JP2001124193A - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

自動変速機の油圧制御装置

Info

Publication number
JP2001124193A
JP2001124193A JP30185499A JP30185499A JP2001124193A JP 2001124193 A JP2001124193 A JP 2001124193A JP 30185499 A JP30185499 A JP 30185499A JP 30185499 A JP30185499 A JP 30185499A JP 2001124193 A JP2001124193 A JP 2001124193A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
downshift
control
shift
time
input shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP30185499A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3478208B2 (ja
Inventor
Takayuki Kubo
孝行 久保
Yutaka Niki
裕 仁木
Shigeyasu Ozaki
茂康 小崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin AW Co Ltd
Original Assignee
Aisin AW Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin AW Co Ltd filed Critical Aisin AW Co Ltd
Priority to JP30185499A priority Critical patent/JP3478208B2/ja
Publication of JP2001124193A publication Critical patent/JP2001124193A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3478208B2 publication Critical patent/JP3478208B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】アップシフト動作時におけるダウンシフト変速
時に、適切にダウンシフト側への変速動作を行うことが
出来る自動変速機の油圧制御装置の提供。 【解決手段】 制御部は、センサからの入力に基づき、
アップシフト中に、ダウンシフトの指令がなされたこと
を判断する多重変速判断手段21eと、ダウンシフトの
変速判断が出された時点T2の入力軸回転数Ncと、ダ
ウンシフトの目標となる入力軸の同期回転数Nsとの差
が、ダウンシフト動作を適正に行うことが可能な状態に
達しているか否かを判定する変速開始タイミング判断手
段21cを有して構成される。判定結果に応じて、ダウ
ンシフト開始を延滞遅延させたり、フィードフォワード
制御への変更など、制御内容を変更して、短時間にエン
ジン吹きなどの生じない適切な制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車に搭載され
る自動変速機の油圧制御装置に係わり、詳しくは多重変
速動作における油圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の自動変速機においては、変速機
の制御装置が車両の走行状態をセンサにより適宜検出
し、その検出された走行状態に適合させる形でアップシ
フトやダウンシフトが行われるが、制御装置によるアッ
プシフト動作中に、制御装置がダウンシフトを指令す
る、いわゆる多重変速が生じる場合がある。
【0003】この際、変速装置内では、摩擦係合要素の
掴み換えが行われるが、シフトショックなく変速を行う
には、当該掴み換えを円滑に行う必要がある。そのため
に、入力軸の回転数がダウンシフト側に移行するまで、
それまでのアップシフト動作では解放側として動作し、
ダウンシフト時に係合側で動作することとなる摩擦係合
要素の作動油圧を、ダウンシフト動作時に、直ちにフィ
ードバック制御に入ることなく、一定値に保持して係合
側の摩擦係合要素の係合板同士が係合を開始するのを待
ち、入力軸の回転数の変化率が正に転換した時点で、通
常のフィードバック制御を開始し、シフトショックを減
少させる技術が特開平5−296334号などに開示さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の制御装置の場
合、パワーオフの状態のダウンシフトであるが、それが
アクセル踏み込みによるダウンシフトの場合、上記制御
装置を適用すると、以下の問題が生じる。
【0005】図8は従来の多重変速時の入力軸回転数と
作動油圧の関係を示すタイムチャートである。
【0006】例えば、2−3アップシフト中に、運転者
がアクセルを多少踏み込むことにより、3−2ダウンシ
フトが開始された場合などの多重変速時で、運転者のア
クセル操作などに起因するダウンシフトの判断がアップ
シフト動作による入力軸の回転変化の開始直後に出され
る場合が生じる。この場合、ダウンシフトで解放される
摩擦係合要素に供給する作動油圧を、図8に示すよう
に、それまでのアップシフト動作の係合状態の高油圧か
ら低下させ、アップシフトからダウンシフトへの回転変
化が入力軸に生じさせるための初期値V1に油圧を低下
させる必要がある。
【0007】その際に、ダウンシフト判断が出された時
点T1で、直ちに作動油圧を図中実線で示すように急勾
配で低下させて、入力軸回転数の変化率が反転した時点
でフィードバック制御による係合動作に入っても、その
時点の入力軸回転数とダウンシフトされる2速の同期回
転数までの回転差が小さすぎて、フィードバック制御が
追いつかず、エンジン吹きE1が生じる。これは、フィ
ードバック制御が入力軸の回転変化をパラメータとして
いるために、入力軸の回転変化から回転変化を演算する
のに一定の時間を要し、制御上のタイムラグが生じるこ
とに起因する。また、最近の制御手法が、制御上のハン
チングによるシフトショックの発生を出来る限り防止す
るために、目標値とのずれに対して一度に補正を掛ける
