前記換気対象空間
内に、前記ベンチュリの吹出口を前記換気対象空間外
に、前記通気部を介してそれぞれ配置し、前記ノズルか
ら空気を噴出することにより、前記所定間隔を介して前
記換気対象空間内の周辺空気を誘引し、前記ノズルから
の空気及び前記誘引した空気を前記ベンチュリの吹出口
より前記換気対象空間外に吹出して、前記換気対象空間
内に空気移動を発生させて該換気対象空間の換気を行
う、ことを特徴とする。
【0017】また請求項9の発明は、前記空気吹出装置
は、前記電動ファンと前記ノズルとを接続する送風管を
有している、ことを特徴とする。
【0018】また請求項10の発明は、前記空気吹出装
置は、前記電動ファンを内蔵するケーシングを有し、前
記ノズルは前記ケーシングに取付けられている、ことを
特徴とする。
【0019】[作用]上記構成により請求項1の発明で
は、換気対象空間(A)の空気を外部に吸出すのではな
く、外部の空気を換気対象空間に吹出させるように作用
する。
【0020】また請求項2の発明では、ノズル(20)
とベンチュリ(13)との間に設けた所定間隔(P)か
ら周辺空気を誘引するように作用する。
【0021】また請求項3の発明では外部の空気を誘引
するように作用し、請求項4の発明では前記換気対象空
間内の空気を誘引するように作用する。
【0022】また請求項5の発明では床下空間(Y)の
換気を行い、請求項6の発明では天井裏空間(T)の換
気を行う。
【0023】また請求項7の発明では、天井裏空間、居
室空間(K)、床下空間のうちのいずれか1つの空間よ
り吸込んだ空気を、いずれか別の空間に吹出して換気を
行う。
【0024】また請求項8の発明では、ノズルとベンチ
ュリとの間に設けた所定間隔から換気対象空間内の周辺
空気を誘引し、これをベンチュリの吹出口より吹出して
該換気対象空間の換気を行うように作用する。
【0025】なお、上記括弧内の符号は図面と対照する
ためのものであり、本発明の構成を何等限定するもので
はない。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明のうち請求項
1の発明によれば、噴流(吹出気流)を利用して換気を
行うため、換気対象空間では影響範囲の大きな空気流が
生じ、換気対象空間全域に及ぶ好適な換気が可能とな
る。
【0027】また請求項2の発明によれば、周辺空気を
誘引することにより、より多くの空気を換気対象空間に
吹込むことができ好適な換気が可能となる。
【0028】また請求項3の発明によれば、外部の空気
を誘引するので、より多くの外気を換気対象空間内に取
り入れることができる。
【0029】また請求項4の発明によれば、換気対象空
間内の空気を誘引するので、該換気対象空間内の空気移
動をより活発にすることができる。
【0030】また請求項5の発明によれば床下空間の換
気が、請求項6の発明によれば天井裏空間の換気が好適
に行われる。
【0031】また請求項7の発明によれば、天井裏空
間、居室空間、床下空間、相互における空気移動が実現
し、単なる換気だけでなく、1つの空間からの暖気や冷
気を別の空間で利用することができ好都合である。
【0032】また請求項8の発明によれば、換気対象空
間内の周辺空気を誘引することで、より多くの空気を外
部に排出することができ、換気対象空間内に大きな空気
移動を生じさせることができる。これにより換気対象空
間における好適な換気が実現する。
【0033】また請求項9の発明によれば、電動ファン
とノズルとの間の位置関係に融通がきき、設計計画上好
都合となる。
【0034】また請求項10の発明によれば、装置全体
が小型化し、また装置の取付けが容易になり、施工性が
向上する。
【0035】
【発明の実施の形態】<実施形態1>図1は本発明によ
る換気設備の一例であり、その空気吹出装置の詳細を示
した模式図である。換気設備は、例えば住宅の床下や天
井裏等に設置される。床下空間や天井裏空間等であり換
気対象の空間である内部空間Aは、壁部等の仕切部材
(図1では省略)により外部空間Bから仕切られてお
り、該仕切部材には、以下に説明するような空気吹出装
置10と、換気口(図1では省略)と、が備えられてい
る。
【0036】空気吹出装置10は、図1に示すように、
例えば外部空間Bに設置されたファンユニット11を有
しており、ファンユニット11は内蔵した電動ファン
(不図示)を作動させることにより外部空間Bの空気を
吸込む。ファンユニット11には、フレキシブルチュー
ブ或いは堅いダクト等でできた送風管12が、前記吸込
んだ空気を輸送自在に接続されており、該送風管12の
先端側には輸送されてきた空気を所定流速で噴出口20
aより噴出するノズル20が設けられている。
【0037】ノズル20の先方には、該ノズル20と所
定間隔Pをあけて筒状のベンチュリ13が図示しない適
宜なステーを介して設けられている。ベンチュリ13は
基本的に筒状で、後端側に吸込口13a、先端側に吹出
口13bが形成され、中央付近は内径が小さくなった絞
り部13cとなっている。図1ではノズル20の噴出口
20aとベンチュリ13の吸込口13aとの間には軸方
向の隙間が形成されているが、これ以外にも、ノズル2
0の噴出口20a側がベンチュリ13の吸込口13aか
ら内部にある程度挿入されていてもよい。但しこの場
合、ノズル20の周囲にはベンチュリ13の内周との間
で隙間(所定間隔P)が形成される。なお、ノズル20
