JP2003125590A - 形状記憶合金を用いた駆動装置及び駆動制御方法 - Google Patents

形状記憶合金を用いた駆動装置及び駆動制御方法

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JP2003125590A
JP2003125590A JP2001313091A JP2001313091A JP2003125590A JP 2003125590 A JP2003125590 A JP 2003125590A JP 2001313091 A JP2001313091 A JP 2001313091A JP 2001313091 A JP2001313091 A JP 2001313091A JP 2003125590 A JP2003125590 A JP 2003125590A
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state
memory alloy
actuator
deforming
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Yoshihiro Hara
吉宏 原
Junichi Tanii
純一 谷井
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Minolta Co Ltd
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速応答性に優れた駆動装置と駆動制御方法
を提供する。 【解決手段】 第1状態に形状記憶された形状記憶合金
(d7,d17)と、形状記憶合金を第1状態から第2状態へと
変形させるバイアスバネ(d8S,d18S)と、をそれぞれ可動
部(d5,d15等)に接続してアクチュエータを構成する。第
2状態にある形状記憶合金(d7,d17)に対して電圧又は電
流を印加することにより加熱を行い、加熱により第1状
態へと変形した形状記憶合金(d7,d17)の発生力でバイア
スバネ(d8S,d18S)を変形させるとともに可動部(d5,d15
等)を動作させる制御を連続的に行う。形状記憶合金(d
7,d17)の素材特性とバイアスバネ(d8S,d18S)の力量との
バランスで、アクチュエータの温度ヒステリシスを小さ
くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は形状記憶合金を用い
た駆動装置及び駆動制御方法に関するものであり、例え
ば、形状記憶合金の発生力を利用してカメラの手振れ補
正を行う駆動装置とその駆動制御方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】形状記憶合金は、マルテンサイト変態終
了温度以下の温度で力を受けて塑性変形しても、逆変態
終了温度以上の温度に加熱されると形状回復する。この
形状記憶効果を利用すれば、形状記憶合金でアクチュエ
ータを構成することが可能であり、従来より様々な検討
が行われている。例えば「システムと制御,第29巻,
第5号,1985年,栗林氏」では、形状記憶合金を用
いた制御要素の数学モデルと位置,力制御についての検
討結果が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】形状記憶合金の動作
は、形状記憶合金に電流を流すことにより発生するジュ
ール熱で行われるのが一般的である。その動作により変
化する位置の制御に関し、上記文献では形状記憶合金の
PID(比例+積分+微分)制御が開示されている。しか
し、使用されている形状記憶合金がTiNi合金線であ
るため、アクチュエータの高速応答を実現することは不
可能である。つまり、TiNiから成る形状記憶合金で
アクチュエータを構成すると、相手側(例えばバイアス
バネ)の力量を最適化してもヒステリシスを20℃以下
にすることは不可能である。したがって、上記文献で開
示されているようなシステムには対応することができて
も、手振れ補正システムのように高速応答性が求められ
る場合には対応することができない。
【0004】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
ものであって、高速応答性に優れた駆動装置と、その駆
動制御方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明の駆動装置は、第1状態に形状記憶され
た形状記憶合金と、その形状記憶合金を第1状態から第
2状態へと変形させる変形手段と、をそれぞれ可動部に
接続した状態で有するアクチュエータと、第2状態にあ
る前記形状記憶合金に対して電圧又は電流を印加するこ
とにより加熱を行い、その加熱により第1状態へと変形
した形状記憶合金の発生力で前記変形手段を変形させる
とともに前記可動部を動作させる制御を連続的に行う駆
動制御部と、を備えた駆動装置において、前記形状記憶
合金の素材特性と前記変形手段の力量とのバランスで、
前記アクチュエータの温度ヒステリシスを小さくしたこ
とを特徴とする。
【0006】第2の発明の駆動装置は、第1状態に形状
記憶された形状記憶合金と、その形状記憶合金を第1状
態から第2状態へと変形させる変形手段と、をそれぞれ
可動部に接続した状態で有するアクチュエータと、第2
状態にある前記形状記憶合金に対して電圧又は電流を印
加することにより加熱を行い、その加熱により第1状態
へと変形した形状記憶合金の発生力で前記変形手段を変
形させるとともに前記可動部を動作させる制御を連続的
に行う駆動制御部と、を備えた駆動装置において、前記
アクチュエータの温度ヒステリシスが15℃以下である
ことを特徴とする。
【0007】第3の発明の駆動装置は、第1状態に形状
記憶された形状記憶合金と、その形状記憶合金を第1状
態から第2状態へと変形させる変形手段と、をそれぞれ
可動部に接続した状態で有するアクチュエータと、第2
状態にある前記形状記憶合金に対して電圧又は電流を印
加することにより加熱を行い、その加熱により第1状態
へと変形した形状記憶合金の発生力で前記変形手段を変
形させるとともに前記可動部を動作させる制御を連続的
に行う駆動制御部と、を備えた駆動装置において、前記
形状記憶合金の素材特性と前記変形手段の力量とのバラ
ンスで、前記アクチュエータの印加電流ヒステリシスを
小さくしたことを特徴とする。
【0008】第4の発明の駆動装置は、第1状態に形状
記憶された形状記憶合金と、その形状記憶合金を第1状
態から第2状態へと変形させる変形手段と、をそれぞれ
可動部に接続した状態で有するアクチュエータと、第2
状態にある前記形状記憶合金に対して電圧又は電流を印
加することにより加熱を行い、その加熱により第1状態
へと変形した形状記憶合金の発生力で前記変形手段を変
形させるとともに前記可動部を動作させる制御を連続的
に行う駆動制御部と、を備えた駆動装置において、前記
駆動制御部がサーボ制御を行い、前記アクチュエータが
前記駆動制御部のサーボ制御で共振が起こらない温度ヒ
ステリシスを有することを特徴とする。
【0009】第5の発明の駆動装置は、上記第1〜第4
のいずれか1つの発明の構成において、前記形状記憶合
金が素材に銅を含有することを特徴とする。
