JP2001123938A - 駆動装置およびからくり装置 - Google Patents

駆動装置およびからくり装置

Info

Publication number
JP2001123938A
JP2001123938A JP30501499A JP30501499A JP2001123938A JP 2001123938 A JP2001123938 A JP 2001123938A JP 30501499 A JP30501499 A JP 30501499A JP 30501499 A JP30501499 A JP 30501499A JP 2001123938 A JP2001123938 A JP 2001123938A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
temperature
current
supply
reciprocating member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30501499A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Nemoto
健一 根本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rhythm Watch Co Ltd
Original Assignee
Rhythm Watch Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rhythm Watch Co Ltd filed Critical Rhythm Watch Co Ltd
Priority to JP30501499A priority Critical patent/JP2001123938A/ja
Publication of JP2001123938A publication Critical patent/JP2001123938A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Toys (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】構造が簡単で、小型化及び軽量化が図れ、ま
た、注意を喚起するような意外性をもつ動作を実現可能
な駆動装置およびからくり装置を提供する。 【解決手段】一端がケース体11の背面側の下部に揺動
可能に摺動軸15に軸支され、他端側に往復動部材12
が形成された揺動部材16と、揺動部材16を一方向に
揺動させるように付勢する弾性体としての引っ張りばね
17と、加熱変形により引っ張りばね17の付勢力に抗
して揺動部材16を一方向と反対の方向に揺動させるよ
うに付勢する形状記憶合金からなるワイヤ18と、ワイ
ヤ18の周囲温度を検出する温度センサ19と、ワイヤ
18に電流を供給する電源部を有し、温度センサ19の
検出温度に応じてワイヤに供給する電流値を調整する制
御部30とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、形状記憶合金を用
いた駆動装置およびそれを用いたからくり装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】時計の装飾体として設けられた人形等か
らなる従来のからくり装置としては、たとえば特開平8
−68870号公報等に記載されたものが知られてい
る。この公報に開示のからくり装置は、文字盤の前方に
複数の人形を揺動自在に配置し、DCモータ、減速歯車
列、カム車、回動環等を介して、それぞれの人形を所定
角度範囲で揺動させるものである。
【0003】また、マニピュレータのアーム等として適
用される2つの構造部材を、折り曲げあるいは伸長させ
る駆動源として、形状記憶合金を用いた装置として、た
とえば特公昭63−26279号公報に開示されたもの
が知られている。この公報に開示の装置は、2つの構造
部材の一端同士をピンによりヒンジ結合し、このピン上
に回動自在に設けられたプーリに巻回すると共に2つの
構造部材の他端側にそれぞれ一端部及び他端部を係止さ
せるようにして線状の形状記憶合金を配設し、さらに、
形状記憶合金の配設側と反対側に引っ張りばねを張設し
て、形状記憶合金を加熱及び冷却することで、この形状
記憶合金を収縮及び伸張させて、2つの構造部材に伸長
及び折り曲げ動作を行なわせるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記特開平
8−68870号公報に開示のからくり装置において
は、駆動源としてDCモータ、減速歯車列、カム車、回
動環等からなる駆動機構を用いているため、構造が複雑
で、装置の重量化あるいは大型化を招くことになる。そ
の結果、このからくり装置を薄型時計等の文字盤前面等
に配置することは困難であり、又、人形等の動きが減速
歯車列等に設定された一定の速度であるため、その動き
に注意を喚起するような意外性をもたせることは困難で
あった。
【0005】また、上記特公昭63−26279号公報
に開示の装置においては、アーム(2つの構造部材)の
伸縮動作を行なわせるための駆動装置として形状記憶合
金を用いているものの、その構造が単にアームすなわち
蝶番式にヒンジ結合された2つの構造部材に折り曲げ動
作あるいは伸長動作を行なわせるだけのものである。そ
れ故に、その動きだけを行なう構造にて、注意を喚起す
るような意外性をもつ動作を提供するのは困難である。
【0006】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、構造が簡単で、小型化及び軽量
化が図れ、また、注意を喚起するような意外性をもつ動
作を実現可能な駆動装置およびそれを用いたからくり装
置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、往復動部材を往復動させる駆動装置であ
って、揺動可能に設けられ、所定部位に上記往復動部材
が取り付けられる揺動部材と、上記揺動部材を一方向に
揺動させるように付勢する弾性体と、供給される電流値
に応じた加熱変形により上記弾性体の付勢力に抗して上
記揺動部材を上記一方向と反対の方向に揺動させるよう
に付勢する形状記憶合金からなるワイヤと、上記ワイヤ
の周囲温度を検出する温度検出手段と、上記温度検出手
段の検出温度に応じて上記ワイヤの加熱量を調整する制
御手段とを有する。
【0008】また、本発明は、往復動部材を往復動させ
るからくり装置であって、基台と、基台に配置されかつ
その少なくとも一部が可動な可動体と、上記可動体に対
してヒンジ結合されて往復動させられる往復動部材と、
上記基台に一端部が揺動可能に連結され他端部が上記往
復動部材に連結された揺動部材と、上記揺動部材を一方
向に揺動させるように付勢する弾性体と、供給される電
流値に応じた加熱変形により上記弾性体の付勢力に抗し
て上記揺動部材を上記一方向と反対の方向に揺動させる
ように付勢する形状記憶合金からなるワイヤと、上記ワ
イヤの周囲温度を検出する温度検出手段と、上記温度検
出手段の検出温度に応じて上記ワイヤの加熱量を調整す
る制御手段とを有する。
【0009】また、本発明では、上記制御手段は、上記
ワイヤに電流を供給する電源部を有し、温度検出手段に
よる検出温度があらかじめ設定した基準温度より高い場
合には、上記ワイヤに供給する電流値を当該基準温度に
対応して設定した基準電流値より低くなるように調整
し、検出温度が上記基準温度より低い場合には、供給電
流値を上記基準電流値より高くなるように調整する。
【0010】また、本発明では、上記往復動部材が上記
ワイヤの付勢力により所定位置に達したことを検出する
位置検出手段を有し、上記制御手段は、上記位置検出手
段の検出を受けて上記ワイヤへの電流の供給を停止す
る。
【0011】また、本発明では、上記制御手段は、上記
ワイヤへの電流の供給を停止させた後、上記温度検出手
段で検出された温度に応じた時間後にワイヤへの電流の
供給を再開始する。
【0012】また、本発明では、上記制御手段は、上記
ワイヤへの電流の供給を停止と再開始を設定回数だけ繰
り返す。
【0013】この構成によれば、弾性体の付勢力とワイ
ヤの付勢力とが釣り合った休止状態から、形状記憶合金
であるワイヤに対して制御手段により、たとえば温度検
出手段で検出された温度に応じた値の電流が供給され
る。ワイヤは、電流供給に伴い、供給電流値に応じて加
熱され、その変態点温度付近まで加熱されると収縮変形
を生じる。これにより、揺動部材に支持された往復動部