及びベンチュリ13と仕切部材(図1では省略)との位
置関係は様々なバリエーションが可能である(後述)。
【0038】空気吹出装置10は以上のように構成され
るので、ファンユニット11により吸込まれ、送風管1
2により輸送された外部空間Bの空気が、ノズル20よ
り噴出される。これと共に、該ノズル20の先端と、ベ
ンチュリ13の吸込口13aとの前記間隔Pから周辺空
気が誘引される。このように、ベンチュリ13の吹出口
13bからは、ノズル20から噴出される空気に加え
て、該空気の量と同等乃至数倍の前記誘引空気が吹き出
される。空気吹出装置10から吹出された空気は内部空
間Aを移動して図示しない換気口より外部空間Bに排出
される。こうして内部空間Aの換気が行われる。上記空
気吹出装置10を採用した換気設備は、従来のものに比
べて以下の点で優れている。
【0039】(1) 換気対象となる内部空間Aの空気を外
部空間Bに吸出すのではなく、外部空間Bの空気を内部
空間Aに吹出させるように作用するため、空気の流れの
影響範囲が大きく好適な換気が可能となる。この理由は
以下の事柄により説明できる。
【0040】図2(a)は、二次元噴流及び二次元吸込
気流の中心軸上速度uc の分布をグラフで示した図であ
る。なお噴流の場合は図2(b)に示すように、吹出口
200における吹出初速がu0 、吹出口200の半径が
0 、x位置での中心軸上速度がuc となっている。ま
た吸込気流の場合は図2(c)に示すように、吸込口2
01における吸入速度がu0 、吸込口201の半径がb
0 、x位置での中心軸上速度がuc となっている。
【0041】図2(a)より、噴流については、x/2
0 ≦5ではuc /u0 ≒1となり、コア領域(ポテン
シャルコア部ともいう)の存在することがわかる。噴流
と吸込気流とでは基本的に流動特性が異なっている。吸
込気流では吸込口201からわずかに離れただけで中心
軸上速度が急激に減少するのに対し、噴流ではそれほど
減少せず、かつ極めてよい方向性を持っている。
【0042】即ち、吸込気流の風速影響範囲は極めて小
さいことがわかる。例えば、吸込口201の半径の10
倍(吸込口直径の5倍)の距離における風速は、吸込口
201の直近での風速を1とした場合、その1/20以
下に落ちてしまい、吸込の力が極端に弱まってしまう。
このため、従来の様な吸込側にて作用させるタイプの排
気装置等では、昨今の様に複雑な構造をした床下や天井
裏内における通気抵抗に打ち勝つことができず、先にも
述べたように規定の風量を排出できない空回り状態にな
るのである。
【0043】これに反し、噴流(吹出気流)について
は、風速の影響範囲がはるかに遠方にまで及ぶことが理
解できる。つまり本実施形態1では、外部空間Bの空気
を内部空間Aに吹出させるように作用することにより、
内部空間Aに大きな空気の流れを作ることができ、規定
の風量を排出できるのである。これにより床下における
湿気溜まりの解消や、天井裏における熱気の排出等が好
適に行われる。
【0044】又、噴流(吹出気流)は、周囲の静止空気
を引き込み、下流に向かうに従って、混合量(風量)を
増大させながら、風速を減じてゆくことが広く知られて
いる。図3でその仕組みを説明する。即ち、吹出口20
0から一定の風速u0 の空気が噴出すると、周囲の静止
空気との間で大きな速度勾配が生じ、静止空気は噴流に
引かれ、また噴流も静止空気に引かれて、その境界は不
連続線となり渦が生じ、いわゆる運動量の移動が行われ
る。これらの現象は全て流体の粘性によるもので、この
ようにして噴流は下流に向かうに従って周囲の空気との
混合量が増加する(噴流の拡散現象)。噴流が周囲空気
と混合する部分は混合領域であり、混合領域は吹出口2
00から離れるに従って噴流中心部に広がる。噴流中心
部には噴出したときと同じ速度を保っているコア領域が
存在し、このコア領域と混合領域の共存する領域が遷移
領域である。該遷移領域よりも下流は、全てが混合領域
となる発達領域である。なお、該発達領域においては噴
流軸に垂直な断面の速度分布はガウスの誤差関数に従
う。
【0045】このように噴流(吹出気流)は、下流に向
かうに従って風量を増大させるので、該噴流を応用して
換気を行う本実施形態1においては、内部空間Aに大き
な空気の流れを作ることができるのである。
【0046】なお図4に吹出口種類と吹出風速の関係を
示した。ここでの吹出係数Kに関しては、uc /u0
K・b0 /x=K’・(A0 1/2)/x、という関係があ
る。この式より、距離xにおける中心速度uc は、uc
=K・b0 ・u0 /xで表され、初速u0 、吹出口径b
0 が同じである場合、吹出定数Kの大きい吹出口のほう
が距離xにおける中心速度uc が大きくなることがわか
る。即ち、噴流(吹出気流)に関しては、風速の影響範
囲(到達距離)で見た場合、その吹出口のアスペクト比
(長方形吹出口の場合の縦・横の長さの比)が小さい方
がより有効である。最も望ましいものが、円形及び正方
形(アスペクト比:1 )のノズル形吹出口である。図1
に示す上記実施形態においても円形の吹出口をもつノズ
ル20を採用することが好ましい。
【0047】但し、換気対象となる床下や天井裏等の空
間形状の特異性(高さ方向の幅が小さく、平面的な広が
りが大きい)に適合するために、ある程度のアスペクト
比を持つ長方形吹出口が好ましい場合もある。
