JP2001123895A - 燃料貯留装置の故障診断装置 - Google Patents

燃料貯留装置の故障診断装置

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JP2001123895A
JP2001123895A JP30578399A JP30578399A JP2001123895A JP 2001123895 A JP2001123895 A JP 2001123895A JP 30578399 A JP30578399 A JP 30578399A JP 30578399 A JP30578399 A JP 30578399A JP 2001123895 A JP2001123895 A JP 2001123895A
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fuel
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pressure
air
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Takuya Matsuoka
拓哉 松岡
Yoshihiko Hyodo
義彦 兵道
Naoya Takagi
直也 高木
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料室から空気室に燃料が漏れる故障が生じ
ているか否かを診断する。 【解決手段】 燃料を貯留するための燃料室10と、燃
料室に隣接して配置された空気室27とを具備し、空気
室内の気体を内燃機関の吸気通路2内に放出するための
気体放出通路24、26と、空気室内に気体を導入する
ための気体導入通路28とを備えた燃料貯留装置7の故
障を診断する。気体放出通路および気体導入通路の少な
くとも一方が燃料室から空気室に漏れた燃料により遮断
されるように構成され、気体放出通路および気体導入通
路の少なくとも一方が空気室内の燃料により遮断された
ことが検出された時に燃料室から空気室に燃料が漏れる
故障が燃料貯留装置に生じていると診断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃料貯留装置の故障
診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料貯留装置内の燃料液面上方に空間が
存在するとその空間内に蒸発燃料が発生し、この蒸発燃
料が燃料貯留装置から大気に漏れる可能性がある。そこ
で燃料貯留装置内における蒸発燃料の発生を抑制するた
めに特開平7−132738号公報では燃料貯留装置内
に膨張・収縮自在なエアバッグを配置し、このエアバッ
グが燃料貯留装置内の燃料液面に常に密着しているよう
にエアバッグを膨張・収縮させ、燃料液面上方に空間が
形成されないようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に記載の燃料
貯留装置では内にはエアバッグにより画成された燃料室
と、この燃料室に隣接した空気室とが形成されている。
ここで燃料室から空気室に燃料が漏れた場合には空気室
内で蒸発燃料が発生してしまう。この場合、燃料貯留装
置内における蒸発燃料の発生を抑制するという所期の目
的を達成することができない。したがって燃料室から空
気室に燃料が漏れている場合にはこの燃料漏れを知るこ
とが重要である。そこで本発明の目的は燃料室とこれに
隣接した空気室とを具備する燃料貯留装置において燃料
室から空気室に燃料が漏れる故障が生じているか否かを
診断することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に一番目の発明によれば、燃料を貯留するための燃料室
と、該燃料室に隣接して配置された空気室とを具備し、
空気室内の気体を内燃機関の吸気通路内に放出するため
の気体放出通路と、空気室内に気体を導入するための気
体導入通路とを備えた燃料貯留装置の故障を診断するた
めの故障診断装置において、前記気体放出通路および気
体導入通路の少なくとも一方が燃料室から空気室に漏れ
た燃料により遮断されるように構成され、前記気体放出
通路および気体導入通路の少なくとも一方が空気室内の
燃料により遮断されたことが検出された時に燃料室から
空気室に燃料が漏れる故障が燃料貯留装置に生じている
と診断する。
【0005】二番目の発明によれば、一番目の発明にお
いて、前記気体導入通路が空気室内の燃料により遮断さ
れるように構成され、前記気体放出通路が吸気通路内に
発生した負圧が該気体放出通路を介して空気室内に導入
されるように構成されており、吸気通路内の負圧が空気
室内に導入されている時に空気室内の圧力が予め定めら
れた値以下である時に前記気体導入通路が空気室内の燃
料により遮断されていると診断する。
【0006】三番目の発明によれば、一番目の発明にお
いて、前記気体導入通路が空気室内の燃料により遮断さ
れるように構成され、前記気体放出通路が吸気通路内に
発生した負圧が該気体放出通路を介して空気室内に導入
されるように構成されており、前記気体導入通路に該気
体導入通路を遮断するための遮断弁が配置され、該遮断
弁は吸気通路内の負圧が空気室内に導入されるべき時に
開弁されるように構成されており、吸気通路内の負圧が
空気室内に導入されている時に空気室内の圧力が第一の
予め定められた値以下である時には前記遮断弁が開弁不
能である故障が燃料貯留装置に生じていると診断し、一
方、空気室内の圧力が前記第一の予め定められた値以上
であるが第二の予め定められた値以下である時には前記
気体導入通路が空気室内の燃料により遮断されていると
診断する。
【0007】四番目の発明によれば、一番目の発明にお
いて、前記気体放出通路が空気室内の燃料により遮断さ
れるように且つ吸気通路内に発生した負圧が該気体放出
通路を介して空気室内に導入されるように構成されてお
り、吸気通路内の負圧が空気室内に導入されている時に
空気室内の圧力が予め定められた値以上である時に前記
気体放出通路が空気室内の燃料により遮断されていると
診断する。
【0008】五番目の発明によれば、一番目の発明にお
いて、前記気体放出通路が空気室内の燃料により遮断さ
れるように且つ吸気通路内に発生した負圧が該気体放出
通路を介して空気室内に導入されるように構成されてお
り、前記気体導入通路に該気体導入通路を遮断するため
の遮断弁が配置され、該遮断弁は吸気通路内の負圧が空
気室内に導入されるべき時に開弁されるように構成され
ており、吸気通路内の負圧が空気室内に導入されている
時に空気室内の圧力が第一の予め定められた値以上であ
る時に前記遮断弁を閉弁し、その後、空気室内の圧力が
第二の予め定められた値以下である時には前記気体放出
通路が空気室内の燃料により遮断されていると診断し、
一方、空気室内の圧力が前記第二の予め定められた値以
上である時には前記遮断弁が閉弁不能である故障が燃料
貯留装置に生じていると診断する。
【0009】六番目の発明によれば、一番目の発明にお
いて、前記気体導入通路内を流通する気体の流量を検出
するための気体流量検出手段を設け、前記気体放出通路
が吸気通路内に発生した負圧が該気体放出通路を介して
空気室内に導入されるように構成されており、吸気通路
内の負圧が空気室内に導入されている時に前記気体流量
検出手段により検出された流量が予め定められた値以下
である時には前記気体放出通路および気体導入通路の少
なくとも一方が空気室内の燃料により遮断されていると
診断する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を詳
細に説明する。初めに第一実施例の燃料貯留装置の故障
診断装置を備えた内燃機関の全体構成を説明する。図1
において1は機関本体である。機関本体1には吸気通路
2が接続され、この吸気通路2を介して機関本体1に空
気が導入される。吸気通路2にはサージタンク3が設け
られる。サージタンク3には吸気通路2内の圧力を検出
するための吸気圧センサ30が配置される。サージタン
ク3上流の吸気通路2内にはステップモータ(図示せ
ず)により駆動されるスロットル弁4が配置される。ま
たスロットル弁4上流の吸気通路2には空気量センサ5
が取り付けられる。空気量センサ5は機関本体1に導入
される空気の量を検出する。さらに空気量センサ5上流
の吸気通路2にはエアフィルタ6が配置される。また機
関本体1には排気通路36が接続される。