材は、弾性体の付勢方向と反対の方向に移動し始める。
そして、所定の位置に達すると、たとえば位置検出手段
により往復動部材がワイヤの付勢力により所定位置に達
したことが検出され、検出手段が制御手段に出力され
る。検出信号を受けた制御手段では、ワイヤへの電流の
供給が停止される。すなわち、ワイヤの加熱動作を停止
されて、ワイヤは冷却されて伸長し始め、往復動部材は
弾性体の付勢力により初期の休止位置に復帰する。そし
て、制御手段によるワイヤへの電流供給の停止、再開始
を行い、加熱動作が間欠的に行なわれると、往復動部材
は、可動体に連結された状態で往復動することになる。
なお、制御手段においては、ワイヤへの電流供給を停止
した後再開始するまでの時間は、温度検出手段の検出温
度に応じて設定される。また、ワイヤに流される電流の
値が適宜調整されることで、ワイヤの通電加熱による収
縮変形の変形速度及び変形量が適宜調整される。これに
より、往復動部材を可変的に所望の速度で移動させるこ
とができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に基づいて説明する。
【0015】第1実施形態 図1(a)は本発明に係る駆動装置の第1の実施形態を
示す正面図、図1(b)は本発明に係る駆動装置の第1
の実施形態を示す側面図、図1(c)は本発明に係る駆
動装置の第1の実施形態を示す背面図、図2(a)は本
発明に係る駆動装置の要部を示す図、図2(b)は
(a)の横側面図、図2(c)は底側面図を示す図であ
る。
【0016】この駆動装置10は、方形状に形成され、
ケース体11の前面には、図1(a)に示すように、往
復動部材12が図中左右に所定の円弧を描いて往復動可
能に案内する案内窓13が形成されている。また、ケー
ス体11の背面側には、図1(b)に示すように、後述
するワイヤ破断防止手段としての破断防止レバーの操作
スイッチ14が設けられている。
【0017】そして、ケース体11内には、図2(a)
〜(c)に示すように、一端がケース体11の背面側の
下部に揺動可能に摺動軸15に軸支され、他端側に往復
動部材12が形成された揺動部材16と、揺動部材16
を一方向(図2中の時計回り)に揺動させるように付勢
する弾性体としての引っ張りばね17と、加熱変形によ
り引っ張りばね17の付勢力に抗して揺動部材16を一
方向と反対の方向(図2中の反時計回り)に揺動させる
ように付勢する形状記憶合金からなるワイヤ18と、こ
のワイヤ18の周囲温度を検出する温度検出手段として
の温度センサ19等が設けられている。
【0018】引っ張りばね17は、図2に示すように、
揺動部材16の中央よりも僅かに上方の領域に突設され
た係止ピン20とワイヤ18が巻き回されたプーリ21
に突設された係止ピン22とに係止されて、所定の初期
張力となるように張設されている。
【0019】また、形状記憶合金製のワイヤ18は、そ
の一端部が、揺動部材16の中央よりも僅かに上方の領
域近傍のケース体11内に突設された係止ピン23に係
止され、その途中が回動自在に設けられたプーリ21に
巻回され、その他端部が揺動部材16の一端部を軸支す
る摺動軸15の近傍に係止されて、所定の初期張力とな
るように張設されている。そして、このワイヤ18の両
端部には、電源からの配線(不図示)がそれぞれ接続さ
れて、このワイヤ18に後述する制御部30により所望
の電流を流して、ワイヤ18そのものを変態点温度付近
まで通電加熱することができるようになっている。
【0020】したがって、休止状態においては、引っ張
りばね17の付勢力とワイヤ18の付勢力とが釣り合っ
た状態、すなわち、図2において、揺動部材16が時計
回りに揺動して往復動部材12は右側に移動し、図1
(a)に示すように、案内窓13の右側端に当接した状
態にある。この休止状態からワイヤ18が変態点温度付
近まで加熱されて収縮し始めると、引っ張りばね17の
付勢力に抗して揺動部材16が反時計回りに揺動して往
復動部材12は左側に移動し、案内窓13の左側端に当
接する。その後、ワイヤ18の加熱が解除されると、ワ
イヤ18は再び伸長して、揺動部材16は引っ張りばね
17の付勢力により時計回りに揺動して往復動部材12
は右側に移動し、再び休止状態に復帰する。
【0021】ここで、上記形状記憶合金からなるワイヤ
(SMA)18としては、たとえば外径が75μm程
度、長さが100mm程度、変態点温度(Af点)が6
5度C、使用歪み量が3%(3mm)、抵抗値が常温
(たとえば20度C)で20Ωのものを使用することが
できる。また、引っ張りばね17としては、たとえばバ
ネ定数kが0.6gf/mm、初期張力F0 が34g
f、初期張設長さX0 が12.9mmのものを使用する
ことができる。
【0022】また、揺動部材16の中央よりも僅かに下
方近傍領域には、操作スイッチ14に連動する破断防止
レバー25が設けられている。通常の使用時には、操作
スイッチはオフ状態に設定され、これにより、破断防止
レバー25は、図3(a)に示すように、揺動部材16
と非接触状態に保持される。これに対して、非使用時、
たとえば輸送時等に形状記憶合金からなるワイヤ18に
外部からの振動、衝撃が加わり、破断するおそれがある
場合等には、操作スイッチ14がオン状態に設定され
る。これにより、破断防止レバー25は、図3(b)に
示すように、揺動部材16を弾性体としての引っ張りバ
ネ17の付勢方向と逆方向に押圧する。これにより、ワ
イヤに弛みが生じ、輸送時等に外部から振動や衝撃を受
けても、ワイヤが破断することが防止される。
【0023】また、揺動部材16の一端側の図2(a)
中左側近傍には、位置検出手段としてのたとえばフォト
インタラプタからなる検出器26が設けられている。こ
の検出器26は、往復動部材12がワイヤ18の付勢力
により所定位置、具体的は案内窓13の左側端近傍に達
したことを、揺動部材16の一端側に設けた検出片24
がセンサ部を横切ることで検出し、その検出信号を制御
部30に送出する。なお、この検出器26としては、光
センサ(光透過型センサあるいは光反射型センサ)、磁
気検出センサ、機械的接触型センサ等種々のものを適用
することができる。
【0024】また、駆動装置10は、上記構成に加え
て、ワイヤ18の加熱動作を制御する制御手段としての
制御部30を備えている。制御部30は、たとえばスタ
ート信号を受けて作動し、ワイヤ18を加熱変形させる
ための電流を供給する電源部を有し、温度センサ19の
検出温度に応じてワイヤ18に供給する電流値を調整す
る。具体的には、制御部30は、温度センサ19による
検出温度があらかじめ設定した基準温度Tref (たとえ
ば常温、20度C)より高い場合には、ワイヤに供給す
る電流値を基準温度Tref に対応して設定した基準電流
値Iref より低くなるように調整し、検出温度が基準温
度Tref より低い場合には、供給電流値を基準電流値I
thより高くなるように調整する。
【0025】図4は、形状記憶合金からなるワイヤ(S
MA)として、外径が75μm程度、長さが100mm
程度、変態点温度(Af点)が65度C、使用歪み量が
3%(3mm)、抵抗値が常温(たとえば20度C)で
20Ωのものを使用したときの、印加電圧と動作時間と
の関係を示す図である。図中、横軸が動作時間を示し、
縦軸が電圧を示している。
【0026】図4に示す〜の特性は、ワイヤに直接
DC(直流)電圧を印加したときに、動作角80度に達
するまでの時間を温度別に測定した結果を表している。
で示す特性は−10度Cのとき、で示す特性は0度
Cのとき、で示す特性は10度Cのとき、で示す特
性は20度C(常温)のとき、で示す特性は30度C
のとき、で示す特性は40度Cのとき、で示す特性
は50度Cのときの特性をそれぞれ示している。
【0027】また、図5は、DC電圧3Vを印加したと
きの各温度における動作時間を示す図である。
【0028】図4および図5からわかるように、SMA
は同じ電圧を印加したときは温度が高い程動作時間が速
い。したがって、温度に関わりなく均一な動作時間を確
保するためには、温度が高い程、印加電圧を低く設定
し、温度が低い程、印加電圧を高く設定する必要があ
る。
【0029】このような観測結果に基づいて、制御部3
0は、上述した温度センサ19の検出温度に応じた供給
電流値の調整を行うように構成されている。図6は、動
作角を35度の場合に動作時間を一定(たとえば0.3
秒)にした場合の各温度におけるSMAへの供給電流値
例を示す図である。このように制御部30は、温度セン
サ19の検出温度に応じて、具体的には、温度が高い
程、供給電流値を低く設定し、温度が低い程、供給電流
値を高く設定する。
【0030】また、制御部30は、往復動部材12がワ