【0010】第6の発明の駆動装置は、上記第1〜第4
のいずれか1つの発明の構成において、前記変形手段が
バネであることを特徴とする。
【0011】第7の発明の駆動装置は、上記第1〜第4
のいずれか1つの発明の構成において、前記変形手段が
形状記憶合金であることを特徴とする。
【0012】第8の発明の駆動制御方法は、第1状態に
形状記憶された形状記憶合金と、その形状記憶合金を第
1状態から第2状態へと変形させる変形手段と、をそれ
ぞれ可動部に接続し、第2状態にある前記形状記憶合金
に対して電圧又は電流を印加することにより加熱を行
い、その加熱により第1状態へと変形した形状記憶合金
の発生力で前記変形手段を変形させるとともに前記可動
部を動作させる制御を連続的に行う駆動制御方法におい
て、前記形状記憶合金の素材特性と前記変形手段の力量
とのバランスで、駆動時の温度ヒステリシスを小さくす
ることを特徴とする。
【0013】第9の発明の駆動制御方法は、第1状態に
形状記憶された形状記憶合金と、その形状記憶合金を第
1状態から第2状態へと変形させる変形手段と、をそれ
ぞれ可動部に接続し、第2状態にある前記形状記憶合金
に対して電圧又は電流を印加することにより加熱を行
い、その加熱により第1状態へと変形した形状記憶合金
の発生力で前記変形手段を変形させるとともに前記可動
部を動作させる制御を連続的に行う駆動制御方法におい
て、前記形状記憶合金の素材特性と前記変形手段の力量
とのバランスで、駆動時の印加電流ヒステリシスを小さ
くすることを特徴とする。
【0014】第10の発明の駆動制御方法は、第1状態
に形状記憶された形状記憶合金と、その形状記憶合金を
第1状態から第2状態へと変形させる変形手段と、をそ
れぞれ可動部に接続し、第2状態にある前記形状記憶合
金に対して電圧又は電流を印加することにより加熱を行
い、その加熱により第1状態へと変形した形状記憶合金
の発生力で前記変形手段を変形させるとともに前記可動
部を動作させる制御を連続的に行う駆動制御方法におい
て、駆動制御をPDD制御で行うとともに、そのPDD
制御で共振が起こらない温度ヒステリシスの駆動を行う
ことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施した駆動装置
及び駆動制御方法を、図面を参照しつつ説明する。ここ
で挙げる駆動装置とその駆動制御方法は、形状記憶合金
を使用し、その発生力を利用してカメラの手振れ補正を
連続的な制御により高速で行うものである。ただし、そ
の機能をカメラの手振れ補正以外に応用することも勿論
可能である。
【0016】《手振れ補正システム》図1に手振れ補正
システムの構成例を示し、それに基づいて手振れ補正シ
ステムの原理を説明する。この手振れ補正システムは、
振れの検出系にジャイロ(角速度センサー)検出方式、振
れの補正光学系にレンズシフト方式を採用している。ま
た可動部に対する駆動制御系には、形状記憶合金(SM
A:Shape Memory Alloy)とバイアスバネを使用したバ
イアスバネ・SMAアクチュエータと、PSD(Positio
n Sensitive Device)を使用した位置検出センサーと、
を備えたアナログサーボ制御方式を採用している。カメ
ラに振れが発生するとフィルム面上で振れが発生し、結
果として振れた写真となるが、検出系で振れ量を検出
し、補正光学系で振れを防ぐ方向に被写体からの光を屈
折させることで、振れを防止することが可能となる。手
振れでは、最高約10Hz程度の正弦波の揺れがカメラ
に発生する。振れを補正するためには、この揺れによる
振れを防ぐように補正光学系を駆動する。
【0017】図1中の各部構成要素を説明する。図1に
おいて、a1はカメラ本体、a2,a3はジャイロセンサー、
a4は振れ検出回路、a5は振れ量検出部、a6はレリーズ
釦、a7はシーケンスコントロール部、a8は係数変換部、
a9は目標位置算出部、a10は目標位置補正部、a11は駆動
制御補正部、a12は温度センサー、a13はマイコン(μCO
M:microcomputer)、a21は撮影光学系、a22は補正光学
系、a23は駆動制御部、a24はX駆動アクチュエータ、a2
5はX方向位置センサー、a26はY駆動アクチュエータ、
a27はY方向位置センサーである。
【0018】カメラの振れは、2つのジャイロセンサー
(a2,a3)により検出される。各ジャイロセンサー(a2,a3)
は、カメラが振れによって回転したときの振れの角速度
信号を出力する。ジャイロセンサー(a2,a3)はそれぞれ
一方向の回転角速度を検出するので、一方のジャイロセ
ンサー(a2)でX方向(水平方向)の回転振れが検出され、
他方のジャイロセンサー(a3)でY方向(垂直方向)の回転
振れが検出される。振れ検出回路(a4)は、ジャイロセン
サー(a2,a3)の信号ノイズをカットするためのフィルタ
ー回路、角速度信号を角度信号に変換するための積分回
路等から構成されている。振れ量検出部(a5)は、振れ検
出回路(a4)から出力されたX方向及びY方向の回転振れ
を所定時間間隔で取り込み、カメラの振れ量を出力す
る。X方向の振れ量はdetxとして出力され、Y方向の振
れ量はdetyとして出力される。
【0019】撮影のためにカメラの使用者がレリーズ釦
(a6)を操作すると、それをシーケンスコントロール部(a
7)が検知する。シーケンスコントロール部(a7)は、カメ
ラの撮影や手振れ補正等に関するシーケンスをコントロ
ールする。レリーズ釦(a6)が半押しされると、撮影準備
開始スイッチがON状態(S1ON)となり、シーケンス
コントロール部(a7)は撮影の準備をスタートする。撮影
の準備では、測光や被写体距離検出等が行われる。レリ
ーズ釦(a6)が全押しされると、撮影状態に移行する。そ
して、ピント調節用のレンズを駆動して、手振れ補正駆
動を開始する。
【0020】シーケンスコントロール部(a7)は、手振れ
補正を以下のシーケンス(#1)〜(#3)でコントロールす
る。 (#1):振れ検出回路(a4)からの角度信号を振れ量検出部
(a5)に取り込んで、振れ量(detx,dety)を検出する。 (#2):振れ量検出部(a5)で得られた振れ量(detx,dety)
を係数変換部(a8)で移動量(px,py)に変換する。このと
き係数変換部(a8)は、補正光学系(a22)の個体バラツキ
や温度によって変化する光学性能を考慮して、撮影準備
状態に移行した際に最適な係数を算出する。 (#3):係数変換部(a8)からの移動量(px,py)を目標位置
算出部(a9)で実際の駆動信号量(drvx,drvy)に変換す
る。このとき目標位置算出部(a9)は、駆動制御部(a23)
及びX,Y駆動アクチュエータ(a24,a26;特に内蔵され
ているSMA)の温度による環境変化や経時変化による
駆動部の性能変化を考慮して、移動量(px,py)を実際の
駆動信号(drvx,drvy)に変換する。
【0021】温度センサー(a12)は、温度による性能変
化を補正するために使用される。目標位置補正部(a10)
は、温度センサー(a12)からの信号を入力することで、
目標位置を補正するための補正信号を出力する。主に
は、温度が高くなることによって性能が変化するSMA
アクチュエータで構成された、X,Y駆動アクチュエー
タ(a24,a26)のオフセット量を補正する。駆動制御補正