【0011】図1において7は燃料貯留装置である。燃
料貯留装置7はハウジング8を有する。ハウジング8内
には燃料容器9が収容される。燃料容器9はその内部に
燃料を貯留するための燃料室10を形成する。また燃料
貯留装置7内には燃料室10に隣接して空気室27が形
成される。図2に示したように燃料容器9は一対のほぼ
矩形の上壁9aおよび下壁9bと、上壁9aの各辺を対
応する下壁9bの各辺に連結する四つのほぼ矩形の側壁
9c〜9fとを具備する。これら上壁9a、下壁9bお
よび側壁9c〜9fは可撓性を有する材料で作製され
る。したがってこれら上壁9a、下壁9bおよび側壁9
c〜9fは燃料室10内の燃料量の変化に応じて変形で
きる。すなわち燃料容器9の形状が図2に示したほぼ直
方体の形状である時に燃料室10内に収容可能な燃料の
最大量を基準量とすると、燃料室10内の燃料量が基準
量を越えた時には図3(A)に示したように上壁9aお
よび下壁9bが互いに離れるように外方へと膨らむと共
に側壁9c〜9fが互いに近づくように内方へと凹む。
一方、燃料室10内の燃料量が基準量より少なくなった
時には図3(B)に示したように上壁9aおよび下壁9
bが互いに近づくように内方へと凹むと共に側壁9c〜
9fが互いに近づくように内方へと凹む。このように燃
料室10の容量が燃料室10内の燃料量に応じて変化す
るので燃料室10内において燃料液面上方に空間が形成
されるのが抑制される。このため燃料室10内に蒸発燃
料(以下、ベーパ)が発生することが抑制される。
【0012】ハウジング8内には燃料ポンプ室11が形
成される。燃料ポンプ室11内には燃料ポンプ12が収
容される。燃料ポンプ12は燃料ポンプ室11内の燃料
を機関本体1に取り付けられた燃料噴射弁(図示せず)
に供給する。燃料ポンプ室11は燃料通路13を介して
燃料容器9に接続される。また燃料容器9は燃料通路1
3を介して給油管14に接続される。給油管14の上端
の開口にはキャップ37が取り付けられる。キャップ3
7は燃料容器9に燃料を補充しようとする時に取り外さ
れる。
【0013】ところで上述したように燃料貯留装置7で
はベーパの発生が抑制されている。しかしながら多少の
ベーパは発生してしまう。そこで内燃機関は発生したベ
ーパを処理するためのベーパ処理システムを備える。次
にこのベーパ処理システムを簡単に説明する。内燃機関
はベーパを一時的に吸着することができる活性炭15を
備えたチャコールキャニスタ16を有する。活性炭15
はチャコールキャニスタ16の内部を大気空間17とベ
ーパ空間18とに分割する。大気空間17には後述する
ようにして大気が流入する。一方、ベーパ空間18には
後述するようにしてベーパが流入する。
【0014】ベーパ空間18は第一ベーパ通路19を介
して給油管14の上方部分に接続される。また給油管1
4の上方部分は第二ベーパ通路20を介して燃料ポンプ
室11の上方部分に接続される。さらに燃料ポンプ室1
1の上方部分は第三ベーパ通路21を介して燃料容器9
に接続される。第三ベーパ通路21は遮断弁22を介し
て燃料容器9の上壁9aに接続される。遮断弁22は燃
料容器9内の燃料液面が当該遮断弁22に達すると第三
ベーパ通路21をフロート23により遮断する。したが
って燃料液面が遮断弁22に達していない時、すなわち
燃料液面上方にベーパが存在する時には遮断弁22は開
弁しており、ベーパは第三ベーパ通路21を介して燃料
ポンプ室11内に放出される。また燃料ポンプ室11内
のベーパは第二ベーパ通路20を介して給油管14に放
出される。さらに給油管14内のベーパは第一ベーパ通
路19を介してチャコールキャニスタ16に放出され
る。このようにしてベーパ空間18内にベーパが流入す
る。
【0015】ベーパ空間18はパージ通路24を介して
スロットル弁4下流の吸気通路2に接続される。パージ
通路24には当該パージ通路24を遮断することができ
るパージ制御弁25が配置される。パージ制御弁25が
開弁せしめられるとチャコールキャニスタ16の活性炭
15に吸着しているベーパが吸気通路2を介して機関本
体1に供給される。こうしてチャコールキャニスタ16
内のベーパが処理される。なお以下の説明ではこのベー
パの処理をパージ処理を称し、このパージ処理により処
理されるベーパ量をパージ量と称し、このパージ処理に
より処理すべきベーパ量を所期パージ量と称す。またパ
ージ量はパージ制御弁25のデューティー比を制御する
ことにより制御される。
【0016】一方、大気空間17は第一大気通路26を
介して燃料貯留装置7の空気室27に接続される。第一
大気通路26は空気室27内の最も上方の領域であって
ハウジング8の上壁面近傍で空気室27内に開口してい
る。空気室27は第二大気通路28を介してエアフィル
タ6に接続される。第二大気通路28は空気室27の最
も下方の底部領域であってハウジング8の底壁面近傍で
空気室27に開口している。また第二大気通路28には
当該第二大気通路28を遮断することができる大気制御
弁29が配置される。パージ処理中では大気制御弁29
は開弁され、大気がエアフィルタ6および第二大気通路
28を介して空気室27内に流入し、次いで空気室27
内の空気が第一大気通路26を介して大気空間17内に
流入する。したがって本実施例において第二大気通路2
8は空気室27内に気体(本実施例では大気)を導入す
るための通路として働き、第一大気通路26は空気室2
7内の気体(本実施例では空気および場合によってはベ
ーパ)を吸気通路2内に放出するための通路として働
く。
【0017】なおハウジング8には空気室27内の圧力
(以下、空気室圧力)を検出するための圧力センサ35
が取り付けられる。図1において40は電子制御装置で
ある。電子制御装置40はデジタルコンピュータからな
り、CPU(マイクロプロセッサ)41と、RAM(ラ
ンダムアクセスメモリ)42と、ROM(リードオンリ
メモリ)43と、B−RAM(バックアップRAM)4
4と、入力ポート45と、出力ポート46とを具備す
る。これら構成要素は双方向性バス47により互いに接
続される。空気量センサ5、吸気圧センサ30および圧
力センサ35は対応するAD変換器48を介して入力ポ
ート45に接続される。さらに内燃機関は予め定められ
た時間ごとにクランク角を検出するためのクランク角セ
ンサ33を具備する。クランク角センサ33は入力ポー
ト45に直接接続される。また出力ポート46は対応す
る駆動回路49を介してスロットル弁4と、パージ制御
弁25と、大気制御弁29とに接続される。さらに内燃
機関はアラーム34を具備する。アラーム34は対応す
る駆動回路49を介して出力ポート46に接続される。
【0018】次に第一実施例の燃料貯留装置の故障診断
を概略的に説明する。本実施例ではパージ処理中に燃料
容器の燃料漏れ故障が生じた時に起こる以下の現象を利
用して燃料貯留装置の故障が診断される。パージ処理中
ではパージ制御弁および大気制御弁が共に開弁せしめら
れ、吸気通路内で発生した負圧(以下、吸気負圧)が空
気室内に導入される。ここで燃料容器の燃料漏れ故障が
生じていなければ、すなわち第二大気通路が空気室内の
燃料により遮断されていなければ空気室内に導入された
負圧により空気室内には第二大気通路を介して大気が流
入する。しかしながら空気室圧力は大気圧とはならずに
負圧となる。なぜならばエアフィルタや第二大気通路に
流路抵抗があるので空気室内に流入する大気の量が制限
されるからである。そしてこの負圧は空気室内に導入さ
れる負圧(以下、導入負圧)の値が多少変化しても燃料
容器の燃料漏れ故障が生じていない限りほぼ一定に維持
される。なぜならば導入負圧の値に応じた量の大気が空
気室内に流入するからである。
【0019】一方、上述したように第二大気通路は空気
室の底部領域において空気室内に開口するので燃料容器
の燃料漏れ故障が生じると第二大気通路は空気室内に漏
れた燃料(以下、漏れ燃料)により遮断されてしまう。
このように第二大気通路が漏れ燃料により遮断されると
大気が空気室内に流入し難くなる。ところが吸気負圧は
空気室内に導入され続けるので空気室圧力は徐々に低下
する。
【0020】そこで本実施例では燃料容器の燃料漏れ故
障と診断するための判定値を予め設定し、そして燃料容
器の燃料漏れ故障が生じていないにも係わらず空気室圧
力をこの判定値以下としてしまう負圧を発生する所期パ
ージ量(以下、基準値)を予め算出しておく。そしてパ
ージ処理中であって所期パージ量が上記基準値以下であ