【0048】(2) ノズル20とベンチュリ13を備えた
ベンチュリ型誘引ノズルを採用したので、ノズル20と
ベンチュリ13との間に設けた間隔P(隙間)から周辺
及び後方の空気を強制的に誘引することができる。これ
により、より多くの空気を内部空間Aに吹込むことがで
き好適な換気が可能である。この効果について具体的に
説明する。
【0049】(a) 図5は上記空気吹出装置10を建物内
外を仕切る壁部30に設置した例を示している。この場
合は、図に示すようにファンユニット11及びノズル2
0を外部空間Bに配置し、ベンチュリ13を壁部30に
貫通させた形で設置する。この構成により、外部空間B
(屋外)の空気を内部空間A(屋内)側へ供給する際、
ノズル20の周辺及び後方の空気(すなわち外部空間B
の空気)を誘引することができる。これにより屋内側へ
の供給風量が増大する。仮に、非ベンチュリ型誘引ノズ
ル(単なるノズルだけのもの)を同風量のファンで用い
た場合と比較すると、ベンチュリ型誘引ノズルを採用し
たものでは屋内側への外気供給量が2〜3倍に増大し、
屋内側(床下や天井裏等)の空気対流・通風量がはるか
に向上する。
【0050】(b) 図6は上記空気吹出装置10を壁部3
0に設置した別の例を示している。この場合は、図に示
すようにファンユニット11を外部空間Bに配置し、送
風管12が壁部30を貫通し、ノズル20とベンチュリ
13を内部空間Aの壁部30近傍に設置する。この構成
により、ノズル20の周辺及び後方から誘引きれる空気
は屋内側の空気となるが、そのために屋内側の移動空気
量が増大するという利点が生まれる。特に、壁面30近
辺の通常では動きにくい部分の空気を動かすので換気に
は有効である。なお、この場合はファンユニット11の
設置位置は屋内外を限定しない。例えば図5の破線で示
すようにファンユニット11を内部空間Aの壁部30近
傍に配置してもよい。
【0051】(c) 図7は上記空気吹出装置10を壁部3
0に設置した別の例を示している。この場合は図5の場
合とは逆に、ファンユニット11及びノズル20を内部
空間Aに配置し、ベンチュリ13を壁部30に貫通させ
た形で設置する。この構成により、空気吹出装置10
は、屋内側から屋外側へ空気を排出する排気装置として
機能する。この場合には上述した噴流(吹出気流)の特
性を生かすことはできないが、ノズル20周辺及び後方
の空気を誘引するという特長を活用し、従来の排気装置
に比べて屋外側への排出風量を増大させることができ
る。仮に、非ベンチュリ型誘引ノズルを同風量のファン
で用いた場合と比較すると、ベンチュリ型誘引ノズルを
採用したものでは屋外側への排気風量が2〜3倍に増大
する。この構成でも内部空間Aの換気を適切に行うこと
ができる。以下、該図7の例が従来のものよりも優れた
効果を発揮できる理由を更に詳しく説明する。
【0052】図8は従来の排気装置34を示した図であ
る。吸込口の半径b0 (開口が長方形の場合、短辺の半
分の長さに相当する)の10倍の位置にて風速uc は吸
込口位置での吸込風速u0 の1/10になる。例えば、
開口部径が10cm(b0=5cm)、吸込口位置での
吸込風速u0 が4m/sの場合、吸込口から50cm離
れた位置での風速uc は0.2m/s以下と極端に弱ま
り、影響範囲が極めて小さいことがわかる。このため従
来では、ファンの吸込口付近でしか直接的な影響を及ぼ
すことができなかった。図7のケースでも吸込側で作用
させる点では同様であり、ファン部分だけを見ると従来
と同等の吸込気流の影響を作ることになるが、これに加
えてノズル20の周辺及び後方においても吸込気流の影
響を確保できる。このため該影響範囲においてはエリア
が2〜3倍に増大し、より広範囲の屋内側空気を換気・
通風・移動・排出することが可能となるのである。
【0053】なお、ファンユニット11の設置位置は図
7に示すように内部空間Aの適宜位置で構わないが、特
に通風状態が悪く湿気(熱気)溜りとなりやすい位置
(もしくは、そうなることが前もって予想される位置)
で空気を吸込めるように設置すれば、環境改善の効果は
高まる。
【0054】<実施形態2>図20は空気吹出装置に関
する別の例を示した模式図であり、(a)は平面図、
(b)は側面図である。該空気吹出装置10Aは、ケー
シング70を有し、該ケーシング70内には電動のファ
ン71が駆動自在に設けられている。ケーシング70に
は外部から空気が流入し得る吸気部70aが後面側(図
20の紙面右側)に形成されている。ケーシング70の
前面側(図20の紙面左側)には、該ケーシング70内
からの空気が外部に吹出自在になったノズル20が設け
られている。なお、図20では1つのケーシング70に
2つのノズル20が設けられているが、設けられるノズ
ル20の個数は1個以上であればいくつでもよい。各ノ
ズル20の先方には、該ノズル20と所定間隔Pをあけ
て筒状のベンチュリ13が適宜なステーを介して設けら
れている。これらノズル20とベンチュリ13とは図1
の例と同じ構造である。なお、図20に示すノズル20
の根元側はケーシング70側と球状接触構造で係合して
おり、これによりノズル20はケーシング70に対して
3次元方向に可動となっている。但し、ノズル20とケ
ーシング70との接続構造はこれ以外にも、例えば固定
式接続やフレキシブルチューブでの接続などが可能であ
る。