部(a11)は、駆動の制御状態を最適化する。つまり、S
MAアクチュエータ(a24,a26)及び駆動メカニズムの個
体バラツキや温度による駆動性能の変化があっても、各
個体・各温度で最適な駆動制御が発揮できるように最適
ゲインを設定する。なお、マイコン(a13)の枠内のブロ
ックでは、マイコン(a13)によるデジタル処理が行われ
る。
【0022】撮影光学系(a21)は、補正光学系(a22)とセ
ットで、被写体からの光をカメラのフィルム面に結像さ
せる。補正光学系(a22)は、X,Y駆動アクチュエータ
(a24,a26)によって駆動されると、被写体からの光をそ
れぞれの方向に屈折する。その結果、振れを補正するこ
とができる。駆動制御部(a23)は、目標位置算出部(a9)
から出力されるX,Y方向のそれぞれの目標位置に、補
正光学系(a22)を駆動させるための制御を連続的に行う
アナログサーボ回路である(詳細は図4,図5に示
す。)。
【0023】X駆動アクチュエータ(a24)は、補正光学
系(a22)をX方向に駆動するためのアクチュエータであ
り、この装置では後述するバイアスバネ・SMAアクチ
ュエータを採用している。X方向位置センサー(a25)
は、可動部である補正光学系(a22)のX方向の動き・位
置を検出するための位置検出センサーであり、この装置
では後述するLED(Light Emitting Diode)及びスリッ
トを可動側に搭載し(図6)、固定側にはPSDを用いた
回路を採用している。Y駆動アクチュエータ(a26)は、
補正光学系(a22)をY方向に駆動するためのアクチュエ
ータであり、X駆動アクチュエータ(a24)と同様にバイ
アスバネ・SMAアクチュエータを採用している。Y方
向位置センサー(a27)は、可動部である補正光学系(a22)
のY方向の動き・位置を検出するための位置検出センサ
ーであり、X方向位置センサー(a25)と同様にLED及
びスリットを可動側に搭載し、固定側にはPSDを用い
た回路を採用している。
【0024】《駆動メカニズム及びアクチュエータの構
成》図2に、バイアスバネとSMAとの組み合わせから
成るバイアスバネ・SMAアクチュエータの駆動メカニ
ズムの構成を示す。図2において、d1は補正光学系(図
1中のa22に相当する。)、d2は補正光学系枠、d3はY方
向用のスライド軸、d4はY方向用のスライドガイド、d5
はY方向用のアクチュエータピン、d6はY方向用のサブ
ガイド、d6AはY方向用のスライド軸、d7はY方向(図2
の上下方向)駆動用のSMA、d8SはY方向用のバイアス
バネ、d9は台板、d13はX方向用のスライド軸、d14はX
方向用のスライドガイド、d15はX方向用のアクチュエ
ータピン、d16はX方向用のサブガイド、d16AはX方向
用のスライド軸、d17はX方向(図2の左右方向)駆動用
のSMA、d18SはX方向用のバイアスバネである。基本
構成的には親ガメ子ガメの構成をとっており、土台(d1
9)上で親ガメに相当する台板(d9)がX方向に駆動され、
子ガメに相当する補正光学系(d1)が台板(d9)に対してY
方向に駆動される。
【0025】補正光学系(d1)は、補正光学系枠(d2)に保
持されている。補正光学系枠(d2)にはスライドガイド(d
4)が固定されており、スライドガイド(d4)にはアクチュ
エータピン(d5)が固定されている。アクチュエータピン
(d5)は、SMA(d7)及びバイアスバネ(d8S)を可動部に
接続して止めるための端子(駆動点)である。したがっ
て、SMA(d7)又はバイアスバネ(d8S)により、補正光
学系(d1),補正光学系枠(d2),スライドガイド(d4),ア
クチュエータピン(d5)等から成る可動部を一体的に移動
させることができる。その際の移動は、スライドガイド
(d4)がスライド軸(d3)に沿ってY方向にガイドする。ま
た、補正光学系枠(d2)にはサブガイド(d6)が接続されて
いる。サブガイド(d6)は、スライド軸(d6A)に沿って補
正光学系(d1)等の移動をY方向にガイドするとともに、
補正光学系(d1)等がY方向に移動するときに紙面垂直方
向に傾くのを防止する。
【0026】SMA(d7)に通電が行われていない状態で
は、バイアスバネ(d8S)の引っ張り力の方がSMA(d7)
の引っ張り力よりも大きいため、バイアスバネ(d8S)は
Y方向の−側(Y−方向)に縮んだ状態にあり、SMA(d
7)はバイアスバネ(d8S)によってY−方向に伸ばされた
状態にある。SMA(d7)に対して電圧(又は電流)を印加
することにより加熱を行うと、SMA(d7)への通電電流
の増大に伴って、SMA(d7)は徐々に記憶長さに戻るこ
とにより変形し、結果としてY方向の+側(Y+方向)に
縮むことになる。したがって、SMA(d7)への通電電流
量をコントロールすることにより、アクチュエータピン
(d5)の位置{つまり補正光学系(d1)のY方向位置}を制御
することができる。
【0027】前述したように、台板(d9)はY方向駆動用
の各構成要素(d1…)を保持しておくための親ガメに相当
し、この親ガメに対して補正光学系(d1)が子ガメとして
Y方向に駆動される。台板(d9)にはスライドガイド(d1
4)が固定されており、スライドガイド(d14)にはアクチ
ュエータピン(d15)が固定されている。アクチュエータ
ピン(d15)は、SMA(d17)及びバイアスバネ(d18S)を可
動部に接続して止めるための端子(駆動点)である。した
がって、SMA(d17)又はバイアスバネ(d18S)により、
補正光学系(d1)等を載せた台板(d9),スライドガイド(d
14),アクチュエータピン(d15)等から成る可動部を一体
的に移動させることができる。その際の移動は、スライ
ドガイド(d14)がスライド軸(d13)に沿ってX方向にガイ
ドする。また、台板(d9)にはサブガイド(d16)が接続さ
れている。サブガイド(d16)は、スライド軸(d16A)に沿
って台板(d9)等の移動をX方向にガイドするとともに、
台板(d9)等がX方向に移動するときに紙面垂直方向に傾
くのを防止する。
【0028】SMA(d17)に通電が行われていない状態
では、バイアスバネ(d18S)の引っ張り力の方がSMA(d
17)の引っ張り力よりも大きいため、バイアスバネ(d18
S)はX方向の−側(X−方向)に縮んだ状態にあり、SM
A(d17)はバイアスバネ(d18S)によってX−方向に伸ば
された状態にある。SMA(d17)に対して電圧(又は電
流)を印加することにより加熱を行うと、SMA(d17)へ
の通電電流の増大に伴って、SMA(d17)は徐々に記憶
長さに戻ることにより変形し、結果としてX方向の+側
(X+方向)に縮むことになる。したがって、SMA(d1
7)への通電電流量をコントロールすることにより、アク
チュエータピン(d15)の位置{つまり補正光学系(d1)のX
方向位置}を制御することができる。
【0029】図3に、標準的なバイアスバネ・SMAア
クチュエータの駆動特性を示す。図3のグラフにおい
て、横軸はSMAへの印加電流、縦軸はSMAアクチュ
エータの動き(SMAの伸び・縮み方向で変位を示す。)
であり、P1は形状記憶された第1状態、P2はバイアスバ
ネにより変形した第2状態である。SMAは記憶温度よ
り低い温度状態では変形しやすい(つまり柔らかい)た
め、通電前はバイアスバネに引っ張られて伸びた状態(P