る時に故障診断を実行し、空気室圧力が判定値以下に低
下している時には燃料貯留装置に燃料容器の燃料漏れ故
障が生じていると診断する。これによれば燃料容器の燃
料漏れ故障が容易に診断される。
【0021】次にこの第一実施例の故障診断を適用した
例を図4のタイムチャートを参照して説明する。なお図
4(A)は所期パージ量、(B)はパージ制御弁の開閉
弁状態、(C)は大気制御弁の開閉弁状態、(D)は空
気室圧力を示している。期間T1 では所期パージ量Qp
が零であるのでパージ制御弁25および大気制御弁29
は共に閉弁されており、空気室圧力Ptはほぼ大気圧P
atmに等しい。この期間T1 ではパージ処理が実行さ
れていないので故障診断は実行されない。
【0022】時刻t1 において所期パージ量Qpが或る
量Qp2となるとパージ制御弁25および大気制御弁2
9が共に開弁せしめられる。したがって吸気負圧が空気
室27内に導入され、空気室圧力Ptが低下し、或る圧
力Pt1となる。ここで或る量Qp2は基準値RVqp
以上であり、期間T2 では所期パージ量Qpが或る量Q
p2に維持されているのでパージ処理中ではあるが故障
診断は実行されない。
【0023】次に時刻t2 において所期パージ量Qpが
或る量Qp1に低下するとパージ制御弁25のデューテ
ィー比が減少せしめられ、導入負圧が小さくなるので空
気室圧力Ptが上昇する。ここで或る量Qp1は基準値
RVqp以下であるので期間T3 では故障診断が実行さ
れる。空気室圧力Ptは時刻t3 において判定値RVp
tを越え、或る圧力Pt3となる。ここで或る圧力Pt
3は判定値RVpt以上であるので時刻t3 の時点では
燃料容器9の燃料漏れ故障は生じていないと診断され
る。そして図4(D)の実線Aで示したように空気室圧
力Ptが判定値RVpt以上である限り燃料容器9の燃
料漏れ故障が生じていないと診断される。一方、図4
(D)の実線Bで示したように空気室圧力Ptが時刻t
4 において判定値RVpt以下となった時には燃料容器
9の燃料漏れ故障が生じていると診断される。
【0024】次に図5のフローチャートを参照して第一
実施例の故障診断を説明する。初めにステップ101に
おいて故障診断を実行できる条件が成立しているか否
か、すなわち所期パージ量Qpが予め定められた基準値
RVqp以下である(Qp≦RVqp)か否かが判別さ
れる。ステップ101においてQp≦RVqpであると
判別された時にはステップ102に進んで空気室圧力P
tが予め定められた判定値RVpt以下である(Pt≦
RVpt)か否かが判別される。なおここで予め定めら
れた判定値RVptは負の値である。ステップ102に
おいてPt≦RVptであると判別された時には燃料容
器9の燃料漏れ故障が生じていると判断し、ステップ1
03に進んで燃料容器9の燃料漏れ故障が生じているこ
とを表示するためのアラーム34を作動する。一方、ス
テップ102においてPt>RVptであると判別され
た時には燃料容器9の燃料漏れ故障は生じていないと判
断し、ステップ104に進んでアラーム34の作動を停
止する。
【0025】なおステップ101においてQp>RVq
pであると判別された時には故障診断を実行できる条件
が成立していないので故障診断を実行せずに処理を終了
する。次に第二実施例の燃料貯留装置の故障診断装置を
説明する。図6を参照すると第二実施例の第一大気通路
26は空気室27内の底部領域であってハウジング8の
底壁面近傍で空気室27内に開口している。また第二実
施例の第二大気通路28は空気室27内の上方領域であ
ってハウジング8の上壁面近傍で空気室27内に開口し
ている。また本実施例の故障診断装置は第一実施例のア
ラーム34の代わりに二つのアラーム、すなわち第一ア
ラーム34aおよび第二アラーム34bを具備する。こ
れらアラーム34aおよび34bはそれぞれ対応する駆
動回路49を介して出力ポート46に接続される。上記
以外の構成は第一実施例の構成と同じであるので説明は
省略する。
【0026】次に第二実施例の燃料貯留装置の故障診断
を概略的に説明する。本実施例ではパージ処理中に燃料
容器の燃料漏れ故障または大気制御弁が開弁不能となる
故障(以下、開弁不能故障)が生じた時に起こる以下の
現象を利用して燃料容器の燃料漏れ故障および大気制御
弁の開弁不能故障が診断される。パージ処理中ではパー
ジ制御弁および大気制御弁が共に開弁され、吸気負圧が
空気室内に導入される。ここで燃料容器の燃料漏れ故障
が生じていなければ、すなわち第一大気通路が空気室内
の燃料により遮断されていなければ第一実施例で説明し
たのと同じ理由で空気室圧力は負圧となる。そしてこの
空気室圧力は導入負圧の値が多少変化しても燃料容器の
燃料漏れ故障または大気制御弁の開弁不能故障が生じて
いない限りこの負圧の値近傍に維持される。一方、上述
したように第一大気通路は空気室の底部領域で空気室内
に開口するので燃料容器の燃料漏れ故障が生じると第一
大気通路は漏れ燃料により遮断されてしまう。このよう
に第一大気通路が漏れ燃料により遮断されると吸気負圧
が空気室内に導入され難くなる。しかしながら空気室圧
力が負圧である限り空気室内には大気が流入し続けるの
で空気室圧力は徐々に上昇し、ほぼ大気圧に等しくな
る。
【0027】一方、大気制御弁が開弁不能となっている
と大気が空気室内に流入しなくなる。しかしながら第一
大気通路が遮断されていない限り吸気負圧が空気室内に
導入され続けるので空気室圧力は徐々に低下する。そこ
で本実施例では燃料貯留装置にいかなる故障も生じてい
ないと診断する判定範囲を予め設定し、そして燃料貯留
装置にいかなる故障も生じていない場合に空気室圧力を
判定範囲内とする負圧を発生する所期パージ量の範囲
(以下、基準範囲)を予め算出しておく。そしてパージ
処理中であって所期パージ量が上記基準範囲内にある時
に故障診断を実行し、空気室圧力が判定範囲以上である
時には燃料容器の燃料漏れ故障が生じていると診断し、
一方、判定範囲以下である場合には大気制御弁の開弁不
能故障が生じていると診断する。これによれば燃料容器
の燃料漏れ故障と共に大気制御弁の開弁不能故障が容易
に診断される。
【0028】次に第二実施例の故障診断を適用した例を
図7のタイムチャートを参照して説明する。なお図7
(A)〜(D)は図4(A)〜(D)と同じ対象を示し
ている。期間T1 では所期パージ量Qpが零であるので
パージ制御弁25および大気制御弁29は共に閉弁され
ており、空気室圧力Ptはほぼ大気圧Patmに等し
い。この期間T1 ではパージ処理が実行されていないの
で故障診断は実行されない。時刻t1 において所期パー
ジ量Qpが或る量Qp1となるとパージ制御弁25およ
び大気制御弁29が共に開弁せしめられる。したがって
吸気負圧が空気室27内に導入され、空気室圧力Ptが
低下し、或る圧力Pt3となる。ここで或る量Qp1は
基準範囲Rqpの下限値RVLqp以下であり、期間T
2 では所期パージ量Qpが或る量Qp1に維持されてい
るのでパージ処理中ではあるが故障診断は実行されな
い。
【0029】次に時刻t2 において所期パージ量Qpが
或る量Qp2に上昇するとパージ制御弁25のデューテ
ィー比が増大せしめられ、導入負圧が大きくなるので空
気室圧力Ptが低下する。ここで或る量Qp2は基準範
囲Rqp内にあるので期間T 3 では故障診断が実行され
る。空気室圧力Ptは時刻t3 において判定範囲Rpt
内に入り、或る圧力Pt2となる。ここで或る圧力Pt
2は判定範囲Rpt内にあるので時刻t3 の時点では燃
料容器9の燃料漏れ故障および大気制御弁29の開弁不
能故障のいずれも生じていないと診断される。そして図
7(D)の実線Bで示したように空気室圧力Ptが判定
範囲Rpt内にある限り燃料容器9の燃料漏れ故障およ
び大気制御弁29の開弁不能故障のいずれも生じていな
いと診断される。一方、図7(D)の実線Aで示したよ
うに空気室圧力Ptが時刻t4 において判定範囲Rpt
の上限値RVUpt以上となった時には燃料容器9の燃
料漏れ故障が生じていると診断される。さらに図4
(D)の実線Cで示したように空気室圧力Ptが時刻t
4 において判定範囲Rptの下限値RVLpt以下とな
った時には大気制御弁29の開弁不能故障が生じている
と診断される。
【0030】次に図8のフローチャートを参照して第二
実施例の故障診断を説明する。初めにステップ201に
おいて故障診断を実行できる条件が成立しているか否
か、すなわち所期パージ量Qpが予め定められた基準範
囲内にある(RVLqp≦Qp≦RVUqp)か否かが