【0055】この図20のタイプの空気吹出装置10A
を採用すると、上記実施形態1のタイプのものと同様の
作用及び効果を得ることができ、しかも施工の簡易性を
向上させることもできる。
【0056】<実施形態3>図24及び図25は空気吹
出装置に関する別の例を示した模式図である。図24
(a)は側面図(一部断面)、(b)はその背面図であ
る。図25(a)は壁部30に設置した状態の側面図、
(b)はその背面図、(c)は取付箇所を示す側面図
(一部断面)である。該空気吹出装置10Bは、図24
に示すように、管状本体50を有し、該管状本体50内
には電動の軸流ファン51が駆動自在に設けられてい
る。管状本体50の後端は外部から空気が流入し得るよ
うに開口しており、本例では防虫網等が適宜設置されて
いる。管状本体50の前側には、実施形態1、2等で説
明したのと同様に先端方向に絞られたノズル20が一体
的に形成されており、該管状本体50内からの空気を吹
出自在になっている。ノズル20の先方には、該ノズル
20と所定間隔Pをあけて筒状のベンチュリ13が適宜
なステーを介して設けられている。ベンチュリ13は図
1の例と同じ構造である。
【0057】なお、ノズル20及びベンチュリ13は筒
状のものに限らず、図23に示される扁平な形状をとる
ことも可能である。またベンチュリ13を設けない構成
も可能である。管状本体50の先端側のノズル20が二
股や三股等のように多岐に分かれていてもよい。
【0058】空気吹出装置10Bは以上のような構成を
なすので、小型・軽量化が実現し、設置作業が容易にな
る。特に作業スペースの取りにくい床下や天井裏等には
有効である。
【0059】該空気吹出装置10Bを、例えば床下に設
置する場合には図25のようにするとよい。即ち、管状
本体50を、壁部30に設置された外枠30aに支持す
る固定部材52に球面状のものを利用しているため、管
状本体50及びノズル20を任意の方向に調整可能であ
る。特に、本実施形態では、空気吹出装置10Bを設置
した後に屋外側から管状本体50をつかんで姿勢角度を
変更し、ノズル20を任意の方向に調整可能となる。こ
れにより利便性に富んだ装置となる。
【0060】なお、1つの外枠30aに対して1つの空
気吹出装置10Bだけを設置することも可能であるが、
図25(b)のように複数の気吹出装置10Bを取り付
けることも可能である。これにより、より広範囲に換気
効果を及ぼすことができる。
【0061】
【実施例】以下、上述した本発明の実施形態を更に具体
化した実施例を図面を参照して説明する。なお、以下、
説明する実施例1〜8、12、13では「従来の技術」
で説明した従来の換気設備(図26)と基本的に同じ床
下構造体25に設置されている。従って、前記従来の換
気設備と同様の構成要素に対しては同じ符号を付し、説
明を省略する。
【0062】<実施例1>図9は本発明による換気設備
の一実施例を示した図である。該換気設備で、図26の
ものと異なる点は、排気装置34、34の代わりに上記
実施形態1(図1)で説明した空気吹出装置10、10
が設置されている。この空気吹出装置10の設置形態
は、図5で説明したように、ベンチュリ13を壁部30
に貫通させ、ノズル20側を外部空間Bに配置したもの
である。従って、換気実行時の空気の流れは図26の場
合と逆になる。なお、図9の空気吹出装置10、10で
は、2台で1つのファンユニット11を兼用している
が、図1や図5のように1台に1つずつのファンユニッ
ト11を備えてもよい。
【0063】図9の構成により、既に説明したように、
外気導入量を増大することができ、かつ噴流(吹出気
流)の特性によって空気の流れを遠方まで作り出すこと
ができた。その結果、床下の換気を全域に及ぶように好
適に行うことができた。
【0064】<実施例2>図10は本発明による換気設
備の別の実施例を示した図である。該換気設備で、図2
6のものと異なる点は、排気装置34、34の代わりに
実施形態1(図1)で説明した空気吹出装置10、10
が設置されている。この空気吹出装置10の設置形態
は、図6で説明したように、送風管12を壁部30に貫
通させ、ノズル20側を内部空間Aに配置したものであ
る。また3台目の空気吹出装置10が備えられており
(図10の紙面右上)、この空気吹出装置10に関して
は、ノズル20等が壁部30近傍ではなく、内部空間A
の仕切壁部31等に囲まれ入組んだ位置に配置されてい
る。図10の空気吹出装置10では、3台で1つのファ
ンユニット11を兼用しているが、1台に1つずつのフ
ァンユニット11を備えてもよい。
【0065】図10の構成により、既に説明したよう
に、噴流(吹出気流)の特性による効果を発揮しつつ、
ベンチュリ13後方の空気を誘引することによって壁部
30付近の空気或いは仕切壁部31等に囲まれ入組んだ
箇所の空気にも動きを作り出した。このように、床下の
換気を全域に及ぶように好適に行うと共に、通気性の悪
いエリアで換気や通風を積極的に行い、より一層の環境
改善を図ることができた。
【0066】<実施例3>図11は本発明による換気設
備の別の実施例を示した図である。該換気設備で、図2
6のものと異なる点は、各排気装置34が、壁部30に
貫通形成された換気口32に代わっており、図26で換
気口32、32であった箇所に実施形態1(図1)で説
明した空気吹出装置10、10が設置されている。この
空気吹出装置10の設置形態は、図7で説明したよう