2)になっている。電流が印加されて記憶温度以上に加熱
されると、バイアスバネの引っ張り力に抗して記憶長さ
(P1)にまで縮む。このとき、加熱により変形して縮んだ
SMAの発生力でバイアスバネが変形して伸びるととも
に、SMAの収縮方向に可動部が動作することになる。
SMAへの通電をOFFすると、SMAは温度低下によ
り再び変形しやすくなる。その結果、バイアスバネの引
っ張り力によりSMAは元の長さ(P2)まで伸ばされると
ともに、可動部がバイアスバネの収縮方向に動作するこ
とになる。このように電流のON/OFFに対応したS
MAの伸び/縮みにより、SMAアクチュエータを駆動
させることができるが、電流を基準としたアクチュエー
タ位置の関係によれば、図3に示すようなヒステリシス
(温度ヒステリシス,印加電流ヒステリシス)が発生する
ことになる。
【0030】上述したアクチュエータ構成では、記憶長
さ状態(P1)にあるSMAを変形させる変形手段としてバ
イアスバネを用いているが、これの代わりに第2のSM
Aを変形手段として用いてもよい。つまり、2つのSM
Aを両引っ張り方式で使用する、いわゆるツインSMA
アクチュエータ方式の駆動メカニズムをX,Y駆動アク
チュエータ(a24,a26)に採用してもよい。その具体的な
構成を図15に示す。
【0031】図15において、d1は補正光学系(図1中
のa22に相当する。)、d2は補正光学系枠、d3はY方向用
のスライド軸、d4はY方向用のスライドガイド、d5はY
方向用のアクチュエータピン、d6はY方向用のサブガイ
ド、d6AはY方向用のスライド軸、d7はY+方向(図15
の上方向)駆動用のSMA(駆動方向を分かり易くするた
め「pSMA」と表記する。)、d8はY−方向(図15の
下方向)駆動用のSMA(駆動方向を分かり易くするため
「mSMA」と表記する。)、d9は台板、d13はX方向用
のスライド軸、d14はX方向用のスライドガイド、d15は
X方向用のアクチュエータピン、d16はX方向用のサブ
ガイド、d16AはX方向用のスライド軸、d17はX+方向
(図15の右方向)駆動用のSMA(駆動方向を分かり易
くするため「pSMA」と表記する。)、d18はX−方向
(図15の左方向)駆動用のSMA(駆動方向を分かり易
くするため「mSMA」と表記する。)である。基本構
成的には親ガメ子ガメの構成をとっており、土台(d19)
上で親ガメに相当する台板(d9)がX方向に駆動され、子
ガメに相当する補正光学系(d1)が台板(d9)に対してY方
向に駆動される。
【0032】補正光学系(d1)は、補正光学系枠(d2)に保
持されている。補正光学系枠(d2)にはスライドガイド(d
4)が固定されており、スライドガイド(d4)にはアクチュ
エータピン(d5)が固定されている。アクチュエータピン
(d5)は、pSMA(d7)及びmSMA(d8)を可動部に接続
して止めるための端子(駆動点)である。したがって、p
SMA(d7)又はmSMA(d8)の駆動力により、補正光学
系(d1),補正光学系枠(d2),スライドガイド(d4),アク
チュエータピン(d5)等から成る可動部を一体的に移動さ
せることができる。その際の移動は、スライドガイド(d
4)がスライド軸(d3)に沿ってY方向にガイドする。ま
た、補正光学系枠(d2)にはサブガイド(d6)が接続されて
いる。サブガイド(d6)は、スライド軸(d6A)に沿って補
正光学系(d1)等の移動をY方向にガイドするとともに、
補正光学系(d1)等がY方向に移動するときに紙面垂直方
向に傾くのを防止する。
【0033】Y方向駆動用のpSMA(d7)に対して電圧
(又は電流)を印加することにより加熱を行うと、pSM
A(d7)は記憶長さに戻ることにより変形し、結果として
Y+方向に縮むことになる。Y方向駆動用のmSMA(d
8)も、pSMA(d7)と同様に電圧(又は電流)が印加され
ることでY−方向に縮む。補正光学系(d1)をY方向の+
側(Y+方向)に駆動したい場合には、pSMA(d7)に電
圧(又は電流)を印加する。このとき、反対側のmSMA
(d8)は発生力が弱くなければならないので、mSMA(d
8)に対する通電は行わない。逆に、補正光学系(d1)をY
方向の−側(Y−方向)に駆動したい場合には、mSMA
(d8)に電圧(又は電流)を印加し、反対側のpSMA(d7)
には電圧(又は電流)を印加しない。
【0034】pSMA(d7)にのみ通電すればpSMA(d
7)の発生力がmSMA(d8)の発生力に勝って+方向の駆
動が行われ、mSMA(d8)にのみ通電すればmSMA(d
8)の発生力がpSMA(d7)の発生力に勝って−方向の駆
動が行われる。このように2つのSMA(d7,d8)を両引
っ張り方式で使用する、いわゆるツインSMAアクチュ
エータ方式では、2つのSMA(d7,d8)の発生力のバラ
ンスを変化させることがその駆動原理となる。そのため
に、力を発生させたい方のSMAへの通電を行い、反対
側のSMAへの通電は行わない。
【0035】前述したように、台板(d9)はY方向駆動用
の各構成要素(d1…)を保持しておくための親ガメに相当
し、この親ガメに対して補正光学系(d1)が子ガメとして
Y方向に駆動される。台板(d9)にはスライドガイド(d1
4)が固定されており、スライドガイド(d14)にはアクチ
ュエータピン(d15)が固定されている。アクチュエータ
ピン(d15)は、pSMA(d17)及びmSMA(d18)を可動
部に接続して止めるための端子(駆動点)である。したが
って、pSMA(d17)又はmSMA(d18)の駆動力によ
り、補正光学系(d1)等を載せた台板(d9),スライドガイ
ド(d14),アクチュエータピン(d15)等から成る可動部を
一体的に移動させることができる。その際の移動は、ス
ライドガイド(d14)がスライド軸(d13)に沿ってX方向に
ガイドする。また、台板(d9)にはサブガイド(d16)が接
続されている。サブガイド(d16)は、スライド軸(d16A)
に沿って台板(d9)等の移動をX方向にガイドするととも
に、台板(d9)等がX方向に移動するときに紙面垂直方向
に傾くのを防止する。
【0036】X方向駆動用のpSMA(d17)に対して電
圧(又は電流)を印加することにより加熱を行うと、pS
MA(d17)は記憶長さに戻ることにより変形し、結果と
してX+方向に縮むことになる。X方向駆動用のmSM
A(d18)も、pSMA(d17)と同様に電圧(又は電流)が印
加されることでX−方向に縮む。台板(d9)をX方向の+
側(X+方向)に駆動したい場合には、pSMA(d17)に
電圧(又は電流)を印加する。このとき、反対側のmSM
A(d18)は発生力が弱くなければならないので、mSM
A(d18)に対する通電は行わない。逆に、台板(d9)をX
方向の−側(X−方向)に駆動したい場合には、mSMA
(d18)に電圧(又は電流)を印加し、反対側のpSMA(d1
7)には電圧(又は電流)を印加しない。
【0037】pSMA(d17)にのみ通電すればpSMA
(d17)の発生力がmSMA(d18)の発生力に勝って+方向
の駆動が行われ、mSMA(d18)にのみ通電すればmS
MA(d18)の発生力がpSMA(d17)の発生力に勝って−
方向の駆動が行われる。このようにツインSMAアクチ