判別される。ステップ201においてRVLqp≦Qp
≦RVUqpであると判別された時にはステップ202
に進んで空気室圧力Ptが判定範囲Rptの上限値RV
Upt以上である(Pt≧RVUpt)か否かが判別さ
れる。なおここで上限値RVUptは負の値である。ス
テップ202においてPt≧RVUptであると判別さ
れた時には燃料容器9の燃料漏れ故障が生じていると判
断し、ステップ203に進んで燃料容器9の燃料漏れ故
障が生じていることを表示するための第一アラーム34
aを作動する。一方、ステップ202においてPt<R
VUptであると判別された時にはステップ204に進
んで空気室圧力Ptが判定範囲Rptの下限値RVLp
t以下である(Pt≦RVUpt)か否かが判別され
る。なお下限値RVUptは負の値であり、上限値RV
Uptより小さい値である。ステップ204においてP
t≦RVLptであると判別された時には大気制御弁2
9の開弁不能故障が生じていると判断し、ステップ20
5に進んで大気制御弁29の開弁不能故障が生じている
ことを表示するための第二アラーム34bを作動する。
一方、ステップ204においてPt>RVLptである
と判別された時にはステップ206に進んで第一アラー
ム34aおよび第二アラーム34bの作動を停止する。
【0031】なおステップ201においてQp<RVL
qpまたはQp>RVUqpであると判別された時には
故障診断を実行できる条件が成立していないので故障診
断を実行せずに処理を終了する。次に第三実施例の燃料
貯留装置の故障診断装置を説明する。図9に示したよう
に第三実施例の故障診断装置は第一実施例の圧力センサ
35の代わりに空気室27内に流入する大気の量を検出
するための大気量センサ31が第二大気通路28に取り
付けられる。この大気量センサ31は対応するAD変換
器48を介して入力ポート45に接続される。その他の
構成は第一実施例の構成と同様であるので説明は省略す
る。
【0032】次に第三実施例の燃料貯留装置の故障診断
を概略的に説明する。基本的には第一実施例の故障診断
とほぼ同様であるが本実施例では燃料容器の燃料漏れ故
障が生じた時に起こる空気室圧力の変化ではなく空気室
内に流入する大気の量(以下、流入大気量)の変化に基
づいて故障が診断される。すなわちパージ処理中におい
て燃料容器の燃料漏れ故障が生じておらず、第二大気通
路が漏れ燃料により遮断されていない場合、空気室内に
導入された負圧により大気が第二大気通路を介して空気
室内に流入する。一方、パージ処理中において燃料容器
の燃料漏れ故障が生じ、第二大気通路が漏れ燃料により
遮断された場合、空気室内に大気はほとんど流入しな
い。
【0033】そこで本実施例ではパージ処理中に空気室
内に流入すると予想される大気の最小限の量、特に零に
近い量を予め算出しておく。そしてパージ処理中におい
て故障診断が実行され、流入大気量が上記予め算出され
た最小限の量以下である時には燃料容器の燃料漏れ故障
が生じていると診断する。これによれば燃料容器の燃料
漏れ故障が容易に診断される。なお第二実施例において
空気室圧力を検出するための圧力センサの代わりに空気
室内に流入する大気の量を検出するための大気量センサ
を第二大気通路に設け、上述した第三実施例の故障診断
と同様にして燃料貯留装置の故障を診断することもでき
る。
【0034】次に第三実施例の故障診断を適用した例を
図10のタイムチャートを参照して説明する。なお図1
0(A)〜(C)は図4(A)〜(C)と同じ対象を示
し、図10(D)は流入大気量を示している。期間T1
では所期パージ量Qpが零であるのでパージ制御弁25
および大気制御弁29は共に閉弁されており、したがっ
て流入大気量Qaは零である。この期間T1 ではパージ
処理が実行されていないので故障診断は実行されない。
時刻t 1 において所期パージ量Qpが或る量Qp1とな
るとパージ制御弁25および大気制御弁29が共に開弁
せしめられる。したがって吸気負圧が空気室27内に導
入され、空気室27内に大気が流入するので流入大気量
Qaは或る量Qa2となる。期間T2 ではパージ処理が
実行されているので故障診断が実行され、流入大気量Q
aが判定値RVqa以上であるので燃料容器の燃料漏れ
故障は生じていないと診断される。そして図10(D)
の実線Aで示したように流入大気量Qaが或る量Qa2
に維持される限り燃料容器の燃料漏れ故障は生じていな
いと診断される。
【0035】しかしながら図10(D)の実線Bで示し
たようにパージ処理が実行されているにも係わらず時刻
2 においてのように判定値RVqaを越えて判定値R
Vqa以下の或る量Qa1となった場合、燃料容器の燃
料漏れ故障が生じていると診断される。次に図11のフ
ローチャートを参照して第三実施例の故障診断を説明す
る。初めにステップ301において所期パージ量Qpが
零より大きい(Qp>0)か否かが判別される。すなわ
ち301においてQp>0であると判別された時にはス
テップ302に進んで流入大気量Qaが判定値RVqa
以下である(Qa≦RVqa)か否かが判別される。ス
テップ302においてQa≦RVqaであると判別され
た時にはステップ303に進んでアラーム34を作動す
る。一方、ステップ302においてQa>RVqaであ
ると判別された時にはステップ304に進んでアラーム
34の作動を停止する。なおステップ301においてQ
p=0であると判別された時には処理を終了する。
【0036】次に第四実施例の燃料貯留装置の故障診断
装置を説明する。図12を参照すると第四実施例の故障
診断装置は第二実施例の第一アラーム34aおよび第二
アラーム34bに加えて第三アラーム34cを具備す
る。第三アラーム34cは対応する駆動回路49を介し
て出力ポート46に接続される。その他の構成は第二実
施例の構成と同じであるので説明は省略する。
【0037】次に第四実施例の燃料貯留装置の故障診断
を概略的に説明する。本実施例ではパージ処理中に燃料
容器の燃料漏れ故障、パージ制御弁の開弁不能故障、お
よび大気制御弁の開弁不能故障といった燃料貯留装置の
故障が生じた時に起こる以下の現象を利用して燃料貯留
装置における種々の故障が診断される。パージ処理中で
は第一実施例で説明した理由で空気室圧力は負圧とな
る。そしてこの空気室圧力は導入負圧の値が多少変化し
ても燃料貯留装置にいかなる故障も生じていない限りこ
の負圧の値近傍に維持される。一方、上述したように第
一大気通路は空気室の底部領域で空気室内に開口するの
で燃料容器の燃料漏れ故障が生じると第一大気通路は漏
れ燃料により遮断されてしまう。このように第一大気通
路が漏れ燃料により遮断されると吸気負圧が空気室内に
導入され難くなる。またパージ制御弁が開弁不能となる
と吸気負圧が空気室内に導入されなくなる。しかしなが
らいずれの場合においても空気室圧力が負圧である限り
空気室内には大気が流入し続けるので空気室圧力は徐々
に上昇し、ほぼ大気圧に等しくなる。すなわちパージ処
理中において空気室圧力が大気圧近くまで上昇した場合
には燃料容器の燃料漏れ故障かパージ制御弁の開弁不能
故障のいずれかが生じている可能性がある。ここで大気
制御弁を閉弁すると空気室内には全く空気が流入しなく
なる。仮にパージ制御弁の開弁不能故障が生じていると
すると空気室内には全く吸気負圧が導入されないので空
気室圧力はほぼ大気圧に等しいままである。しかしなが
ら仮に漏れ燃料により第一大気通路が遮断されていると
すると吸気通路内に負圧により漏れ燃料が徐々に吸気通
路内に排出されるので空気室圧力は低下する。
【0038】そこで本実施例では燃料貯留装置に故障が
生じていないと診断する判定範囲を予め設定し、そして
燃料貯留装置に故障が生じていない場合に空気室圧力を
判定範囲内とする負圧を発生する所期パージ量の範囲
(以下、基準範囲)を予め算出しておく。そしてパージ
処理中であって所期パージ量が上記基準範囲内にある時
に故障診断を実行し、空気室圧力が判定範囲以上である
時には大気遮断弁を閉弁する。ここで空気室圧力に変化
がない場合にはパージ制御弁の開弁不能故障が生じてい
ると診断する。一方、空気室圧力が低下した場合には燃
料容器の燃料漏れ故障が生じていると診断する。
【0039】また大気制御弁の開弁不能故障が生じると
大気が空気室内に流入しなくなる。しかしながら第一大
気通路が遮断されていない限り、またパージ制御弁が開
弁不能となっていない限り吸気負圧が空気室内に導入さ
れ続けるので空気室圧力は徐々に低下する。そこで本実