のではなく、少しずつ掛けていることから、どうしても
目標値に到達するのに時間を要し、これが結果的に制御
遅れとなり、エンジン吹きE1が生じる。
【0008】こうした点を改善するために、ダウンシフ
ト判断が出された時点T1での作動油圧の低下勾配を、
図8破線で示すように、スイープ勾配でなめらかに行う
ことも考えられるが、そうすると、初期値V1にまで作
動油圧が低下するまでに時間を要し、入力軸の回転数が
ダウンシフト側に反転移行するまでに時間が掛かりすぎ
る不都合が生じる。
【0009】本発明は、上記事情に鑑み、アップシフト
動作時におけるダウンシフト変速時に、適切にダウンシ
フト側への変速制御動作を行うことが出来る自動変速機
の油圧制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、エン
ジン出力軸(13)からの動力が入力される入力軸
(3)と、車輪に連結される出力軸(14)と、これら
入力軸と出力軸との間で動力伝達経路を変更する複数の
摩擦係合要素(C1〜C3、B1〜B5)と、これら摩
擦係合要素を断・接作動する油圧サーボ(29、30)
と、これら油圧サーボの油圧を制御する油圧制御手段
(SLS、SLU)と、車輌走行状況に基づく各センサ
からの信号を入力して、前記油圧制御手段へ油圧制御信
号を出力する制御部(21)と、を備えてなる自動変速
機の油圧制御装置において、前記制御部は、前記センサ
からの入力に基づき、アップシフト中に、ダウンシフト
の変速判断がなされたことを判断する多重変速判断手段
(21e)と、アップシフト動作時におけるダウンシフ
ト変速時に、ダウンシフトの変速判断が出された時点
(T2)の変速状態が、前記ダウンシフト動作を適正に
行うことが可能な所定の状態になっているか否かを判定
する変速開始タイミング判断手段(21c)と、前記変
速開始タイミング判断手段からの変速開始タイミング判
断に基づいて、前記油圧制御手段を介した摩擦係合要素
の断・接作動による前記ダウンシフトの実行を制御する
変速制御手段(21e)と、を有して構成される。
【0010】請求項2の発明は、前記変速開始タイミン
グ判断手段(21c)は、前記アップシフト動作時にお
けるダウンシフト変速時に、ダウンシフトの変速判断が
出された時点(T2)の前記入力軸回転数(Nc)と、
ダウンシフトの目標となる前記入力軸の同期回転数(N
s)との差が、ダウンシフト動作を適正に行うことが可
能な回転数差(R1)に達しているかまたは、ダウンシ
フト動作を適正に行うことが可能なダウンシフト制御所
要時間(T7)を有するか否かを判定することを特徴と
して構成される。
【0011】請求項3の発明は、請求項2の発明におい
て、前記変速制御手段は、前記変速開始タイミング手段
が、前記ダウンシフトの変速判断が出された時点の前記
入力軸回転数と、ダウンシフトの目標となる前記入力軸
の同期回転数との差が、ダウンシフト動作を適正に行う
ことが可能な回転数差に達していないかまたは、ダウン
シフト動作を適正に行うことが可能なダウンシフト制御
所要時間を有さないものと判断した場合に、実際のダウ
ンシフト動作の開始指令を、前記ダウンシフトの変速判
断が出された時点(T2)よりも所定時間(T6)延滞
遅延させるようにして構成される。
【0012】請求項4の発明は、請求項2の発明におい
て、前記変速制御手段は、前記変速開始タイミング手段
が、前記ダウンシフトの変速判断が出された時点の前記
入力軸回転数(Nc)と、ダウンシフトの目標となる前
記入力軸の同期回転数(Ns)との差が、ダウンシフト
動作を適正に行うことが可能な回転数差に達していない
かまたは、ダウンシフト動作を適正に行うことが可能な
ダウンシフト制御所要時間を有さないものと判断した場
合に、ダウンシフトにおける解放側の摩擦係合要素の制
御を、それまでのフィードバック制御からフィードフォ
ワード制御(図7の(b))に切り替えて実行するよう
にして構成される。
【0013】請求項5の発明は、請求項3の発明におい
て、ダウンシフト動作を適正に行うことが可能な回転数
差または、ダウンシフト動作を適正に行うことが可能な
ダウンシフト制御所要時間は、ダウンシフトにおける解
放側の摩擦係合要素のフィードバック制御に要する回転
数差(R3)または、制御所要時間(T8)で構成され
る。
【0014】請求項6の発明は、請求項3の発明におい
て、ダウンシフト動作を適正に行うことが可能な回転数
差または、ダウンシフト動作を適正に行うことが可能な
ダウンシフト制御所要時間は、係合側の摩擦係合要素の
終期制御に要する回転数差(R1)または、制御所要時
間(T7)で構成される。
【0015】請求項7の発明は、請求項3の発明におい
て、前記変速制御手段は、前記ダウンシフト動作を適正
に行うことが可能な回転数差またはダウンシフト動作を
適正に行うことが可能なダウンシフト制御所要時間に対
応する回転数(Na)に、前記入力軸の回転数が低下す
るまで、実際のダウンシフト動作の開始指令を、前記ダ
ウンシフトの変速判断が出された時点(T2)よりも延
滞遅延させるようにして構成される。
【0016】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、変速開始タイ
ミング判断手段(21c)により、ダウンシフトの変速
判断が出された時点(T2)の変速状態が、前記ダウン
シフト動作を適正に行うことが可能な所定の状態になっ
ているか否が判定されるので、ダウンシフト動作を適正
に行なえない、入力軸の高回転状態でダウンシフト動作
を実行し、急激に作動油圧を低下させてエンジン吹きが
生じたり、作動油圧を初期値までスイープ勾配で緩やか
に低下させるなどの時間の掛かる制御を行うことなく、
判定結果に応じて、ダウンシフト開始を延滞遅延させた
り、フィードフォワード制御への変更など、制御内容を
変更して、短時間にエンジン吹きなどの生じない適切な
制御を行うことが出来る。
【0017】請求項2の発明によれば、請求項1と同様
の効果を発揮することが出来るが、変速開始タイミング
判断手段(21c)により、ダウンシフトの変速判断が
出された時点(T2)の入力軸回転数(Nc)と、ダウ
ンシフトの目標となる入力軸の同期回転数(Ns)との
差が、ダウンシフト動作を適正に行うことが可能な回転
数差(R1)に達しているかまたは、ダウンシフト動作
を適正に行うことが可能なダウンシフト制御所要時間
(T7)を有するか否かが判定されるので、より的確な
判定動作が可能となる。