に、ベンチュリ13を壁部30に貫通させ、ファンユニ
ット11、送風管12、ノズル20までを内部空間Aに
配置したものである。
【0067】図11の構成により、既に説明したよう
に、噴流(吹出気流)による効果は得られないが、ベン
チュリ13後方の空気を誘引する特性を生かして、内部
空間Aから外部空間Bへの排気量を増大させることがで
きた。この構成によっても、床下の換気を全域に及ぶよ
うに好適に行うとことができた。なお、ファンユニット
11の配置位置は、ノズル20と同一のエリア内に配置
することもできるが(図11の紙面左下)、送風管12
を延設してファンユニット11を通気性の悪い別のエリ
アに配置する(図11の紙面上)ことも可能で、これに
より通風状態改善の面でより高い効果が発揮できる。
【0068】<実施例4>図12は本発明による換気設
備の別の実施例を示した図である。該換気設備では実施
例1(図9)の換気設備において、空気吹出装置10の
代わりに実施形態2(図20)の空気吹出装置10Aを
採用した。そして、各空気吹出装置10Aは、壁部30
にベンチュリ13、13を貫通させ、ケーシング70側
を外部空間Bに配置する形で設置した。
【0069】この構成により、実施例1の場合と同様の
効果を得ることができると共に、空気吹出装置10Aの
採用により施工(特に既存の建物に対する施工)が容易
に行える。
【0070】<実施例5>図13は本発明による換気設
備の別の実施例を示した図である。該換気設備でも実施
形態2(図20)の空気吹出装置10Aを採用したが、
各空気吹出装置10Aは、壁部30にケーシング70を
貫通させ、ノズル20、20及びベンチュリ13、13
を内部空間Aに配置する形で設置した。
【0071】この構成により、実施例2(図10)の場
合と同様に、ベンチュリ13後方の空気を誘引すること
によって壁部30付近の空気(或いは仕切壁部31等に
より入組んだ箇所の空気)にも動きを作り出した。ま
た、床下の構造に合わせ適宜ノズル20の方向を調整
し、最適な換気及び通風の状態を設定できる。特に、湿
気溜りとなっているコーナー部等があれば、その方向へ
の強制的な通風が可能となる。
【0072】本実施例により、近接する換気口32と排
気装置34との間に最短の流れが形成されて狭い部分の
み換気が行われるといった従来の問題(図26の符号X
を参照)が有効に回避される。即ち、空気吹出装置10
Aによって外部空間Bの空気を内部空間Aに強制的に供
給すると同時に、ベンチュリ13の吸込口13aから床
下内の空気を二次誘引空気として吸い込み、より広範囲
に空気の流れを作り出している。又、ベンチュリ13は
方向調整が可能であるため、空気の流れにくい部分に向
かってダイレタトに空気を送り込む事ができる(図13
の通気口33等)。このような換気方式を取った場合、
床下内部の空間では若干、空気圧力が増加するが、この
増加圧力は床下の内面に均等に加わる(パスカルの原
理)。そのため、図13内にある数カ所の換気口32に
も同等の圧力が加わり、ほぼ同量の空気が、屋外へ排出
される事が予想される。
【0073】上記事柄について確認調査結果がある。図
13のイメージに類似した実際の住宅の床下(30坪程
度)において、小型の送風機と二次誘引型特殊ノズルを
もつ前記空気吹出装置10Aと同様のものを1台(図1
3の右側だけ)用いて運転し、各々の換気口(試験では
7つの換気口)での吹出し風速を測定すると次のように
確認された。
【0074】換気口No.1の風速は1.1〜1.3m/
s、換気口No.2の風速は1.0〜1.4m/s、換気口
No.3の風速は1.3〜1.5m/s、換気口No.4の風速
は1.3〜1.6m/s、換気口No.5の風速は1.1〜
1.5m/s、換気口No.6の風速は1.0〜1.2m/
s、換気口No.7の風速は1.2〜1.6m/s(注…装
置停止時はいずれの換気口でも風速は1.1〜1.3m
/s)。
【0075】この結果からもわかる様に、吹出し気流の
作用を用いた換気方式の場合、空気吹出装置からの遠近
に関係なく床下全域にほぼ同等の空気の流れを作り出す
事が可能であり、先の理論上の予想もはっきりと証明さ
れた。
【0076】<実施例6>図14は本発明による換気設
備の別の実施例を示した図である。該換気設備でも実施
形態2(図20)に示す空気吹出装置10Aを採用した
が、各空気吹出装置10Aは、ベンチュリ13、13を
壁部30に貫通させ、ケーシング70を内部空間Aに配
置する形で設置した。これにより実施例3(図11)と
略々同様の効果を得ると共に、施工性の面も向上する。
【0077】<実施例7>図15は本発明による換気設
備の別の実施例を示した図である。該換気設備では、実
施例5(図13)と同様の設置形態で設置した空気吹出
装置10Aと、実施例6(図14)と同様の設置形態で
設置した空気吹出装置10Aとを組合わせて採用した。
これにより、外気導入量及び空気の排気量をともに増大
させることができるので、内部空間Aに大きな空気の流
れを形成することができた。よって、床下の構造がより
複雑になった場合や,平面的により広いエリアを対象と
する場合に特に有効である。
【0078】なお図示は省略するが、空気吹出装置10
Aの代わりに空気吹出装置10を採用し、本実施例7
(図15)と同じパターンで設置することも可能であ
る。即ち、実施例2(図10)と同様の設置形態で設置