ュエータ方式では、各SMA(d17,d18)に印加する電流
をコントロールすることにより、pSMA(d17),mS
MA(d18)の発生力量のバランスをコントロールするこ
とができるので、X方向の駆動コントロールが可能とな
る。
【0038】《駆動制御部の構成》図4に、前述した駆
動制御部(a23,図1)の構成概要を示す。図4におい
て、b1はX方向の目標位置データ受信部、b2はY方向の
目標位置データ受信部、b3はX回路調整用のゲインデー
タ受信部、b4はY回路調整用のゲインデータ受信部、b5
はDAコンバータ部(DAC)、b6,b7はサンプルホール
ド(S/H)回路、b8はX方向用のサーボ制御回路、b9は
Y方向用のサーボ制御回路、b10はアクチュエータドラ
イバ部である。この駆動制御部の回路構成は、データ受
信部(b1〜b4)と、DAコンバータ部(b5)と、サーボ制御
回路部(b6〜b9)と、アクチュエータドライバ部(b10)
と、に大きく分けられる。X,Y方向の目標位置データ
受信部(b1,b2)は、目標位置算出部(a9,図1)から出力
されたX,Y方向の駆動信号データ(drvx,drvy)を保存
する。X,Y回路のゲインデータ受信部(b3,b4;X,Y
回路調整部)は、サーボ制御回路(b8,b9)のゲイン設定の
ため、駆動制御補正部(a11,図1)から出力されたX,
Y方向のゲイン設定データを保存する。
【0039】次に、目標位置の設定方法を図4に基づい
て説明する。X/Y方向選択回路(不図示)によりX方向
を選択し、X方向の目標位置データ(drvx)をX方向用の
目標位置データ受信部(b1)に転送して保存する。保存が
完了すると、DAコンバータ部(b5)が目標位置データ受
信部(b1)側の値をD/A変換する。このとき、一方のS
/H回路(b6)はサンプリング状態となるため、DAコン
バータ部(b5)の出力がX方向の目標位置電圧としてサー
ボ制御回路(b8)に入る。またこのとき、他方のS/H回
路(b7)はホールド状態となっているので、DAコンバー
タ部(b5)からの出力はY方向用のサーボ制御回路(b9)に
は入らない。
【0040】次のタイミングではY方向を選択して、Y
方向の目標位置データ(drvy)をY方向用の目標位置デー
タ受信部(b2)に転送・保存し、その値をDAコンバータ
部(b5)でD/A変換する。このタイミングでは、一方の
S/H回路(b6)がホールド状態で前回のX方向のD/A
値を保持したままとなっており、他方のS/H回路(b7)
はサンプリング状態となり、最新のD/A値をY方向用
のサーボ制御回路(b9)に出力する。このようにX方向へ
の出力とY方向への出力を交互に繰り返すことにより、
各サーボ制御回路(b8,b9)へのデータ出力を行う。
【0041】X方向用のサーボ制御回路(b8)とY方向用
のサーボ制御回路(b9)とは、基本構成が同じになってい
るので、ここではX方向用のサーボ制御回路(b8)を例に
挙げて説明する。サーボ制御回路(b8)の内部には、「位
置検出部」と「サーボ制御部」が設けられており、X回
路調整部(b3)での設定値に対応した値に回路ゲイン(X
Pゲイン,XDゲイン,XDDゲイン)を変更すること
ができる。Pゲインとは比例ゲイン(目標位置と現在位
置との差のゲイン)であり、Dゲインとは微分ゲイン(9
0度の位相進み補償ゲイン)であり、DDゲインとは微
微分ゲイン(更なる90度の位相進み補償ゲイン)であ
る。サーボ制御回路(b8)内の位置検出部には、X,Y方
向位置センサー(a25,a27;図1)からの出力が入る。ま
た、アクチュエータドライバ部(b10)は、リニア出力可
能に構成されており、入力電圧に比例した電圧をX,Y
駆動アクチュエータ(a24,a26;図1)に印加することが
できる。
【0042】図5に、上述したサーボ制御回路(b8,b9;
図4)の回路構成を示す。図5において、c1はS/H回
路(図4中のb6,b7に相当する。)、c2は回路調整部(図4
中のb3,b4に相当する。)、c3は加算回路、c4は比例ゲイ
ン回路、c5,c6は微分回路、c7は電圧ゲイン変換・LP
F(ローパスフィルター)回路、c8はサーボオフセット回
路、c9はVref(基準リファレンス電圧)部、c10はアクチ
ュエータドライバ(図4中のb10に相当する。)、c11はア
クチュエータのSMA(図2中のd7,d17に相当する。)、
c21はLED、c22はPSD、c23,c24はI/V(電流/電
圧)変換回路、c25は減算回路、c26は加算回路、c27はL
ED電流制御部、c28はLPF(ローパスフィルター)で
あり、一点鎖線で囲まれた部分がサーボ制御回路(b8,b
9;図4)に相当する。なお、ツインSMAアクチュエー
タ方式を採用する場合には、図15中のd8,d18に相当す
るSMAをSMA(c11)と同様に設ければよい。
【0043】S/H回路(c1)は、自分自身の方向の値を
D/A変換している場合はサンプリング状態とし、他方
向の値の場合はホールド状態となる。こうすることで、
S/H回路(c1)から目標位置相当の電圧Vtがサーボ制
御回路に出力される。実際の位置相当の電圧Vnは、位
置検出部(c23〜c28)を経て生成される。回路ゲイン調整
部(c2)は、デジタルデータを変更することで、比例ゲイ
ン回路(c4)でのPゲインの調整、微分回路(c5)でのDゲ
インの調整、微分回路(c6)でのDDゲインの調整が可能
である。また、サーボオフセット回路(c8)により、サー
ボ制御回路のオフセット電圧のアナログ値を変更するこ
とができる。位置検出部(c23〜c28)の回路について説明
を行う前に、可動部の位置検出の原理を以下に説明す
る。
【0044】図6に、X,Y方向の各位置検出に使用す
る位置センサー(a25,a27;図1)の構成例を示す。図6
において、e1は面実装のLEDであり、e2はLED(e1)
内の発光チップである。e3はLED(e1)からの発光光束
を絞って、指向性を鋭くするためのスリットである。こ
のスリット(e3)は、発光部側が広く、受光部側が狭くな
っており、これによってエネルギーのロスをなるべく抑
えながら、指向性を鋭くすることを可能としている。こ
の発光部側は、補正光学系(図1中のa22、図2中のd1に
相当する。)や補正光学系枠(図2中のd2に相当する。)
を構成している補正光学ブロック(e6)に直接取り付けら
れており、補正光学ブロック(e6)の動作にリンクして発
光部も矢印(e7)方向に移動する。これに対して、受光部
側のPSD(e4)は静止した状態を保持しているので、補
正光学ブロック(e6)が移動するとPSD(e4)上での光の
重心位置が変化する。受光部(e5)上の光の受光位置が変
化すると、PSD(e4)からの光電変換電流(I1,I2)の比
が変化するので、光電変換電流(I1,I2)の比を測定する
ことにより、補正光学ブロック(e6)の位置を確認するこ
とができる。
【0045】また、スリット(e3)から出力される光は、
移動検出方向(e7)には狭く、それに対して垂直な方向に
は広くなっている。このように発光光束に方向性をもた
せることにより、そのセンサーが検出すべき方向の位置
のみを検出することが可能となる。つまり、補正光学ブ
ロック(e6)が他の方向(矢印e7に対して垂直方向、例え
ば紙面垂直方向)に移動しても、PSD(e4)の受光面上
でのスリット光の状態が変化せず、位置信号に影響が出