【0018】請求項3の発明によれば、変速制御手段
が、入力軸の状態が、ダウンシフト動作を適正に行うこ
とが可能な回転数差に達していないかまたは、ダウンシ
フト動作を適正に行うことが可能なダウンシフト制御所
要時間を有さないものと判断した場合に、実際のダウン
シフト動作の開始指令を、ダウンシフトの変速判断が出
された時点(T2)よりも所定時間(T6)延滞遅延さ
せるので、ダウンシフト動作を、常に適正な入力軸の回
転数状態で開始することが出来るばかりか、解放側の摩
擦係合要素の作動油圧を変速判断の時点(T2)から、
初期値にまで緩やかに低下させる必要がなくなり、短時
間でのダウンシフト動作が可能となる。
【0019】請求項4の発明によれば、ダウンシフトの
変速判断の入力時点T2で、遅滞なく、直ちに解放側の
摩擦係合要素(B4)側の作動油圧を低下させ、ダウン
シフト動作が開始された時点(T4)以降、時間の掛か
る通常のフィードバック制御に代えて、フィードフォワ
ード制御により短時間に係合圧力を高め、制御遅れによ
るエンジンの吹きを未然に防止することが可能である。
【0020】請求項5の発明によれば、ダウンシフト動
作の開始指令が、ダウンシフトにおける解放側の摩擦係
合要素のフィードバック制御に要する回転数差(R3)
または、制御所要時間(T8)が確保されるまで、ダウ
ンシフトの変速判断が出された時点(T2)よりも延滞
遅延されるので、その後の解放側のフィードバック制御
を確実に行うことが出来、信頼性の高い制御が可能とな
る。
【0021】請求項6の発明によれば、ダウンシフト動
作を適正に行うことが可能な回転数差または、ダウンシ
フト動作を適正に行うことが可能なダウンシフト制御所
要時間として係合側の終期制御に要する回転数差(R
1)または、制御所要時間(T7)を用いることによ
り、回転数差(R1)または、制御所要時間(T7)の
演算が簡単に済み、制御を短時間で行うことが出来る。
【0022】請求項7の発明によれば、実際のダウンシ
フト動作が、ダウンシフト動作を適正に行うことが可能
な、回転数差またはダウンシフト制御所要時間に対応す
る回転数(Na)に、入力軸の回転数が低下した時点で
開始されるので、その後の摩擦係合要素の制御を確実に
行うことが出来、信頼性の高い制御が可能となる。
【0023】なお、括弧内の番号等は、図面における対
応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述
は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って、本発明の実
施の形態について説明する。
【0025】5速自動変速機1は、図2に示すように、
トルクコンバータ4、3速主変速機構2、3速副変速機
構5及びディファレンシャル8を備えており、かつこれ
ら各部は互に接合して一体に構成されるケースに収納さ
れている。そして、トルクコンバータ4は、ロックアッ
プクラッチ4aを備えており、エンジンクランクシャフ
ト13から、トルクコンバータ内の油流を介して又はロ
ックアップクラッチによる機械的接続を介して主変速機
構2の入力軸3に入力する。そして、一体ケースにはク
ランクシャフトと整列して配置されている第1軸3(具
体的には入力軸)及び該第1軸3と平行に第2軸6(カ
ウンタ紬)及び第3軸(左右車軸)14a,14bが回
転自在に支持されており、また該ケースの外側にバルブ
ボディが配設されている。
【0026】主変速機構2は、シンプルプラネタリギヤ
7とダブルピニオンプラネタリギヤ9からなるプラネタ
リギヤユニット15を有しており、シンプルプラネタリ
ギヤ7はサンギヤSl、リングギヤRl、及びこれらギ
ヤに噛合するピニオンPlを支持したキャリヤCRから
なり、またダブルピニオンプラネタリギヤ9は上記サン
ギヤSlと異なる歯数からなるサンギヤS2、リングギ
ヤR2、並びにサンギヤS2に噛合するピニオンP2及
びリングギヤR2に噛合するピニオンP3を前記シンプ
ルプラネタリギヤ7のピニオンPlと共に支持する共通
キャリヤCRからなる。
【0027】そして、エンジンクランクシャフト13か
らトルクコンバータ4を介して連動している入力軸3
は、第1の(フォワード)クラッチClを介してシンプ
ルプラネタリギヤ7のリングギヤRlに連結し得ると共
に、第2の(ダイレクト)クラッチC2を介してシンプ
ルプラネタリギヤ7のサンギヤSlに連結し得る。ま
た、ダブルピニオンプラネタリギヤ9のサンギヤS2
は、第1のブレーキBlにて直接係止し得ると共に、第
1のワンウェイクラッチFlを介して第2のブレーキB
2にて係止し得る。更に、ダブルピニオンプラネタリギ
ヤ9のリングギヤR2は、第3のブレーキB3及び第2
のワンウェイクラッチF2にて係止し得る。そして、共
通キャリヤCRが、主変速機構2の出力部材となるカウ
ンタドライブギヤ18に連結している。
【0028】一方、副変速機構5は、第2軸を構成する
カウンタ軸6の軸線方向リヤ側に向って、出力ギヤ1
6、第1のシンプルプラネタリギヤ10及び第2のシン
プルプラネタリギヤ11が横に配置されており、またカ
ウンタ軸6はベアリングを介して一体ケースに回転自在
に支持されている。前記第1及び第2のシンプルプラネ
タリギヤ10,11は、シンプソンタイプからなる。
【0029】また、第1のシンプルプラネタリギヤ10
は、そのリングギヤR3が前記カウンタドライブギヤ1
8に噛合するカウンタドリブンギヤ17に連結してお
り、そのサンギヤS3がカウンタ軸6に回転自在に支持
されているスリーブ軸12に固定されている。そして、
ピニオンP3はカウンタ軸6に一体に連結されたフラン
ジからなるキャリヤCR3に支持されており、また該ピ
ニオンP3の他端を支持するキャリヤCR3はUDダイ
レクトクラッチC3のインナハブに連結している。ま
た、第2のシンプルプラネタリギヤ11は、そのサンギ
ヤS4が前記スリーブ軸12に形成されて前記第1のシ
ンプルプラネタリギヤのサンギヤS3に連結されてお
り、そのリングギヤR4は、カウンタ軸6に連結されて
いる。
【0030】そして、UDダイレクトクラッチC3は、
前記第1のシンプルプラネタリギヤのキャリヤCR3と
前記連結されたサンギヤS3,S4との間に介在してお
り、かつ該連結されたサンギヤS3,S4は、バンドブ
レーキからなる第4のプレーキB4にて係止し得る。更
に、第2のシンプルプラネタリギヤのピニオンP4を支
持するキャリヤCR4は、第5のブレーキB5にて係止
し得る。