した空気吹出装置10と、実施例3(図11)と同様の
設置形態で設置した空気吹出装置10とを組合わせて採
用することが可能である。これにより本実施例7と同様
の効果を得ることができる。
【0079】<実施例8>図16は本発明による換気設
備の別の実施例を示した図である。該換気設備では、実
施例5(図13)と同様の設置形態で設置した空気吹出
装置10A、10Aを備えているが、一方の空気吹出装
置10A(図16の紙面右側)では1つのノズル20
が、ケーシング70側とフレキシブルチューブ等ででき
た送風管12Aにより接続されている。この送風管12
Aに接続されたノズル20は、仕切壁部31等により囲
まれ入組んだ箇所に配置した。これにより実施例5によ
る効果と共に、実施例2(図10)による効果と同様の
効果を得ることもできる。
【0080】これ以外にも実際の状況に応じて、実施例
1〜6(図10〜図14)を適宜組合わせて利用するこ
とが可能である。これにより現実に即した細かな対応が
でき、環境改善のための最も効果的な対策を提案でき
る。
【0081】<実施例9>本発明による換気設備は、換
気対象の空間と、該空間とは別の空間との間で空気を移
動させて換気を行うものである。従って、上述したよう
な床下又は天井裏等と、屋外と、の間という関係だけで
なく、床下と天井裏との間、床下と居室との間、或いは
天井裏と居室との間などについても本発明が適用可能で
ある。
【0082】図17は本発明による換気設備の別の実施
例を示した図である。該換気設備では、図17の紙面右
側に示すように実施形態1のタイプの空気吹出装置10
を備えており、該空気吹出装置10のファンユニット1
1は天井裏空間Tに、ノズル20及びベンチュリ13は
床下空間Yに設置した。また、これらを接続する送風管
12は、施工時の状況(新築時の取付か既存建物に対す
る取付けか)に応じて、壁材60の内側を通してもよい
し(図17の二点鎖線で表記)、屋外を通してもよい
(図17の実線で表記)。また、天井裏空間T及び床下
空間Yに対しては、屋外と連通する図示しない換気口が
設けられているものとする。
【0083】例えば冬季には居室空間Kで暖房を使用す
るため、天井裏空間Tは比較的温暖な状態となってい
る。ところが床下空間Yにおいては、日中であっても外
気温より低温となるケースがよくあり、足下から底冷え
するといった不都合が生じている。このような場合に本
実施例9の換気設備を活用することにより、暖かい天井
裏空間Tの空気を空気吹出装置10を介して床下空間Y
に送り込むので、床下からくる底冷えの状態は大幅に改
善される。また、温度面での環境改善と共に、暖房に要
するエネルギーの削減も実現する。勿論、既に各実施例
で説明したように床下空間Yの換気や通風における効果
も同時に発揮できる。
【0084】更に、天井裏空間Tの通風状態が良くなる
ことによって、別の利点も生まれる。即ち、冬季のよう
に外気温が低い状況下で天井裏空間Tが高温になれば、
屋根裏や壁面の内面側に結露が発生する。これをそのま
ま放置すれば屋根材、梁、柱等が腐蝕し、建物の老朽化
が著しく進行してしまう。本実施例9のように天井裏空
間Tの通風状態を良好に保つと、湿気溜りも解消され、
上記結露による問題も解消できる。
【0085】なお、上述した空気吹出装置10の代わり
に、図17の紙面左側に示すように空気吹出装置10A
を採用することも可能である。この場合、ケーシング7
0は床下空間Y側に設置されるので、天井裏空間Tから
ケーシング70までを適宜な送風管22で接続し、天井
裏空間Tの空気をケーシング70に取入れ自在とする。
この場合も、送風管22は、施工時の状況(新築時の取
付か既存建物に対する取付けか)に応じて、壁材60の
内側を通してもよいし(図17の二点鎖線で表記)、屋
外を通してもよい(図17の実線で表記)。
【0086】また、上述した空気吹出装置10のファン
ユニット11を床下空間Yに、ノズル20及びベンチュ
リ13を天井裏空間Tに配置してもよい。或いは上述し
た空気吹出装置10Aを天井裏空間Tに、送風管22の
空気取入れ側を床下空間Yに配置してもよい。これによ
り夏季などにおいては、床下空間Yからの涼しい空気を
天井裏空間Tに送ることにより、天井裏空間T内の熱気
の拡散及び排出が可能となる。
【0087】また、上述した冬季用と夏季用の構成を適
宜切り換えて(自動又は手動)使用することも可能であ
る。
【0088】<実施例10>図18は本発明による換気
設備の別の実施例を示した図である。該換気設備では、
図18の紙面右側に示すように空気吹出装置10を備え
ており、該空気吹出装置10のファンユニット11は居
室空間Kの壁材60の表面に設置し(図18の符号E
1)、ノズル20及びベンチュリ13は床下空間Yに設
置した。なお、居室空間K及び床下空間Yに対しては、
屋外と連通する図示しない換気口が設けられているもの
とする。また、ファンユニット11は居室空間Kより空
気を取入れ自在であればよいので、その空気取入れ部さ
え居室空間Kに配置させれば、居室空間Kの壁材60の
内部に設置されてもよいし(図18の符号E2)、屋外
に設置されてもよい(図18の符号E3、この場合はダ
クト61等で居室空間Kに接続する)。また、送風管1
2は、施工時の状況に応じて、壁材60の内部を通して
もよいし、屋外を通してもよい。
【0089】一般的に冬季の暖房時は天井裏空間Tより