ないよう構成されている。矢印(e7)の方向に対して垂直
な紙面垂直方向の移動は、上記と同じ構成で配置方向が
直交する位置センサーにより検知される。
【0046】図5に戻って、位置検出部(c23〜c28)の回
路構成を説明する。I/V変換回路(c23,c24)は、PS
D(c22;図5中のe4に相当する。)からの電流(I1,I2)を
電圧に変換する。加算回路(c26)はI1+I2=IOを求め
る。LED電流制御部(c27)はLED(c21;図5中のe1
に相当する。)の電流制御部であり、加算回路(c26)との
組み合わせで、V+の電圧を常に一定値に制御するため
の回路である。V+の電圧を常に一定値に保つことによ
って、減算回路(c25)の出力V−をモニターすれば、補
正光学ブロック(e6)の移動位置が検出可能となる。LP
F(c28)は、位置検出のノイズ(高周波成分)をカットし
て、実際のレンズ位置相当の電圧Vnを出力する回路で
ある。
【0047】次に、サーボ制御部等(c3〜c11)の回路構
成を説明する。加算回路(c3)は、目標位置電圧Vtと実
際位置電圧Vnとの差を演算する(実際位置電圧は、符
号がマイナス状態であるため、加算回路で差を求めるこ
とができる。)。比例ゲイン回路(c4)は電圧のゲイン変
換を行う回路であり、比例のゲインを設定する。微分回
路(c5)は90度の位相進み補償を行い、微分回路(c6)は
更なる90度の位相進み補償を行う。つまり、制御理論
的に説明するとPDD制御を行っている。回路(c4,c5,c
6)はそれぞれ回路調整部(c2)によって調整されるため、
駆動メカ部の個体バラツキがあっても、個体バラツキを
吸収することが可能である。また回路調整部(c2)によっ
て温度変化による影響も補正することができるため、温
度を検知して最適なゲインに修正することが可能であ
る。
【0048】電圧ゲイン変換・LPF回路(c7)は、最終
的なゲイン変換と高周波ノイズ除去を行う。サーボ制御
回路のオフセット回路(c8)は、個体バラツキや温度の影
響をサーボ回路のオフセット電圧を調整することで最適
化する。Vref部(c9)は、アクチュエータドライバ(c10)
に対して基準リファレンス電圧(Vref)を出力する。リ
ニア出力可能なアクチュエータドライバ(c10)は、IC
(Integrated Circuit)に入力された電圧と同電位の電圧
をアクチュエータに印加する役割を果たす。SMA(c1
1)の一端はアクチュエータドライバ(c10)の出力、逆の
端子はグランド(パワーグランド)に接地されている。
【0049】《アクチュエータドライバ部の構成》図7
に、前述のアクチュエータドライバ(c10,図5)に相当
するアクチュエータドライバICに対して、モータを接
続したときの接続状態を示す。図7において、f1はアク
チュエータドライバIC本体、f2はVin端子、f3はVre
f端子、f4はVM+端子、f5はVM−端子、f6はモータ
である。アクチュエータドライバIC本体(f1)は、DC
モータやムービングコイルのサーボドライブ用のドライ
バICである。アナログのサーボドライブでは、目標の
位置(状態)と実際の位置(状態)に応じて最適な印加電圧
が決定し、そこで求められた印加電圧をアクチュエータ
に印加するために、電流供給能力の高いリニアドライバ
回路が使用される。
【0050】Vin端子(f2)は、印加すべき電圧値を入力
する。入力は電圧ゲイン変換・LPF回路(c7,図5)で
ある。Vref端子(f3)は、基準電圧レベルを入力する。
入力はサーボ制御回路の基準リファレンス電圧(Vref)
部(c9,図5)である。VM+端子(f4)は、アクチュエー
タへの出力端子(+側)であり、モータ(f6)の一端が接続
される。VM−端子(f5)は、アクチュエータへの出力端
子(−側)であり、モータ(f6)の逆の端子が接続される。
モータ(f6)はDCモータであり、VM+端子(f4)とVM
−端子(f5)との間の出力において、モータの回転方向や
回転スピードが変化する。このモータ(f6)の部分をムー
ビングコイル(リニアアクチュエータ)とした場合でも、
同様の接続で移動方向や移動速度が変化するように動作
させることができる。
【0051】図8に、アクチュエータドライバIC(図
7)の入出力特性(VM+とVM−出力)を示す。図8の
グラフにおいて、横軸は入力のVin−Vrefの値であ
り、縦軸は出力のVM+ − VM−の値である。入力信
号に対して比例関係の出力が得られ、入力1に対して出
力Gは、アクチュエータドライバ回路の入出力ゲイン設
定値(外部設定可能)となる。
【0052】図9に、前述のアクチュエータドライバ(c
10,図5)に相当するアクチュエータドライバICに対
して、バイアスバネ・SMAアクチュエータを接続した
ときの接続状態を示す。図9において、f1はアクチュエ
ータドライバIC本体、f2はVin端子、f3はVref端
子、f4はVM+端子、f5はVM−端子、f7はSMA(図
5中のc11に相当する。)、f8はバイアスバネである。
【0053】Vin端子(f2)は、印加すべき電圧値を入力
する。入力は電圧ゲイン変換・LPF回路(c7,図5)で
ある。Vref端子(f3)は、基準電圧レベルを入力する。
入力はサーボ制御回路の基準リファレンス電圧(Vref)
部(c9,図5)である。VM+端子(f4)は、アクチュエー
タへの出力端子(+側)であり、SMA(f7)の一端が接続
される。VM−端子(f5)は、SMA(f7)に対しては接続
されない。SMA(f7)は、一端がVM+端子(f4)に接続
され、他端がパワーGND及びバイアスバネ(f8)に接続
される。
【0054】SMA(f7)とバイアスバネ(f8)との組み合
わせから成るアクチュエータに対しては、VM−端子(f
5,アクチュエータを−方向に駆動するための端子)は接
続されない。−方向にはバイアスバネ(f8)のバネ力で縮
む力を利用するからである。ここで、通常のモータ等の
アクチュエータと同様に−端子を接続した場合は(サー
ボ回路で−方向の力が必要だと判断されて、その出力を
−端子を介して与えてしまう。)、本来駆動させたい方
向とは逆方向の力が働いてしまって、正しい動きが実現
できなくなる。SMAアクチュエータに対して−方向の
電圧を印加しない他の方法を以下に説明する。
【0055】:ドライバへの入力段以前(直前の段)
で、−方向の出力をVrefレベルで制限する。この場
合、直前の段で制限しなければならない。PDDの回路
構成を採って途中の段で制限すると、最終的にはVinが
+(Vrefに対して)となる出力をカットしてしまう可能
性が高くなるので、直前段での制限が必要となる。 :ドライバ回路として−のVinが入力された場合は、
GNDでリミットするようなドライバ回路を使用する。
このような方法で対応してもよく、の方法は図9の方
法と具体的な回路は近似する。
【0056】図10に、アクチュエータドライバIC
(図9)の入出力特性(Vin−Vrefの入力に対するVM+
の出力特性)を示す。図10のグラフにおいて、横軸は
入力のVin−Vrefの値であり、縦軸は出力のVM+の
値である。入力(Vin−Vref)が+の場合には出力が入
力に対して比例の関係になるが、入力(Vin−Vref)が
−の場合には出力がゼロとなる。SMAに対して逆電圧
を印加しないことで、バイアスバネ・SMAアクチュエ