【0031】ついで、図2及び図3に沿って、本5速自
動変速機の機構部分の作用について説明する。
【0032】D(ドライブ)レンジにおける1速(1S
T)状態では、フォワードクラッチClが接続し、かつ
第5のブレーキB5及び第2のワンウェイクラッチF2
が係止して、ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギ
ヤR2及び第2のシンプルプラネタリギヤ11のキャリ
ヤCR4が停止状態に保持される。この状態では、入力
軸3の回転は、フォワードクラッチClを介してシンプ
ルプラネタリギヤのリングギヤRlに伝達され、かつダ
ブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤR2は停止状
態にあるので、両サンギヤSl、S2を逆方向に空転さ
せながら共通キャリヤCRが正方向に大幅減速回転され
る。即ち、主変速機構2は、1速状態にあり、該減速回
転がカウンタギヤ18,17を介して副変速機構5にお
ける第1のシンプルプラネタリギヤのリングギヤR3に
伝達される。該副変速機構5は、第5のブレーキB5に
より第2のシンプルプラネタリギヤのキャリヤCR4が
停止され、1速状態にあり、前記主変速機構2の減速回
転は、該副変速機構5により更に減速されて、出力ギヤ
16から出力する。
【0033】2速(2ND)状態では、フォワードクラ
ッチClに加えて、第2のブレーキB2(及び第1のブ
レーキBl)が作動し、更に、第2のワンウェイクラッ
チF2から第1のワンウェイクラッチFlに作動が切換
わり、かつ第5のブレーキB5が係止状態に維持されて
いる。この状態では、サンギヤS2が第2のブレーキB
2及び第1のワンウェイクラッチFlにより停止され、
従って入力軸3からフォワードクラッチClを介して伝
達されたシンプルプラネタリギヤのリングギヤRlの回
転は、ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤR2
を正方向に空転させながらキャリヤCRを正方向に減速
回転する。更に、該減速回転は、カウンタギヤ18,1
7を介して副変速機構5に伝達される。即ち、主変速機
構2は2速状態となり、副変速機構5は、第5のブレー
キB5の係合により1速状態にあり、この2速状態と1
速状態が組合されて、自動変速機1全体で2速が得られ
る。なおこの際、第1のブレーキBlも作動状態となる
が、コーストダウンにより2速になる場合、該第1のブ
レーキBlは解放される。
【0034】3速(3RD)状態では、フォワードクラ
ッチCl、第2のブレーキB2及び第1のワンウェイク
ラッチFl並びに第1のブレーキBlはそのまま係合状
態に保持され、第5のブレーキB5の係止が解放される
と共に第4のブレーキB4が係合する。即ち、主変速機
構2はそのままの状態が保持されて、上述した2速時の
回転がカウンタギヤ18,17を介して副変速機構5に
伝えられ、そして副変速機構5では、第1のシンプルプ
ラネタリギヤのリングギヤR3からの回転がそのサンギ
ヤS3及びサンギヤS4の固定により2速回転としてキ
ャリヤCR3から出力し、従って主変速機構2の2速と
副変速機構5の2速で、自動変速機1全体で3速が得ら
れる。
【0035】4速(4TH)状態では、主変速機構2
は、フォワードクラッチCl、第2のブレーキB2及び
第1のワンウェイクラッチFl並びに第1のブレーキB
lが係合した上述2速及び3速状態と同じであり、副変
速機構5は、第4のブレーキB4を解放すると共にUD
ダイレクトクラッチC3が係合する。この状態では、第
1のシンプルプラネタリギヤのキャリヤCR3とサンギ
ヤS3,S4が連結して、プラネクリギヤ10,11が
一体回転する直結回転となる。従って、主変速機構2の
2速と副変速機構5の直結(3速)が組合されて、自動
変速機全体で、4速回転が出力ギヤ16から出力する。
【0036】5速(5TH)状態では、フォワードクラ
ッチCl及びダイレクトクラッチC2が係合して、入力
軸3の回転がシンプルプラネタリギヤのリングギヤRl
及びサンギヤSlに共に伝達されて、主変速機構2は、
ギヤユニットが一体回転する直結回転となる。この際、
第1のブレーキBlが解放されかつ第2のブレーキB2
は係合状態に保持されるが第1のワンウェイクラッチF
lが空転することにより、サンギヤS2は空転する。ま
た、副変速機構5は、UDダイレクトクラッチC3が係
合した直結回転となっており、従って主変速機構2の3
速(直結)と副変速機構5の3速(直結)が組合され
て、自動変速機全体で、5速回転が出力ギヤ16から出
力する。
【0037】更に、本自動変速機は、加速等のダウンシ
フト時に作動する中間変速段、即ち3速ロー及び4速ロ
ーがある。
【0038】3速ロー状態は、フォワードクラッチCl
及びダイレクトクラッチC2が接続し(第2ブレーキB
2が係合状態にあるがワンウェイクラッチFlによりオ
ーバランする)、主変速機構2はプラネタリギヤユニッ
ト15を直結した3速状態にある。一方、第5のブレー
キB5が係止して副変速機構5は1速状態にあり、従っ
て主変速機構2の3速状態と副変速機構5の1速状態が
組合されて、自動変速機1全体で、前述した2速と3速
との問のギヤ比となる変速段が得られる。
【0039】4速ロー状態は、フォワードクラッチCl
及びダイレクトクラッチC2が接続して、主変速機構2
は、上記3速ロー状態と同様に3速(直結)状態にあ
る。一方、副変速機構5は、第4のブレーキB4が係合
して、第1のシンプルプラネタリギヤ10のサンギヤS
3及び第2のシンプルプラネタリギヤ11のサンギヤS
4が固定され、2速状態にある。従って、主変速機構2
の3速状態と副変速機構5の2速状態が組合されて、自
動変速機1全体で、前述した3速と4速との間のギヤ比
となる変速段が得られる。
【0040】なお、図2において点線の丸印は、コース
ト時エンジンブレーキの作動状態(4、3又は2レン
ジ)を示す。即ち、1速時、第3のブレーキB3が作動
して第2のワンウェイクラッチF2のオーバランによる
リングギヤR2の回転を阻止する。また、2速時、3速
時及び4速時、第1のブレーキ81が作動して第1のワ
ンウェイクラッチFlのオーバランによるサンギヤSl
の回転を阻止する。
【0041】また、R(リバース)レンジにあっては、
ダイレクトクラッチC2及び第3のブレーキB3が係合
すると共に、第5のブレーキB5が係合する。この状態
では、入力軸3の回転はダイレクトクラッチC2を介し