施例ではパージ処理中であって所期パージ量が上記基準
範囲内にある時に故障診断を実行し、空気室圧力が判定
範囲以下である場合には大気制御弁の開弁不能故障が生
じていると診断する。
【0040】次に第四実施例の故障診断を適用した例を
図13のタイムチャートを参照して説明する。なお図1
3(A)〜(D)は図4(A)〜(D)と同じ対象を示
している。期間T1 では所期パージ量Qpが零であるの
でパージ制御弁25および大気制御弁29は共に閉弁さ
れており、空気室圧力Ptはほぼ大気圧Patmに等し
い。この期間T1 ではパージ処理が実行されていないの
で故障診断は実行されない。時刻t1 において所期パー
ジ量Qpが或る量Qp2となるとパージ制御弁25およ
び大気制御弁29が共に開弁せしめられる。したがって
吸気負圧が空気室27内に導入され、空気室圧力Ptが
低下し、或る圧力Pt1となる。ここで或る量Qp2は
基準範囲Rqpの上限値RVUqp以上であり、期間T
2 では所期パージ量Qpはこの或る量Qp2に維持され
るのでパージ処理中ではあるが故障診断は実行されな
い。
【0041】次に時刻t2 において所期パージ量Qpが
或る量Qp1に低下するとパージ制御弁25のデューテ
ィー比が小さくせしめられ、導入負圧が小さくなるので
空気室圧力Ptが上昇する。ここで或る量Qp1は基準
範囲Rqp内にあるので期間T3 では故障診断が実行さ
れる。空気室圧力Ptは時刻t3 において判定範囲Rp
t内に入り、或る圧力Pt2となる。ここで或る圧力P
t2は判定範囲Rpt内にあるので時刻t3 の時点では
燃料貯留装置7にはいかなる故障も生じていないと診断
される。そして図13(D)の実線Bで示したように空
気室圧力Ptが判定範囲Rpt内にある限り燃料貯留装
置7にいかなる故障も生じていないと診断される。一
方、図13(D)の実線Aで示したように空気室圧力P
tが時刻t 4 において判定範囲Rptの上限値RVUp
t以上となった時には時刻t5 におけるように大気制御
弁29が閉弁せしめられる。ここで図13(D)の実線
A1に示したように空気室圧力Ptに変化がなければ燃
料貯留装置7にはパージ制御弁25の開弁不能故障が生
じていると診断される。一方、図13(D)の実線A2
に示したように空気室圧力Ptが低下すれば燃料貯留装
置7には燃料容器6の燃料漏れ故障が生じていると診断
される。
【0042】さらに図13(D)の実線Cで示したよう
に空気室圧力Ptが時刻t4 において判定範囲Rptの
下限値RVLpt以下となった時には燃料貯留装置7に
大気制御弁29の開弁不能故障が生じていると診断され
る。次に第四実施例の故障診断を適用した例を図14の
フローチャートを参照して説明する。初めにステップ4
01において故障診断を実行できる条件が成立している
か否か、すなわち初期パージ量Qpが基準範囲Rqpの
下限値RVLqp以上であって基準範囲Rqpの上限値
RVUqp以下である(RVLqp≦Qp≦RVUq
p)か否かが判別される。ステップ401においてRV
Lqp≦Qp≦RVUqpであると判別された時にはス
テップ402に進んで空気室圧力Ptが判定範囲Rpt
の上限値RVUpt以上である(Pt≧RVUpt)か
否かが判別される。ステップ402においてPt≧RV
Uptであると判別された時にはステップ403に進ん
で大気制御弁29を閉弁し、ステップ404に進んで大
気制御弁29を閉弁してから予め定められた時間RVt
が経過するまで待機し、ステップ405に進む。
【0043】ステップ405では現在の空気室圧力Pt
が大気制御弁29を閉弁する前における空気室圧力以下
の判定値RVpt以下である(Pt≦RVpt)か否か
が判別される。ステップ405においてPt≦RVpt
であると判別された時にはステップ406に進んで第一
アラーム34aを作動する。またステップ405におい
てPt>RVptであると判別された時にはステップ4
07に進んで第二アラーム34bを作動する。
【0044】ステップ402においてPt<RVUpt
であると判別された時にはステップ408に進んで空気
室圧力Ptが判定範囲Rptの下限値RVLpt以下で
ある(Pt≦RVLpt)か否かが判別される。ステッ
プ408においてPt≦RVLptであると判別された
時にはステップ409に進んで第三アラーム34cを作
動する。一方、ステップ408においてPt>RVLp
tであると判別された時にはステップ410に進んで各
アラーム34a〜34cの作動を停止する。
【0045】なおステップ401においてQp<RVL
qpまたはQp>RVUqpであると判別された時には
処理を終了する。次に第五実施例の燃料貯留装置の故障
診断装置を説明する。図15に示したように本実施例の
故障診断装置は第一実施例のアラームの代わりに三つの
アラーム、すなわち第一アラーム34a、第二アラーム
34bおよび第三アラーム34cを具備する。これらア
ラームは対応する駆動回路49を介して出力ポート46
に接続される。その他の構成は第一実施例の構成と同じ
であるので説明は省略する。
【0046】次に第五実施例の燃料貯留装置の故障診断
を概略的に説明する。本実施例ではパージ処理中に燃料
容器の燃料漏れ故障、パージ制御弁の開弁不能故障、お
よび大気制御弁の開弁不能故障といった燃料貯留装置の
故障が生じた時に起こる以下の現象を利用して燃料貯留
装置における種々の故障が診断される。パージ処理中で
は第一実施例で説明した理由で空気室圧力は負圧とな
る。そしてこの空気室圧力は空気室内に導入される負圧
の値が多少変化しても燃料貯留装置にいかなる故障も生
じていない限りこの負圧の値近傍に維持される。一方、
第二大気通路は空気室の底部領域で空気室内に開口する
ので燃料容器の燃料漏れ故障が生じると第二大気通路は
漏れ燃料により遮断されてしまう。このように第二大気
通路が漏れ燃料により遮断されると大気が空気室内に流
入し難くなる。また大気制御弁の開弁不能故障が生じた
場合には大気は空気室内に流入しなくなる。しかしなが
らいずれの場合においてもパージ処理が実行されている
限り空気室内には吸気負圧が導入され続けるので空気室
圧力は徐々に低下する。したがってパージ処理中におい
て空気室圧力が低下した場合には燃料容器の燃料漏れ故
障か大気制御弁の開弁不能故障のいずれかが生じている
可能性がある。
【0047】ここで所期パージ量を増大すると空気室内
にはさらに大きな負圧が導入される。仮に大気制御弁の
開弁不能故障が生じているとすると空気室内には全く大
気が流入しないので空気室圧力は大きく低下する。しか
しながら仮に漏れ燃料により第二大気通路が遮断されて
いるとすると空気室内には少ないながらも大気が流入す
るので空気室圧力は僅かばかり低下する。
【0048】そこで本実施例では燃料貯留装置に故障が
生じていないと診断する判定範囲を予め設定し、そして
燃料貯留装置に故障が生じていない場合に空気室圧力を
判定範囲内とする負圧を発生する所期パージ量の範囲
(以下、基準範囲)を予め算出しておく。そしてパージ
処理中であって所期パージ量が上記基準範囲内にある時
に故障診断を実行し、空気室圧力が判定範囲以下である
時には所期パージ量を増大する。ここで空気室圧力に変
化がほとんどない場合には燃料容器の燃料漏れ故障が生
じていると診断する。一方、空気室圧力が大きく低下し
た場合には大気制御弁の開弁不能故障が生じていると診
断する。
【0049】さらにパージ制御弁の開弁不能故障が生じ
ると吸気負圧が空気室内に導入されなくなる。しかしな
がら第二大気通路が遮断されていない限り、また大気制
御弁が開弁不能となっていない限り大気が空気室内に流
入し続けるので空気室圧力は徐々に上昇する。そこで本
実施例ではパージ処理中であって所期パージ量が上記基
準範囲内にある時に故障診断を実行し、空気室圧力が判
定範囲以上である場合にはパージ制御弁の開弁不能故障
が生じていると診断する。
【0050】次にこの第五実施例の故障診断を適用した
例を図16のタイムチャートを参照して説明する。なお
図16(A)〜(D)は図4(A)〜(D)と同じ対象
を示している。期間T1 では所期パージ量Qpが零であ
るのでパージ制御弁25および大気制御弁29は共に閉
弁されており、空気室圧力Ptはほぼ大気圧Patmに
等しい。この期間T1 ではパージ処理が実行されていな
いので故障診断は実行されない。時刻t1 において所期
パージ量Qpが或る量Qp3となるとパージ制御弁25
および大気制御弁29が共に開弁せしめられる。したが
って吸気負圧が空気室27内に導入され、空気室圧力P