イヤ18の付勢力により所定位置、具体的は案内窓13
の左側端近傍に達したことを示す検出器26による検出
信号DT26を受けると、ワイヤ18への電流の供給を
停止する。さらにまた、制御部30は、ワイヤ18への
電流の供給を停止させた後、温度センサ19で検出され
た温度に応じた時間後にワイヤ18への電流の供給を再
開始する。この検出温度に応じた時間の設定は、温度が
高い程長く、温度が低い程短く設定される。これは、S
MAが上述したように温度が高い程動作時間が速く、温
度が低い程動作時間が遅いという観測結果に基づいてい
る。
【0031】具体的には、検出器26が、ワイヤ18の
加熱変形により、往復動部材12が図2(a)中の左側
端直前に達したとき、そのことを検出して検出信号を出
力し、制御部30は、この検出信号に基づいて、電源部
からの電流の供給路を電気的に遮断して、ワイヤ18の
加熱を停止する。その後、加熱停止によりワイヤ18が
伸長し、引っ張りばね17の付勢力が作用して、往復動
部材12が図2(a)中の右側端に達した後に、タイマ
ー等の作動により、制御部30が電流の供給路を電気的
に接続してワイヤ18の加熱を開始する。制御部30
は、このワイヤ18への電流の供給を停止と再開始を設
定回数nだけ繰り返し、その後、ストップ信号を電流源
に入力させて、電流源を停止状態とする。
【0032】図7は、制御部30の具体的な構成例を示
すブロック図である。この制御部30は、図7に示すよ
うに、SMA電源部31、遅延回路(DLY)32、A
NDゲート33,34、ORゲート35、電流供給回路
36、タイマ37、およびn回路カウンタ38を有して
いる。
【0033】電源部31は、スタート信号STRを受け
て、イネーブル信号ENBをANDゲート33,34、
および電流供給回路36に出力する。また、電源部31
は、n回路カウンタ38によるストップ信号S38を受
けると、イネーブル信号ENBの出力を停止する。
【0034】電流供給回路36は、電源部31によるイ
ネーブル信号ENBを受けているときに、ORゲート3
5の出力をハイレベルで受けると、温度センサ19の検
出温度に応じた値の電流をワイヤ18に供給する。そし
て、検出器26の検出信号DT26を受けると、ワイヤ
18に対する電流の供給を停止する。
【0035】タイマ37は、検出器26の検出信号DT
26を受けると、その入力から温度センサ19の検出温
度に応じて設定される所定時間経過後に、再トリガ信号
S37を生成してANDゲート33に出力する。
【0036】n回カウンタ38は、検出器26の検出信
号DT26をカウントし、カウント数がnになると、パ
ルス状のストップ信号S38を生成して電源部31に出
力する。
【0037】次に、この制御部30の動作を含めた本第
1の実施形態に係る動作を説明する。
【0038】まず、操作スイッチ14はオフ状態に設定
される。これにより、破断防止レバー24が揺動部材1
6と非接触状態に保持される。揺動部材16は、図1
(a)に示すように、初期位置にあり、その他端側に形
成された往復動部材12が案内窓13の右側端に当接し
た状態(休止状態)にある。この状態から、パワーオン
あるいは図示しないスタートスイッチの操作により発生
されたスタート信号STRが電源部31および遅延回路
32に入力されると、電源部31が作動状態となり、イ
ネーブル信号ENBがANDゲート33,34、電流供
給回路36、および位置検出器26に出力される。そし
て、ANDゲート34には、遅延回路32で遅延された
スタート信号STRが入力されて、出力がハイレベルと
なる。その結果、ORゲート35を介してスタート信号
S35が電流供給回路36に入力される。
【0039】また、電流供給回路36には、温度センサ
19の検出温度が供給されている。これにより、イネー
ブル信号ENB、およびスタート信号STRを受けた電
流供給回路36から、ワイヤ(SMA)18に対して検
出温度に応じた値の電流が供給される。電流の供給に伴
い、ワイヤ18が変態点温度付近まで加熱され、ワイヤ
18は収縮変形を始め、引っ張りばね17の付勢力に抗
して揺動部材16を図2(a)中の反時計回りに揺動さ
せ、この揺動部材16に連動して往復動部材12が左側
に移動する。
【0040】その後、往復動部材12が案内窓13の図
2(a)中、左側端直前の所定位置に達したときに、検
出器26でそのことが検出されて検出信号D26が、電
流供給回路36、タイマ37、およびn回カウンタ38
に出力される。検出信号D26を受けた電流供給回路3
6でワイヤ18に対する電流の供給が停止され、ワイヤ
18の通電加熱が停止される。
【0041】この通電加熱の停止により、ワイヤ18の
温度が低下すると、ワイヤ18は元の長さになるよう伸
長し始める。このワイヤ18の復帰動作に伴って、引っ
張りばね17の付勢力が作用し、揺動部材16が図2
(a)中の時計回りに揺動し、この揺動部材16に連動
して往復動部材12が右側に移動する。
【0042】そして、タイマ37では、温度センサ19
の検出温度に応じて設定された所定の時間経過後、すな
わち、往復動部材12が案内窓13の図2(a)中、右
側端に当接した後に、再トリガ信号S37が生成され
て、ANDゲート33に出力される。これにより、AN
Dゲート33の出力がハイレベルとなり、ORゲート3
5を介してスタート信号S35として電流供給回路36
に入力される。スタート信号S35を受けた電流供給回
路36には、温度センサ19の検出温度およびイネーブ
ル信号ENBが供給されており、電流供給回路36か
ら、ワイヤ(SMA)18に対して検出温度に応じた値
の電流が供給される。
【0043】この通電加熱の再開始により、ワイヤ18
は再び収縮変形して揺動部材16を反時計回りに揺動さ
せ、この揺動部材16に連動して往復動部材12が左側
に向かって移動し、検出器26の作動により通電加熱が
解除されて、再びワイヤ18が伸長し始め、引っ張りば
ね17が、揺動部材16を時計回りに揺動させ、この揺
動部材16に連動して往復動部材12が右側に向かって
移動する。
【0044】以上の動作がn回繰り返し行われると、具
体的には、検出器26の検出信号DT26を、n回カウ
ンタ38がn回カウントすると、n回カウンタ38から
ストップ信号S38が生成されて、電源部31に出力さ
れる。電源部31では、ストップ信号S38を受けてイ
ネーブル信号ENBの出力が停止され、上記の一連のか
らくり動作が停止して、揺動部材16及び往復動部材1
2は休止状態に復帰する。
【0045】以上のように、本第1の実施形態によれ
ば、駆動装置10は、一端がケース体11の背面側の下
部に揺動可能に摺動軸15に軸支され、他端側に往復動
部材12が形成された揺動部材16と、揺動部材16を
一方向(図2中の時計回り)に揺動させるように付勢す
る弾性体としての引っ張りばね17と、加熱変形により
引っ張りばね17の付勢力に抗して揺動部材16を一方
向と反対の方向(図2中の反時計回り)に揺動させるよ
うに付勢する形状記憶合金からなるワイヤ18と、ワイ
ヤ18の周囲温度を検出する温度センサ19と、ワイヤ
18に電流を供給する電源部を有し、温度センサ19の
検出温度に応じてワイヤに供給する電流値を調整する制
御部30とを有することから、従来のようなDCモー
タ、減速歯車列等を用いるものに比べて、装置の簡略
化、小型化、軽量化、薄型化等を行なうことができ、た
とえば薄型時計等にこの駆動装置を搭載することも可能
となり、また、周囲温度変化によるワイヤ(SMA)1
8の特性変化に対応でき、精度の高い制御を行うことが
できる。
【0046】また、制御部30は、往復動部材12がワ
イヤ18の付勢力により所定位置、具体的は案内窓13
の左側端近傍に達したことを示す検出器26による検出
信号DT26を受けると、ワイヤ18への電流の供給を
停止し、ワイヤ18への電流の供給を停止させた後、温
度センサ19で検出された温度に応じた時間後にワイヤ
18への電流の供給を再開始することから、戻り位置に
特別な検出器を用いることがなく、戻り時間を精度高く
設定できる。また、制御部30は、スタート信号STR
でイネーブルとなり、n回繰り返し後にストップ信号S
38を生成して、電源部31自体を非イネーブルにする
ことから、動作時以外は不必要な消費電流を抑えること
ができ、たとえば電池駆動の装置の場合、電池寿命を延
ばすことができる利点がある。
【0047】また、本第1の実施形態では、輸送時等の
非使用時には、操作スイッチ14をオン状態に設定する
ことにより、破断防止レバー25により揺動部材16を
弾性体としての引っ張りバネ17の付勢方向と逆方向に
押圧して、ワイヤ18を弛ませるようにしたので、輸送