てサンギヤSlに伝達され、かつ第3のブレーキB3に
よりダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤR2が
停止状態にあるので、シンプルプラネタリギヤのリング
ギヤRlを逆転方向に空転させながらキャリヤCRも逆
転し、該逆転が、カウンタギヤ18,17を介して副変
速機構5に伝達される。副変速機構5は、第5のブレー
キB5に基づき第2のシンプルプラネクリギヤのキャリ
ヤCR4が逆回転方向にも停止され、1速状態に保持さ
れる。従って、主変速機構2の逆転と副変速機構5の1
速回転が組合されて、出力軸16から逆転減速回転が出
力する。
【0042】図1は、電気制御系を示すブロック図であ
り、21は、マイクロコンピュータ(マイコン)からな
る制御部(ECU)で、エンジン回転センサ22、ドラ
イバのアクセルペダル踏み量を検出するスロットル開度
センサ23、トランスミッション(自動変速機構)の入
力軸回転数(=タービン回転数)を検出するセンサ2
5、車速(=自動変速機出力軸回転数)センサ26及び
シフトセンサ27からの各信号が入力しており、また油
圧回路のリニアソレノイドバルブSLS及びSLUに出
力している。前記制御部21は、変速制御部21eを構
成する解放側油圧を制御する解放側制御手段21aと、
係合側油圧を制御する係合側制御手段21bとを有し、
更に、入力軸回転数とギヤ比(減速比)を考慮した出力
軸回転数の差を、前記入力軸回転数センサ25及び車速
センサ26等のセンサに基づき検出演算して、該検出演
算値により変速開始時期を判断する変速開始判断手段2
1cと、アップシフト動作中にダウンシフトが指示され
た(例えば、2速−3速へのアップシフト中に、2速へ
のダウンシフトが指令される)多重変速が行なわれた場
合に、変速動作の内容に対応した制御を各摩擦係合要素
に対して行なう制御切換え手段21dと、を備えてい
る。
【0043】図4は、油圧回路の概略を示す図であり、
前記2個のリニアソレノイドバルブSLS及びSLUを
有すると共に、自動変速機構のプラネタリギヤユニット
の伝達経路を切換えて、例えば前進5速、後進1速の変
速段を達成する複数の摩擦係合要素(クラッチ及びブレ
ーキ)を断接作動する複数の油圧サーボ29、30を有
している。また、前記リニアソレノイドバルブSLS及
びSLUの入力ポートal,a2にはソレノイドモジュ
レータ圧が供給されており、これらリニアソレノイドバ
ルブの出力ポートbl・b2からの制御油圧がそれぞれ
プレッシャコントロールバルブ31,32の制御油室3
1a,32aに供給されている。プレッシャコントロー
ルバルブ31,32は、ライン圧がそれぞれ入力ポート
31b,32bに供給されており、前記制御油圧にて調
圧された出力ポート31c,32cからの調圧油圧が、
それぞれシフトバルブ33,35を介して適宜各油圧サ
ーボ29,30に供給される。
【0044】なお、本油圧回路は、一方の摩擦係合要素
を解放すると共に他方の摩擦係合要素を係合する、いわ
ゆるクラッチツークラッチによる変速に係る基本概念を
示すものであり、各油圧サーボ29,30及びシフトバ
ルブ33,35は、象徴的に示すものであって、実際に
は、自動変速機構に対応して油圧サーボは多数備えられ
ているが、具体的には、3→2変速に際して第4のブレ
ーキB4用油圧サーボ及び第5のブレーキB5用油圧サ
ーボ、4→3変速に際しての第3のクラッチC3用油圧
サーボ及び第4のブレーキB4用油圧サーボであり、ま
た、これら油圧サーボヘの油圧を切換えるシフトバルブ
も多数備えている。また、油圧サーボ30に示すように
油圧サーボは、シリンダ36にオイルシール37により
油密状に嵌合するピストン39を有しており、該ピスト
ン39は、油圧室40に作用するプレッシャコントロー
ルバルブ32からの調圧油圧に基づき、戻しスプリング
41に抗して移動し、外側摩擦プレート42及び内側摩
擦材43を接触する。該摩擦プレート及び摩擦材は、ク
ラッチで示してあるが、ブレーキにも同様に対応するこ
とは勿論である。
【0045】既に述べたように、自動変速機1が2速か
ら3速へアップシフトする際には、図3に示すように、
制御部21からの指令に基づき、変速制御部21eの係
合側制御手段21bによりB4ブレーキが係合されると
ともに、解放側制御手段21aによりB5ブレーキは解
放される、いわゆる掴み変えによる変速動作が行なわれ
る。この時の制御部21が実行する係合側ブレーキB4
と解放側ブレーキB5の制御フローは、図5に示すよう
に、係合側はステップS1からステップS4に示すよう
に、ステップS1の制御開始からステップS2のサーボ
起動制御、ステップS3のトルク相制御、ステップS4
のイナーシャ相(フィードバック)制御を経て、ステッ
プS6の終期制御からステップS7の完了制御を経、ス
テップS8で制御終了となり、B4ブレーキは係合され
る。一方、解放側は、ステップS9の制御開始から、通
常の待機制御(ステップS10)、初期制御(ステップ
S11)、解放制御(ステップS11)を経て制御終了
となり、B5ブレーキは解放される。なお、係合側と解
放側の各ステップの相関関係は図6に示す。
【0046】この2速から3速へのアップシフト中にア
クセルペダルの踏込みによる2速への変速判断が、図6
に示すように時点T2で、出された場合には、制御部2
1の変速制御部21eは、スロットル開度センサ23か
らの信号により、アクセルペダルの踏込み操作によるキ
ックダウンによるシフトダウンが指令されたことを認識
(多重変速指令を認識)し、図5のステップS5で、目
標ギヤ段がそれまでの3速から2速に変更されたものと
ダウンシフト判断し、ステップS14に入る。なお、多
重変速指令が行なわれない場合には、既に述べたよう
に、ステップS5を通過して、ステップS6からS8へ
の通常の制御動作となる。
【0047】ステップS14では、変速開始判断手段2
1cが、ダウンシフト時における解放側、即ちブレーキ
B4のフィードバック制御に最低限要する時間T7また
は、入力軸の目標ギヤ段である2速の同期回転数Nsと
現在の入力軸の回転数Ncとの間の、前述したフィード
バック制御に必要な回転数差R1に基づき、ダウンシフ
ト開始タイミングT3に、現在の入力軸回転数が達して
いるか否かを判定し、入力軸回転数が当該回転数にまで
低下していない場合には、この時点でダウンシフト動作
を開始すると、ブレーキB4の制御が追いつかずに、エ
ンジン吹きなどが生じる危険性があると判断して、ステ