tが低下し、或る圧力Pt1となる。ここで或る量Qp
3は基準範囲Rqpの上限値RVUqp以上であり、期
間T2 では所期パージ量Qpはこの或る量Qp3に維持
されるのでパージ処理中ではあるが故障診断は実行され
ない。
【0051】次に時刻t2 において所期パージ量Qpが
或る量Qp1に低下するとパージ制御弁25のデューテ
ィー比が小さくせしめられ、導入負圧が小さくなるので
空気室圧力Ptが上昇する。ここで或る量Qp1は基準
範囲Rqp内にあるので期間T3 では故障診断が実行さ
れる。空気室圧力Ptは時刻t3 において判定範囲Rp
t内に入り、或る圧力Pt3となる。ここで或る圧力P
t3は判定範囲Rpt内にあるので時刻t3 の時点では
燃料貯留装置7にはいかなる故障も生じていないと診断
される。そして図16(D)の実線Bで示したように空
気室圧力Ptが判定範囲Rpt内にある限り燃料貯留装
置7にいかなる故障も生じていないと診断される。
【0052】一方、図16(D)の実線Cで示したよう
に空気室圧力Ptが時刻t4 において判定範囲Rptの
下限値RVLpt以下となった時には時刻t5 における
ように所期パージ量Qpが或る量Qp2まで増大せしめ
られる。ここで図16(D)の実線C1に示したように
空気室圧力Ptに僅かしか変化がなければ燃料貯留装置
7には燃料容器9の燃料漏れ故障が生じていると診断さ
れる。一方、図16(D)の実線C2に示したように空
気室圧力Ptが大きく低下すれば燃料貯留装置7には大
気制御弁29の開弁不能故障が生じていると診断され
る。
【0053】さらに図16(D)の実線Aで示したよう
に空気室圧力Ptが時刻t4 において判定範囲Rptの
上限値RVUpt以上となった時には燃料貯留装置7に
パージ制御弁25の開弁不能故障が生じていると診断さ
れる。次に図17のフローチャートを参照して第四実施
例の故障診断を説明する。初めにステップ501におい
て故障診断を実行できる条件が成立しているか否か、す
なわち所期パージ量Qpが基準範囲Rqpの下限値RV
Lqp以上であって基準範囲Rqpの上限値RVUqp
以下である(RVLqp≦Qp≦RVUqp)か否かが
判別される。ステップ501においてRVLqp≦Qp
≦RVUqpであると判別された時にはステップ502
に進んで空気室圧力Ptが判定範囲Rptの下限値RV
Lpt以下である(Pt≦RVLpt)か否かが判別さ
れる。ステップ502においてPt≦RVLptである
と判別された時にはステップ503に進んで所期パージ
量Qpを増大し、ステップ504に進んで所期パージ量
Qpを増大してから予め定められた時間RVtが経過す
るまで待機し、ステップ505に進む。
【0054】ステップ505では現在の空気室圧力Pt
が所期パージ量Qpを増大する前における空気室圧力以
下の判定値RVpt以下である(Pt≦RVpt)か否
かが判別される。ステップ505においてPt≦RVp
tであると判別された時にはステップ506に進んで大
気制御弁29の開弁不能故障が生じていることを表示す
るための第二アラーム34bを作動する。またステップ
505においてPt>RVptであると判別された時に
はステップ507に進んで燃料容器9の燃料漏れ故障が
生じていることを表示するための第一アラーム34aを
作動する。
【0055】ステップ502においてPt>RVLpt
であると判別された時にはステップ508に進んで空気
室圧力Ptが判定範囲Rptの上限値RVUpt以上で
ある(Pt≧RVUpt)か否かが判別される。ステッ
プ508においてPt≧RVUptであると判別された
時にはステップ509に進んでパージ制御弁25の開弁
不能故障が生じていることを表示するための第三アラー
ム34cを作動する。一方、ステップ508においてP
t<RVUptであると判別された時にはステップ51
0に進んで各アラーム34a〜34cの作動を停止す
る。
【0056】なおステップ501においてQp<RVL
qpまたはQp>RVUqpであると判別された時には
処理を終了する。次に第六実施例の燃料貯留装置の故障
診断を概略的に説明する。なお第六実施例の故障診断装
置の構成は第五実施例の構成と同じであるので説明は省
略する。本実施例では第二大気通路が空気室内の燃料に
より遮断された場合であっても少量の大気が空気室内に
流入することを前提として第五実施例と同様に燃料容器
の燃料漏れ故障、パージ制御弁の開弁不能故障および大
気制御弁の開弁不能故障が診断される。
【0057】パージ処理中では第一実施例で説明した理
由で空気室圧力は負圧となる。そしてこの空気室圧力は
空気室内に導入される負圧の値が多少変化しても燃料貯
留装置にいかなる故障も生じていない限りこの負圧の値
近傍に維持される。ところで第二大気通路は空気室の底
部領域で空気室内に開口するので燃料容器の燃料漏れ故
障が生じると第二大気通路は漏れ燃料により遮断されて
しまう。このように第二大気通路が漏れ燃料により遮断
されると大気が空気室内に流入し難くなる。しかしなが
らパージ処理が実行されている限り空気室内には吸気負
圧が導入され続けるので空気室圧力は徐々に低下する。
ここで空気室内の負圧が比較的大きくなれば第二大気通
路内と空気室内との差圧が大きくなるので少量の大気が
空気室内に流入する。このため空気室圧力は比較的小さ
い程度だけ低下する。一方、大気制御弁が開弁不能とな
ると大気が空気室内に全く流入しなくなる。しかしなが
らパージ処理が実行されている限り空気室内には吸気負
圧が導入され続けるので空気室圧力は徐々に低下する。
ここでは空気室内の負圧が比較的大きくなっても大気は
空気室内に流入しない。このため空気室圧力は比較的大
きく低下する。
【0058】そこで本実施例では燃料貯留装置に故障が
生じていないと診断する判定範囲を予め設定し、そして
燃料貯留装置に故障が生じていない場合に空気室圧力を
判定範囲内とする負圧を発生する所期パージ量の範囲
(以下、基準範囲)を予め算出しておく。そしてパージ
処理中であって所期パージ量が上記基準範囲内にある時
に故障診断を実行し、空気室圧力が比較的小さい程度だ
け判定範囲以下である時には燃料容器の燃料漏れ故障が
生じていると診断する。一方、空気室圧力が比較的大き
い程度に判定範囲以下となっている時には大気制御弁の
開弁不能故障が生じていると診断する。
【0059】さらにパージ制御弁の開弁不能故障が生じ
ると吸気負圧が空気室内に導入されなくなる。しかしな
がら第二大気通路が遮断されていない限り、また大気制
御弁が開弁不能となっていない限り大気が空気室内に流
入し続けるので空気室圧力は徐々に上昇する。そこで本
実施例ではパージ処理中であって所期パージ量が上記基
準範囲内にある時に故障診断を実行し、空気室圧力が判
定範囲以上である場合にはパージ制御弁の開弁不能故障
が生じていると診断する。
【0060】これによれば第五実施例に比べて少ない工
程で燃料貯留装置の故障を診断できる。次にこの第六実
施例の故障診断を適用した例を図18のタイムチャート
を参照して説明する。なお図18(A)〜(D)は図4
(A)〜(D)と同じ対象を示している。
【0061】期間T1 では所期パージ量Qpが零である
のでパージ制御弁25および大気制御弁29は共に閉弁
されており、空気室圧力Ptはほぼ大気圧Patmに等
しい。この期間T1 ではパージ処理が実行されていない
ので故障診断は実行されない。時刻t1 において所期パ
ージ量Qpが或る量Qp2となるとパージ制御弁25お
よび大気制御弁29が共に開弁せしめられる。したがっ
て吸気負圧が空気室27内に導入され、空気室圧力Pt
が低下し、或る圧力Pt1となる。ここで或る量Qp2
は基準範囲Rqpの上限値RVUqp以上であり、期間
2 では所期パージ量Qpはこの或る量Qp2に維持さ
れるのでパージ処理中ではあるが故障診断は実行されな
い。
【0062】次に時刻t2 において所期パージ量Qpが
或る量Qp1に低下するとパージ制御弁25のデューテ
ィー比が小さくせしめられ、導入負圧が小さくなるので
空気室圧力Ptが上昇する。ここで或る量Qp1は基準
範囲Rqp内にあるので期間T3 では故障診断が実行さ
れる。空気室圧力Ptは時刻t3 において判定範囲Rp
t内に入り、或る圧力Pt4となる。ここで或る圧力P
t4は判定範囲Rpt内にあるので時刻t3 の時点では
燃料貯留装置7にはいかなる故障も生じていないと診断
される。そして図18(D)の実線Bで示したように空
気室圧力Ptが判定範囲Rpt内にある限り燃料貯留装
置7にいかなる故障も生じていないと診断される。一
方、図18(D)の実線Cで示したように空気室圧力P
tが時刻t 4 において判定範囲Rptの下限値RVLp
t以下であって判定値RVpt以上となった時には燃料
貯留装置7には燃料容器9の燃料漏れ故障が生じている
と診断される。一方、図18(D)の実線Dに示したよ
うに空気室圧力Ptが判定値RVpt以下となった時に
は燃料貯留装置7には大気制御弁29の開弁不能故障が
生じていると診断される。
【0063】さらに図18(D)の実線Aで示したよう
に空気室圧力Ptが時刻t4 において判定範囲Rptの
上限値RVUpt以上となった時には燃料貯留装置7に
パージ制御弁25の開弁不能故障が生じていると診断さ
れる。次に図19のフローチャートを参照して第六実施
例の故障診断を説明する。初めにステップ601におい
て故障診断を実行できる条件が成立しているか否か、す
なわち初期パージ量Qpが基準範囲Rqpの下限値RV
Lqp以上であって基準範囲Rqpの上限値RVUqp
以下である(RVLqp≦Qp≦RVUqp)か否かが
判別される。ステップ601においてRVLqp≦Qp
≦RVUqpであると判別された時にはステップ602
に進んで空気室圧力Ptが判定範囲Rptの下限値RV
Lpt以下である(Pt≦RVLpt)か否かが判別さ
れる。ステップ602においてPt≦RVLptである
と判別された時にはステップ603に進んで空気室圧力
Ptが判定範囲Rptの下限値RVLptより低い判定
値RVpt以上である(Pt≧RVpt)か否かが判別
される。ステップ603においてPt≧RVptである
と判別された時にはステップ604に進んで第一アラー
ム34aを作動する。一方、ステップ603においてP
t<RVptであると判別された時にはステップ605
に進んで第二アラーム34bを作動する。
【0064】ステップ602においてPt>RVLpt
であると判別された時にはステップ606に進んで空気
室圧力Ptが判定範囲Rptの上限値RVUpt以上で
ある(Pt≧RVUpt)か否かが判別される。ステッ
プ606においてPt≧RVUptであると判別された
時にはステップ607に進んで第三アラーム34cを作
動する。一方、ステップ606においてPt<RVUp
tであると判別された時にはステップ608に進んで各
アラーム34a〜34cの作動を停止する。
【0065】なおステップ601においてQp<RVL
qpまたはQp>RVUqpであると判別された時には
処理を終了する。次に第七実施例の燃料貯留装置の故障
診断を概略的に説明する。なお第七実施例の故障診断装
置の構成は第五実施例の構成と同じであるので説明は省
略する。本実施例では燃料容器の燃料漏れ故障が生じた
場合に起こる以下で説明する空気室圧力の変動を利用し
て燃料容器の燃料漏れ故障を診断する。
【0066】本実施例においてパージ処理中には空気室
圧力は負圧となり、空気室内には第二大気通路を介して
大気が流入する。ところが燃料容器の燃料漏れ故障が生
じ、第二大気通路が漏れ燃料により遮断されると大気が
空気室内に流入し難くなる。しかしながら大気は全く空
気室内に流入しないわけではない。なぜならば第二大気
通路の遮断により空気室内の負圧が大きくなると第二大
気通路内の圧力と空気室圧力との差圧が大きくなるので
第二大気通路を遮断している燃料の液面が下がり、第二
大気通路を開放するからである。このため大気が空気室
内に流入し、空気室圧力は一時的に上昇し、その後、第
二大気通路は空気室内の液面により遮断される。そして
再び空気室圧力が下降する。
【0067】このように燃料容器の燃料漏れ故障が生じ
た場合には空気室圧力は上昇と下降とを交互に繰り返す
ように変動(以下、上下変動)する。そこで本実施例で
は空気室圧力が判定範囲以下となり、そして上下変動し
ている場合には燃料容器の燃料漏れ故障が生じていると
診断する。さらに本実施例では空気室圧力が判定範囲以
下となったが上下変動はしていない場合には所期パージ
量が増大せしめられる。これにより空気室圧力の負圧は
さらに大きくなる。ここで仮に燃料容器の燃料漏れ故障
が生じている場合には上記と同様に空気室圧力が上下変
動するはずである。そこで本実施例では空気室圧力が判
定範囲以下となったが上下変動しないない場合には所期
パージ量を増大し、ここで空気室圧力が上下変動してい
る場合には燃料容器の燃料漏れ故障が生じていると診断
する。もちろんここで空気室圧力が上下変動していない
場合には第六実施例の場合と同様の理由で大気制御弁の
開弁不能故障が生じていると診断する。これによれば燃
料容器の燃料漏れ故障をさらに精度よく診断することが
できる。
【0068】なお本実施例では第六実施例の場合と同様
に空気室圧力が判定範囲以上となった場合にはパージ制
御弁の開弁不能故障が生じていると診断する。次にこの
第七実施例の故障診断を適用した例を図20のタイムチ
ャートを参照して説明する。なお図20(A)〜(D)
は図4(A)〜(D)と同じ対象を示している。
【0069】期間T1 では所期パージ量Qpが零である
のでパージ制御弁25および大気制御弁29は共に閉弁
されており、空気室圧力Ptはほぼ大気圧Patmに等
しい。この期間T1 ではパージ処理が実行されていない
ので故障診断は実行されない。時刻t1 において所期パ
ージ量Qpが或る量Qp3となるとパージ制御弁25お
よび大気制御弁29が共に開弁せしめられる。したがっ
て吸気負圧が空気室27内に導入され、空気室圧力Pt
が低下し、或る圧力Pt1となる。ここで或る量Qp3
は基準範囲Rqpの上限値RVUqp以上であり、期間
2 では所期パージ量Qpはこの或る量Qp3に維持さ
れるのでパージ処理中ではあるが故障診断は実行されな
い。
【0070】次に時刻t2 において所期パージ量Qpが
或る量Qp1に低下するとパージ制御弁25のデューテ
ィー比が小さくせしめられ、導入負圧が小さくなるので
空気室圧力Ptが上昇する。ここで或る量Qp1は基準
範囲Rqp内にあるので期間T3 では故障診断が実行さ
れる。空気室圧力Ptは時刻t3 において判定範囲Rp
t内に入り、或る圧力Pt3となる。ここで或る圧力P
t3は判定範囲Rpt内にあるので時刻t3 の時点では
燃料貯留装置7にはいかなる故障も生じていないと診断
される。そして図20(D)の実線Bで示したように空
気室圧力Ptが判定範囲Rpt内にある限り燃料貯留装
置7にいかなる故障も生じていないと診断される。一
方、図20(D)の実線Cで示したように空気室圧力P
tが時刻t 4 において判定範囲Rptの下限値RVLp
t以下となり、空気室圧力Ptが上下変動している時に
は燃料貯留装置7には燃料容器9の燃料漏れ故障が生じ
ていると診断される。
【0071】一方、図20(D)の実線Dで示したよう
に空気室圧力Ptが上下変動せずにほぼ一定の値に維持
されている時には時刻t5 におけるように所期パージ量
Qpが増大せしめられる。ここで図20(D)の実線D
1で示したように空気室圧力Ptが上下変動している時
には燃料貯留装置7には燃料容器9の燃料漏れ故障が生
じていると診断される。一方、図20(D)の実線D2
で示したように空気室圧力Ptがほぼ一定の値に維持さ
れている時には大気制御弁29の開弁不能故障が生じて
いると診断する。
【0072】さらに図20(D)の実線Aで示したよう
に空気室圧力Ptが時刻t4 において判定範囲Rptの
上限値RVUpt以上となった時には燃料貯留装置7に
パージ制御弁25の開弁不能故障が生じていると診断さ
れる。次に図21のフローチャートを参照して第七実施
例の故障診断を説明する。初めにステップ701におい
て故障診断を実行できる条件が成立しているか否か、す
なわち所期パージ量Qpが基準範囲Rqpの下限値RV
Lqp以上であって基準範囲Rqpの上限値RVUqp
以下である(RVLqp≦Qp≦RVUqp)か否かが
判別される。ステップ701においてRVLqp≦Qp
≦RVUqpであると判別された時にはステップ702
に進んで空気室圧力Ptが判定範囲Rptの下限値RV
Lpt以下である(Pt≦RVLpt)か否かが判別さ
れる。ステップ702においてPt≦RVLptである
と判別された時にはステップ703に進んで空気室圧力
Ptが上下変動しているか否かが判別される。ステップ
703において空気室圧力Ptが上下変動していると判
別された時にはステップ704に進んで第一アラーム3
4aを作動する。一方、ステップ703において空気室
圧力Ptが上下変動していないと判別された時にはステ
ップ705に進んで後述する故障診断サブルーチンが実
行される。
【0073】ステップ702においてPt>RVLpt
であると判別された時にはステップ706に進んで空気
室圧力Ptが判定範囲Rptの上限値RVUpt以上で
ある(Pt≧RVUpt)か否かが判別される。ステッ
プ706においてPt≧RVUptであると判別された
時にはステップ707に進んで第三アラーム34cを作
動する。一方、ステップ706においてPt<RVUp
tであると判別された時には各アラーム34a〜34c
の作動を停止する。
【0074】図22のフローチャートを参照すると故障
診断サブルーチンでは初めにステップ801において所
期パージ量Qpが増大せしめられる。次いでステップ8
02において所期パージ量Qpが増大せしめられてから
予め定められた時間RVtだけ待機した後にステップ8
03に進んで空気室圧力Ptが上下変動しているか否か
が判別される。ステップ803において空気室圧力Pt
が上下変動していると判別された時にはステップ804
に進んで第一アラーム34aが作動される。一方、ステ
ップ803において空気室圧力Ptが上下変動していな
いと判別された時にはステップ805に進んで第二アラ
ーム34bが作動される。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば大気導入通路または大気
排出通路のいずれか一方が空気室内の燃料により遮断さ
れているか否かを検出することにより燃料室から空気室
に燃料が漏れているか否かを診断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例の燃料貯留装置の故障診断装置を備
えた内燃機関の全体図である。
【図2】燃料容器の斜視図である。
【図3】変形した燃料容器の断面斜視図である。
【図4】第一実施例の燃料漏れ故障診断を説明するため
のタイムチャートである。
【図5】第一実施例の燃料漏れ故障診断のフローチャー
トである。
【図6】第二実施例の燃料貯留装置の故障診断装置を備
えた内燃機関の全体図である。
【図7】第二実施例の故障診断を説明するためのタイム
チャートである。
【図8】第二実施例の故障診断のフローチャートであ
る。
【図9】第三実施例の燃料貯留装置の故障診断装置を備
えた内燃機関の全体図である。
【図10】第三実施例の燃料漏れ故障診断を説明するた
めのタイムチャートである。
【図11】第三実施例の燃料漏れ故障診断のフローチャ
ートである。
【図12】第四実施例の燃料貯留装置の故障診断装置を
備えた内燃機関の全体図である。
【図13】第四実施例の故障診断を説明するためのタイ
ムチャートである。
【図14】第四実施例の故障診断のフローチャートであ
る。
【図15】第五実施例の燃料貯留装置の故障診断装置を
備えた内燃機関の全体図である。
【図16】第五実施例の故障診断を説明するためのタイ
ムチャートである。
【図17】第五実施例の故障診断のフローチャートであ
る。
【図18】第六実施例の故障診断を説明するためのタイ
ムチャートである。
【図19】第六実施例の故障診断のフローチャートであ
る。
【図20】第七実施例の故障診断を説明するためのタイ
ムチャートである。
【図21】第七実施例の故障診断のフローチャートであ
る。
【図22】第七実施例の故障診断サブルーチンのフロー
チャートである。
【符号の説明】
2…吸気通路 7…燃料貯留装置 9…燃料容器 10…燃料室 24…パージ通路 25…パージ制御弁 26…第一大気通路 27…空気室 28…第二大気通路 29…大気制御弁 35…圧力センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 直也 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3D038 CA22 CB01 CC00 CD00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料を貯留するための燃料室と、該燃料
    室に隣接して配置された空気室とを具備し、空気室内の
    気体を内燃機関の吸気通路内に放出するための気体放出
    通路と、空気室内に気体を導入するための気体導入通路
    とを備えた燃料貯留装置の故障を診断するための故障診
    断装置において、前記気体放出通路および気体導入通路
    の少なくとも一方が燃料室から空気室に漏れた燃料によ
    り遮断されるように構成され、前記気体放出通路および
    気体導入通路の少なくとも一方が空気室内の燃料により
    遮断されたことが検出された時に燃料室から空気室に燃
    料が漏れる故障が燃料貯留装置に生じていると診断する
    ことを特徴とする故障診断装置。
  2. 【請求項2】 前記気体導入通路が空気室内の燃料によ
    り遮断されるように構成され、前記気体放出通路が吸気
    通路内に発生した負圧が該気体放出通路を介して空気室
    内に導入されるように構成されており、吸気通路内の負
    圧が空気室内に導入されている時に空気室内の圧力が予
    め定められた値以下である時に前記気体導入通路が空気
    室内の燃料により遮断されていると診断することを特徴
    とする請求項1に記載の故障診断装置。
  3. 【請求項3】 前記気体導入通路が空気室内の燃料によ
    り遮断されるように構成され、前記気体放出通路が吸気
    通路内に発生した負圧が該気体放出通路を介して空気室
    内に導入されるように構成されており、前記気体導入通
    路に該気体導入通路を遮断するための遮断弁が配置さ
    れ、該遮断弁は吸気通路内の負圧が空気室内に導入され
    るべき時に開弁されるように構成されており、吸気通路
    内の負圧が空気室内に導入されている時に空気室内の圧
    力が第一の予め定められた値以下である時には前記遮断
    弁が開弁不能である故障が燃料貯留装置に生じていると
    診断し、一方、空気室内の圧力が前記第一の予め定めら
    れた値以上であるが第二の予め定められた値以下である
    時には前記気体導入通路が空気室内の燃料により遮断さ
    れていると診断することを特徴とする請求項1に記載の
    故障診断装置。
  4. 【請求項4】 前記気体放出通路が空気室内の燃料によ
    り遮断されるように且つ吸気通路内に発生した負圧が該
    気体放出通路を介して空気室内に導入されるように構成
    されており、吸気通路内の負圧が空気室内に導入されて
    いる時に空気室内の圧力が予め定められた値以上である
    時に前記気体放出通路が空気室内の燃料により遮断され
    ていると診断することを特徴とする請求項1に記載の故
    障診断装置。
  5. 【請求項5】 前記気体放出通路が空気室内の燃料によ
    り遮断されるように且つ吸気通路内に発生した負圧が該
    気体放出通路を介して空気室内に導入されるように構成
    されており、前記気体導入通路に該気体導入通路を遮断
    するための遮断弁が配置され、該遮断弁は吸気通路内の
    負圧が空気室内に導入されるべき時に開弁されるように
    構成されており、吸気通路内の負圧が空気室内に導入さ
    れている時に空気室内の圧力が第一の予め定められた値
    以上である時に前記遮断弁を閉弁し、その後、空気室内
    の圧力が第二の予め定められた値以下である時には前記
    気体放出通路が空気室内の燃料により遮断されていると
    診断し、一方、空気室内の圧力が前記第二の予め定めら
    れた値以上である時には前記遮断弁が閉弁不能である故
    障が燃料貯留装置に生じていると診断することを特徴と
    する請求項1に記載の故障診断装置。
  6. 【請求項6】 前記気体導入通路内を流通する気体の流
    量を検出するための気体流量検出手段を設け、前記気体
    放出通路が吸気通路内に発生した負圧が該気体放出通路
    を介して空気室内に導入されるように構成されており、
    吸気通路内の負圧が空気室内に導入されている時に前記
    気体流量検出手段により検出された流量が予め定められ
    た値以下である時には前記気体放出通路および気体導入
    通路の少なくとも一方が空気室内の燃料により遮断され
    ていると診断することを特徴とする請求項1に記載の故
    障診断装置。
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