時等に外部から振動や衝撃を受けても、ワイヤが破断す
ることを防止できる利点がある。
【0048】また、上記のような一連のからくり動作を
行わせるに当たって、制御部により、ワイヤ18に供給
する電流量を調整して、その加熱速度を適宜調整するこ
とにより、往復動部材12の移動速度を、たとえば、低
速モード、中速モード、あるいは高速モードに設定する
こともできる。したがって、この往復動部材12の動作
速度あるいはそのストロークに明確な強弱を付けること
ができ、その結果、この動きを観察する者の注意を喚起
させることができる。また、制御電圧のデューテ比を変
化させて、電流量を調整するように構成することも可能
である。
【0049】第2実施形態 図8(a)は本発明に係る駆動装置の第2の実施形態を
示す正面図、図8(b)は本発明に係る駆動装置の第2
の実施形態を示す横断面図、図8(c)は本発明に係る
駆動装置の第2の実施形態を示す底側面図、図9(a)
は本発明に係る駆動装置の要部を示す図、図9(b)は
(a)の横側面図、図9(c)は底側面図をである。
【0050】本第2の実施形態の駆動装置は、上述した
第1の実施形態と同様に形状記憶合金からなるワイヤを
用いたものであり、大きく異なる点は、往復動部材を左
右に揺動させる代わりの上下動させるように構成したこ
とにある。以下に図面に関連付けて構成および機能を順
を追って説明する。
【0051】この駆動装置40は、方形状に形成され、
ケース体41の前面には、図8(a)に示すように、往
復動部材42が図中上下に往復動可能に案内する案内窓
43が形成されている。また、ケース体41の背面側に
は、図8(b)に示すように、ワイヤ破断防止手段とし
ての破断防止レバーの操作スイッチ44が設けられてい
る。
【0052】そして、ケース体41内には、図9(a)
〜(c)に示すように、両端がケース体41の背面側の
中央部よりやや下部に上下の所定の範囲にわたって案内
する案内部45A,45Bに配置され、中央部に往復動
部材42が形成された揺動(移動)部材46と、揺動部
材46を一方向(図9中の下方向)に付勢する弾性体と
しての引っ張りばね47と、加熱変形により引っ張りば
ね47の付勢力に抗して揺動部材46を一方向と反対の
方向(図9中の上方向)に揺動させるように付勢する形
状記憶合金からなるワイヤ48と、このワイヤ48の周
囲温度を検出する温度検出手段としての温度センサ49
等が設けられている。
【0053】引っ張りばね47は、図9(a)に示すよ
うに、揺動部材46の略中央に突設された係止ピン50
とケース体41の背面側の下部に突設された係止ピン5
1とに係止されて、所定の初期張力となるように張設さ
れている。
【0054】また、形状記憶合金製のワイヤ48は、そ
の一端部が、揺動部材46の中央よりも上方のケース体
41内に突設された係止ピン52に係止され、その途中
が回動自在に設けられたプーリ52に巻回され、その他
端部が揺動部材46の係止ピン50に係止されて、所定
の初期張力となるように張設されている。そして、この
ワイヤ48の両端部には、電源からの配線(不図示)が
それぞれ接続されて、このワイヤ48に制御部60から
所望の電流を流して、ワイヤ48そのものを変態点温度
付近まで通電加熱することができるようになっている。
【0055】したがって、休止状態においては、引っ張
りばね47の付勢力とワイヤ48の付勢力とが釣り合っ
た状態、すなわち、図9(a)において、揺動部材46
が下方に揺動して往復動部材42は下側に移動し、図8
(a)に示すように、案内窓43の下側端に当接した状
態にある。この休止状態からワイヤ48が変態点温度付
近まで加熱されて収縮し始めると、引っ張りばね47の
付勢力に抗して揺動部材46が上方向に揺動して往復動
部材42は上側に移動し、案内窓43の上側端に当接す
る。その後、ワイヤ48の加熱が解除されると、ワイヤ
48は再び伸長して、揺動部材46は引っ張りばね47
の付勢力により下方向に揺動して往復動部材42は下側
に移動し、再び休止状態に復帰する。
【0056】また、揺動部材46の一端側の案内部45
Bの上側に隣接して検出部が案内部45Bに連通するた
とえばフォトインタラプタからなる検出器54が設けら
れている。この検出器54は、往復動部材42がワイヤ
48の付勢力により所定位置、具体的は案内窓43の上
側端近傍に達したことを、揺動部材46の一端側がセン
サ部を横切ることで検出し、その検出信号を制御部60
に送出する。
【0057】また、駆動装置40は、上記構成に加え
て、ワイヤ48の加熱動作を制御する制御手段としての
制御部60を備えている。制御部60は、たとえばスタ
ート信号を受けて作動し、ワイヤ48を加熱変形させる
ための電流を供給する電源部を有し、温度センサ49の
検出温度に応じてワイヤ48に供給する電流値を調整す
る。具体的には、制御部40は、温度センサ49による
検出温度があらかじめ設定した基準温度Tref (たとえ
ば常温、20度C)より高い場合には、ワイヤに供給す
る電流値を基準温度Tref に対応して設定した基準電流
値Iref より低くなるように調整し、検出温度が基準温
度Tref より低い場合には、供給電流値を基準電流値I
thより高くなるように調整する。
【0058】また、制御部60は、往復動部材42がワ
イヤ48の付勢力により所定位置、具体的は案内窓43
の左側端近傍に達したことを示す検出器54による検出
信号を受けると、ワイヤ48への電流の供給を停止す
る。さらにまた、制御部60は、ワイヤ48への電流の
供給を停止させた後、温度センサ49で検出された温度
に応じた時間後にワイヤ48への電流の供給を再開始す
る。この検出温度に応じた時間の設定は、温度が高い度
長く、温度が低い程短く設定される。
【0059】具体的には、検出器54が、ワイヤ48の
加熱変形により、往復動部材42が図9(a)中の左側
端直前に達したとき、そのことを検出して検出信号を出
力し、制御部60は、この検出信号に基づいて、電源部
からの電流の供給路を電気的に遮断して、ワイヤ48の
加熱を停止する。その後、加熱停止によりワイヤ48が
伸長し、引っ張りばね47の付勢力が作用して、往復動
部材12が図9(a)中の右下側端に達した後に、タイ
マー等の作動により、制御部60が電流の供給路を電気
的に接続してワイヤ48の加熱を開始する。また、制御
部60は、このワイヤ48への電流の供給を停止と再開
始を設定回数nだけ繰り返し、その後、ストップ信号を
電流源に入力させて、電流源を停止状態とする。
【0060】なお、制御部60は、図7と同様に構成す
ることが可能であり、ここではその詳細な説明は省略す
る。
【0061】また、揺動部材46の僅かに下方の近傍領
域には、操作スイッチ44に連動する破断防止レバー5
5が設けられている。通常の使用時には、操作スイッチ
44はオフ状態に設定され、これにより、破断防止レバ
ー55は、図9(a)に示すように、揺動部材46と非
接触状態に保持される。これに対して、非使用時、たと
えば輸送時等に形状記憶合金からなるワイヤ48に外部
からの振動、衝撃が加わり、破断するおそれがある場合
等には、操作スイッチ34がオン状態に設定される。こ
れにより、破断防止レバー55は、揺動部材46を弾性
体としての引っ張りバネ47の付勢方向と逆方向に押圧
する。これにより、ワイヤに弛みが生じ、輸送時等に外
部から振動や衝撃を受けても、ワイヤが破断することが
防止される。
【0062】次に、上記構成による動作を説明する。ま
ず、操作スイッチ44はオフ状態に設定される。これに
より、破断防止レバー55が揺動部材46と非接触状態
に保持される。揺動部材46は、図9(a)に示すよう
に、初期位置にあり、その中央部に形成された往復動部
材42が案内窓43の下側端に当接した状態(休止状
態)にある。
【0063】この状態からスイッチ(不図示)等が入れ
られて(ON)、所定のスタート信号が制御部60に入
力されると、制御部60からワイヤ(SMA)48に対
して検出温度に応じた値の電流が供給される。電流の供
給に伴い、ワイヤ48が変態点温度付近まで加熱され、
ワイヤ48は収縮変形を始め、引っ張りばね47の付勢
力に抗して揺動部材46を図9(a)中の上下方向に揺
動させ、この揺動部材46に連動して往復動部材42が
左側に移動する。
【0064】その後、往復動部材42が案内窓43の上
側端直前の所定位置に達したときに、検出器54でその
ことが検出されて検出信号が、制御部60に出力され
る。検出信号を受けた制御部60では、ワイヤ48に対
する電流の供給が停止され、ワイヤ48の通電加熱が停
止される。
【0065】この通電加熱の停止により、ワイヤ48の
温度が低下すると、ワイヤ48は元の長さになるよう伸