ップS4に戻り、ブレーキB4に対して、ダウンシフト
動作に入らず、2−3アップシフト動作を継続させて、
ダウンシフト動作の開始を遅延させる。
【0048】ステップS14の、ダウンシフト開始タイ
ミングT3の判断は、実際には、ダウンシフト時の係合
側の摩擦係合要素であるブレーキB5の終期制御に必要
な回転数差を基準にして、目標とする2速同期回転数に
対する必要回転数差R1を演算し、2速同期回転数から
当該必要回転数差R1を引いた値に入力回転数が達した
時点T3をダウンシフト開始タイミングとする。通常、
ブレーキB4の解放側のフィードバック制御は、係合側
のブレーキB5の終期制御に対応する時間又は回転数差
があれば、十分に行うことが出来る。
【0049】こうして、ダウンシフト動作はダウンシフ
トの変速判断が出力された時点T2から、入力軸回転数
がダウンシフト開始タイミングT3に達するまでの間、
延滞され、その間それまでのアップシフト動作が継続さ
れる。
【0050】入力軸回転数が、ブレーキB4のフィード
バック制御に要する回転数差R1だけ、2速同期回転数
Nsに対して低下したものと判断された場合には、制御
切替え手段21dは、それまでの2−3アップシフト動
作を3−2ダウンシフト動作に切り替え、それまで解放
側であったブレーキB5を係合側に、係合側であったブ
レーキB4を解放側に切り替える。
【0051】3−2変速制御のルーチンは、図5に示す
ように、それまでの係合側から解放側となったブレーキ
B4の油圧をスイープダウンさせる初期変速制御に入る
(図10のステップS14からS15)と共に解放側か
ら係合側となったブレーキB5を、それまでの解放制御
状態からサーボ起動制御に移行させる。
【0052】ブレーキB4,B5がダウンシフト動作に
はいることにより、それまで減少していた、入力軸回転
数は、図6に示すように、時点T4で、反転に転じる。
すると、変速開始判断手段21cはステップS16で、
入力軸の回転が3速への変速状態から2速への変速状態
に入ったものと判断し、ステップS20に入り、ブレー
キB4のイナーシャ制御状態を経てステップS17のフ
ィードバック制御状態に入る。ブレーキB4のフィード
バック制御は、ダウンシフト動作の開始指令が出力され
た時点T3で既に、2速同期回転に対して十分な回転数
差R1が確保され、かつダウンシフト動作の開始指令が
出力されてから実際に入力軸回転数が反転するまでに
は、油圧の応答遅れなどの時間差T5に基づく回転数差
R2が重畳する形となるので、ステップS20のイナー
シャ相制御と共に十分な時間の余裕でおこなうことがで
き、エンジンの吹きなどは生じない。図6の場合、フィ
ードバック制御は、時間T8(>T7)の間、回転数差
でR3(>R1)の間、行われる。
【0053】こうして、制御部21は、図6に示すよう
に、解放側主体のブレーキB4のフィードバック制御に
入り、係合側のブレーキB5はブレーキB4の係合状態
に追従させる形でステップS21からS22、S23、
S24を経てブレーキB5の係合を完了させ、ダウンシ
フト動作は完了する。
【0054】なお、上述の実施例は、2速から3速にア
ップシフト中にダウンシフトが行われた多重変速の場合
について述べたが、本発明のシフトモードは2速から3
速に限らず、アップシフト中にダウンシフトが行われる
全ての場合に適用することが出来、従って、変速に際し
て摩擦係合要素の掴み変え制御を行なう対象は、ブレー
キに限らず、クラッチの場合も同様に対象となる。
【0055】また、ダウンシフト開始タイミングT3を
ダウンシフトの変速判断の時点T2よりも所定時間T6
だけ遅延延滞させることにより、アップシフト時に行わ
れるエンジンのトルクダウン制御による、図6に示すト
ルク低下E2と、ダウンシフト時に行われるトルクダウ
ン制御によるトルク低下E3が重なることが避けられる
ので、予期しないトルク低下が生じることがなくなり、
適正な状態でエンジンの出力トルクの制御を行うことが
出来る。
【0056】更に、本発明は、アップシフト動作時にお
けるダウンシフト変速時に、ダウンシフトの変速判断が
出された時点T2の入力軸回転数Ncと、ダウンシフト
の目標となるエンジンの同期回転数Nsとの差が、ダウ
ンシフト動作を適正に行うことが可能な回転数差R1に
達しているかまたは、当該回転数差に対応したダウンシ
フト制御所要時間T7を有するか否かを判定して、当該
回転数差又は制御所要時間に達していない場合には、そ
の後のダウンシフトに際して摩擦係合要素に対する制御
方法を、通常の制御に対して変更するかぎり、どのよう
な方法を用いてもよい。また、ダウンシフト動作を適正
に行うことが可能な回転数差または、ダウンシフト制御
所要時間は、車速により変動し、車速が高くなれば、そ
れらも大きくなり、延滞遅延時間T6も長くなる。
【0057】また、図6に示すように、ダウンシフト動
作を適正に行うことが可能な回転数差又は制御所要時間
に達していない場合には、ダウンシフトの変速判断の時
点T2に対してダウンシフト開始タイミングT3を時間
T6だけ遅延させて開始するほかに、図7(a)に示す
ように、ダウンシフトの変速判断の入力時点T2で、遅
滞なく、直ちにブレーキB4側の作動油圧を低下させ、
ダウンシフト動作が開始された時点T4以降、通常のフ
ィードバック制御を禁止し、フィードフォワード制御に
より短時間に係合圧力を高め、制御遅れによるエンジン
の吹きを未然に防止することも可能である。なお、この
場合、ダウンシフトの変速判断が出された時点T2にお
いて、エンジン回転数が、既にダウンシフト動作を適正
に行うことが可能な回転数差又は制御所要時間に達して
いる場合には、図7(b)に示すように、通常のフィー
ドバック制御を行う。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる電子制御部を示すブロック図。
【図2】本発明を適用し得る自動変速機の機構部分を示
すスケルトン図。
【図3】その摩擦係合要素の作動を示す図。
【図4】摩擦係合要素の掴み変えに基づく変速に係わる
油圧回路の概略を示す図。
【図5】多重変速時の、各ブレーキの制御態様の一例を
示すフローチャート。
【図6】多重変速時のブレーキの作動状況、入力軸回転
数及び入力トルクを示すタイムチャート。
【図7】本発明の別の実施例を示す、多重変速時のブレ
ーキの制御態様と入力軸回転数の状態を示す図。
【図8】従来の、多重変速時の摩擦係合要素の制御態様
と入力軸回転数の状態を示す図。