も居室空間Kのほうが温度的には高くなっている。従っ
て、床下からくる底冷えの解消には本実施例10がより
有効である。また、居室空間Kの空気を取入れることに
よって居室空間K自体の換気促進にも効果がある。特に
この場合の換気は、単純に屋外へ排気するのでなく、エ
ネルギーの再利用が行われるので好都合である。
【0090】なお、上述した空気吹出装置10の代わり
に、図18の紙面左側に示すように空気吹出装置10A
を採用することも可能である。この場合、ケーシング7
0は床下空間Y側に設置されるので、居室空間Kからケ
ーシング70までを適宜な送風管22で接続し、居室空
間Kの空気をケーシング70に取入れ自在とする。この
場合も、送風管22は、施工時の状況に応じて、壁材6
0の内部を通してもよいし(図17の二点鎖線で表
記)、屋外を通してもよい(図17の実線で表記)。
【0091】<実施例11>図19は本発明による換気
設備の別の実施例を示した図である。該換気設備では、
空気吹出装置10(或いは空気吹出装置10Aでもよ
い)を備えており、該空気吹出装置10のファンユニッ
ト11は天井裏空間Tに設置し、ベンチュリ13は天井
板80を貫通し、居室空間Kに先端を出して設置されて
いる。なお、居室空間K及び天井裏空間Tに対しては、
屋外と連通する図示しない換気口が設けられているもの
とする。
【0092】近年の近代化された個人住宅では吹き抜け
空間を多用し、開放感を演出するケースが定着しつつあ
る。図19は居室空間Kに上記のような吹き抜け空間H
が形成されている例である。上述したベンチュリ13は
吹き抜け空間Hの上方に配置されている。従って、ベン
チュリ13からの噴流(吹出気流)の特性により、吹き
抜け空間Hにおける空気の流動が促進される。特に、冬
季には天井裏空間Tからの比較的暖かい空気の再活用が
図れる。更に、天井裏空間Tの換気や通風状態の改善も
行なえるといった効果も同時に得られ、天井裏の環境維
持や建物の耐久性向上にも役立つ。
【0093】<実施例12>図21は本発明による換気
設備の別の実施例を示した図である。該換気設備では、
実施例5(図13)と同様の設置形態で設置した空気吹
出装置10A、10Aを備えているが、本実施例の空気
吹出装置10Aではベンチュリ13が設けられていない
(ノズル20だけ)。これにより本実施例ではベンチュ
リ13が無いため誘引空気による効果を得ることができ
ないが、噴流を利用することによる効果は実施例5と同
様である。
【0094】<実施例13>図22は本発明による換気
設備の別の実施例を示した図である。該換気設備では、
実施例12(図21)に対して空気吹出装置10Aを1
台追加しており、この空気吹出装置10Aは仕切壁部3
1に貫通した形で設置されている。これにより内部空間
Aで空気流が中継され、空気の移動がより活発になる。
つまり内部空間Aにおける換気が促進される。
【0095】<その他の例>なお、上述した各実施例で
は、換気対象となる空間が天井裏空間、居室空間、床下
空間等となっているが、本発明による換気設備が換気対
象とする空間はこれらだけに限定されず、その他にも換
気・通風状態の改善が求められる空間が採用可能であ
る。
【0096】また、実施例9、10、11(図17、1
8、19)に示した例は一般的な個人住宅のみを対象と
して適用されるものではなく、集合住宅、或いはビルな
どの公共建造物等も含めた様々な種類の建物に適用でき
る。
【0097】また、以上述べたすべての例に共通する事
柄であるが、床下、天井裏、居室、屋外等の温度及び湿
度をセンサーにて検知し、該検知結果に基づいて、総合
的に最も好ましい空気の流れを作るべく、必要な系統の
空気吹出装置を運転・停止するようにプログラミングさ
れた制御機能(制御装置)を用いることによって、理想
的な換気及び通気環境を提供することもできる。
【0098】また、上述した各実施例では換気対象とな
る空間全域に空気を均一に供給できるので、該供給する
空気を利用して、消臭剤、防カビ剤、防虫剤等の薬剤を
均一かつ安定して散布することができる。これにより、
従来では人が床下等に入り込み薬剤等を塗布していた煩
雑な作業がかなり削減され、また作業者に対する安全性
も向上する。
【0099】更に補足説明すると、上述した各例におい
てノズル及びベンチュリは、その他の形で形成してもよ
く、例えば図23に示すように、ノズル10m、ベンチ
ュリ20mを、共に扁平形状等に形成してもよい。また
上述した例で空気吹出装置10Aを用いる代わりに実施
形態3で説明した空気吹出装置10Bを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による換気設備の一例であり、その空気
吹出装置の詳細を示した模式図。
【図2】二次元噴流及び二次元吸込気流の中心軸上速度
の分布を示した図。
【図3】噴流による風量増大の仕組みを説明する図。
【図4】吹出口種類と吹出風速の関係を示した図。
【図5】空気吹出装置を壁部に設置した例を示す図。
【図6】空気吹出装置を壁部に設置した例を示す図。
【図7】空気吹出装置を壁部に設置した例を示す図。
【図8】従来の排気装置を示した図。
【図9】実施例1の換気設備を示した図。
【図10】実施例2の換気設備を示した図。
【図11】実施例3の換気設備を示した図。
【図12】実施例4の換気設備を示した図。
【図13】実施例5の換気設備を示した図。