長し始める。このワイヤ48の復帰動作に伴って、引っ
張りばね47の付勢力が作用し、揺動部材46が図9
(a)中の下方向に揺動し、この揺動部材46に連動し
て往復動部材42が右側に移動する。
【0066】そして、タイマ等で温度センサ49の検出
温度に応じて設定された所定の時間経過後、すなわち、
往復動部材42が案内窓43の下側端に当接した後に、
再トリガ信号が生成されて、ワイヤ(SMA)48に対
して検出温度に応じた値の電流が供給される。
【0067】この通電加熱の再開始により、ワイヤ48
は再び収縮変形して揺動部材46を上方向に揺動させ、
この揺動部材46に連動して往復動部材42が左側に向
かって移動し、検出器54の作動により通電加熱が解除
されて、再びワイヤ48が伸長し始め、引っ張りばね4
7が、揺動部材46を下方向に揺動させ、この揺動部材
46に連動して往復動部材42が下側に向かって移動す
る。
【0068】以上の動作がn回繰り返し行われると、制
御部60の電源部が停止状態に保持され、上記の一連の
からくり動作が停止して、揺動部材16及び往復動部材
12は休止状態に復帰する。
【0069】以上のように、本第2の実施形態によれ
ば、上述した第1の実施形態と同様の効果、すなわち従
来のようなDCモータ、減速歯車列等を用いるものに比
べて、装置の簡略化、小型化、軽量化、薄型化等を行な
うことができ、たとえば薄型時計等にこの駆動装置を搭
載することも可能となり、また、周囲温度変化によるワ
イヤ(SMA)48の特性変化に対応でき、精度の高い
制御を行うことができる。また、戻り位置に特別な検出
器を用いることがなく、戻り時間を精度高く設定でき
る。また、動作時以外は不必要な消費電流を抑えること
ができ、たとえば電池駆動の装置の場合、電池寿命を延
ばすことができる利点がある。
【0070】また、輸送時等の非使用時には、操作スイ
ッチ44をオン状態に設定することにより、破断防止レ
バー55により揺動部材46を弾性体としての引っ張り
バネ47の付勢方向と逆方向に押圧して、ワイヤ48を
弛ませるようにしたので、輸送時等に外部から振動や衝
撃を受けても、ワイヤが破断することを防止できる利点
がある。
【0071】第3実施形態 図10ないし図15は、本発明に係るからくり装置の一
実施形態を示すものであり、図10はその正面図、図1
1はその要部の背面図、図12はその平面図(上面
図)、図13はその右側面図、図14は図10に対して
丸太の断面を示すように形成された丸太部材を加えた正
面図、図15は破断防止用操作スイッチを含む背面図で
ある。
【0072】この実施形態に係るからくり装置100
は、基台110に相対向して配置されかつその少なくと
も一部が可動な第1の可動体としての第1人形体120
及び第2の可動体としての第2人形体130と、この第
1人形体120の可動部である第1アーム121と第2
人形体130の可動部である第2アーム131とに連結
(ヒンジ結合)された往復動部材140と、基台110
に一端部151が揺動可能に連結され他端部152が往
復動部材140に連結された揺動部材150とを、その
基本構成として備えている。
【0073】さらにからくり装置100は、揺動部材1
50を一方向(図7中の反時計回り)に揺動させるよう
に付勢する弾性体としての引っ張りばね160と、加熱
変形により引っ張りばね160の付勢力に抗して揺動部
材150を一方向と反対の方向(図7中の時計回り)に
揺動させるように付勢する形状記憶合金からなるワイヤ
170と、このワイヤ170の周囲温度を検出する温度
検出手段としての温度センサ200を有している。
【0074】また、このからくり装置100は、上記構
成に加えて、ワイヤ170の加熱動作を制御する制御手
段としての制御部310を備えている。この制御部31
0は、ワイヤ170に流される電流量を可変的に調整す
る電流量調整部としての機能も備えている。
【0075】ここで、第1人形体120は、図10に示
すように、その輪郭が頭部120aと胴体部120bと
をなすように形成されており、胴体部120bの下端部
が基台110に固定され、胴体部120bの上方領域に
おいて、可動部である第1アーム121がピン122に
より揺動自在に連結されている。また、第2人形体13
0も、同様に図10に示すように、その輪郭が頭部13
0aと胴体部130bとをなすように形成されており、
胴体部130bの下端部が基台110に固定され、胴体
部130bの上方領域において、可動部である第2アー
ム131がピン132により揺動自在に連結されてい
る。
【0076】往復動部材140は、図10および図11
に示すように、下側に鋸の歯143を持つ鋸状に形成さ
れて、第1人形体120と第2人形体130との間にお
いて略水平方向に伸長するように配置されており、その
一端部141が、ピン123を介して第1アーム121
の第1前腕部121aに連結(ヒンジ結合)され、又、
その他端部142が、ピン133を介して第2アーム1
31の第2前腕部131aに連結(ヒンジ結合)されて
いる。
【0077】揺動部材150は、図10ないし図13に
示すように、第1人形体120と第2人形体130との
略中間の領域において略垂直方向に伸長するようにして
往復動部材140の後方に配置されており、その一端部
(下端部)151が支持軸153を介して基台110に
揺動可能に連結され、また、その他端部(上端部)15
2がピン154を介して往復動部材140の略中央部に
連結(ヒンジ結合)されている。
【0078】また、図10ないし図13に示すように、
第1人形体120と第2人形体130との略中間の領域
でかつ揺動部材150の後方において、垂直方向に伸長
するようにしてガイド部材180が配置されている。こ
のガイド部材180は、略T字形状をなすように形成さ
れており、その一端部(下端部)181が基台110に
固定されている。また、その他端部(上端部)182に
は、略水平方向に長尺な案内溝182aが形成されてお
り、この案内溝182aには、往復動部材140の背面
から突出しかつ所定の間隔をおいて水平方向に配列して
設けられた2つの係合ピン144、145が遊嵌されて
いる。
【0079】したがって、図11中において、揺動部材
150が時計回りに揺動して往復動部材140が右側に
向けて移動すると、ピン145が案内溝182aの右側
端に接触(当接)してその移動が規制され、一方、揺動
部材150が反時計回りに揺動して往復動部材140が
左側に向けて移動すると、ピン144が案内溝182a
の左側端に接触(当接)してその移動が規制されるよう
になっている。すなわち、このガイド部材180によ
り、往復動部材140の移動範囲が所定の範囲に規制さ
れ、また、その移動方向が略水平方向となるように案内
される。
【0080】駆動手段の一部を構成する引っ張りばね1
60は、図11に示すように、揺動部材150の中央よ
りも僅かに下方の領域に突設された係止ピン161と基
台110に突設された係止ピン162とに係止されて、
所定の初期張力となるように張設されている。また、駆
動手段の一部を構成する形状記憶合金製のワイヤ170
は、その一端部171が、揺動部材150の中央よりも
僅かに上方の領域に突設された係止ピン173に係止さ
れ、その途中が揺動部材150の揺動支点すなわち支持
軸153に回動自在に設けられたプーリ174及び第2
人形体130の下方領域に突設された支持軸175に回
動自在に設けられたプーリ176に巻回され、その他端
部172が、第2人形体130の略中央の領域に突設さ
れた係止ピン177に係止されて、所定の初期張力とな
るように張設されている。そして、このワイヤ170の
両端部171、172には、電源からの配線(不図示)
がそれぞれ接続されて、このワイヤ170に制御部31
0により所望の電流を流して、ワイヤ170そのものを
変態点温度付近まで通電加熱することができるようにな
っている。
【0081】したがって、休止状態においては、引っ張
りばね160の付勢力とワイヤ170の付勢力とが釣り
合った状態、すなわち、図11において、揺動部材15
0が反時計回りに揺動して往復動部材140は左側に移
動し、その係合ピン144が案内溝182aの左側端に
当接した状態にある。この休止状態からワイヤ170が
変態点温度付近まで加熱されて収縮し始めると、引っ張
りばね160の付勢力に抗して揺動部材150が時計回
りに揺動して往復動部材140は右側に移動し、係合ピ
ン145が案内溝182aの右側端に当接する。その
後、ワイヤ170の加熱が解除されると、ワイヤ170
は再び伸長して、揺動部材150は引っ張りばね160
の付勢力により反時計回りに揺動して往復動部材140
は左側に移動し、再び休止状態に復帰する。