【符号の説明】
3……入力軸 13……エンジン出力軸 14……出力軸 21……制御部 21c……変速開始タイミング判断手段(変速開始判断
手段) 21e……多重変速判断手段(変速制御部) 29、30……油圧サーボ C1〜C3、B1〜B5摩擦係合要素 SLS、SLU……油圧制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小崎 茂康 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 Fターム(参考) 3J052 AA01 AA12 CA05 CA07 GC13 GC23 GC44 GC46 HA02 KA01 LA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン出力軸からの動力が入力される
    入力軸と、車輪に連結される出力軸と、これら入力軸と
    出力軸との間で動力伝達経路を変更する複数の摩擦係合
    要素と、これら摩擦係合要素を断・接作動する油圧サー
    ボと、これら油圧サーボの油圧を制御する油圧制御手段
    と、車輌走行状況に基づく各センサからの信号を入力し
    て、前記油圧制御手段へ油圧制御信号を出力する制御部
    と、を備えてなる自動変速機の油圧制御装置において、 前記制御部は、 前記センサからの入力に基づき、アップシフト中に、ダ
    ウンシフトの変速判断がなされたことを判断する多重変
    速判断手段と、 アップシフト動作時におけるダウンシフト変速時に、ダ
    ウンシフトの変速判断が出された時点の変速状態が、前
    記ダウンシフト動作を適正に行うことが可能な所定の状
    態になっているか否かを判定する変速開始タイミング判
    断手段と、 前記変速開始タイミング判断手段からの変速開始タイミ
    ング判断に基づいて、前記油圧制御手段を介した摩擦係
    合要素の断・接作動による前記ダウンシフトの実行を制
    御する変速制御手段と、 を有することを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  2. 【請求項2】 前記変速開始タイミング判断手段は、前
    記アップシフト動作時におけるダウンシフト変速時に、
    ダウンシフトの変速判断が出された時点の前記入力軸回
    転数と、ダウンシフトの目標となる前記入力軸の同期回
    転数との差が、ダウンシフト動作を適正に行うことが可
    能な回転数差に達しているかまたは、ダウンシフト動作
    を適正に行うことが可能なダウンシフト制御所要時間を
    有するか否かを判定することを特徴とする、請求項1記
    載の自動変速機の油圧制御装置。
  3. 【請求項3】 前記変速制御手段は、前記変速開始タイ
    ミング手段が、前記ダウンシフトの変速判断が出された
    時点の前記入力軸回転数と、ダウンシフトの目標となる
    前記入力軸の同期回転数との差が、ダウンシフト動作を
    適正に行うことが可能な回転数差に達していないかまた
    は、ダウンシフト動作を適正に行うことが可能なダウン
    シフト制御所要時間を有さないものと判断した場合に、
    実際のダウンシフト動作の開始指令を、前記ダウンシフ
    トの変速判断が出された時点よりも所定時間延滞遅延さ
    せるようにして構成した、請求項2記載の自動変速機の
    油圧制御装置。
  4. 【請求項4】 前記変速制御手段は、前記変速開始タイ
    ミング手段が、前記ダウンシフトの変速判断が出された
    時点の前記入力軸回転数と、ダウンシフトの目標となる
    前記入力軸の同期回転数との差が、ダウンシフト動作を
    適正に行うことが可能な回転数差に達していないかまた
    は、ダウンシフト動作を適正に行うことが可能なダウン
    シフト制御所要時間を有さないものと判断した場合に、
    ダウンシフトにおける解放側の摩擦係合要素の制御を、
    それまでのフィードバック制御からフィードフォワード
    制御に切り替えて実行するようにして構成した、請求項
    2記載の自動変速機の油圧制御装置。
  5. 【請求項5】 ダウンシフト動作を適正に行うことが可
    能な回転数差または、ダウンシフト動作を適正に行うこ
    とが可能なダウンシフト制御所要時間は、ダウンシフト
    における解放側の摩擦係合要素のフィードバック制御に
    要する回転数差または、制御所要時間である、請求項3
    記載の自動変速機の油圧制御装置。
  6. 【請求項6】 ダウンシフト動作を適正に行うことが可
    能な回転数差または、ダウンシフト動作を適正に行うこ
    とが可能なダウンシフト制御所要時間は、係合側の摩擦
    係合要素の終期制御に要する回転数差または、制御所要
    時間である、請求項3記載の自動変速機の油圧制御装
    置。
  7. 【請求項7】 前記変速制御手段は、前記ダウンシフト
    動作を適正に行うことが可能な回転数差またはダウンシ
    フト動作を適正に行うことが可能なダウンシフト制御所
    要時間に対応する回転数に、前記入力軸の回転数が低下
    するまで、実際のダウンシフト動作の開始指令を、前記
    ダウンシフトの変速判断が出された時点よりも延滞遅延
    させるようにして構成した、請求項3記載の自動変速機
    の油圧制御装置。
JP30185499A 1999-10-25 1999-10-25 自動変速機の油圧制御装置 Expired - Fee Related JP3478208B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30185499A JP3478208B2 (ja) 1999-10-25 1999-10-25 自動変速機の油圧制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30185499A JP3478208B2 (ja) 1999-10-25 1999-10-25 自動変速機の油圧制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001124193A true JP2001124193A (ja) 2001-05-08
JP3478208B2 JP3478208B2 (ja) 2003-12-15