【図14】実施例6の換気設備を示した図。
【図15】実施例7の換気設備を示した図。
【図16】実施例8の換気設備を示した図。
【図17】実施例9の換気設備を示した図。
【図18】実施例10の換気設備を示した図。
【図19】実施例11の換気設備を示した図。
【図20】空気吹出装置に関する別の例を示した図。
【図21】実施例12の換気設備を示した図。
【図22】実施例13の換気設備を示した図。
【図23】空気吹出装置に関する別の例を示した図。
【図24】空気吹出装置に関する別の例を示した図。
【図25】空気吹出装置の設置状態を示した図。
【図26】床下における従来の換気設備を模式的に示す
図。
【符号の説明】
10、10A、10B 空気吹出装置 11 ファンユニット 12 送風管 13 ベンチュリ 20 ノズル 22 送風管 25 床下構造体 30 壁部 32 換気口 70 ケーシング 71 ファン

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 換気対象空間の内外を空気移動自在に連
    通する通気部と、 電動ファンと、該電動ファンによる吸込み空気を所定流
    速で噴出するノズルとを有する空気吹出装置と、を備
    え、 前記空気吹出装置により、前記換気対象空間外の空気を
    吸込み、前記通気部を通して前記換気対象空間内に吹出
    すことにより、前記ノズルからの噴出に基づき前記換気
    対象空間内に空気移動を発生させて該換気対象空間の換
    気を行う、 ことを特徴とする換気設備。
  2. 【請求項2】 前記空気吹出装置は、両端に吸込口と吹
    出口とが形成され、これら吸込口と吹出口との間に絞り
    部が形成されたベンチュリを有すると共に、該ベンチュ
    リを、前記ノズルの噴出口側と前記ベンチュリの吸込口
    側との間に所定間隔をあけて配置し、 前記ノズルから空気を噴出することにより、前記所定間
    隔を介して周辺空気を誘引し、前記ノズルからの空気及
    び前記誘引した空気を前記ベンチュリの吹出口より吹出
    す、 ことを特徴とする請求項1記載の換気設備。
  3. 【請求項3】 前記ノズルの噴出口と前記ベンチュリの
    吸込口とを前記換気対象空間外に配置し、 前記所定間隔を介して前記ベンチュリの吸込口側から前
    記換気対象空間外の周辺空気を誘引して、前記ノズルか
    らの噴出空気と共に前記換気対象空間内に導入してな
    る、 ことを特徴とする請求項2記載の換気設備。
  4. 【請求項4】 前記ノズルの噴出口と前記ベンチュリの
    吸込口とを前記換気対象空間内に配置し、 前記所定間隔を介して前記ベンチュリの吸込口側から前
    記換気対象空間内の周辺空気を誘引する、 ことを特徴とする請求項2記載の換気設備。
  5. 【請求項5】 前記換気対象空間は床下空間である、 ことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に
    記載の換気設備。
  6. 【請求項6】 前記換気対象空間は天井裏空間である、 ことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に
    記載の換気設備。
  7. 【請求項7】 前記換気対象空間は、天井裏空間、居室
    空間、床下空間のうちのいずれか1つの空間であり、 前記空気吹出装置で、前記天井裏空間、居室空間、床下
    空間のうち前記換気対象空間以外の空間より空気を吸込
    み、前記換気対象空間内に吹出す、 ことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に
    記載の換気設備。
  8. 【請求項8】 換気対象空間の内外を空気移動自在に連
    通する通気部と、 電動ファンと、該電動ファンによる吸込み空気を所定流
    速で噴出するノズルと、両端に吸込口と吹出口とが形成
    され、これら吸込口と吹出口との間に絞り部が形成され
    たベンチュリと、を有すると共に、該ベンチュリを、前
    記ノズルの噴出口側と前記ベンチュリの吸込口側との間
    に所定間隔をあけて配置した空気吹出装置と、を備え、 前記ノズルの噴出口と前記ベンチュリの吸込口とを前記
    換気対象空間内に、前記ベンチュリの吹出口を前記換気
    対象空間外に、前記通気部を介してそれぞれ配置し、 前記ノズルから空気を噴出することにより、前記所定間
    隔を介して前記換気対象空間内の周辺空気を誘引し、前
    記ノズルからの空気及び前記誘引した空気を前記ベンチ
    ュリの吹出口より前記換気対象空間外に吹出して、前記
    換気対象空間内に空気移動を発生させて該換気対象空間
    の換気を行う、 ことを特徴とする換気設備。
  9. 【請求項9】 前記空気吹出装置は、前記電動ファンと
    前記ノズルとを接続する送風管を有している、 ことを特徴とする請求項1又は8記載の換気設備。
  10. 【請求項10】 前記空気吹出装置は、前記電動ファン
    を内蔵するケーシングを有し、 前記ノズルは前記ケーシングに取付けられている、 ことを特徴とする請求項1又は8記載の換気設備。
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