ータの位置制御(方向制御を含む。)が可能となる。
【0057】《バイアスバネ・SMAアクチュエータの
ヒステリシス》図11(A),(B)に、バイアスバネ・S
MAアクチュエータの電流(i),温度(T)−変位(x)特性
を、使用するSMAの素材が異なる2つの場合について
示す。図11(A)は、Ni(ニッケル)Ti(チタン)にC
u(銅)を含有するタイプのSMA(以下「SMA1」と
いう。)を使用し、そのSMA1に対して最適な力量バ
ランスとなるように選定されたバイアスバネとの組み合
わせで作製されたアクチュエータ(以下「SMA1アク
チュエータ」という。)のi,T−x特性を示している。図
11(B)は、Ni(ニッケル)Ti(チタン)のみで作製さ
れたタイプのSMA(以下「SMA2」という。)を使用
し、そのSMA2に対して最適な力量バランスとなるよ
うに選定されたバイアスバネとの組み合わせで作製され
たアクチュエータ(以下「SMA2アクチュエータ」と
いう。)のi,T−x特性を示している。ここで「最適な力
量」とは、印加電流(i)を与えることで必要な変位(x)を
発生するとともに、耐久性的にも満足し、かつ、ヒステ
リシスが目標値以下となる力量である。
【0058】SMA1が銅を含有するSMA1アクチュ
エータの場合、図11(A)に示すように、電流印加(加
熱)時と電流OFF(放熱)時のヒステリシス(温度変化に
よるヒステリシス)が小さくなっている。これに対し、
SMA2が銅を含有しないSMA2アクチュエータの場
合、図11(B)に示すように、電流印加(加熱)時と電流
OFF(放熱)時のヒステリシス(温度変化によるヒステ
リシス)が大きくなっている。
【0059】《サーボ制御特性》バイアスバネ・SMA
アクチュエータの駆動原理を説明する。SMAに電圧を
印加して位置制御を行う場合の位相遅れは次のような関
係になる。 [電圧]→[電流]→→[発熱]→[引っ張り力]→[加速度]→
→[速度]→→[位置] 上記関係における「→→」の部分が90度分の位相遅れ
となる。したがって、バイアスバネとSMAとの組み合
わせから成るアクチュエータに電圧を印加した場合の位
相遅れはトータル3次(270度)遅れとなる。
【0060】図12に、バイアスバネ・SMAアクチュ
エータのオープン特性を示す。SMA1アクチュエータ
とSMA2アクチュエータの実測結果等からモデル式を
作成し、その周波数特性を求めた結果が図12のグラフ
である。このグラフ中、実線はゲイン(gain)特性(dB)、
一点鎖線は位相(θ)特性(deg)を示しており、そのなか
でもgain1(dB)とθ1(deg)はSMA1アクチュエータの
周波数特性、gain2(dB)とθ2(deg)はSMA2アクチュ
エータの周波数特性を示している。
【0061】電流ヒステリシス特性は、制御的に分析す
ると[電圧印加]→[位置]に変化する工程において、[電
流]→→[発熱]→[(温度)不感帯]→[引っ張り力]として
近似モデル化できる。したがって、[ヒステリシスの大
きさ]=[(温度)不感帯の大きさ]となり、それは制御的
には位相遅れとなる。つまり、ヒステリシスの大きなS
MAアクチュエータは応答遅れも大きくなる。図12か
ら分かるように、応答遅れの少ないSMA1アクチュエ
ータは、約70Hz程度で共振を起こし、それ以降は2
70度の位相遅れ特性を示している。また、応答遅れの
大きなSMA2アクチュエータは、約20Hz程度で共
振を起こし、それ以降は270度以上の位相遅れ特性を
示している。
【0062】図13に、バイアスバネ・SMAアクチュ
エータに対してPDD(比例+微分+微分)制御を行った
場合のオープン特性を示す(表示形式は図12と同
様。)。これは、目標とする手振れ補正性能(例えば、発
生する振れ量を1/8にする)を達成するために必要な
ループゲインを設定した場合のSMA1アクチュエー
タ,SMA2アクチュエータのオープン特性である。微
分(90度の位相進み補償)を2つ入れて、180度の位
相進み補償を行っているために、SMA1アクチュエー
タの場合は位相余裕(ゲイン値が0dBとなった場合の1
80degの位相遅れに対する余裕量)、ゲイン余裕(位相
が180deg遅れたときのゲイン値0dBに対する余裕量)
ともある。この状態では安定したサーボ制御が可能とな
る。これに対して、SMA2アクチュエータの場合は、
位相余裕,ゲイン余裕共に無く、発振する可能性が予想
される。
【0063】図14に、バイアスバネ・SMAアクチュ
エータに対してPDD(比例+微分+微分)制御を行った
場合のフィードバック(FB)特性を示す(表示形式は図
12と同様。)。SMA1アクチュエータの場合は、位
相余裕及びゲイン余裕があるので共振がほとんど無く、
そのフラットな特性により理想的なサーボ制御が可能と
なる。SMA2アクチュエータの場合は、位相余裕及び
ゲイン余裕が無かったので、30Hz付近の共振が発生
してサーボ制御不可能となる。ここで、発振しないよう
にループゲインを下げると、手振れ補正の目標補正性能
(発生する振れ量を1/8にすること)を達成できなくな
る。
【0064】したがって、手振れ補正のような高周波で
サーボ制御を行う用途においてSMAアクチュエータを
使用する場合には、応答遅れを極力少なくするようにヒ
ステリシスを小さくすることが望ましい。そのために
は、ヒステリシスの小さいSMA、例えば素材にCu
(銅)を含んだSMA1を使用するのが好ましく、そのよ
うなSMAの素材特性と変形手段(バイアスバネ,SM
A等)の力量との最適なバランスで、SMAアクチュエ
ータのヒステリシス(温度ヒステリシス,印加電流ヒス
テリシス)を小さくすればよい。温度ヒステリシスとし
て許容可能なヒステリシス量は、求める応答特性によっ
て異なるが、10Hzの駆動応答性を求める手振れ補正
の場合には、約15℃以下の温度ヒステリシスが必要と
なる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、形
状記憶合金と変形手段(例えばバネや形状記憶合金)を用
いてアクチュエータを構成することにより、非常に小型
で低コストな駆動装置を実現することができる。しかも
ヒステリシスの小さいアクチュエータ構成になっている
ため、優れた高速応答性を達成することができる。例え
ば、銅を含有した形状記憶合金とそれに最適な変形手段
(所定力量を有するバイアスバネ、所定力量でバランス
された形状記憶合金等)を使用してサーボ駆動制御を行
うことにより、手振れ補正(10Hzクラス)のような高
速応答が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される手振れ補正カメラのシステ
ム構成を示すブロック図。
【図2】手振れ補正のためのバイアスバネ・SMAアク
チュエータの駆動メカニズムを示す概略構成図。
【図3】標準的なバイアスバネ・SMAアクチュエータ
の駆動特性を示すグラフ。
【図4】駆動制御部の一例を示すブロック図。
【図5】サーボ制御回路の一例を示すブロック図。
【図6】補正光学系の動きを検出するための位置センサ
ーを示す概略構成図。
【図7】モータ接続状態でのアクチュエータドライバI
Cを示すブロック図。
【図8】図7のアクチュエータドライバICの入出力特
性を示すグラフ。
【図9】バイアスバネ・SMAアクチュエータ接続状態