Family

ID=17901970

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30185499A Expired - Fee Related JP3478208B2 (ja) 1999-10-25 1999-10-25 自動変速機の油圧制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3478208B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008057672A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Toyota Motor Corp 変速制御装置
JP2009024811A (ja) * 2007-07-20 2009-02-05 Toyota Motor Corp 自動変速機の変速制御装置
US7544149B2 (en) 2005-08-01 2009-06-09 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Shift control apparatus and shift control method of automatic transmission of vehicle
JP2009174711A (ja) * 2007-12-28 2009-08-06 Aisin Aw Co Ltd 自動変速機の変速制御装置
US7824291B2 (en) 2006-09-15 2010-11-02 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Shift control apparatus and method for automatic transmission
EP3366952A1 (en) 2017-02-27 2018-08-29 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control apparatus and control method for automatic transmission
JP2020090994A (ja) * 2018-12-05 2020-06-11 トヨタ自動車株式会社 車両の制御装置

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7544149B2 (en) 2005-08-01 2009-06-09 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Shift control apparatus and shift control method of automatic transmission of vehicle
DE102006000380B4 (de) * 2005-08-01 2010-01-21 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha, Toyota-shi Umschaltungssteuerungsgerät und Verfahren zum Steuern eines automatischen Getriebes
JP2008057672A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Toyota Motor Corp 変速制御装置
US7824291B2 (en) 2006-09-15 2010-11-02 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Shift control apparatus and method for automatic transmission
JP2009024811A (ja) * 2007-07-20 2009-02-05 Toyota Motor Corp 自動変速機の変速制御装置
JP2009174711A (ja) * 2007-12-28 2009-08-06 Aisin Aw Co Ltd 自動変速機の変速制御装置
EP3366952A1 (en) 2017-02-27 2018-08-29 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control apparatus and control method for automatic transmission
CN108506478A (zh) * 2017-02-27 2018-09-07 丰田自动车株式会社 用于自动变速器的控制设备和控制方法
JP2018141489A (ja) * 2017-02-27 2018-09-13 トヨタ自動車株式会社 自動変速機の制御装置
US10408338B2 (en) 2017-02-27 2019-09-10 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control apparatus and control method for automatic transmission
JP2020090994A (ja) * 2018-12-05 2020-06-11 トヨタ自動車株式会社 車両の制御装置
JP7164419B2 (ja) 2018-12-05 2022-11-01 トヨタ自動車株式会社 車両の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3478208B2 (ja) 2003-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4593654B2 (ja) 有段自動変速機
JP3849456B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP3301344B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
KR100459744B1 (ko) 차량용 자동 변속기의 변속 제어장치 및 변속 제어방법
JP3683194B2 (ja) 車両の変速制御装置
JP2004108545A (ja) 車両用駆動制御装置
JP3876838B2 (ja) 車両用高加速時変速制御装置
EP1431624B1 (en) Shift control device for automatic transmission
JP2000135938A (ja) 自動変速機の変速制御装置
JPS6283537A (ja) 車輛用自動変速機のアイドル運転時制御方法
JP2001336630A (ja) 自動変速機のマニュアル変速制御装置
JP3478208B2 (ja) 自動変速機の油圧制御装置
US6519521B2 (en) Shift control system for automatic transmission
JP3688226B2 (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JP3692980B2 (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JP3293570B2 (ja) 自動変速機の油圧制御装置
JP2002130453A (ja) 自動変速機の制御装置
JP2000008901A (ja) 原動機と自動変速機との一体制御装置
JPH05296323A (ja) 自動変速機のタイアップ判定装置、及びその制御装置
JPH08184367A (ja) 車両用油圧作動式変速機の油圧制御装置
JP4066598B2 (ja) 自動変速機の油圧制御装置
JP4952188B2 (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JP4003395B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP2002122233A (ja) 自動変速機の制御装置
JPH08270780A (ja) 自動変速機の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081003

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081003

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091003

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091003

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101003

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101003

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111003

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111003

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121003

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131003

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees