JP2001123081A - 熱硬化性樹脂成形材料及びそれを用いた成形体 - Google Patents

熱硬化性樹脂成形材料及びそれを用いた成形体

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JP2001123081A
JP2001123081A JP30824899A JP30824899A JP2001123081A JP 2001123081 A JP2001123081 A JP 2001123081A JP 30824899 A JP30824899 A JP 30824899A JP 30824899 A JP30824899 A JP 30824899A JP 2001123081 A JP2001123081 A JP 2001123081A
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thermosetting resin
molding material
molding
graphite
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Takayuki Suzuki
孝之 鈴木
Shunsuke Fujii
俊介 藤井
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、良好な成形を有し、導電性及び機
械的強度に優れた熱硬化性樹脂成形材料を提供すること
を目的とするものである。更に詳しくは、導電性に優
れ、成形性が良好であることにより強度に優れた燃料電
池セパレーター等の成形品を提供することを目的とする
ものである。 【解決手段】 成形材料全体に対して、熱硬化性樹脂1
0〜35重量%、黒鉛50〜85重量%とガラス繊維の
微粉砕物5〜15重量%を含有してなることを特徴とす
る熱硬化性樹脂成形材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、黒鉛とガラス繊維
の微粉砕物とを熱硬化性樹脂に混合することにより、良
好な成形性を有し、機械的強度に優れた高電導性の熱硬
化性樹脂成形材料及びその成形体に関するものであり、
この成形材料は水素、アルコール等を燃料とする燃料電
池のセパレーター等に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は通常いくつかの単位電池を直
列に接続して使用される。各電池間は電解液、ガス等に
対して不通気性のセパレーターで仕切られている。セパ
レーターは電気に対しては高導電性であることが必要で
ある。従来この種の材料としては黒鉛粉末に熱硬化性樹
脂等の結合剤を加え、混練、成形、焼成し、さらに不通
気性、電導性を向上させるため前記結合剤を含浸し、焼
成したあと、切削加工して必要とする形状を得ていた。
この方法は焼成しているので耐熱性が良好である利点が
あるが、焼成によって気孔が生ずるため、通常は液状の
熱硬化性樹脂を含浸する工程が必要となり、また切削加
工工程が必須条件でありコスト高になる欠点がある。
【0003】更に黒鉛粉末と熱硬化性樹脂を用いて成形
したままで製品とする方法も提案されている(特公昭64
−340号公報)。熱硬化性樹脂自体は電導性でないた
め、この成形体の電導性を高めるためには前記公報に記
載されているように黒鉛粉末の添加量を増やす必要とと
もに樹脂の粘度と黒鉛粉末の粒度を調整する必要がある
が、これだけでは実際の燃料電池のセパレーターのよう
な複雑な形状をした成形品や大型で薄肉の成形品等を製
造する場合には強度が低いためもろく壊れやすい欠点が
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な欠点を改良するものであり、良好な成形を有し、導電
性及び機械的強度に優れた熱硬化性樹脂成形材料を提供
することを目的とするものである。更に詳しくは、導電
性に優れ、成形性が良好であることにより強度に優れた
燃料電池セパレーター等の成形品を提供することを目的
とするものである。具体例として、燃料電池セパレータ
ーでは、導電性を示す体積抵抗率が10-3〜100Ω・
cmであり、かつ強度を示す曲げ強さが50MPa以上
であるものを得ることを目的としている。
【0005】
【課題を解決する手段】本発明は、上記目的を達成すべ
く鋭意検討を行った結果、完成されたものであり、成形
材料全体に対して、熱硬化性樹脂10〜35重量%、黒
鉛50〜85重量%及びガラス繊維の微粉砕物5〜15
重量%を含有してなることを特徴とする熱硬化性樹脂成
形材料に関するものである。
【0006】従来、燃料電池セパレータ用としては黒鉛
の粒度と樹脂の粘度を調整することにより必要な導電
性、不通気率等の特性を得ていた。しかし、これだけで
は実際の燃料電池セパレータのような複雑な形状をした
成形品や大型で薄肉の成形品等を製造する場合には強度
が低いためもろく壊れやすい欠点があった。本発明は、
これに特定量のガラス繊維の粉砕物を添加することによ
り、流動性を維持しながら導電性と強度を両立した成形
材料を開発したものである。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明を実施するには、例えば、黒鉛、ガラス繊維の微粉
砕物及び微粉砕した熱硬化性樹脂をヘンシェルミキサー
のような混練機械で均一に混合する。得られた組成物は
そのままでも高導電性を有しているが、更に均一で良好
な導電性を付与する為には熱硬化性樹脂組成物の粒子を
一旦100μm以下に微粉末化することが好ましい。組
成物の粒子が100μmを越えると、導電性にバラツキ
が生じやすく、また高導電性も得られにくい。更には、
加熱ロール等で十分な加圧混練をすることにより、より
均一な導電性を得ることができる。
【0008】組成物中の各成分の割合は、熱硬化性樹脂
10〜35重量%、黒鉛50〜85重量%及びガラス繊
維の微粉砕物5〜15重量%である。熱硬化性樹脂が1
0重量%未満であると、流動性が低下するため成形加工
性が厳しくなり、35重量%を超えると十分な導電性を
得られない。黒鉛が50重量%未満では導電性に乏し
く、85重量%を超えると流動性が低下するため成形加
工性に難点がある。また、ガラス繊維の微粉砕物が5重
量%未満では導電性に影響は無いが成形品としての強度
が不十分であり、15重量%を超えると導電性が低下す
るようになる。本発明では10-3 〜10-1 Ω・cmの
高伝導性と優れた強度を得るためには、黒鉛とガラス繊
維の微粉砕物との配合量が60〜90重量%の範囲であ
ることが好ましい。
【0009】本発明で使用できる黒鉛としては特に限定
されない。例えば鱗片状、塊状、土状等の天然黒鉛や人
造黒鉛が使用できる。また、ガラス繊維の微粉砕物は従
来使用されているガラス繊維を微粉砕したものであり、
通常繊維径20μm以下、繊維長350μm以下であ
る。繊維径20μmを越えると、強度向上の効果が不十
分であり、繊維長350μmを越えると流動性が大幅に
低下する。好ましくは、繊維長250μm以下で未集束
のものが使用される。通常の集束したガラス繊維では、
混練段階でガラス繊維が毛玉状になり易く、また成形段
階では繊維形状のために流動阻害が生じ、流動性が低下
する。また、集束したガラス繊維では成形品の表面粗度
が大きいため、外観の低下を招き、燃料電池のセパレー
ターでは必要特性の1つである接触抵抗を低下させる恐
れがある。従って、未集束ガラス繊維の微粉砕品が好ま
しく使用される。また、繊維長250μm以下とするこ
とにより、更に流動性が良好となる。
【0010】本発明で使用できる熱硬化性樹脂として
は、常温で固体であるものが使用できる。例えばフェノ
ール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエルテル樹脂等が
用いられる。耐熱性のよいフェノール樹脂、エポキシ樹
脂が好ましく、フェノール樹脂では、成形時にアンモニ
アが発生せず、成形品中に残存しないという点でレゾー
ル型フェノール樹脂が好ましい。
【0011】次に、本発明の熱硬化性樹脂成形材料を製
造する方法について、その一例を詳しく説明すると、黒
鉛、ガラス繊維の微粉砕物、微粉砕した熱硬化性樹脂、
及び離型剤をヘンシェルミキサーにて均一に混合する。
この混合組成物はこのままでも成形加工できるが、更に
取り扱いを容易にし、高度な導電性を得るため加熱ロー
ル等で成形材料化し破砕する。必要により顆粒状にする
こともできる。導電性、強度を損なわない範囲で、黒鉛
の代わりにカーボンブラック、炭素繊維等の導電性の充
填材を一部使用することも可能であり、無機充填材も一
部併用使用することができる。
【0012】このようにして得られた熱硬化性樹脂成形
材料は通常の熱硬化性の成形機で成形でき、例えば、金
型温度130〜180℃、成形圧力200〜800kg
/cm2 の条件で、300×300×2mmの大きさの
成形品を容易に得ることができる。
【0013】
【実施例】以下本発明を実施例により詳しく説明する。
【0014】実施例1〜3、比較例1〜3 表1に示したように、黒鉛、ガラス繊維の微粉砕物、離
型剤としてステアリン酸、及びフェノール樹脂として、
ジメチレンエーテル型レゾールフェノール樹脂(数平均
分子量700、融点80℃)をヘンシェルミキサーにて
混合して組成物を得た。これらの組成物を80℃の加熱
ロールで溶融混練後取り出し、顆粒状に粉砕して成形材
料を得た。かかる成形材料を金型温度170℃、成形圧
力200kg/cm2、成形時間3分で圧縮成形して3
00×300×2mmの大きさの成形品を得た。得られ
た成形品の特性を表1下段に示す。
【0015】(測定方法)成形品外観は、目視による観
察であり、良は表面平滑で光沢がある。不良はガラス繊
維による筋が見られ凹凸が認められる。体積固有抵抗
は、JIS K 7194により測定した。曲げ強さは、
JIS K 7203により測定した。モノホール流動性
は、JIS K 6911により測定した。
【0016】
【表1】
【0017】* 1)黒鉛: 人造黒鉛:平均粒径120μm(篩分)、比表面積0.
60m2/g * 2)黒鉛: 鱗状黒鉛:平均粒径130μm(篩分)、比表面積1.
25m2/g * 3)ガラス繊維: 平均繊維径10μm、平均繊維長1.5mm * 4)ガラス繊維の微粉砕物: 平均繊維径10μm、平均繊維長200μm
【0018】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の熱硬化性樹脂成形材料は、機械的強度に優れた高電導
性の熱硬化性樹脂成形材料であり、成形性に優れている
ことから薄肉の成形体を得ることができる。従って、水
素、アルコール等を燃料とする燃料電池のセパレーター
等の成形品を容易に製造することが出来るため、工業的
な導電性樹脂成形材料として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C04B 26/12 C04B 14:36 14:36 14:42) Z 14:42) C08L 101/00 Fターム(参考) 4J002 CC031 CD001 CF211 DA026 DL007 FA016 FA047 FD116 GQ02 HA09 5G301 DA19 DA34 DA55 DD08 DD10 5H026 AA08 BB01 BB03 BB06 BB08 CX04 EE06 EE12 EE18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形材料全体に対して、熱硬化性樹脂1
    0〜35重量%、黒鉛50〜85重量%及びガラス繊維
    の微粉砕物5〜15重量%を含有してなることを特徴と
    する熱硬化性樹脂成形材料。
  2. 【請求項2】 熱硬化性樹脂がレゾール型フェノール樹
    脂である請求項1記載の熱硬化性樹脂成形材料。
  3. 【請求項3】 燃料電池セパレーター用である請求項1
    又は2記載の熱硬化性樹脂成形材料。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の成形材料を成形し
    てなり、成形体の厚みが0.5〜5.0mmであること
    を特徴とする導電性成形体。
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