でのアクチュエータドライバICを示すブロック図。
【図10】図9のアクチュエータドライバICの入出力
特性を示すグラフ。
【図11】バイアスバネ・SMAアクチュエータの電
流,温度−変位特性を、使用するSMAの素材が異なる
2つの場合について示すグラフ。
【図12】バイアスバネ・SMAアクチュエータのオー
プン特性を示すグラフ。
【図13】バイアスバネ・SMAアクチュエータに対し
てPDD制御を行った場合のオープン特性を示すグラ
フ。
【図14】バイアスバネ・SMAアクチュエータに対し
てPDD制御を行った場合のフィードバック特性を示す
グラフ。
【図15】手振れ補正のためのツインSMAアクチュエ
ータの駆動メカニズムを示す概略構成図。
【符号の説明】
a22,d1 …補正光学系(可動部) e6 …補正光学ブロック(可動部) a23 …駆動制御部 a24,a26 …X,Y駆動アクチュエータ a25,a27 …X,Y方向位置センサー b8,b9 …X,Y方向用のサーボ制御回路 b10 …アクチュエータドライバ部 c10 …アクチュエータドライバ f1 …アクチュエータドライバIC c11,d7,d17,f7 …SMA(形状記憶合金) d8S,d18S,f8 …バイアスバネ(変形手段) d8,d18 …SMA(形状記憶合金,変形手段)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1状態に形状記憶された形状記憶合金
    と、その形状記憶合金を第1状態から第2状態へと変形
    させる変形手段と、をそれぞれ可動部に接続した状態で
    有するアクチュエータと、第2状態にある前記形状記憶
    合金に対して電圧又は電流を印加することにより加熱を
    行い、その加熱により第1状態へと変形した形状記憶合
    金の発生力で前記変形手段を変形させるとともに前記可
    動部を動作させる制御を連続的に行う駆動制御部と、を
    備えた駆動装置において、 前記形状記憶合金の素材特性と前記変形手段の力量との
    バランスで、前記アクチュエータの温度ヒステリシスを
    小さくしたことを特徴とする駆動装置。
  2. 【請求項2】 第1状態に形状記憶された形状記憶合金
    と、その形状記憶合金を第1状態から第2状態へと変形
    させる変形手段と、をそれぞれ可動部に接続した状態で
    有するアクチュエータと、第2状態にある前記形状記憶
    合金に対して電圧又は電流を印加することにより加熱を
    行い、その加熱により第1状態へと変形した形状記憶合
    金の発生力で前記変形手段を変形させるとともに前記可
    動部を動作させる制御を連続的に行う駆動制御部と、を
    備えた駆動装置において、 前記アクチュエータの温度ヒステリシスが15℃以下で
    あることを特徴とする駆動装置。
  3. 【請求項3】 第1状態に形状記憶された形状記憶合金
    と、その形状記憶合金を第1状態から第2状態へと変形
    させる変形手段と、をそれぞれ可動部に接続した状態で
    有するアクチュエータと、第2状態にある前記形状記憶
    合金に対して電圧又は電流を印加することにより加熱を
    行い、その加熱により第1状態へと変形した形状記憶合
    金の発生力で前記変形手段を変形させるとともに前記可
    動部を動作させる制御を連続的に行う駆動制御部と、を
    備えた駆動装置において、 前記形状記憶合金の素材特性と前記変形手段の力量との
    バランスで、前記アクチュエータの印加電流ヒステリシ
    スを小さくしたことを特徴とする駆動装置。
  4. 【請求項4】 第1状態に形状記憶された形状記憶合金
    と、その形状記憶合金を第1状態から第2状態へと変形
    させる変形手段と、をそれぞれ可動部に接続した状態で
    有するアクチュエータと、第2状態にある前記形状記憶
    合金に対して電圧又は電流を印加することにより加熱を
    行い、その加熱により第1状態へと変形した形状記憶合
    金の発生力で前記変形手段を変形させるとともに前記可
    動部を動作させる制御を連続的に行う駆動制御部と、を
    備えた駆動装置において、 前記駆動制御部がサーボ制御を行い、前記アクチュエー
    タが前記駆動制御部のサーボ制御で共振が起こらない温
    度ヒステリシスを有することを特徴とする駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記形状記憶合金が素材に銅を含有する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    駆動装置。
  6. 【請求項6】 前記変形手段がバネであることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれか1項に記載の駆動装置。
  7. 【請求項7】 前記変形手段が形状記憶合金であること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の駆動
    装置。
  8. 【請求項8】 第1状態に形状記憶された形状記憶合金
    と、その形状記憶合金を第1状態から第2状態へと変形
    させる変形手段と、をそれぞれ可動部に接続し、第2状
    態にある前記形状記憶合金に対して電圧又は電流を印加
    することにより加熱を行い、その加熱により第1状態へ
    と変形した形状記憶合金の発生力で前記変形手段を変形
    させるとともに前記可動部を動作させる制御を連続的に
    行う駆動制御方法において、 前記形状記憶合金の素材特性と前記変形手段の力量との
    バランスで、駆動時の温度ヒステリシスを小さくするこ
    とを特徴とする駆動制御方法。
  9. 【請求項9】 第1状態に形状記憶された形状記憶合金
    と、その形状記憶合金を第1状態から第2状態へと変形
    させる変形手段と、をそれぞれ可動部に接続し、第2状
    態にある前記形状記憶合金に対して電圧又は電流を印加
    することにより加熱を行い、その加熱により第1状態へ
    と変形した形状記憶合金の発生力で前記変形手段を変形
    させるとともに前記可動部を動作させる制御を連続的に
    行う駆動制御方法において、 前記形状記憶合金の素材特性と前記変形手段の力量との
    バランスで、駆動時の印加電流ヒステリシスを小さくす
    ることを特徴とする駆動制御方法。
  10. 【請求項10】 第1状態に形状記憶された形状記憶合
    金と、その形状記憶合金を第1状態から第2状態へと変
    形させる変形手段と、をそれぞれ可動部に接続し、第2
    状態にある前記形状記憶合金に対して電圧又は電流を印
    加することにより加熱を行い、その加熱により第1状態
    へと変形した形状記憶合金の発生力で前記変形手段を変
    形させるとともに前記可動部を動作させる制御を連続的
    に行う駆動制御方法において、 駆動制御をPDD制御で行うとともに、そのPDD制御
    で共振が起こらない温度ヒステリシスの駆動を行うこと
    を特徴とする駆動制御方法。
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