【0082】上記ガイド部材180の上端部182の一
側部には、図11に示すように、検出器190が設けら
れている。この検出器190は、往復動部材140がワ
イヤ170の付勢力により所定位置に達したことを検出
し、その検出信号を制御部310に送出する。この検出
器190としては、光センサ(光透過型センサあるいは
光反射型センサ)、磁気検出センサ、機械的接触型セン
サ等種々のものを適用することができる。
【0083】制御部310は、上述した第1の実施形態
の制御部30と同様の機能を有している。具体的には、
制御部310は、たとえばスタート信号を受けて作動
し、ワイヤ170を加熱変形させるための電流を供給す
る電源部を有し、温度センサ200の検出温度に応じて
ワイヤ170に供給する電流値を調整する。具体的に
は、制御部310は、温度センサ200による検出温度
があらかじめ設定した基準温度Tref (たとえば常温、
20度C)より高い場合には、ワイヤに供給する電流値
を基準温度Tref に対応して設定した基準電流値Iref
より低くなるように調整し、検出温度が基準温度Tref
より低い場合には、供給電流値を基準電流値Ithより高
くなるように調整する。
【0084】また、制御部310は、往復動部材140
がワイヤ170の付勢力により所定位置に達したことを
示す検出器190による検出信号を受けると、ワイヤ1
70への電流の供給を停止する。さらにまた、制御部3
10は、ワイヤ170への電流の供給を停止させた後、
温度センサ200で検出された温度に応じた時間後にワ
イヤ170への電流の供給を再開始する。この検出温度
に応じた時間の設定は、温度が高い度長く、温度が低い
程短く設定される。
【0085】具体的には、検出器190が、ワイヤ17
0の加熱変形により、往復動部材140が図11中の右
側端直前に達したとき、すなわち、係合ピン145が案
内溝182aの右側端に接触(当接)する直前の所定位
置に達したときに、そのことを検出して信号を出力し、
この検出信号に基づいて、制御部310が電源からの電
流の供給を遮断して、ワイヤ170の加熱を停止する。
その後、加熱停止によりワイヤ170が伸長し、引っ張
りばね160の付勢力が作用して、往復動部材140が
図11中の左側端に達した後、すなわち、係合ピン14
4が案内溝182aの左側端に接触(当接)して停止し
た後に、タイマー等の作動により、制御部が自動的に作
動して電源に制御信号を送り、ワイヤ170の加熱を開
始する。制御部310は、このワイヤ170への電流の
供給を停止と再開始を設定回数nだけ繰り返し、その
後、ストップ信号を電流源に入力させて、電流源を停止
状態とする。
【0086】なお、制御部310は、図7と同様に構成
することが可能であり、ここではその詳細な説明は省略
する。
【0087】また、本実施形態に係るからくり装置10
0では、図10に示すように、上述した第1および第2
の実施形態と同様に、背面側ケース体201にワイヤ破
断防止手段としての破断防止レバーの操作スイッチ20
2が設けられている。そして、図12に示すように、揺
動部材150の中央よりも僅かに左側近傍領域には、操
作スイッチ202に連動する破断防止レバー203が設
けられている。通常の使用時には、操作スイッチ202
はオフ状態に設定され、これにより、破断防止レバー2
03は、図11に示すように、揺動部材150と非接触
状態に保持される。これに対して、非使用時、たとえば
たとえば輸送時等に形状記憶合金からなるワイヤ170
に外部からの振動、衝撃が加わり、破断するおそれがあ
る場合等には、操作スイッチ202がオン状態に設定さ
れる。これにより、破断防止レバー203は、図示しな
いが揺動部材150を弾性体としての引っ張りバネ16
0の付勢方向と逆方向に押圧する。これにより、ワイヤ
に弛みが生じ、輸送時等に外部から振動や衝撃を受けて
も、ワイヤが破断することが防止される。
【0088】次に、本実施形態に係るからくり装置の動
作について説明する。まず、操作スイッチ202はオフ
状態に設定される。これにより、破断防止レバー203
が揺動部材150と非接触状態に保持される。そして、
揺動部材150が反時計回りに揺動して往復動部材14
0が左側端すなわち1係合ピン144が案内溝182a
の左側端に当接した状態(休止状態)から、スイッチ
(不図示)等が入れられて(ON)、所定のスタート信
号が制御部310に入力されると、制御部310により
温度センサ200の検出温度に応じた値の電流がワイヤ
170に供給される。そして、ワイヤ170が変態点温
度付近まで加熱されると、ワイヤ170は収縮変形を始
め、引っ張りばね160の付勢力に抗して揺動部材15
0を図12中の時計回りに揺動させ、この揺動部材15
0に連動して往復動部材140が右側に移動する。
【0089】その後、往復動部材140が図11中の右
側端直前(係合ピン145が案内溝182aの右側端に
当接する直前)の所定位置に達したときに、検出器19
0がそのことを検出して信号を出力し、この検出信号に
基づいて、制御部310がワイヤ170への電流の供給
を遮断して、ワイヤ170の通電加熱が停止される。
【0090】この通電加熱の停止により、ワイヤ170
の温度が低下すると、ワイヤ170は元の長さになるよ
う伸長し始める。このワイヤ170の復帰動作に伴っ
て、引っ張りばね160の付勢力が作用し、揺動部材1
50を図11中の反時計回りに揺動させ、この揺動部材
150に連動して往復動部材140が左側に移動する。
【0091】そして、タイマ等で温度センサ200の検
出温度に応じて設定された所定の時間経過後、すなわ
ち、往復動部材140が図11中の左側端(係合ピン1
44が案内溝182aの左側端に当接した状態)の所定
位置に達した後に、再トリガ信号が生成されて、ワイヤ
(SMA)170に対して検出温度に応じた値の電流が
供給される。
【0092】この通電加熱の再開始により、ワイヤ17
0は再び収縮変形して揺動部材150を時計回りに揺動
させ、この揺動部材150に連動して往復動部材140
が右側に向かって移動し、検出器190の作動により通
電加熱が解除されて、再びワイヤ170が伸長し始め、
引っ張りばね160が、揺動部材150を反時計回りに
揺動させ、この揺動部材150に連動して往復動部材1
40が左側に向かって移動する。
【0093】このように、ワイヤ170の通電加熱を間
欠的に行なうことにより、図14に示すように、第1人
形体120と第2人形体130との間に配置された丸太
部材300の上側で、鋸状に形成された往復動部材14
0が往復移動することになり、両人形体120、130
が、あたかも鋸を挽いて丸太を切るようなからくり動作
を行わせることができる。そして、所定の時間にわたっ
て上記のからくり動作が行なわれた後、スイッチが切ら
れると(OFF)、上記の一連のからくり動作が停止し
て、揺動部材150及び往復動部材140は休止状態に
復帰する。
【0094】なお、図16は、上記のからくり装置10
0を薄型時計320に搭載した実施形態を示すものであ
る。この実施形態では、図11に示すように、文字盤3
30の前方にからくり装置100を配置している。すな
わち、前述の基台110及びガイド部材180に相当す
るものを、文字盤330で代用し、この文字盤330に
ガイド部材180の案内溝182a等に相当するものを
形成した構成となっている。この構成によれば、時計3
20そのものの構成部品をからくり装置100の構成部
品として適用(特に文字盤330をガイド部材として適
用)することができ、部品点数の削減により一層の薄型
化を行なうことができる。
【0095】また、図17は、上記の上記のからくり装
置100を薄型時計320に搭載した実施形態における
制御部310の構成例を示すブロック図である。基本的
には、図7の回路と同様の構成を有している。すなわ
ち、この制御部310は、図17に示すように、SMA
電源部311、遅延回路(DLY)312、ANDゲー
ト313,314、ORゲート315、電流供給回路3
16、タイマ317、およびn回路カウンタ318を有
している。
【0096】電源部311は、スタート信号STRを受
けて、イネーブル信号ENBをANDゲート313,3
14、および電流供給回路316に出力する。また、電
源部311は、n回路カウンタ318によるストップ信
号S318を受けると、イネーブル信号ENBの出力を
停止する。
【0097】電流供給回路316は、電源部311によ
るイネーブル信号ENBを受けているときに、ORゲー
ト315の出力をハイレベルで受けると、温度センサ2
00の検出温度に応じた値の電流をワイヤ170に供給
する。そして、検出器190の検出信号DT190を受
けると、ワイヤ170に対する電流の供給を停止する。
【0098】タイマ317は、検出器190の検出信号
DT190を受けると、その入力から温度センサ200
の検出温度に応じて設定される所定時間経過後に、再ト
リガ信号S317を生成してANDゲート313に出力
する。
【0099】n回カウンタ318は、検出器190の検
出信号DT190をカウントし、カウント数がnになる
と、パルス状のストップ信号S318を生成して電源部
311に出力する。
【0100】なお、この場合の制御部310のスタート
信号STRは時計回路部400によって発生される。す
なわち、時計回路部400は、ムーブメントを含む時計
回路401、アラーム設定部402、比較部403、報
知部404、正時信号生成部405、およびORゲート
406を有している。そして、たとえば時計回路401
で1時等の正時になる正時信号生成部405で生成され
た正時信号S405がORゲート406を介してスター
ト信号STRとして制御部310に供給される。また、
時計回路401による計時信号とアラーム設定部402
で設定された時刻とが比較部403で一致したと判別さ
れた場合の比較部403の出力信号S403がORゲー
ト406を介してスタート信号STRとして制御部31
0に供給される。
【0101】以上のように、本第3の実施形態によれ
ば、からくり装置100を、基台110に相対向して配
置されかつその少なくとも一部が可動な第1の可動体と
しての第1人形体120及び第2の可動体としての第2
人形体130と、この第1人形体120の可動部である
第1アーム121と第2人形体130の可動部である第
2アーム131とに連結(ヒンジ結合)された往復動部
材140と、基台110に一端部151が揺動可能に連
結され他端部152が往復動部材140に連結された揺
動部材150とを有する基本構成と、さらに揺動部材1
50を一方向に揺動させるように付勢する弾性体として
の引っ張りばね160と、加熱変形により引っ張りばね
160の付勢力に抗して揺動部材150を一方向と反対
の方向に揺動させるように付勢する形状記憶合金からな
るワイヤ170と、このワイヤ170の周囲温度を検出
する温度センサ200と、温度センサ200の検出温度
に応じてワイヤに供給する電流値を調整する制御部30
とを有することから、従来のようなDCモータ、減速歯
車列等を用いるものに比べて、装置の簡略化、小型化、
軽量化、薄型化等を行なうことができ、たとえば薄型時
計等にこのからくり装置を搭載することも可能となり、
また、周囲温度変化によるワイヤ(SMA)18の特性
変化に対応でき、精度の高い制御を行うことができる。
【0102】また、制御部310は、往復動部材140
がワイヤ170の付勢力により所定位置に達したことを
示す検出器190による検出信号DT190を受ける
と、ワイヤ170への電流の供給を停止し、ワイヤ17
0への電流の供給を停止させた後、温度センサ200で
検出された温度に応じた時間後にワイヤ170への電流
の供給を再開始することから、戻り位置に特別な検出器
を用いることがなく、戻り時間を精度高く設定できる。
また、制御部310は、スタート信号STRでイネーブ
ルとなり、n回繰り返し後にストップ信号S318を生
成して、電源部311自体を非イネーブルにすることか
ら、動作時以外は不必要な消費電流を抑えることがで
き、たとえば電池駆動の装置の場合、電池寿命を延ばす
ことができる利点がある。
【0103】また、本第3の実施形態では、輸送時等の
非使用時には、操作スイッチ202をオン状態に設定す
ることにより、破断防止レバー203により揺動部材1
50を弾性体としての引っ張りバネ160の付勢方向と
逆方向に押圧して、ワイヤ170を弛ませるようにした
ので、輸送時等に外部から振動や衝撃を受けても、ワイ
ヤが破断することを防止できる利点がある。
【0104】また、制御部を介してワイヤの通電加熱を
間欠的に行なわせるだけで、可動体に連結された往復動
部材を往復移動させることができる。
【0105】また、ワイヤ170に供給される電流量を
可変的に調整する電流量調整部を設けることで、ワイヤ
に流される電流の量を適宜調整して、ワイヤの通電加熱
による収縮変形の変形速度及び変形量が適宜調整するこ
とができ、これにより、往復動部材を所望の速度で可変
的に移動させることができ、観察者の注意を喚起させる
ことができる。
【0106】さらに、この実施形態においては、ワイヤ
170の通電加熱を解除するタイミングを、加熱温度が
変態点温度付近、より具体的には変態点温度以下となる
ように設定している。このようなタイミングとすること
により、形状記憶合金製のワイヤ170の耐久性を向上
させることができる。
【0107】以上述べた第3の実施形態においては、形
状記憶合金からなるワイヤ170を加熱する手段とし
て、電源により電流を供給して通電加熱する手法を示し
たが、これに限定されるものではなく、加熱により収縮
変形を生じさせるものであれば、高温液体、レーザ光照
射等その他の加熱源を採用することができる。また、上
記実施形態においては、可動体として、第1アーム12
1を持つ第1人形体120及び第2アーム131を持つ
第2人形体130を採用したが、これに限定されるもの
ではなく、人形以外の動物等の形態を示すものであって
もよい。
【0108】また、上記実施形態においては、往復動部
材140として鋸状に形成されたもの及びこの往復動部
材140により切断される丸太部材300を採用した
が、これに限定されるものではなく、往復動部材を綱引
き用の綱、あるいは、観察者の注意を喚起する装飾体等
その他の形態に形成することができる。
【0109】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、従
来のようなDCモータ、減速歯車列等を用いるものに比
べて、装置の簡略化、小型化、軽量化、薄型化等を行な
うことができ、薄型時計等にこのからくり装置を搭載す
ることも可能となり、また、周囲温度変化によるワイヤ
(SMA)の特性変化に対応でき、精度の高い制御を行
うことができる。
【0110】また、戻り位置に特別な検出器を用いるこ
とがなく、戻り時間を精度高く設定できる。また、動作
時以外は不必要な消費電流を抑えることができ、たとえ
ば電池駆動の装置の場合、電池寿命を延ばすことができ
る利点がある。
【0111】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る駆動装置の第1の実施形態を示す
図である。
【図2】本発明に係る駆動装置の第1の実施形態の要部
を示す図である。
【図3】本発明に係る駆動装置の判断防止機構を説明す
るための図である。
【図4】形状記憶合金からなるワイヤ(SMA)とし
て、外径が75μm程度、長さが100mm程度、変態
点温度(Af点)が65度C、使用歪み量が3%(3m
m)、抵抗値が常温(たとえば20度C)で20Ωのも
のを使用したときの、印加電圧と動作時間との関係を示
す図である。
【図5】DC電圧3Vを印加したときの各温度における
動作時間を示す図である。
【図6】動作角を35度の場合に動作時間を一定(たと
えば0.3秒)にした場合の各温度におけるSMAへの
供給電流値例を示す図である。
【図7】本発明に係る制御部の具体的な構成例を示すブ
ロック図である。
【図8】本発明に係る駆動装置の第2の実施形態を示す
図である。
【図9】本発明に係る駆動装置の第2の実施形態の要部
を示す図である。
【図10】本発明のからくり装置の正面図である。
【図11】本発明に係るからくり装置の駆動系の要部の
背面図である。
【図12】本発明に係るからくり装置の平面図である。
【図13】本発明に係るからくり装置の右側面図であ
る。
【図14】図10に示す装置に丸太部材を取り付けた状
態を示す正面図である。
【図15】本発明に係るからくり装置の背面図である。
【図16】図10に示すからくり装置を薄型時計の文字
盤上に配置した実施形態を示す正面図である。
【図17】本発明に係るからくり装置を薄型時計320
に搭載した実施形態における制御部の構成例を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
10,40…駆動装置 11,41…ケース体 12,42…往復動部材 13,43…案内窓 14,44…操作スイッチ 16,46…揺動部材 47…引っ張りばね 48…ワイヤ 19,49…温度センサ 26,54…検出器 25、55…破断防止レバー 100…からくり装置 110…基台 120…第1人形体(可動体) 121…第1アーム 130…第2人形体(可動体) 131…第2アーム 140…往復動部材 144…係合ピン 145…係合ピン 150…揺動部材 153…支持軸(揺動支点) 160…引っ張りばね(弾性体) 170…ワイヤ 174…プーリ 180…ガイド部材 182a…案内溝 190…検出器 200…温度センサ 201…ケース体 202…操作スイッチ 203…破断防止レバー 300…丸太部材 310…制御部 320…薄型時計 330…文字盤

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 往復動部材を往復動させる駆動装置であ
    って、 揺動可能に設けられ、所定部位に上記往復動部材が取り
    付けられる揺動部材と、 上記揺動部材を一方向に揺動させるように付勢する弾性
    体と、 供給される電流値に応じた加熱変形により上記弾性体の
    付勢力に抗して上記揺動部材を上記一方向と反対の方向
    に揺動させるように付勢する形状記憶合金からなるワイ
    ヤと、 上記ワイヤの周囲温度を検出する温度検出手段と、 上記温度検出手段の検出温度に応じて上記ワイヤの加熱
    量を調整する制御手段とを有する駆動装置。
  2. 【請求項2】 上記制御手段は、上記ワイヤに電流を供
    給する電源部を有し、温度検出手段による検出温度があ
    らかじめ設定した基準温度より高い場合には、上記ワイ
    ヤに供給する電流値を当該基準温度に対応して設定した
    基準電流値より低くなるように調整し、検出温度が上記
    基準温度より低い場合には、供給電流値を上記基準電流
    値より高くなるように調整する請求項1記載の駆動装
    置。
  3. 【請求項3】 上記往復動部材が上記ワイヤの付勢力に
    より所定位置に達したことを検出する位置検出手段を有
    し、 上記制御手段は、上記位置検出手段の検出を受けて上記
    ワイヤへの電流の供給を停止する請求項1または2記載
    の駆動装置。
  4. 【請求項4】 上記制御手段は、上記ワイヤへの電流の
    供給を停止させた後、上記温度検出手段で検出された温
    度に応じた時間後にワイヤへの電流の供給を再開始する
    請求項3記載の駆動装置。
  5. 【請求項5】 上記制御手段は、上記ワイヤへの電流の
    供給を停止と再開始を設定回数だけ繰り返す請求項4記
    載の駆動装置。
  6. 【請求項6】 往復動部材を往復動させるからくり装置
    であって、 基台と、 基台に配置されかつその少なくとも一部が可動な可動体
    と、 上記可動体に対してヒンジ結合されて往復動させられる
    往復動部材と、 上記基台に一端部が揺動可能に連結され他端部が上記往
    復動部材に連結された揺動部材と、 上記揺動部材を一方向に揺動させるように付勢する弾性
    体と、 供給される電流値に応じた加熱変形により上記弾性体の
    付勢力に抗して上記揺動部材を上記一方向と反対の方向
    に揺動させるように付勢する形状記憶合金からなるワイ
    ヤと、 上記ワイヤの周囲温度を検出する温度検出手段と、 上記温度検出手段の検出温度に応じて上記ワイヤの加熱
    量を調整する制御手段とを有するからくり装置。
  7. 【請求項7】 上記制御手段は、上記ワイヤに電流を供
    給する電源部を有し、温度検出手段による検出温度があ
    らかじめ設定した基準温度より高い場合には、上記ワイ
    ヤに供給する電流値を当該基準温度に対応して設定した
    基準電流値より低くなるように調整し、検出温度が上記
    基準温度より低い場合には、供給電流値を上記基準電流
    値より高くなるように調整する請求項6記載の駆動装
    置。
  8. 【請求項8】 上記往復動部材が上記ワイヤの付勢力に
    より所定位置に達したことを検出する位置検出手段を有
    し、 上記制御手段は、上記位置検出手段の検出を受けて上記
    ワイヤへの電流の供給を停止する請求項6または7記載
    の駆動装置。
  9. 【請求項9】 上記制御手段は、上記ワイヤへの電流の
    供給を停止させた後、上記温度検出手段で検出された温
    度に応じた時間後にワイヤへの電流の供給を再開始する
    請求項8記載の駆動装置。
  10. 【請求項10】 上記制御手段は、上記ワイヤへの電流
    の供給を停止と再開始を設定回数だけ繰り返す請求項9
    記載の駆動装置。
JP30501499A 1999-10-27 1999-10-27 駆動装置およびからくり装置 Pending JP2001123938A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30501499A JP2001123938A (ja) 1999-10-27 1999-10-27 駆動装置およびからくり装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30501499A JP2001123938A (ja) 1999-10-27 1999-10-27 駆動装置およびからくり装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001123938A true JP2001123938A (ja) 2001-05-08

Family

ID=17940061

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30501499A Pending JP2001123938A (ja) 1999-10-27 1999-10-27 駆動装置およびからくり装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001123938A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011502742A (ja) * 2007-10-18 2011-01-27 ツォベーレ ホールディング ソシエタ ペル アチオニ 形状記憶合金利用アクチュエータを備えるスプレー用ポンプ装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011502742A (ja) * 2007-10-18 2011-01-27 ツォベーレ ホールディング ソシエタ ペル アチオニ 形状記憶合金利用アクチュエータを備えるスプレー用ポンプ装置
US8931716B2 (en) 2007-10-18 2015-01-13 Zobele Holding Spa Spray pump device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6333828B2 (ja) 双安定駆動部材を有する形状記憶アクチュエータ
JP2001227454A (ja) 駆動装置およびからくり装置
EP3156855A1 (fr) Montre-bracelet mecanique a laquelle est associee une fonction electronique
JP2013123606A (ja) ミシンの上糸張力調整装置
JP2001123938A (ja) 駆動装置およびからくり装置
JP2009248650A (ja) ワイパ制御装置
JP2001099050A (ja) 駆動装置およびからくり装置
JP4912639B2 (ja) 乳幼児用椅子の揺れ制御装置
JP2000274348A (ja) からくり装置
JP5137505B2 (ja) 人検知装置、方法及びプログラム
JP2003125590A (ja) 形状記憶合金を用いた駆動装置及び駆動制御方法
JP5777899B2 (ja) アクチュエータの駆動制御装置
JP4327447B2 (ja) 超音波モータ装置及び電子機器
JP2631103B2 (ja) 電磁駆動シヤツタ
JP3300961B2 (ja) カメラ
JPH07248465A (ja) レーザポインタ
JP2006008401A (ja) 部品供給装置
US657694A (en) Electric clock.
JPS5812335A (ja) 微,粗動テ−ブル
US256386A (en) Lius roosevelt
US772002A (en) Electric clock.
JPH08211492A (ja) カメラのミラー駆動装置
US465655A (en) Independent electric clock
US673020A (en) Electric pendulum clock.
JP2005189706A (ja) 振子式腕振り機構